JP3545313B2 - 洗濯機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、洗濯物の洗濯を行う洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
洗濯物および水を収容可能な槽を備え、この槽内に水流を発生させて洗濯物の洗濯およびすすぎを行い、洗濯物が収容された槽を高速回転させて脱水を行う洗濯機がある。
この種の洗濯機では従来、洗濯物の洗濯に、主として中性洗剤が使用されてきたが、近時、環境への配慮などの観点から中性洗剤の使用量を減らしたり、あるいは中性洗剤の使用をやめて、より環境にやさしいとされる石けん(液体石けん、粉末石けんなど)を使用したりする動きが、一般家庭にも広がりつつある。
【0003】
ところが、中性洗剤の使用量を規定量より減らしたり、あるいは中性洗剤より洗浄力の低い石けんに置き換えたりした場合には、洗浄力が不足して洗濯物がきれいに洗濯されないために、洗い残しが生じやすいという問題があった。
この発明の目的は、中性洗剤の使用量を規定量より減らしたり、中性洗剤より洗浄力の低い石けんに置き換えたりした場合でも洗濯物をきれいに洗濯することが可能な、新規な洗濯機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、洗濯物および水を収容可能な槽と、槽を回転させる回転駆動手段と、槽内に水を給水する給水手段とを備え、上記給水手段は、少なくとも2枚の電極板からなる電極組を有し、この電極組に通電して水を電解処理することで電解水を生成させる電解水生成部と、槽からあふれ出た水を電解水生成部に戻す還流経路と、還流経路に水を流通させる還流ポンプと、水道の蛇口から給水された水を電解水生成部に給水する給水経路と、を含み、運転が開始されると、電極組への通電を停止した状態で、水道の蛇口から電解水生成部を経由して槽内に給水することで、電解水生成部内の洗浄を兼ねる給水を行い、槽内の水位が所定の水位に達して洗濯が開始されてから、一定時間が経過した時点で電極組に通電し、電極組への通電と還流ポンプの作動によって水の還流と電解処理とを行う制御部を、備えたことを特徴とする洗濯機である。
【0008】
請求項1の構成によれば、電解水生成部で生成させた、それ自体が滅菌、洗浄力のある電解水を、洗濯物の洗濯、すすぎに用いる水として使用できるため、例えば中性洗剤の使用量を規定量より減らしたり、あるいは中性洗剤より洗浄力の低い石けんに置き換えたりした場合でも、洗濯物を、洗い残しなくきれいに洗濯することが可能となる。
また洗濯、すすぎに要する時間をこれまでより短くして、洗濯から脱水までのトータルの時間を短縮したり、それに伴う消費電力を低減したりすることも可能である。
【0009】
もちろん、汚れのひどい洗濯物であれば、規定量の中性洗剤を加えてもよい。その場合でも、例えば中性洗剤の量を規定量より増量したり、洗濯やすすぎの時間を延長したりすることなく、洗濯物を、洗い残しなくきれいに洗濯することができる。
一方、汚れの少ない洗濯物であれば、中性洗剤や石けんなどを全く使用せずに、電解水のみで洗濯することも可能である。
【0010】
さらにこの発明によれば、特に石けんを使用した場合に槽内に発生しやすい黒カビの発生とその増殖とを、上記電解水の滅菌効果によって抑制することも可能である。
【0011】
上記洗濯機においては、少なくとも2枚の電極板からなる電極組に通電すると、例えば電極組を構成する反対極性の電極板をそれぞれ、隔膜で隔てた2つの電解室内に収容、配置した電解槽の場合には、陽極側および陰極側で下記の反応が進行する。
(陽極側)
4H2O−4e-→4H++O2↑+2H2O
2Cl-→Cl2+2e-
H2O+Cl2⇔HClO+H++Cl-
(陰極側)
4H2O+4e-→2H2↑+4OH-
そして陰極側で生成されたアルカリ性の、それ自体が洗浄力のある電解水を、アルカリ性水給水経路を通して槽に給水しつつ、洗濯やすすぎを行うことができる。
【0012】
また、陽極側で生成された酸性の電解水は、酸性水排水経路を通して、例えば洗濯機のドレン口から排水される。
また、電極組を構成する電極板を1つの電解室内に収容、配置した電解槽の場合には、上記の反応に加えてさらに下記の反応が進行する。
(陽極側+陰極側)
H++OH-→H2O
そして生成した、次亜塩素酸(HClO)、次亜塩素酸イオン(ClO-)、塩素ガス(Cl2)などの含塩素化合物を含み、それ自体が滅菌力を有する中性の電解水を、中性水給水経路を通して槽に給水しつつ、洗濯やすすぎを行うことができる。
【0013】
さらにまた上記いずれの電解槽の場合でも、槽に給水する水を、前記の反応過程でごく短時間、発生する活性酸素(O2 −)によって滅菌する効果も得られる。上記の反応は、給水手段によって槽に給水する水として水道水を使用する場合、当該水道水中に含まれる塩素イオン分をイオン源とするだけで十分に進行するが、必要に応じて、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl2)などの塩類を、イオン源として水に添加してもよい。
【0016】
なお還流経路を通して、槽からあふれた水を電解水生成部に戻しながら洗濯を行う場合には、洗濯開始当初の、中性洗剤や石けんが投入された直後の洗濯水が、上記還流経路を通して電解水生成部に戻されて電気分解にかけられると、中性洗剤や石けん自体も電気分解されてその洗浄力が大きく低下するおそれがある。
