JP3549332B2 - 自動撮影カメラシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビカメラを使用して撮影した画像から対象の3次元位置を計測し、その対象を自動追尾して無人で撮影することができる自動撮影カメラシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラ操作者が直接テレビジョンカメラを操作せず、被写体を自動追尾して撮影することができるようにしたカメラシステムでは、水平,垂直方向に回動可能で外部からの制御信号により制御可能な撮影用カメラを用い、被写体の動きに合わせて撮影用カメラを駆動制御するようにしている。被写体を認識する方法としては、例えば、被写体(あるいは被写体と共に移動する物体)に予め検知マークを付けておき、撮影画像を処理してその検知マークを認識する方法や、赤色など特定の色を被写体として認識する方法が採られている。そして、認識した被写体が画面の枠内の所定位置に位置するように撮影用カメラを駆動制御することで、被写体を追尾して撮影するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような追尾方法の場合、次の例に示すように、画面上での被写体の動きは“ぎこちない動き”となる。例えば図16に示すように被写体1がt1時点からt3時点まで同図のような軌跡で移動したとする。その場合、図17(A)に示すように、先ずt1時点では、画面VD(t1)上の目標位置に被写体1が位置するように撮影用カメラの向きを補正する。その後、次のt2時点までは同図(B)のように被写体1が画面VD(t1〜t2)上に表示される。次のt2時点では、再度、同図(C)のように画面VD(t2)上の目標位置に被写体1が位置するように撮影用カメラの向きを補正する。同様に、図17(D)のように被写体が動いた場合も、目標位置とのずれ量を補正する。すなわち、被写体の位置が所定位置からずれたら、そのずれ量を補正するという動作を繰り返すため、認識間隔の大きさに応じてぎこちない動きが増大する。また、円滑なカメラワークを実現するには被写体の認識間隔を小さくすれば良いが、そのための情報処理量が増えるため、制御装置の処理負荷が増大することになる。
【0004】
また、上述のような1台の撮影用カメラで被写体を自動追尾するためには、カメラの画枠内に被写体が存在しないと機能しないため、目的とする被写体がカメラの画枠内に入ってきた時に、はじめて自動制御によるカメラ操作が開始されるようになっていた。そのため、カメラが被写体を捕らえるまでは手動でカメラ操作を行なわなければならず、また、被写体の移動速度に追いつけずに画枠内からはずれてしまった場合、自動追尾不能になるという問題があった。
【0005】
一方、広い視野領域で撮影し、その領域の一部を拡大して撮影できるようにしたカメラシステムとして、広角画像撮影用とその画像の一部をなす画像撮影用の2個のテレビジョンカメラを備え、前者の無人カメラを用いて広い視野を撮影し、カメラ操作者がその撮影画像を見ながら、後者の撮影用カメラを遠隔操作(例えばパン,チルト,ズーム)等により操作して、目的とする被写体を撮影するようにしたカメラシステムが実現されている。このカメラシステムでは、無人カメラによる撮影画像をモニターするときのカメラ操作者の視線の動きを検出し、その動きを撮影用カメラの操作信号に変換してカメラ制御に反映する機能を備えることで、直接カメラを操作せずに撮影するようにしている(特開平7−240868号公報参照)。しかしながら、このような撮影方法では、広い視野領域で被写体を捕らえることができるという利点はあるが、カメラ操作者が間接的に操作する必要があり、自動追尾による無人での撮影を行なうことができなかった。
【0006】
さらに、対象を自動追尾して無人で撮影する従来の自動撮影カメラシステムにおいては、画面内の被写体の位置や大きさ等が変化しない単調な映像が多く、一流カメラマンが直接操作しているような臨場感の高いカメラワークを実現することができなかった。
【0007】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、3次元空間内を移動する対象を自動追尾して撮影することができると共に、天候の悪化やセンサカメラ(撮像手段)の故障等により自動追尾の対象を検出できない事態が生じた場合においても、自動追尾による無人での撮影の継続が可能な自動撮影カメラシステムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対象の自動追尾による無人での撮影が可能な自動撮影カメラシステムに関するものであり、本発明の上記目的は、カメラ操作者の視野に相当する広角画像を撮影するセンサカメラと、外部からの制御信号により撮影方向を含むカメラ操作の制御が可能な撮影用カメラと、前記センサカメラで撮影された広角画像内の静止体又は移動体の中から撮影対象の被写体を認識し、該被写体の3次元空間内の現在位置を逐次計測すると共に、当該計測情報の信頼度を算出するための信頼度情報を作成して前記計測情報と共に送出する3次元位置計測部と、前記3次元位置計測部からの計測情報に基づいて前記被写体の3次元空間内の動きを解析する動き解析部と、前記3次元位置計測部からの信頼度情報に基づいて当該計測情報の信頼度を算出する信頼度算出部と、前記撮影用カメラのカメラワークの制御形態毎に複数の制御モードを持ち、前記信頼度算出部で算出した信頼度に応じた制御モードに切替え、切替え後の前記制御モードの制御パラメータに従って前記撮影用カメラのカメラワークを制御するカメラワーク制御部とを備え、前記3次元位置計測部からの前記信頼度情報が、前記センサカメラの障害を示す第1の情報又は前記認識した被写体の大きさを示す第2の情報であって、前記信頼度算出部では、計測情報の信頼度情報が前記第1の情報である場合、当該計測情報の信頼度を“0”として算出し、また、計測情報の信頼度情報が前記第2の情報である場合、被写体の大きさに応じて信頼度を算出するようにすることによって達成される。
【0009】
さらに、前記信頼度が閾値を越えていない場合或いは前記計測情報の入力が無い場合で且つ前記撮影用カメラの視野内に前記被写体が含まれるときには前記撮影用カメラの撮影画像内の静止体又は移動体の中から前記撮影対象の被写体を認識し、該被写体の画面内の現在位置を計測した計測情報を前記3次元位置計測部からの計測情報とする計測情報作成部を備えること、前記制御形態が自動追尾の制御形態を含み、前記信頼度が閾値を越えている場合には、前記動き解析部で解析した被写体の動きに応じて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第1の制御モードで制御し、前記信頼度が閾値を越えていない場合には、現時点までの複数の計測情報から求めた前記被写体の動きの予測情報に基づいて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第2の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は前記第2の制御モードによって制御するようにすること、前記制御形態が自動追尾の制御形態を含み、