JP3551335B2 - 無端ゴムベルトの加硫装置と加硫方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、平べルトやローエッジベルトやVベルトなどの多品種に及ぶ無端のゴムベルトを少量生産しかつ自動化を図るのに好適な加硫装置と、その加硫装置を用いた加硫方法に関するもので、とくに歯付きベルトの加硫に最適な加硫装置とその加硫方法にも関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の加硫装置の1つに、“ロートキュア”と称される次のような構造の装置がある。すなわち、図7に示すように、一定の間隔をあけて配設された円筒状金型(加硫ドラムともいう)62と伸長プーリ60との間に無端のゴムベルト成形体Cを掛け渡し、金型62を挟むように配設された一対のガイドロール63とその中間軸線上に配設されたテンションロール65とに無端の加圧バンド61を巻き掛け、テンションロール65にシリンダ69を介して引張力を与え、金型32の周面のゴムベルト成形体Cを加圧バンド61で押圧して加圧し、金型62の内部熱源で周面を加熱しながら金型62を回転させる構造である。なお、先行技術文献に特開昭59−68222号公報があるが、同公報にも図7と同種の構造の加硫装置が記載されている。
【0003】
しかしながら、上記のロートキュアタイプの加硫装置では、後述するような問題点があるので、通常は、図8に示す加硫装置を用いた下記の加硫方法により未加硫のゴムベルトを加硫している。すなわち、円筒状の金型70の外周面に、未加硫ゴムシート、コード、帆布などからなるゴムベルト素材を巻き付けて成形したのち、そのゴムベルト成形体Cの周囲にゴムスリーブ71を被装する。そして、金型70をジャッキ(図示せず)等で吊り上げて加硫釜72内に挿入し、蓋72aを閉めた後、蒸気を加硫釜72内に導入して加圧・加熱することにより、加硫している。
【0004】
そのほか、本出願人が提案している加硫装置がある。この装置は、図9に示すように、装置80の中心部に周囲に歯型82aを設けた金型82が配置され、その両側において金型82を挟んで一対のガイドロール83、83が配置され、また金型82の中心軸線上で金型82側から加圧ロール84およびテンションロール85が順に、それぞれ相対向して配置されている。そして、ガイドロール83、83およびテンションロール85に一連に加圧バンド81が掛けられている。なお、各ロール83〜85は軸受を介して回転自在に支持されている。各ガイドロール83および加圧ロール84は、金型82に対し接離可能に、またテンションロール85は金型82の中心軸線上で移動自在にそれぞれ配設されている。加圧ロール84はガイド部材を介して金型82の中心軸線上で移動するが、その移動は装置80の支持部材に固定された油圧シリンダ87のピストンロッド87aの伸縮動によって行われる。また、テンションロール85もガイド部材を介して移動するが、その移動も装置本体81の支持部材に固定された油圧シリンダ89のピストンロッド89aの伸縮動によって行われる。この加硫装置は、特開平5−42615号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のロートキュアタイプの加硫装置(図7)では、次のような解決すべき課題がある。
【0006】
▲1▼ それぞれ軸支されている金型62と伸長プーリ60とに対し、無端のゴムベルト成形体Cを掛けたり取り外したりするので、作業が煩雑で手間がかかる。
【0007】
▲2▼ 金型62には、加圧バンド61による一方向からの押圧力しか作用しないので、金型62を軸支するための支持装置を大きな軸荷重に耐えられるように大型化する必要がある。
【0008】
▲3▼ 図7からも明らかなように、未加硫のゴムベルト成形体Cにおいてその一部分ずつしか加熱・加圧(加硫)されないので、加硫時間が長くかかるうえに、ゴムベルト成形体Cに対する加圧が不十分で空気が完全には抜け切れず、ゴムベルト成形体Cの内部構成部材間で剥離したりピンホールが発生したりして製品不良が生じ易い。
【0009】
▲4▼ 金型62と伸長プーリ60との2軸に無端のゴムベルト成形体Cを掛け渡して加硫作業を行うので、小サイズのゴムベルト成形体は加硫できない。
【0010】
▲5▼ 無端のゴムベルト成形体Cの着脱作業を容易にするため、金型62は片持ち支持(軸支)されることが多いが、金型32が片持ち支持の場合、金型62が加圧バンド61で一方向へ押圧されて軸方向に撓むので、ゴムベルト成形体Cに対する加圧が不均一になる。
