JP3545264B2 - 反射型液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワードプロセッサ、ノート型パソコン等のオフィスオートメーション(OA)機器や、各種映像機器およびゲーム機器等に使用され、直視式のバックライトを用いない構成の反射型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、カラーディスプレイのうち、薄型、軽量等の特徴を有するものとして、液晶表示装置が多用されている。カラー液晶表示装置として、特に広く用いられているものは、背景に光源を用いた透過型液晶表示装置であり、各種分野に用途が拡大している。
【0003】
この透過型液晶表示装置に対して、他の表示方式である反射型液晶表示装置は、バックライトを必要としないため光源用電力が削減可能であり、さらに、バックライトのスペースや重量が節約できる等の特徴を有している。即ち、表示装置全体として、消費電力の低減が実現でき、小型のバッテリーを用いることが可能になり、軽量薄型を目的とする機器に適している。あるいは、機器の大きさまたは重量を同一にするように作製すれば、大型のバッテリーに用いることで動作時間の飛躍的な拡大が期待出来る。
【0004】
また、表示面のコントラスト特性の面からも、発光型表示装置であるCRT等では、日中の屋外で大幅なコントラスト比の低下が見られたり、低反射処理の施された透過型液晶表示装置においても、直射日光下等の周囲光が表示光に比べて非常に強い場合には、同様に大幅なコントラスト比の低下が避けられない。これに対し、反射型液晶表示装置は、周囲光量に比例した表示光が得られ、携帯情報端末機器やデジタルカメラ、携帯ビデオカメラ等の屋外での使用には、特に好適である。
【0005】
上記のような非常に有望な応用分野を有しながら、十分なコントラスト比や反射率、多色カラー化、高精細表示や動画への対応等の性能が不十分なため、現在まで十分な実用性を有する反射型カラー液晶表示装置は得られていない。
【0006】
以下、反射型液晶表示装置についてさらに詳述する。◆
従来のツイステッドネマティック(以下、TNと略す)型液晶表示装置は、偏光板を2枚用いる構成であって、コントラスト比やその視角依存性の特性に優れているが、必然的に反射率が低い。また、液晶変調層と光反射層の距離が基板等の厚みだけ離れているために照明光の入射時と反射時の光路のずれに伴う視差が生じる。
【0007】
特に、1層の液晶変調層に色要素毎に異なる画素を与えたカラーフィルタを組み合わせる、通常の透過型液晶ディスプレイに用いられる構成では、入射時と反射時に通過する色要素が、光の進行方向が傾斜している場合には異なり、カラーの高解像度、高精細表示には向いていない。これらの理由により、この表示モードを用いた反射型のカラー表示は実用化に至っていない。
【0008】
これに対し、偏光板を用いないかもしくは1枚のみ用いて、染料を液晶に添加したゲストホスト型液晶素子(以下、GHと略す)が開発されてきたが、染料を添加しているため信頼性に欠け、また染料の二色性比が低いため高いコントラスト比が得られないといった問題が有る。特に、コントラストの不足は、カラーフィルタを用いるカラー表示においては、色純度を大幅に低下させるため、色純度の高いカラーフィルタと組み合わせる必要があり、色純度の高いカラーフィルタのために明度が低下し、偏光板を用いないことによる本方式の高明度という利点が損なわれるという問題がある。
【0009】
これらを背景に、高解像度、高コントラスト表示の期待できる1枚の偏光板を用いた方式(以下、1枚偏光板方式と称する)の液晶表示素子が開発されている。この中でも高いコントラストが実現できる1/4波長板との組み合わせた例が多く開示されている。
【0010】
その一例としては、偏光板1枚と1/4波長板とを用いた反射型TN(45゜ツイスト型)方式の液晶表示装置が、特開昭55−48733号公報に開示されている。この先行技術においては、45゜捩れた液晶層を用い、印加される電界を制御することによって、入射直線偏光の偏波面を1/4波長板の光軸に平行な状態と45゜捩れた状態との2つの状態を実現して白黒表示を行っている。この液晶セルの構成は、入射光側から偏光子、45゜ツイスト液晶層、1/4波長板、反射板となっている。
【0011】
さらに、USP4、701、028(Clercら)には、偏光板1枚と1/4波長板と垂直配向液晶セルとを組み合わせた反射型液晶表示装置が開示されている。また、特開平6−337421号公報には、偏光板1枚と1/4波長板とベンド垂直配向液晶セルを組み合わせた反射型液晶表示装置が開示されている。また、Euro Display`96(P.464)にも、偏光板1枚と1/4波長板と垂直配向液晶セルを組み合わせた反射型液晶表示装置が開示されている。
【0012】
また、SID96 DIGEST(P.763)には垂直配向処理された上下の基板の間に、誘電率異方性が負で、カイラルドーパントを添加した液晶を挟持した表示モードを反射型プロジエクションに適用した例が開示されている。
【0013】
上記特開平6−337421号公報に示した1枚偏光板方式の表示動作について説明する。◆
入射側に配置された偏光板は、入射光と出射光の偏光の直線成分のうち1方向のみを通過させ、他方向のものを吸収する働きを持つ。偏光板を通過した入射光はλ/4板等の光学位相差補償板によって円偏光となり、液晶層に入射し、垂直配向した液晶層を通過し、そのまま反射板へと到達する。反射板に到達した光は、反射板で反対の円偏光に変換され、入射時と逆の順序で液晶層、λ/4板等を通過して、入射時の直線偏光と直交する直線偏光となり、暗状態が実現される。
【0014】
また、電圧印加により、液晶層を傾斜し、ある条件の位相差を発現させると、偏光板を通過した入射円偏光が直線偏光に変換され、反射板でそのまま直線偏光となり、入射時の直線偏光と平行の直線偏光が得られ、明状熊が実現される。◆つまり、これらの状態を液晶表示装置に垂直に入射および出射する光に対して実現するための必要十分条件は、明状熊に対しては反射板上での偏光状態が任意の方位の直線偏光となること、また、暗状態に対しては反射板上で右または左の円偏光となることが既に公知である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭55−48733号公報に開示された液晶表示装置では、液晶層と反射板との間に1/4波長板を設ける必要があるため、原理上、液晶セルの内側に反射膜を形成することが難しく、高解像度、高精細表示に適さない。
【0016】
前記USP4,701,028、USP4,492,432、特開平6−337421号公報、Euro Display`96(p.464)に記載された垂直配向方式の反射型液晶表示装置では、以下のような問題がある。◆
まず、垂直配向、特に、傾斜垂直配向の方向が上下基板の間で平行であり、液晶は一方向に倒れることになり、面内の視野角依存性がきわめて大きい。さらに液晶の屈折率の波長分散による反射率の波長依存性が大きいため色づく問題がある。
【0017】
また、前記SID96 DIGEST p.763の記載の表示モードでは、1/4波長板を使用せず、偏光ビームスプリッターを用いて、直線偏光を入射しており、直視型には適用していない。さらに,液晶の自然ピッチをp、セル厚をdとした時の│d/p│の詳細な設定、最適なΔn*d(複屈折率差*液晶層厚)については言及されていない。
【0018】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、反射率が高く、かつコントラストが高く、さらには視野角特性に優れた反射型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明者らは、視差を生じない構成が可能で高解像度表示を実現可能な1枚偏光板方式において、明状態と暗状態の実現に必要な反射板上での異なる偏光状態を、電気的に切り替え可能な手段を各種検討した結果、液晶層に電圧を印加しない状態で液晶表示素子の暗状態を実現するように偏光板と光学位相差補償板を構成することが、液晶層の製造工程に高い精度を要求することなく、良好な暗状態を実現するために必要であることを見出した。
【0020】
また、電圧を印加した場合に良好な明状態を得るためには、液晶層のリターデーションと|d/p|の値を特別な値に設定するすることが必要であることを見出した。さらに、このような偏光状態を実現する偏光板と光学位相差補償板の構成を見出し、これらを用いて最適な表示を実現する液晶層の構成を見出した。