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越えていない場合、或いは、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越え且つ移動コースのモデル式がない場合、現在の制御モードを現時点までの複数の計測情報から求めた被写体の動きの予測情報に基づいて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第2の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は前記第2の制御モードによって制御するようになっており、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越え、且つ移動コースのモデル式がある場合には、現在の制御モードを、前記被写体の動きを予測するための前記移動コースのモデル式に基づいて、自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第3の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は前記第3の制御モードによって制御するようにすること、カメラ操作者の視野に相当する広角画像を撮影するセンサカメラと、外部からの制御信号により撮影方向を含むカメラ操作の制御が可能な撮影用カメラと、前記センサカメラで撮影された広角画像内の静止体又は移動体の中から撮影対象の被写体を認識し、該被写体の3次元空間内の現在位置を逐次計測すると共に、当該計測情報の信頼度を算出するための信頼度情報を作成して前記計測情報と共に送出する3次元位置計測部と、前記3次元位置計測部からの計測情報に基づいて前記被写体の3次元空間内の動きを解析する動き解析部と、前記3次元位置計測部からの信頼度情報に基づいて当該計測情報の信頼度を算出する信頼度算出部と、前記撮影用カメラのカメラワークの制御形態毎に複数の制御モードを持ち、前記信頼度算出部で算出した信頼度に応じた制御モードに切替え、切替え後の前記制御モードの制御パラメータに従って前記撮影用カメラのカメラワークを制御するカメラワーク制御部とを備え、前記3次元位置計測部からの前記信頼度情報が、前記センサカメラの障害を示す第1の情報又は前記認識した被写体の大きさを示す第2の情報であって、前記信頼度算出部では、計測情報の信頼度情報が前記第1の情報である場合、当該計測情報の信頼度を“0”として算出し、また、計測情報の信頼度情報が前記第2の情報である場合、被写体の大きさに応じて信頼度を算出するようになっており、前記制御形態が自動追尾の制御形態を含み、前記信頼度が閾値を越えている場合には、前記動き解析部で解析した被写体の動きに応じて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第1の制御モードで制御するようになっており、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越えていない場合、或いは、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越え且つ移動コースのモデル式がない場合、現在の制御モードを現時点までの複数の計測情報から求めた被写体の動きの予測情報に基づいて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第2の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は前記第2の制御モードによって制御するようになっており、一方、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越え、且つ移動コースのモデル式がある場合、現在の制御モードを前記被写体の動きを予測するための前記移動コースのモデル式に基づいて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第3の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は前記第3の制御モードによって制御するようにすること、によってそれぞれ、より効果的に達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では、カメラ操作者の眼に相当するセンサカメラにより撮影した広角映像の中から撮影すべき被写体を自動認識すると共に、3次元空間内での被写体の位置と動きを計測し、被写体の動きに応じて撮影用カメラを駆動制御することで、被写体の自動撮影を行なうようにしている。また、天候等により被写体が検出できない事態やセンサカメラの故障等の事態が生じた場合においても、被写体の動きを予測して追尾する等の制御により、無人での自動追尾による撮影を継続できるようにしている。
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の自動撮影カメラシステムの概略構成を示しており、3次元空間を移動する被写体を捕らえるための2台のカメラ100(以下、「センサカメラ」と呼ぶ)と1台の撮影用カメラ200を備えたシステムの例を示している。センサカメラ100は、カメラ操作者の両眼に相当するカメラであり、同図のように撮影対象の被写体1を含む広角映像を撮影する。このセンサカメラ100は、被写体の3次元位置(3次元座標)を三角測量の原理で求めるために2台用いる。例えば、センサカメラ100の視野領域を越えて移動する被写体1を追尾して撮影する場合には、複数のセンサカメラ100が使用され、その場合には撮影範囲(計測範囲)が分割されてそれぞれ所定の位置に2台ずつ配置される。撮影用カメラ200は、外部からの制御信号によりカメラのパン,チルト,ズーム,フォーカス等の調整が可能な駆動機構部(雲台)210と撮像部220とが一体的に構成されたカメラであり、パン軸及びチルト軸の回動制御により真下を除くほぼ全域の空間が撮影できるようになっている。
【0012】
3次元位置計測装置300は、センサカメラ100で撮影された広角画像VD1a(VD1b)内の静止体又は移動体の中から撮影対象の被写体1を認識(例えば被写体1の色情報により認識)すると共に、被写体1の現在位置を逐次計測する装置であり、撮影用カメラ200の視点を原点とした三次元空間内での被写体1の現在位置(3次元座標情報)等を計測情報PDとして出力する。その際、当該計測情報の信頼度を示す信頼度情報(認識した被写体の面積情報など)を含めて計測情報PDとして(あるいは別の通信手段で信頼度情報単独で)出力するようになっている。この計測情報PDは入出力インタフェースを介してデータ解析装置500に入力される。
【0013】
