JP3549778B2 - 廃棄物の乾溜ガス化焼却処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物を焼却処理する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、廃棄物を焼却処理する装置として、先に特開平2−135280号公報等に開示の乾溜ガス化焼却処理装置を提案している。
【0003】
この乾溜ガス化焼却処理装置は、ガス化炉内に廃棄物を収納し、該ガス化炉へ酸素を供給して、該廃棄物の一部を燃焼させ、その燃焼熱により該廃棄物の残部を乾溜し、最終的には該廃棄物を完全燃焼させて灰化する。一方、該ガス化炉において廃棄物の乾溜により発生した可燃性ガスをガス通路を介して燃焼炉へ導入し、該燃焼炉において該可燃性ガスを酸素(空気)と混合させて、該可燃性ガスを完全燃焼させる。
【0004】
そして、この装置は、燃焼炉における可燃性ガスの燃焼温度を略一定に維持するために、ガス化炉内の廃棄物の部分的燃焼に必要な酸素の供給量を制御して、ガス化炉における可燃性ガスの発生量を制御すると共に、ガス化炉で発生した可燃性ガスを燃焼炉内で完全燃焼させるために、燃焼炉への酸素の供給量を制御する。これにより、この装置は、廃棄物の焼却処理をクリーンに且つ効率よく行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、廃棄物の焼却処理に伴う環境汚染の発生を防止するため、小型の廃棄物の焼却装置においても、廃棄物を直接燃焼させる直燃式の焼却装置に代えて、廃棄物を乾溜ガス化し、発生する可燃性ガスを完全燃焼させる乾溜ガス化焼却処理装置が望まれている。
【0006】
しかし、従来の乾溜ガス化焼却処理装置は、ガス化炉と燃焼炉とが横方向に並列されて設置されるため、横方向に広い設置スペースが必要となり、小型化が困難であった。
【0007】
本発明は、前記の不都合を解決し、小型で設置スペースが小さく、廃棄物の焼却処理を効率良く行う乾溜ガス化焼却処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の廃棄物の乾溜ガス化焼却処理装置は、収納した廃棄物の一部を燃焼させつつ該燃焼熱により該廃棄物の残部を乾溜して可燃性ガスを発生させるガス化炉と、該ガス化炉から導入される可燃性ガスを燃焼させる燃焼炉と、該燃焼炉からの排気を促進して該燃焼炉の内部を吸気することにより該ガス化炉から該燃焼炉へ可燃性ガスを誘引するガス誘引手段と、該ガス化炉へ酸素を供給する酸素供給手段と、該燃焼炉へ酸素を供給する酸素供給手段と、該ガス化炉へ供給する酸素量を制御することにより該ガス化炉での可燃性ガスの発生を制御する制御手段と、該燃焼炉へ供給する酸素量を制御することにより該燃焼炉での可燃性ガスの燃焼を制御する制御手段とを備え、前記燃焼炉は前記ガス化炉の上部に連続して形成され、前記ガス化炉と前記燃焼炉との内部は前記両炉の内径よりも小さい内径を有するガス通路により上下方向に連通されており、前記ガス化炉への前記酸素供給手段は、前記ガス化炉の底部から該炉内へ酸素を供給すると共に、前記ガス化炉の底部の前記ガス通路と対向する位置では、該炉内へ供給される酸素量が該底部のその他の位置から該炉内へ供給される酸素量よりも多いことを特徴とする
【0009】
本発明では、燃焼炉をガス化炉の上部に連続して形成し、該両炉の内部をガス通路を介して上下方向に連通させて、いわば縦型の乾溜ガス化焼却処理装置に形成した。これにより、燃焼炉のための横方向の設置スペースを不要として、設置スペースの小さい小型の乾溜ガス化焼却処理装置を提供できる。
【0013】
