JP3554003B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、記録材にインク滴を吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙、OHP用シ−ト等の記録媒体に対して記録を行う記録装置は種々提案されているが、この中でもインクジェット記録装置は、記録ヘッドから記録紙に直接インクを噴射するものであり、ランニングコストが安く、記録動作が静かである等の利点を有する記録装置として注目されている。
【0003】
このようなインクジェット記録装置においてインク量が低下したことの検知方法として、記録紙の後端部に所定のパターン、例えば黒マークを印字し、このマークの有無を検知することによりインク無しを検知する方法が提案されている。この方法は記録ヘッドに特別な部品を付加することなくインク無しを検知することが出来るので、有効な方法である。
【0004】
一方、インクジェット記録装置においては、インクが乾燥するのに若干の時間を必要とするため、記録ヘッドで記録を行なう部分から排紙スタック部までの紙搬送路を意図的に長くして、記録紙上のインクが乾燥してから排紙されるように構成されている場合がある。しかしこの場合、印字された記録紙は印字面をローラ等で挟持出来ないので、搬送が不安定になりがちなため、万一のために記録紙が確実に通過したことを検知するジャムセンサを設けることによって、記録紙搬送の信頼性を確保するのが普通であった。このような構成にすると、結果として装置の記録排紙部に、前述の黒マークセンサとジャムセンサのふたつのセンサを持つことになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成にした場合、ふたつのセンサを必要とするので配置や配線のための装置構成が複雑になり、コストアップになってしまうという欠点があった。
【0006】
また黒マークは、本来使用者の必要とする画像データではないので、記録紙上に単体で存在することは、印字物の美観の点から違和感を与える場合があった。
【0007】
更に黒マークは単純ベタ黒なので、小さなスペースであっても比較的多くのインクを消費し、ランニングコストを上げる一因でもあった。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、装置構成を簡略化しコストダウンを図ることが可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、画像データに応じてインク滴を吐出する記録ヘッドを用いて記録材上に画像を記録するインクジェット記録装置において、記録材を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される記録材の後端部であって、記録材の後端より余白部を持った所定位置に所定パターンを記録するべく前記記録ヘッドを駆動する駆動手段と、記録装置本体の、前記記録ヘッドによる記録位置よりも記録材の搬送方向における下流側であって、前記駆動手段によって記録された前記所定パターンを検知可能な位置に設けられる検知手段と、前記検知手段の対向位置に配された黒色部材と、記録材に対する画像の記録後に前記駆動手段により記録材上の前記所定位置に前記所定パターンを記録した後の、前記所定パターンが前記検知手段による検知位置に対向するよう記録材を搬送してから記録材を排出する動作において、前記検知手段が、前記所定パターンの記録位置、前記余白部、および記録材が排出された後の前記黒色部材のそれぞれと対向する位置において前記検知手段による検知を行うよう制御する検知制御手段と、前記検知制御手段の制御により、前記所定パターンに対応して得られる第1データ、前記余白部に対応して得られる第2データ及び前記黒色部材に対応して得られる第3データのそれぞれが前記検知手段の検知結果で得られたときはインク有りと判別し、前記第1のデータを除く前記第2のデータと前記第2のデータとが検知結果から得られたときはインク無しと判別する判別手段と、前記検知制御手段の制御による前記検知手段の検知結果に従い、前記判別手段によりインク有りとインク無しのいずれとも判別されない場合、前記搬送手段による記録材の搬送に異常があると判別し、前記搬送手段の動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明によれば、記録材の所定位置に記録に記録された所定パターンを検知手段により検知することによってインクの有無の判別を行う。更にこの検知手段を兼用して記録材の搬送異常の判別を行う。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明を適用したファクシミリ装置を示す断面図である。図1において、Aは原稿を光学的に読み取る読取ユニット、Bはインクジェット記録装置である記録ユニット、Cは記録紙カセットとこれに積載されたカットシートである記録紙を分離して記録ユニットに供給する給紙ユニットである。
【0012】
本図において、まず記録紙の流れについての概略説明を行なう。一連の記録紙搬送経路は矢印Gで示されており、まず記録紙カセット50に積載された記録紙12は、給紙ローラ51および分離爪52によってピックアップされ、搬送ローラ5によって搬送されて記録ユニットに送り込まれる。記録ユニットでは記録ヘッド1が紙面垂直方向に往復移動して主走査を行うことによって記録が行なわれ、装置内をある程度の距離だけ搬送した後、排紙ローラ9によって排紙スタッカ53に排出積載される。排紙ローラ9の軸上には、フォトセンサ13が配置されており、このセンサにより記録ヘッドのインク無しと排紙ローラ付近の記録紙ジャムを検知する様に構成されている。
【0013】
次に本実施例の記録部の構成を図2を用いて詳細に説明する。図2において1は記録ヘッドであり、本実施例ではインクタンクを内蔵し、インクが無くなった時に記録ヘッドごと新品と交換し得るカートリッジ式のインクジェット記録ヘッドを搭載している。
【0014】