それゆえ、洗濯機を運転制御する制御手段の機能によって、洗濯開始時には電極組に通電せず、洗濯開始から一定時間が経過して、中性洗剤や石けんの洗浄力が落ち着いた時点で通電して、還流経路を通して戻された水の電解処理を開始するのが効率的である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態にかかる洗濯機Wの全体構成を示す断面図である。
図に見るようにこの例の洗濯機Wは、洗濯物および水を収容可能な槽1と、当該槽1のうち後述する内槽12およびパルセータ13を回転させる回転駆動手段2と、槽1内に水を給水する給水手段3とを、筐体4内に配置したものである。
【0019】
上記のうち槽1は、筐体4に回転時の振動が伝わらないように、当該筐体4に対して吊り棒10、10で吊り下げられた外槽11と、この外槽11内に同心状に配置された洗濯兼脱水槽としての内槽12と、内槽12の底部に設けられたパルセータ13とを備えている。
また回転駆動手段2は、その回転軸20aがパルセータ13に直結されたモータ20と、上記パルセータ13と内槽12との間に介装されたクラッチ21とを備えており、洗濯時およびすすぎ時にはクラッチ21を切って、内槽12は停止状態としつつ、モータ20によって、パルセータ13のみが一方方向または両方向に回転される。
【0020】
また脱水時にはクラッチ21を繋いで、モータ20によって、パルセータ13と内槽12とが一体的に、一方方向に高速で回転される。
そして回転の遠心力によって、洗濯物が内槽12の側壁にくっつくとともに、洗濯物に含まれる水分が、内槽12に形成された多数の小孔12a…を通って内槽12と外槽11との間の隙間にしぼり出され、この隙間から、図示しない排水経路を通って、これも図示しない洗濯機のドレン口から排水される。
【0021】
内槽12の側壁の一部には、当該内槽12内と仕切られた状態で、その底部の、パルセータ13の下側の位置から、上部の、入口の近傍まで続く小水路12bが形成されており、この小水路12bの出口を覆うように、槽内の水からゴミを除去するためのゴミ除去フィルター14が、内槽12に対して着脱自在に取り付けられている。
そして洗濯時やすすぎ時には、パルセータ13の回転に伴って、上記小水路12b内を下から上へ流れる水流が発生し、この水流から、ゴミ除去フィルター14によって、糸くずなどのゴミが連続的に除去される。
【0022】
またこの例では上記ゴミ除去フィルター14が、図2に示すように、活性炭や備長炭などの吸着剤粒子の層14aを、2枚の不織布14b、14bで挟んだ積層体14cを、さらにゴミ除去のための二重の網体14d、14d間に挟んだ積層構造に構成されており、それによって前述したように、中性洗剤や石けんと、電解水との働きによって洗濯物から離れた汚れを、上記吸着剤粒子の層14aに吸着させて洗濯水から除去することができる。
【0023】
また上記層14aを構成する吸着剤粒子が吸着力を失った際には、ゴミ除去フィルター14ごと交換される。
給水手段3は、図1に白矢印で示すように水道の蛇口(図示せず)などから供給された水を、前記内槽12に直接に給水する主給水経路31と、水の一部に柔軟剤を加えたのち内槽12に給水する柔軟剤供給経路32と、2枚の電極板51a、51bからなる電極組51に通電して水を電解処理することで電解水を生成させる電解水生成部5に給水する副給水経路33と、風呂水ポンプ6のポンプ本体60に起動時の呼び水を給水する呼び水給水経路34とを備えるとともに、洗濯機Wの動作段階に応じて、水を、制御手段からの制御信号に基づいて、上記各経路31〜34に連続的に、あるいは断続的に供給するために切り替えを行う給水弁30とを備えている。
【0024】
また上記給水手段3は、洗濯時やすすぎ時に、内槽12から、外槽11との間の隙間にあふれ出た水を、図中二重実線の矢印で示すようにろ過フィルター35aでろ過して糸くずなどのゴミを除去したのち、前記電解水生成部5に戻す還流経路35をも備えている。なお図において符号35bは、上記還流経路35に、上記の方向に水を流通させるための還流ポンプである。
電解水生成部5は、図3にも示すように電極組51を構成する反対極性の2枚の電極板51a、51bをそれぞれ、隔膜52で隔てた2つの電解室53a、53b内に収容、配置した電解槽53を備えている。
【0025】
この電解槽53は、上記のように隔膜52で隔てた2つの電解室53a、53bを有する槽本体53cと、この槽本体53cの上部開口を覆う蓋体53dとを備えており、このうち槽本体53cの底部には、両電解室53a、53bに繋がれて、開閉弁54a、54bを介したのち互いに合流される排水経路55a、55bが接続されている。
また合流された排水経路55a、55bはその後、再び2方向に分岐されて、一方は、開閉弁56aを介して、電解槽53で生成されたアルカリ性の電解水を槽1に給水するアルカリ性水給水経路57aに接続され、他方は、電解槽53で生成された酸性の電解水を、図示しない洗濯機のドレン口から排水する酸性水排水経路57bに接続されている。
【0026】
蓋体53dには、前記副給水経路33からの水を両電解室53a、53bに供給するために、コネクタ330でもって分岐された分岐経路330a、330bと、還流経路35からの水を両電解室53a、53bに供給するために、コネクタ350でもって分岐された分岐経路350a、350bとが接続されている。上記のうち電極板51a、51bは、電解によるいずれか一方の一方的な消耗を防止するために、電解の累計時間、累計回数などに応じて、印加する極性を定期的に逆転させるように設定されており、例えば電極板51aを陰極、電極板51bを陽極とした場合には、電解室53aが陰極室、電解室53bが陽極室として使用されて電解が行われる。
