JP3551745B2 - 半導体加速度センサの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、航空機、家電製品等に用いられる半導体加速度センサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に加速度センサとしては、片持ち梁方式と両持ち梁方式とが提案されている。検出方法としては、機械的な歪みを電気抵抗の変化として検出する方法と、静電容量の変化による検出方法とがある。例えば、特開平6-109755号公報には機械的な歪みを電気抵抗の変化として検出する両持ち梁方式の加速度センサが開示され、このような加速度センサの製造方法が特願平9-204269号に提案されている。
【0003】
図8は、従来例に係る半導体加速度センサのエッチング加工前の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)はA−A’断面における概略断面図であり、(c)はB−B’断面における概略断面図であり、図9は、従来例に係る半導体加速度センサのエッチング加工後の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)はA−A’断面における概略断面図であり、(c)はB−B’断面における概略断面図であり、図10は、従来例に係る半導体加速度センサの製造工程を示す図8(a),図9(a)のB−B’断面における概略断面図である。
【0004】
先ず、半導体基板であるn型の単結晶シリコン基板1上に熱酸化等によりシリコン酸化膜2を形成し、所定形状にパタ−ニングされたフォトレジスト(図示せず)をマスクとしてシリコン酸化膜2のエッチングを行うことにより開口部2aを形成し、プラズマアッシング等によりフォトレジストを除去する。このとき、開口部2aは単結晶シリコン基板1の矩形状の中央部1cを外囲した箇所に形成されている。
【0005】
なお、中央部1cの形状としては、矩形状に限定されるものではなく、例えば円形,楕円形等どのような形状であっても良い。
【0006】
続いて、開口部2aが形成されたシリコン酸化膜2をマスクとしてボロン(B)等のp型不純物をデポジション及び熱拡散またはイオン注入及びアニール処理を行うことにより高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3を形成し(図10(a))、シリコン酸化膜2をエッチングにより除去する。
【0007】
次に、単結晶シリコン基板1のp+型埋込犠牲層3を形成した面側にn型のエピタキシャル層4を形成する。ここで、エピタキシャル層4は、後に撓み部4bとなるため、加速度印加時に撓む厚さに形成されている。
【0008】
次に、エピタキシャル層4の撓み部4bに対応する箇所に、ボロン(B)等のp型不純物を拡散してピエゾ抵抗5を形成し、ピエゾ抵抗5と電気的に接続されるようにエピタキシャル層4内にボロン(B)等のp型不純物を拡散して拡散配線6を形成する。この時、単結晶シリコン基板1上及びエピタキシャル層4上にシリコン酸化膜7が形成される(図10(b))。
【0009】
次に、シリコン酸化膜7上にCVD法等によりシリコン窒化膜等の保護膜8を形成し、所定形状にパタ−ニングされたフォトレジスト(図示せず)をマスクとして保護膜8及びシリコン酸化膜7のエッチングを行うことにより、後述する重り部1aの外周縁に対応する箇所に開口部9を形成し、フォトレジストを除去する(図10(c))。
【0010】
次に、開口部9が形成された保護膜8をマスクとして単結晶シリコン基板1を、水酸化カリウム(KOH)溶液等のアルカリ系のエッチャントを用いて異方性エッチングを行うことにより、p+型埋込犠牲層3に到達する切り込み部10を形成する(図10(d))。
【0011】
次に、拡散配線6上の所望の箇所の保護膜8及びシリコン酸化膜7をエッチングにより除去し、拡散配線6と電気的に接続されるように、スパッタリングまたは蒸着等により金属配線11,電極パッド12及びストッパ接合用パッド13を形成し、単結晶シリコン基板1の金属配線11形成面側に、クロム膜,シリコン窒化膜,フッ素樹脂膜等の配線保護膜14を形成する(図10(e))。
【0012】
次に、配線保護膜14,保護膜8,シリコン酸化膜7及びエピタキシャル層4の一部を、RIE(Reactive Ion Etching),KOH溶液等のアルカリ系のエッチャントを用いた異方性エッチング等によりエッチング除去してp+型埋込犠牲層3に到達するエッチャント導入口15を形成して、単結晶シリコン基板1から成る重り部1aと、重り部1aを囲むとともに、後述するフレーム4aの下面側(単結晶シリコン基板1とエピタキシャル層4との界面側)を支持する単結晶シリコン基板1から成る支持部材1bを形成する(図10(f))。
【0013】