本実施例で用いる記録ヘッド1は、インクジェット方式の記録ヘッドであり、解像度が360DPIであり、64個のノズルを持ち、ノズル内に設けた電気熱変換素子の発熱によってインク中に生じた膜沸騰の圧力によってノズル先端の吐出口よりインクを吐出するものである。
【0015】
2は記録ヘッド1を精度良く保持しながら、記録紙12の搬送方向(副走査方向)とは直角方向、すなわち主走査方向に往復移動させるためのキャリッジであり、ガイド棒11と突き当て部2aにより摺動自在に保持されている。キャリッジ2の往復動は、後述のキャリッジモータ32によって駆動されるプーリ4及びタイミングベルト3によって行われ、この際に記録ヘッド1に与える印字信号及び電力は、フレキシブルケ−ブル7によって本体の電気回路より供給されている。
【0016】
また15はインク受け手段として機能するキャップであり、キャリッジ2が待機する位置(ホ−ムポジション)に対応して設置され、必要に応じて上下し、上昇時は記録ヘッド1に密着しノズル部を覆蓋してインクの蒸発やゴミの付着を防止する。
【0017】
本実施例においては、記録ヘッド1とキャップ15とを相対的に対向した位置となるように位置決めさせるために、記録装置本体に設けられたキャリッジホ−ムセンサ10とキャリッジ2に設けられた遮光板2bが用いられる。キャリッジホ−ムセンサ10は透過型のフォトインタラプタからなり、キャリッジ2が移動して待機位置まできたときに、キャリッジホ−ムセンサ10の一部から送出された光が遮光板2bによってその通過がさえぎられることを利用して、記録ヘッド1とキャップ15とが相対的に対向した位置にあることを検知するものである。
【0018】
記録紙12は図中下側より上方へ給紙され、搬送ローラ5及び紙ガイド6によって水平方向に曲げられて、矢印Hで示される方向(副走査方向)に搬送される。搬送ローラ5及び排紙ローラ9は、それぞれ不図示の駆動系によって駆動され、必要に応じてキャリッジ2の往復動と連動して高精度に記録紙12を副走査方向に搬送する。また8は拍車と呼ばれるもので、撥水性の高い材料で作られ、記録紙面と刃状の円周部のみで記録紙12に接触するようにしたもので、不図示の軸受部材により所定長離間して配設され、印字直後の記録紙上の未定着インクに接触しても画像に影響を与えずに記録紙12をガイドし搬送するよう構成されている。13はフォトセンサであり、排紙ローラ9の軸上に配置され、記録紙に印字された所定パターン(黒マーク)の有無を光学的に検知する反射形フォトインタラプタであり、記録ヘッドのインク無しや記録紙ジャムを、黒マークの出力や記録紙の白出力から判断できるようになっている。本実施例で用いているフォトセンサは発光素子に赤色LED、受光素子にはフォトトランジスタを用いて、直径3mmの範囲が白であるか黒であるかが判別できるものである。また前記排紙ローラ9は、記録紙がない場合に黒出力になるように、フォトセンサの対向部が黒色のゴムによって構成されている。
【0019】
図3は、本実施例のファクシミリ装置の電気回路主要部の概略構成を示すブロック図である。図3において、21は記録装置全体を制御するための制御部で、マイクロプロセッサ等のCPU23、CPU23の制御プログラムや各種デ−タを記憶しているROM25及びCPU23のワ−クエリアとして使用され、各種デ−タを一時的に保存するためのRAM27等を有している。
【0020】
又、28は記録ヘッド1を駆動してインク滴を吐出するためのヘッド駆動回路、29はキャリッジ2を往復移動させるための駆動源であるキャリッジモータ32を駆動するキャリッジモータ駆動回路、30は回線を介して送られてくる画像データを受信し、復調した後装置内に入力する画像データ入力回路、31は画像データ入力回路31から入力される画像データを格納するための画像メモリ、33はフォトセンサ13からの出力電流を比例した大きさの電圧に変換して出力する検出回路、34は検出回路33からの出力電圧と所定の閾値電圧とを比較し、比較結果を制御部21に出力するコンパレータ、35は搬送ローラ5及び排紙ローラ9の駆動源である搬送モータ36を駆動するための搬送モータ駆動回路、37は記録紙をピックアップするための給紙ローラ51に搬送モータ36の駆動力を伝達するためのクラッチ、38はインク無し検知時に点灯表示する表示部39及び記録紙ジャム検知時に点灯表示する表示部40を備えたアラーム回路である。
【0021】
次に本実施例におけるインク無し検知とジャム検知のシーケンスを、図4のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートに応じたプログラムはROM25に格納されており、CPU23はこのプログラムに従って制御を行う。まず搬送モータ36及びクラッチ37を動作させ、記録紙をピックアップして画像データを画像メモリ31から読出して1頁分の画像を記録した後(ステップS1)、記録紙の後端に黒マークを印字する(ステップS2)。黒マークは単純黒ベタのドットマトリクスで印字され、図5に示すような形状で記録紙後端との間に、記録紙の白出力が判別できるだけの余白部を設けて記録される。記録紙は紙搬送路の最後の部分である排紙ローラ9の軸上に設けられているフォトセンサ13の位置に黒マークが来るまで搬送される(ステップS3)。そして黒マークがフォトセンサ13の位置に到達するタイミングで検知回路33及びコンパレータ34を介してフォトセンサ13の出力データ(白か黒)を、RAM27に記憶する(ステップS4)。次に黒マークと記録紙後端の間の余白部がフォトセンサ13の位置に来るまで記録紙を搬送する(ステップS5)。そして余白部がフォトセンサ13の位置に到達するタイミングでこの部分のフォトセンサ13の出力データ(白か黒)を再びRAM27に記憶する(ステップS6)。更に排紙スタッカ部53に記録紙が積載されるまで記録紙を搬送して、記録紙が排紙スタッカ部53に排出されるタイミングで排紙ローラ9の黒い表面をフォトセンサ13で読んで、その出力データをRAM27に記憶する(ステップS7)。この後、RAM27のデータを参照して、データが黒白黒の順番であれば、正常に記録が完了したことが判明するので(ステップS8)、このあと次の頁が存在するならば、クラッチ37をオンして次の紙のピックアップを開始して、同様の動作を繰り返す(ステップS10)。ステップS8でNOとなった場合は、白白黒の順番であれば、インクが無くなったために黒マークが印字できなかったと判断して表示部39を点灯してインク無しを報知し、これ以外であれば、何らかの原因で記録紙が正常に搬送されずにジャムまたは停留したと判断して、表示部40を点灯し記録紙搬送路を再点検する様に報知する(ステップS9)。以上で一連の記録動作が終了するが、前述のようにフォトセンサ13が排紙ローラ9の軸上という紙搬送路の最後に設けられているため、その上流側(すなわち紙搬送路全体)の搬送異常を検知することが出来る。このためフォトセンサひとつで、インク無し検知とジャム検知のふたつの機能を実現することが出来る。