データ解析装置500は、3次元位置計測装置300からの計測情報PDを基に被写体1の動きを解析し、被写体1の動きに応じて撮影用カメラ200のカメラワークを制御する装置であり、駆動制御部400を介して駆動信号MSを送出し、撮影用カメラ200のカメラワークを制御する。すなわち、データ解析装置500では、3次元位置計測装置300の計測情報PDに基づいて被写体1の現在位置を認識する共に、被写体1の動き(各時点の位置,方位角,加速度等)を解析して次の瞬間の動きを予測し、この予測情報と現時点の撮影用カメラ200の向きを示す情報等に基づいて撮影用カメラ200のパン,チルト角度偏差及びズーム等の調整量を演算し、駆動制御データ(速度指令)Vcomを出力して被写体1の次の動作位置へと撮影用カメラ200を駆動制御することで、被写体1を自動追尾して撮影するようにしている。
【0014】
また、データ解析装置500は、カメラワークの制御モードを複数持ち、各制御モードを撮影中の状況の変化に応じてダイナミックに切替える機能を備えており、状況に応じた最適なカメラワークで撮影することができるようにしている。例えば、被写体の3次元空間内の位置に応じて視野の大きさを変化させたり、被写体の速度に応じて画面内の被写体位置を変動させたり、時間帯に応じてアイリスの調整量を切替えたりというように、カメラワークの各制御形態での制御モードをダイナミックに切替えて撮影することができるようにしている。さらに、天候の悪化やセンサカメラ100の故障等により、自動追尾の対象を検出できない事態が生じた場合、自動追尾の制御モードを他の制御モード(移動コースのモデル式等による自動追尾の制御モード)に切替えることで、無人での自動追尾による撮影を継続できるようにしている。この切替えは、3次元位置計測装置300からの信頼度情報に基づいて行なわれる。例えば、センサカメラ100が2台ともに障害であれば、被写体1をセンサカメラで認識できないため、計測情報の信頼度としては“0”となり、上記の他の制御モードへの切替えが行われる。
【0015】
次に、各装置の構成例を示してより詳細に説明する。先ず、撮影用カメラと駆動制御部の構成について説明する。図2は、図1の撮影用カメラ200と駆動制御部400の構成例を示しており、撮影用カメラ200は、モータ213,214の駆動によるパン軸211及びチルト軸212の回動により撮像部220の向き(水平及び垂直方向)が調整され、各モータ215の駆動により撮像部220のズーム,フォーカス,アイリスが調整されるようになっている。本例では、モータ215にはステップモータを使用し、モータ213,214には、高トルクを発生するダイレクトドライブモータを使用している。
【0016】
駆動制御部400は、雲台のモータ213〜215を駆動する制御CPU410,モータドライバ420等から構成され、上位制御部(図1の構成例ではデータ解析装置500)からの駆動制御データ(速度指令)Vcomに従って撮影用カメラ200の駆動制御を行なう。すなわち、駆動制御部400は、上位制御部からの駆動制御データ(速度指令)Vcom及びデータベース401のパラメータPDD(各モータの駆動制御用パラメータ)を基に各モータ213〜215の駆動信号MS1〜MS3を制御CPU410によって生成/出力し、モータドライバ420を介してサーボ制御による撮影用カメラ200の制御を行なう。
【0017】
次に、3次元位置計測装置とデータ解析装置の構成について説明する。図3は、図1の3次元位置計測装置300とデータ解析装置500の主要部の構成例をブロック図で示している。図3において、3次元位置計測装置300は、センサカメラ100で撮影された広角画像VD1a(又はVD1b)内の静止体又は移動体の中から撮影対象の被写体1を認識する被写体認識部310と、被写体1の3次元空間内の現在位置(3次元座標)を計測する3次元座標計測部320と、当該計測情報の信頼度を示す信頼度情報を作成する信頼度情報作成部330とから構成される。3次元位置計測装置300の計測情報PDは、データ解析装置500内の動き解析部510に入力される。
【0018】
データ解析装置500は、3次元位置計測装置300からの計測情報PDにより被写体1の動きを解析し、被写体1の現時点までの直近の動きベクトルを求める動き解析部510と、動き解析部510で求めた動きベクトルを基に被写体1の次の動きを予測し、次の動きベクトルを求めて被写体速度V等の予測情報を送出する動き予測部520と、3次元位置計測部300からの計測情報PDに含まれる信頼度情報に基づいて当該計測情報の信頼度を算出する信頼度算出部525と、カメラ角度/画角検出センサからの検出情報SD(あるいは撮影用カメラ200からの撮影画像VD2)に基づいて撮影画面内の被写体最適位置までの撮影用カメラ200の方位角(パン,チルト角度偏差)及び画角(ズーム)調整量を検出し、駆動信号の補正量を求めて速度補正情報(補正速度ΔV)を送出する速度補正量検出部540と、動き予測部520からの予測情報,及び速度補正量検出部540からの速度補正情報等に基づいてカメラワークの分析及び決定を行ない、駆動制御データ(速度指令)Vcomを出力して撮影用カメラ200のカメラワークを制御するカメラワーク制御部530とから構成される。
【0019】
ここで、データ解析装置500内のカメラワーク制御部530は、3次元空間内の被写体位置,被写体の速度等によって撮影用カメラ200のカメラワークの制御モードをダイナミックに切替える制御モード切替手段を具備しており、各制御モードに対する制御パラメータに従って、当該制御モードでのカメラワークを制御するようになっている。データ解析装置500は、他に、動き解析部510で解析した被写体動作の解析情報を記録する図示しない解析情報記録手段と、解析情報を撮影画像と共にあるいは単独でモニタ表示する図示しない解析情報表示手段とを具備している。なお、速度補正量検出部540の構成の詳細については、カメラ角度/画角検出センサからの検出情報SDに基づいて速度補正量を検出する方式と、撮影画像VD2に基づいて速度補正量を検出する方式とで構成が異なるため、後述の実施例の項で具体的な構成例を示して説明する。
【0020】
ここで、カメラワークの制御モードの切替方法について、図5(A)〜(C)を参照して説明する。図5(A)に示すように、カメラワークの制御モードは、制御形態W1がi種類の制御モード(C1(1)〜C1(i)),制御形態W2がk種類の制御モード(C2(1)〜C2(k))というように、カメラワークの制御形態(例えば、自動追尾の制御,画面内の被写体位置の制御,ズーミングワークの制御等の各形態)毎に複数ある。カメラワーク制御部530では、被写体の3次元位置,計測値の信頼度,被写体の速度,現在の時間帯等を切替要素として、現在の制御モードを他の制御モードに切替えるようにしている。また、図5(B)に示すように、制御形態W1は制御モードC1(1),制御形態W2は制御モードC2(7)というように、カメラワークの制御パターン毎に制御モデル(M1,M2,〜)を予め用意しておき、制御モデル(M1,M2,〜)を切替えることで、各制御形態(W1,W2,〜)の制御モードを切替えるようにしている。この切替え制御は、図5(C)に示すように、制御モデルの切替形態 (1,2,〜)に対応して予め設定されている切替条件(a1,a2,〜)に従って行われる。
【0021】
上述のような構成において、具体例を示してデータ解析装置500内のカメラワーク制御部530における制御モードの切替制御の動作例、及びシステム全体の動作例についてそれぞれ説明する。
【0022】