この時、エッチャント導入口15は、図9(a)に示すように、エピタキシャル層4の内、フレーム4a及び撓み部4bに該当する箇所を除いた箇所に形成されている。
【0014】
次に、エッチャント導入口15よりフッ酸等を含んだ酸性溶液から成るエッチャント(50%フッ酸水溶液:69%硝酸水溶液:酢酸=1:1〜3:8の体積基準)を導入し、p+型埋込犠牲層3を等方性エッチングにより除去して切り込み溝(p+型埋込犠牲層3を除去することによって形成される空隙)を形成するとともに、両端(梁部4b2)がエピタキシャル層4から成る枠状のフレーム4aに支持されて、重り部1aの中央部1cが中央部4b1に接続された十字型の撓み部4bを形成する(図10(g))。
【0015】
次に、配線保護膜14,単結晶シリコン基板1の切り込み部10形成面側の保護膜8及びシリコン酸化膜7をエッチングにより除去する。
【0016】
最後に、撓み部4bに対応する箇所に凹部16aを有して成る上部ストッパ16及び重り部1aに対応する箇所に凹部17aを有して成る下部ストッパ17とを、陽極接合等によりそれぞれ、ストッパ接合用パッド13及び単結晶シリコン基板1に接合する(図10(h))。
【0017】
この半導体加速度センサは、重り部1aに加速度が印加されると、重り部1aが加速度の印加方向と反対方向に変位して撓み部4bが撓み、その撓み部4bの一面に形成されたピエゾ抵抗5が撓んで、ピエゾ抵抗5の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を電気信号に変換して加速度を検出する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述の半導体加速度センサにおいて、p+型埋込犠牲層3の犠牲層エッチングの際の選択比を向上させるためには、p+型埋込犠牲層3の不純物濃度は高いほど良く、2×1019cm-3以上であるのが望ましいことが文献等により知られている(B.Schwartz,"Chemical Etching of Silicon",SOLID-STATE SCIENCE AND TECHNOLOGY,pp.1903-1909,Dec.1976)。そのため、従来ではp+型埋込犠牲層3形成直後の単結晶シリコン基板1表面近傍の不純物濃度は非常に高く、1×1020cm-3程度となっている。
【0019】
しかし、一方でエピタキシャル成長開始当初は単結晶シリコン基板1の表面は完全に露出しているので、p+型埋込犠牲層3中の不純物がエピタキシャル層4を形成する雰囲気中に逃げ出して、エピタキシャル成長時に同時に取り込まれる。この現象は一般的にオートドーピングと呼ばれているが、これは当然p+型埋込犠牲層3の不純物濃度が高くなるほどその程度は大きくなり、p+型埋込犠牲層3の不純物濃度が特に高い場合には、オートドーピングによって図11に示すように、単結晶シリコン基板1とエピタキシャル層4との界面付近において、設計上はp+型不純物領域が形成されないはずの領域でもp+型不純物領域である反転層3’が形成されてしまい、素子の特性に悪影響を与えるという問題があった。
【0020】
本発明は、上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、オートドーピングによる反転層の形成を抑制することのできる半導体加速度センサ及びその製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
【0022】
請求項1記載の発明は、一主表面及び二主表面を有する半導体基板の一主表面に、該半導体基板の中央部の外縁から外側方向に延びる外囲した箇所に高濃度埋込不純物層を形成する工程と、前記半導体基板の一主表面上に、加速度印加時に撓む撓み部に相当する厚さでエピタキシャル層を形成する工程と、前記半導体基板の該エピタキシャル層形成面側の所定の箇所に前記撓み部で発生する電気信号を取り出す配線及び電極パッドを形成する工程と、加速度印加時に前記撓み部に撓みを与える重り部の外周縁に対応する部分を前記半導体基板の二主表面側から異方性エッチングして、前記高濃度埋込不純物層に到達する切り込み部を形成する工程と、前記半導体基板の一主表面側からエッチングを行って前記エピタキシャル層を除去することにより前記高濃度埋込不純物層に達するエッチャント導入口を形成する工程と、前記エッチャント導入口からエッチャントを導入し、前記高濃度埋込不純物層を等方性エッチングにて除去して、中央部と、該中央部と前記半導体基板及び前記エピタキシャル層により形成されたフレームとの間で延在する梁部とを有して成る撓み部を前記エピタキシャル層により形成する工程とを有し、前記重り部は前記撓み部に懸架支持されて成る半導体加速度センサの製造方法において、前記高濃度埋込不純物層を、前記梁部と略同形状として前記梁部の下部の前記半導体基板の一主表面に形成された第一の高濃度埋込不純物層と、前記半導体基板の一主表面の前記フレームの内周面となる位置で、且つ前記切り込み部形成の際のエッチングの到達点となる位置に形成され、前記第一の高濃度埋込不純物層の外側端部に接する枠状の第二の高濃度埋込不純物層とによって形成したことを特徴とするものである。