【0022】
(他の実施例)
上記実施例における黒マークは、図5に示したように矩形の単純黒ベタであるが、フアクシミリ装置に応用した場合、送信されてきた文書のページを印字すると便利なので、これを図6に示すように黒マークを白抜き文字と組み合せるようにして、文書のページ番号を記録するようにしてもよい。
【0023】
また黒マークを印字するためのインクを節約するために、黒マークを単純黒ベタでなく、コンパレータ34のしきい値を補正した上で、例えば75%、50%等の千鳥状に間引いたドットマトリクスパターンで印字することも可能である。
【0024】
以上のように、黒マークの配置位置を記録紙後端から余白部を設けて配置することと、フォトセンサの位置を排紙ローラ上に配置することと、フォトセンサの出力信号を判別した後に次の記録紙をピックアップすることにより、インク無しセンサと紙ジャムセンサをひとつにまとめることができ、装置を簡略化しコストダウンを図ると共に、信頼性の向上を実現することが出来る。
【0025】
また黒マークに文字情報を付加することにより使用者の違和感をなくし、更に黒マークを千鳥状に間引いたドットマトリクスで記録することにより、インク消費量を低減させ、ランニングコストの低減を図ることが出来る。
【0026】
次に、本発明における記録手段として本実施例のインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドの吐出原理について説明する。インクジェット記録装置に適用される記録ヘッド部は、一般に微細な液体吐出口(オリフィス)、液路およびこの液路の一部に設けられるエネルギ−作用部と、該作用部にある液体に作用させる液滴形成エネルギ−を発生するエネルギ−発生手段とを備え、交換可能である。
【0027】
このようなエネルギ−を発生するエネルギ−発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用いたもの、レ−ザ等の電磁波を照射して、そこにある液体に吸収させて発熱させ、該発熱による作用で液滴を吐出、飛翔させるようにしたもの、あるいは電気熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させるようにしたもの等がある。その中でも熱エネルギ−によって液体を吐出させるインクジェット記録方式に用いられる記録ヘッド部は、記録用の液滴を吐出して飛翔用液滴を形成するための液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列することができるために高解像力の記録をすることが可能である。
【0028】
また、電気熱変換体をエネルギ−発生手段として用いた記録ヘッド部は、記録ヘッド部として全体的なコンパクト化も容易で、かつ、最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、長尺化及び面状化(2元化)が容易であること等から、マルチノズル化、高密度実装化が容易で、しかも大量に生産性よく、製造コストも安価なインクジェット記録用ヘッド部を提供することが可能である。
【0029】
このようにエネルギー発生手段に電気熱変換体を用い、半導体製造プロセスを経て製造されたインクジェット用記録ヘッド部は、一般には各インク吐出口に対応した液路を設け、該液路ごとに該液路を満たす液体に熱エネルギーを作用させて、対応するインク吐出口から液体を吐出して飛翔用液滴を形成する手段としての電気熱変換体が設けられ、各液路には、各液路に連通している共通液室から液体が供給される構造となっている。なお、インク吐出部の製造方法について本出願人は第1の基板上に少なくとも液路を形成するための固体層と、少なくとも液路の壁の形成に利用する活性エネルギー線硬化性材料層と、第2の基板を順次積層した後、該第2の基板上にマスクを積層し、該マスクの上方から活性エネルギー線を照射して、活性エネルギ−線硬化性材料層の少なくとも液路の壁を構成部分として硬化させ、更に固体層と活性エネルギー線硬化性材料層の未硬化部分を二つの基板間から除去し、少なくとも液路を形成する方法を出願した(特開昭62−253457号公報参照)。
【0030】
図7は、上述したインクジェット記録ヘッド部の概略構成を示す。記録ヘッド部101はエッチング蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロセス工程を経て、第1の基板である基板102上に成膜された電気熱変換体103、電極104、液路110を有する硬化した活性エネルギ−線硬化性材料層210および天板106で構成されている。しかしてこのような記録ヘッド部101では記録用液体112が図示していない液体貯蔵室から液体供給管107を通して共通液室108内に供給される。
【0031】
109は液体供給管用コネクタである。共通液室108内に供給された記録液体112は毛管現象により液路110内に供給され、液路先端のインク吐出口111でメニスカスが形成されることにより安定に保持される。そこで電気熱変換体103に通電されることにより、電気熱変換体面上の液体が加熱され、膜沸騰による発泡現象が生じ、その気泡の成長によりインク吐出口111から液滴が吐出する。上述したような構成により、吐出口密度360〜400dots/inch といった高密度の液路配管でマルチノズルのインクジェット記録ヘッド部を形成することができる。