【0011】
また、図8に示す加硫装置を用いた従来の加硫方法では、次のような解決すべき課題がある。
【0012】
▲1▼ 加硫釜72内への金型70の搬入と加硫釜72からの金型70の搬出に、作業者の手作業による部分が多く、自動化が困難であり、また人手不足の折りから労働力の確保が難しい。
【0013】
▲2▼ 1台の加硫釜72で加硫工程の全てを行うので、作業がバッチ方式となって、加硫時間が長くかかり、生産効率が悪い。
【0014】
さらに、図9に示す加硫装置では、次のような解決すべき課題がある。
【0015】
▲1▼ 一対のガイドロール83、83、加圧ロール84およびテンションロール85がそれぞれガイド部材を介して移動できるように構成されているため、構造が複雑で操作も複雑である。
【0016】
▲2▼ 加圧ロール84用の油圧シリンダとテンションロール85用の油圧シリンダとの2つの油圧装置が必要で、構造が複雑なうえに、油圧装置の操作も複雑になる。
【0017】
この発明は上述の点に鑑みなされたもので、無端のゴムベルト成形体の着脱作業が容易であり、多品種に及ぶ無端のゴムベルトを少量生産するのに好適で、製造工程の自動化が容易に図れ、構造が簡単で小型化が図れ、大サイズだけでなく小サイズのゴムベルト成形体についても連続的な加硫が可能な加硫装置と同加硫方法とを提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
1)上記の目的を達成するために本発明の加硫装置は、a)搬送機構上に搬送ベースを介して回転自在に載置され、未加硫のゴムベルト素材を巻き付けて成形するための円筒状金型と、この金型を中心に相対向して配設され、その周面の相対向する部位を円弧状に取り巻いて押圧可能な一対の無端の加圧バンドとを備えた無端ゴムベルトの加硫装置において、b)前記金型を挟むように相対向する一対の枠体を、それぞれ前記金型に対して進退自在に配設するとともに、前記各枠体を前後進させる駆動装置を配備し、b)前記各枠体の、平面より見て中心部付近に加圧ロールを回転自在に軸支するとともに、前記各枠体の前端部両側にガイドロールをそれぞれ回転自在に軸支し、前記加圧ロールおよび両側の前記ガイドロールに無端の加圧バンドを掛け渡し、前記加圧ロールと前記ガイドロールとの間に位置する部分の加圧バンドを押圧可能なテンションロールを進退自在に設け、c)前記枠体間の前記金型を前記搬送機構上から上昇させ、かつ金型の下端開口に接続される回転可能な下部ノズルを備えた昇降装置を、前記搬送機構の下方に配備するとともに、前記金型を上昇させた際に該金型の上端開口に接続可能かつ回転可能な上部ノズルを設け、d)前記金型内に蒸気を注入して金型周面を内部から加熱するとともに、金型に対し各加圧バンドを相対向して押圧し、かつ、各加圧バンド上から各加圧ロールによってゴムベルト成形体を加圧した状態で、各加圧バンドをそれぞれ同期させて所定方向に回転させることにより、前記金型を回転して金型上の前記ゴムベルト素材からなる未加硫ゴムベルト成形体を連続的に加硫している。
【0019】
上記の構成を有する本発明の加硫装置によれば、未加硫のゴムベルト素材を周面に巻き付けて成形した前記金型を回転自在に支持し、金型に対し相対向する枠体を駆動装置を介して接近させ、金型上のゴムベルト成形体の相対向する部位に加圧バンドを円弧状に押し当てるとともに、加圧バンド上から加圧ロールによりゴムベルト成形体を加圧する。この状態で、蒸気を加硫ドラムの内部に導入することによってゴムベルト成形体を加熱し、同時に各加圧ロールを同期させて所定方向に回転させる。これにより加圧バンドも加圧ロールと共に回転し、金型上のゴムベルト成形体は、金型と共に回転して次第に加硫され、金型が1〜数回転することにより加硫される。金型には、一対の加圧ロールおよび一対の加圧バンドによる相対向する方向からの加圧力(負荷)が作用するので、金型の軸方向に沿った荷重の偏りがなく、その支持部には負荷がほとんどかからない。また金型上のゴムベルト成形体は、その内部から全体に均一に加熱されると共に、ゴムベルト成形体の大部分が加圧バンドで取り巻かれて加圧されるので、ゴムベルト成形体の加硫が全体にわたり均等に行われる。
【0020】
また、金型に対する加圧バンドおよび加圧ロールなどの圧接操作は、枠体全体を駆動装置により加圧バンドおよび加圧バンドを介して加圧ロールが金型に圧接されるまで前進させるだけであるから、操作(制御)が簡単かつ単純で、操作ミスがなく、しかも加圧ロールやガイドロールが枠体の定位置に固定され、移動しないから、耐久性に富み、長期間安定した加硫作業が期待できる。
