JP3545587B2 - プラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤を製造し、使用する技術分野に属する。さらに詳しくは、各種建材用材料などに使用される合板、MDF(中質繊維板)、パーティクルボードなどの木質ボード類またはスレート板、石膏ボードなどの無機質ボード類とプラスチックフィルムとを張り合わせるのに使用される、または、包装資材などに使用される表面にプラスチックフィルムをオーバーレイした紙と裏面の紙とを張り合わせるのに使用されるプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤を製造し、使用する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、プラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤として、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョンまたはそれらにカルボン酸変性した水性ポリウレタンエマルジョン、各種有機溶剤を添加したものが使用されている。
【0003】
しかし、従来の接着剤では接着力、とくに耐水接着力、耐熱クリープ性が不足している。また、プラスチックフィルムの種類によっては、接着力が劣っていたり、まったく接着できなかったり、貯蔵安定性も充分ではなかったりしている。
【0004】
さらに、接着性を向上させるために、トルエン、キシレン、シクロヘキサノンなどの人体や環境に対して悪影響を与える有機溶剤が加えられている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の従来技術に鑑み、接着力が強く、プラスチックフィルムの種類が異なっても充分な接着力を有し、しかも安全性の高い有機溶剤を使用したプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤をうるためになされたものであり、
(A)ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョン
(B)水性ポリウレタンエマルジョンならびに
(C)アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルのうちの2種以上
からなるプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤(請求項1)、
水性ポリウレタンエマルジョンがスルホン酸変性したものである請求項1記載の接着剤(請求項2)、および
ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョン100部(重量部、以下同様)(固形分)に対して、水性ポリウレタンエマルジョン2〜50部(固形分)ならびにアジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルのうちの2種以上5〜50部を配合してなる請求項1または2記載の接着剤(請求項3)
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤は、(A)成分であるポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョン、(B)成分である水性ポリウレタンエマルジョンならびに(C)成分であるアジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルのうちの2種以上から構成されている。
【0007】
前記ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョンは、プラスチックフィルム面への接着性、低温時の接着性確保などのために使用される成分であり、従来からプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤に使用されているごときポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョンであれば、とくに限定なく使用しうる。
【0008】
前記ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョン中のポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体におけるエチレン含有率は5〜50%(重量%、以下同様)、さらには10〜30%であるのが、接着剤の造膜性、皮膜の柔軟性、低温時の接着性、接着物の耐熱性などの点から好ましい。
【0009】
また、前記ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョンの固形分濃度は、40〜70%、さらには45〜65%であるのが、接着剤使用時の作業性、機械的安定性、初期接着性、接着物の仕上がり性などの点から好ましい。
【0010】
前記ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョンの好ましい具体例としては、住友化学工業(株)製スミカフレックスS−200、S−301、S−305、S−400、S−400HQ、S−401、S−405、S−420、S−430、S−450、S−455、S−456、S−460、S−467、S−470、S−471、S−473、S−480、S−500、S−510、S−702、S−706、S−751、S−752、S−753、昭和高分子(株)製ポリゾールAD−2、AD−3、AD−4、AD−5、AD−6、AD−56、AD−59、AD−68、AD−92、AD−97、(株)クラレ製パンフレックスOM−4000、OM−4200、OM−28、OM−5000、OM−5010、OM−5500などがあげられる。
【0011】
前記水性ポリウレタンエマルジョンは、プラスチックフィルムとの接着性、とくに耐水接着性、耐熱クリープ性を維持するために使用される成分であり、従来からプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤に使用されているごとき水性ポリウレタンエマルジョンであれば、とくに限定なく使用しうる。
【0012】
前記水性ポリウレタンエマルジョン中のウレタン樹脂は、水性エマルジョンにしうるかぎり特別な限定なく使用しうるが、貯蔵安定性、接着性を維持する点から、スルホン酸変性したものが好ましい。
【0013】
前記ウレタン樹脂をスルホン酸変性するばあいの変性の程度であるが、酸価が10〜50、さらには15〜30であるのが好ましい。
【0014】
また、前記水性ポリウレタンエマルジョンの固形分濃度としては、20〜60%、さらには35〜55%であるのが、接着剤使用時の作業性、機械的安定性の点から好ましい。
【0015】
前記水性ポリウレタンエマルジョンの好ましい具体例としては、住友バイエルウレタン(株)製、ディスパコールU−42、U−53、U−54、KA−8481、KA−8584、大日本インキ化学工業(株)製ハイドランHW−111、HW−311、HW−333、HW−350、HW−337、HW−374、AP−20、AP−60LM、AP−80、三洋化成工業(株)製サンプレンUXA−3005、UXA−306、UX−312、第一工業製薬(株)製スーパーフレックス107M、110、126、130、150、160、300、361、370、410、420、460、700、750、820などがあげられる。
【0016】
