JP3545556B2 - 撮像システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、画像データの伝送にタイムラグを生じる状況で、遠隔地にある画像を表示する際に適した撮像システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遠隔地に配置されたビデオカメラで撮像された画像データを、受信して表示装置に表示するとともに、ビデオカメラ等の撮影範囲を受信側で遠隔操作することが可能な画像データ受信装置が種々開発されている。
例えば、受信側で表示されている画面の中から利用者が見たい領域を自由に選択し、この領域を拡大して見られるような装置として、特開平6−121229号公報に記載された技術が提案されている。
この画像データ受信装置は、表示画面制御部において、映像表示部に表示された映像の中の任意の領域を指定し、指定された領域の映像情報を映像表示部の表示領域に拡大して表示するようにしている。
【0003】
更に、テレビ電話の分野では、受信側での受信画像の選択や、領域についての設定を操作する技術については、例えば、特開平6−205407号に開示されている。この技術では、受信側において、送信側のカメラ入力部および書画カメラ入力部の切り換え、あるいは、その首振り機能やズーム機能を制御することができるようになっている。この場合、受信側において相手画像入力操作部からカメラ入力部等を制御する制御情報を入力する。送信側では、この情報を受信すると、受信した制御情報に基づき送信側のカメラ入力部および書画カメラ入力部を制御するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、圧縮した画像データを携帯電話、衛星電話等の無線通信によって送受信する場合のように、比較的タイムラグが大きい状況では、例えば、遠隔操作で撮像範囲を右にずらす指示をしても、実際に右側の画面が表示されるまでには時間がかかる。そして、撮像範囲をずらした位置に目的とする画像がない場合には、さらに撮像範囲をずらさなければならないが、目的の画像に到達するまで無駄な映像が表示され、また、操作全体に長時間を必要とするという問題があった。
さらに、一度に撮像できる画角以上の移動を一度に行うと、画像の繋がりが判らなくなり、目的とする画像を探せなくなるため、少しずつ撮像範囲をずらす必要があり、通信時間、通信コストを増加させる原因となっていた。
【0005】
また、上述のように、比較的タイムラグが大きい状況では、例えば、遠隔操作で撮像範囲を右にずらす指示をしても、実際に右側の画面が表示されるまでには時間がかかるため、現在表示されている画像が、これまでの撮像範囲における画像か、あるいは、新たに指定された撮像範囲の画像であるか区別が付きにくいことがある。この問題は、撮像範囲を少ししかずらさないような場合や、これまで設定していた撮像範囲の画像と新たに設定された撮像範囲の画像の変化が少ない場合に特に顕著となる。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、画像データの伝送にタイムラグがある状況においても、表示したい領域を素早く指示することができる撮像システムを提供するところにある。
また、この発明の他の目的は、画像データの伝送にタイムラグがある状況においても、更新前後の画像を明瞭に区別することができる撮像システムを提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明は、撮像した画像に対応する画像信号を出力するとともに、制御信号に従って撮像範囲を変更することが可能な撮像手段と、前記撮像手段が出力する画像信号に基づいて表示を行う表示手段と、前記撮像手段によって撮像可能な全範囲を複数の領域に分割し、分割された各領域を順次撮像するための前記制御信号を前記撮像手段に出力する分割撮像制御手段と、前記撮像手段が出力する各分割領域の画像信号に基づいて、前記各分割領域の画像を合成して全範囲の画像を作成し、前記表示手段に表示させる合成画像表示制御手段とを有し、前記撮像手段は、撮像した画面についての撮像範囲情報を前記画像信号に付加して出力し、前記合成画像表示制御手段は、前記撮像範囲情報に基づいて前記各分割領域の画像の合成を行うことを特徴とする撮像システムを提供する。