【0027】
そして陰極室である電解室53aで生成されたアルカリ性の電解水は、洗濯時やすすぎ時に、開閉弁54a、56aが開かれ、かつ開閉弁54b、56bが閉じられることで、排水経路55a、およびアルカリ性水給水経路57aを通して槽1に給水される。また陽極室である電解室53bで生成された酸性の電解水は、非給水時に、開閉弁54b、56bが開かれ、かつ開閉弁54a、56aが閉じられることで、排水経路55b、および酸性水排水経路57bを通して、ドレン口から排水される。
【0028】
また上記と極性を逆転させて、電極板51aを陽極、電極板51bを陰極とした場合には、電解室53aが陽極室、電解室53bが陰極室として使用されて電解が行われる。
そして陰極室である電解室53bで生成されたアルカリ性の電解水は、洗濯時やすすぎ時に、開閉弁54b、56aが開かれ、かつ開閉弁54a、56bが閉じられることで、排水経路55b、およびアルカリ性水給水経路57aを通して槽1に給水される。また陽極室である電解室53aで生成された酸性の電解水は、非給水時に、開閉弁54a、56bが開かれ、かつ開閉弁54b、56aが閉じられることで、排水経路55a、および酸性水排水経路57bを通して、ドレン口から排水される。
【0029】
また電解槽53は、例えば図4に示すように、電極組51を構成する電極板51a、51bを1つの電解室53e内に収容、配置したものであってもよい。
この場合には上記のように電解室53eが1つしかないので、副給水経路33、および還流経路35はいずれも分岐されずに、電解槽53を構成する蓋体53gに直結されている。また槽本体53fからの排水経路55cも1本とされ、それが開閉弁54cを介して、槽1に繋がる中性水給水経路57cに直結されているとともに、ドレン口に繋がる排水経路が省略されている。
【0030】
電極板51a、51bは、この場合も、電解によるいずれか一方の一方的な消耗を防止するために、電解の累計時間、累計回数などに応じて、印加する極性を定期的に逆転させるように設定されている。
そして電極板51aを陽極、電極板51bを陰極として使用するか、あるいは逆に電極板51aを陰極、電極板51bを陽極として使用して電解を行って、電解室53e内で生成された中性の電解水は、洗濯時やすすぎ時に、開閉弁54cを開くことで、排水経路55c、および中性水給水経路57cを通して槽1に給水される。
【0031】
なお前記図3の電解槽53を、図4のものと同様に中性の電解水の生成に使用することも可能である。すなわち両電解室53a、53bでそれぞれ生成したアルカリ性および酸性の電解水が、洗濯時やすすぎ時に、開閉弁54a、54b、56bが開かれ、かつ開閉弁56bが閉じられることで、排水経路55a、55bを通して合流されて、中性の電解水とされたのち、アルカリ性水給水経路57aを通して槽1に給水されるようにすることも可能である。
【0032】
風呂水ポンプ6は、ポンプ本体60と、このポンプ本体60に接続された状態で筐体4外へ延設された、ビニールホース等の柔軟な管体で形成された風呂水の吸い上げ管61と、この吸い上げ管61の先端の、風呂水の吸い上げ口61a…の直後に配置されたろ過フィルター62と、上記ポンプ本体60と前記副給水経路33との間を繋ぐ給水管63とを備えている。またこの給水管63上には、給水弁30から、水道水などを、副給水経路33を通して電解水生成部5に給水する際に、その一部または全部が給水管63に流入するのを防止するための逆止弁64が配置されている。
【0033】
上記風呂水ポンプ6を用いて、風呂の残り湯などを電解水生成部5に給水する場合には、まず前述した給水弁30が開閉されて、少量の水が、呼び水給水経路34を通してポンプ本体60に供給された状態で、当該ポンプ本体60が起動される。そして、風呂水に投入しておいた吸い上げ管61の先端の、風呂水の吸い上げ口61a…から、図中黒矢印で示すように風呂水が吸い上げられ、ろ過フィルター62を通して髪の毛などのゴミが除去されたのち、給水管63、および副給水経路33を通して電解水生成部5に給水される。
【0034】
上記各部のうち電極組53を構成する電極板51a、51bとしては、例えばチタニウム(Ti)製の基板の表面全面に金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、白金−イリジウム(Pt−Ir)などの貴金属の薄膜を、めっき法や焼成処理によってコーティングしたものなどが使用される。
また槽本体53c、53f、蓋体53d、53g、および排水経路55a〜55cなどとしてはそれぞれ、これらの部材がいずれも電極組51のごく近傍に位置するため、例えばポリプロピレンなどの、電気化学反応によって発生する含塩素化合物や活性酸素等に対して十分な耐性を有する樹脂によって形成される。
【0035】
隔膜52としては、電解用として使用される種々の材料からなる隔膜が、いずれも使用可能である。
ろ過フィルター35a、66としては、天然あるいは化学繊維製の不織布などが使用される。より具体的には、その耐久性などを考慮して、ポリプロピレン繊維などで形成された不織布、特に還流ポンプ35bで還流させる水や、風呂水ポンプ6で吸い上げる風呂水の流量を低下させないために、平均径が100μmを超えるような不織布が好適に使用される。
【0036】
図5は、図1の洗濯機Wの、電気的な構成を示すブロック図である。