ガス誘引手段に誘引されてガス化炉から可燃性ガスがガス通路を介して出て行く流れが形成されるため、ガス化炉内で燃焼した廃棄物の残滓物、灰がガス通路へ向かって集まり、ガス化炉内の該ガス通路に対向する位置にそれらが堆積し、廃棄物の燃焼による灰化が遅れるおそれがある。しかし、本発明によれば、ガス化炉内の該ガス通路に対向する位置には、前記ガス化炉への酸素供給手段によりガス化炉の底部から炉内へ供給する酸素量が、該底部の他の位置から炉内へ供給される酸素量よりも多いので、ガス化炉内の該ガス通路に対向する位置の廃棄物の燃焼による灰化が促進される。従って、ガス化炉内の廃棄物の灰化の進行を略均一化して、燃え残りが生ずるのを防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の乾留ガス化焼却処理装置の実施の形態について、添付の図面を用いて更に詳しく説明する。本実施形態の装置は、廃棄物の焼却処理に伴うダイオキシン類対策も考慮したものとなっている。図1は本発明の乾溜ガス化焼却処理装置の一実施形態を示すシステム構成図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1の装置の燃焼炉付近の構成を示す断面図、図4は図3のIV−IV線断面図である。
【0017】
図1において、1は廃棄物を収納し、その乾溜・ガス化並びに燃焼・灰化を行わしめるガス化炉、2は廃棄物の乾溜により発生する可燃性ガスを燃焼させる燃焼炉、3はガス化炉1で発生する可燃性ガスを燃焼炉2へ誘引するガス誘引手段、4はガス化炉1に酸素(空気)を供給する酸素供給手段、5は燃焼炉2に酸素(空気)を供給する酸素供給手段である。
【0018】
略直方体状のガス化炉1の上部に、ガス化炉1より小径の直立した略円筒状の燃焼炉2が連続して形成されている。ガス化炉1と燃焼炉2との内部は、ガス通路6を介して上下方向に連通されている。ガス通路6の下端のガス入口7は、ガス化炉1の上部の中央部に開口し、ガス通路6の上端のガス出口8は、燃焼炉2の底部の中央部に開口している。
【0019】
ガス通路6の内径はガス化炉1及び燃焼炉2の内径よりも小さくなっており、ガス通路6の周囲の炉壁によってガス化炉1と燃焼炉2との各内部領域が分離されている。これにより、燃焼炉2における可燃性ガスの燃焼や、燃焼炉2の炉壁の蓄熱による輻射熱がガス化炉1に及ぶことが防止される。
【0020】
ガス化炉1の側壁部には、開閉自在な投入扉9を有する投入口10が形成され、投入口10から廃棄物をガス化炉1内に投入可能とされている。ガス化炉1の側壁部の下部には、開閉自在な灰出扉11を有する灰出口12が形成され、ガス化炉1内で廃棄物を燃焼させた後の灰を灰出口12から排出可能とされている。投入扉9及び灰出扉11を閉じた状態では、ガス化炉1の内部は実質的に外気と遮断されるようになっている。
【0021】
灰出扉11には、図示しない着火口が形成され、該着火口は図示しない着火扉により開閉自在となっている。該着火口に、図示しない着脱自在の着火装置を取り付けて、ガス化炉1の内部に向かって着火炎を発生させることにより、ガス化炉1の内部に収納された廃棄物が着火される。
【0022】
ガス化炉1の底部は、図1及び図2に示すように、略長方形の底板13の下側に、ガス化炉1の内部と隔離された底部空気室14が形成されている。底部空気室14は、底板13のほぼ全面に渡って略等間隔に設けられた複数の給気ノズル15を介してガス化炉1の内部に連通されている。また、灰出口12にも底部空気室14に連通する給気ノズル15が設けられており、灰出口12の廃棄物に酸素(空気)を供給して、灰出口12の廃棄物が乾溜・燃焼されずに残ることを防止している。なお、図2では灰出扉11は省略されている。
【0023】
図2に示すように、該複数の給気ノズル15のうち、ガス通路6に対向する位置である底板13の中央部に設けた複数(本実施例では4個)の給気ノズル15aは、その周辺の他の給気ノズル15bよりも大きな内径を有するように形成されている。これにより、ガス通路6に対向する位置にあるガス化炉1の底部の中央部では、炉内へ供給される酸素量(空気量)が該底部の周辺部から炉内へ供給される酸素量(空気量)よりも多くなるようになっている。なお、前記のように底板13の中央部に設けた複数の給気ノズル15aの内径を大きくする代わりに、底板13の中央部では、単位面積当たりの給気ノズル15の数を多くするようにしてもよい。
