JP3548435B2 - 外装材支持金具とこれによる外装材縦張り構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、外装材支持金具とこれによる外装材縦張り構造に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、釘等の固定具によって直接固定せずに外装材の縦張りを可能とする外装材支持金具とこれによる外装材縦張り構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、住宅等の建物の外壁には各種の外装材が施工されてきている。その施工形態には、外装材の長辺を水平にして施工する、いわゆる横張りと、長辺を鉛直に立てて施工する縦張りの二形態がある。これらいずれの形態の場合にも、外装材は、一般には釘等の固定具により建物躯体に固定される。だが、近年、耐候性、耐久性、強度等の性能からセメント系無機質板が注目され、また、各種の意匠が可能になり、普及してきてからは、外装材の固定にも新たな展開が見られる。つまり、セメント系無機質板は、耐候性、耐久性、強度という外装材に最も重要な要求特性を満たしているものの、反面、セラミックス特有の脆く、欠けやすいなどの欠点を持っており、釘等の固定具の打入は、外装材にひび、欠けなどを引き起し、これら欠損部を通じて雨水が浸入したり、気密性が破れるなどの弊害をもたらすのである。また、そもそも釘等の固定具の使用は、その頭部が外壁表面に現れるので、見栄えという観点からも好ましくはない。従来では、タッチアップ等の塗装により固定具の頭部の隠蔽を図っているが、その分施工の手間がかかっており、また、外装材との色違いや経時的な変色などの問題もある。
【0003】
そこで、外装材を釘等の固定具で直接固定せずに建物躯体に取り付けるという試みがなされており、これまでに幾つかの取付金具が提供されてもいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在知られている取付金具は、外装材の長辺側の端縁部を係止し、隣接する外装材を相互に連結可能とするものでしかない。これは、外装材の施工形態は横張りが主流となっており、横張りを前提にしているためである。もちろんそれら取付金具は、外装材を縦張りする場合にも、長辺側端縁部の係止及び隣接する外装材の連結に使用可能ではある。しかしながら、縦張りした時の外装材の下端部、すなわち短辺側の端部を従来の取付金具で支持することはできない。なぜならば、外装材の短辺側端部は、直角に切り落とされた切断面のような平面状となっているのに対し、外装材の長辺側端縁部には、係止可能な実部が端面に形成されており、ここを係止する取付金具は、その実部に対応した構造を有しているからである。従って、釘等の固定具を使用せずに外装材を縦張りする場合には、外装材の下端を外壁下縁に沿って配置される土台水切り上に配置せざるを得ないが、土台水切りは、一般に、外装材裏面への水の浸入を阻止する水切り作用が達成されるように設計されており、外装材を支持できるような部位を持っていない。また、外装材の荷重を支持することもできない。すなわち、一般的な土台水切りには、土台固定用の固定板部の下端縁から流れ勾配を形成する斜辺部が延設されており、この斜辺部上に外装材の下端を安定に載置することは不可能である。
【0005】
この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、釘等の固定具によって直接固定せずに外装材の縦張りを可能とする外装材支持金具とこれによる外装材縦張り構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、係合金具とこれを係止する受け金具の二部材からなる外装材支持金具であって、係合金具は、背面板部とその一端縁に垂設された受部とともに、受部の一端縁から背面板部と対向して立設された係合片部、さらに背面板部の左右両側端に接続された係止部を備え、受け金具は固定板部を備え、固定板部は、上下方向に延びるスリットが複数本形成されて小割状に分割され、係合金具の係止部を受け金具のスリットに差し込み、固定板部の裏側に回すことにより、固定板部が係止部を挟持し、係合金具が受け金具に係止されることを特徴とする外装材支持金具(請求項1)を提供する。
【0007】
この出願の発明は、受け金具の固定板部には、その下端縁に係合金具の受部を載置可能とした保持部が垂設されていること(請求項2)を好ましい態様として提供する。
【0008】
