JP3545929B2 - 遮断器の蓄勢装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動または手動のいずれかによって蓄勢された蓄勢ばねのエネルギーによって遮断器を開閉する遮断器の蓄勢装置に関し、特に、手動操作にて過大な力を加え過ぎても蓄勢軸と爪車との係合機構が壊れない遮断器の蓄勢装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遮断器の蓄勢装置は、遮断器の開閉に必要は機械的エネルギーを何時でも指令によって急速に供給し得る装置である。遮断器の蓄勢装置の内、爪車を使用する方式の装置は、比較的大きな駆動エネルギーを小さな力で供給しようとする場合に有利である。爪車は、その外周に形成された歯に係合する駆動爪の往復運動によって回動される。その爪車が蓄勢ばねをその死点まで蓄勢した状態に達すると遮断器の投入待機状態となり、蓄勢装置に鎖錠がかかって駆動爪を駆動させるための電動機も停止するようになっている。
【0003】
図4は、従来の遮断器の蓄勢装置の構成を示す側面図であり、図5は、図4のY−Y断面から左方を見た正面図である。図4において、蓄勢軸1の右端にクランク腕4の一方端が固定され、このクランク腕4の他方端にピン4Aを介して連結棒6 が連結されている。この連結棒6に遮断器閉成用の蓄勢ばね8が取り付けられている。また、蓄勢軸1に固定されたレバー35の上端にローラ36が回動自由に取り付けられ、このローラ36に鎖錠レバー37が当接している。蓄勢軸1の最左端の構成は図示されていないが、蓄勢軸1の回動運動を開閉軸44へ伝達させるための機械的な伝達機構が配されている。この開閉軸44は、図示されていない遮断器に連結され、その遮断器が開閉される。なお、図4は、蓄勢ばね8に最大のエネルギーが蓄えられた状態を示し、この状態で鎖錠レバー37が蓄勢軸1の回動を鎖錠させている。
【0004】
図5において、爪車11は、欠落部16を除いてその全外周に歯15が形成されている。また、爪車11は、係合機構60を介して蓄勢軸1に連結されている。係合機構60の詳細な構成は後述されるが、蓄勢軸1から突出した突出キー14と爪車11側に固定された押圧ピン29とからなり、この係合機構60によって、爪車11が蓄勢軸1を間欠的に回動させるようになっている。さらに、表裏2枚のレバー18が、爪車11を両面から挟むようにして設けられ、このレバー18は、蓄勢軸1の回りを回動自由であるとともに、左端にリンク軸19が貫通している。リンク軸19には駆動棒21が連結され、この駆動棒21は、電動機22によって偏心輪42を介して往復運動をする。また、リンク軸19には、駆動爪20と補助爪30とが回動自由に装着されている。駆動爪20と補助爪30とは、いずれもその端部のつめ部20A,30Aが爪車11の歯15に嵌合可能に形成され、図示されていないばねによって歯15の方向に常時付勢されている。
【0005】
また、図5において、表裏2枚の支持レバー31が、爪車11を両面から挟むようにして設けられ、この支持レバー31は、蓄勢軸1の回りを回動自由であるとともに上下2つのリンク軸33が貫通している。リンク軸33には、それぞれ支持爪32が回動自由に装着され、その端部のつめ部32Aが爪車11の歯15に嵌合可能に形成され、図示されていないばねによって歯15の方向に常時付勢されている。この支持爪32は、爪車11が時計方向へ逆転するのを防止するためのものであるとともに、爪車11を手動操作する際の駆動爪20の代わりにもなる。すなわち、支持レバー31の上部にはパイプ45が固着されている。このパイプ45に図示されていない手動ハンドルを挿入することによって、支持レバー31を手動で往復運動させ、支持爪32を駆動爪20の代わりとして爪車11を手動で駆動することができる。なお、支持レバー31に形成された切欠き部43の端面に図示されていない遮断器を開閉させるための開閉軸44が当接している。このように構成されることによって、開閉軸44が支持レバー31のストッパーとなり、支持レバー31 が図5の状態よりさらに時計方向へ回動することが規制されている。また、支持レバー31下部のコイルばね57によって、支持レバー31は常時時計方向へ付勢されている。
【0006】
