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JP3552439B2 - スプリンクラ消火設備 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災時にスプリンクラヘッドから確実に散水が行えるスプリンクラ消火設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスプリンクラ消火設備において、スプリンクラヘッドに加圧送水する消火ポンプは、建物の最上階のヘッドから例えば1キロ(1平方センチ当り1Kgf)の圧力で1分あたり80リットルの放水を、同時に30個が放水可能になるように設計されている。通常、消火ポンプは建物の地上階以下の低い位置に設けられ、建物内を縦方向に貫通するように設けられた給水本管を利用して、各フロアに消火用水を供給している。
【0003】
従来のスプリンクラ消火設備は、湿式、乾式、予作動式等の種別に係らず、消火ポンプのような給水装置と1本または複数本を組み合わせた給水本管が用いられるのは共通していて、従来給水本管には、上記必要な圧力で消火用水が充填されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
給水本管に常時消火用水を充填していると、低い部分に水頭に基づく高圧がかかってしまい、従来十分な耐圧を有する機材を用いているが、それにはコストがかかる。
【0005】
さらに、給水本管自体に水が充填されていると、その分重みを感じることとなり、建物自体に給水本管を支持する強度が必要になるとともに、地震の際には重みによって大きな力が働き、給水本管のみならず、周囲の配管系統を破損させてしまうことがある。
【0006】
とくに、地震の後は、火災の発生が起こりえるにも係らず、消火設備が不能になることは、設備していることが無駄になってしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の点に鑑み、本発明は、消火用水が送水される一次側配管系統と、消火用水を散水するためのスプリンクラヘッドが接続される二次側配管系統との連通を開閉する開放弁を具備し、かつ前記二次側配管系統に圧力流体が封入された状態で前記開放弁が閉鎖状態を維持してなる消火設備であって、前記開放弁から前記一次側配管系統側を前記二次側配管系統側よりも減圧してあることを特徴とするものである。
そして、一次側配管系統の減圧には、減圧弁または排水弁が用いられており、さらに、一次側配管系統には、給水本管から消火用水を貯水槽へ戻す戻し分岐管が配設され、戻し分岐管は減圧弁または排水弁を介して設けられているものである。
【0008】
そして、火災発生時には、火災検出手段の信号に基づいて、給水装置としての消火ポンプを起動して、一次側配管系統内の消火用水の圧力を回復させればよく、給水本管等に消火用水の充填に基づく、耐圧や強度の必要性を軽減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明を利用したスプリンクラ消火設備の系統図である。
【0010】
図1において、11は貯水槽、12は加圧給水装置を構成する消火ポンプであり、13は建物に上下に配設された立上り給水本管で、逆止弁14および常時開の仕切弁15を介してポンプ12に接続されている。21〜23は給水本管13から通常各フロアごとに分岐された分岐管で、それぞれ地区弁装置の湿式自動警報装置である開放弁31〜33に接続され、また、開放弁31〜33の二次側は、二次側配管41〜43を介してそれぞれ必要数の速動型のスプリンクラヘッド5が設けられ、所定の圧力に消火用水が充填されている。このような構成の消火設備において、開放弁31〜33から、分岐管21〜23および給水本管13等側が一次側配管系統を、複数のスプリンクラヘッド5が接続される二次側配管41〜43が二次側配管系統を、それぞれ構成している。
【0011】
この給水本管13には、減圧弁18を介して消火用水を貯水槽11へ戻す戻し分岐管20が配設されている。この減圧弁18は、給水本管13内の圧力を設定された圧力まで少しづつ逃がすものであって、常時閉鎖している開放弁31〜33よりも一次側の配管系統内がすべて減圧される。ここでは、消火ポンプ12の起動時のために、消火用水を残しているが、この減圧弁18は、完全に水を落とすように配置して排水弁としてもよい。
【0012】