図4は、センサカメラ100と撮影用カメラ200の配置構成の一例を示しており、同図に示すようなスキーのジャンプ競技を撮影する場合、被写体である選手1が移動する領域は、スタート地点からジャンプ台の先端のジャンプ地点までの助走路の領域部2a,ジャンプしてから着地地点までの領域部2b,及び着地地点から静止するまでのスロープの領域部2cであり、それぞれの移動領域部が撮影領域部(3次元空間領域)となる。本発明では全領域を自動撮影の対象とすることができるが、図4では便宜上、ジャンプ中の空間領域部2bの一部を自動撮影の対象とし、センサカメラ100の視野領域を2つの計測範囲1及び2に分割し、センサカメラ101(101A,101B)で計測範囲1の3次元計測を担当し、センサカメラ102(102A,102B)で計測範囲2の3次元計測を担当するようにした場合の配置構成の例を示している。
【0023】
ここで、センサカメラ101とセンサカメラ102は、それぞれ1台でも被写体の3次元位置(3次元座標)を求めることが可能だが、その場合、例えば2点間を移動したときの被写体1の移動量及び大きさの変化量の検出値に基づいて被写体1の位置を示す3次元座標を算出することになり、計測時点ごとに3次元座標を求めることができず、リアルタイムに計測情報を提供できないという欠点がある。そのため、上記の点や計測装置の処理負荷の点では、本例のように1計測範囲に2台のセンサカメラを用いる形態の方が好ましい。そこで、本発明では、通常は、2台のセンサカメラを用いて3次元座標を計測し、センサカメラの障害等により1台のセンサカメラの映像入力が使用できない時は、1台のセンサカメラの映像により3次元座標を算出する手法に切替えて計測を継続するようにしている。
【0024】
図6は、上記のスキーのジャンプ競技を撮影する場合の制御パラメータの第1の具体例を示している。図6に示した制御パラメータは、3次元位置計測装置300からの計測情報(被写体の3次元位置の計測値)の信頼度が高い場合、すなわち、通常のカメラワーク制御に用いる制御パラメータの例を示している。なお、信頼度が低下したときに用いる制御パラメータの例については後述する。以下、図4の全領域(2a〜2c)を自動撮影の対象とするものとして説明する。図6の例では、スタート地点からジャンプ台の先端のジャンプ地点までの助走路の撮影空間領域2aにおけるカメラワークの制御モデルを“M1”,ジャンプ地点から着地地点までの撮影空間領域2bにおけるカメラワークの制御モデルを“M2”,着地地点から静止するまでのスロープの撮影空間領域部領域2cにおけるカメラワークの制御モデルを“M3”とし、それぞれ、追尾制御方法に関する制御形態W1,画面内の被写体位置に関する制御形態W2,及び視野の大きさ(ズーム調整量)関する制御形態W2における各制御モードの制御パラメータが制御モデル毎に設定されている。例えば、追尾の制御方法に関する制御形態W1の制御モードとしては、センサカメラの出力、すなわち被写体の3次元位置の計測情報に基づいて追尾する制御モードC1(1),被写体の移動コースのモデル式に基づいて追尾する制御モードC1(2),及び両者を組合わせた情報に基づいて追尾する制御モードC1(3)等があり、図6の例では、制御形態W1における制御モデルM1の制御パラメータとしては上記の制御モードC1(2)の制御パラメータ(助走路のモデル式)が設定されている。
【0025】
これらの制御モデルM1〜M3の切替えは、図7に示すように、各制御モデルM1〜M3に対応して予め設定されている切替条件a1〜a3に従って行われる。例えば、領域2bと領域2cは、ジャンプの飛距離によって着地地点が変動するため、被写体1の最下端の3次元位置と被写体直下のスロープ表面位置との距離を示す関数f(x,y,z)によって制御モデルを切替えるようになっている。すなわち、この場合には、撮影中の状況の変化(被写体の移動軌跡の変化)に応じて撮影空間領域が変動し、それに応じてカメラワークの制御モードを自動的に切替えるようにしている。
【0026】
ここで、上記の制御モデルを例として、データ解析装置500内のカメラワーク制御部530における制御モードの切替制御の第1の動作例を、図8のフローチャートに従って説明する。なお、計測情報の信頼度が低下したときのカメラワークの制御モードの切替制御については後述し、ここでは、通常時のカメラワークの制御について説明する。
【0027】
自動追尾の動作は、遠隔制御等による外部からのスタート信号、或いは、ジャンプの助走スタート時点で自動的に発生するスタート信号により開始される。このスタート信号はシャッタタイミング信号であり、シャッタタイミング信号の入力により、カメラワーク制御部530では、先ず、制御モデルを“M1”とする(ステップS1)。そして、制御モデルM1の制御パラメータに従って、助走路に沿って追尾するように撮影用カメラ200を駆動制御する。
【0028】
すなわち、制御モデルM1の場合にはセンサカメラの出力は用いず、予め登録されているスタート地点の位置に撮影用カメラ200を向けて被写体である選手を捕らえておく。そして、スタート信号の入力を境にセンサカメラの出力を用い、被写体1の3次元位置情報及び助走路の道筋を示すモデル式(例えば3次元座標と時間から成るモデル式)に基づいて撮影用カメラ200のパン,チルト操作を制御する。その際、撮影用カメラ200の画面内の被写体位置が画面中央に位置し、かつ視野の大きさが基準値(一定値)L1となるようにズーム操作を制御する。そして、図7中の制御モデルM1の切替条件a1を満足する期間、すなわち、x,y,z座標系で表わした被写体1の3次元位置から助走路上の被写体位置をg(x,y,z)として求め、被写体1が領域2aと領域2bとの境界面tよりスタート地点側の空間に位置(g(x,y,z)<t)する期間は、制御モデルM1の制御パラメータに従ってカメラワークを制御する(ステップS2,S3)。
【0029】
そして、ステップS2において、制御モデルM1の切替条件a1を満足しないのであれば、制御モデルを“M2”に切替え(ステップS4)、制御モデルM2の制御パラメータに従ってカメラワークを制御する。制御モデルM2では、図6中の制御モデルM2の制御パラメータに示すように、センサカメラの出力、すなわち、センサカメラの撮影画像により被写体1を認識し、その3次元位置の計測情報に基づいて被写体1の自動追尾を制御する。その際、撮影用カメラ200の画面内の被写体位置が、画面中央を基準として被写体1の速度のk倍遅れた位置に位置し、かつ視野の大きさが基準値(一定値)L2となるようにズーム操作を制御する。この制御は、切替条件a2を満足する期間、すなわち、被写体1の3次元位置が被写体直下のスロープ表面位置より上部に位置(g(x,y,z)>tかつf(x,y,z)>0)する期間(ジャンプ中の期間)、継続される(ステップS5,S6)。
【0030】