【0021】
すなわち、本願第1の発明は、光反射性電極を有する第1の基板と、透明電極を有する透明な第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に挟持された誘電異方性が負で、かつ電圧印加に伴いツイストするネマティック液晶層と、前記液晶層に円偏光を入射させるために、前記第2の基板の上に設置された複数の光学位相差補償板と1枚の偏光板とを具備した反射型液晶表示装置において、少なくとも前記第1または第2の基板のどちらか一方の基板上の液晶分子が、基板の法線方向から0°以上10°未満の角度を有し、液晶の自然ピッチをp、液晶層厚をd、液晶の複屈折率差をΔnとした時、
0<|d/p|≦0.7 かつ 135nm≦Δnd≦1200nm
が成立するように、液晶の自然ピッチ、液晶層厚、液晶の複屈折率差が選択されたことを特徴とする。
【0022】
このように構成することにより、電圧無印加状態での良好な黒表示と電圧印加状態での良好な白表示を実現することができる。つまり、液晶層は電圧無印加状態で良好な垂直配向し、電圧印加状態でツイスト配向するように構成することにより視野角依存性を向上させることができる。
【0023】
また、液晶層のΔndとd/pの値をある特別な値に設定することにより、広い波長領域で良好な明状態を実現し、すなわち良好な白表示を表現することができる。ここで、本願発明者らは、液晶層のΔndの下限値を135nmとしたが、これは可視光の中心波長を540nmとした時、良好な明表示を得るための、すなわち液晶層が入射円偏光を反射板上で直線偏光に変換する光学作用を持ちうる最低のリターデーションが、中心波長の4分の1である135nmであることによる。
【0024】
また、上限値1200nmについては、液晶組成物のΔnは低温保存性からΔnの上限が概ね0.18程度に制限されること、液晶層厚dは液晶表示装置の表示を書き換える応答特性から応答速度を実用的な値にする為には7μm程度が上限になことから、Δndの上限は、これらの積である1.2μm(1260nm)程度となることによる。
【0025】
さらに、本願第2の発明は、光反射性電極を有する第1の基板と、透明電極を有する透明な第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に挟持された誘電異方性が負で、かつ電圧印加に伴いツイストするネマティック液晶層と、前記液晶層に円偏光を入射させるために、前記第2の基板の上に設置された複数の光学位相差補償板と1枚の偏光板とを具備した反射型液晶表示装置において、前記第1または第2の基板の一方の基板上の液晶分子のみが、基板の法線方向からある一定角度傾いた状態で一様配向性を有し、
液晶の自然ピッチをp、液晶層厚をd、液晶の複屈折率差をΔnとした時、
0.22≦|d/p|≦0.42 かつ 200nm≦Δnd≦650nm
が成立するように、液晶の自然ピッチ、液晶層厚、液晶の複屈折率差が選択されたことを特徴とする。
【0026】
あるいは、本願第3の発明は、光反射性電極を有する第1の基板と、透明電極を有する透明な第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に挟持された誘電異方性が負で、かつ電圧印加に伴いツイストするネマティック液晶層と、前記液晶層に円偏光を入射させるために、前記第2の基板の上に設置された複数の光学位相差補償板と1枚の偏光板とを具備した反射型液晶表示装置において、前記第1または第2の基板の一方の基板上の液晶分子のみが、基板の法線方向からある一定角度傾いた状態で一様配向性を有し、
液晶の自然ピッチをp、液晶層厚をd、液晶の複屈折率差をΔnとした時、
0.14≦|d/p|≦0.34 かつ 135nm≦Δnd≦350nm
が成立するように、液晶の自然ピッチ、液晶層厚、液晶の複屈折率差が選択されたことを特徴とする。
【0027】
このように、第2或いは第3の発明にかかる液晶層の構成にすると、均一な白黒表示による良好な表示が実現される。これにより、必ずしも上下基板の両方にラビング処理を施さなくても、良好な表示が得られることがわかった。特に、第2の発明の構成では、低電圧駆動、すなわち低消費電力駆動が可能であり、第3の発明の構成では、視野角特性において大幅な改善を図ることが可能となり、より良好な表示が得られることが分かった。
【0028】
また、本願第4の発明は、前記第1もしくは第2の基板上の液晶分子の配向方向と、前記第1の基板上に配置される偏光板の吸収軸の向きとがなす角度をθ1とした時、90°≦θ1≦165°であることを特徴とし、このような液晶層の構成にすることにより、該反射型液晶表示装置の表示面内の方位角について、等方的に良好な表示が実現されることがわかった。
【0029】
さらに、本願第5の発明は、前記第1もしくは第2の基板上の液晶分子の配向方向と、前記第1の基板上に配置される偏光板の吸収軸の向きとがなす角度をθ1とした時、−15°≦θ1≦90°であることを特徴とし、このような液晶層の構成にすると、該反射型液晶表示装置の表示面内の方位角のある方向について、特に優れた表示を得ることができることがわかった。
【0030】
さらに、上下両方の基板について、ラビング処理を施した場合、本願第6の発明は、前記第1と第2の両方の基板上の液晶分子が、基板に対し法線方向からある一定角度傾いた状態で一様配向性を有し、上基板上の液晶分子と、下基板上の液晶分子の配向方向のなす角度をθとした(但し、上基板上の分子からみて反時計回りの方向を正とする)時、
0°≦θ≦200°または 250°≦θ≦360°かつ
200nm≦Δnd≦650nmであることを特徴とすることにより、均一な白黒表示による良好な表示が実現される。
【0031】
さらに、上記第6の発明による反射型液晶表示装置に加え、第7の発明による装置は、液晶の自然ピッチをp、液晶層厚をdとした時の|d/p|の値が、上基板上の液晶分子と下基板上の液晶分子とのなす角度が225°よりも小さい場合には、
│d/p│=−θ/1000+0.40±0.1の関係式を満たし、上基板上の液晶分子と下基板上の液晶分子とのなす角度が225°よりも大きい場合には、
│d/p│=−θ/1000+0.76±0.1の関係式を満たすことを特徴とすることにより、さらに良好な表示が得られることがわかった。
【0032】
また、本願第8の発明は、前記第1と第2の両方の基板上の液晶分子が、基板に対し法線方向からある一定角度傾いた状態で一様配向性を有し、上基板上の液晶分子と、下基板上の液晶分子の配向方向のなす角度をθとした(但し、上基板上の分子からみて反時計回りの方向を正とする)時、200°≦θ≦250°であり、
0.1≦|d/p|≦0.5 かつ 600nm≦Δnd≦1200nmであることを特徴とし、このような液晶層の構成にすると、駆動マージンをSTN方式への適用が可能となる程度の値に設定することができ、STN方式においても均一な白黒表示による良好な表示が実現される。
【0033】
さらにまた、複数の光学位相差補償板を用い、本願第9の発明は、前記第2の基板の上に配置された前記複数の光学位相差補償板のうち、少なくとも1枚の光学位相差補償板の屈折率が、nx>nz>ny(x、yは各々直交するパネル面に平行な一方向、zはパネル面に垂直な方向、以下では2軸性光学位相差補償板と呼ぶ。)であることを特徴とすることにより、暗状態の表示について表示面の法線方向からの傾き角に関する視野角依存性が飛躍的に向上し、良好な黒表示が実現される。
【0034】
さらに、明状態および暗状態の表示について、表示面の法線方向からの傾き角に関する視野角依存性は、本願第10の発明は、屈折率差が負であり、位相差が135nmから1200nmで、かつ液晶の複屈折率差と液晶層厚の積とほぼ同じであるような光学位相差補償板を、前記第2の基板と、前記第2の基板の上に配置された前記複数の光学位相差補償板との間に配置されるようにすることにより、大幅に改善された良好な白黒表示が実現される。
【0035】
さらに、本発明においては、前記液晶層が、液晶と高分子前駆体とを混合し、UVで硬化・相分離させると液晶・キュアド高分子複合層を形成することにより、或いは前記液晶層が、液晶とUVキュアラブル液晶とが相溶した状態では液晶相をとり、前記液晶と前記UVキュアラブル液晶とをUVで硬化・相分離させると液晶・キュアド高分子複合層を形成することにより、反射型液晶表示装置を形成することも可能である。
【0036】