また、本発明は、撮像した画像に対応する画像信号を出力するとともに、制御信号に従って撮像範囲を変更することが可能な撮像手段と、前記撮像手段が出力する画像信号に基づいて表示を行う表示手段と、前記撮像手段によって撮像可能な全範囲を複数の領域に分割し、分割された各領域を順次撮像するための前記制御信号を前記撮像手段に出力する分割撮像制御手段と、前記撮像手段が出力する各分割領域の画像信号に基づいて、前記各分割領域の画像を合成して全範囲の画像を作成し、前記表示手段に表示させる合成画像表示制御手段とを有し、前記撮像手段と前記表示手段とは離間した場所に設けられ、前記分割撮像制御手段は前記撮像手段側に設けられることを特徴とする撮像システムを提供する。
本発明の好ましい態様においては、前記表示手段に表示された前記全範囲の画像に撮像範囲枠を重ねて表示する撮像範囲表示手段と、撮像範囲表示手段が表示している撮像範囲枠に対応する撮像範囲情報を出力する撮像範囲指定手段とを具備し、前記分割撮像制御手段は、前記撮像範囲指定手段から前記撮像範囲情報が供給されると当該撮像範囲情報に対応した制御信号を前記撮像手段に出力し、前記合成画像表示制御手段は、前記撮像範囲指定手段が指定した撮像範囲に該当する画像信号が前記撮像手段から供給されると、当該画像信号に対応する撮像範囲 に新たな撮像範囲枠を表示させ、前記表示手段は前記撮像範囲枠もしくは前記撮像範囲枠内の画像の表示態様を、新たな画像を表示する前と後で変化させるようにしても良い。
【0007】
また、本発明は、撮像した画像に対応する画像信号を出力するとともに、制御信号に従って撮像範囲を変更することが可能な撮像手段と、前記撮像手段が出力する画像信号に基づいて表示を行う画像表示手段と、前記撮像手段の撮像範囲を指定する撮像範囲指定手段と、前記撮像範囲指定手段から撮像範囲を示す撮像範囲情報が供給されると、当該撮像範囲情報に対応した制御信号を前記撮像手段に出力する撮像範囲制御手段と、前記撮像範囲指定手段によって指定された撮像範囲を表示する撮像範囲表示手段とを具備し、前記撮像手段は、前記撮像範囲情報を前記画像信号に付加して出力し、前記撮像範囲表示手段は、前記撮像範囲情報に基づいて表示を行い、前記画像表示手段は、前記撮像範囲指定手段が指定した撮像範囲に該当する画像信号が前記撮像手段から供給されると、当該画像信号に対応する画像を表示することを特徴とする撮像システムを提供する。
本発明の好ましい態様においては、前記撮像範囲表示手段は表示態様を、新たな画像を表示する前と後で変化させるようにしても良い。
また、好ましい態様においては、前記撮像範囲表示手段は、前記表示態様を変化させる手法として撮像範囲を異なる線種または図形で表示するようにしても良い。
また、好ましい態様においては、前記撮像範囲表示手段は、前記表示態様を変化させる手法として画像の明度あるいは色調の少なくともいずれか一方を変化させるようにしても良い。
【0008】
(実施形態の構成)
図1は、本願発明の一実施形態である撮像システムの構成を示すブロック図である。図に示す1は、撮像した画像を送信する送信ステーションであり、2は送信された画像を受信して表示する受信ステーションである。
送信ステーション1にはビデオカメラ4が設けられ、このビデオカメラ4は制御部5によって撮像位置、撮像範囲が制御されるようになっている。6は画像伝送装置であり、ビデオカメラ4が出力する画像データをビデオインターフェイスを介して受ける。また、画像伝送装置6は制御部5に対し、RS232Cインターフェイスを介して撮像角度(上下方向角度(チルト)、左右方向角度(パン))、ズームによる撮像範囲、フォーカス等を制御するための制御信号を出力する。
【0009】
この画像伝送装置6は、図示しないが、画像データの送受信に関する各種制御を行うCPUと、このCPUによる各種制御のためのプログラムが格納されたROMと、画像データ等を格納するメモリ(フラッシュメモリ、S−RAM等)と、ビデオ信号の取り込みや画像圧縮を行う画像処理部を備えている。この画像伝送装置6における画像圧縮については、既存の各種圧縮方法が用いられる。例えば、特開平5−227547号公報に記載されているFST圧縮の方法、国際標準規格であるMPEGやJPEG、特開平8−154261号公報に記載されたTIM圧縮等の各種方法を採用することができる。本実施形態では、これらの画像データ圧縮は、画像伝送装置6に設けられたハードウエアによって処理されるが、ソフトMPEG、JPEG等のようにソフトウエアによる処理で圧縮することも可能である。この場合、画像伝送装置6は、圧縮した画像信号を送信するに際し、そのヘッダ部にビデオカメラ4の撮像範囲を示す撮像範囲情報(チルト、パン、フォーカス等の情報)を付加する。
また、画像伝送装置6は、携帯電話7等と接続するための各種接続インターフェイス部と、これらを制御するための制御部等を有している。