速動型のスプリンクラヘッド5は、RTI感度指数(熱気流中での作動を実測した熱時定数に基づく感度指数)が40程度で、従来のヘッドが200程度に比べ5倍の火災検知速度を持っている飛躍的に高感度で素早く作動する閉鎖型のヘッドであり、構造について詳細に説明しないが、半田を用いるフラッシュ型のヘッドの場合には、集熱板の近傍に半田を配置して、半田以外への熱伝導を防止する構造により達成されるヘッドであり、また、グラスバルブ型の場合には、直径5mm程度の細いグラスバルブを用いたものである。
【0013】
また、この速動型のヘッド5は、初期消火が可能であるので1分当り50リットルと調圧放水による少水量で消火を行い、防護面積も図示しないがフラット型のデフレクタにより有効散水半径が3.25mと大きなものである。
【0014】
そして、開放弁31〜33は、弁体開放時の消火水の流れを検知する流水検知の機能と、ヘッドの誤開放や配管からの漏水等による二次側配管監視の機能とをそれぞれ有するものである。
【0015】
開放弁31〜33は、詳細に示さないが例えば、逆止弁構造の弁体によって一次側および二次側を常時封止している。弁体は、二次側配管41〜43に封入された圧力が閉鎖方向に作用する構造とすることにより、弁体は常時閉止状態を継続している。
【0016】
そして、火災発生時には、消火ポンプ12が起動して給水本管13を介して分岐管21〜23に加圧された消火用水が送水されてくるとともに、二次側配管41〜43内の消火用水はスプリンクラヘッド5の散水に基づき減圧し、分岐管21〜23側が高い圧力となり、その圧力差に基づき開放弁31〜33の弁体は容易に開放され、スプリンクラヘッド5に消火ポンプ12からの消火用水を供給するようになる。
【0017】
この開放弁31〜33の弁体開放時に、その一次側と二次側以外の図示しない流水検知室にも消火用水が流れ込み、接続された流水検知用の圧力スイッチ66〜68が設定された圧力を越えるときに作動して流水検知信号を出力する。
【0018】
また、開放弁31〜33の二次側には、二次側配管監視用の圧力スイッチ71〜73が接続され、設定された圧力を下回るときに作動して二次圧低下信号を出力する。この二次圧低下信号は、二次側配管41〜43からの漏水やスプリンクラヘッド5の何らかの誤開放等に基づき、開放弁31〜33の二次側配管系統全体の異常を包括的に示すものである。
【0019】
そして、ポンプ12は、モータ16、ポンプ制御盤17等を用いて加圧給水装置を構成し、貯水槽11の消火水を給水本管13へ圧送するものである。その他、ポンプ周りとしての呼水装置や圧力逃がし配管、試験装置等は省略している。モータ16は、例えば三相かご型誘導モータであって、ポンプ制御盤17の制御に基づいてその回転速度が制御され、上記のスプリンクラヘッド5からの放水圧を0.5〜4.5キロの範囲として最適な散水を行えるようにされる。そして、ポンプ制御盤17の回転数制御は、例えばサイリスタを用いたインバータによるスイッチの開閉制御により省力的に行うものであり、すなわち、三相交流電源をコンバータにより直流に変換してインバータにより周波数を制御された三相交流を電源線94を介してモータ16に供給して回転速度が制御され、このスイッチの開閉制御の単位時間当りのスイッチング回数をポンプ制御盤17において制御する。
【0020】
このスイッチング回数は、例えばスプリンクラヘッド5の設けられるフロアごとに設定され、図示しないポンプ制御盤17内の記憶装置に格納される。そして、スプリンクラ監視盤19が情報を収集した結果として、流水検知信号の得られたフロアを信号線91を介して信号伝送あるいはフロアごとの接点制御等により移報して、ポンプ制御盤17は、信号線94を介してモータ16の起動および制御を行う。
【0021】
このモータ16の起動について、各部に設けられた煙や熱等による火災感知器9と信号線96を介してそれぞれ接続される火災受信機95から、起動信号が信号線99を介してスプリンクラ監視盤19を通して信号線91を介してポンプ制御盤17に入力される。このとき、ポンプ制御盤17は、インバータ制御により低速から起動して、給水本管13内の送水に基づくハンマー作用を生じないように、給水本管13への充水を行う。火災受信機95は、各火災感知器9に個別のアドレスを付与して受信機95が個別に呼び出して火災信号を収集するものであるが、火災感知器9に回線ごとの信号線を接続する方式の受信機であってもよく、火災情報をスプリンクラ監視盤19に移報できればよい。
【0022】
また、上記ポンプ制御盤17内の記憶装置には、フロアごとのスイッチング回数と同様に、所望の吐出圧が格納されている。この吐出圧は、必要な回転数が設定されるスイッチング回数の根拠であるが、この吐出圧を設定しておくことにより、回転数に対する吐出圧の割合が変化するときに、フィードバックをかけて実際のスイッチング回数を微調整することができる。そのため、この実施形態では、ポンプ12の直近部分にアナログ出力可能な圧力計10を設置し、信号線100を介してポンプ制御盤17までポンプ12の吐出圧力を信号伝送している。