前記アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルは、接着性向上、とくに耐水接着性、耐熱クリープ性、低温時の接着性向上のために使用される成分である。前記アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらをポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョンおよび水性ポリウレタンエマルジョンを含むプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤の可塑剤として使用することにより、プラスチックフィルムとの接着性を向上させることができる。また、揮発性が低いため高い安全性を維持することができる。たとえばアジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルと同様の2塩基酸ジメチルエステルであるフタル酸ジメチルエステルをアジピン酸ジメチルなどのかわりに使用しても、耐熱クリープ性の劣った接着剤しかえられない。
【0017】
本発明の接着剤における(A)成分〜(C)成分の含有割合は、(A)成分100部(固形分)に対して(B)成分2〜50部(固形分)、さらには3〜30部(固形分)、(C)成分5〜50部、さらには10〜40部であるのが好ましい。(B)成分が好ましい範囲内のばあいには、プラスチックフィルムとの接着性、とくに耐水接着性、耐熱クリープ性を高いレベルで維持することができる点から好ましく、(C)成分が好ましい範囲内のばあいには、プラスチックフィルムとの良好な接着性を維持することができる点から好ましい。(B)成分の含有量が少なすぎるばあいには接着性不良、とくに耐熱クリープ性不良となり、多すぎるばあいには接着剤使用時の作業性不良、低温時の接着性不良、耐水接着性不良、コスト高となる傾向が生じる。また、(C)成分の含有量が少なすぎるばあいには接着性、とくに耐水接着性、耐熱クリープ性、低温時の接着性不良となり、多すぎるばあいには接着剤の凝集力不足となり、常態接着性不良となる傾向が生じる。
【0018】
本発明の接着剤の製法および使用法には特別な限定はなく、(A)成分、(B)成分、(C)成分を所定量任意の順序、方法で混合することにより、本発明の接着剤を製造することができる。また、製造された接着剤を従来のプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤と同様の方法で合板、MDF、パーティクルボード、スレート板、石こうボードなどに塗布し、プラスチックフィルムを張り合わせることにより使用される。その結果、貯蔵安定性が良好で、常態接着性、耐水接着性、耐熱クリープが良好で安全性が高いという効果がえられる。
【0019】
【実施例】
つぎに、本発明の接着剤を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】
なお、実施例および比較例で使用する主要成分を表1にまとめて示す。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例1〜13および比較例1〜9
表1に示した処方で、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョン、水性ポリウレタンエマルジョンおよび溶剤を配合してプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤をえた。
【0023】
えられたプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤の貯蔵安定性、接着性、耐熱クリープ性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0024】
(貯蔵安定性)
密栓できる容器に接着剤500gを採取して密栓し、50℃の雰囲気中で静置して30日間貯蔵した。外観を目視観察し、以下に示す3段階で評価した。
【0025】
A:変化なし B:増粘あり C:ゲル化
【0026】
(接着性)
接着剤を合板(JAS1類1等)にロールコータで塗布量が固形分で55g/m2となるように塗付した。これにポリ塩化ビニルフィルム(半硬質あるいは硬質)を張り合わせ、室温で3日間養生して化粧板をえた。
【0027】
えられた化粧板を用いてポリ塩化ビニルフィルム(幅25mm)の常態接着力を、引張速度100mm/分で測定した。
【0028】
また、化粧板を常温の水中に24時間浸漬したものを用いてポリ塩化ビニルフィルム(幅25mm)の耐水接着力を引張速度100mm/分で測定した。
【0029】
(耐熱クリープ性)
接着性の評価のばあいと同様にして作製した化粧板を60℃の雰囲気中におき、ポリ塩化ビニルフィルムに500g/25mmの静荷重を90度角方向にかけ、1時間後の剥離の長さを測定することにより求めた。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】
本発明によると接着力が強く、プラスチックフィルムの種類を選ばず、しかも安全性の高いプラスチックフィルムオーバーレイ接着剤がえられる。
Claims (3)
- (A)ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョン
(B)水性ポリウレタンエマルジョンならびに
(C)アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルのうちの2種以上
からなるプラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤。 - 水性ポリウレタンエマルジョンがスルホン酸変性したものである請求項1記載の接着剤。
- ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体エマルジョン100重量部(固形分)に対して、水性ポリウレタンエマルジョン2〜50重量部(固形分)ならびにアジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルのうちの2種以上5〜50重量部を配合してなる請求項1または2記載の接着剤。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP01074498A JP3545587B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | プラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01074498A JP3545587B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | プラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11209722A JPH11209722A (ja) | 1999-08-03 |
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ID=11758827
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP01074498A Expired - Lifetime JP3545587B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | プラスチックフィルムオーバーレイ用接着剤 |
Country Status (1)
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- 1998-01-22 JP JP01074498A patent/JP3545587B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| JPH11209722A (ja) | 1999-08-03 |
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