図に見るように洗濯機Wは、電極組51に通電制御しつつ回転駆動手段2、給水手段3などを作動させる制御手段としての制御部70を備えている。
洗濯機Wの運転モードなどを入力する操作部P1、および内槽12の水位を検知する水位センサS1の出力は制御部70へ与えられる。制御部70内には、各種動作のタイミングを規定するためのタイマ71と、各運転モードなどの初期値を登録したメモリ72とが備えられている。
【0037】
制御部70は、上記操作部P1や水位センサS1の出力、タイマ71によって規定されたタイミング、並びにメモリ72に登録された初期値に基づいて種々の演算を行い、それに基づいて制御信号をドライバ73へ与える。
そしてドライバ73は、与えられる信号に基づいて電極組51への通電出力(通電電流)、通電時間等の通電制御を行い、かつモータ20、クラッチ21、還流ポンプ35、風呂水ポンプ6の駆動制御、並びに給水弁30、開閉弁54a、54b、56a、56bの開閉を行う。
【0038】
図6は、制御部70により行われる制御のうち洗濯開始時における、電解処理の遅延作動の流れを示すフローチャートである。
洗濯機Wの電源が投入され、洗濯モードが選択されて運転が開始されると、まず水が内槽12に給水される(ステップSP1)。
またこの際、使用者は、内槽12内に所定量の中性洗剤や石けんを投入する。あるいは給水部に、所定量の中性洗剤や石けんを、給水の水流によって内槽12内に投入する自動給水手段を設けておき、この自動給水手段を使用して、給水開始とほぼ同時に自動的に、内槽12内に中性洗剤や石けんを投入するようにしてもよい。
【0039】
水を内槽12に給水するモードとしては次の3つのうちの1つまたは2つ以上が選択される。
(1) 水道の蛇口などから、主給水経路31を通して直接に給水。
(2) 水道の蛇口などから、副給水経路33−電解槽53−排水経路55a、55b−アルカリ性水給水経路57a(あるいは後2段は−排水経路55c−中性水給水経路57c)を経由して給水。
【0040】
この際、前述したように中性洗剤や石けん自体の分解を防止するために、電解槽53内の電極組51への通電は停止されている。またこの通電を停止した状態での給水は、電解水生成部5を構成する上記各部内の洗浄、および給水を兼ねるので、特に図3の電解槽53の場合は、水が、電解室53a、53bの両方を通過するように、開閉弁54a、54bを両方とも開いておくのが好ましい。
(3) 浴槽などから、風呂水ポンプ6−電解槽53を経由して、後は上記(2)と同じ経路で給水。
【0041】
この場合も、電解槽53内の電極組51への通電は停止されている。また図3の電解槽53の場合は、やはり水が、電解室53a、53bの両方を通過するように、開閉弁54a、54bを両方とも開いておくのがよい。
次に、内槽12内の水位が所定の水位に達したことが前記水位センサS1によって検知された時点で給水を停止し、タイマ71によって洗濯時間の計時を開始するとともに、クラッチ21を切った状態でモータ20を回転させて、パルセータ13のみを回転させつつ洗濯を開始する(ステップSP2)。
【0042】
またそれと同時に、還流ポンプ35bを作動させて、内槽12からあふれ出た水を、還流経路35を通して電解水生成部5に還流し、この電解水生成部5の電解槽53から、排水経路55a、55b−アルカリ性水給水経路57a(あるいは排水経路55c−中性水給水経路57c)を経由して内槽12に還流させる還流を開始する。なおこの際、やはり中性洗剤や石けん自体の分解を防止するために、電解槽53内の電極組51への通電は停止されている必要がある。
【0043】
そして洗濯開始から一定時間(例えば図の場合は5分)が経過したか否かを判断し(ステップSP3)、一定時間が経過した時点ではじめて、電極組51に通電して電解処理を開始する(ステップSP4)。
電解処理時の水の流れは先に説明したとおりとする。
そしてこの水の還流と電解処理とを、洗濯モードの終了まで継続して行う(ステップSP5)。
【0044】
この発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば還流経路35や風呂水ポンプ6などは省略してもよい。またこの発明の構成を、洗濯槽と脱水槽とが別々に設けられた2槽式の洗濯機に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる洗濯機の構造を簡略化して示す断面図である。
【図2】図1の洗濯機に組み込まれるゴミ除去フィルターの層構成を示す断面図である。
【図3】図1の洗濯機に組み込まれる電解水生成部の構成の一例を示す断面図である。
【図4】電解水生成部の構成の他の例を示す断面図である。
【図5】図1の洗濯機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図6】制御部により行われる制御内容のうち、洗濯開始時における、電解処理の遅延作動の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
W 洗濯機
1 槽
2 回転駆動手段
3 給水手段
5 電解水生成部
51 電極組
51a、51b 電極板
【発明の属する技術分野】
この発明は、洗濯物の洗濯を行う洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
洗濯物および水を収容可能な槽を備え、この槽内に水流を発生させて洗濯物の洗濯およびすすぎを行い、洗濯物が収容された槽を高速回転させて脱水を行う洗濯機がある。