【0024】
ガス化炉1の上部の内面は、ガス通路6のガス入口7へ向かって上方へ傾斜する傾斜面16になっており、ガス化炉1内で発生した可燃性ガスをガス通路6へ円滑に案内するようにされている。
【0025】
ガス化炉1の上部には、ガス化炉1の内部の圧力が所定値を越えたときにガス化炉1から排気するための安全弁17が設けられている。ガス化炉1の側壁部の上端付近には、ガス化炉1の内部の圧力を計測するマノメータ18が設けられている。
【0026】
ガス化炉1の上部には、ガス化炉1の内部の温度を検知する第1温度センサ19が設けられている。また、燃焼炉2には、燃焼炉2の内部の燃焼温度を検知する第2温度センサ20が設けられている。
【0027】
燃焼炉2の底部の内面は、前記ガス通路6のガス出口8へ向かって下方に傾斜する傾斜面21となっている。
【0028】
燃焼炉2の上部の中央部には、燃焼炉2内で可燃性ガスが完全燃焼した後の排ガスを上方へ排出する排気口22が形成されている。該燃焼炉2の上部の内面は、該排気口22へ向かって上方へ傾斜する傾斜面23になっている。燃焼炉2の上端には、排気口22から排出された排ガスを大気中に排出する煙突24が接続されている。
【0029】
燃焼炉2の上部の排気口22付近には、ガス化炉1の外部に設けた送風機25から給気管27を介して供給される空気を、排気口22から煙突24内へ向かって上方へ吹き出す誘引ノズル28が設けられている。
【0030】
ガス誘引手段3は、前記の送風機25、給気管27、誘引ノズル28により構成され、送風機25から給気管27を介して供給される空気を誘引ノズル28を用いて排気口22から上方へ吹き出すことにより、排気口22から煙突24内を上方へ向かって排気される流れを促進して、燃焼炉2の内部を吸気する。これにより、ガス化炉1で発生した可燃性ガスが、ガス通路6を通って燃焼炉2内へ誘引されると共に、該可燃性ガスが更に燃焼炉2内を上昇して、排気口22から煙突24内へ排出される流れが形成される。
【0031】
なお、ガス誘引手段3によりガス化炉1から燃焼炉2へ可燃性ガスを強制的に誘引すると共に、前記ガス通路6の内径を前記ガス化炉1及び燃焼炉2の内径よりも小さく形成したので、可燃性ガスを発生させるガス化炉1の領域と、可燃性ガスを燃焼させる燃焼炉2の領域とが完全に分離され、可燃性ガスがガス化炉1内で燃焼することが防止される。
【0032】
図1及び図3に示すように、燃焼炉2の側壁部の一部には、燃焼炉2の内部と隔離された一次空気室29が形成されており、燃焼炉2内での燃焼熱により該一次空気室29内の空気が加熱されるようになっている。一次空気室29は、給気管26を介して、ガス化炉1の外部に設けた前記送風機25に接続されている。また、一次空気室29は、給気管30を介して、ガス化炉1の底部空気室14に接続されている。
【0033】
ガス化炉1への酸素供給手段4は、前記の送風機25、給気管26、一次空気室29、給気管30、底部空気室14、給気ノズル15により構成され、送風機25から供給される酸素(空気)を最終的には給気ノズル15を介してガス化炉1の底部から炉内へ供給する。
【0034】
前記の一次空気室29と底部空気室14とを接続する給気管30には開閉弁31が設けられ、該開閉弁31の開度は開閉弁制御器32により適宜、調節される。該開閉弁制御器32には、前記第1温度センサ19の検知信号及び前記第2温度センサ20の検知信号がそれぞれ入力される。開閉弁制御器32は、開閉弁31の開閉を駆動するモータ等の駆動部33と、該駆動部33の作動を制御するCPU等を含む制御部34とにより構成され、入力された第1温度センサ19の検知信号及び第2温度センサ20の検知信号に応じて、制御部34が駆動部33を作動させることにより、開閉弁31の開度を制御する。
【0035】