【0032】
この様な熱エネルギ−を利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット記録方式の代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシ−トや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギ−を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0033】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0034】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成としてもよい。
【0035】
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ−の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成とすることもできる。
【0036】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカ−トリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0037】
また、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリ−ニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ−ドを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0038】
さらに、記録装置の記録モ−ドとしては黒色等の主流色のみの記録モ−ドだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異なる色の複色カラ−、または混色によるフルカラ−の少なくとも一つを備えた装置とすることもできる。
【0039】
以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは液体であるもの等、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0040】
加えて、積極的に熱エネルギ−による昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギ−として使用せしめることで防止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギ−の記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとして吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギ−によって初めて液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シ−ト凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上の様に本発明によれば、記録材の所定位置に記録された所定パターンを検知する検知手段の検知結果に応じてインクの有無を判別するとともに、記録材の搬送異常の判別を行うので、インク無し検知及び記録材の搬送異常の検知を共通の検知手段により行うことができ、装置構成を簡略化し、コストダウンを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファクシミリ装置を示した断面図である。
【図2】インクジェット記録部の構成を示す斜視図である。
【図3】インクジェット記録部の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図4】インク無しと記録紙ジャムを検出するシーケンスを示すフローチャートである。
【図5】黒マークの形状例を示す図である。
【図6】他の実施例における黒マークの形状を示す図である。
【図7】記録ヘッドの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
2 キャリッジ
5 搬送ローラ
8 拍車
9 排紙ローラ
12 記録紙
13 フォトセンサ
21 制御部
23 CPU
32 キャリッジモータ
36 搬送モータ
38 アラーム回路
【産業上の利用分野】
本発明は、記録材にインク滴を吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙、OHP用シ−ト等の記録媒体に対して記録を行う記録装置は種々提案されているが、この中でもインクジェット記録装置は、記録ヘッドから記録紙に直接インクを噴射するものであり、ランニングコストが安く、記録動作が静かである等の利点を有する記録装置として注目されている。
【0003】
このようなインクジェット記録装置においてインク量が低下したことの検知方法として、記録紙の後端部に所定のパターン、例えば黒マークを印字し、このマークの有無を検知することによりインク無しを検知する方法が提案されている。この方法は記録ヘッドに特別な部品を付加することなくインク無しを検知することが出来るので、有効な方法である。
【0004】
一方、インクジェット記録装置においては、インクが乾燥するのに若干の時間を必要とするため、記録ヘッドで記録を行なう部分から排紙スタック部までの紙搬送路を意図的に長くして、記録紙上のインクが乾燥してから排紙されるように構成されている場合がある。しかしこの場合、印字された記録紙は印字面をローラ等で挟持出来ないので、搬送が不安定になりがちなため、万一のために記録紙が確実に通過したことを検知するジャムセンサを設けることによって、記録紙搬送の信頼性を確保するのが普通であった。このような構成にすると、結果として装置の記録排紙部に、前述の黒マークセンサとジャムセンサのふたつのセンサを持つことになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成にした場合、ふたつのセンサを必要とするので配置や配線のための装置構成が複雑になり、コストアップになってしまうという欠点があった。