また、この出願の発明は、以上の外装材支持金具を用いて中空部が形成された中空外装材の下端部を支持し、外装材の縦張りを可能とする外装材縦張り構造であって、縦張りする中空外装材の下端に現れる中空部に係合金具の係合片部を差し込み、背面板部との間に中空外装材の下端部を挟持することにより係合金具が外装材に取り付けられ、この係合金具を、土台に固定された土台水切り上に固定板部を当接して固定された受け金具に係止させ、縦張りされる中空外装材の下端部が外装材支持金具により支持されることを特徴とする外装材縦張り構造(請求項3)をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿ってこの出願の発明の外装材支持金具とこれによる外装材縦張り構造についてさらに詳しく説明する。
図1<a><b>は、各々、この出願の発明の外装材支持金具における係合金具と受け金具の一実施形態を示した斜視図である。
【0010】
たとえばこの図1の実施形態に示したように、この出願の発明の外装材支持金具は、係合金具(1)とこれを係止する受け金具(2)の二部材からなる。
係合金具(1)は、背面板部(11)とその一端縁に垂設された受部(12)とともに、受部(12)の一端縁から背面板部(11)と対向して立設された係合片部(13)を備えている。係合片部(13)は、後述するように、中空部が形成された中空外装材を縦張りする時にその下端に現れる中空部に差し込まれる部位であり、背面板部(11)との間に中空外装材の下端部を挟持する。従って、係合片部(13)は、縦張りする中空外装材に形成された中空部の位置に合わせて受部(12)の適宜な位置に配設することができ、たとえば、受部(12)のほぼ中央の端縁に立設することができる。この係合片部(13)は、好ましくは、図1<a>に示したように、その中程を背面板部(11)に近づけ、背面板部(11)との間の間隔が狭まるように折り曲げ、弾性を持たせる。より具体的には、係合片部(13)の形状は、たとえばくの字状とすることができる。このように係合片部(13)に弾性を持たせることで、背面板部(11)との間に中空外装材の下端部を挟持する時の挟持力を高めることができ、係合金具(1)のしっかりと安定した外装材への係合が可能となる。
【0019】
また、この出願の発明の外装材支持金具では、図1<a>に示したように、係止部(14)は、背面板部(11)の左右両側端に接続される。
【0020】
一方、受け金具(2)については、図1<b>に示したように、固定板部(21)に上下方向に延びるスリット(24)を複数本形成し、固定板部(21)を小割状に分割する。図2は、図1<a><b>に示した外装材支持金具における係合金具(1)の係止状態を示した断面図であるが、この図2に示したように、係合金具(1)を受け金具(2)に係止する際には、係合金具(1)の左右両側端に備えた係止部(14)を受け金具(2)の固定板部(21)に形成されたスリット(24)に差し込み、固定板部(21)の裏側に回す。この時、係止部(14)は、小割状に分割された固定板部(21)により挟持され、係合金具(1)は受け金具(2)に係止される。
【0021】
この場合、係止部(14)のスリット(24)への差し込みを容易とするために、受け金具(2)の固定板部(21)においては、釘、木ネジ等の固定具(7)を貫通させる小割部(21a)を土台水切り(6)への当接部とし、スリット(24)を挟んで小割部(21a)に隣接する小割部(21b)を、係合金具(1)の係止部(14)を挟持可能な程度に小割部(21a)より若干手前側に配置し、スリット(24)が、前後する小割部(21a)(21b)の隣接する端縁間に形成されるようにすることができる。固定具(7)用の挿入穴(23)を設ける場合には、小割部(21a)に設ける。
【0022】
固定具(7)の頭部(71)は、小割部(21a)の表面から突出する。そこで、係合金具(1)においては、係止部(14)を受け金具(2)のスリット(24)に差し込む時に固定具(7)の頭部(71)が邪魔にならないように、また、係合金具(1)と受け金具(2)の安定した係止状態が実現されるように、図1<a>に示したように、背面板部(11)の両側端に接続した係止部(14)を受部(12)と反対の後方にやや下げ、背面板部(11)と平行に配置することができる。より具体的には、たとえば、係止部(14)を背面板部(11)との接続端部(15)において後方に折り曲げることにより、係止部(14)を背面板部(11)の後方に少し下げて配置することができる。このようにすることで、図2に示したように、係合金具(1)の係止部(14)を受け金具(2)の固定板部(21)に係合させた時に、係合金具(1)の背面板部(11)と受け金具(2)の固定板部(21)の小割部(21a)との間に隙間(9)を形成することができ、この隙間(9)に固定具(7)の頭部(71)を納めることができる。そして、係止部(14)のスリット(24)への差し込みは鉛直方向からのスライドにより実現可能となり、外装材の施工が簡便かつ容易となる。