【0023】
また、スプリンクラ監視盤19は、各開放弁31〜33を監視制御するための中継器97に信号線98を介してそれぞれ接続されていて、各中継器97に個別のアドレスが付与され監視盤19がアドレスにより中継器97を特定して情報収集を行うものであり、中継器97は、基本的に圧力スイッチによる二次圧低下信号および流水検知信号の検知を行うものである。
【0024】
次に、上記実施形態における動作について説明する。火災監視の前に、消火ポンプ12を起動して貯水槽11の消火用水を給水本管13最上部の補助高架水槽20までゆっくりシステム全体に消火水を充水する。このとき、開放弁31〜33を介して消火用水は二次側配管41〜43を通って各フロアの末端のスプリンクラヘッド5まで充水される。ここで、開放弁31〜33での一次側と二次側は、同圧であり、高層部の二次側配管43内の圧力に比べて、低層部の二次側配管41内の圧力は水頭の関係で高い圧力となる。
【0025】
ここで、給水本管13からの戻し分岐管20に設けられた減圧弁18が働き、給水本管13内を減圧する。このとき、減圧弁18の流量を小さいものとすることにより、消火ポンプ12起動時には、配管内加圧の妨げとならない微量の排水であれば、常時排圧を行うようにしても不具合はない。また減圧弁18から排圧された消火用水は、貯水槽11に戻るので、消火用水全体の水量的な損失はない。
【0026】
そして、排圧された給水本管13内は、一次側配管系統のほとんどの消火用水を排水して減圧状態となり、詳細に示していないが、逆止弁構造の開放弁31〜33内の消火用水のみに圧力が残る。そして、この圧力を圧力スイッチ71〜73で監視することにより、二次側配管系統の包括的な不具合を検出することができる。このとき、開放弁31〜33にも、二次側から一次側へ戻す戻し配管を設け、二次側圧力を監視に適した所定の圧力、例えば2キロ(1平方センチ当り2Kgf)まで排圧する減圧弁を設けてもよく、そうすると二次側配管41〜43内を所定圧に統一でき、監視用圧力スイッチ71〜73の設定を同じにできる。
【0027】
このように、一次側配管系統内を減圧することによって、配管系統のとくに給水本管13の軽量化が図られるとともに、配管や器具が常時加圧されていないので、地震など衝撃に対して安全な消火設備となる。また、減圧弁18の作用で所定圧を残すことにより、一次側配管系統の不具合を圧力計10により包括的に検出することができる。この場合、一次側配管系統の密封性が要求されるが、当然、減圧弁18の給水配管13側近傍に圧力スイッチを設けて監視してもよい。
【0028】
そして、この状態において、建物の低層部から火災が発生したとすると、まず、低層部の火災感知器9がその火災を検知して自己のアドレスを付与して火災信号を発生し、信号線96を介して火災受信機95が火災信号を受信する。火災受信機95は、火災信号を受信すると、そのアドレスに基づいて火災の発生階を判別し、移報用の信号線99を介してスプリンクラ監視盤19に階別信号を出力する。この信号を受けたスプリンクラ監視盤19からポンプ制御盤17に起動信号が入力され、ポンプ制御盤17はモータ16の始動を制御する。このとき、ポンプ制御盤17は、給水本管13内には消火用水が加圧充填されていないので、当初ゆっくり起動させるようにモータ16の回転速度のインバータ制御を行う。そして、消火ポンプ12起動時の高圧の消火用水流入に伴う水撃作用(ウォーターハンマー現象)を防止し、衝撃を少なくした後にモータ16の回転速度を上げて所定の駆動状態として消火用水の充填を行う。
【0029】
そして、図示しないポンプ制御盤17内の記憶装置に格納された低層部のフロアのスイッチング回数に基づいて電源線94を介してモータ16の回転速度をインバータ制御する。そして、ポンプ12の吐出圧を低層部のフロアに適正な圧力とする。このように、本実施形態では、ポンプ制御盤17のインバータ制御に基づいてポンプ12の回転速度が制御され、減圧された給水本管13が加圧されて、開放弁31の二次側配管系統へも消火用水が供給され、初期火災の内に作動する速動型のスプリンクラヘッド5からの放水圧を0.5〜4.5キロの範囲として最適な散水を行えるようにして、火災による消失や水損等の被害を最低限に抑えることが可能となっている。
【0030】