【0006】
また黒マークは、本来使用者の必要とする画像データではないので、記録紙上に単体で存在することは、印字物の美観の点から違和感を与える場合があった。
【0007】
更に黒マークは単純ベタ黒なので、小さなスペースであっても比較的多くのインクを消費し、ランニングコストを上げる一因でもあった。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、装置構成を簡略化しコストダウンを図ることが可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、画像データに応じてインク滴を吐出する記録ヘッドを用いて記録材上に画像を記録するインクジェット記録装置において、記録材を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される記録材の後端部であって、記録材の後端より余白部を持った所定位置に所定パターンを記録するべく前記記録ヘッドを駆動する駆動手段と、記録装置本体の、前記記録ヘッドによる記録位置よりも記録材の搬送方向における下流側であって、前記駆動手段によって記録された前記所定パターンを検知可能な位置に設けられる検知手段と、前記検知手段の対向位置に配された黒色部材と、記録材に対する画像の記録後に前記駆動手段により記録材上の前記所定位置に前記所定パターンを記録した後の、前記所定パターンが前記検知手段による検知位置に対向するよう記録材を搬送してから記録材を排出する動作において、前記検知手段が、前記所定パターンの記録位置、前記余白部、および記録材が排出された後の前記黒色部材のそれぞれと対向する位置において前記検知手段による検知を行うよう制御する検知制御手段と、前記検知制御手段の制御により、前記所定パターンに対応して得られる第1データ、前記余白部に対応して得られる第2データ及び前記黒色部材に対応して得られる第3データのそれぞれが前記検知手段の検知結果で得られたときはインク有りと判別し、前記第1のデータを除く前記第2のデータと前記第2のデータとが検知結果から得られたときはインク無しと判別する判別手段と、前記検知制御手段の制御による前記検知手段の検知結果に従い、前記判別手段によりインク有りとインク無しのいずれとも判別されない場合、前記搬送手段による記録材の搬送に異常があると判別し、前記搬送手段の動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明によれば、記録材の所定位置に記録に記録された所定パターンを検知手段により検知することによってインクの有無の判別を行う。更にこの検知手段を兼用して記録材の搬送異常の判別を行う。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明を適用したファクシミリ装置を示す断面図である。図1において、Aは原稿を光学的に読み取る読取ユニット、Bはインクジェット記録装置である記録ユニット、Cは記録紙カセットとこれに積載されたカットシートである記録紙を分離して記録ユニットに供給する給紙ユニットである。
【0012】
本図において、まず記録紙の流れについての概略説明を行なう。一連の記録紙搬送経路は矢印Gで示されており、まず記録紙カセット50に積載された記録紙12は、給紙ローラ51および分離爪52によってピックアップされ、搬送ローラ5によって搬送されて記録ユニットに送り込まれる。記録ユニットでは記録ヘッド1が紙面垂直方向に往復移動して主走査を行うことによって記録が行なわれ、装置内をある程度の距離だけ搬送した後、排紙ローラ9によって排紙スタッカ53に排出積載される。排紙ローラ9の軸上には、フォトセンサ13が配置されており、このセンサにより記録ヘッドのインク無しと排紙ローラ付近の記録紙ジャムを検知する様に構成されている。
【0013】
次に本実施例の記録部の構成を図2を用いて詳細に説明する。図2において1は記録ヘッドであり、本実施例ではインクタンクを内蔵し、インクが無くなった時に記録ヘッドごと新品と交換し得るカートリッジ式のインクジェット記録ヘッドを搭載している。
【0014】
本実施例で用いる記録ヘッド1は、インクジェット方式の記録ヘッドであり、解像度が360DPIであり、64個のノズルを持ち、ノズル内に設けた電気熱変換素子の発熱によってインク中に生じた膜沸騰の圧力によってノズル先端の吐出口よりインクを吐出するものである。
【0015】
2は記録ヘッド1を精度良く保持しながら、記録紙12の搬送方向(副走査方向)とは直角方向、すなわち主走査方向に往復移動させるためのキャリッジであり、ガイド棒11と突き当て部2aにより摺動自在に保持されている。キャリッジ2の往復動は、後述のキャリッジモータ32によって駆動されるプーリ4及びタイミングベルト3によって行われ、この際に記録ヘッド1に与える印字信号及び電力は、フレキシブルケ−ブル7によって本体の電気回路より供給されている。
【0016】
また15はインク受け手段として機能するキャップであり、キャリッジ2が待機する位置(ホ−ムポジション)に対応して設置され、必要に応じて上下し、上昇時は記録ヘッド1に密着しノズル部を覆蓋してインクの蒸発やゴミの付着を防止する。
【0017】
本実施例においては、記録ヘッド1とキャップ15とを相対的に対向した位置となるように位置決めさせるために、記録装置本体に設けられたキャリッジホ−ムセンサ10とキャリッジ2に設けられた遮光板2bが用いられる。キャリッジホ−ムセンサ10は透過型のフォトインタラプタからなり、キャリッジ2が移動して待機位置まできたときに、キャリッジホ−ムセンサ10の一部から送出された光が遮光板2bによってその通過がさえぎられることを利用して、記録ヘッド1とキャップ15とが相対的に対向した位置にあることを検知するものである。