この種の洗濯機では従来、洗濯物の洗濯に、主として中性洗剤が使用されてきたが、近時、環境への配慮などの観点から中性洗剤の使用量を減らしたり、あるいは中性洗剤の使用をやめて、より環境にやさしいとされる石けん(液体石けん、粉末石けんなど)を使用したりする動きが、一般家庭にも広がりつつある。
【0003】
ところが、中性洗剤の使用量を規定量より減らしたり、あるいは中性洗剤より洗浄力の低い石けんに置き換えたりした場合には、洗浄力が不足して洗濯物がきれいに洗濯されないために、洗い残しが生じやすいという問題があった。
この発明の目的は、中性洗剤の使用量を規定量より減らしたり、中性洗剤より洗浄力の低い石けんに置き換えたりした場合でも洗濯物をきれいに洗濯することが可能な、新規な洗濯機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、洗濯物および水を収容可能な槽と、槽を回転させる回転駆動手段と、槽内に水を給水する給水手段とを備え、上記給水手段は、少なくとも2枚の電極板からなる電極組を有し、この電極組に通電して水を電解処理することで電解水を生成させる電解水生成部と、槽からあふれ出た水を電解水生成部に戻す還流経路と、還流経路に水を流通させる還流ポンプと、水道の蛇口から給水された水を電解水生成部に給水する給水経路と、を含み、運転が開始されると、電極組への通電を停止した状態で、水道の蛇口から電解水生成部を経由して槽内に給水することで、電解水生成部内の洗浄を兼ねる給水を行い、槽内の水位が所定の水位に達して洗濯が開始されてから、一定時間が経過した時点で電極組に通電し、電極組への通電と還流ポンプの作動によって水の還流と電解処理とを行う制御部を、備えたことを特徴とする洗濯機である。
【0008】
請求項1の構成によれば、電解水生成部で生成させた、それ自体が滅菌、洗浄力のある電解水を、洗濯物の洗濯、すすぎに用いる水として使用できるため、例えば中性洗剤の使用量を規定量より減らしたり、あるいは中性洗剤より洗浄力の低い石けんに置き換えたりした場合でも、洗濯物を、洗い残しなくきれいに洗濯することが可能となる。
また洗濯、すすぎに要する時間をこれまでより短くして、洗濯から脱水までのトータルの時間を短縮したり、それに伴う消費電力を低減したりすることも可能である。
【0009】
もちろん、汚れのひどい洗濯物であれば、規定量の中性洗剤を加えてもよい。その場合でも、例えば中性洗剤の量を規定量より増量したり、洗濯やすすぎの時間を延長したりすることなく、洗濯物を、洗い残しなくきれいに洗濯することができる。
一方、汚れの少ない洗濯物であれば、中性洗剤や石けんなどを全く使用せずに、電解水のみで洗濯することも可能である。
【0010】
さらにこの発明によれば、特に石けんを使用した場合に槽内に発生しやすい黒カビの発生とその増殖とを、上記電解水の滅菌効果によって抑制することも可能である。
【0011】
上記洗濯機においては、少なくとも2枚の電極板からなる電極組に通電すると、例えば電極組を構成する反対極性の電極板をそれぞれ、隔膜で隔てた2つの電解室内に収容、配置した電解槽の場合には、陽極側および陰極側で下記の反応が進行する。
(陽極側)
4H2O−4e-→4H++O2↑+2H2O
2Cl-→Cl2+2e-
H2O+Cl2⇔HClO+H++Cl-
(陰極側)
4H2O+4e-→2H2↑+4OH-
そして陰極側で生成されたアルカリ性の、それ自体が洗浄力のある電解水を、アルカリ性水給水経路を通して槽に給水しつつ、洗濯やすすぎを行うことができる。
【0012】
また、陽極側で生成された酸性の電解水は、酸性水排水経路を通して、例えば洗濯機のドレン口から排水される。
また、電極組を構成する電極板を1つの電解室内に収容、配置した電解槽の場合には、上記の反応に加えてさらに下記の反応が進行する。
(陽極側+陰極側)
H++OH-→H2O
そして生成した、次亜塩素酸(HClO)、次亜塩素酸イオン(ClO-)、塩素ガス(Cl2)などの含塩素化合物を含み、それ自体が滅菌力を有する中性の電解水を、中性水給水経路を通して槽に給水しつつ、洗濯やすすぎを行うことができる。
【0013】
さらにまた上記いずれの電解槽の場合でも、槽に給水する水を、前記の反応過程でごく短時間、発生する活性酸素(O2 −)によって滅菌する効果も得られる。上記の反応は、給水手段によって槽に給水する水として水道水を使用する場合、当該水道水中に含まれる塩素イオン分をイオン源とするだけで十分に進行するが、必要に応じて、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl2)などの塩類を、イオン源として水に添加してもよい。
【0016】
なお還流経路を通して、槽からあふれた水を電解水生成部に戻しながら洗濯を行う場合には、洗濯開始当初の、中性洗剤や石けんが投入された直後の洗濯水が、上記還流経路を通して電解水生成部に戻されて電気分解にかけられると、中性洗剤や石けん自体も電気分解されてその洗浄力が大きく低下するおそれがある。
それゆえ、洗濯機を運転制御する制御手段の機能によって、洗濯開始時には電極組に通電せず、洗濯開始から一定時間が経過して、中性洗剤や石けんの洗浄力が落ち着いた時点で通電して、還流経路を通して戻された水の電解処理を開始するのが効率的である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態にかかる洗濯機Wの全体構成を示す断面図である。
図に見るようにこの例の洗濯機Wは、洗濯物および水を収容可能な槽1と、当該槽1のうち後述する内槽12およびパルセータ13を回転させる回転駆動手段2と、槽1内に水を給水する給水手段3とを、筐体4内に配置したものである。