【0021】
2)他の加硫方法に、A)円筒状金型の外周面に、未加硫のゴムシート、コード、帆布などからなるゴムベルト素材を巻き付けて成形した後、そのゴムベルト成形体を加硫する方法において、B)前記金型上のゴムベルト成形体に対し相対向する圧着ロールを押し付けて前記金型を該圧着ロールと共に回転させるとともに、前記金型の内部を加熱して該金型上のゴムベルト成形体を予熱・圧着する予熱形出し工程と、C)円弧状に取り巻き可能な一対の対向する無端の加圧バンドを加圧ロールとともに押し付けて該加圧バンドを回転することにより金型を回転させ、同時に金型の内部を加熱して前記金型上のゴムベルト成形体を圧着・形出しすると同時に部分的に加硫する形出し加硫工程と、D)前記金型上のゴムベルト成形体の周囲を円筒状の外圧容器により取り囲み、該外圧容器内に圧縮空気を注入して前記ゴムベルト成形体を外周側から加圧し、同時に金型の内部を加熱して前記金型上のゴムベルト成形体を完全に加硫する加硫工程とからなるものがある。
【0022】
上記の構成を有する他の加硫方法によれば、ゴムベルト素材が周囲に巻き付けられて成形された金型上のゴムベルト成形体が、まず一対の圧着ロールにより加圧され、同時に金型内から加熱されることにより予熱され、ゴムベルト成形体中のゴムの粘度が下がり、流動性が向上して、形出しに最適な状態になって圧着される。この後、金型は次の工程へ搬送され、そこで、一対の加圧バンドおよび加圧バンド上の加圧ロールによりゴムベルト成形体が加圧され、同時に金型内から加熱されることにより、製品としての形出し作業が行われ、ゴムベルト成形体の形状が100%形出しされるとともに、ゴムベルト成形体の各構成部材(帆布やコードなど)の未加硫ゴム部が5〜20%加硫され、ゴムベルト成形体の各構成部材(帆布やコードなど)が一体に接合化される。
【0023】
さらに、金型は次の工程へ搬送され、外圧容器内に注入された圧縮空気によりゴムベルト成形体が加圧され、ゴムベルト成形体の発泡が阻止され、同時に金型内から加熱されることにより、ゴムベルト成形体の各構成部材(帆布やコードなど)の未加硫ゴムが100%加硫され、ゴムベルト成形体の各構成部材(帆布やコードなど)が複合化される。なお、このようにして加硫作業が完全に終了すると、金型は次の工程に搬送され、そこで冷却されることになる。
【0024】
3)上記の他の加硫方法において、F)前記ゴムベルト成形体を予熱・圧着する(予熱形出工程の)際に前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を100〜125℃に加熱するとともに、前記圧着ロールにより10〜40kg/cm2の圧力で加圧し、前記ゴムベルト成形体を圧着・形出しする(形出し加硫工程の)際に前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を110〜135℃に加熱するとともに、前記加圧バンドにより2〜6kg/cm2の圧力でかつ前記加圧ロールにより45〜60kg/cm2の圧力でそれぞれ加圧し、前記ゴムベルト成形体を完全に加硫する(加硫工程の)際に前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を150〜170℃に加熱するとともに、前記圧縮空気により3〜6kg/cm2の圧力で加圧することが好ましい。
【0025】
4)本発明の請求項2に係る加硫方法は、A)円筒状金型の外周面に、未加硫のゴムシート、コード、帆布などからなるゴムベルト素材を巻き付けて成形した後、そのゴムベルト成形体を加硫する方法において、B')前記金型上のゴムベルト成形体に対し相対向する圧着ロールを押し付けて前記金型を該圧着ロールと共に回転させるとともに、前記金型の内部を加熱して該金型上のゴムベルト成形体を予熱するとともにその形状を部分的に形出しする予熱形出し工程と、C')円弧状に取り巻き可能な一対の対向する無端の加圧バンドを加圧ロールとともに押し付けて該加圧バンドを回転することにより金型を回転させ、同時に金型の内部を加熱して前記金型上のゴムベルト成形体の形状を完全に出すと同時に部分的に加硫する形出し加硫工程と、D')前記金型上のゴムベルト成形体の周囲を円筒状の外圧容器により取り囲み、該外圧容器内に圧縮空気を注入して前記ゴムベルト成形体を外周側から加圧し、同時に金型の内部を加熱して前記金型上のゴムベルト成形体を概ね加硫する加硫工