JP3552476B2 - 電気式動力舵取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドルの操舵力をアシストする電気式動力舵取装置に関するものである。
【0002】
ハンドルに加えられたトルクを検出し、このトルクに応じたアシスト力を電動モータにより得るようにした電気式動力舵取装置は周知である。この電気式動力舵取装置には、出力軸に設けられているハイポイドギヤに電動モータの回転を伝達するハイポイドピニオンがモータ軸と分割され、カップリングによって結合されたハイポイドピニオンとモータ軸分割型とハイポイドピニオンがモータ軸に一体形成されたモータ単体型の2種類が知られている。
【0003】
ハイポイドピニオンとモータ軸分割型の電気式動力舵取装置について図5によって説明する。ラックハウジング10に、ハンドルからの回転を伝達する入力軸1と、トーションバー3を介して相対回転可能に前記入力軸1に連結されハイポイドギヤ9を備えた出力軸2と、前記トーションバー3の回転トルクを前記入力軸1と出力軸2との相対回転変位量として検出するトルクセンサ4と、この出力軸2に設けられているピニオン2aと噛合する操向機構のラックシャフト5とが内設され、前記入力軸1および出力軸2の軸線と直交する軸線方向で配置されモータ軸14に前記ハイポイドギヤ9に噛合するハイポイドピニオン17をカップリング18で結合した電動モータ15とを備え、この電動モータ13の回転を前記出力軸2に設けられているピニオン2aを介してラックシャフト5に伝達する構成である。
【0004】
前記ラックシャフト5はスプリング7によって押圧されているラックガイド6によりピニオン2aに適度の押圧力で噛合方向に押圧されている。また、ピニオン2aにはギヤ11を介してエンコーダ或いはポテンションメータ等の操舵角検出器12が連結されている。
【0005】
さらに、前記ハイポイドギヤ9に噛合するハイポイドピニオン17とのバックラッシを調整する手段として、ハイポイドギヤ9と出力軸2との軸線方向における対向部に第1スペーサ20を介装すると共に、前記ラックシャフト5に噛合するピニオン2a側の出力軸2端の軸受8とラックハウジング10との間にバックラッシが適正になるよう厚味を選択して用いられる第2スペーサ21を介装し、ラックハウジング10に螺合したナットカバー22によって前記軸受8を軸方向に移動させる構成である。
【0006】
一方、モータ単体型の電気式動力舵取装置は図6で示すように、基本的な構成は図5のハイポイドピニオンとモータ軸分割型の電気式動力舵取装置と同じであるが、ハイポイドピニオン17はモータ13のモータ軸14と一体に形成された構成である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記図5のハイポイドピニオンとモータ軸分割型の電気式動力舵取装置では、ラックハウジング10とモータハウジング15との雌雄嵌合部において、モータハウジング15側にモータ軸14を支持する軸受16とラックハウジング10側にハイポイドピニオン17を支持する軸受19の都合2個の軸受が必要でありコスト高となっている。また、ハイポイドピニオン17とモータ軸14のカップリング18による連結部にガタが発生し易く、これが騒音発生の原因になっている。このガタ防止のためには、連結部及びハイポイドピニオン17とモータ軸14の芯合わせを高精度に加工したり、弾性体を介入したりするが、これもコスト高になっている。
【0008】
また、上記図6のモータ単体型の電気式動力舵取装置では、ハイポイドピニオン17が一体成形されているモータ軸14をラックハウジング10側に1個の軸受19で支持し、ハイポイドピニオン17とハイポイドギヤ9との噛合を良好にしているが、軸受19をラックハウジング10側に設ける構造であるため、モータ単体での性能測定が困難であるという問題があった。
【0009】
さらに、上記ハイポイドピニオンとモータ軸分割型及びモータ単体型の何れの電気式動力舵取装置におけるバックラッシ調整手段においても、バックラッシがあるとハイポイドギヤ9が回転を始める時及び逆入力によりハイポイドギヤ9が回転を始める時にハイポイドピニオン17との歯当り音が発生して車室内に伝達されることと、第2スペーサ21を組付ける前に各部品の必要寸法を測定して適正な厚味の第2スペーサ21を選択しなければならず、組付けに時間がかかると共に、各種の厚味の第2スペーサ21を準備する必要があった。
【0010】
本発明の目的は、モータ単体型の電気式動力舵取装置において、モータ単体での性能測定を可能とし、ハイポイドギヤとハイポイドピニオンのバックラッシの調整を各種の厚味のスペーサを用いることなく短時間で容易に行うようにしたことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の構成は、請求項1は、ラックハウジングに、ハンドルからの回転を伝達する入力軸と、トーションバーを介して相対回転可能に前記入力軸に連結されハイポイドギヤを備えた出力軸と、前記トーションバーの回転トルクを前記入力軸と出力軸との相対回転変位量として検出するトルクセンサと、この出力軸に設けられているピニオンと噛合する操向機構のラックシャフトとが内設され、前記入力軸および出力軸の軸線と交差する軸線方向で配置されモータ軸に前記ハイポイドギヤに噛合するハイポイドピニオンを設けた電動モータと、この電動モータの回転を前記出力軸に設けられているピニオンを介してラックシャフトに伝達する電気式動力舵取装置において、前記ラックハウジングとモータハウジングとを雌雄嵌合し、この雌雄嵌合部に渡って前記モータ軸を支持する軸受を設け、この軸受が前記雌雄嵌合部の雌要素側と雄要素側とに支持されたものである。
【0012】