燃焼炉2の側壁部には、前記一次空気室29とは別個に、燃焼炉2の内部と隔離された二次空気室35が形成されている。二次空気室35は、燃焼炉2の底部の炉壁内に穿設された複数のノズル孔36を介して、ガス通路6の内部に連通されている。燃焼炉2内での燃焼熱により、該二次空気室35及びノズル孔36内の空気が加熱されるようになっている。二次空気室35は、給気管37を介して前記送風機25に接続されている。
【0036】
燃焼炉2に酸素を供給する酸素供給手段5は、前記の送風機25、給気管37、二次空気室35、ノズル孔36により構成され、送風機25から供給される酸素(空気)を最終的にはノズル孔36を介して燃焼炉2内へ供給する。
【0037】
なお、本実施例では、ダイオキシン類対策として、一次空気室29及び二次空気室35の内部の空気を加熱する際に燃焼炉2内の熱が吸収されても、排気口22付近の可燃性ガスの温度がダイオキシン類の発生を防止しうる温度以下に低下しないように、一次空気室29、二次空気室35は燃焼炉2の上部の排気口22から下方に離れた位置に設けられている。
【0038】
ノズル孔36は、図3及び図4に示すように、二次空気室35の下部から、ガス通路6のガス出口8付近へ向かって斜め下向きに、且つガス通路6の内周壁の略接線方向(略周方向)に向かって伸びており、ガス出口8付近でガス通路6内に開口している。ノズル孔36からガス通路6内に供給される酸素(空気)は、ガス通路6内に、斜め下向きに且つガス通路6の内周面に沿って回転する渦巻き状の酸素流を形成するように吹き出される。この斜め下向きの渦巻き状の酸素流が、ガス通路6内を上昇して燃焼炉2へ導入される可燃性ガスに対して吹き込まれる。このとき、上昇する該可燃性ガスは渦巻き状の酸素流により攪拌されることにより、酸素と急速に混合される。
【0039】
ここで、該渦巻き状の酸素流が水平方向に吹き出される場合には、ガス誘引手段3の誘引により可燃性ガスが燃焼炉2内を上昇して、燃焼炉の上部領域で燃焼し易い。そこで、本実施例では、前記の酸素流を可燃性ガスに対して斜め下向きに吹き出すようにした。これにより、上昇する該可燃性ガスが下向きの抵抗を受けて、一層強く攪拌されるので、可燃性ガスは燃焼炉2の下部領域から充分に混合されて完全燃焼する。
【0040】
一方、前記の渦巻き状の酸素流が斜め下向きに吹き出された場合に、この下向きの酸素流がガス化炉へ達すると、ガス化炉内で可燃性ガスが燃焼するおそれがある。そこで、上記を防止するため、本実施例では、かかる酸素流をガス通路内の燃焼炉への出口付近で吹き出すようにされている。
【0041】
上記の他、ノズル孔36を設ける位置、角度、口径、数等は、燃焼炉2やガス通路6の大きさ、可燃性ガスを燃焼炉2へ誘引する誘引手段3の能力、燃焼炉2に必要な酸素の供給量などを考慮して、可燃性ガスが燃焼炉2の下部領域から酸素と十分に混合されて完全燃焼し得るように決定される。
【0042】
前記の給気管37には開閉弁38が設けられており、該開閉弁38の開度は開閉弁制御器39により適宜、調節される。該開閉弁制御器39には、前記第2温度センサ20の検知信号が入力される。開閉弁制御器39は、開閉弁38を開閉駆動する駆動部40と、該駆動部40の作動を制御するCPU等とからなる制御部41とにより構成され、制御部41は第2温度センサ20の検知信号に応じて駆動部40を作動させることにより、開閉弁38の開度を制御する。
【0043】
燃焼炉2の側壁部の二次空気室35に隣接する位置には、バーナ42が設けられている。バーナ42には、給気管43を介して前記送風機25から酸素(空気)が供給される。バーナ42は、2つのバーナノズル44a,44bを備えており、該2つのバーナノズル44a,44bには、燃料供給管45を介して外部の燃料供給装置46から助燃油等の燃料が供給される。燃料供給装置46から供給される燃料をバーナ42で燃焼させることにより、燃焼炉2の下部で、ノズル孔36から吹き出される渦巻き状の酸素流と同じ向きに、燃焼炉2の内周面の略周方向に向けてバーナノズル44a,44bから燃焼炎を発生させる。
【0044】