そして、火災が進展すると速動型のスプリンクラヘッド5が初期火災のうちに感熱開放して二次側配管41内の消火水がまず放出される。そして、開放弁31では、二次側への消火用水の供給に基づき図示しない弁体が開放され、一次側の消火用水が二次側配管41に供給されるとともに、図示しない流水検知室にも消火用水が流入して圧力スイッチ66を作動させる。その圧力スイッチ66の作動を検知して、中継器97は自己のアドレスを付与して流水検知信号を発生し、信号線98を介してスプリンクラ監視盤19が流水検知信号を受信する。スプリンクラ監視盤19は、流水検知信号を受信すると、そのアドレスに基づいて放水を開始したフロアを判別し、移報用の信号線99を介して火災受信機95に放水信号を出力する。そして、放水信号を受けた火災受信機95は、対応するフロアの放水開始を図示しない盤面に表示する。
【0031】
ここで、ポンプ12の回転速度をインバータ制御するときの判別の基準となる信号として、火災感知器9の火災信号を直接用いているが、開放弁31〜33の圧力スイッチ66〜68の流水検知信号を利用してもよい。
【0032】
また、同様に高層部で火災が発生すると、まず、低層部の場合と同様、高層部の火災感知器9が火災信号を発生し、火災受信機95を介してスプリンクラ監視盤19に階別信号を出力する。そして、スプリンクラ監視盤19は、ポンプ制御盤17へ高層部の起動命令を送出し、ポンプ制御盤17はポンプ12の回転速度をインバータ制御しながら起動する。ここで、ポンプ制御盤17は、低層部の場合と同様、新たに図示しないポンプ制御盤17内の記憶装置に格納された高層部のフロアのスイッチング回数を読み出してモータ16の回転速度を高層部にあわせるようにインバータ制御する。そして、ポンプ12の吐出圧を高層部のフロアに適正な圧力とする。このように、本実施形態では、ポンプ制御盤17のインバータ制御に基づいてポンプ12の回転速度が制御される。
【0033】
また、上記実施形態においては、湿式のスプリンクラ設備に対応させて、開放弁31〜33の二次側配管系統に消火用水を充填した場合について説明したが、乾式に対応させて、別系統でコンプレッサを用意して加圧空気を所定圧に充填してもよく、二次側配管系統の監視することができる。また、乾式対応では、一次側配管系統の消火用水を抜くこともでき、寒冷地の場合には配管の保護範囲が、従来の乾式よりも少なくなる。さらに、開放弁31〜33の開放を火災感知器の信号に基づく予作動式(湿式または乾式に係らず)の弁としてもよく、火災感知器のプレ段階で一次側配管系統に加圧充水して火災段階で開放弁を開放してもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、給水本管13の水撃作用防止に、消火ポンプ12のインバータ制御を用いたが、定格運転に起動するポンプの場合には、給水本管13の所定位置に水撃を受け止める緩衝部材(オリフィス等)を設ければよい。
【0035】
以上のように、上記実施形態では、消火用水が送水される一次側配管系統と、消火用水を散水するためのスプリンクラヘッド5が接続される二次側配管系統との連通を開閉する開放弁31〜33を具備し、かつ二次側配管系統に圧力流体(消火用水や加圧空気等)が封入された状態で開放弁31〜33が閉鎖状態を維持し、開放弁31〜33から一次側配管系統側を給水本管13を介して減圧してある。
【0036】
そして、火災発生時には、火災検出手段(火災感知器9の信号、スプリンクラヘッド5の開放検知など)の信号に基づいて、給水装置としての消火ポンプ12を起動して、給水本管13を介して一次側配管系統内の消火用水の圧力を回復させればよく、給水本管13等に消火用水の充填に基づく、耐圧や強度の必要性を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】システムの一実施形態を概略的に示す系統図。
【符号の説明】
13 給水本管
31、32、33 開放弁
41、42、43 二次側配管
5 スプリンクラヘッド

Claims (3)

  1. 消火用水が送水される一次側配管系統と、消火用水を散水するためのスプリンクラヘッドが接続される二次側配管系統との連通を開閉する開放弁を具備し、かつ前記二次側配管系統に圧力流体が封入された状態で前記開放弁が閉鎖状態を維持してなる消火設備であって、前記開放弁から前記一次側配管系統側を前記二次側配管系統側よりも減圧してあることを特徴とするスプリンクラ消火設備。
  2. 一次側配管系統の減圧には、減圧弁または排水弁が用いられている請求項1のスプリンクラ消火設備。
  3. 一次側配管系統には、給水本管から消火用水を貯水槽へ戻す戻し分岐管が配設され、戻し分岐管は減圧弁または排水弁を介して設けられている請求項1または2のスプリンクラ消火設備。
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