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JP3554480B2 - 車椅子 - Google Patents
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JP3554480B2 - 車椅子 - Google Patents

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JP3554480B2 JP06339598A JP6339598A JP3554480B2 JP 3554480 B2 JP3554480 B2 JP 3554480B2 JP 06339598 A JP06339598 A JP 06339598A JP 6339598 A JP6339598 A JP 6339598A JP 3554480 B2 JP3554480 B2 JP 3554480B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は車体フレ−ムに前輪と後輪とが設けられた車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、自力で歩行することが困難な病人や老人などに利用される車椅子は、周知のように車体フレ−ムに前輪と後輪とが設けられている。前輪は車体フレ−ムの走行方向を変換することができるキャスタからなり、後輪は上記前輪に比べて十分に大径に形成され、車軸を上記車体フレ−ムの前後方向に対して直交させて上記車体フレ−ムに回転自在に設けられている。上記車体フレ−ムには座部が設けられ、この座部に利用者が着座した状態で介護者が車体フレ−ムの後部を押すことで走行させるようになっている。
【0003】
上記車椅子の走行方向を変換する場合には、通常、車体フレ−ムの左右方向を押す力を変えることで、前輪の走行方向を変換するようにしている。
ところで、病院や家庭等で車椅子を用いる場合、狭いスペ−スでその車椅子の走行方向を変換することが要求されることがある。車椅子の走行方向をわずかに変換する場合には、上述したように車体フレ−ムの左右方向を押す力を変えれば、前輪の向きを変えることができるから、わずかな方向変換であれば狭いスペ−スでも可能である。
【0004】
しかしながら、車椅子の走行方向を前後逆方向や左右の90度方向などに大きく変換する場合には、一対の後輪の一方と床面との接触部分を支点として車体フレ−ムを所定の方向に回転させて走行方向を変換しなければならない。
【0005】
そのため、車椅子の走行方向を大きく変換するときには、車体フレ−ムをほぼ前後方向の長さを半径として180度あるいは90度回転させなければならないから、車体の側方に、車体の前後方向の長さ寸法以上の幅寸法のスペ−スがないと、上記車体を円滑に方向変換することができないという不便があった。つまり、スペ−スが狭い場合には、車椅子を大きく方向変換することが容易でなかった。
【0006】
しかも、狭いスペ−スで走行方向を大きく変換する場合、上述したように一方の後輪を回転支点として車体フレ−ムを回転させることになる。しかしながら、一方の後輪と床面との接触部分を回転中心として車体フレ−ムを回転させると、他方の後輪と床面との接触抵抗が大きいから、車体フレ−ムを軽い操作力で円滑に回転させることができないということがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の車椅子は、走行方向を大きく変換する場合、車椅子の側方に十分なスペ−スがないと方向変換しにくいということがあったり、方向変換を軽い力で円滑に行うことができないなどのことがあった。
【0008】
この発明は、狭いスペ−スであっても、走行方向を逆方向や左右方向などに大きく変換することができ、しかもその方向変換を容易に行うことができるようにした車椅子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車体フレ−ムに利用者が着座する座部が設けられた車椅子において、
上記車体フレ−ムの前端側の幅方向両側の下部に走行方向の変換自在に設けられた一対の前輪と、
上記車体フレ−ムの後端側の幅方向両側に上下方向に沿って設けられた一対の支持パイプと、
各支持パイプに回転可能に挿通され上部にハンドルが設けられるとともに下部に後輪が回転可能に設けられた取付軸と、