そして、ステップS5において、制御モデルM2の切替条件a2を満足しないのであれば、制御モデルを“M3”に切替え(ステップS7)、制御モデルM3のパラメータに従ってカメラワークを制御する。制御モードM3では、図6中の制御モデルM3の制御パラメータに示すように、センサカメラの出力、及びスロープに沿って、すなわち、被写体の3次元位置の計測情報PD及び被写体移動コースのモデル式に基づいて被写体1の自動追尾を制御するとともに、視野の大きさが徐々に大きくなるようにズーム操作を制御する。この制御は、切替条件a3を満足する期間、すなわち、被写体1の3次元位置がスロープ表面近傍に位置し、領域2cのスロープ終了地点の面(垂直の平面)t0まで(f(x,y,z)≦0かつt<g(x,y,z)<t0)の期間(着地滑走中の期間)、継続される(ステップS8,S9)。そして、ステップS8において、制御モデルM3の切替条件a3を満足しないのであれば、切替制御の動作を終了する。その後、例えば所定時間経過後、センサカメラの出力を用いずに初期動作位置(スタート地点)に撮影用カメラ200を向けて待機状態とし、スタート信号の入力により上記動作を繰り返す。
【0031】
次に、計測情報の信頼度が低下したときのカメラワークの制御について説明する。図9(A)及び(B)は、上記のスキーのジャンプ競技を撮影する場合の制御パラメータの第2の具体例を示している。この制御パラメータは、計測情報の信頼度が低下したときに用いる制御パラメータの例を示しており、同図(B)に示すように、自動追尾の制御形態W1は、C1(1)〜C1(7)に示すように、移動コースのモデル式に基づいて自動追尾の制御を行なう制御モード,動きの予測情報に基づいて自動追尾の制御を行なう制御モード,撮影用カメラの画像から被写体位置を求めて自動追尾の制御を行なう制御モード等、複数の制御モードがある。例えば、同図(B)に示すように、制御モデルM1では、信頼度が低下した場合にはC1(1)の制御モードからC1(5)の制御モードに切替わり、移動コースのモデル式、及びその時点(低下する直前)の被写体の位置の計測情報,移動コースでの経過時間に基づいて被写体の動きを予測し、自動追尾を制御するようになっている。また、画面内の被写体位置の制御形態W2は、例えばC2 (1)の制御モードから他の制御モードに切替わり、さらに、ズーミングワークの制御形態W3は、例えばC3(1)の制御モードから他の制御モードに切替わるようになっている。
【0032】
次に、図3のブロック図を参照して、計測情報の信頼度が低下したときの制御モードの切替制御の動作例を図10のフローチャートに従って説明する。なお、各制御形態での制御モードの切替えは切替条件に従って行われるが、個々の説明は省略し、ここでは、システム全体の制御モードの切替制御の動作例について説明する。
【0033】
3次元位置計測装置300では、センサカメラ100の入力VD1a及び/又は入力VD1bがあるか否かを判定し(ステップS11)、ある場合にはセンサカメラ100の入力映像に基づいて被写体の認識,3次元座標の計測を行なう (ステップS12)。一方、センサカメラ100の入力VD1a及びVD1bがない場合には、ステップS13に移行する。ステップS13では、例えば、センサカメラ100の入力がある場合には被写体の面積情報を信頼度情報とし、入力がない場合には、センサカメラの障害を示す情報を信頼度情報とし、計測情報PDを出力する(ステップS13)。
【0034】
3次元位置計測装置300からの計測情報PDを受けたデータ解析装置500では、計測情報PDに含まれる信頼度情報に基づいて被写体認識度等の信頼度を算出する(ステップS21,S22)。そして、信頼度と閾値とを比較し(ステップS23)、信頼度が閾値以上、すなわち計測情報の信頼度が高いと判断した場合は、制御モードを通常モードNとし(S24)、被写体の3次元座標の計測値に基づいてカメラワークを制御する(ステップS25)。一方、ステップS23において信頼度が閾値未満であれば、ステップS26に移行し、信頼度の低下期間を計数する。そして、信頼度の低下期間(例えば、連続して信頼度が低下した期間、不連続な低下期間部の和)と設定値Tとを比較し(ステップS26)、設定値Tを越えていれば、モデル式があるか否かをチェックし(ステップS27)、モデル式がある場合には制御モードを自動モードA1とし、モデル式に基づいてカメラワークを制御する(ステップS28,S29)。一方、ステップS26において信頼度の低下期間が設定値T以下の場合は、制御モードを自動モードA2とし(ステップS30)、動きの予測情報に基づいてカメラワークの制御を行なう。すなわち低下期間が短ければ、その間は、それまでの計測値から被写体の動きを予測して追尾する。また、ステップS27でモデル式がない場合も自動モードA2とし、信頼度が回復するまでの間(信頼度が閾値以上となるまでの間)は、それまでの計測値から被写体の動きを予測して追尾する(ステップS31)。
【0035】
そして、上記の動作を繰り返し、信頼度に応じて当該制御モードを自動的に切替え、切替え後の制御モードの制御パラメータに従って撮影用カメラのカメラワークを制御する動作を継続する。なお、低下期間が設定値Tを越えている場合、撮影用カメラの画像に基づいて被写体を追尾する制御モードに切替えるようにしても良い。この場合、システムの主要部をハードウェア回路で構成する場合は、後述の第2の実施例における構成(制御系の全体構成)とすれば実現することができる。
【0036】
次に、図2〜図4を参照してシステム全体の動作例を説明する。
図4において、センサカメラ101,102で撮影された映像信号はそれぞれ3次元位置計測装置300に入力される。なお、センサカメラ101,102の計測範囲の切換制御の方法については後述する。ここでは便宜上、センサカメラ101,102をセンサカメラ100として説明する。図3において、3次元位置計測装置300内の被写体認識部310は、映像信号VD1a(又はVD1b)をデジタル化した1フレーム分の2次元座標系の画像データから撮影対象の被写体1を認識する。被写体1の認識は、例えば画像データの各画素の色度と、被写体認識データとして予め設定されている複数色のそれぞれの閾値(色度の範囲:下限の閾値〜上限の閾値)とを比較し、閾値内を“1”,範囲外を“0”として画素単位に2値化する。その際、2次元座標系(X,Y座標系)にて連続する当該色の画素を抽出して計数し、計数値を面積Sとする。そして当該色の部分が複数存在する場合には、例えば、面積Sの最も大きい部分を撮影対象の被写体1と認識する。但し、設定されている色で被写体1を必ず特定できるような撮影条件では大きさによる認識処理は必要ないため、色だけで認識すれば良い。被写体認識部310は、算出した被写体1の面積Sを信頼度情報作成部330へ送出する。ここで、被写体認識部310では、センサカメラ100の入力VD1a及びVD1bがない場合には、センサカメラの障害を示す情報を信頼度情報作成部330へ送出する。
【0037】
3次元座標計測部320では、被写体認識部310で求めた面積Sから、抽出部分の重心位置を演算して被写体1の中心位置C(x,y)とする。この中心位置は、2台のセンサカメラ100の画像データVD1a,VD1bからそれぞれ演算する。続いて、算出した2つの中心位置C1(x,y),C2(x,y)と、センサカメラ100及び撮影用カメラ200の位置情報とから、被写体1の3次元空間内の位置(撮影用カメラ200の視点を原点とした被写体1の3次元座標)を三角測量の原理で算出し、算出した3次元位置情報C(x,y,z)を信頼度作成情報部330へ送出する。なお、3次元座標計測部320では、一方のセンサカメラ100からの入力(VD1a又はVD1b)がない場合は、1台のセンサカメラ100の映像により3次元座標を算出する手法に切替えて計測する。
【0038】