【0023】
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体加速度センサの製造方法において、前記第二の高濃度埋込不純物層のパターン形状を、矩形状としたことを特徴とするものである。
【0025】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の半導体加速度センサの製造方法において、前記矩形状の第二の高濃度埋込不純物層のパターン形状を、内周面の少なくともエッジ部分を内周面内側に張り出してエッジ部分の幅を広げたことを特徴とするものである。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3記載の半導体加速度センサの製造方法において、前記第二の高濃度埋込不純物層の不純物濃度を、前記第一の高濃度埋込不純物層の不純物濃度より高くしたことを特徴とするものである。
【0027】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の半導体加速度センサの製造方法において、前記第一の高濃度埋込不純物層の不純物濃度を、1×1019cm-3以上とし、前記第二の高濃度埋込不純物層の不純物濃度を、1×1020cm-3以上としたことを特徴とするものである。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法において、前記第一及び第二の高濃度埋込不純物層の不純物が、ボロンであることを特徴とするものである。
【0029】
請求項7記載の発明は、請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法において、前記第一の高濃度埋込不純物層の導電型をn型とし、前記第二の高濃度埋込不純物層の導電型をp型としたことを特徴とするものである。
【0030】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の半導体加速度センサの製造方法において、前記第二の高濃度埋込不純物層の不純物がボロンであることを特徴とするものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面に基づき説明する。
【0032】
=参考例=
図1は、本発明の一実施の形態に係る参考例として半導体加速度センサの製造工程を示す概略断面図であり、図2は、本実施の形態に係る参考例として半導体加速度センサのエッチング加工前の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面における概略断面図であり、(c)は(a)のB−B’断面における概略断面図であり、図3は、本実施の形態に係る参考例として半導体加速度センサのエッチング加工後の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面における概略断面図であり、(c)は(a)のB−B’断面における概略断面図である。なお、図1は、図2(a),図3(a)のB−B’断面における製造工程を示している。
【0033】
本実施の形態に係る参考例として半導体加速度センサの製造工程と、従来例として図10に示す半導体加速度センサの製造工程と異なる工程は、図10に示す半導体加速度センサの製造工程において、p+型埋込犠牲層3のパターン形状を、撓み部4aと略同形状として撓み部4aの下部の単結晶シリコン基板1内に形成している。
【0034】
また、本参考例においては、図1(d)の工程で形成する切り込み部10のエッチング到達点にp+型埋込犠牲層3が存在しないため、切り込み部10を所定の深さとするためにはエッチング時間の管理を必要とする。
【0035】
また、本参考例においては、エッチャント導入口15を梁部4b2の両側と、エピタキシャル層4における、切り込み部10のエッチング到達点に該当する箇所の内、梁部4b2形成箇所を除いた箇所にのみ形成する。
【0036】
これにより、重り部1a上にエピタキシャル層4の一部が残った構造となり、この残ったエピタキシャル層4が重り部1aとして作用する。
【0037】
なお、従来例と同様な形状のエッチャント導入口15を形成してよいが、エピタキシャル層4の一部を重り部1a上に残すようにすれば重り部1aの質量が増し、感度の向上を図ることができる。
【0038】
従って、本参考例においては、p+型埋込犠牲層3のパターン面積を低減することにより、単結晶シリコン基板1とエピタキシャル層4の界面付近に、オートドーピングによる反転層3’が形成されるのを抑制、または、少なくとも反転層3’の不純物濃度を低減させることができ、素子の特性に対する悪影響を低減、または、解消させることができる。