【0010】
一方、受信ステーション2には、携帯電話9、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)10および両者を接続するインターフェイスであるカードタイプの通信制御装置(いわゆる携帯電話接続カード)18が設けられている。上述した構成による送信ステーション1と受信ステーション2との間は、携帯電話7、9を介して回線接続され、デジタル移動通信網を介在した9600bpsの通信速度により画像データや制御データの授受を行うようになっている。例えば、受信ステーション2から送信ステーション1にビデオカメラ4の撮像位置やズーム値などの制御データが転送されると、送信ステーション1はこれに応じてビデオカメラ4を制御し、制御データに対応した画像データを受信ステーション2に送信する。なお、送信ステーション1と受信ステーション2の間における送受信動作については、後に詳述する。
【0011】
ここで、図2はパソコン10の構成を示すブロック図である。図において、11は本体各部を制御する制御部であり、バスライン12を介して、キーボード13、マウス14、表示装置15、記憶装置16、記憶媒体駆動装置17、通信制御装置18および入出力インターフェイス19と接続されている。
制御部11は、CPU111と、ROM112、RAM113を備えている。ROM112には、各種データやプログラムが予め格納されている。RAM13は、CPU111にワーキングメモリとして使用され、画像ファイルやカメラ位置変更コマンド等の情報が格納されるようになっている。
【0012】
キーボード13は、かな文字を入力するためのかなキーやテンキー、各種機能を実行するための機能キー、カーソルキー等の各種キーが配置されている。
表示装置15は、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等が使用される。
【0013】
ここで、図3は表示装置15の表示画面を示したものである。この図に示すように、表示装置15の表示画面には、ビデオカメラ4で撮像した画像が表示されるメイン画像ウインドウ151と、ビデオカメラ4の撮像位置やズーム値等を遠隔操作するためのカメラ制御ウインドウ152が表示される。カメラ制御ウインドウ152の図面左側には、カメラ制御用のキーとして、「全画面取込」キー153と「取込中止キー」155が設けられ、さらに、カーソルキー156a〜156dが設けられている。ここで、「全画面取込」キー153は全画面157に表示される全ての画像データの取込を指示するキーであり、「取込中止」キーは全画面取込動作中にクリックされたときに、その取込動作の中止を指示するキーである。
【0014】
また、カメラ制御ウインドウ152には、ビデオカメラ4の撮像可能全範囲の合成画像を表示する全画面157が配置されている。全画面157に表示される画像は、ビデオカメラ4では1度に撮像することができないので、全画面を複数の小領域からなる分割画面に分解し、各分割画面毎に撮像した後、これらを合成表示するようにしている。この全画面157には、ビデオカメラ4の任意の位置における撮像範囲を示すカメラ枠158が表示される。また、カメラ枠158の表示位置は、メイン画像ウインドウ151における全画面157の表示位置に関係なく、全画面157に対する相対的な位置として表示される。
【0015】
上述したメイン画像ウインドウ151とカメラ制御ウインドウ152とは、同時表示することも、いずれか一方を表示することも可能であり、同時表示の場合には両ウインドウを並べて表示したり、重ねて表示することができるようになっている。
マウス14は、ポインティングデバイスであり、表示装置15に表示されたキーやアイコン等をクリックすることで、対応する機能の指定を行う。本実施形態では、このマウス14を使用し、全画像(ビデオカメラ4が撮像できる最大範囲の画像データ)の取り込みを指示したり、全画像中に表示されたカメラ枠158(図3参照)をドラッグすることでビデオカメラ4の撮像領域を指定できる。
【0016】
記憶装置16は、読み書き可能な記憶媒体と、その記憶媒体に対してプログラムやデータ等の各種情報を読み書きするための駆動装置で構成されている。この記憶装置16に使用される記憶媒体としては、主としてハードディスクが使用されるが、その他の読み書き可能な記憶媒体を使用するようにしてもよい。
記憶装置16には、ビデオカメラ4(図1参照)の種別と、各種別毎の制御可能な事項に関する情報(ズーム、パン、チルト範囲等)が記憶される。また、送信ステーション1に接続するためのダイヤル番号等が格納されるようになっている。