程1と、E)前記金型上のゴムベルト成形体の周囲を円筒状の保温カバーにより取り囲み、前記金型の内部を加熱して前記金型上のゴムベルト成形体を完全に加硫する加硫工程2とからなることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る加硫方法はとくに周面に歯型を設けた金型を用いて歯付ベルトを形成する場合に好適な加硫方法で、上記B’)の工程で該金型上のゴムベルト成形体が予熱され、ゴムベルト成形体中のゴムの粘度が下がり、流動性が向上して、形出しに最適な状態になるとともにその形状の20〜30%が形出しされ、上記C’)の工程で金型上のゴムベルト成形体の形状が100%形出しされると同時に35〜40%が加硫され、上記D’)の工程では金型上のゴムベルト成形体が70〜80%加硫され、上記E)の工程で無加圧で加熱されてゴムベルト成形体が100%加硫される。
【0027】
5)請求項3記載のように、上記請求項2に係る加硫方法において、F')前記予熱形出し工程では前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を100〜110℃に加熱するとともに、前記圧着ロールにより10〜20kg/cm2の圧力で加圧し、前記形出し加硫工程では前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を130〜145℃に加熱するとともに、前記加圧バンドにより3〜6kg/cm2の圧力でかつ前記加圧ロールにより45〜60kg/cm2の圧力でそれぞれ加圧し、前記加硫工程1では前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を150〜170℃に加熱するとともに、前記圧縮空気により3〜6kg/cm2の圧力で加圧し、前記加硫工程2では前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を160〜175℃に加熱することが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る加硫装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は本実施形態にかかる加硫装置の概要を示す平面図で、図1(a)は加硫作業前を、図1(b)は加硫作業状態を示す。図2(a)および図2(b)は図1(a)のII−II線断面図で、図2(a)は金型の搬送作業状態、図2(b)は加硫作業前の状態を示す。図3(a)は加硫時の図1の加硫装置の上部を示す断面図、図3(b)は加硫時の図1の加硫装置の下部を示す断面図である。図4は図1(b)のIV−IV線断面図で加硫状態を示す。
【0030】
図1に示すように、加硫装置1の中心部の金型2の停止位置を挟んで、その両側に一対の枠体3が相対向する方向に摺動自在に配置されている。各枠体3は、図2に示すように金型2側を開放した断面“コ”の字形で、この枠体3の平面より見てほぼ中央部に、金型2に比べて外径がほとんど変わらない程度の大径の加圧ロールとしてのエンボスロール4が図4のように軸受30を介して回動自在に軸支され、このエンボスロール4は、図4のように枠体3の上面にブラケット31を介して設置された駆動モータ32に、歯車機構(図示せず)等で接続されている。
【0031】
また、各枠体3の前端部における、金型2の両側のエンボスロール4の回転中心点を結ぶ中心横線Sを挟んで対称位置に、ガイドロール5・5が軸受(図示せず)を介して回動自在に軸支されている。さらに、金型2の胴部高さとほぼ同じ幅を持つ無端の加圧バンド6が、エンボスロール4およびガイドロール5・5に一連に掛け渡されている。本例では、エンボスロール4と一方のガイドロール5間に位置する加圧バンド6に対し、テンションロール7が進退自在に押し当てられている。テンションロール7は枠体3上に配設された油圧シリンダ8のピストンロッド8aの先端部に縦向きに回動自在に支持され、加圧バンド6が常に一定の張力を保つようにテンションロール7で押されている。そして、金型2のサイズが変わると、図1(b)のように金型2’に加圧バンド6が接触するまで枠体3が相互に前進するとともに、油圧シリンダ8によりテンションロール7の押し位置が調整され、加圧バンド6に所定の張力が付与される。なお、加圧バンド6には、平ゴムバンドやスチールバンドなどが用いられるが、金型2のサイズ(外径)が小さいときには、可撓性に優れた平ゴムバンドが好適である。
【0032】