信頼度情報作成部330では、被写体1の大きさを示す情報(上記の面積S)を信頼度情報として計測情報(3次元位置情報)に付加し、計測情報PDとして出力する。一方、被写体認識部310からセンサカメラの障害を示す情報を受けた場合には、信頼度情報作成部330は、センサカメラの障害情報を信頼度情報とし、計測情報(3次元位置情報は計測不能のため信頼度情報のみ)PDを出力する。この計測情報PDは、データ解析装置500内の動き解析部510及び信頼度算出部525に入力される。
【0039】
信頼度算出部525は、計測情報PDに含まれる信頼度情報に基づいて3次元座標の計測情報の信頼度を算出する。例えば、センサカメラの障害(計測不能)であれば信頼度を“0”とし、被写体の面積が基準面積以下であれば、その割合に応じて信頼度を決定する。また、被写体を認識する際の認識度(色の場合は許容範囲等)に応じて信頼度を決定するようにしても良い。信頼度算出部525では、算出した信頼度をカメラワーク制御部530に送出する(切替制御テーブル(図示せず)に書込む)。
【0040】
動き解析部510では、3次元位置計測装置300からの計測情報PDにより被写体1の動きを解析し、解析情報を動き予測部520に送出する。例えば、今回の計測情報PDtn(3次元座標情報)と前回の計測情報PDt(n−1)により、前回の計測時点を起点とする動きベクトルを求め、求めた動きベクトルの情報(時刻,方位角,距離,速度等)を解析情報として送出する。動き予測部520では、動き解析部510からの解析情報に基づいて被写体1の次の瞬間の動きを予測する。
【0041】
ここで、被写体の次の瞬間の動き予測する方法について第1及び第2の例を示して説明する。なお、計測間隔と動きベクトルの解析間隔とは必ずしも等しくないが、ここでは、等しいものする。先ず、第1の例として、直近の2つの計測情報PDtn,PDt(n−1)を基に予測する方法について説明する。図11 (A)に示すように、被写体の前回(t1時点)の計測位置がP1(x,y,z)で、今回(t2時点)の計測位置がP2(x,y,z)とした場合、P1(x,y,z)とP2(x,y,z)から方位と速度Vとを求め(本例では動き解析部510にて算出)、同一方向に同一速度で動くものと予測して、P2→FPの動きベクトルを求める。ここで、FP(x,y,z)は、t2−t1時間経過したt3時点での次の移動位置である。
【0042】
続いて、第2の例として、直近の3つの計測情報PDtn,PDt(n−1),PDt(n−2)を基に予測する方法について説明する。図11(B)に示すように、被写体の前前回(t1時点)の計測位置がP1(x,y,z),前回(t2時点)の計測位置がP2(x,y,z),今回(t3時点)の計測位置がP3(x,y,z)であったとする。この場合、各時点t1〜t3の座標から動きベクトルP1→P2,P2→P3を求める。そして、求めた2つの動きベクトルからP3→FPの動きベクトルを求める。この方法では、方位角の変化及び加速度を考慮して予測することになる。計測間隔が極めて短い場合には前者の方法で充分である。なお、予測に用いる計測情報の量を多くして更に先の動きを予測するようにしても良い。また、予測情報を計測情報に置換える制御モードを設け、永続的な予測を行なうようにしても良い。以上のようにして求めた被写体の動きの予測情報は、カメラワーク制御部530に入力される。
【0043】
カメラワーク制御部530では、画面内の被写体位置情報動き予測部520からの予測情報(被写体速度V等)、速度補正量検出部540からの速度補正情報(補正速度ΔV)に基づいて、撮影用カメラ200の方向,移動量及び移動速度を決定する。その際、信頼度算出部525で求めた信頼度や、被写体の3次元座標位置や速度等の切替条件に従ってカメラワークの制御モードを自動的に切替え、当該制御モードの制御パラメータに従ってズーム操作等のカメラワークを決定する。そして、パン,チルトの速度指令(V+ΔV)を生成すると共に、撮影用カメラ200のズーム,フォーカス,アイリスを調整するための速度指令を生成し、駆動制御データVcomとして出力し、駆動制御部400を介して撮影用カメラ200を駆動制御する。
【0044】
以上のように、対象の3次元座標位置や対象の速度等により制御モードをダイナミックに切替え、当該制御モードの制御パラメータに従ってカメラワークを制御することで、撮影中の状況の変化等に応じた最適なカメラワークによる撮影を可能としている。そして、天候等により被写体が検出できない事態やセンサカメラの故障等の事態が生じた場合においても、計測情報の信頼度により制御モードをダイナミックに切替え、モデル式等により被写体の動きを予測して追尾制御を行なうことで、無人での自動追尾による撮影を継続できるようにしている。また、被写体の次の瞬間の動きを予測して次の動作位置へと撮影用カメラ200の駆動制御を行なうことにより、従来の自動撮影システムに見られる映像の動きのぎこちなさは解消されることになる。
【0045】
また、撮影用カメラ200を複数設置し、撮影用カメラ200を切り換えながら撮影する構成とした場合、被写体の動きの予測情報を利用することにより、各視野領域の境界をまたがって移動する被写体を連続的に追尾して撮影することが可能となる。また、計測範囲を分割して各センサカメラ100を配置する構成では、3次元位置計測装置300で被写体の動きを予測し、計測範囲を切り換えながら計測処理を行なうことで、計測範囲をまたがって移動する被写体の計測を連続的に行なうことができる。さらに、従来のシステムと比較して被写体位置の計測間隔を大きくとることができるので、情報処理量が減り、制御系の処理負荷が軽減される。
【0046】
【実施例】
以下に、データ解析装置500内の速度補正量検出部540の構成例の第1及び第2の実施例を、制御系の全体構成図を用いて説明する。なお、図12及び図13の構成例では、図3のデータ解析装置500内の動き解析部510及び動き予測部520の機能を3次元位置計測装置300側に備えた場合の構成を例としている。また、データ解析装置500内のカメラワーク分析/制御機能を有する速度補正量検出部540とカメラワーク制御部530とは、一体的なデータ処理構成であるため、図12及び図13の回路構成例では両者をカメラワーク分析/制御部550として新たに符号を付している。
【0047】
図12は、本発明における制御系の構成の第1の実施例を示すブロック図であり、本発明に係わる主要部の回路構成を示している。第1の実施例では、カメラ角度/画角検出センサ230,231からの検出情報SD及び3次元位置計測装置300からの計測情報PDに基づいて、撮影方向の速度補正量ΔVを検出する方式としている。カメラワーク分析/制御部550では、図14に示すように、撮影用カメラ200の視点Peを原点としたときの視座標系(xe,ye,ze)における方位角(φ,ψ)及び画角θを、それぞれ方位角検出センサ230と画角検出センサ231からの検出情報SDにより検出する。カメラワーク分析/制御部550内の演算回路557では、検出情報を座標変換回路554に送出すると共に、現在の撮影用カメラ200の視線での視野スクリーン内(=撮影画面内)における被写体1のサイズS,及び被写体最適位置までのズレ量Δlを演算してマイコン551に送出する。