さらに、本願第11の発明は、本願第2または3の発明による反射型液晶表示装置において、パネル面内の横方向をx(右向きを正)、縦方向をy(上向きを正)、パネル面に垂直方向をz(下基板から上基板向きを正)とし、かつ、液晶分子の向きのz成分をすべて正と定義した時、上下基板のうち基板上の液晶分子が傾斜配向している方の基板上の液晶分子の向きのy成分が正であることを特徴とし、これは、該反射型液晶表示装置の唯一の光源である周囲光の強度分布を考慮に入れた液晶の構成となる。すなわち、実際の使用状況下では使用者自身が周囲光を遮ってしまうことになり、入射光は主にy、zとともに正の方向から入射してくることになり、本請求内容を液晶層の構成に適用することにより、該反射型液晶表示装置の使用者に良好な表示を提供することが可能となる。
【0037】
さらに、本願第12の発明は、本願第2または3の発明による反射型液晶表示装置の上基板上に偏光板、半波長板、1/4波長板を上から順に配置した反射型液晶表示装置において、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、1/4波長板の遅相軸の向きθ2、半波長板の遅相軸の向きθ3の設定に関して、
70°≦θ2≦80° かつ 10°≦θ3≦20°
とした時、上下基板のうち配向処理を施している側の基板の配向処理方向θ1を−90°≦θ1≦−60°
とすることにより、これにより、白表示のみならず階調表示に関して色付きのない良好な表示が実現される。
【0038】
さらに、本願第13の発明は、本願第2または3の発明による反射型液晶表示装置の上基板上に偏光板、半波長板、1/4波長板を上から順に配置した反射型液晶表示装置において、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、1/4波長板の遅相軸の向きθ2、半波長板の遅相軸の向きθ3の設定に関して、
10°≦θ2≦20° かつ 70°≦θ3≦80°
とした時、上下基板のうち配向処理を施している側の基板の配向処理方向θ1を−60°≦θ1≦0°
とすることにより、これにより、白表示のみならず階調表示に関して色付きのない良好な表示が実現される。
【0039】
さらに、本願第14の発明は、本願第2または3の発明による反射型液晶表示装置の上基板上に偏光板、半波長板、1/4波長板を上から順に配置した反射型液晶表示装置において、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、1/4波長板の遅相軸の向きθ2、半波長板の遅相軸の向きθ3の設定に関して、
−80°≦θ2≦−70° かつ −20°≦θ3≦−10°
とした時、上下基板のうち配向処理を施している側の基板の配向処理方向θ1を30°≦θ1≦60°
とすることにより、これにより、白表示のみならず階調表示に関して色付きのない良好な表示が実現される。
【0040】
さらに、本願第15の発明は、本願第2または3の発明による反射型液晶表示装置の上基板上に偏光板、半波長板、1/4波長板を上から順に配置した反射型液晶表示装置において、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、1/4波長板の遅相軸の向きθ2、半波長板の遅相軸の向きθ3の設定に関して、
−20°≦θ2≦−10° かつ −80°≦θ3≦−70°
とした時、上下基板のうち配向処理を施している側の基板の配向処理方向θ1を60°≦θ1≦90°
とすることにより、これにより、白表示のみならず階調表示に関して色付きのない良好な表示が実現される。ここで、θ1、θ2、θ3は−90°から90°の間で表現したが、180°の周期性があるため、0°から180°の間で定義してもよいことは言うまでもない。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。◆
本発明による液晶表示装置は、図1に示すように、偏光板10を通して、液晶層1に外光などの照明光を入射させ、照明の入射した偏光板10側から観察する反射型液晶表示装置である。偏光板10によって、照明光のうち特定の方位の直線偏光成分のみが選択的に透過入射し、その入射直線偏光は複数枚の光学位相差補償板によって偏光状態が変化し、円偏光となるように光学配置される。液晶層に入射した入射光は印加された電圧に対応して配列した液晶層を、その偏光状態を変化させて反射板に到達する。反射板上での偏光状態は液晶配向によって異なる状態に実現される。
【0042】
暗状態については、電圧無印加時に液晶層の層法線方向のリターデーションはほぼ0となり、良好な黒表示を与える。明状態については、良好な白表示は、反射板上での入射光の偏光状態が直線偏光になっている時に実現される。最も良好な白表示を与える液晶層1の構成、すなわち、広い波長範囲にわたり、円偏光を直線偏光に変換する液晶層1の構成についての考察を行う。
【0043】
液晶層1が及ぼす光学作用は、例えば、液晶層のもつΔndや|d/p|(液晶層厚d、液晶層のピッチp)および上側基板上の液晶分子の向きと下側基板上の液晶分子の向きとがなす角度および印加電圧などのパラメータに依存する。ここでは、前者2つのパラメータである液晶層のΔndと|d/p|との関係に注目し、まず、上下基板どちらか一方にラビング処理を施した場合について議論を進める。
【0044】
液晶層1に円偏光を入射したときの反射板上での光の偏光状態を液晶層のΔndと|d/p|を変数として計算した結果を図14(a)および(b)に示す。図14(a)および(b)はそれぞれ液晶層に電圧を3.5V印加した場合および仮想的に無限大の電圧を印加した場合の計算結果である。電圧の下限値はピーク電圧の最小値として見積もり、3.5Vの値を採用した。
【0045】
また、ラビング処理を施した側の基板上の液晶分子は基板法線から一様に3度傾いて配向しているものとした。グラフ中で黒く塗りつぶされている領域では、入射円偏光は反射板上でほぼ直線偏光になっている、すなわち良好な白表示を与える領域である。広い波長範囲で良好な白表示を与える条件はグラフ中に黒で塗り潰された領域が縦に広い領域である。駆動マージンも考慮すると、前記領域は│d/p│に関して、0.14以上0.42以下、Δndに関しては、135nm以上650nm以下と見積もることができる。また、上下基板ともにラビング処理を施した場合も同様の検討を行っている。
【0046】
次に、、上下基板の両方ともラビング処理を施した場合について、上側基板上の液晶分子と下側基板上の液晶分子のなす角度θを0、45、90、135、180、225、270、315°にした時、図14と同じ形式のグラフをそれぞれ作成し、上記判断基準と同様、黒く塗られた領域が縦に長くなるようなΔndと|d/p|の数値限定を行った。そのうち、θが45°と270°の場合のグラフを典型的な例として、それぞれ図20(a)と(b)に示す。これより、良好な白表示を与える領域はΔndに関して、200nm以上650nm以下、θに関しては0°以上200°以下、および250°以上360°以下と見積もることができる。
【0047】
《実施形態1》
液晶層を挟持する両方の基板のうち、片側基板のみラビング処理行い、反射型液晶表示装置を構成した第1の実施の形態について、図1を用いて説明する。ラビング処理の後、液晶の自然ピッチpと液晶層厚dの設定|d/p|を0.33になるように構成し、液晶層のΔndを350nmに設定し、135nmと270nmの光学位相差補償板を1枚ずつ用いた例を示す。
【0048】
図1は本実施形態の反射型液晶表示装置の構成を示す断面図である。液晶層1は例えばラビング配向処理などの手法により、傾斜配向処理された垂直配向膜2の形成された基板4と、配向処理しない垂直配向膜3の形成された基板5によって挟持されている。この基板4と基板5には、それぞれ液晶層に電圧を印加するための電極6と7が形成されている。電極7は反射板を兼務していてもよい。また、この電極7に反射性を付加した場合に反射光の偏光性を保存する程度に滑らかな凹凸形状を有していてもよい。滑らかな凹凸形状は、反射板上で、方向によって異なる凹凸周期のものを用いてもよい。このように構成された電極対への電圧印加手段として、アクティブ素子等を用いてもよいが、本発明において駆動方法には特には限定されないことは言うまでもない。
【0049】
さらに、基板4の観察者側には光学位相差補償板8と光学位相差補償板9とを配置し、さらに偏光板10を配置し、図1に示す反射型液晶表示装置を作製した。ここでは、基板5上の電極7としてアルミニウムを用い、光反射性電極とし、電極7は反射膜と電極の機能を兼ね備えたものとした。