【0039】
=実施の形態1=
図4は、本発明の一実施の形態に係る半導体加速度センサの製造工程を示す概略断面図であり、図5は、本実施の形態に係る半導体加速度センサのエッチング加工前の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面における概略断面図であり、(c)は(a)のB−B’断面における概略断面図であり、図6は、本実施の形態に係る半導体加速度センサのエッチング加工後の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面における概略断面図であり、(c)は(a)のB−B’断面における概略断面図である。なお、図4は、図5(a),図6(a)のB−B’断面における製造工程を示している。
【0040】
本実施の形態に係る半導体加速度センサの製造工程は、参考例として図1に示す半導体加速度センサの製造工程において、枠状のフレーム4aの内周面に該当する箇所の単結晶シリコン基板1内にさらに枠状のp+型埋込犠牲層3を形成した構成である。つまり、切り込み部10のエッチング到達点にp+型埋込犠牲層3が形成された構成となる。
【0041】
なお、以下において、説明の便宜上、梁部4b2の下部に形成されたp+型埋込犠牲層3を第一の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3aとし、フレーム4aの内周面に形成された枠状のp+型埋込犠牲層3を第二の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3bとする。
【0042】
本実施の形態においては、エッチングにより切り込み部10を形成する際にp+型埋込犠牲層3bがエッチングストップ層として作用するため、エッチング時間の管理が不要となる。
【0043】
=実施の形態2=
図7は、本発明の他の実施の形態に係る半導体加速度センサにおけるp+型埋込犠牲層3のパターン形状を示す概略平面図である。本実施の形態に係るp+型埋込犠牲層3のパターン形状は、実施の形態1に示す半導体加速度センサにおけるp+型埋込犠牲層3において、第二の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3bの内周面のエッジ部分をアール形状に形成した構成である。
【0044】
なお、本実施の形態においては、第二の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3bの内周面のエッジ部分をアール形状に形成したが、これに限定されるものではなく、前記エッジ部分が前記内周面の内側方向に張り出すような形状であればよい。
【0045】
以下、第二の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3bを上記のようなパターン形状とした理由について説明する。KOH,EDP,ヒドラジン等のアルカリ系のエッチャントを用いて切り込み部10を形成すると、p+型埋込犠牲層3bの内周面のエッジ部分がエッチングにより後退して面取りされてしまう(コーナーカット)ため、実施の形態1のように単なる枠状のパターン形状にすると、エッチングの終点(エンドポイント)付近で、特にp+型埋込犠牲層3bの内周面のエッジ部分において枠状のパターン形状の内側まで単結晶シリコン基板1がエッチングされてしまう。この枠状のパターン形状の内側にはp+型埋込犠牲層3が形成されていないのでエッチングストップさせることができない。
【0046】
そこで、本実施の形態においては、第二の高濃度埋込不純物層である枠状のパターン形状のp+型埋込犠牲層3bのエッジ部分を内周面の内側方向に張り出すような形状とすることにより、コーナーカットがあってもエッチングをストップさせることができる。
【0047】
=実施の形態3=
本実施の形態は、実施の形態1,2に示すp+型埋込犠牲層3において、第一の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3aと第二の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3bの不純物濃度を異なるようにしたものである。つまり、犠牲層として機能するためには不純物濃度は1×1019cm-3以上あればよいが、エッチングストップ層として機能させるためには不純物濃度は1×1020cm-3以上であることが望ましいため、p+型埋込犠牲層3aの不純物濃度よりもp+型埋込犠牲層3bの不純物濃度を高くなる(p+型埋込犠牲層3bの不純物濃度を1×1020cm-3以上)ようにして、エッチングストップ効果を高めている。