【0019】
上記のうち槽1は、筐体4に回転時の振動が伝わらないように、当該筐体4に対して吊り棒10、10で吊り下げられた外槽11と、この外槽11内に同心状に配置された洗濯兼脱水槽としての内槽12と、内槽12の底部に設けられたパルセータ13とを備えている。
また回転駆動手段2は、その回転軸20aがパルセータ13に直結されたモータ20と、上記パルセータ13と内槽12との間に介装されたクラッチ21とを備えており、洗濯時およびすすぎ時にはクラッチ21を切って、内槽12は停止状態としつつ、モータ20によって、パルセータ13のみが一方方向または両方向に回転される。
【0020】
また脱水時にはクラッチ21を繋いで、モータ20によって、パルセータ13と内槽12とが一体的に、一方方向に高速で回転される。
そして回転の遠心力によって、洗濯物が内槽12の側壁にくっつくとともに、洗濯物に含まれる水分が、内槽12に形成された多数の小孔12a…を通って内槽12と外槽11との間の隙間にしぼり出され、この隙間から、図示しない排水経路を通って、これも図示しない洗濯機のドレン口から排水される。
【0021】
内槽12の側壁の一部には、当該内槽12内と仕切られた状態で、その底部の、パルセータ13の下側の位置から、上部の、入口の近傍まで続く小水路12bが形成されており、この小水路12bの出口を覆うように、槽内の水からゴミを除去するためのゴミ除去フィルター14が、内槽12に対して着脱自在に取り付けられている。
そして洗濯時やすすぎ時には、パルセータ13の回転に伴って、上記小水路12b内を下から上へ流れる水流が発生し、この水流から、ゴミ除去フィルター14によって、糸くずなどのゴミが連続的に除去される。
【0022】
またこの例では上記ゴミ除去フィルター14が、図2に示すように、活性炭や備長炭などの吸着剤粒子の層14aを、2枚の不織布14b、14bで挟んだ積層体14cを、さらにゴミ除去のための二重の網体14d、14d間に挟んだ積層構造に構成されており、それによって前述したように、中性洗剤や石けんと、電解水との働きによって洗濯物から離れた汚れを、上記吸着剤粒子の層14aに吸着させて洗濯水から除去することができる。
【0023】
また上記層14aを構成する吸着剤粒子が吸着力を失った際には、ゴミ除去フィルター14ごと交換される。
給水手段3は、図1に白矢印で示すように水道の蛇口(図示せず)などから供給された水を、前記内槽12に直接に給水する主給水経路31と、水の一部に柔軟剤を加えたのち内槽12に給水する柔軟剤供給経路32と、2枚の電極板51a、51bからなる電極組51に通電して水を電解処理することで電解水を生成させる電解水生成部5に給水する副給水経路33と、風呂水ポンプ6のポンプ本体60に起動時の呼び水を給水する呼び水給水経路34とを備えるとともに、洗濯機Wの動作段階に応じて、水を、制御手段からの制御信号に基づいて、上記各経路31〜34に連続的に、あるいは断続的に供給するために切り替えを行う給水弁30とを備えている。
【0024】
また上記給水手段3は、洗濯時やすすぎ時に、内槽12から、外槽11との間の隙間にあふれ出た水を、図中二重実線の矢印で示すようにろ過フィルター35aでろ過して糸くずなどのゴミを除去したのち、前記電解水生成部5に戻す還流経路35をも備えている。なお図において符号35bは、上記還流経路35に、上記の方向に水を流通させるための還流ポンプである。
電解水生成部5は、図3にも示すように電極組51を構成する反対極性の2枚の電極板51a、51bをそれぞれ、隔膜52で隔てた2つの電解室53a、53b内に収容、配置した電解槽53を備えている。
【0025】
この電解槽53は、上記のように隔膜52で隔てた2つの電解室53a、53bを有する槽本体53cと、この槽本体53cの上部開口を覆う蓋体53dとを備えており、このうち槽本体53cの底部には、両電解室53a、53bに繋がれて、開閉弁54a、54bを介したのち互いに合流される排水経路55a、55bが接続されている。
また合流された排水経路55a、55bはその後、再び2方向に分岐されて、一方は、開閉弁56aを介して、電解槽53で生成されたアルカリ性の電解水を槽1に給水するアルカリ性水給水経路57aに接続され、他方は、電解槽53で生成された酸性の電解水を、図示しない洗濯機のドレン口から排水する酸性水排水経路57bに接続されている。
【0026】
蓋体53dには、前記副給水経路33からの水を両電解室53a、53bに供給するために、コネクタ330でもって分岐された分岐経路330a、330bと、還流経路35からの水を両電解室53a、53bに供給するために、コネクタ350でもって分岐された分岐経路350a、350bとが接続されている。上記のうち電極板51a、51bは、電解によるいずれか一方の一方的な消耗を防止するために、電解の累計時間、累計回数などに応じて、印加する極性を定期的に逆転させるように設定されており、例えば電極板51aを陰極、電極板51bを陽極とした場合には、電解室53aが陰極室、電解室53bが陽極室として使用されて電解が行われる。
【0027】
そして陰極室である電解室53aで生成されたアルカリ性の電解水は、洗濯時やすすぎ時に、開閉弁54a、56aが開かれ、かつ開閉弁54b、56bが閉じられることで、排水経路55a、およびアルカリ性水給水経路57aを通して槽1に給水される。また陽極室である電解室53bで生成された酸性の電解水は、非給水時に、開閉弁54b、56bが開かれ、かつ開閉弁54a、56aが閉じられることで、排水経路55b、および酸性水排水経路57bを通して、ドレン口から排水される。