【0017】
記憶装置16のプログラム格納エリアには、パソコン10を動作させるOS等の基本プログラムの他、本実施形態による画像データ受信関連プログラム等の各種アプリケーションプログラムが格納されている。また、送信ステーション1から送られる画像データは、所定の圧縮処理が施されているため、これを伸張するためのプログラムが記憶装置16に格納されている。例えば、送信ステーション1でMPEGによる画像圧縮を行う場合、記憶装置16にはMPEGによる伸張を行うためのプログラムが記憶される。なお、画像データの伸張には、ハードウエアを用いても良い。
【0018】
記憶媒体駆動装置17は、CPU11が外部の記憶媒体からコンピュータプログラムを読み込むための駆動装置である。この場合、外部の記憶媒体に記録されているコンピュータープログラムには、本実施形態のパソコン10により実行される画像データ受信関連のアプリケーションプログラムおよびそこで使用される辞書、データなどが含まれる。ここで、記憶媒体とは、フロッピーディスク等の磁気記憶媒体の他、半導体記憶媒体、光学記憶媒体、印刷物を用いた記憶媒体、その他各種方法でコンピュータプログラムが記録される記憶媒体が含まれる。記憶媒体駆動装置17は、これらの各種記憶媒体からコンピュータプログラムを読み込む他に、フロッピーディスクのように書き込み可能な記憶媒体である場合には、RAM113や記憶装置16のデータ等を書き込むことが可能である。
【0019】
また、パソコン10では、CPU111が、記憶媒体駆動装置17にセットされた外部の記憶媒体からコンピュータプログラムを読み込んで、記憶装置16に格納(インストール)する。そして、本実施形態による画像データ受信関連プログラムを実行する場合、記憶装置16から該当プログラムをRAM113に読み込んで実行するようになっている。
ただし、記憶装置16からではなく、記憶媒体駆動装置17により外部の記憶媒体から直接RAM13に読み込んで実行することも可能である。
【0020】
また、本実施形態の画像データ受信関連プログラムを予めROM112に記録しておき、これをCPU111が実行するようにしてもよい。
前述した通信制御装置18は、携帯電話9の接続端子を有しており、パソコン10と携帯電話9との間で、データの授受を行う。また、通信制御装置18は、送信ステーション1との間のデータ通信のみならず、他のパソコン等との間でテキストデータや画像データ等の送受信を行うこともできる。
入出力インターフェイス19は、表示装置15に表示された画像や文字その他各種印刷を行う印刷装置や、音声や音楽等の出力を行うスピーカ等との間の信号の授受を制御する。なお、印刷装置としては、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ等の各種印刷装置が使用可能である。
【0021】
(実施形態の動作)
1:全画面取込動作
次に、上記構成による本実施形態の動作について説明する。はじめに、ビデオカメラ4が撮影可能な全範囲の画像データを取り込んで表示する全画面取込動作について説明する。
まず、図4は、全画面を取り込む場合の分割画面の一例を示すものである。図に示す例では、全画面157は、分割画面a〜lに分割され、各分割画面毎に撮影された画像が、後述する処理により合成されて全画面157として表示装置15に表示される。なお、この合成に際しては、各画面の露出、色合いを調整して見やすくしてもよい。
【0022】
ここで、分割画面について説明する。ビデオカメラ4のパンの可動範囲角度を0〜θp(0<θp)、チルトの可動範囲角度を0〜θt(0<θt)として、所定ズーム値の場合のビデオカメラの水平画角をαp、垂直画角をαtとすると、このズーム値において、このビデオカメラによって撮影できる全領域に対する、パン方向の画面分割数Nmax、チルト方向の画面分割数Mmaxは、次式で表される。
Nmax=INT(θp/αp)+2 (但し、θp/αpが整数でない場合)
Nmax=(θp/αp)+1 (但し、θp/αpが整数の場合)
Mmax=INT(θt/αt)+2 (但し、θt/αtが整数でない場合)
Mmax=(θt/αt)+1 (但し、θt/αtが整数の場合)
(上記式においてINT(n)はnを超えない整数を表す)
【0023】