【0018】
記録紙12は図中下側より上方へ給紙され、搬送ローラ5及び紙ガイド6によって水平方向に曲げられて、矢印Hで示される方向(副走査方向)に搬送される。搬送ローラ5及び排紙ローラ9は、それぞれ不図示の駆動系によって駆動され、必要に応じてキャリッジ2の往復動と連動して高精度に記録紙12を副走査方向に搬送する。また8は拍車と呼ばれるもので、撥水性の高い材料で作られ、記録紙面と刃状の円周部のみで記録紙12に接触するようにしたもので、不図示の軸受部材により所定長離間して配設され、印字直後の記録紙上の未定着インクに接触しても画像に影響を与えずに記録紙12をガイドし搬送するよう構成されている。13はフォトセンサであり、排紙ローラ9の軸上に配置され、記録紙に印字された所定パターン(黒マーク)の有無を光学的に検知する反射形フォトインタラプタであり、記録ヘッドのインク無しや記録紙ジャムを、黒マークの出力や記録紙の白出力から判断できるようになっている。本実施例で用いているフォトセンサは発光素子に赤色LED、受光素子にはフォトトランジスタを用いて、直径3mmの範囲が白であるか黒であるかが判別できるものである。また前記排紙ローラ9は、記録紙がない場合に黒出力になるように、フォトセンサの対向部が黒色のゴムによって構成されている。
【0019】
図3は、本実施例のファクシミリ装置の電気回路主要部の概略構成を示すブロック図である。図3において、21は記録装置全体を制御するための制御部で、マイクロプロセッサ等のCPU23、CPU23の制御プログラムや各種デ−タを記憶しているROM25及びCPU23のワ−クエリアとして使用され、各種デ−タを一時的に保存するためのRAM27等を有している。
【0020】
又、28は記録ヘッド1を駆動してインク滴を吐出するためのヘッド駆動回路、29はキャリッジ2を往復移動させるための駆動源であるキャリッジモータ32を駆動するキャリッジモータ駆動回路、30は回線を介して送られてくる画像データを受信し、復調した後装置内に入力する画像データ入力回路、31は画像データ入力回路31から入力される画像データを格納するための画像メモリ、33はフォトセンサ13からの出力電流を比例した大きさの電圧に変換して出力する検出回路、34は検出回路33からの出力電圧と所定の閾値電圧とを比較し、比較結果を制御部21に出力するコンパレータ、35は搬送ローラ5及び排紙ローラ9の駆動源である搬送モータ36を駆動するための搬送モータ駆動回路、37は記録紙をピックアップするための給紙ローラ51に搬送モータ36の駆動力を伝達するためのクラッチ、38はインク無し検知時に点灯表示する表示部39及び記録紙ジャム検知時に点灯表示する表示部40を備えたアラーム回路である。
【0021】
次に本実施例におけるインク無し検知とジャム検知のシーケンスを、図4のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートに応じたプログラムはROM25に格納されており、CPU23はこのプログラムに従って制御を行う。まず搬送モータ36及びクラッチ37を動作させ、記録紙をピックアップして画像データを画像メモリ31から読出して1頁分の画像を記録した後(ステップS1)、記録紙の後端に黒マークを印字する(ステップS2)。黒マークは単純黒ベタのドットマトリクスで印字され、図5に示すような形状で記録紙後端との間に、記録紙の白出力が判別できるだけの余白部を設けて記録される。記録紙は紙搬送路の最後の部分である排紙ローラ9の軸上に設けられているフォトセンサ13の位置に黒マークが来るまで搬送される(ステップS3)。そして黒マークがフォトセンサ13の位置に到達するタイミングで検知回路33及びコンパレータ34を介してフォトセンサ13の出力データ(白か黒)を、RAM27に記憶する(ステップS4)。次に黒マークと記録紙後端の間の余白部がフォトセンサ13の位置に来るまで記録紙を搬送する(ステップS5)。そして余白部がフォトセンサ13の位置に到達するタイミングでこの部分のフォトセンサ13の出力データ(白か黒)を再びRAM27に記憶する(ステップS6)。更に排紙スタッカ部53に記録紙が積載されるまで記録紙を搬送して、記録紙が排紙スタッカ部53に排出されるタイミングで排紙ローラ9の黒い表面をフォトセンサ13で読んで、その出力データをRAM27に記憶する(ステップS7)。この後、RAM27のデータを参照して、データが黒白黒の順番であれば、正常に記録が完了したことが判明するので(ステップS8)、このあと次の頁が存在するならば、クラッチ37をオンして次の紙のピックアップを開始して、同様の動作を繰り返す(ステップS10)。ステップS8でNOとなった場合は、白白黒の順番であれば、インクが無くなったために黒マークが印字できなかったと判断して表示部39を点灯してインク無しを報知し、これ以外であれば、何らかの原因で記録紙が正常に搬送されずにジャムまたは停留したと判断して、表示部40を点灯し記録紙搬送路を再点検する様に報知する(ステップS9)。以上で一連の記録動作が終了するが、前述のようにフォトセンサ13が排紙ローラ9の軸上という紙搬送路の最後に設けられているため、その上流側(すなわち紙搬送路全体)の搬送異常を検知することが出来る。このためフォトセンサひとつで、インク無し検知とジャム検知のふたつの機能を実現することが出来る。
【0022】
(他の実施例)
上記実施例における黒マークは、図5に示したように矩形の単純黒ベタであるが、フアクシミリ装置に応用した場合、送信されてきた文書のページを印字すると便利なので、これを図6に示すように黒マークを白抜き文字と組み合せるようにして、文書のページ番号を記録するようにしてもよい。
【0023】
また黒マークを印字するためのインクを節約するために、黒マークを単純黒ベタでなく、コンパレータ34のしきい値を補正した上で、例えば75%、50%等の千鳥状に間引いたドットマトリクスパターンで印字することも可能である。
【0024】