【0048】
なお、第一の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3aと第二の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3bの不純物濃度が同じでも良い。
【0049】
=実施の形態4=
本実施の形態は、実施の形態1,2に示すp+型埋込犠牲層3において、パターン形状は同様であるが、p+型埋込犠牲層3の内、第一の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3aの代わりにn+型埋込犠牲層を形成したものである。
【0050】
第二の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3bは、エッチングストップ層として機能させたいので、アルカリ系のエッチャントに対してエッチングストップ効果の高いボロン(B)等のp型不純物層を用いる必要があるが、第一の高濃度埋込不純物層であるp+型埋込犠牲層3aは、犠牲層としての機能だけでよいので不純物の導電型はp型,n型のどちらでもよいが、本実施の形態においては、p+型埋込犠牲層3aの代わりにp+型埋込犠牲層3bと逆の導電型のn+型埋込犠牲層を形成することにより、以下に示すような効果を得ることができる。
【0051】
つまり、オートドーピングによりエピタキシャル層4中に取り込まれる不純物としては、p型とn型の両方が存在するので、従来問題となっていた、単結晶シリコン基板1とエピタキシャル層4との界面付近に形成されるオートドーピングによる反転層3’は、p型不純物とn型不純物とで導電型としては相殺される方向に働き、この反転層3’が形成されるのを抑制、あるいは、少なくとも反転層3’の不純物濃度を低減させることができ、素子の特性に対する悪影響を低減、または解消させることができる。
【0052】
なお、上述の全ての実施の形態においては、梁部4b2が4本の半導体加速度センサの場合について説明したが、梁部4b2が2本または8本,12本等、何本でもよい。
【0053】
【発明の効果】
【0054】
請求項1記載の発明は、一主表面及び二主表面を有する半導体基板の一主表面に、該半導体基板の中央部の外縁から外側方向に延びる外囲した箇所に高濃度埋込不純物層を形成する工程と、前記半導体基板の一主表面上に、加速度印加時に撓む撓み部に相当する厚さでエピタキシャル層を形成する工程と、前記半導体基板の該エピタキシャル層形成面側の所定の箇所に前記撓み部で発生する電気信号を取り出す配線及び電極パッドを形成する工程と、加速度印加時に前記撓み部に撓みを与える重り部の外周縁に対応する部分を前記半導体基板の二主表面側から異方性エッチングして、前記高濃度埋込不純物層に到達する切り込み部を形成する工程と、前記半導体基板の一主表面側からエッチングを行って前記エピタキシャル層を除去することにより前記高濃度埋込不純物層に達するエッチャント導入口を形成する工程と、前記エッチャント導入口からエッチャントを導入し、前記高濃度埋込不純物層を等方性エッチングにて除去して、中央部と、該中央部と前記半導体基板及び前記エピタキシャル層により形成されたフレームとの間で延在する梁部とを有して成る撓み部を前記エピタキシャル層により形成する工程とを有し、前記重り部は前記撓み部に懸架支持されて成る半導体加速度センサの製造方法において、前記高濃度埋込不純物層を、前記梁部と略同形状として前記梁部の下部の前記半導体基板の一主表面に形成された第一の高濃度埋込不純物層と、前記半導体基板の一主表面の前記フレームの内周面となる位置で、且つ前記切り込み部形成の際のエッチングの到達点となる位置に形成され、前記第一 の高濃度埋込不純物層の外側端部に接する枠状の第二の高濃度埋込不純物層とによって形成したので、第一の高濃度埋込不純物層のパターン面積を低減することができ、オートドーピングによる反転層の形成を抑制することのできる半導体加速度センサの製造方法を提供することができた。
【0055】
さらに、切り込み部形成の際のエッチングの到達点に第二の高濃度埋込不純物層を形成したので、上記の発明の効果に加えて、第二の高濃度埋込不純物層をエッチングストップ層として用いることができ、生産性を向上させることができる。
【0056】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体加速度センサの製造方法において、第二の高濃度埋込不純物層のパターン形状を、矩形状としたので、請求項1記載の発明の効果に加えて、切り込み部の形状も矩形状となり、重り部の質量を大きくすることができ、感度を向上させることができる。