図3に示すように、金型2は上下両面の中央部に上方および下方に突出する蒸気の出入口2a・2bを備え、歯付ベルト用の金型2では、その周面に縦向きの歯型が円周方向に等間隔に形成されている。図3(b)のように金型2は平面視正方形の搬送ベース10の中央開口部10a内に蒸気出口2bを嵌入し、金型2は搬送ベース10上に回動自在に支持されている。中央開口部10a内には軸受11aを介して支持筒11が回動自在に配装され、この支持筒11内の上部に蒸気出口2bが嵌着されている。また、支持筒11内の下部には蒸気出口2bに接続可能な下部ノズル12が嵌挿可能で、この下部ノズル12は、油圧シリンダ13で昇降する昇降台14の中央開口部14a内に軸受14bを介し回動自在に装着されている。さらに、下部ノズル12には下向きに蒸気排出管15が接続され、この蒸気排出管15の下端にはロータリジョイント15aが接続され、ロータリージョイント15aの下端には蒸気排出用ホース16が接続されている。
【0033】
図2に示すように、下部ノズル12を挟んで一定の間隔をあけてその両側に搬送機構17が設置され、この搬送機構17は両側の無端歯付搬送ベルト17aを歯付プーリ17bで連動して回転させることにより、搬送ベルト17a上に載置した搬送ベース10を搬送する構造からなっている。また搬送機構17および下部ノズル12が設置される箇所は凹状に一段低く形成され、その両側の平坦な台座18上に、前記枠体3が摺動部材18aを介して摺動自在に載置されている。台座18の外側端部には、枠体3の前後進駆動装置としての油圧シリンダ19がブラケット19bを介して取り付けられ、油圧シリンダ19のピストンロッド19a先端が枠体3に接続されている。
【0034】
図3(a)に示すように、金型2の蒸気入口2aに接続可能な上部ノズル20が、圧縮スプリング21を介して下向きに付勢されて定位置に配置されている。上部ノズル20および圧縮スプリング21は、下部ノズル12の上方に設置された支持フレーム22の中央開口部22a内に軸受23aを介して回動自在に配装された支持筒23から下向けに支持されている。また支持筒23の下端には、金型2の上面が当接可能なフランジ24が一体に連設されている。上部ノズル20には上向きに蒸気導入管25が接続され、この蒸気導入管25の上端にロータリージョイント25aが接続され、ロータリージョイント25aの上端に蒸気導入用ホース26が接続されている。
【0035】
次に、上記の構成からなる加硫装置1を一部に備えたベルト製造装置および同製造装置を用いた無端ベルトの製造方法(加硫方法を含む)について説明する。
図5は平ベルトの製造工程を順に示す説明図で、図5(a)は成形工程の平面図、図5(b)は予熱圧着工程の平面図、図5(c)は圧着形出し工程の平面図、図5(d)は加硫工程の中央縦断面図、図5(e)は冷却工程の中央縦断面図、図5(f)は幅カット工程の斜視図である。
【0036】
▲1▼ 成形工程:図5(a)に示すように、成形機に金型2を横向きに取り付けて回転させながら、接着処理した帆布Aを巻き付けたのち、帆布A上にポリエステル繊維、ガラス繊維又はアラミド繊維などの心線Bを螺旋状に巻き付け、その上からさらに未加硫ゴムシートや繊維入り未加硫ゴムシートを巻き付ける。このようして、10〜15分程度で成形作業が終了すると、金型2を垂直に立てて搬送機構17(図2参照)等により次の工程に搬送する。
【0037】
2.予熱形出し工程:図5(b)に示すように、金型2を定位置に固定した状態で2個〜4個の圧着ロール35を相対向して接近させ、金型2上の未加硫ゴムベルト成形体Cに対し10〜40kg/cm2のロール圧力で圧着する。同時に、金型2の蒸気入口2aから蒸気を導入し、蒸気排出口2bから排出することにより、金型2の内部から未加硫ゴムベルト成形体Cを100〜125℃に加熱する。この間は5〜7分を要する。そして、金型2を搬送機構17(図2参照)等により次の工程に搬送する。
【0038】
3.形出し加硫工程:図2に示すように、搬送ベルト17aを停止して金型2を所定位置に停止させた状態で、油圧シリンダ13により金型2を上方へ持ち上げ、金型2の上面をフランジ24に当接させて蒸気入口2aを上部ノズル20に接続し、下部ノズル12は蒸気出口2bに接続して蒸気を金型2内に流通させ、金型2上のゴムベルト成形体Cを110〜135℃に加熱する。同時に、図5(c)に示すように、加硫装置1により金型2上の未加硫ゴムベルト成形体Cに対し、相対向する枠体3を相互に接近して加圧バンド6により2〜6kg/cm2のバンド圧力で、バンド6上からエンボスロール4により45〜60kg/cm2のロール圧力で圧着し、ベルト製品の形状を100%形出しさせる。この間は8〜15分を要し、未加硫ゴムベルト成形体Cは5〜20%加硫される。そして、金型2を搬送機構17により次の工程に搬送する。