図6は、図5の係合機構60を拡大して示す要部正面図であり、図7は、図6のA−A 断面図である。爪車11と蓄勢軸1との係合機構60が突出キー14と押圧ピン29とからなり、爪車11の内部に形成された係合穴70(図7)の内部に配されている。また、押え板5が、爪車11を両面から挟むようにして設けられ、リベット50を介して爪車11に固定されている。また、図6のように、押え板5が貫通する穴1Aの内壁に切欠き部5Aが形成され、この切欠き部5Aに押圧ピン29が嵌合している。この押圧ピン29は、図7のように、押え板5を貫通して両端からワッシャー51で挟持されている。ただし、このワッシャー51は、蓄勢軸1の軸方向には移動しないように固定されている。
【0007】
図8は、図6の突出キー14を蓄勢軸1に固着させる構成が示された図であり、(A)が要部平面図、(B)が図8の(A)のD−D 断面図である。突出部14Aと根元部14Bとりなる突出キー14が角棒から形成され、突出部14Aを蓄勢軸1の外径面から上方へ向けて突出させ、その根元部14Bを蓄勢軸1の嵌合溝63A内にかしめるようにして埋め込むことによって蓄勢軸1に突出キー14を固定させている。
【0008】
図9は、図4の遮断器の蓄勢装置の動作を説明するための原理図である。図9の中で示されている蓄勢軸1は、図4のZ矢視図であるが、前述されたように、蓄勢軸1に固定されたレバー35の端部にローラ36が回動自由に取り付けられ、このローラ36に鎖錠レバー37の端面38が当接している。鎖錠レバー37は、固定ピン37Aを中心にして回動自由である。鎖錠レバー37の上端は、電磁石装置40に連動しており、電磁石装置40が励磁されれば、鎖錠レバー37の上端が矢印41の方向に吸引され、鎖錠レバー37が固定ピン37Aを中心にして時計方向に回動するようになっている。
【0009】
また、図9において、前述された電動機22の励磁回路22Aには、電源64に直列に開閉器39が介装されている。この開閉器39とレバー35とは連動するようになっており、鎖錠レバー37とローラ36とが図9のように当接している状態では、開閉器39が開成している。鎖錠レバー37が時計方向に回動すれば、ローラ36が鎖錠レバー37から外れて上方へ移動し、開閉器39が閉成するようになっている。
【0010】
さらに、図9において、蓄勢軸1が時計方向に回動すれば、機械的な伝達機構9Aを介して遮断器9の各主接点9Bが閉成されるようになっている。次に、上述された遮断器の蓄勢装置の動作を説明する。図4は蓄勢ばね8が完全に蓄勢された状態の図であり、クランク腕4が上方の僅かに死点を越えた位置にあり、この状態で、蓄勢軸1 が図9のように鎖錠されている。図9において、電磁石装置40を励磁すると、鎖錠レバー37の上部が矢印41の方向に引っ張られ、ローラ36が鎖錠レバー37から外れる。それによって、蓄勢軸1は蓄勢ばね8の放勢によって約180度回動し、遮断器9の各主接点9Bが閉成される。このとき、レバー35が蓄勢軸1とともに回動し、開閉器39が閉成し、電動機22が始動する。なお、このとき、図5における突出キ−14は、押圧ピン29から離れ、蓄勢軸1のほぼ上部に移動している。一方、押圧ピン29はまだ移動せず、図5に位置にある。電動機22の始動によって、駆動棒21とレバー1 が往復運動を始めて次の蓄勢動作が開始される。しかし、このとき、駆動爪20は、爪車11の歯1 の欠落部1 にあるので爪車11には作用せず、代わりに補助爪30が歯15に作用して爪車11を往復回動させようとする。補助爪30は、その形状により時計方向には小さな駆動モーメントを作用させ、反時計方向には大きな駆動モーメントを作用させる。しかし、時計方向の回動は支持爪32によって阻止されるので、反時計方向の駆動モーメントだけが有効となって、爪車11は反時計方向に回動する。それによって、駆動爪20が歯15に係合するようになり、以後、爪車11は、駆動爪20により反時計方向に回動される。爪車11は、係合機構60の押圧ピン29が突出キ−14に当接するまで約180度空転する。そして、押圧ピン29が突出キ−14 と当接して始めて蓄勢軸1が爪車11に追従し、再び図5の状態になるまで駆動される。すなわち、クランク腕4、連結棒6および蓄勢ばね8が図4の状態に戻る。ここで、レバー35が鎖錠レバー37によって鎖錠される。このとき、クランク腕4は、上方に死点を僅かに越え、駆動爪20が歯15 の欠落部16に達し、開閉器39が開成して電動機22が停止する。