上記後輪が上記車体フレ−ムの前後方向にほぼ平行な状態で上記取付軸を回転不能に保持するとともに、その保持状態を解除することで上記後輪が上記車体フレ−ムの前方に向かって逆八の字状に傾斜するよう上記取付軸を回転可能とする角度制御手段と
を具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記角度制御手段は、上記取付軸の上部に設けられたハンドルと、上記支持パイプの上部に上記ハンドルと対向して設けられるとともに円弧状のガイド溝が形成されたガイド部材と、上記ガイド溝に挿通されて上記ハンドルと一体的に設けられこのハンドルの回転角度を上記ガイド溝の範囲内で規制する規制ピンと
を具備したことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、上記ガイド溝の一端部には係合孔が連設され、上記規制ピンには上記後輪を車体フレ−ムの前後方向にほぼ平行にしたときに上記係合孔に係合して規制ピンが上記ガイド溝に沿ってスライドするのを阻止する大径部が形成されていて、この規制ピンは上記ハンドルにその大径部が上記係合孔に係合する方向に弾性的に付勢されて軸方向に変位自在に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、上記角度制御手段は、上記取付軸に一端が連結された所定長さの連結部材と、上記車体フレームの上下方向に沿うとともに上記取付軸の回転中心から軸線を所定寸法離間させて上記連結部材の他端に連結され上記取付軸を上記連結部材を介して回転操作する操作部材とからなることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1または請求項4の発明において、上記後輪は、上記座部の上面よりも上方へ突出することのない状態で設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、上記座部の幅方向両側にはほぼ垂直に起立して保持された状態からほぼ垂直に倒伏する状態に変換可能に側部材が設けられ、この側部材には取付け高さの調整可能に肘掛け部材が設けられていることを特徴とする
【0016】
請求項1の発明によれば、一対の後輪を車体フレ−ムの前後方向に平行な状態と車体フレ−ムの前方に向かって幅方向外方に所定の角度で傾斜する状態との間で回転させることができるから、幅方向外方に所定の角度で傾斜させることで、車体フレ−ムをその長手方向中途部を中心にして円滑に回転させることが可能となる。
【0017】
また、後輪を車体フレ−ムの幅方向に回転させるための取付軸を、車体フレ−ムの支持パイプに挿通したから、取付軸を設けるためのスペ−スや取付け専用の部材を確保せずにすむ。
【0018】
請求項2の発明によれば、取付軸の上部に設けられたハンドルによってこの取付軸を回転操作することで、後輪の向きを変えることができるから、簡単な操作で確実に後輪の方向を変えることができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、後輪の向きが車体フレ−ムの前後方向とほぼ平行な状態にあるときには、規制ピンの大径部がガイド溝の係合孔に係合してハンドルが動くのを阻止するから、車体フレ−ムを大きく方向変換するとき以外は後輪の走行方向の一定に保持することができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、回転軸に所定長さの連結部材を介して操作部材を連結し、この操作部材によって上記回転軸を回転させるため、上記操作部材が上記回転軸の回転中心から離れている分だけ、軽い操作力で上記回転軸を回転させることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、後輪が座部の上面よりも上方へ突出しない状態で設けられていることで、この後輪の方向変換が座部によって制限を受けることがない。
【0022】
請求項6の発明によれば、座部の幅方向両側に設けられる側部材をほぼ垂直に起立させて保持した状態からほぼ垂直に倒伏させた状態に変換できるため、利用者を車椅子からたとえばベッドあるいはその逆に移す場合、上記側部材が利用者の移乗の邪魔になることがないばかりか、座部の一側をベッドなどに近接させることができることによっても、利用者を移乗させ易くなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図1乃至図8を参照して説明する。
図1乃至図3に示す車椅子は車体フレ−ム1を備えている。この車体フレ−ム1は左右一対の側部フレ−ム2をリンク機構3によって折り畳み自在に連結してなる。