請求項2は、請求項1に記載の構成において、前記ラックシャフトに噛合するピニオン側の出力軸端の軸受をラックハウジングに螺合した軸受ケースにより保持し、この軸受ケースの移動によって前記ハイポイドギヤとハイポイドピニオンのバックラッシを調整可能としたしたものである。
【0013】
請求項3は、請求項1に記載の構成において、前記ハイポイドギヤを出力軸に軸方向にのみ摺動可能に設け、ハイポイドギヤと出力軸との間にハイポイドギヤをハイポイドピニオンの噛合方向に押圧付勢するスプリングを介装しハイポイドギヤとハイポイドピニオンのバックラッシを吸収すると共に、ハイポイドギヤ又は出力軸にハイポイドギヤと出力軸との当接を緩衝する緩衝材を設けたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は請求項1の実施形態を示すものである。図1において、ラックハウジング10に、ハンドルからの回転を伝達する入力軸1と、トーションバー3を介して相対回転可能に前記入力軸1に連結されハイポイドギヤ9を備えた出力軸2と、前記トーションバー3の回転トルクを前記入力軸1と出力軸2との相対回転変位量として検出するトルクセンサ4と、この出力軸2に設けられているピニオン2aと噛合する操向機構のラックシャフト5とが内設されている。
【0015】
13は電動モータ13であり、前記入力軸1および出力軸2の軸線と直交する軸線方向で配置されモータ軸14に前記ハイポイドギヤ9に噛合するハイポイドピニオン17が一体に形成されている。この電動モータ13の回転を前記出力軸2に設けられているピニオン2aを介してラックシャフト5に伝達する構成である。
【0016】
前記ラックシャフト5はスプリング7によって押圧されているラックガイド6によりピニオン2aに適度の押圧力で噛合方向に押圧されている。また、ピニオン2aにはギヤ11を介してエンコーダ或いはポテンションメータ等の操舵角検出器12が連結されている。
【0017】
上記の構成による電気式動力舵取装置はモータ単体型である。本発明は前記電気式動力舵取装置において、前記ラックハウジング10とモータハウジング15とを雌雄嵌合し、この雌雄嵌合部に前記モータ軸14の軸受19を設けたものである。
【0018】
すなわち、ラックハウジング10に雌要素10aを設け、モータハウジング15に雄要素15aを設け、この雌要素10aと雌要素15aとを嵌合してモータハウジング15をラックハウジング10に結合する。尚、ラックハウジング10に雄要素を設け、モータハウジング15に雌要素を設けてもよい。
【0019】
前記雌要素10aと雄要素15aとの雌雄嵌合部に軸受19を雌要素10aと雄要素15aとに渡って装着した構成である。
【0020】
上記の構成により、モータ単体型の電気式動力舵取装置における特性であるハイポイドピニオンとモータ軸との芯ずれがなく、芯ずれによるガタ音の発生がないうえに、ラックハウジング10の雌要素10a側とモータハウジング15の雄要素15a側とに半分ずつ支持されるため、ハイポイドギヤ9とハイポイドピニオン17のアライメントが確実に得られハイポイドギヤ9とハイポイドピニオン17とのギヤ音が軽減される。
【0021】
また、軸受19はモータハウジング15側の雄要素15aに半分が支持されているため、モータ単体での性能測定を容易に行うことができる利点がある。
【0022】
図2は請求項2の実施形態を示すものである。この請求項2の実施形態の電気式動力舵取装置の基本的な構成は前記図1における請求項1の実施形態と同じである。この請求項2の実施形態は請求項1の実施形態と基本的な構成に同じである電気式動力舵取装置において、出力軸2とハイポイドギヤ9との軸線方向における対向部にスペーサ20を介装し、ラックシャフト5に噛合するピニオン2a側の出力軸2端の軸受8をラックハウジング10とナットカバー22とに螺合した軸受ケース23により保持し、ロックスリーブ24によって前記軸受ケース23をロックするようにした構成である。
【0023】
上記構成では、軸受ケース23をねじリードによって出力軸2の軸線方向に移動させることにより、前記ハイポイドギヤ9とハイポイドピニオン17のバックラッシを調整可能とし、このバックラッシの調整が短時間で行うことができると共に、多種類の厚味のスペーサを不要とし、コストを低減することができる。
【0024】
図3及び図4は請求項3の実施形態を示すものである。この請求項3の実施形態の電気式動力舵取装置の基本的な構成も前記図1における請求項1の実施形態と同じである。この請求項3の実施形態は請求項1の実施形態と基本的な構成が同じである電気式動力舵取装置において、ハイポイドギヤ9を出力軸2にキー溝と、このキー溝に回転方向を係合するキーとによって軸方向にのみ摺動可能に設けている。
【0025】
前記出力軸2の上端にはフランジ25が設けられており、このフランジ25とハイポイドギヤ9との間にハイポイドギヤ9をハイポイドピニオン17の噛合方向に押圧付勢するスプリング26を介装し、ハイポイドギヤ9に前記フランジ25との当接を緩衝するゴム或いは合成樹脂等の緩衝材27を設けた構成である。尚、前記緩衝材27はフランジ25側に設けてもよい。
【0026】
上記の構成では、ハイポイドギヤ9は出力軸2上をハイポイドギヤ9とハイポイドピニオン17の適正なバックラッシ量の軸方向相当量だけ摺動してハイポイドピニオン17の肩の上で停止し、適正なバックラッシで回転力を伝達する。
【0027】
また、ハイポイドギヤ9がハイポイドピニオン17の肩の上で停止して、スプリング26を圧縮し、ハイポイドギヤ9が出力軸2のフランジ25に当接する際は、緩衝材27によって衝撃を吸収する。
【0028】