【0011】
なお、前述されたように、この遮断器の蓄勢装置は、パイプ45に手動ハンドルを差し込むことによって、電動機22や制御電源などが故障した場合に手動で爪車11を回動させ、蓄勢ばね8を蓄勢することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の装置は、手動操作にて蓄勢ばねを蓄勢する場合、蓄勢軸と爪車との係合機構が壊れる可能性があるという問題があった。すなわち、手動操作にて蓄勢ばねを蓄勢完了させ、遮断器の閉成待機状態にしたにもかかわらず、誤ってさらに手動操作をし続けた場合、蓄勢軸の嵌合溝にかしめられていた突出キーがその嵌合溝から外れてしまい、係合機構としての機能が失われてしまうという可能性があった。
【0013】
この発明の目的は、手動操作の場合に過大な力を加え過ぎても蓄勢軸と爪車との係合機構が壊れない遮断器の蓄勢装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明によれば、遮断器を開閉駆動させる蓄勢ばねと、回動することによって前記蓄勢ばねを蓄勢させる蓄勢軸と、この蓄勢軸を係合機構を介して回動させる爪車と、この爪車を電動または手動のいずれかにより回動させる駆動爪とにより構成され、前記係合機構は蓄勢ばねの放勢時に蓄勢軸と爪車との係合を解き、蓄勢ばねの蓄勢時に蓄勢軸と爪車とを係合させる遮断器の蓄勢装置において、前記係合機構が、蓄勢軸に形成された嵌合溝に根元部がかしめ込まれるとともに突出部が蓄勢軸の外径面から突出した突出キーと、この突出キーの突出部と当接可能であるとともに爪車側に固定された押圧ピンとからなり、前記突出キーの根元部が、前記蓄勢軸の軸方向に突出部より両側に長く延ばされるとよい。それによって、突出キーの根元部が蓄勢軸の嵌合溝にかしめられている面積が従来の装置より広くなり、嵌合溝から根元部が抜ける力が増す。したがって、突出キーが蓄勢軸から外れ難くなるので、係合機構が壊れ難くなる。
【0015】
かかる構成の遮断器の蓄勢装置において、爪車を両側から挟持する押え板が設けられ、前記蓄勢軸の軸方向に突出部より両側に長く延ばされた突出キーの根元部が、蓄勢軸と押え板との間に介装されるようにしてもよい。それによって、根元部が押え板で押さえられ、突出キーが蓄勢軸から外れないので、係合機構が決して壊れることはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を実施例に基づいて説明する。図1は、この発明の実施例にかかる遮断器の蓄勢装置の係合機構を示す要部正面図であり、図2は、図1のB−B 断面図である。図1において、係合機構61が、蓄勢軸1の外径面から外径方向へ向けて突出する突出部52Aを備えるとともに蓄勢軸1の嵌合溝2にかしめ込むようにして埋め込れた根元部52Bよりなる突出キー52と、この突出キー52の突出部52Aと当接可能であるとともに爪車11側に固定された押圧ピン29とから構成されている。突出キー5の根元部52Bは、図2のように突出部52Aより太く形成されている。また、押え板5と蓄勢軸1との間に突出キー52の根元部52が介装されている。
【0017】
図3は、図1の突出キー52 を蓄勢軸1に固着させる構成が示された図であり、(A)が要部平面図、(B)が図3の(A)のE−E 断面図である。根元部52Bは、蓄勢軸1の軸方向に長く延ばされ、長穴状の嵌合溝2にかしめられている。図1ないし図3のその他は、図6ないし図8の従来の構成と同じであり、従来と同じ部分は同一参照符号を付けることによって詳細な説明は省略する。
【0018】
図2へ 戻り、突出キー52の根元部52Bが蓄勢軸1の嵌合溝2と接触する面積が従来より広くなったので、嵌合溝2から根元部52Bが抜ける力が増す。したがって、手動によって過大な力を加え過ぎても突出キー52が蓄勢軸1 から外れ難くなるので、係合機構61が壊れ難くなる。また、根元部52Bが押え板5で押さえられ、突出キー52が蓄勢軸1から外れないので、決して係合機構62が壊れることがない。それによって、装置の信頼性が向上する。
【0022】
【発明の効果】