【0023】
さらにこの出願の発明の外装材支持金具では、受け金具(2)の下端縁に、図1<a>に示した係合金具(1)の受部(12)を載置可能とした保持部(25)を垂設することができる。係合金具(1)を受け金具(2)に係止する際に、受部(12)を保持部(25)に載置することで、係合金具(1)の係止状態をこの保持部(25)によって安定に保持することができる。
【0024】
図3及び図4は、この出願の発明の外装材縦張り構造の実施形態を示した要部断面図及び分解斜視図である。
この図3及び図4に示した外装材縦張り構造には、図1に示した外装材支持金具が使用されている。この出願の発明の外装材縦張り構造は、軽量化、高断熱性等を実現するものとして開発された中空部(31)を有する中空外装材(3)を前提とし、この中空外装材(3)の下端部を図1に例示することのできる外装材支持金具によって支持し、外装材の縦張りを実現可能とするのである。すなわち、この出願の発明の外装材縦張り構造では、縦張りする中空外装材(3)の下端に現れる中空部(31)に係合金具(1)の係合片部(13)を差し込み、背面板部(11)との間に外装材(3)の下端部を挟持して係合金具(1)が外装材(3)に取り付けられる。この時、受部(12)には中空外装材(3)の下端面を接触させ、これを受けるようにする。係合片部(13)が、上記したようなたとえばくの字状等の、中程が背面板部(11)に近づき、背面板部(11)との間の間隔が狭まるように折り曲げられ、弾性を有している時には、挟持力は大きく、係合金具(1)は、中空外装材(3)の下端部にしっかりと安定して係合する。このため、係合金具(1)が中空外装材(3)の施工中に脱落するのをより確実に防止することができる。
【0025】
一方、受け金具(2)は、図3に示したように、基礎(4)上に設置された土台(5)に固定された土台水切り(6)上に固定板部(21)を当接し、釘、木ネジ等の固定具(7)によって固定される。固定具(7)はこの固定板部(21)、そして土台水切り(6)を貫通して土台(5)に貫入される。固定板部(21)は、小割部(21a)において土台水切り(6)に当接することができる。そして、外装材(3)の下端部に取り付けられた係合金具(1)の係止部(14)を受け金具(2)の固定板部(21)に形成されたスリット(24)に差し込み、固定板部(21)の裏側に回し、小割部(21a)(21b)間に挟持させる。係合金具(1)は受け金具(2)に係止される。
【0026】
こうして、縦張りする中空外装材(3)の下端部は、係合金具(1)及び受け金具(2)の二部材からなる外装材支持金具により支持されて、所定位置にずれずに安定して配置される。中空外装材(3)の荷重は、外装材支持金具によりしっかりと受け止められる。土台水切り(6)上に固定された受け金具(2)は、係合金具(1)とともに中空外装材(3)の施工によりその裏側に隠れ、表面に露出することはない。従って、外装材支持金具は施工外観に何ら影響を与えない。しかも、土台水切り(6)には、土台(5)への固定用の固定板部(61)の下端縁に水切り勾配を形成する斜辺部(62)が接続され、その下端縁から水切り片(63)が垂下延設された、従来通りの土台水切りを適用することができ、その構成にも何ら影響を及ぼさない。
【0027】
そして、隣接する中空外装材(3)は、横張りに用いられていた従来の取付金具(8)を用いて連結することができる。
すなわち、図4に示したように、中空外装材(3)には、たとえば、その長辺側の一端面上に凸実(32)を、また、他端面にはこの凸実(32)に嵌合可能な凹実を設けることができる。そして、凸実(32)に取付金具(8)の係止片(81)を係合させ、連結側の外装材(3)の凹実に係止片(81)を係止して、隣接する2枚の中空外装材(3)を連結することができる。このようにして、釘等の固定具によって直接固定せずに、外装材の縦張りが実現される。
なお、受け金具(2)の固定位置は特に制限されず、たとえば、図5に示したように、隣接する2枚の中空外装材(3)の連結部(33)に対応して両者を跨ぐ位置に固定することができる。
【0028】
隣接する2枚の中空外装材(3)の連結部(33)に対応して両者を跨ぐ位置に固定すると、中空外装材(3)の下端位置を効果的に揃えることができる。また、受け金具(2)は、図2に示したように、係合金具(1)の背面板部(11)よりも幅を拡大することができる。土台水切り(6)の長さ方向に沿って延びる長尺の部材とすることもできる。このように、受け金具(2)の幅を係合金具(1)の背面板部(11)の幅よりも拡大することにより、外装材(3)の施工位置の位置合わせが容易となり、また、固定が難しい部位があってもこれを跨いで受け金具(2)を取り付けることができ、受け金具(2)の固定が確実となる。