【0048】
座標変換回路554では、3次元位置計測装置300からの計測情報PDを入力し、3次元座標系での被写体の位置(x,y,z)を2次元座標系での被写体の位置(x,y)に変換して動きベクトル検出回路552に送出する。動きベクトル検出回路552では、座標変換回路554からの被写体の(x,y)座標から、被写体の現在の動きベクトル(位置(x,y),速度Vs,方向a)を検出してマイコン551に送出する。マイコン551では、動きベクトル検出回路552及び演算回路557からの検出情報を受け、被写体最適位置までのズレ量Δl/画角補正量Δθを演算回路553を介してROMテーブル13に書込むと共に、被写体1の速度Vs等の情報をROMテーブル13に書込む。ROMテーブル13には、画面内の目標位置まで方位角(パン,チルト角度偏差)の大きさ等に応じた速度補正量ΔVが予め設定されており、知的制御信号発生器558では、3次元位置計測装置300からの被写体の速度V(図14中の予測した動きベクトルでの被写体速度)を、ROMテーブル13から読み出した速度補正量ΔVにより補正して速度指令Vcomを出力し、撮影用カメラ200の駆動制御を行なう。
【0049】
図13は、本発明における制御系の構成の第2の実施例を示すブロック図であり、第2の実施例では、撮影用カメラ200からの撮影画像VD2に基づいて上記の速度補正量ΔVを検出する方式としており、第1の実施例での方式と比較すると、撮影用カメラ200の画面内に被写体が存在することが前提となる点,及び画像処理の負荷が増加する点で難点があるが、カメラ角度/画角検出センサ230,231が必要ない点,及び3次元/2次元座標変換が必要ない点で利点がある。
【0050】
以下、図15を参照して図13のカメラワーク分析/制御部550の動作例を説明する。カメラワーク分析/制御部550内の被写体抽出回路555では、撮影用カメラ200からの撮影画像VD2から被写体部分を抽出し、画面内の被写体のサイズ(面積を示す計数値)Sを求めてマイコン551に送出すると共に、画面内での被写体の位置(x,y)を求めて動きベクトル検出回路552及び位置比較器556に送出する。動きベクトル検出回路552では、被写体の現在の動きベクトル(位置(x,y),速度Vs,方向a)を検出してマイコン551に送出する。一方、位置比較器556では、画面内での被写体の現在位置(x,y)と、ROMテーブル12から読み出した画面内での被写体の最適位置(x0,y0)とを比較し、画面内でのズレ量Δlをマイコン551に送出する。本例では、この画角の補正量Δθについては、マイコン551でROMテーブル12に書込んだ被写体サイズSとROMテーブル12内に設定されている基準サイズとを位置比較器556で比較して求めるようにしている。なお、その他の動作は第1の実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
なお、上述した実施の形態においては、被写体の動きの解析機能をデータ解析装置500に設ける場合を例として説明したが、実施例のように3次元位置計測装置300側に設ける構成としても良い。また、無人撮影の場合を例として説明したが、当然のことながら、遠隔操作によりカメラマンが撮影用カメラ200を操作することも可能であり、その場合には操作情報の入力が優先処理される。また、制御モデルは、対象となる撮影空間領域の分割領域部に対応して設定されている場合を例として説明したが、時間帯に対応して複数の制御モデルを設定しておき、現在の時間に応じて制御モードを自動的に切替え、当該時間帯に対応する制御モデルのパラメータに従って撮影用カメラのカメラワークを制御するようにしても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の自動撮影カメラシステムによれば、センサカメラの広角画像から撮影対象の被写体を認識してその3次元位置を逐次計測し、計測情報から解析した被写体の動きに応じて撮影用カメラを駆動制御するようにしているので、広範囲の3次元空間内を移動する対象を自動追尾して無人で撮影することができる。そのため、カメラマンが撮影できないような位置(例えば、木の上,コンサート会場のハイポジション,災害現場等)からでも、迫力のある映像を自動的に撮影することができるようになり、一流カメラマンを越えるカメラワークを実現することができる。また、計測情報の信頼度により制御モードをダイナミックに切替え、モデル式等により被写体の動きを予測して追尾制御を行なうことで、天候の悪化やセンサカメラの故障等により自動追尾の対象を検出できない事態が生じた場合においても、無人での自動追尾による撮影を継続して行なうことができる。また、被写体の次の瞬間の動きを予測して撮影用カメラを駆動制御するようにしているので、撮影映像内の被写体の不自然な動きを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動撮影カメラシステムの概略の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の撮影用カメラ200と駆動制御部400の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の3次元位置計測装置300とデータ解析装置500の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明に用いるセンサカメラと撮影用カメラの配置構成の一例を示す図である。
【図5】本発明におけるカメラワークの制御モードの切替方法を説明するための図であれる。
【図6】本発明に用いる制御パラメータの第1の具体例を示す図である。
【図7】本発明おける制御モデルの切替え方法の一例を説明するための図である。
【図8】本発明における切替え制御の第1の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明に用いる制御パラメータの第2の具体例を示す図である。
【図10】本発明における切替え制御の第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明における被写体の動きの予測方法の具体例を説明するための図である。
【図12】本発明における制御系のハードウェア構成の第1の実施例を示すブロック図である。
【図13】本発明における制御系のハードウェア構成の第2の実施例を示すブロック図である。
【図14】図12のカメラワーク分析/制御部550の動作例を説明するための図である。
【図15】図13のカメラワーク分析/制御部550の動作例を説明するための図である。
【図16】従来のカメラシステムにおける被写体の自動追尾の方法の例を説明するための図である。
【図17】従来のカメラシステムにおける被写体の自動追尾の方法の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 被写体
100 センサカメラ
200 撮影用カメラ
210 駆動機構部(雲台)
211 パン軸
212 チルト軸
213,214,215 撮影用カメラ制御モータ
220 撮像部
300 3次元位置計測装置
310 被写体認識部
320 3次元座標計測部
330 信頼度情報作成部
