JP3545263B2 - フロントピラーの下部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイドシルの前端部より上方へ屈曲した屈曲部を有するフロントピラーの下部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、フロントピラー101のピラーアウタ(図示せず)内部を示す透視図であり、該フロントピラー101の下部には、サイドシル102の前端部より上方へ屈曲した閉断面形状の屈曲部103が、レインフォースインナ104とレインフォースアウタ105とにより形成されている。
【0003】
前記フロントピラー101内には、サンルーフへの雨水を排出するドレンホース111が配設されており、前記屈曲部103を形成する前記レインフォースインナ104には、作業穴112が設けられている。また、前記屈曲部103における前記作業穴112の下部には、当該屈曲部103の内側面に密着するウレタンブロック113が挿入されており、サイドシル102にて発生した石跳ね音や走行時の振動音が、前記作業穴112を介して車室内へ伝達されないように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したフロントピラー101の下部構造にあっては、予め屈曲部103の断面形状に成形されたウレタンブロック113を挿入するため、該ウレタンブロック113と屈曲部103の内側面との間に隙間が形成されてしまう。また、前記ウレタンブロック113には、ドレンホース111の挿入部121が切欠されており、この挿入部121においても隙間が形成されてしまう。これにより、これらの隙間から音が侵入してまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、サイドシルからの音の侵入を防止することができるフロントピラーの下部構造を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明のフロントピラーの下部構造にあっては、フロントピラー1の下部に、サイドシル3の前端部より上方へ屈曲する閉断面形状の屈曲部15が設けられ、該屈曲部15より上方に車室内I側へ向けて開口する開口部18が設けられたフロントピラーの下部構造において、前記屈曲部15に、樹脂製のプレート31を備えてなる発泡材付プレート24を、前記開口部18より下部にて車体前後方向に延設し、前記発泡材付プレート24の上部と下部とを区画するとともに、樹脂製の前記プレート31には、熱により膨張する第1の発泡ゴム層36と熱により膨張する第2の発泡ゴム層37とが貼着され、該第2の発泡ゴム層37は前記第1の発泡ゴム層36よりも膨張率が低く設定され、前記プレート31の円形穴34が前記第2の発泡ゴム層37により閉鎖されるとともに前記円形穴34上に位置する前記第2の発泡ゴム層37の部位には前記第1の発泡ゴム層36による一般部よりも脆弱な脆弱部38が形成されている。
【0007】
すなわち、フロントピラー下部の屈曲部に設けられた発泡材付プレートには、熱により膨張する発泡材が設けられており、この発泡材は、塗装工程で加えられる熱により膨張される。これにより、閉断面形状に形成された前記屈曲部の内側面には、膨張された発泡材が密着され、前記発泡材付プレートにより区画された上部と下部との遮音性が高められる。
【0008】
また、前記発泡材付プレートには、一般部より脆弱な脆弱部が設けられており、前記フロントピラー内に延在するドレンホースは、この脆弱部に貫通される。さらに、前記ドレンホースを発泡材付プレートに貫通させる際において、該発泡材付プレートには前記脆弱部が設けられているため、その貫通位置が明確化される。そして、前記屈曲部にて車体前後方向に延在する発泡材付プレートは、樹脂製のプレートと、熱により膨張する発泡材とにより形成されており、外力入力時の変形が許容される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかるフロントピラー1の下部構造を備えた車両2を示す模式図であり、該車両2のサイドシル3の前端には、前記フロントピラー1が連設されている。
【0010】
この車両2は、図外のサンルーフを備えており、該サンルーフへの雨水を排出するドレンホース11が、前記フロントピラー1内に配設されている。該フロントピラー1は、図2及び図3に示すように、ピラーアウタ12と(図3のみ図示)、該ピラーアウタ12より車室内I側に設けられたレインフォースアウタ13と、該レインフォースアウタ13と共に閉断面形状を形成するレインフォースインナ14とにより構成されている。このフロントピラー1の下部には、図2に示したように、前記サイドシル3の前端部より上方へ屈曲した閉断面形状の屈曲部15が、前記レインフォースアウタ13とレインフォースインナ14とにより形成されている(図2参照)。該レインフォースインナ14の上端部には、フロアパネル16とダッシュサイドインナ17(図3のみ図示)とが溶着されており、前記屈曲部15より上方で、かつ車室内I側に位置するダッシュサイドインナ17の部位には、ドアヒンジ取付用の開口部としての作業穴18が設けられている。