【0039】
4.加硫工程1:図5(d)に示すように、ここで使用される加硫装置39は、図2・図3で示される金型2内に蒸気を流通させるための上部ノズル12、下部ノズル20などのほか、上端中央部に開口40aを有する下端を開口した円筒状の外圧容器40が使用される。外圧容器40は昇降装置(図示せず)により金型2の上方から吊り下げられ、搬送ベース10上に載置固定される。そして外圧容器40の側周面40bに設けられた圧縮空気導入口41から圧縮空気が導入され、金型2上のゴムベルト成形体Cを3〜6kg/cm2の圧力で加圧する。同時に金型2の内部を流通する蒸気により、ゴムベルト成形体Cを150〜170℃に加熱する。この間は15〜20分を要し、ゴムベルト成形体Cは発泡が抑えられて100%加硫される。なお、圧縮空気は常温のものより、150〜170℃の高温の乾燥した圧縮空気が望ましい。そして、金型2を搬送機構17(図2参照)等により次の工程に搬送する。
【0040】
▲5▼ 冷却形抜き工程:図5(e)に示すように、金型2の内部に冷却水を流通させて、金型2上のゴムベルト成形体Cを40℃以下まで冷却する。そして、公知の形抜き装置(図示せず)を用いて、金型2の周囲から加硫済みゴムベルト成形体(スラブともいう)C’を形抜きする。この間、5〜10分を要する。
【0041】
▲6▼ 幅カット工程:図5(f)に示すように、丸刃(カッター)51により、製品としてのベルト幅ごとにスラブC’を輪切りし、無端の平ベルトDを製造するが、このカット作業は5〜7分である。なお、この工程において、スラブC’の円周方向に沿って溝加工したり、任意の幅、角度で輪切りしたりできる。
【0042】
次に、同様に上記の構成からなる加硫装置1を一部に備えた他の実施形態にかかるベルト製造装置および同製造装置を用いた無端の歯付ベルトの製造方法(加硫方法を含む)について説明する。
【0043】
図6は歯付ベルトの製造工程を順に示す説明図で、図6(a)は成形工程の平面図、図6(b)は予熱形出し工程の平面図、図6(c)は形出し加硫工程の平面図、図6(d)は加硫工程▲1▼の中央縦断面図、図6(e)は加硫工程▲2▼の中央縦断面図で、この後に上記製造工程(図5)の冷却工程(図5(e))および幅カット工程(図5(f))が続くが、それらの工程は図示を省略している。
【0044】
上記の製造方法(図5)と相違するところは、下記の点である。すなわち、1) 成形工程:図6(a)に示すように、金型2には周面に縦方向の歯型(図示を省略)を形成したものを使用する。金型2に一端を開口した筒状のウーリーナイロン製帆布A’を被せたのち、ガラス繊維又はアラミド繊維の心線Bを螺旋状に巻付け、未加硫ゴムシートを巻付ける。
【0045】
2) 予熱形出し工程:図6(b)に示すように、圧着ロール35を相対向して接近させて金型2上の未加硫ゴムベルト成形体Cに対し10〜20kg/cm2のロール圧力で圧着し、同時に金型2の蒸気入口2aから蒸気を導入し、蒸気排出口2bから排出することにより、金型2の内部から未加硫ゴムベルト成形体Cを100〜110℃に加熱する。そしてベルトの歯型形状など20〜30%形出しする。
【0046】
3) 形出し加硫工程:図6(c)に示すように、金型2内に流通させた蒸気により未加硫ゴムベルト成形体Cを130〜145℃に加熱し、加圧バンド6により3〜6kg/cm2のバンド圧力で、バンド6上からエンボスロール4により45〜60kg/cm2のロール圧力で圧着し、ベルト製品の形状を100%形出しさせ、また35〜40%加硫する。
【0047】
4) 加硫工程▲1▼:図6(d)に示すように、上記製造方法で使用したものと同一の加硫装置39により、外圧容器40内の金型2上のゴムベルト成形体Cを乾燥圧縮空気により3〜6kg/cm2の圧力で加圧し、同時に金型2の内部を流通する蒸気によりゴムベルト成形体Cを150〜170℃に加熱することによって、ゴムベルト成形体Cの発泡を抑えながら、加硫を70〜80%まで進行する。
【0048】