400 駆動制御部
401 データベース
410 制御CPU
420 モータドライバ
500 データ解析装置
510 動き解析部
520 動き予測部
525 信頼度算出部
530 カメラワーク制御部
540 速度補正量検出部
Claims (5)
- カメラ操作者の視野に相当する広角画像を撮影するセンサカメラと、外部からの制御信号により撮影方向を含むカメラ操作の制御が可能な撮影用カメラと、前記センサカメラで撮影された広角画像内の静止体又は移動体の中から撮影対象の被写体を認識し、該被写体の3次元空間内の現在位置を逐次計測すると共に、当該計測情報の信頼度を算出するための信頼度情報を作成して前記計測情報と共に送出する3次元位置計測部と、前記3次元位置計測部からの計測情報に基づいて前記被写体の3次元空間内の動きを解析する動き解析部と、前記3次元位置計測部からの信頼度情報に基づいて当該計測情報の信頼度を算出する信頼度算出部と、前記撮影用カメラのカメラワークの制御形態毎に複数の制御モードを持ち、前記信頼度算出部で算出した信頼度に応じた制御モードに切替え、切替え後の前記制御モードの制御パラメータに従って前記撮影用カメラのカメラワークを制御するカメラワーク制御部とを備え、
前記3次元位置計測部からの前記信頼度情報が、前記センサカメラの障害を示す第1の情報又は前記認識した被写体の大きさを示す第2の情報であって、
前記信頼度算出部では、計測情報の信頼度情報が前記第1の情報である場合、当該計測情報の信頼度を“0”として算出し、また、計測情報の信頼度情報が前記第2の情報である場合、被写体の大きさに応じて信頼度を算出するようにしたことを特徴とする自動撮影カメラシステム。 - 前記信頼度が閾値を越えていない場合或いは前記計測情報の入力が無い場合で且つ前記撮影用カメラの視野内に前記被写体が含まれるときには前記撮影用カメラの撮影画像内の静止体又は移動体の中から前記撮影対象の被写体を認識し、該被写体の画面内の現在位置を計測した計測情報を前記3次元位置計測部からの計測情報とする計測情報作成部を備えた請求項1に記載の自動撮影カメラシステム。
- 前記制御形態が自動追尾の制御形態を含み、前記信頼度が閾値を越えている場合には、前記動き解析部で解析した被写体の動きに応じて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第1の制御モードで制御し、前記信頼度が閾値を越えていない場合には、現時点までの複数の計測情報から求めた前記被写体の動きの予測情報に基づいて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第2の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は前記第2の制御モードによって制御するようにした請求項1又は請求項2に記載の自動撮影カメラシステム。
- 前記制御形態が自動追尾の制御形態を含み、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越えていない場合、或いは、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越え且つ移動コースのモデル式がない場合、現在の制御モードを現時点までの複数の計測情報から求めた被写体の動きの予測情報に基づいて、自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第2の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は前記第2の制御モードによって制御し、
前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越え、且つ移動コースのモデル式がある場合には、現在の制御モードを、前記被写体の動きを予測するための前記移動コースのモデル式に基づいて、自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第3の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は、前記第3の制御モードによって制御するようにした請求項1又は請求項2に記載の自動撮影カメラシステム。 - カメラ操作者の視野に相当する広角画像を撮影するセンサカメラと、外部からの制御信号により撮影方向を含むカメラ操作の制御が可能な撮影用カメラと、前記センサカメラで撮影された広角画像内の静止体又は移動体の中から撮影対象の被写体を認識し、該被写体の3次元空間内の現在位置を逐次計測すると共に、当該計測情報の信頼度を算出するための信頼度情報を作成して前記計測情報と共に送出する3次元位置計測部と、前記3次元位置計測部からの計測情報に基づいて前記被写体の3次元空間内の動きを解析する動き解析部と、前記3次元位置計測部からの信頼度情報に基づいて当該計測情報の信頼度を算出する信頼度算出部と、前記撮影用カメラのカメラワークの制御形態毎に複数の制御モードを持ち、前記信頼度算出部で算出した信頼度に応じた制御モードに切替え、切 替え後の前記制御モードの制御パラメータに従って前記撮影用カメラのカメラワークを制御するカメラワーク制御部とを備え、
前記3次元位置計測部からの前記信頼度情報が、前記センサカメラの障害を示す第1の情報又は前記認識した被写体の大きさを示す第2の情報であって、
前記信頼度算出部では、計測情報の信頼度情報が前記第1の情報である場合、当該計測情報の信頼度を“0”として算出し、また、計測情報の信頼度情報が前記第2の情報である場合、被写体の大きさに応じて信頼度を算出するようになっており、
前記制御形態が自動追尾の制御形態を含み、前記信頼度が閾値を越えている場合には、前記動き解析部で解析した被写体の動きに応じて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第1の制御モードで制御するようになっており、
前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越えていない場合、或いは、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越え且つ移動コースのモデル式がない場合、現在の制御モードを現時点までの複数の計測情報から求めた被写体の動きの予測情報に基づいて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第2の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は前記第2の制御モードによって制御するようになっており、
一方、前記信頼度が閾値を越えていない期間が許容期間を越え、且つ移動コースのモデル式がある場合、現在の制御モードを前記被写体の動きを予測するための前記移動コースのモデル式に基づいて自動追尾を制御する前記自動追尾の制御形態の第3の制御モードに切替え、前記信頼度が閾値より低い間は前記第3の制御モードによって制御するようになっていることを特徴とする自動撮影カメラシステム。
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