よって、ハイポイドピニオン17とハイポイドギヤ9のそれぞれの回転始動時における歯当りによる異音の発生を軽減することができるのである。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によると、請求項1の構成では、電気式動力舵取装置の小型化が図られると共に、ハイポイドギヤとハイポイドピニオンのアライメントが確実に得られハイポイドギヤとハイポイドピニオンとのギヤ音が軽減され、モータ単体での性能測定が容易に行うことができる利点がある。
【0030】
また、請求項2の構成では、請求項1の構成による利点に加えて、ハイポイドギヤとハイポイドピニオンのバックラッシの調整を短時間で行うことができると共に、多種類の厚味のスペーサを不要とし、コストを低減することができる。
【0031】
さらに、請求項3の構成では、請求項1の構成による利点に加えて、ハイポイドギヤとハイポイドピニオンのバックラッシ量が適正に自動調整され、ハイポイドピニオンとハイポイドギヤのそれぞれの回転始動時における歯当りによる異音の発生を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1の実施の形態を示す断面図
【図2】本発明装置の第2の実施の形態を示す断面図
【図3】本発明装置の第3の実施の形態を示す断面図
【図4】本発明装置の第3の実施の形態の要部断面図
【図5】従来のハイポイドピニオンとモータ軸分割型の電気式動力舵取装置の断面図
【図6】従来のモータ単体型の電気式動力舵取装置の断面図
【符号の説明】
1 入力軸
2 出力軸
2a ピニオン
3 トーションバー
4 トルクセンサ
5 ラックシャフト
8 軸受(出力軸の)
9 ハイポイドギヤ
10 ラックハウジング
10a 雌要素
12 操舵角検出器
13 電動モータ
14 モータ軸
15 モータハウジング
15a 雄要素
17 ハイポイドピニオン
19 軸受(モータ軸の)
20 スペーサ
22 ナットカバー
23 軸受ケース
24 ロックスリーブ
25 フランジ
26 スプリング
27 緩衝材
Claims (3)
- ラックハウジングに、ハンドルからの回転を伝達する入力軸と、トーションバーを介して相対回転可能に前記入力軸に連結されハイポイドギヤを備えた出力軸と、前記トーションバーの回転トルクを前記入力軸と出力軸との相対回転変位量として検出するトルクセンサと、この出力軸に設けられているピニオンと噛合する操向機構のラックシャフトとが内設され、前記入力軸および出力軸の軸線と交差する軸線方向で配置されモータ軸に前記ハイポイドギヤに噛合するハイポイドピニオンを設けた電動モータと、この電動モータの回転を前記出力軸に設けられているピニオンを介してラックシャフトに伝達する電気式動力舵取装置において、前記ラックハウジングとモータハウジングとを雌雄嵌合し、この雌雄嵌合部に渡って前記モータ軸を支持する軸受を設け、この軸受が前記雌雄嵌合部の雌要素側と雄要素側とに支持されたことを特徴とする電気式動力舵取装置。
- 前記ラックシャフトに噛合するピニオン側の出力軸端の軸受をラックハウジングに螺合した軸受ケースにより保持し、この軸受ケースの移動によって前記ハイポイドギヤとハイポイドピニオンのバックラッシを調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載の電気式動力舵取装置。
- 前記ハイポイドギヤを出力軸に軸方向にのみ摺動可能に設け、ハイポイドギヤと出力軸との間にハイポイドギヤをハイポイドピニオンの噛合方向に押圧付勢するスプリングを介装しハイポイドギヤとハイポイドピニオンのバックラッシを吸収すると共に、ハイポイドギヤ又は出力軸にハイポイドギヤと出力軸との当接を緩衝する緩衝材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電気式動力舵取装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20265897A JP3552476B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 電気式動力舵取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20265897A JP3552476B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 電気式動力舵取装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1129058A JPH1129058A (ja) | 1999-02-02 |
| JP3552476B2 true JP3552476B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=16461006
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20265897A Expired - Fee Related JP3552476B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 電気式動力舵取装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3552476B2 (ja) |
-
1997
- 1997-07-14 JP JP20265897A patent/JP3552476B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1129058A (ja) | 1999-02-02 |
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