【0050】
本実施形態における反射型液晶表示装置は、液晶層厚が4.7μmになるよう調整され、配向膜にはポリイミド系の垂直配向膜を用い、ラビングすることによりチルト角を形成した。なお、チルト角については法線方向からの傾斜角が2度である。本実施形態は、一方の基板のみラビング処理を施したものであるが、均一な配向が得られることは確認している。
【0051】
本発明に使用できる配向膜は、液晶層に含まれる液晶分子を絶縁性基板に対して垂直に配向させうる膜、即ち垂直配向膜である。垂直配向膜は前記性質を有するものであれば公知のものをいずれも使用することができる。例えば、長鎖アルキル基がポリイミド骨格に結合した構造を有する材料が挙げられ、具体的にはJALS−203(日本合成ゴム社製)、SE−7511L(日産化学社製)等のポリイミド系樹脂が挙げられる。
【0052】
配向膜の厚さは、0.05〜0.1μm程度である。配向膜の形成方法としては、例えば、ポリマーを溶かした溶液をスピンナー塗布法、浸漬塗布法、スクリーン印刷法、ロール印刷法等で塗布し、乾燥させて形成する方法を用いることができる。また、ポリマーの前駆体溶液を、前記と同様の方法により塗布し、所定の硬化条件(加熱、光照射等)で硬化させて形成する方法も使用することができる。更に、ラングミュア・ブロジェット法で形成することもできる。
【0053】
また、本発明の液晶層に使用することができる液晶としては、負の誘電異方性(n型)を有するネマティック液晶であれば、特に限定されないことは言うまでもない。例えば、ZLI―2857、ZLI−4788、ZLI−4788−000(メルクジャパン社製)等を挙げることができる。また、液晶層の厚さは、3〜12μmが好ましい。カイラル剤を液晶に添加することにより、所望の値に調整することができる。カイラル剤としては、公知のものをいずれも使用することができ、例えばS−811(メルクジャパン社製)、コレステリルナノエート等が挙げられる。
【0054】
なお、液晶表示装置の使用温度範囲が広範囲になる場合は、ヘリカルツイスティングパワーの温度依存性が正負逆のカイラル剤を使用してもよい。このようなカイラル剤としては、例えばS−1011(メルクジャパン社製)等が挙げられる。◆
本実施形態では、液晶材料として、誘電異方性が負であるメルク社のZLI―2857を用い、カイラル剤としてメルク社のS−811を添加した。ZLI―2857のΔnは0.074であり、本実施形態では液晶層厚を4.7μmとしたので、Δndは350nmとした。
【0055】
これらの具体的設定は図2に示すように、12は偏光板10の透過方位であり、13は第1の光学位相差補償板8の遅相軸であり、14は第2の光学位相差補償板9の遅相軸である。また、偏光板12の透過軸と第1の光学位相差補償板8の遅相軸のなす角度をθ2、偏光板12の透過軸と第2の光学位相差補償板9の遅相軸のなす角度をθ3としたとき、θ2とθ3の大きさを各々15°および75°とした。16は反射型液晶表示装置の入射光の方位から観察したときの、基板4上に形成された垂直配向膜2上の液晶の配向方位である。
【0056】
尚、入射側の液晶分子と偏光板のなす角度は本実施形態では30°に設定したが、液晶層には円偏光を入射するため、入射側の液晶分子と偏光板のなす角度に、基本特性は依存しない。さらに、液晶のピッチpと液晶層厚のdの比である|d/p|の値を0.33に設定しているため、初期状態で液晶分子はツイストすることなく垂直配向する。
【0057】
光学位相差補償板8と9はともにポリカーボネイト製の延伸フィルムからなり、光学位相差補償板8は波長550nmの面法線方向の透過光に対して、130nmから140nmに制御された位相差を持ち、光学位相差補償板9は同様の光に対して、265nmから275nmに制御された位相差を持つ。これらの光学位相差補償板の配置は、作製後の反射型液晶表示装置の正面方位に対する光学特性を良好にする配置であるが、液晶層と合わせて傾斜方位からの観察による特性を考慮して設計変更も可能である。
【0058】
図2に示す本実施形態の設定角条件を成立させつつ、傾斜方位への透過光に対する該光学位相差補償板の位相差を変化させる設計は、たとえば、光学位相差補償板8と9の少なくとも1枚を、二軸性の光学位相差補償板に変更する事で可能である。
【0059】
このようにして作製された反射型液晶表示装置の反射率の電圧依存性を示すグラフを図3に示す。この反射率の測定には、図4に示すように、本実施形態の反射型液晶表示装置に電圧を印加する手段を駆動させ、照明光源装置からの光をハーフミラーを介して基板4側から入射させ、基板5上の光反射膜からの反射光を光検出器にて検出したものである。図3において、反射率100%は、光学位相差補償板を用いずに、被測定装置と同様の偏光板のみを用いた以外は本実施形態と同じ反射型液晶表示装置を用い、液晶未注入の装置における反射率である。また、反射率は視感輝度率(Y値)を用いた。
【0060】
図3に示す結果より、3V以下の駆動電圧で、明るさ90%、コントラスト40の良好な表示特性が得られたことがわかる。図3の各々の曲線は電圧−反射率特性のカイラル添加量依存性、つまり、ツイスト量を示しており、曲線3−1、3−2、3−3での|d/p|は、各々0.33、0、0.5である。曲線3−1では、ピーク電圧よりも高電圧側で反射率が減衰しないフラットな電圧−反射率特性が得られることがわかった。曲線3−2には、カイラル剤を添加していないこと以外は、曲線3−1と同様の設定の液晶を用いた場合の電圧−反射率特性のグラフを示している。
【0061】
図19(a),(b)は液晶層のパラメーターのうち、Δndをそれぞれ350nm,200nmに固定し、360|d/p|を変化させた時、液晶層において波長550nmの円偏光が直線偏光に変換される程度を等高線表示にて表わしたものである。黒く塗られている領域は円偏光が直線偏光に変換される効率がよい領域であり、すなわちパネルにおいて白表示を与える領域である。グラフの形式としては図14のグラフの縦軸のΔndを電圧で置き換えたものになっている。図14の時と同様、図17の黒に塗られている領域は良好な明状態を与えるセル構成条件である。黒に塗られている領域が縦に長いものほど、ピーク電圧よりも高電圧側で反射率が減衰しないフラットな電圧−反射率特性が得られ、駆動マージンを広くとることのでき設計上好ましいセル構成条件である。
【0062】
図19(a)において、横に長く(電圧に関わりなく)黒に塗られている領域は360|d/p|が80から150の範囲におさまっており、すなわち、良好な白表示を与える|d/p|の範囲は0.22から0.42となる。図19(a),(b)で用いたΔndとは異なる大きさのΔndについても、同様なグラフを作成し検討した結果、請求項1におけるΔndおよび|d/p|の請求範囲内で縦に長く黒に塗られている領域が存在するようなセル構成条件はΔndの範囲が200nmから650nm、|d/p|の範囲が0.22から0.42の時であることがわかった。
【0063】
これらのグラフから、カイラル剤を添加することにより、ピーク電圧よりも高電圧側で反射率が減衰しない電圧−反射率特性が得られ、ピーク電圧の設定マージンを広くとることができることがわかった。また、観察方位を基板法線に対して方位角方向に変化させた際に、ピーク電圧がずれてしまう現象に対処することができる。さらに、反射率の波長依存性を測定したところ、ほぼフラットな特性が得られ、色付きの無い良好な白黒の表示特性が得られた。
【0064】
ここで、上記実施形態と同様の液晶セルの配置構成で、セル厚のみを4.7μmと3.1μmとすることにより、液晶層のΔndを350nmと230nmとし、│d/p│を0.33と0.22とした場合の視野角依存性の測定をも行った。入射光は、表示面の法線から30°傾いた方向から投光し、正面方向で受光した際の白表示と黒表示の比、すなわちコントラストを3時方位から12時方位まで測定した結果を図15に示す。液晶層のΔndが350nmを曲線1に、230nmを曲線2に示す。
【0065】
図15から明らかなように、Δndを230nmにすることにより、ほぼすべての方位において、コントラスト20以上を確保でき非常に優れた白黒表示が可能となることが分かった。コントラストの方位角方向の平均値で表現すると、Δndが350nmの時は15、Δndが230nmの時は28であった。よって、請求項1におけるΔndの請求範囲内で、コントラストの方位角方向の平均値が15以上の良好な視野角特性を実現するΔndの範囲は135nmから350nmであった。