以上のように、黒マークの配置位置を記録紙後端から余白部を設けて配置することと、フォトセンサの位置を排紙ローラ上に配置することと、フォトセンサの出力信号を判別した後に次の記録紙をピックアップすることにより、インク無しセンサと紙ジャムセンサをひとつにまとめることができ、装置を簡略化しコストダウンを図ると共に、信頼性の向上を実現することが出来る。
【0025】
また黒マークに文字情報を付加することにより使用者の違和感をなくし、更に黒マークを千鳥状に間引いたドットマトリクスで記録することにより、インク消費量を低減させ、ランニングコストの低減を図ることが出来る。
【0026】
次に、本発明における記録手段として本実施例のインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドの吐出原理について説明する。インクジェット記録装置に適用される記録ヘッド部は、一般に微細な液体吐出口(オリフィス)、液路およびこの液路の一部に設けられるエネルギ−作用部と、該作用部にある液体に作用させる液滴形成エネルギ−を発生するエネルギ−発生手段とを備え、交換可能である。
【0027】
このようなエネルギ−を発生するエネルギ−発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用いたもの、レ−ザ等の電磁波を照射して、そこにある液体に吸収させて発熱させ、該発熱による作用で液滴を吐出、飛翔させるようにしたもの、あるいは電気熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させるようにしたもの等がある。その中でも熱エネルギ−によって液体を吐出させるインクジェット記録方式に用いられる記録ヘッド部は、記録用の液滴を吐出して飛翔用液滴を形成するための液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列することができるために高解像力の記録をすることが可能である。
【0028】
また、電気熱変換体をエネルギ−発生手段として用いた記録ヘッド部は、記録ヘッド部として全体的なコンパクト化も容易で、かつ、最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、長尺化及び面状化(2元化)が容易であること等から、マルチノズル化、高密度実装化が容易で、しかも大量に生産性よく、製造コストも安価なインクジェット記録用ヘッド部を提供することが可能である。
【0029】
このようにエネルギー発生手段に電気熱変換体を用い、半導体製造プロセスを経て製造されたインクジェット用記録ヘッド部は、一般には各インク吐出口に対応した液路を設け、該液路ごとに該液路を満たす液体に熱エネルギーを作用させて、対応するインク吐出口から液体を吐出して飛翔用液滴を形成する手段としての電気熱変換体が設けられ、各液路には、各液路に連通している共通液室から液体が供給される構造となっている。なお、インク吐出部の製造方法について本出願人は第1の基板上に少なくとも液路を形成するための固体層と、少なくとも液路の壁の形成に利用する活性エネルギー線硬化性材料層と、第2の基板を順次積層した後、該第2の基板上にマスクを積層し、該マスクの上方から活性エネルギー線を照射して、活性エネルギ−線硬化性材料層の少なくとも液路の壁を構成部分として硬化させ、更に固体層と活性エネルギー線硬化性材料層の未硬化部分を二つの基板間から除去し、少なくとも液路を形成する方法を出願した(特開昭62−253457号公報参照)。
【0030】
図7は、上述したインクジェット記録ヘッド部の概略構成を示す。記録ヘッド部101はエッチング蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロセス工程を経て、第1の基板である基板102上に成膜された電気熱変換体103、電極104、液路110を有する硬化した活性エネルギ−線硬化性材料層210および天板106で構成されている。しかしてこのような記録ヘッド部101では記録用液体112が図示していない液体貯蔵室から液体供給管107を通して共通液室108内に供給される。
【0031】
109は液体供給管用コネクタである。共通液室108内に供給された記録液体112は毛管現象により液路110内に供給され、液路先端のインク吐出口111でメニスカスが形成されることにより安定に保持される。そこで電気熱変換体103に通電されることにより、電気熱変換体面上の液体が加熱され、膜沸騰による発泡現象が生じ、その気泡の成長によりインク吐出口111から液滴が吐出する。上述したような構成により、吐出口密度360〜400dots/inch といった高密度の液路配管でマルチノズルのインクジェット記録ヘッド部を形成することができる。
【0032】
この様な熱エネルギ−を利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット記録方式の代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシ−トや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギ−を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0033】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0034】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成としてもよい。
【0035】
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ−の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成とすることもできる。
【0036】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカ−トリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0037】