【0024】
上記側部フレ−ム2はクランクパイプ4を有し、このクランクパイプ4の水平部4aの前端部には脚パイプ5が垂設され、この脚パイプ5と上記水平部4aの後端部にはL字状パイプ6が両端を固着して設けられている。さらに、上記クランクパイプ4の上端と上記L字状パイプ6の垂直部分とには支持パイプ7の上部と下部とが固着されている。つまり、支持パイプ7は車体フレ−ム1の後端側に上下方向に沿って設けられている。
【0025】
上記脚パイプ5の下端にはキャスタからなる前輪8が走行方向の変換自在に設けられ、上記クランクパイプ4の下端には足載せ板9が車幅方向に回転自在かつ水平な状態で保持可能に設けられている
上記L字状パイプ6の水平部6aの車幅方向内方には一対の下部ブラケット11が所定間隔で固着されている。各一対の下部ブラケット11にはそれぞれリンク12の一端(下端)が枢着されている。左右各一対の開閉リンク12は中途部がピン13によって回動自在に連結され、他端(上端)は車体フレ−ム1の前後方向に沿う連結パイプ14によって連結されている。
【0026】
各連結パイプ14には取付けパイプ15の両端部に設けられた連結部15aが固着され、一対の取付けパイプ15には図4に示すようにキャンバスなどの下布地16aと上布地16bとを縫合してなる座部布16の、上記下布地16aの両端部が巻回連結されている。この座部布16の上布地16bは下布地16aよりも幅寸法が長く形成されていて、その幅方向両端部の上面には第1のベルベットファスナ17aが設けられている。
【0027】
上記第1のベルベットファスナ17aには、座部クッション18の下面両端部に設けられた第2のベルベットファスナ17bが着脱自在に係着されるようになっている。つまり、座部クッション18が上記座部布16に着脱自在に設けられている。
【0028】
なお、上記一対の支持パイプ7の上部間には、図3に示すように上記座部布16に着座した利用者が寄り掛かるための背部布20が張設され、この背部布20の前面には図示しない背部クッションが着脱自在に設けられる。
【0029】
各クランクパイプ4の水平部4aの後端部には上部ブラケット19が下方に向かって延出されている。この上部ブラケット19にはロックリンク21の一端が枢着されている。このロックリンク21の他端は上記開閉リンク12の上部に枢着されている。
【0030】
上記開閉リンク12を倒伏方向に回動させることで、車体フレ−ム1は一対の側部フレ−ム2が所定の対向間隔で保持され、起立方向に回動させることで、一対の側部フレ−ム2を近接させて折り畳むことができるようになっている。
【0031】
上記開閉リンク12とクランクパイプ4の水平部4aとの間に設けられたロックリンク21は、一対の側部フレ−ム2間の座部クッション18を介して座部布16に加わる利用者の荷重や一対の側部フレ−ム2に加わる外力によって開閉リンク12が起立方向に回動するのを阻止する。
【0032】
上記開閉リンク12を起立方向へ回動させる場合、つまり車体フレ−ム1を折り畳むには、開閉リンク12の上端に設けられた連結パイプ14に手を掛けて図3に矢印Aで示す斜め上方向に力を加えることで、上記開閉リンク12を起立方向に回動させることができる。つまり、ロックリンク21によって開閉リンク12が不用意な外力によって起立方向に回動するのを阻止している。
【0033】
上記クランクパイプ4の水平部4aにはそれそれ一対の連結ブラケット23が設けられている。各一対の連結ブラケット23には板状の側部材24の下端部が回動自在に連結されている。この側部材24の後端面には図5(a)に示すように係合ピン25が突設されている。
【0034】
上記係合ピン25は、上記クランクパイプ4の後端側の垂直部分に設けられた弾性ヒンジ26の係合孔26aに係合するようになっている。それによって、上記側部材24は上記水平部4a上でほぼ垂直に起立した状態で保持されるようになっている。上記弾性ヒンジ26を弾性変形させて係合孔26aと係合ピン25との係合を外せば、上記側部材24を下方へ倒伏させることができる。
【0035】
つまり、上記側部材24は図3に実線で示すほぼ垂直に起立した状態で倒伏不能に保持することができ、弾性ヒンジ26と係合ピン25との係合を外すことで、同図に鎖線で示すようにほぼ垂直に倒伏させることができるようになっている。
【0036】