【0066】
また、|d/p|については、図19における検討の結果、上記Δndの範囲内で良好な表示を実現する|d/p|の範囲は0.14から0.34となった。また、上基板4としてカラーフィルタ基板を用いることにより、フルカラー表示も可能となる。二軸性光学位相差補償板および負の屈折率異方性の光学位相差補償板の両方を用いることにより、さらに良好な視野角特性を得ることも確認できた。
【0067】
さらに、実施形態1と同様の配置で、液晶層の構成も同様にし、前記上側基板4上に配置された偏光板と光学位相差補償板の構成を保ったまま、偏光板10の透過軸と該上側基板4上の液晶分子の方向のなす角度に関する、該反射型液晶表示装置のコントラストの視野角依存性を計算した。上記、偏光板の透過軸と該上側基板4上の液晶分子の方向のなす角度が45°および150°の時の結果を図16(a)および図16(b)に示す。ここで、コントラストは正反射、すなわち投光軸と受光軸の傾き角は同じで、方位角は180°異なるの配置で計算されている。また、同心円の径は表示面の法線からの傾き角を、同心円の方位は表示面の方位角をさす。
【0068】
図16(a)の結果により、この構成においては方位が120°から300°方向で特に優れたコントラストを与え、図16(b)の結果より、この構成においてはコントラストについてほぼ等方的な視野角特性を与えることがわかった。
【0069】
また、本発明者らは図17(a)、(b)、図18(a)、(b)において、上記偏光板10の透過軸と該上側基板4上の液晶分子の方向のなす角度を0°、90°、135°、および165°と変更して同様な計算を行った。この結果、請求項3記載の構成において、コントラストについてほぼ等方的な視野角特性を得ることができ、また請求項4における構成において、コントラストが特に優れた特定な方向が得られることが分かった。
【0070】
《実施形態2》
次に、液晶層を挟持する上下両方の基板ともラビング処理行い、反射型液晶表示装置を構成した第2の実施の形態について、図面を用いて説明する。上下基板ともにラビング処理を行った後、基板の配向処理方向のなす角度を270°、液晶層のΔndを300nm、光学位相差補償板として3枚(135nm、270nm、270nm)用いて、図5に示す反射型液晶表示装置を作製した。
【0071】
基板5上の電極7は、アルミニウムを用いた光反射性電極とした。液晶層は液晶導入後に液晶層厚が4.5μmになるよう調整され、上下基板の配向処理方向のなす角度が270°に設定され、液晶は通常のTFT透過型液晶ディスプレイに使用されている液晶と同様の液晶物性(誘電異方性、弾性、粘性、温度特性、電圧保持特性)を有し、Δεだけが−3.0に調整されたものを用い、液晶層厚と複屈折量の積を300nmになるように設定し、液晶の|d/p|を0.5となるカイラル剤を添加した。
【0072】
光学位相差補償板の具体的な角度の設定は図6に示すように、図6に示すように、12は偏光板10の透過方位であり、第1の光学位相差補償板8の遅相軸、第2の光学位相差補償板9の遅相軸および第2の光学位相差補償板11の遅相軸の方位は、それぞれ13、14および15である。また、偏光板12の透過軸と第1の光学位相差補償板8の遅相軸のなす角度をθ2、偏光板12の透過軸と第1の光学位相差補償板9の遅相軸のなす角度をθ3、偏光板12の透過軸と第1の光学位相差補償板11の遅相軸のなす角度をθ4としたときのθ2、θ3およびθ4の大きさをそれぞれ7度、34度および100°とした。16および17はそれぞれ、反射型液晶表示装置の入射光の方位から観察したときの、基板4上に形成された垂直配向膜2上の液晶の配向方位および基板5上に形成された垂直配向膜3上の液晶の配向方位である。
【0073】
これらの3枚の光学位相差補償板はともにポリカーボネイト製の1軸性の延伸フィルムからなり、光学位相差補償板8は波長550nmの面法線方向の透過光に対して130nmから140nmに制御された位相差を持ち、光学位相差補償板9と11は同様の光に対して265nmから275nmに制御された位相差を持つ。偏光板10は、誘電体多層膜によるAR(Anti−Reflective)層を有する単体内部透過率が45%の偏光板である。
【0074】
このようにして作製された反射型液晶表示装置の反射率は、実施形態1のものと同様に図4に示す配置にて測定されたもので、100%は実施形態1と同様である。
【0075】
以上のように作製された実施形態2の液晶表示素子の電圧−反射率特性を図7の曲線7−1に示し、その比較例として|d/p|が0と0.67の場合の電圧−反射率特性をそれぞれ曲線7−2、曲線7−3に示す。この結果によると、この結果によると、曲線7−1、2の比較により、カイラル剤を添加した曲線7−1の方がピーク電圧よりも高電圧側で反射率が減衰しないことがわかった。このことから駆動マージンが広くとれることが分かった。
【0076】
また、ピーク電圧よりも高電圧側で反射率が減衰しない特性は、観察方位を基板法線に対して方位角方向に変化させた際に、ピーク電圧がずれてしまう現象に対処することができる。良好な電圧−反射率特性を与えるカイラル剤添加量には最適条件があり、添加量が過多になると、曲線7−3に示すように良好な電圧−反射率特性を得ることができなくなることが分かった。さらに、反射率の波長依存性を測定したところ、ほぼフラットな特性が得られる条件と前記カイラル剤添加量についての最適条件は一致することがわかった。
【0077】
また、明状態の明るさは95%、コントラスト比20が得られた。これにより、十分な明状態の反射率と、コントラスト比が実現され、目視観察においても良好な反射型液晶表示装置となることがわかった。なお、コントラスト比は明状態(印加電圧は各例ごとに最も反射率の高い電圧)の反射率を暗状態の反射率で除して定義した。明状態の印加電圧は各例ごとに最も反射率の高い電圧を用い、暗状態は、電圧無印加状態に設定した。すなわち、3枚の光学位相差補償板で円偏光を作製した反射型液晶表示装置の方が、コントラストが向上することを確認している。
【0078】
また、本実施形態においては、液晶層の|d/p|を0.5となるカイラル剤を添加したが、この設定では、液晶層が180°ねじれることになるが、界面の規制により270°ねじれることになり、液晶層と界面は整合しない。
【0079】
しかし、本願発明者らは、上下基板上の液晶分子の配向方向のなす角度と|d/p|を適用することにより、液晶層と界面が整合する条件よりも特性が良くなることを見出している。図8において、これらのラビング角と|d/p|の最適条件の関係を示す。すなわち、図8に示すように、これらの上基板上の液晶分子と下基板上の液晶分子のなす角度と、|d/p|の最適条件を示す。
【0080】
すなわち、図8中の斜線部は、上基板上および下基板上の液晶分子のなす角度に対して、良好な電圧−反射率特性を与えるカイラル剤添加量の最適条件の範囲を示している。本発明者らは、図8によって規定される最適条件において、いずれも良好な表示を与えることを、計算機シミュレーションと実験の両方から確認している。本実施形態の場合は、上基板上の液晶分子と下基板上の液晶分子のなす角度は270°であるので、最適な|d/p|は0.4以上0.6以下であることがわかる。
【0081】
《実施形態3》
さらに、上下基板の配向処理方向のなす角度が225°になるように上下基板にラビング処理を行い(いわゆるSTN)、液晶層のΔndを940nmとし、135nmと270nmの光学位相差補償板を1枚ずつ用い、誘電率異方性が負のネマティック液晶であるZLI4850(Δn:0.208、メルクジャパン社製)にカイラル剤としてCN(コレステリルナノエート)を添加し、カイラルピッチを13.5μmに調整し、液晶層厚4.5μmの液晶層として挟持した。ここで、液晶の|d/p|を0.33に設定しており、上下の基板の配向処理方向のなす角度が225°であるため、これも液晶層のねじれと上下の基板の規制力とは整合していない。
【0082】
こうして作製した液晶セルの基板4の上に、図2に示したものと同様の2枚の光学位相差補償板と偏光板を配置し、第3の実施形態の反射型液晶表示装置を作製した。◆
この反射型液晶表示装置を1/240デューティーで単純マトリックス駆動したところ、コントラスト10の良好な表示が得られた。
【0083】
第3の実施形態における反射型液晶表示装置の電圧−反射率特性の測定結果を図9に示す。図9における反射率は実施形態1のものと同様に、図4に示す配置にて測定されたもので、100%は実施形態1と同様である。