【0028】
また上記と極性を逆転させて、電極板51aを陽極、電極板51bを陰極とした場合には、電解室53aが陽極室、電解室53bが陰極室として使用されて電解が行われる。
そして陰極室である電解室53bで生成されたアルカリ性の電解水は、洗濯時やすすぎ時に、開閉弁54b、56aが開かれ、かつ開閉弁54a、56bが閉じられることで、排水経路55b、およびアルカリ性水給水経路57aを通して槽1に給水される。また陽極室である電解室53aで生成された酸性の電解水は、非給水時に、開閉弁54a、56bが開かれ、かつ開閉弁54b、56aが閉じられることで、排水経路55a、および酸性水排水経路57bを通して、ドレン口から排水される。
【0029】
また電解槽53は、例えば図4に示すように、電極組51を構成する電極板51a、51bを1つの電解室53e内に収容、配置したものであってもよい。
この場合には上記のように電解室53eが1つしかないので、副給水経路33、および還流経路35はいずれも分岐されずに、電解槽53を構成する蓋体53gに直結されている。また槽本体53fからの排水経路55cも1本とされ、それが開閉弁54cを介して、槽1に繋がる中性水給水経路57cに直結されているとともに、ドレン口に繋がる排水経路が省略されている。
【0030】
電極板51a、51bは、この場合も、電解によるいずれか一方の一方的な消耗を防止するために、電解の累計時間、累計回数などに応じて、印加する極性を定期的に逆転させるように設定されている。
そして電極板51aを陽極、電極板51bを陰極として使用するか、あるいは逆に電極板51aを陰極、電極板51bを陽極として使用して電解を行って、電解室53e内で生成された中性の電解水は、洗濯時やすすぎ時に、開閉弁54cを開くことで、排水経路55c、および中性水給水経路57cを通して槽1に給水される。
【0031】
なお前記図3の電解槽53を、図4のものと同様に中性の電解水の生成に使用することも可能である。すなわち両電解室53a、53bでそれぞれ生成したアルカリ性および酸性の電解水が、洗濯時やすすぎ時に、開閉弁54a、54b、56bが開かれ、かつ開閉弁56bが閉じられることで、排水経路55a、55bを通して合流されて、中性の電解水とされたのち、アルカリ性水給水経路57aを通して槽1に給水されるようにすることも可能である。
【0032】
風呂水ポンプ6は、ポンプ本体60と、このポンプ本体60に接続された状態で筐体4外へ延設された、ビニールホース等の柔軟な管体で形成された風呂水の吸い上げ管61と、この吸い上げ管61の先端の、風呂水の吸い上げ口61a…の直後に配置されたろ過フィルター62と、上記ポンプ本体60と前記副給水経路33との間を繋ぐ給水管63とを備えている。またこの給水管63上には、給水弁30から、水道水などを、副給水経路33を通して電解水生成部5に給水する際に、その一部または全部が給水管63に流入するのを防止するための逆止弁64が配置されている。
【0033】
上記風呂水ポンプ6を用いて、風呂の残り湯などを電解水生成部5に給水する場合には、まず前述した給水弁30が開閉されて、少量の水が、呼び水給水経路34を通してポンプ本体60に供給された状態で、当該ポンプ本体60が起動される。そして、風呂水に投入しておいた吸い上げ管61の先端の、風呂水の吸い上げ口61a…から、図中黒矢印で示すように風呂水が吸い上げられ、ろ過フィルター62を通して髪の毛などのゴミが除去されたのち、給水管63、および副給水経路33を通して電解水生成部5に給水される。
【0034】
上記各部のうち電極組53を構成する電極板51a、51bとしては、例えばチタニウム(Ti)製の基板の表面全面に金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、白金−イリジウム(Pt−Ir)などの貴金属の薄膜を、めっき法や焼成処理によってコーティングしたものなどが使用される。
また槽本体53c、53f、蓋体53d、53g、および排水経路55a〜55cなどとしてはそれぞれ、これらの部材がいずれも電極組51のごく近傍に位置するため、例えばポリプロピレンなどの、電気化学反応によって発生する含塩素化合物や活性酸素等に対して十分な耐性を有する樹脂によって形成される。
【0035】
隔膜52としては、電解用として使用される種々の材料からなる隔膜が、いずれも使用可能である。
ろ過フィルター35a、66としては、天然あるいは化学繊維製の不織布などが使用される。より具体的には、その耐久性などを考慮して、ポリプロピレン繊維などで形成された不織布、特に還流ポンプ35bで還流させる水や、風呂水ポンプ6で吸い上げる風呂水の流量を低下させないために、平均径が100μmを超えるような不織布が好適に使用される。
【0036】
図5は、図1の洗濯機Wの、電気的な構成を示すブロック図である。
図に見るように洗濯機Wは、電極組51に通電制御しつつ回転駆動手段2、給水手段3などを作動させる制御手段としての制御部70を備えている。
洗濯機Wの運転モードなどを入力する操作部P1、および内槽12の水位を検知する水位センサS1の出力は制御部70へ与えられる。制御部70内には、各種動作のタイミングを規定するためのタイマ71と、各運転モードなどの初期値を登録したメモリ72とが備えられている。
【0037】
制御部70は、上記操作部P1や水位センサS1の出力、タイマ71によって規定されたタイミング、並びにメモリ72に登録された初期値に基づいて種々の演算を行い、それに基づいて制御信号をドライバ73へ与える。