【0057】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の半導体加速度センサの製造方法において、矩形状の第二の高濃度埋込不純物層のパターン形状を、内周面の少なくともエッジ部分を内周面内側に張り出してエッジ部分の幅を広げたので、請求項2記載の発明の効果に加えて、切り込み部形成の際のエッチングによりコーナーカットが発生しても第二の高濃度埋込不純物層によりエッチングストップ層としての効果をもたらすことができる。
【0058】
請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法において、第二の高濃度埋込不純物層の不純物濃度を、第一の高濃度埋込不純物層の不純物濃度より高くしたので、請求項2または請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、さらに切り込み部形成の際のエッチング到達点におけるエッチングストップ層としての効果をより大きくすることができる。
【0059】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の半導体加速度センサの製造方法において、前記第一の高濃度埋込不純物層の不純物濃度を、1×1019cm-3以上とし、前記第二の高濃度埋込不純物層の不純物濃度を、1×1020cm-3以上としたので、請求項4記載の発明の効果に加えて、第一の高濃度埋込不純物層が犠牲層として作用し、第二の高濃度埋込不純物層が犠牲層及びエッチングストップ層として作用することができる。
【0060】
請求項6記載の発明は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法において、第一及び第二の高濃度埋込不純物層の不純物が、ボロンであるので、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、切り込み部形成の際のエッチング到達点におけるエッチングストップ層としての効果をより大きくすることができる。
【0061】
請求項7記載の発明は、請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法において、第一の高濃度埋込不純物層の導電型をn型とし、第二の高濃度埋込不純物層の導電型をp型としたので、請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、オートドーピングによりエピタキシャル層中に取り込まれる不純物がp型とn型とで相殺されることになり、オートドーピングによる反転層の形成をさらに抑制、または少なくとも反転層の不純物濃度を低減することができ、素子の特性に対する悪影響を低減、または解消させることができる。
【0062】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の半導体加速度センサの製造方法において、第二の高濃度埋込不純物層の不純物がボロンであるので、請求項7記載の発明の効果に加えて、切り込み部形成の際のエッチング到達点におけるエッチングストップ層としての効果をより大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る参考例として半導体加速度センサの製造工程を示す概略断面図である。
【図2】本実施の形態に係る参考例として半導体加速度センサのエッチング加工前の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面における概略断面図であり、(c)は(a)のB−B’断面における概略断面図である。
【図3】本実施の形態に係る参考例として半導体加速度センサのエッチング加工後の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面における概略断面図であり、(c)は(a)のB−B’断面における概略断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る半導体加速度センサの製造工程を示す概略断面図である。
【図5】本実施の形態に係る半導体加速度センサのエッチング加工前の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面における概略断面図であり、(c)は(a)のB−B’断面における概略断面図である。
【図6】本実施の形態に係る半導体加速度センサのエッチング加工後の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面における概略断面図であり、(c)は(a)のB−B’断面における概略断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る半導体加速度センサにおけるp+型埋込犠牲層のパターン形状を示す概略平面図である。