次に、図4に示すように、分割画面の位置を示す点としてその中心点をとり、これをパン−チルト座標として定義すれば、パン−チルト座標が移動し得る範囲は、図に一点鎖線で示す範囲となる。そして、各分割画面a〜lに対するパン−チルトの座標x、yは、ビデオカメラ4を最も左下に向けた位置を原点(x=y=0)として、分割画面のパン方向の番号を左側からN、チルト方向の番号を下側からMとした場合、次の(1)式、(2)式により制御部11で算出される(ちなみに、分割画面iは、N=3,M=1となる)。
パンの座標 x:x=(N−1)αP ……(1)
但し、(Nmax−1)αp>θpの場合はx=θp
チルトの座標y:y=(M−1)αt ……(2)
但し、(Mmax−1)αt>θtの場合はy=θt
【0024】
制御部11は、上述の数式に基づいて算出した分割画面のパン−チルト座標のデータを、順次ビデオカメラ4の位置変更コマンドと共に画像伝送装置6に送信する。画像伝送装置6は、受信したパン−チルト座標を制御部5に供給し、これにより、制御部5がビデオカメラ4を駆動して、その撮像位置を制御する。
一方、ビデオカメラ4からは、各分割画面の画像データが順次出力され、これらが画像伝送装置6、携帯電話7、9、通信制御装置18を順次介して、制御部11に供給される。制御部11では、各分割画面の画像データを伸張してビットマップデータにした後にRAM113内の画像ファイルに記憶する。そして、画像ファイルに格納された分割画面を合成し、表示装置15に表示させる。これにより、全画面の画像が表示される。
【0025】
1−1:受信ステーションに2における全画面取込動作の詳細
次に、通信中の全画面取り込み作業の詳細について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
ここでは、受信ステーション2が撮像範囲として図4に示す分割画面a〜lを順次切り換えて全画面取り込みを行う場合を例にとって説明する。
パソコン10から全画面取込キー153がクリックされると(図6のステップS16)、カメラのパン方向、およびチルト方向の分割画面数、および各分割画面でのパン−チルト座標を計算する(図6のステップS17)。なお、本実施例では、全画面取り込みにおけるカメラのズーム値、パン方向の最大可動角度、チルト方向の最大可動角度はあらかじめ設定しておくことを想定しているが、もちろん必要に応じて全画面取り込みの都度設定しても構わない。
【0026】
次に、取込中止キー155がクリックされているか否かを判断し(ステップS18)、クリックされている場合には、全画面取り込み動作を中止する。取り込み中止キー155がクリックされていない場合には、制御部11は、全画面中の対応する分割位置にビデオカメラ4の撮像範囲を移動させるコマンドを画像伝送装置6に送信する(図6のステップS19)。このコマンドにより、ビデオカメラ4の撮像位置(パンおよびチルト)が変更される。
【0027】
そして、制御部11は、画像伝送装置6から順次送信されてくる圧縮データを携帯電話9および通信制御装置18を介して受信し(ステップS20)、そのヘッダに付加されたビデオカメラ4の撮像範囲情報から、受信した圧縮画像データが指定した位置で撮像したデータか否かを確認する(ステップS21)。
受信した圧縮画像データが指定位置のデータでない場合、すなわち、ビデオカメラの移動前または移動途中に撮影された画像データである場合は、ステップ20に戻って再度圧縮画像データを受信する。
【0028】
一方、受信した圧縮画像データが指定位置のデータである場合は、制御部11は、受信した圧縮画像データを、画像伝送装置6における圧縮方法に対応する方法で伸張(デコード)し、当該分割画面の画像を全画面表示画面に追加する(ステップS22)。次に、制御部11は、全ての分割画面に対応する全画面の取り込みが終了したか否かを確認する(ステップS23)。終了していない場合、制御部11は、次に取り込むべき分割画面の位置を更新し(ステップS24)、ステップ19に戻って分割画面の取り込み処理を継続する。
【0029】
以上の処理により、例えば、分割画面a→b→c……→lという順序で、各画像データが画像ファイルに蓄えられて行き、全画面が次第に蓄積されて行くとともに、例えば、分割画面a→分割画面a+b→分割画面a+b+cというように表示がなされていく。
1−2:全画面取込動作における送信ステーション1の動作
【0030】
次に、上記受信ステーション2の動作に対応する送信ステーション1側での動作について説明すると、まず、パソコン10から全画面取込キーがクリックされたことが、通信により画像伝送装置6に通知されると、あらかじめ設定されたズーム、カメラ位置に撮像位置を変更する。そして、撮像位置を変更し終えたら、画面を撮像し、受信ステーション2に画像を伝送する。全画面を撮像するか、取込中止コマンドを受信するまで、上記手順を繰り返す。