【0084】
また、本実施形態に限らず、液晶層のΔndおよび上下の基板での配向方向のなす角度θを変化させた時の電気光学特性の急峻性を調べた。そのうちの典型的な例を図21(a),(b),図22(a),(b)に示す。以上より、Δndに関して600nmから1200nm、|d/p|が0.1以上0.5以下の領域では電気光学特性の急峻性が高く、単純マトリックス駆動が可能であることが確認できた。
【0085】
《実施形態4》
上述の実施形態では光学位相差補償板として、一軸性の延伸フィルムを用いているが、二軸性、すなわち3次元的に屈折率を制御できる位相差補償板や液晶ポリマーから作製した二軸性光学位相差補償板を適用し、さらに負の屈折率異方性の光学位相差補償板を用いた反射型液晶表示装置の構造を図10に示す。ここで、図10は、図1に示すような構造を有する反射型液晶表示装置において、第2の基板4と第2の基板3の上に配置されている光学位相差補償板8との間に、負の屈折率異方性をもつ光学位相差補償板29を挿入したものである。ここで、この光学位相差補償板29の板面法線方向のリターデーションは、液晶層1のΔndとほぼ同じ値になるように設定されており、また、前記第1の基板5上に形成されている反射性電極7は、面内に異方性を有するような凹凸形状を有している。
【0086】
このようにして作製された反射型液晶表示装置の電圧無印加時の、すなわち暗状態での該反射型液晶表示装置の表示面の輝度の視野角依存性を図11に示す。ここで、反射輝度は正反射、すなわち投光軸と受光軸の傾き角は同じで、方位角は180°異なるの配置で計算されている。また、同心円の径は表示面の法線からの傾き角を、同心円の方位は表示面の方位角をさす。また、光学位相差補償板として、図11(a)では一軸性光学位相差補償板を、図11(b)では二軸性光学位相差補償板を用いた場合の結果である。これらの結果から、反射輝度0.04以下の良好な暗状態を再現する領域は、一軸性光学位相差補償板を用いたときは傾き角が0°以上40°以下程度の領域であるのに対し、二軸性光学位相差補償板を用いたときは視角のほぼ全域、傾き角0°以上80°以上の領域となり、二軸性光学位相差補償板を用いることにより視野角特性が大幅に向上することがわかった。
【0087】
《実施形態5》
さらに、第5の実施形態として、実施形態4と同様な配置で、表示面の法線から30°傾いた方向から照明光を入射し、正面方向で観察した際の白表示と黒表示の比、すなわちコントラストを3時方位から12時方位をへて9時方位まで測定した。測定結果を図12に示す。
【0088】
図から明らかなようにほぼすべての方位においてコントラスト20以上を保証でき、非常に優れた白黒表示が可能である。また、上基板4としてカラーフィルタ基板を用いることにより、フルカラー表示が可能である。
【0089】
本実施形態においては、二軸性光学位相差補償板および負の屈折率異方性の光学位相差補償板の両方を用いたが、負の屈折率異方性の光学位相差補償板を用いず、二軸性光学位相差補償板のみを用いた場合においても、一軸性光学位相差補償板のみを用いた場合より優れた表示特性が得られることも確認している。
【0090】
《実施形態6》
実施形態1における液晶層として、高分子前駆体を添加した第6の実施形態を示す。反射型液晶表示装置の構成は図13に示すように、実施形態1とほぼ同様であって、2枚の透明な基板4、5の間には、液晶・高分子複合層30が挟持され、この液晶・高分子複合層30は、キュアド高分子31のマトリックス中に液晶1が相分離した状態となっている。液晶・高分子複合層30は連続体として存在している。
【0091】
高分子は高分子前駆体として液晶及び重合開始剤と共に混合され、紫外光(以後、UV光と称す)を照射して硬化し、高分子となる際に、液晶1と相分離するものが使用される。液晶1としては、電界方向と平行方向に配向する負の誘電異方性を有するものが使用される。以後、UV照射以降の高分子をキュアド高分子と称する事とする。2枚の基板4、5は内側面に各々透明電極6と反射電極7を有しており、更に、その上は、各々垂直配向膜2、3が形成されている。反射電極としては鏡面性を有するフラットな鏡を用いた。
【0092】
垂直配向膜2、3は2枚の基板間に挟持された誘電率異方性が負の液晶1を基板4、5と垂直な方向に配向させる配向処理が施されている。キュアド高分子31は光重合反応により硬化されるため、固定化されて電場応答できなくなる。また、液晶1は、配向状態が固定されていないため、電界を印加すると電界方向に揃うこととなる。
【0093】
したがって、電界無印加の場合には、液晶1の配向方向は、基板4、5に対して垂直方向に一致する状態となり、この状態においては、液晶の常光に対する屈折率と高分子の屈折率とを一致させることにより、液晶セルは透明状態となる。よって、実施形態1と同様に良好な黒表示を実現できる。
【0094】
また、透明電極6と反射電極7の間に電源を接続して、液晶・高分子複合層30に電界を印加すると、液晶に添加したカイラル物質の効果で、液晶1の配向方向が電界方向に揃うため。所定の角度をツイストし、液晶1とキュアド高分子31との界面で屈折率の不一致により光散乱状態となり、液晶セルは白濁状態となる。また、反射性電極として鏡面を用いた場合でも、液晶層の散乱のため、白色となる。
【0095】
なお、キュアド高分子31としては、液晶と混合後、2枚の基板4、5に封入し、UV照射後重合し、液晶と相分離してマトリックスを形成するものであれば、本発明に適用可能であることは言うまでもない。また、高分子前駆体の状態で液晶性を示すUVキュアラブル液晶も本発明に適用可能であることは言うまでもない。この場合は、UVキュアラブル液晶も垂直配向する。本実施形態では鏡面性の反射電極を用いたが、凹凸反射電極を適用しても、より散乱性が増し、映り込みの無い良好な表示が実現できる。
【0096】
《実施形態7》
さらに、第7の実施形態として、実施形態1と同様な配置を用い、液晶層のΔndを230nm、|d/p|を0.25になるように構成し、135nmと270nmの光学位相差補償板を1枚ずつ用いた反射型液晶表示装置の例を示す。これらの具体的設定として図2に示すように、偏光板10の透過方位12を基準に反時計回りを正とし、それぞれ、上基板のラビング方位16をθ1とし、第1の光学位相差補償板8の遅相軸の方位13をθ2とし、第2の光学位相差補償板9の遅相軸の方位14をθ3とし、θ1に関しては−45°、0°、45°、90°の4通り、θ2とθ3に関しては(θ2、θ3)の組み合わせとして、(15°、75°)、(75°、15°)、(−15°、−75°)、(−75°、−15°)の4通り、全16通りの組み合わせを用いた。
【0097】
本実施例で用いた反射型液晶表示装置の視野角特性について、表示面の法線から30°傾いた方向から照明光を入射し、正面方向で観察した際の白表示と黒表示の比、すなわちコントラスト比を入射方位を3度おきに360°変化させ測定した。(θ2、θ3)の組み合わせが、(15°、75°)、(75°、15°)、(−15°、−75°)、(−75、−15°)のときの測定結果をそれぞれ図23(a),図23(b),図24(a),図24(b)に示す。縦軸はコントラスト比を示し、印加電圧が4.5Vの時の白表示の反射率を、印加電圧が1.5Vの時の黒表示の反射率で除することにより求めた。横軸は入射光の入射方位角を示す。ここで、入射方位角の0°の方向は上側基板上の液晶分子の配向方向とあわせてある。
【0098】
図23,図24のいずれのグラフからも、コントラスト比が低くなっている入射光方位は90°から270°となっており、この範囲内にパネル使用者を配置するような構成を用いることにより、すなわち、上側基板上の液晶分子の配向方向のパネル面内縦方向成分が上を向くように設定することにより、実際の使用環境下において良好なコントラスト比を実現することができる。◆
なお、本実施例では上側基板のみにラビング処理を施した場合を示したが、下側基板のみにラビング処理を施した場合も同様な結果が得られた。
【0099】
《実施形態8》
さらに第8の実施形態として、液晶層の設定および偏光板の透過軸、光学位相差補償板の遅相軸と上側基板に施したラビング処理の方向の組み合わせに関して、実施形態7と同様な設定を用い、拡散光下において正面方向で観察した際の階調表示の色度測定を行った。ここで、電圧を0.5Vおきに0Vから5Vまでとすることにより階調表示を行った。
【0100】