【0011】
前記レインフォースインナ14には、車室外O側へ膨出形成された膨出部21によって棚部22が形成されており、前記膨出部21に対向した前記レインフォースアウタ13の部位には、取付穴23,23が形成されている(図2参照)。該取付穴23には、発泡材付プレート24より突出したクリップ25,25が係止されており、前記発泡材付プレート24が、前記作業穴18より下部にて車体前後方向に延在した状態で支持されるとともに、前記屈曲部15の内部は、前記発泡材付プレート24の上部と下部とに区画されている。
【0012】
この発泡材付プレート24は、樹脂製のプレート31を備えてなり、該プレート31は、車体前方F側より車体後方R側へ延在された長方形の板状に形成されるとともに、その幅は、前記屈曲部に取り付けられた状態で、前記棚部22上に達する寸法を有している(図3参照)。また、前記プレート31には、上方へ屈曲された屈曲部32が車体後方R側の端部に形成されており、前記プレート31の周縁には、フランジ33が形成されているとともに、一方の長辺に形成されたフランジ33には、前記クリップ25,25が突設されている。さらに、前記プレート31には、図4に示すように、円形穴34と、電着塗装時の電着液を抜くための三つの長穴35,・・・とが並設されており、各長穴35,・・・は、前記プレート31に接着剤により貼着された発泡材としての第1の発泡ゴム層36によって閉鎖されている。また、前記円形穴34は、発泡材である第2の発泡ゴム層37により閉鎖されており、前記円形穴34上に位置する前記第2の発泡ゴム層37の部位には、一般部より脆弱な脆弱部38が形成されている。
【0013】
前記第1及び第2の発泡ゴム層36,37は、塗装工程で加えられる熱により発泡して膨張する発泡ゴムからなり、第1の発泡ゴム層36は約20倍に、また第2の発泡ゴム層37は約1.6倍に膨張するように構成されている。前記第1の発泡ゴム層36は、前記クリップ25が突設された面を除く前記フランジ33にも貼着されており、膨張された状態で、プレート31の屈曲部32が屈曲部15内の後方R側上面に密着し、前端が屈曲部15内の前方F側前面に密着する。また、図5に示すように、膨張された状態で、前記屈曲部15の内側面に密着するとともに、前記棚部22に到達し、発泡材付プレート24を前記棚部22に支持できるように構成されている。
【0014】
以上の構成にかかる本実施の形態において、フロントピラー1下部の屈曲部15に設けられた発泡材付プレート24には、熱により膨張する第1及び第2の発泡ゴム層36,37が貼着されており、これらの発泡ゴム層36,37を、図5に示したように、塗装工程で加えられる熱により膨張させ、閉断面形状に形成された前記屈曲部15の内側面に密着させることができる。したがって、予め屈曲部15の断面形状に成形されたウレタンブロックを挿入する構造のため、ウレタンブロックと屈曲部15の内側面との間に隙間が形成されてしまう従来と比較して、遮音性を高めることができ、サイドシル3での発生音の車室内Iへの侵入を確実に防止することができる。
【0015】
また、前記発泡材付プレート24には、前記円形穴34と該円形穴34を閉鎖する第2の発泡ゴム層37とによって、一般部より脆弱な脆弱部38が形成されている。このため、前記フロントピラー1内に延在するドレンホース11を、図5に示すように、この脆弱部38に貫通させ、発泡材付プレート24より下方へ延出させることができる。このとき、前記ドレンホース11の周面には、膨張された第1及び第2の発泡ゴム層36,37が密着されるので、ドレンホース11の挿入部が予め切欠されたウレタンブロックで遮音する構造であって、ドレンホース11と挿入部との間に形成される隙間を埋めることができない従来と比較して、本実施の形態のようにサンルーフを備えたサンルーフ仕様車においても、遮音性を高めることができるとともに、ドレンホース11のばたつきを防止することができる。
【0016】
さらに、前記発泡材付プレート24の円形穴34を閉鎖する第2の発泡ゴム層37は、第1の発泡ゴム層36より膨張率の低い発泡ゴムにより形成されており、両発泡ゴム層36,37が膨張された状態において、前記円形穴34上に位置する第2の発泡ゴム層37における脆弱部38の位置を明確にすることができる。これにより、前記ドレンホース11を貫通させる際の作業性を高めることができる。