【0031】
2:撮像範囲枠(カメラ枠)の更新
この処理は、カメラ枠で任意の撮像位置、範囲を選び、その部分の画像が表示されるとともに、その部分のカメラ枠を更新する処理である。より詳細に言えば、全体画面を見ながら見たい部分を探し、その部分にカメラ枠を移動させることで、当該枠に相当する撮像範囲の画像を取り込み、表示するとともに、旧カメラ枠と新カメラ枠の表示を区別し、当該画像が伝送され表示された場合にカメラ枠を更新することにより、表示されている画像が既に指定されたものどうかを容易に区別するための処理である。
ここで、図5(a)は、全画面157の表示例を示しており、湖にヨットが浮かんでいる画像が表示されている。この画像は、前述した全画面取込処理により、送信ステーション1から受信ステーション2に伝送された画像である。図5(a)には、カメラ枠158も表示されているが、この枠線は実線で表示されている。
【0032】
次に、操作者は、例えば、マウスカーソル(図示略)をカメラ枠158内に移動してドラッグすると、CPU111(図2参照)がこれを検出し、カメラ枠158の表示位置をドラッグされた方向に移動させる。また、カーソルキー156a〜156dをマウスカーソルによってクリックすると、CPU111がこれを検出し、カーソルキーの矢印方向に、クリック回数に応じた距離だけカメラ枠158を移動させる。なお、1クリックで移動する距離は、予め設定されている。
【0033】
一方、マウスカーソルをカメラ枠の枠線上または枠線の角に位置させてドラッグすると、CPU111がこれを検知して、ドラッグの方向に併せてカメラ枠158を拡大または縮小する。図5(b)に示す例は、右側にあったカメラ枠158を破線矢印で示すように左側に移動し、かつ、拡大させている。そして、位置や大きさが変更されたカメラ枠158は、その枠線が破線で表示され、変更がなされたことを操作者に認識させる。なお、破線表示に変えて、変更後のカメラ枠158内の表示態様を変え、これによって枠移動があったことを認識させるようにしてもよい。さらに、表示態様は、例えば、輝度の変更、明度や色彩の変更、斜線付加など他の画像と区別できるものであればよく、カメラ枠の図形を異ならせてもよい。
【0034】
次に、以上の枠移動操作に関連する動作と移動後の新たな画像データを取り込む処理について図7に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、移動後のカメラ枠158がクリックされると、ステップS31の判定が「YES」となり、ステップS32に進んで新しいカメラ枠の位置と大きさを取得する。すなわち、制御部11は、操作者によって設定された新しいカメラ枠159の位置と大きさを認識する。そして、新カメラ枠159の枠線を波線表示する(ステップS33)。
【0035】
次に、図2に示すRAM113内のカメラ位置変更コマンドを読み出し、送信ステーション1の画像伝送装置6へ送信する(ステップS34)。これにより、画像伝送装置6は、制御部5にそのコマンドを転送し、制御部5はビデオカメラ4を駆動して、その撮影位置を移動させる。
一方、受信ステーション2の制御部11は、送信ステーション1の画像伝送装置6から送信されてくる圧縮画像データを受信し(図7のステップS35)、圧縮画像データのヘッダに付加されているカメラ位置(パン、チルト)およびズーム値からなる位置情報を読み込む(ステップS36)。そして、これらの情報から、送られてきた画像が移動後のカメラ枠158に対応する画像か否かを判断する(ステップS37)。移動後のカメラ枠158に対応する画像でない場合は、ステップ35に戻って新カメラ枠159に対応する画像データの受信を継続する。
【0036】
移動後のカメラ枠158に対応する画像を取得した場合には、制御部11は、図5(c)に示すように、旧カメラ枠158の表示を消去するとともに、新カメラ枠158の枠線を破線表示から実線表示へと切り換える。また、取得した圧縮画像データを伸張してRAM113の画像ファイルの該当する領域に格納し、かつ、表示装置15のメイン画像ウインドウ151に表示する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、カメラで撮像可能な全領域を分割して順次撮像して伝送することで、画像受信側の表示装置にカメラで撮像可能な全領域が表示される。したがって、ユーザは、全領域の画像を見ながら詳細に確認したい領域を正確に決定することができる。