【図8】従来例に係る半導体加速度センサのエッチング加工前の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)はA−A’断面における概略断面図であり、(c)はB−B’断面における概略断面図である。
【図9】従来例に係る半導体加速度センサのエッチング加工後の状態を示す概略構成図であり、(a)は上面から見た状態を示す概略平面図であり、(b)はA−A’断面における概略断面図であり、(c)はB−B’断面における概略断面図である。
【図10】従来例に係る半導体加速度センサの製造工程を示す図8(a),図9(a)のB−B’断面における概略断面図である。
【図11】従来例に係る半導体加速度センサの反転層が形成された状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 単結晶シリコン基板
2 シリコン酸化膜
2a 開口部
3 p+型埋込犠牲層
3a p+型埋込犠牲層(第一の高濃度埋込不純物層)
3b p+型埋込犠牲層(第二の高濃度埋込不純物層)
3’ 反転層
4 エピタキシャル層
4a フレーム
4b 撓み部
4b1 中央部
4b2 梁部
5 ピエゾ抵抗
6 拡散配線
7 シリコン酸化膜
8 保護膜
9 開口部
10 切り込み部
11 金属配線
12 電極パッド
13 ストッパ接合用パッド
14 配線保護膜
15 エッチャント導入口
16 上部ストッパ
16a 凹部
17 下部ストッパ
17a 凹部
Claims (8)
- 一主表面及び二主表面を有する半導体基板の一主表面に、該半導体基板の中央部の外縁から外側方向に延びる外囲した箇所に高濃度埋込不純物層を形成する工程と、前記半導体基板の一主表面上に、加速度印加時に撓む撓み部に相当する厚さでエピタキシャル層を形成する工程と、前記半導体基板の該エピタキシャル層形成面側の所定の箇所に前記撓み部で発生する電気信号を取り出す配線及び電極パッドを形成する工程と、加速度印加時に前記撓み部に撓みを与える重り部の外周縁に対応する部分を前記半導体基板の二主表面側から異方性エッチングして、前記高濃度埋込不純物層に到達する切り込み部を形成する工程と、前記半導体基板の一主表面側からエッチングを行って前記エピタキシャル層を除去することにより前記高濃度埋込不純物層に達するエッチャント導入口を形成する工程と、前記エッチャント導入口からエッチャントを導入し、前記高濃度埋込不純物層を等方性エッチングにて除去して、中央部と、該中央部と前記半導体基板及び前記エピタキシャル層により形成されたフレームとの間で延在する梁部とを有して成る撓み部を前記エピタキシャル層により形成する工程とを有し、前記重り部は前記撓み部に懸架支持されて成る半導体加速度センサの製造方法において、前記高濃度埋込不純物層を、前記梁部と略同形状として前記梁部の下部の前記半導体基板の一主表面に形成された第一の高濃度埋込不純物層と、前記半導体基板の一主表面の前記フレームの内周面となる位置で、且つ前記切り込み部形成の際のエッチングの到達点となる位置に形成され、前記第一の高濃度埋込不純物層の外側端部に接する枠状の第二の高濃度埋込不純物層とによって形成したことを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。
- 前記第二の高濃度埋込不純物層のパターン形状を、矩形状としたことを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサの製造方法。
- 前記矩形状の第二の高濃度埋込不純物層のパターン形状を、内周面の少なくともエッジ部分を内周面内側に張り出してエッジ部分の幅を広げたことを特徴とする請求項2記載の半導体加速度センサの製造方法。
- 前記第二の高濃度埋込不純物層の不純物濃度を、前記第一の高濃度埋込不純物層の不純物濃度より高くしたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の半導体加速度センサの製造方法。
- 前記第一の高濃度埋込不純物層の不純物濃度を、1×1019cm-3以上とし、前記第二の高濃度埋込不純物層の不純物濃度を、1×1020cm-3以上としたことを特徴とする請求項4記載の半導体加速度センサの製造方法。
- 前記第一及び第二の高濃度埋込不純物層の不純物が、ボロンであることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法。
- 前記第一の高濃度埋込不純物層の導電型をn型とし、前記第二の高濃度埋込不純物層の導電型をp型としたことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の半導体加速度センサの製造方法。
- 前記第二の高濃度埋込不純物層の不純物がボロンであることを特徴とする請求項7記載の半導体加速度センサの製造方法。
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