この発明は前述のように、係合機構が、蓄勢軸に形成された嵌合溝に根元部がかしめ込まれるとともに突出部が蓄勢軸の外径面から突出した突出キーと、この突出キーの突出部と当接可能であるとともに爪車側に固定された押圧ピンとからなり、突出キーの根元部が前記蓄勢軸の軸方向に突出部より両側に長く延ばされたことによって、手動操作を誤まっても係合機構が壊れ難くなくなり、信頼性が向上する。
【0023】
かかる構成の遮断器の蓄勢装置において、爪車を両側から挟持する押え板が設けられ、前記蓄勢軸の軸方向に突出部より両側に長く延ばされた突出キーの根元部が蓄勢軸と押え板との間に介装されることによって、手動操作を誤まっても係合機構が壊れなくなり、信頼性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる遮断器の蓄勢装置の係合機構を示す要部正面図
【図2】図1のB−B 断面図
【図3】図1の突出キーを蓄勢軸に固着させる構成が示された図であり、(A)が要部平面図、(B)が図3 の(A)のE−E 断面図
【図4】従来の遮断器の蓄勢装置の構成を示す側面図
【図5】図4のY−Y 断面から左方を見た正面図
【図6】図5の係合機構を拡大して示す要部正面図
【図7】図6のA−A 断面図
【図8】図6の突出キーを蓄勢軸に固着させる構成が示された図であり、(A)が要部平面図、(B)が図11の(A)のD−D 断面図
【図9】図4の遮断器の蓄勢装置の動作を説明するための原理図
【符号の説明】
1:蓄勢軸、2:嵌合溝、5:押え板、11,110:爪車、29:押圧ピン、52:突出キー、52A:突出部、52B:根元部、53:係止爪、53A:端部、55:支持ピン、56:係止溝、61,62:係合機構、70,71:係合穴
Claims (1)
- 遮断器を開閉駆動させる蓄勢ばねと、回動することによって前記蓄勢ばねを蓄勢させる蓄勢軸と、この蓄勢軸を係合機構を介して回動させる爪車と、この爪車を電動または手動のいずれかにより回動させる駆動爪とにより構成され、前記係合機構は蓄勢ばねの放勢時に蓄勢軸と爪車との係合を解き、蓄勢ばねの蓄勢時に蓄勢軸と爪車とを係合させる遮断器の蓄勢装置において、前記係合機構が、蓄勢軸に形成された嵌合溝に根元部がかしめ込まれるとともに突出部が蓄勢軸の外径面から突出した突出キーと、この突出キーの突出部と当接可能であるとともに爪車側に固定された押圧ピンとからなり、前記爪車を両側から挟持する押え板が設けられ、前記蓄勢軸の軸方向に突出部より両側に長く延ばされた突出キーの根元部が、前記蓄勢軸と前記押え板との間に介装されたことを特徴とする遮断器の蓄勢装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00380398A JP3545929B2 (ja) | 1998-01-12 | 1998-01-12 | 遮断器の蓄勢装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00380398A JP3545929B2 (ja) | 1998-01-12 | 1998-01-12 | 遮断器の蓄勢装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11203991A JPH11203991A (ja) | 1999-07-30 |
| JP3545929B2 true JP3545929B2 (ja) | 2004-07-21 |
Family
ID=11567363
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP00380398A Expired - Lifetime JP3545929B2 (ja) | 1998-01-12 | 1998-01-12 | 遮断器の蓄勢装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3545929B2 (ja) |
-
1998
- 1998-01-12 JP JP00380398A patent/JP3545929B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11203991A (ja) | 1999-07-30 |
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