【0017】
そして、前記屈曲部15にて車体前後方向に延在する発泡材付プレート24は、樹脂製のプレート31と、熱により膨張される第1及び第2の発泡ゴム層36,37とにより形成されており、外力入力時の変形が許容されるように構成されている。このため、前記屈曲部15に車体前後方向へ延在する金属プレートを設けて上下を区画する場合と比較して、当該屈曲部15での潰れを許容することができる。これにより、オフセット衝突時に、図1に示したように、車体後方Rへ移動されるフロントタイヤ41の侵入代を前記屈曲部15に確保することができ、衝突エネルギーの吸収に寄与することができる。さらに、プレート31に設けた長穴35により変形がより確実になる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のフロントピラーの下部構造にあっては、フロントピラー下部の屈曲部に設けられた発泡材付プレートの発泡材を、塗装工程で加えられる熱により膨張させ、閉断面形状に形成された前記屈曲部の内側面に密着させることができる。したがって、予め屈曲部の断面形状に成形されたウレタンブロックを挿入する構造のため、ウレタンブロックと屈曲部の内側面との間に隙間が形成されてしまう従来と比較して、遮音性を高めることができ、サイドシルでの発生音の侵入を確実に防止することができる。
【0021】
また、前記発泡材付プレートには、一般部より脆弱な脆弱部が設けられており、サンルーフへの雨水を排出するドレンホースがフロントピラー内に配設されたサンルーフ仕様車にあっては、前記ドレンホースを、発泡材付プレートの脆弱部に貫通させ、発泡材付プレートより下方へ延出させることができる。このとき、前記ドレンホースの周面には、膨張された発泡材が密着されるので、ドレンホースの挿入部が予め切欠されたウレタンブロックで遮音する構造であって、ドレンホースと挿入部との間に形成される隙間を埋めることができない従来と比較して、サンルーフ仕様車においても、遮音性を高めることができるとともに、ドレンホースのばたつきを防止することができる。さらに、前記ドレンホースを発泡材付プレートに貫通させる際には、前記脆弱部が設けられているため、その貫通位置を明確にすることができ、作業性を高めることができる。
【0022】
そして、前記屈曲部にて車体前後方向に延在するとともに、上下を区画する発泡材付プレートは、樹脂製のプレートと発泡材とにより形成されている。このため、前記屈曲部に車体前後方向へ延在する金属プレートを設けた場合と比較して、当該屈曲部での潰れを許容することができる。これにより、オフセット衝突時に、車体後方へ移動されるフロントタイヤの侵入代を、前記屈曲部に確保することができるので、衝突エネルギーの吸収に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す模式図である。
【図2】図1のA部を示す分解斜視図である。
【図3】図1のB−B線に相当するフロントピラー下部を示す断面図である。
【図4】同実施の形態の発泡材付プレートを示す平面図である。
【図5】同実施の形態の発泡材付プレートにおける第1及び第2の発泡ゴム層が膨張した状態を示す要部の断面図である。
【図6】 従来のフロントピラーの下部を示す透視図である。
【符号の説明】
1 フロントピラー
3 サイドシル
11 ドレンホース
12 ピラーアウタ
13 レインフォースアウタ
14 レインフォースインナ
15 屈曲部
17 ダッシュサイドインナ
18 作業穴(開口部)
24 発泡材付プレート
31 プレート
36 第1の発泡ゴム層(発泡材)
37 第2の発泡ゴム層(発泡材)
38 脆弱部
Claims (1)
- フロントピラー1の下部に、サイドシル3の前端部より上方へ屈曲する閉断面形状の屈曲部15が設けられ、該屈曲部15より上方に車室内I側へ向けて開口する開口部18が設けられたフロントピラーの下部構造において、
前記屈曲部15に、樹脂製のプレート31を備えてなる発泡材付プレート24を、前記開口部18より下部にて車体前後方向に延設し、前記発泡材付プレート24の上部と下部とを区画するとともに、
樹脂製の前記プレート31には、熱により膨張する第1の発泡ゴム層36と熱により膨張する第2の発泡ゴム層37とが貼着され、該第2の発泡ゴム層37は前記第1の発泡ゴム層36よりも膨張率が低く設定され、前記プレート31の円形穴34が前記第2の発泡ゴム層37により閉鎖されるとともに前記円形穴34上に位置する前記第2の発泡ゴム層37の部位には前記第1の発泡ゴム層36による一般部よりも脆弱な脆弱部38が形成されていることを特徴とするフロントピラーの下部構造。
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