バーナ42は、該2つのバーナノズル44a,44bの燃焼を制御するバーナ制御部47を備えており、該バーナ制御部47には前記第2温度センサ20の検知信号が入力される。バーナ制御部47は入力された第2温度センサ20の検知信号に応じて2つのバーナノズル44a,44bへの燃料供給量をそれぞれ制御し、各バーナノズル44a,44bの燃焼を適宜、行わしめるように制御している。
【0045】
次に、かかる乾留ガス化焼却処理装置の作動を説明する。
【0046】
図1の装置において、廃棄物を焼却処理する際には、まず、ガス化炉1の投入扉9を開き、投入口10から廃棄物をガス化炉1内に投入した後、投入扉9を閉じて、ガス化炉1内を密封状態とする。
【0047】
次に、送風機25を作動させ、給気管43を介してバーナ42へ酸素(空気)を供給すると共に、バーナ42を作動させて、燃料供給装置46から供給される燃料を2つのバーナノズル44a,44bにより燃焼させる。このバーナ42による燃料の燃焼により、燃焼炉2を予熱すると共に、燃焼炉2の側壁部に設けた一次空気室29内の酸素(空気)を予熱する。このとき、送風機25から供給される空気が給気管27を介して誘引ノズル28から吹き出されており、燃焼炉2の内部は適宜、吸気されている。なお、開閉弁31及び開閉弁38はいずれも閉じられている。
【0048】
次に、バーナ42の燃焼により、第2温度センサ20により検知される燃焼炉2の内部の温度が所定温度以上になると、第2温度センサ20の検知信号を入力された開閉弁制御器32は、開閉弁31を比較的小さな所定の開度で開く。これにより、一次空気室29内で予熱された比較的少量の酸素(空気)が給気管30、底部空気室14、給気ノズル15を介してガス化炉1内へ供給される。
【0049】
このとき、ガス化炉1の灰出扉11の図示しない着火口から、図示しない着火装置を用いてガス化炉1内へ着火炎を発生させ、ガス化炉1内に存在していた酸素と、給気ノズル15からガス化炉1内へ供給される比較的少量の酸素(空気)とを用いて、ガス化炉1内の廃棄物への着火を行う。燃焼炉2の一次空気室29内で予熱された酸素(空気)が、ガス化炉1の底部の給気ノズル15から炉内へ供給されるので、ガス化炉1内の廃棄物の下層部が円滑に着火され、廃棄物の一部が燃焼を開始する。廃棄物の部分的燃焼が開始されると、前記の着火装置は停止される。
【0050】
ガス化炉1への着火により、ガス化炉1内の廃棄物の下層部の部分的燃焼が開始されると、該下層部の燃焼熱によりその上層部の廃棄物の乾溜が開始され、該乾溜により可燃性ガスが発生する。ガス誘引手段3により燃焼炉2の内部が排気口22の方向へ吸気されていることにより、ガス化炉1内で発生した可燃性ガスは、ガス通路6を通って燃焼炉2の内部へ誘引される。
【0051】
一方、燃焼炉2における可燃性ガスの着火に先立ち、第2温度センサ20により検知される燃焼炉2の内部の温度が所定温度に達したとき、第2温度センサ20の検知信号を入力された開閉弁制御器39は、比較的少量の酸素(空気)を燃焼炉2へ供給するように開閉弁38を所定の開度で開く。これにより、ガス通路6内のガス出口8付近で、ノズル孔36から下向きの渦巻き状の酸素流がガス通路6内に吹き込まれる。
【0052】
このとき、後に詳述するように、ガス通路6を通って燃焼炉2に導入される可燃性ガスは、ノズル孔36から吹き出される下向きの渦巻き状の酸素流(空気流)により攪拌されて、燃焼炉2の下部領域において酸素(空気)と混合し、前記バーナ42の燃焼炎により着火される。これにより、燃焼炉2内の下部領域において可燃性ガスが燃焼を開始する。
【0053】
ガス化炉1の着火後、ガス化炉1における乾溜が進行して発生する可燃性ガスの量が増大し、そのため、燃焼炉2へ導入される可燃性ガスの量も増大して、燃焼炉2の内部の温度が上昇していく。
【0054】