これにより、画像データの伝送が比較的遅い場合であっても、位置指定の誤りによる無駄な画像の送受信が無くなり、ユーザが確認したい領域についての画像データを、確実に素早く表示させることができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、全画面157に表示されたカメラ枠158の移動操作に連係して、ビデオカメラ4の遠隔操作を行うようにしているので、ビデオカメラ4の撮像位置の指定を極めて簡単に行うことができる。
また、上述した実施形態は、例えば、建築現場などの進捗状況の監視や報告、人間が常にいることのできない場合での遠隔監視、火事やダムの調査、遠隔地で撮影したニュース映像の伝送、テレビ番組やイベントなどの演出ツールなどとして利用することができる。
【0039】
(変形例)
▲1▼上述した実施形態では、送信側ステーション1におけるビデオカメラ4の遠隔操作機能は、ソフトウエアにより処理される。したがって、各機能についてのプログラムをCDROMやフロッピーディスク等の記憶媒体に格納することで、広く供給することができる。そしてこの記憶媒体に記録されたプログラムをパソコンにインストールすることで、本実施形態の各機能を実現することができる。
【0040】
▲2▼上述の実施形態では、受信ステーション2をパソコンとソフトウエアで実現する例について説明したが、もちろんハードウエアによって構成することもできる。
【0041】
▲3▼本実施例では、撮像した画像データに、撮像位置情報を付加して伝送し、撮像位置情報によって、所望の画像か否かを判断する例について説明したが、画像伝送装置6で、撮像位置が変更された画像である旨の情報(たとえばフラグ)を付加する方法によっても実現可能である。
【0042】
▲4▼画像伝送装置6において、全画面取り込み終了まで、分割して撮像された画像を蓄積し、合成した後1枚の画像として受信ステーションに送信することも可能である。
【0043】
▲5▼実施形態では全画面取込を操作手段(全画面取込キー)によって指示したが、全画面取込処理を一定時間おきに行って、全画面の自動更新をするように構成してもよい。
【0044】
▲6▼実施形態においては、携帯電話9と携帯電話7との間において、デジタル移動通信網を介した9600bpsの通信速度により接続を行ったが、他の通信方法を使用するようにしてもよい。例えば、ISDN(Integrated Services Digital Network)や、通常の電話回線網、インターネット、PHS、無線衛星通信、光通信、自営無線等の各種データ通信手段を介した通信を行うようにしてもよい。また、携帯電話7、9についても、各種電話機を使用することができ、両者に異なる電話機を用いても良い。
【0045】
▲7▼ビデオカメラの画角が大きい場合など、画面を分割する必要がなければ、全画面を一度に転送してもよい。
【0046】
▲8▼上述した実施形態では、カメラ枠によって撮像範囲を指定したが、カメラ枠を表示せず、座標入力等の他の方法によって撮像範囲を指定してもよい。
【0047】
▲9▼上述した実施形態においては、受信側で撮像範囲を指定し、その範囲に対応した画像だけを取り込むようにしていたが、これに代えて、受信側で指定する撮像範囲に許容誤差を設け、所定の誤差内の画像が伝送された場合はこれを取り込むようにしてもよい。その場合には、送信側から送られる撮像位置情報を参照し、これに対応した位置に指定撮像範囲(カメラ枠)の表示位置を修正する。
【0048】
以上説明したように、この発明によれば、画像データの伝送にタイムラグがある状況においても、表示したい領域を素早く指示することができる。
さらに、この発明の好ましい態様においては、画像データの伝送にタイムラグがある状況においても、更新前後の画像を明瞭に区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である撮像システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態の受信ステーションにおけるパソコン10の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態における表示装置15の表示画面を示す説明図である。
【図4】同実施形態で用いる分割画面を説明するための説明図である。
【図5】同実施形態における表示装置15の表示例を示す図である。
【図6】同実施形態の全画面取込動作を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態におけるカメラ枠移動処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 送信ステーション