そしてドライバ73は、与えられる信号に基づいて電極組51への通電出力(通電電流)、通電時間等の通電制御を行い、かつモータ20、クラッチ21、還流ポンプ35、風呂水ポンプ6の駆動制御、並びに給水弁30、開閉弁54a、54b、56a、56bの開閉を行う。
【0038】
図6は、制御部70により行われる制御のうち洗濯開始時における、電解処理の遅延作動の流れを示すフローチャートである。
洗濯機Wの電源が投入され、洗濯モードが選択されて運転が開始されると、まず水が内槽12に給水される(ステップSP1)。
またこの際、使用者は、内槽12内に所定量の中性洗剤や石けんを投入する。あるいは給水部に、所定量の中性洗剤や石けんを、給水の水流によって内槽12内に投入する自動給水手段を設けておき、この自動給水手段を使用して、給水開始とほぼ同時に自動的に、内槽12内に中性洗剤や石けんを投入するようにしてもよい。
【0039】
水を内槽12に給水するモードとしては次の3つのうちの1つまたは2つ以上が選択される。
(1) 水道の蛇口などから、主給水経路31を通して直接に給水。
(2) 水道の蛇口などから、副給水経路33−電解槽53−排水経路55a、55b−アルカリ性水給水経路57a(あるいは後2段は−排水経路55c−中性水給水経路57c)を経由して給水。
【0040】
この際、前述したように中性洗剤や石けん自体の分解を防止するために、電解槽53内の電極組51への通電は停止されている。またこの通電を停止した状態での給水は、電解水生成部5を構成する上記各部内の洗浄、および給水を兼ねるので、特に図3の電解槽53の場合は、水が、電解室53a、53bの両方を通過するように、開閉弁54a、54bを両方とも開いておくのが好ましい。
(3) 浴槽などから、風呂水ポンプ6−電解槽53を経由して、後は上記(2)と同じ経路で給水。
【0041】
この場合も、電解槽53内の電極組51への通電は停止されている。また図3の電解槽53の場合は、やはり水が、電解室53a、53bの両方を通過するように、開閉弁54a、54bを両方とも開いておくのがよい。
次に、内槽12内の水位が所定の水位に達したことが前記水位センサS1によって検知された時点で給水を停止し、タイマ71によって洗濯時間の計時を開始するとともに、クラッチ21を切った状態でモータ20を回転させて、パルセータ13のみを回転させつつ洗濯を開始する(ステップSP2)。
【0042】
またそれと同時に、還流ポンプ35bを作動させて、内槽12からあふれ出た水を、還流経路35を通して電解水生成部5に還流し、この電解水生成部5の電解槽53から、排水経路55a、55b−アルカリ性水給水経路57a(あるいは排水経路55c−中性水給水経路57c)を経由して内槽12に還流させる還流を開始する。なおこの際、やはり中性洗剤や石けん自体の分解を防止するために、電解槽53内の電極組51への通電は停止されている必要がある。
【0043】
そして洗濯開始から一定時間(例えば図の場合は5分)が経過したか否かを判断し(ステップSP3)、一定時間が経過した時点ではじめて、電極組51に通電して電解処理を開始する(ステップSP4)。
電解処理時の水の流れは先に説明したとおりとする。
そしてこの水の還流と電解処理とを、洗濯モードの終了まで継続して行う(ステップSP5)。
【0044】
この発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば還流経路35や風呂水ポンプ6などは省略してもよい。またこの発明の構成を、洗濯槽と脱水槽とが別々に設けられた2槽式の洗濯機に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる洗濯機の構造を簡略化して示す断面図である。
【図2】図1の洗濯機に組み込まれるゴミ除去フィルターの層構成を示す断面図である。
【図3】図1の洗濯機に組み込まれる電解水生成部の構成の一例を示す断面図である。
【図4】電解水生成部の構成の他の例を示す断面図である。
【図5】図1の洗濯機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図6】制御部により行われる制御内容のうち、洗濯開始時における、電解処理の遅延作動の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
W 洗濯機
1 槽
2 回転駆動手段
3 給水手段
5 電解水生成部
51 電極組
51a、51b 電極板
Claims (1)
- 洗濯物および水を収容可能な槽と、
槽を回転させる回転駆動手段と、
槽内に水を給水する給水手段とを備え、
上記給水手段は、少なくとも2枚の電極板からなる電極組を有し、この電極組に通電して水を電解処理することで電解水を生成させる電解水生成部と、槽からあふれ出た水を電解水生成部に戻す還流経路と、還流経路に水を流通させる還流ポンプと、水道の蛇口から給水された水を電解水生成部に給水する給水経路と、を含み、
運転が開始されると、電極組への通電を停止した状態で、水道の蛇口から電解水生成部を経由して槽内に給水することで、電解水生成部内の洗浄を兼ねる給水を行い、槽内の水位が所定の水位に達して洗濯が開始されてから、一定時間が経過した時点で電極組に通電し、電極組への通電と還流ポンプの作動によって水の還流と電解処理とを行う制御部を、
備えたことを特徴とする洗濯機。
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