そこで、(θ2、θ3)の組み合わせが、(15°、75°)、(75°、15°)、(−15°、−75°)、(−75°、−15°)のときの測定結果をL*a*b*表示し、それぞれ図25(a)、図25(b)、図26(a)、図26(b)として示す。各々のグラフは、偏光板の透過軸の向きを基準とした時の、第1の光学位相差補償板8の遅相軸の角度、第2の光学位相差補償板9の遅相軸の角度の組み合わせが、それぞれ(15°、75°)、(75°、15°)、(−15°、−75°)、(−75°、−15°)の時の結果である。いずれのグラフからも、印加電圧が低いときは青味を帯び、印加電圧が高くなるにつれ、緑から黄色がかっていく様子がわかる。
【0101】
ここで、白味の評価関数として、近年提唱されている下記の評価関数式1を用いることにする。この評価関数は、評価値Wが大きいほどより白く感じられ、小さいほど色味がかって感じられることを示している。
【0102】
【数1】
図25(a)、図25(b)、図26(a)、図26(a)の結果に上記評価関数を適用し、縦軸に評価値Wを、横軸を印加電圧をとったものが、それぞれ図27(a)、図27(b)、図28(a)、図28(b)である。このグラフから評価値Wが大きくなるようなθ1の範囲を求めると、(θ2、θ3)の組み合わせによって異なるが、表1のような最適θ1を得ることができた。そして、この最適θ1の範囲は目視観察の結果とも一致した。
【0103】
【表1】
なお、本実施例では、上側基板のみにラビング処理を施した場合を示したが、下側基板のみにラビング処理を施した場合も同様な結果が得られた。
【0104】
また、本実施例では、光学位相差補償板の遅相軸の設定範囲を10°の幅を持たせたが、この範囲内では実際に観察し、上の結果が保持されることも確認している。光学位相差補償板の種類については、一軸性位相差板もしくは二軸性位相差板の違い、負の位相差板の使用にかかわらず、上の結果が保持されることも確認している。
【0105】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明による反射型液晶表示装置では、反射率が高く、かつコントラストが高い反射型液晶表示装置を実現できる。さらに、反射板の反射膜形成面を透明基板の液晶層側に設置することができ、良好な暗状態を実現できる。よって、視差のない、高コントラストの高精細で動画表示が可能である。液晶層がツイストしているため、視野角特性に優れている。また、本装置に高明度に調整されたカラーフィルタを用いれば、良好な色再現性を有した表示品位の高いカラー反射型液晶表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2枚の光学位相差補償板を用いた場合の反射型液晶表示装置の構造断面図である。
【図2】2枚の光学位相差補償板を用いた場合の偏光板と光学位相差補償板の設定方位を示す平面図である。
【図3】実施形態1の反射型液晶表示装置における反射率と印加電圧の関係図である。
【図4】実施形態の反射型液晶表示装置における反射率測定の際の光学系の構成配置図である。
【図5】3枚の光学位相差補償板を用いた場合の反射型液晶表示装置の構造断面図である。
【図6】3枚の光学位相差補償板を用いた場合の偏光板と光学位相差補償板の設定方位を示す平面図である。
【図7】実施形態2の反射型液晶表示装置における反射率と印加電圧の関係図である。
【図8】実施形態2の反射型液晶表示装置におけると上基板上の液晶分子と下基板上の液晶分子とのなす角度と|d/p|の最適条件の関係図である。
【図9】実施形態3の反射型液晶表示装置における反射率と印加電圧の関係図である。
【図10】実施形態5の反射型液晶表示装置における構造断面図である。
【図11】実施形態4の反射型液晶表示装置における、(a)は一軸性光学位相差補償板を用いた場合、(b)は二軸性光学位相差補償板を用いた場合の電圧無印加状態における表示面の輝度と表示面の方位角の関係図である。
【図12】実施形態5の反射型液晶表示装置におけるコントラストと表示面の方位角の関係図である。
【図13】実施形態6の反射型液晶表示装置における構造断面図である。
【図14】評価関数による電圧3.5V(a)及び電圧を仮想的に無限大にしたとき(b)のΔndと360×|d/p|の関係図である。
【図15】実施形態1の反射型液晶表示装置におけるコントラストの入射光方位角依存性の説明図である。
【図16】実施形態1の反射型液晶表示装置における、偏光板10の透過軸と上側基板4上の液晶分子の方向のなす角度が45°(a)、150°(b)の時の反射輝度の等高線図である。
【図17】実施形態1の反射型液晶表示装置における、偏光板10の透過軸と上側基板4上の液晶分子の方向のなす角度が0°(a) 、90°(b)の時の反射輝度の等高線図である。
【図18】実施形態1の反射型液晶表示装置における、偏光板10の透過軸と上側基板4上の液晶分子の方向のなす角度が135°(a)および165°(b)の時の反射輝度の等高線図である。
【図19】実施形態1の反射型液晶表示装置における、(a)は液晶層のΔndを350nmに、(b)は液晶層のΔndを200nmにした時の評価関数による印加電圧と360 |d/p|の関係図である。
【図20】上基板上の液晶分子の配向方向と下基板上の液晶分子の配向方向のなす角度を(a)45°、(b)270°とした時の、評価関数によるΔndと360|d/p|の関係図である。
【図21】実施形態3の反射型液晶表示装置における、上基板上の液晶分子の配向方向と下基板上の液晶分子の配向方向のなす角度を225°とし、|d/p|を(a)0.1,(b)0.3とした時の、評価関数によるΔndと印加電圧の関係図である。
【図22】実施形態3の反射型液晶表示装置における、上基板上の液晶分子の配向方向と下基板上の液晶分子の配向方向のなす角度を225°とし、|d/p|を(a)0.5、(b)0.7とした時の、評価関数によるΔndと印加電圧の関係図である。
【図23】実施形態7の反射型液晶表示装置におけるコントラストと入射光の入射方位角の関係図である。
【図24】実施形態7の反射型液晶表示装置におけるコントラストと入射光の入射方位角の関係図である。
【図25】実施形態8の反射型液晶表示装置における階調表示を行った時の色度をL*a*b*表示した図である。
【図26】実施形態8の反射型液晶表示装置における階調表示を行った時の色度をL*a*b*表示した図である。
【図27】実施形態8の反射型液晶表示装置における階調表示を行った時の色度を式1による評価関数と電圧の関係で表示した図である。
【図28】実施形態8の反射型液晶表示装置における階調表示を行った時の色度を式1による評価関数と電圧の関係で表示した図である。
【符号の説明】
1 液晶層
2 垂直配向膜
3 垂直配向膜
4 第2の基板
5 第1の基板
6 電極
7 反射性電極
8 第1の光学位相差補償板
9 第2の光学位相差補償板
10 偏光板
11 第3の光学位相差補償板
12 偏光板透過方位
13 第1の光学位相差補償板の遅相軸方位
14 第2の光学位相差補償板の遅相軸方位
15 第3の光学位相差補償板の遅相軸方位
16 第2の基板上の液晶配向の方位(配向処理方向)
17 第1の基板上の液晶配向の方位(配向処理方向)
18 本発明の実施形態3に記載の反射型液晶表示装置
29 負の屈折率異方性の光学位相差補償板
30 液晶・高分子複合層
31 高分子
Claims (15)
- 光反射性電極を有する第1の基板と、透明電極を有する透明な第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に挟持された誘電異方性が負で、かつ電圧印加に伴いツイストするネマティック液晶層と、前記液晶層に円偏光を入射させるために、前記第2の基板の上に設置された複数の光学位相差補償板と1枚の偏光板とを具備した反射型液晶表示装置において、
少なくとも前記第1または第2の基板のどちらか一方の基板上の液晶分子が、基板の法線方向から0°以上10°未満の角度を有し、
液晶の自然ピッチをp、液晶層厚をd、液晶の複屈折率差をΔnとした時、
0<|d/p|≦0.7 かつ 135nm≦Δnd≦1200nmが成立するように、液晶の自然ピッチ、液晶層厚、液晶の複屈折率差が選択されており、
前記液晶層は電圧無印加状態で垂直配向し、電圧印加状態でツイスト配向することを特徴とする反射型液晶表示装置。 - 光反射性電極を有する第1の基板と、透明電極を有する透明な第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に挟持された誘電異方性が負で、かつ電圧印加に伴いツイストするネマティック液晶層と、前記液晶層に円偏光を入射させるために、前記第2の基板の上に設置された複数の光学位相差補償板と1枚の偏光板とを具備した反射型液晶表示装置において、