2 受信ステーション
4 ビデオカメラ
5 制御部
6 画像伝送装置
7、9 携帯電話
10 パーソナルコンピュータ
11 制御部
111 CPU
112 ROM
113 RAM
13 キーボード
14 マウス
15 表示装置
151 メイン画像ウインドウ
152 カメラ制御ウインドウ
153 全画面取込キー
155 取込中止キー
156a〜156d カーソルキー
157 全画面ウインドウ
158 カメラ枠
16 記憶装置
17 記憶媒体駆動装置
18 通信制御部
Claims (7)
- 撮像した画像に対応する画像信号を出力するとともに、制御信号に従って撮像範囲を変更することが可能な撮像手段と、
前記撮像手段が出力する画像信号に基づいて表示を行う表示手段と、
前記撮像手段によって撮像可能な全範囲を複数の領域に分割し、分割された各領域を順次撮像するための前記制御信号を前記撮像手段に出力する分割撮像制御手段と、
前記撮像手段が出力する各分割領域の画像信号に基づいて、前記各分割領域の画像を合成して全範囲の画像を作成し、前記表示手段に表示させる合成画像表示制御手段と
を有し、
前記撮像手段は、撮像した画面についての撮像範囲情報を前記画像信号に付加して出力し、
前記合成画像表示制御手段は、前記撮像範囲情報に基づいて前記各分割領域の画像の合成を行うことを特徴とする撮像システム。 - 撮像した画像に対応する画像信号を出力するとともに、制御信号に従って撮像範囲を変更することが可能な撮像手段と、
前記撮像手段が出力する画像信号に基づいて表示を行う表示手段と、
前記撮像手段によって撮像可能な全範囲を複数の領域に分割し、分割された各領域を順次撮像するための前記制御信号を前記撮像手段に出力する分割撮像制御手段と、
前記撮像手段が出力する各分割領域の画像信号に基づいて、前記各分割領域の画像を合成して全範囲の画像を作成し、前記表示手段に表示させる合成画像表示制御手段と
を有し、
前記撮像手段と前記表示手段とは離間した場所に設けられ、前記分割撮像制御手段は前記撮像手段側に設けられることを特徴とする撮像システム。 - 前記表示手段に表示された前記全範囲の画像に撮像範囲枠を重ねて表示する撮像範囲表示手段と、
撮像範囲表示手段が表示している撮像範囲枠に対応する撮像範囲情報を出力する撮像範囲指定手段とを具備し、
前記分割撮像制御手段は、前記撮像範囲指定手段から前記撮像範囲情報が供給されると当該撮像範囲情報に対応した制御信号を前記撮像手段に出力し、
前記合成画像表示制御手段は、前記撮像範囲指定手段が指定した撮像範囲に該当する画像信号が前記撮像手段から供給されると、当該画像信号に対応する撮像範囲に新たな撮像範囲枠を表示させ、
前記表示手段は前記撮像範囲枠もしくは前記撮像範囲枠内の画像の表示態様を、新たな画像を表示する前と後で変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像システム。 - 撮像した画像に対応する画像信号を出力するとともに、制御信号に従って撮像範囲を変更することが可能な撮像手段と、
前記撮像手段が出力する画像信号に基づいて表示を行う画像表示手段と、
前記撮像手段の撮像範囲を指定する撮像範囲指定手段と、
前記撮像範囲指定手段から撮像範囲を示す撮像範囲情報が供給されると、当該撮像範囲情報に対応した制御信号を前記撮像手段に出力する撮像範囲制御手段と、
前記撮像範囲指定手段によって指定された撮像範囲を表示する撮像範囲表示手段とを具備し、
前記撮像手段は、前記撮像範囲情報を前記画像信号に付加して出力し、
前記撮像範囲表示手段は、前記撮像範囲情報に基づいて表示を行い、
前記画像表示手段は、前記撮像範囲指定手段が指定した撮像範囲に該当する画像信号が前記撮像手段から供給されると、当該画像信号に対応する画像を表示することを特徴とする撮像システム。 - 前記撮像範囲表示手段は表示態様を、新たな画像を表示する前と後で変化させることを特徴とする請求項4記載の撮像システム。
- 前記撮像範囲表示手段は、前記表示態様を変化させる手法として撮像範囲を異なる線種または図形で表示することを特徴とする請求項5記載の撮像システム。
- 前記撮像範囲表示手段は、前記表示態様を変化させる手法として画像の明度あるいは色調の少なくともいずれか一方を変化させることを特徴とする請求項5記載の撮像システム。
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