【0029】
そして、以上に例示される外装材支持金具において係合金具(1)及び受け金具(2)はともに、たとえば、金属板の切断、打ち抜き、折り曲げ加工等によって一体物として簡便かつ容易に形成することができる。
もちろんこの出願の発明は、以上の実施形態によって限定されるものではない。係合金具の係合片部及び係止部をはじめ、受け金具の係止受部の構成及び構造、また、係合金具及び受け金具の製造方法等の細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、固定具で直接固定せずに外装材の縦張りが実現可能となる。縦張りされる外装材はしっかりと安定して支持され、その下端がずれることなく所定位置に安定に配置される。
【図面の簡単な説明】
【図1】<a><b>は、各々、この出願の発明の外装材支持金具における係合金具と受け金具の一実施形態を示した斜視図である。
【図2】図1に示した外装材支持金具における係合金具の係止状態を示した断面図である。
【図3】この出願の発明の外装材縦張り構造の実施形態を示した要部断面図である。
【図4】図3に示した実施形態の分解斜視図である。
【図5】図3に示した実施形態の透視図である。
【符号の説明】
1 係合金具
11 背面板部
12 受部
13 係合片部
14 係止部
15 接続端部
2 受け金具
21 固定板部
21a,21b 小割部
23 挿入穴
24 スリット
25 保持部
3 中空外装材
31 中空部
32 凸実
33 連結部
4 基礎
5 土台
6 土台水切り
61 固定板部
62 斜辺部
63 水切り片
7 固定具
71 頭部
8 取付金具
81 係止片
9 隙間
Claims (3)
- 係合金具とこれを係止する受け金具の二部材からなる外装材支持金具であって、係合金具は、背面板部とその一端縁に垂設された受部とともに、受部の一端縁から背面板部と対向して立設された係合片部、さらに背面板部の左右両側端に接続された係止部を備え、受け金具は固定板部を備え、固定板部は、上下方向に延びるスリットが複数本形成されて小割状に分割され、係合金具の係止部を受け金具のスリットに差し込み、固定板部の裏側に回すことにより、固定板部が係止部を挟持し、係合金具が受け金具に係止されることを特徴とする外装材支持金具。
- 受け金具の固定板部には、その下端縁に係合金具の受部を載置可能とした保持部が垂設されている請求項1記載の外装材支持金具。
- 請求項1又は2記載の外装材支持金具を用いて中空部が形成された中空外装材の下端部を支持し、外装材の縦張りを可能とする外装材縦張り構造であって、縦張りする中空外装材の下端に現れる中空部に係合金具の係合片部を差し込み、背面板部との間に中空外装材の下端部を挟持することにより係合金具が外装材に取り付けられ、この係合金具を、土台に固定された土台水切り上に固定板部を当接して固定された受け金具に係止させ、縦張りされる中空外装材の下端部が外装材支持金具により支持されることを特徴とする外装材縦張り構造。
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|---|---|---|---|
| JP26990398A JP3548435B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 外装材支持金具とこれによる外装材縦張り構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP26990398A JP3548435B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 外装材支持金具とこれによる外装材縦張り構造 |
Publications (2)
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|---|---|
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- 1998-09-24 JP JP26990398A patent/JP3548435B2/ja not_active Expired - Lifetime
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