前記第1または第2の基板の一方の基板上の液晶分子のみが、基板の法線方向からある一定角度傾いた状態で一様配向性を有し、
液晶の自然ピッチをp、液晶層厚をd、液晶の複屈折率差をΔnとした時、
0.22≦|d/p|≦0.42 かつ 200nm≦Δnd≦650nmが成立するように、液晶の自然ピッチ、液晶層厚、液晶の複屈折率差が選択されており、
前記液晶層は電圧無印加状態で垂直配向し、電圧印加状態でツイスト配向することを特徴とする反射型液晶表示装置。 - 光反射性電極を有する第1の基板と、透明電極を有する透明な第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に挟持された誘電異方性が負で、かつ電圧印加に伴いツイストするネマティック液晶層と、前記液晶層に円偏光を入射させるために、前記第2の基板の上に設置された複数の光学位相差補償板と1枚の偏光板とを具備した反射型液晶表示装置において、
前記第1または第2の基板の一方の基板上の液晶分子のみが、基板の法線方向からある一定角度傾いた状態で一様配向性を有し、液晶の自然ピッチをp、液晶層厚をd、液晶の複屈折率差をΔnとした時、
0.14≦|d/p|≦0.34 かつ 135nm≦Δnd≦350nmが成立するように、液晶の自然ピッチ、液晶層厚、液晶の複屈折率差が選択されており、
前記液晶層は電圧無印加状態で垂直配向し、電圧印加状態でツイスト配向することを特徴とする反射型液晶表示装置。 - 請求項2または3記載の反射型液晶表示装置において、前記第1もしくは第2の基板上の液晶分子の配向方向と、前記第1の基板上に配置される偏光板の吸収軸の向きとがなす角度をθ1とした時、90°≦θ1≦165°であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項2または3記載の反射型液晶表示装置において、前記第1もしくは第2の基板上の液晶分子の配向方向と、前記第1の基板上に配置される偏光板の吸収軸の向きとがなす角度をθ1とした時、−15°≦θ1≦90°であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項1記載の反射型液晶表示装置において、前記第1と第2の両方の基板上の液晶分子が、基板に対し法線方向からある一定角度傾いた状態で一様配向性を有し、上基板上の液晶分子と、下基板上の液晶分子の配向方向のなす角度をθとした(但し、上基板上の分子からみて反時計回りの方向を正とする)時、0°≦θ≦200°または 250°≦θ≦360°かつ200nm≦Δnd≦650nm であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項6記載の反射型液晶表示装置において、液晶の自然ピッチをp、液晶層厚をdとした時の|d/p|の値が、上基板上の液晶分子と下基板上の液晶分子とのなす角度が225°よりも小さい場合には、│d/p│=−θ/1000+0.40±0.1の関係式を満たし、上基板上の液晶分子と下基板上の液晶分子とのなす角度が225°よりも大きい場合には、│d/p│=−θ/1000+0.76±0.1の関係式を満たすことを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項1記載の反射型液晶表示装置において、前記第1と第2の両方の基板上の液晶分子が、基板に対し法線方向からある一定角度傾いた状態で一様配向性を有し、上基板上の液晶分子と、下基板上の液晶分子の配向方向のなす角度をθとした(但し、上基板上の分子からみて反時計回りの方向を正とする)時、200°≦θ≦250°であり、0.1≦|d/p|≦0.5 かつ 600nm≦Δnd≦1200nmであることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項1記載の反射型液晶表示装置において、前記第2の基板の上に配置された前記複数の光学位相差補償板のうち、少なくとも1枚の光学位相差補償板の屈折率が、nx>nz>ny(x、yは各々直交するパネル面に平行な一方向、zはパネル面に垂直な方向)であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項1記載の反射型液晶表示装置において、屈折率差が負であり、位相差が135nmから1200nmで、かつ液晶の複屈折率差と液晶層厚の積とほぼ同じであるような光学位相差補償板を、前記第2の基板と、前記第2の基板の上に配置された前記複数の光学位相差補償板との間に配置されていることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項2または3記載の反射型液晶表示装置において、パネル面内の横方向をx(右向きを正)、縦方向をy(上向きを正)、パネル面に垂直方向をz(下基板から上基板向きを正)とし、かつ、液晶分子の向きのz成分はをすべて正と定義した時、上下基板のうち基板上の液晶分子が傾斜配向している方の基板上の液晶分子の向きのy成分が正であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項2または3記載の反射型液晶表示装置の上基板上に偏光板、半波長板、1/4波長板を上から順に配置した反射型液晶表示装置において、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、1/4波長板の遅相軸の向きθ2、半波長板の遅相軸の向きθ3の設定に関して、70°≦θ2≦80° かつ 10°≦θ3≦20°とした時、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、上下基板のうち配向処理を施している側の基板の配向処理方向θ1が−90°≦θ1≦−60°であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項2または3記載の反射型液晶表示装置の上基板上に偏光板、半波長板、1/4波長板を上から順に配置した反射型液晶表示装置において、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、1/4波長板の遅相軸の向きθ2、半波長板の遅相軸の向きθ3の設定に関して、10°≦θ2≦20° かつ 70°≦θ3≦80°とした時、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、上下基板のうち配向処理を施している側の基板の配向処理方向θ1が−60°≦θ1≦0°であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項2または3記載の反射型液晶表示装置の上基板上に偏光板、半波長板、1/4波長板を上から順に配置した反射型液晶表示装置において、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、1/4波長板の遅相軸の向きθ2、半波長板の遅相軸の向きθ3の設定に関して、−80°≦θ2≦−70° かつ −20°≦θ3≦−10°とした時、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、上下基板のうち配向処理を施している側の基板の配向処理方向θ1が30°≦θ1≦60°であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
- 請求項2または3記載の反射型液晶表示装置の上基板上に偏光板、半波長板、1/4波長板を上から順に配置した反射型液晶表示装置において、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、1/4波長板の遅相軸の向きθ2、半波長板の遅相軸の向きθ3の設定に関して、−20°≦θ2≦−10° かつ −80°≦θ3≦−70°とした時、偏光板の透過軸を基準に反時計周りの向きを正として、上下基板のうち配向処理を施している側の基板の配向処理方向θ1が0°≦θ1≦30°であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
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