5) 加硫工程▲2▼:図6(e)に示すように、金型2の周囲に下端を開口した円筒状の保温カバー45を被せて金型2上のゴムベルト成形体Cを取り囲み、金型2内に蒸気を流通させてゴムベルト成形体Cを160〜175℃に加熱し、100%加硫する。この加硫工程では、ゴムベルト成形体Cが発泡するおそれがないため、とくにゴムベルト成形体Cを加圧する必要がなく、したがって放熱を防ぐ保温カバー45だけを用いて、加熱するだけで十分である。なお、この工程のあとに、冷却形抜き工程(図5(e))および幅カット工程(図5(f))が行われる。
【0049】
6) 本実施形態にかかる製造方法の場合、各工程に必要な作業時間を5〜7分程度に短縮して統一することが可能なため、1工程当たりの加硫時間が従来の方法に比べて大幅に短縮され、この結果、全ての工程を含めて加硫作業を連続的に行えるので、ゴムベルトの生産効率が向上してコストダウンが容易になる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明の加硫装置および加硫方法には次のような効果がある。
【0051】
(1) 本発明の加硫装置は、多品種に及ぶ無端のゴムベルトを少量生産するのに好適で、製造工程の自動化が容易に図れ、構造が簡単で小型化が図れる。また金型に対する加圧バンドおよび圧着ロールなどの操作(制御)が簡単かつ単純で、操作ミスが起こらず、しかも圧着ロールやガイドロールが枠体の定位置に固定され、移動しないから、耐久性に富み、加硫作業を長期間安定して行ない得る。
【0052】
(2) また、無端のゴムベルト成形体を交換する際に金型ごと交換できるので、ゴムベルト成形体を2軸間に張り渡して取り付ける従来の装置に比べてゴムベルト成形体の着脱作業が容易である。また、金型上の未加硫のゴムベルト成形体を加圧するための加圧バンドおよび圧着ロールを相対向させて設けたので、金型に対する偏荷重がなく、その支持用軸径を小さくできて、容易に小型化が図れる。さらに、ゴムベルト成形体を金型の外周面に装着するようにしたので、小サイズのゴムベルト成形体の加硫が可能になる。そのうえ、金型上のゴムベルト成形体は、その内部から全体に均一に加熱するとともに、ゴムベルト成形体の大部分が加圧バンドで取り巻いて加圧するようにしたので、ゴムベルト成形体の加硫が均等に且つ効率よく行われ、品質の高いゴムベルトが得られる。
【0053】
(3) 本発明の請求項2に係る加硫方法は、加硫作業の自動化が図れるので、作業者の負担を軽減でき、また作業人数を大幅に減らすことができる。とくに、外圧容器内に注入した圧縮空気によりゴムベルト成形体を加圧することにより、ゴムベルト成形体の発泡を阻止してゴムベルト成形体の未加硫ゴムを完全に加硫することができ、ゴムベルト成形体の各構成部材(帆布やコードなど)を複合化できる。
【0054】
(4) 請求項3記載の加硫方法は、一層確実に請求項2記載の加硫方法を実施できる。
【0055】
(5) 本発明の請求項4に係る加硫方法は、とくに周面に歯型を設けた金型を用いて歯付ベルトを形成する場合に好適であり、また製造全体にわたる各工程に要する作業時間を短縮して統一できるので、加硫前の成形工程や加硫後の冷却工程の作業時間に、分割した1工程の作業時間を合わせることが可能になり、前後の工程を含めて加硫作業を連続的に行えるから、ゴムベルトの生産効率が向上し、コストダウンを容易に達成できる。
【0056】
(6) 請求項5記載の加硫方法は、一層確実に請求項4記載の加硫方法を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる加硫装置の概要を示す平面図で、図1(a)は加硫作業前を、図1(b)は加硫作業状態をそれぞれ表す。
【図2】図2(a)および図2(b)は図1(a)のII−II線断面図で、図2(a)は金型の搬送作業状態、図2(b)は加硫作業前の状態をそれぞれ表す。
【図3】図3(a)は加硫時の図1の加硫装置の上部を示す断面図、図3(b)は加硫時の図1の加硫装置の下部を示す断面図である。
【図4】図4は図1(b)のIV−IV線断面図で加硫状態を示す。
【図5】本発明の実施形態にかかる平ベルト製造工程を順に示す説明図で、図5(a)は成形工程の平面図、図5(b)は予熱圧着工程の平面図、図5(c)は圧着形出し工程の平面図、図5(d)は加硫工程の中央縦断面図、図5(e)は冷却工程の中央縦断面図、図5(f)は幅カット工程の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる歯付ベルトの製造工程を順に示す説明図で、図6(a)は成形工程の平面図、図6(b)は予熱形出し工程の平面図、図6(c)は形出し加硫工程の平面図、図6(d)は加硫工程▲1▼の中央縦断面図、図6(e)は加硫工程▲2▼の中央縦断面図である。