燃焼炉2の内部の温度が上昇すると、第2温度センサ20からの検知信号に応じて、開閉弁制御器32は開閉弁31の開度を段階的に増加させていく。これにより、給気ノズル15から廃棄物の下層部が燃焼を継続するのに必要な程度の酸素(空気)が供給され、該廃棄物の下層部の燃焼が必要以上に拡大することなく、徐々に上層へ向かって安定して進行すると共に、該下層部の燃焼熱によりその上層部の廃棄物の乾溜も安定して進行する。
【0055】
ここで、本実施例では、前記のように、燃焼炉2の燃焼により燃焼炉2の側壁部に設けた一次空気室29内で加熱された酸素(空気)をガス化炉1内へ供給する。そのため、ガス化炉1における廃棄物の燃焼の進行が促進され、ガス化炉1での乾留による可燃性ガスの発生量が燃焼炉2内で可燃性ガスが自然燃焼しうる量に達するまでの立ち上げ時間が短縮される。
【0056】
燃焼炉2内の温度の上昇に伴い、バーナ42は、第2温度センサ20の検知信号に応じて、バーナ制御部47により2つのバーナノズル44a,44bへの燃料供給量を制御して、バーナ42の燃焼を段階的に弱めるように制御する。例えば、第2温度センサ20に検知される燃焼炉2内の温度が上昇するに従って、まず、バーナノズル44a,44bの一方のみについて燃料供給量の減少、更に燃焼停止を行い、続いて、他方について燃料供給量の減少、更に燃焼停止を行う。そして、第2温度センサ20に検知される燃焼炉2の内部の温度が所定温度以上になると、バーナ42による燃焼が停止され、可燃性ガスは継続的に自然燃焼することとなる。
【0057】
第2温度センサ20に検知される燃焼炉2の内部の温度が前記の所定温度になると、開閉弁制御器32は、第2温度センサ20により検知される燃焼炉2内の可燃性ガスの燃焼温度を該所定温度に略一定に維持するように、第2温度センサ20の検知信号に応じて、開閉弁31の開度を自動的に調整する。これにより、ガス化炉1の廃棄物の下層部の燃焼及びその上層部の乾溜が安定して進行し、可燃性ガスの発生量が略一定に維持される。
【0058】
一方、開閉弁制御器39は、第2温度センサ20により検知される燃焼炉2内の可燃性ガスの燃焼温度を前記所定温度に略一定に維持するように、第2温度センサの検知信号に応じて、開閉弁38の開度を自動的に調整する。これにより、ガス化炉1から燃焼炉2に導入される可燃性ガスに対して、その完全燃焼に必要な酸素量がノズル孔36から供給されて、可燃性ガスが前記所定温度に略一定に維持されて自然燃焼を継続する。本実施例においては、この所定温度を850℃以上に設定することにより、ダイオキシン類の発生を防止して可燃性ガスを完全燃焼させることができる。
【0059】
廃棄物の乾留が安定的に進行する段階においては、誘引ノズル28による排気の促進により燃焼炉2の内部が吸気されることにより、ガス化炉1において発生した可燃性ガスは、ガス通路6を通って円滑且つ安定に燃焼炉2へ導入される。このとき、ガス通路6のガス出口8付近に開口したノズル孔36から、ガス通路6内を上昇する可燃性ガスに対し、ガス通路6の内周壁に沿って回転する渦巻き状の酸素流が吹き出される。そのため、小径のガス通路6内を上昇する可燃性ガスは、前記の渦巻き状の酸素流により強く攪拌され、更にかかる酸素流の下向きの抵抗を受けながら、燃焼炉2内へ導入されるので、燃焼炉2の下部領域から急速に酸素との混合が促進され、完全燃焼が行われる。
【0060】
このように、可燃性ガスを燃焼炉の2の下部領域から効率よく完全燃焼させることができるので、燃焼炉2を比較的小型にしても、可燃性ガスが燃焼炉2の上部の排気口22から排出されるまでに、ダイオキシン類の発生防止に充分な燃焼滞留時間を得ることが可能となる。また、燃焼領域が上部に移動するのを防止して、誘引ノズル28から吹き出される酸素により排気口22の外部で可燃性ガスが燃焼したり、煙突24から火柱が出たりすることを防止できる。
【0061】
また、ガス通路6内へ、ノズル孔36から下向きに酸素(空気)が吹き込まれるので、その酸素流(空気流)の抵抗により、ガス化炉1内の廃棄物が燃焼した後の灰がガス通路6を通って燃焼炉2内へ飛散することが抑制される。
【0062】