また、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリ−ニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ−ドを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0038】
さらに、記録装置の記録モ−ドとしては黒色等の主流色のみの記録モ−ドだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異なる色の複色カラ−、または混色によるフルカラ−の少なくとも一つを備えた装置とすることもできる。
【0039】
以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは液体であるもの等、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0040】
加えて、積極的に熱エネルギ−による昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギ−として使用せしめることで防止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギ−の記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとして吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギ−によって初めて液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シ−ト凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上の様に本発明によれば、記録材の所定位置に記録された所定パターンを検知する検知手段の検知結果に応じてインクの有無を判別するとともに、記録材の搬送異常の判別を行うので、インク無し検知及び記録材の搬送異常の検知を共通の検知手段により行うことができ、装置構成を簡略化し、コストダウンを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファクシミリ装置を示した断面図である。
【図2】インクジェット記録部の構成を示す斜視図である。
【図3】インクジェット記録部の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図4】インク無しと記録紙ジャムを検出するシーケンスを示すフローチャートである。
【図5】黒マークの形状例を示す図である。
【図6】他の実施例における黒マークの形状を示す図である。
【図7】記録ヘッドの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
2 キャリッジ
5 搬送ローラ
8 拍車
9 排紙ローラ
12 記録紙
13 フォトセンサ
21 制御部
23 CPU
32 キャリッジモータ
36 搬送モータ
38 アラーム回路
Claims (5)
- 画像データに応じてインク滴を吐出する記録ヘッドを用いて記録材上に画像を記録するインクジェット記録装置において、
記録材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される記録材の後端部であって、記録材の後端より余白部を持った所定位置に所定パターンを記録するべく前記記録ヘッドを駆動する駆動手段と、
記録装置本体の、前記記録ヘッドによる記録位置よりも記録材の搬送方向における下流側であって、前記駆動手段によって記録された前記所定パターンを検知可能な位置に設けられる検知手段と、
前記検知手段の対向位置に配された黒色部材と、
記録材に対する画像の記録後に前記駆動手段により記録材上の前記所定位置に前記所定パターンを記録した後の、前記所定パターンが前記検知手段による検知位置に対向するよう記録材を搬送してから記録材を排出する動作において、前記検知手段が、前記所定パターンの記録位置、前記余白部、および記録材が排出された後の前記黒色部材のそれぞれと対向する位置において前記検知手段による検知を行うよう制御する検知制御手段と、
前記検知制御手段の制御により、前記所定パターンに対応して得られる第1データ、前記余白部に対応して得られる第2データ及び前記黒色部材に対応して得られる第3データのそれぞれが前記検知手段の検知結果で得られたときはインク有りと判別し、前記第1のデータを除く前記第2のデータと前記第2のデータとが検知結果から得られたときはインク無しと判別する判別手段と、
前記検知制御手段の制御による前記検知手段の検知結果に従い、前記判別手段によりインク有りとインク無しのいずれとも判別されない場合、前記搬送手段による記録材の搬送に異常があると判別し、前記搬送手段の動作を制御する制御手段と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記制御手段は、前記判別手段によりインク有りと判別された場合、次の記録材の給紙を行うべく前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 更に記録材の搬送異常を報知する報知手段を備え、
前記制御手段は、記録材の搬送に異常があると判別した場合に前記報知手段を動作させることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。 - 前記所定パターンに文字情報を付加したことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記所定パターンが千鳥状に間引いたドットマトリクスのパターンであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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