【図7】従来の2軸式加硫装置の概要を示す平面図である。
【図8】従来の一般的な加硫釜を用いた加硫方法を示す断面図である。
【図9】特開平5−42615号公報に記載の加硫装置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 加硫装置
2 金型(加硫ドラム)
3 枠体
4 エンボスロール(圧着ロール)
としてのエンボスロール3 ガイドロール
5 ガイドロール
6 加圧バンド
7 テンションロール
8、19 油圧シリンダ
10 搬送ベース
C ゴムベルト成形体
Claims (3)
- 搬送機構上に搬送ベースを介して回転自在に載置され、未加硫のゴムベルト素材を巻き付けて成形するための円筒状金型と、この金型を中心に相対向して配設され、その周面の相対向する部位を円弧状に取り巻いて押圧可能な一対の無端の加圧バンドとを備えた無端ゴムベルトの加硫装置において、前記金型を挟むように相対向する一対の枠体を、それぞれ前記金型に対して進退自在に配設するとともに、前記各枠体を前後進させる駆動装置を配備し、前記各枠体の、平面より見て中心部付近に加圧ロールを回転自在に軸支するとともに、前記各枠体の前端部両側にガイドロールをそれぞれ後に回転自在に軸支し、前記加圧ロールおよび両側の前記ガイドロールに無端の加圧バンドを掛け渡し、前記加圧ロールと前記ガイドロールとの間に位置する部分の加圧バンドを押圧可能なテンションロールを進退自在に設け、前記枠体間の前記金型を前記搬送機構上から上昇させ、かつ金型の下端開口に接続される回転可能な下部ノズルを備えた昇降装置を、前記搬送機構の下方に配備するとともに、前記金型を上昇させた際に該金型の上端開口に接続可能かつ回転可能な上部ノズルを設け、前記金型内に蒸気を注入して金型周面を内部から加熱するとともに、金型に対し各加圧バンドを相対向して押圧し、かつ、各加圧バンド上から各加圧ロールによってゴムベルト成形体を加圧した状態で、各加圧バンドをそれぞれ同期させて所定方向に回転させることにより、前記金型を回転して金型上の前記ゴムベルト素材からなる未加硫ゴムベルト成形体を連続的に加硫することを特徴とする無端ゴムベルトの加硫装置。
- 円筒状金型の外周面に、未加硫のゴムシート、コード、帆布などからなるゴムベルト素材を巻き付けて成形した後、そのゴムベルト成形体を加硫する方法において、
前記金型上のゴムベルト成形体に対し相対向する圧着ロールを押し付けて前記金型を該圧着ロールと共に回転させるとともに、前記金型の内部を加熱して該金型上のゴムベルト成形体を予熱するとともにその形状を部分的に形出しする予熱形出し工程と、
円弧状に取り巻き可能な一対の対向する無端の加圧バンドを加圧ロールとともに押し付けて該加圧バンドを回転することにより金型を回転させ、同時に金型の内部を加熱して前記金型上のゴムベルト成形体の形状を完全に出すと同時に部分的に加硫する形出し加硫工程と、
前記金型上のゴムベルト成形体の周囲を円筒状の外圧容器により取り囲み、該外圧容器内に圧縮空気を注入して前記ゴムベルト成形体を外周側から加圧し、同時に金型の内部を加熱して前記金型上のゴムベルト成形体を概ね加硫する加硫工程1と、
前記金型上のゴムベルト成形体の周囲を円筒状の保温カバーにより取り囲み、前記金型の内部を加熱して前記金型上のゴムベルト成形体を完全に加硫する加硫工程2とからなることを特徴とする無端ゴムベルトの加硫方法。 - 前記予熱形出し工程では前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を100〜110℃に加熱するとともに、前記圧着ロールにより10〜20kg/cm2の圧力で加圧し、
前記形出し加硫工程では前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を130〜145℃に加熱するとともに、前記加圧バンドにより3〜6kg/cm2の圧力でかつ前記加圧ロールにより45〜60kg/cm2の圧力でそれぞれ加圧し、
前記加硫工程1では前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を150〜170℃に加熱するとともに、前記圧縮空気により3〜6kg/cm2の圧力で加圧し、
前記加硫工程2では前記金型内部から前記ゴムベルト成形体を160〜175℃に加熱する請求項2記載の無端ゴムベルトの加硫方法。
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