なお、燃焼炉2の底部の内面がガス出口8へ向かって下方へ傾斜する傾斜面21になっているので、燃焼炉2の内部は、ガス通路6のガス出口8から燃焼炉2の底部の内面が次第に拡開するように形成されている。そのため、可燃性ガスがガス通路6から燃焼炉2へ導入される際に、燃焼炉2の底部の隅で可燃性ガスが乱流を起こして燃焼が不安定になることがないので、燃焼炉2内の下部領域で可燃性ガスを安定して燃焼させることができる。
【0063】
ところで、本実施例では、燃焼炉2の上部に設けた誘引ノズル28によって排気口22から煙突24内へ空気流を吹き出すことにより、燃焼炉2の排気口22からの排気が促進され、燃焼炉2の内部が排気口22から外部へ向かって吸気されている。そして、ガス化炉1で発生した可燃性ガスがガス通路6を通って燃焼炉2内へ誘引されるのに伴い、ガス化炉1内はガス通路6のガス入口7の開口する中央部が負圧になり、周辺部が正圧になるので、ガス化炉1内の中央部には、廃棄物が燃焼した後の残滓物、灰が集まるようになる。そのため、ガス化炉中央部で燃焼、灰化が遅れるおそれがある。
【0064】
そこで、本実施例では、ガス化炉1の底部の底板13に形成した複数の給気ノズル15は、底板13の中央部に設けた複数の給気ノズル15aの内径が、周辺部の他の複数の給気ノズル15bの内径よりも大きく形成されている。これにより、ガス化炉の底部の周辺部の給気ノズル15bから供給される酸素量よりも、底部の中央部の給気ノズル15aから供給される酸素量が多くなっている。従って、ガス化炉中央部における燃焼、灰化が促進され、ガス化炉における廃棄物の燃焼、灰化が均一化して、燃え残りが生ずるのが防止される。
【0065】
以上のように、本実施例では、ガス化炉1の上部に連続して燃焼炉2を形成して、燃焼炉2を設けるための横方向の設置スペースを実質的に不要にすると共に、廃棄物の焼却処理を効率良く行うことのできる小型の乾溜ガス化焼却処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾留ガス化焼却処理装置の一例の説明的構成図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1の装置の燃焼炉付近の構成を示す断面図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【符号の説明】
1・・ガス化炉、 2・・燃焼炉、 3・・ガス誘引手段、 4・・ガス化炉への酸素供給手段、 5・・燃焼炉への酸素供給手段、 6・・ガス通路、
15,15a,15b・・給気ノズル、 22・・排気口、 34・・開閉弁制御器、 36・・ノズル孔、 39・・開閉弁制御器
Claims (1)
- 収納した廃棄物の一部を燃焼させつつ該燃焼熱により該廃棄物の残部を乾溜して可燃性ガスを発生させるガス化炉と、該ガス化炉から導入される可燃性ガスを燃焼させる燃焼炉と、該燃焼炉からの排気を促進して該燃焼炉の内部を吸気することにより該ガス化炉から該燃焼炉へ可燃性ガスを誘引するガス誘引手段と、該ガス化炉へ酸素を供給する酸素供給手段と、該燃焼炉へ酸素を供給する酸素供給手段と、該ガス化炉へ供給する酸素量を制御することにより該ガス化炉での可燃性ガスの発生を制御する制御手段と、該燃焼炉へ供給する酸素量を制御することにより該燃焼炉での可燃性ガスの燃焼を制御する制御手段とを備え、
前記燃焼炉は前記ガス化炉の上部に連続して形成され、前記ガス化炉と前記燃焼炉との内部は前記両炉の内径よりも小さい内径を有するガス通路により上下方向に連通されており、
前記ガス化炉への前記酸素供給手段は、前記ガス化炉の底部から該炉内へ酸素を供給すると共に、前記ガス化炉の底部の前記ガス通路と対向する位置では、該炉内へ供給される酸素量が該底部のその他の位置から該炉内へ供給される酸素量よりも多いことを特徴とする廃棄物の乾溜ガス化焼却処理装置。
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