したがって、ベッド上に仰臥した利用者を車椅子に移したり、車椅子の利用者をベッド上に移すときなどに、上記側部材24を倒伏させておけば、ベッドと車椅子との間で、側部材24が邪魔にならないから、利用者の移乗を容易に行うことができ、しかも座部クッション18の幅方向一足をベッドに接近させることができるから、そのことによっても利用者の移乗がし易くなる。
【0037】
上記側部材24の内面側には、図5(a)に示すようにその内面および上端に開放した凹部27が形成されている。この凹部27には肘掛け部材28が収容されている。この肘掛け部材28の上記凹部27から突出した上端にはクッション部材29が設けられている。
【0038】
上記肘掛け部材28の幅方向両端部には上下方向に複数、この実施の形態では3つの高さ調整孔31aがスリット31bによって連設されている。上記凹部27に収容された肘掛け部材28の一側面には押え部材32が接合される。この押え部材32の上記肘掛け部材28と接合する面の幅方向両端部には、図5(c)に示すように大径部33aの先端に小径部33bが形成された外形状のボス部33が突設されている。
【0039】
上記ボス部33の大径部33aは上記肘掛け部材28の高さ調整孔31aに嵌合し、小径部33bは上記側部材24の上記高さ調整孔31aと対応する部位に形成された通孔34に嵌合する。
【0040】
上記ボス部33の挿通孔33cにはおねじ35が挿入され、そのボス部33から突出した先端部には上記通孔34からキャップ状のめねじ36が螺合される。それによって、上記肘掛け部材28は上記側部材24と押え部材32とによって保持固定される。
【0041】
したがって、上記ボス部33を3つの高さ調整孔31aのいずれに嵌合させるかによって上記肘掛け部材28の取付け高さを調整することができる。つまり、肘掛け部材28の上端に設けられたクッション部材29の高さ位置を利用者が利用し易い高さに調整できるようになっている。
【0042】
上記車体フレ−ム1の後端側に設けられた一対の支持パイプ7には図6と図7に示す断面六角形状の取付軸41が回転自在に挿通されている。この取付軸41の上端には上部筒体42が外嵌されて溶接固定され、下端には下部筒体43が外嵌されて溶接固定されている。各筒体42、43は図6に示すように上記支持パイプ7の上部と下部とに内装されたブッシュ44a、44bによって回転自在に支持されている。
【0043】
上記上部筒体42の上端面にはガイド部材45の一端部下面が溶接固定されている。このガイド部材45の他端部には上記取付軸41の軸心を中心にした円弧状のガイド溝46が形成されている。このガイド溝46の一端には他の部分に比べて大径な係合孔47が連設されている。
【0044】
上記取付軸41の上端部は上記ガイド部材45の上面側に突出し、そこにはハンドル48が設けられれいる。このハンドル48は小判形状のブロック部48aおよびこのブロック部48aの一端に連結された操作杆部48bとからなり、上記ブロック部48aの一端部には上記取付軸41の上端部に嵌合する六角孔49が下面に開放して形成されている。
【0045】
上記六角孔49は、小径な円形孔49aを介してブロック部48aの上面側に開口していて、この円形孔49aから上記取付軸41の上端面に形成されたねじ孔41aに取付ねじ51を螺合することで、上記ブロック部48aが上記取付軸41に連結固定されている。
【0046】
上記ブロック部48aの他端部には上記ハンドル48の回転角度を規制する規制ピン52の取付孔53が形成されている。この取付孔53は、ブロック部48aの上面に開口した楕円孔部53aと、下面に開口した円孔部53bとが連設されてなる。
【0047】
上記規制ピン52は、上記ブロック部48aの上面側から挿入される上側ピン部材54と、上記ブロック部48aの下面側から挿入される下側ピン部材55とからなる。下側ピン部材55の上端部は上側ピン部材54の下面側に開口して形成された連結孔56に挿入され、これらピン部材54、55は上側ピン部材54の側部から圧入されるノックピン57によって連結されている。
【0048】
図6に示すように、上記円孔部53bの内周面の中途部には段部58が形成されている。この段部58と上記下側ピン部材55の下端面との間には規制ピン52を上昇方向に弾性的に付勢したばね59が設けられている。
【0049】
図7に示すように、上記下側ピン部材55の下端部には、上記ガイド溝46よりも大径で、係合孔47に嵌合する大きさの大径部55aおよび上記係合孔47よりも大径な鍔部55bとが順次形成されている。
【0050】
上記大径部55aが係合孔47に嵌合していないときには、上記規制ピン52をガイド溝46に沿ってスライドさせることができる。つまり、ハンドル48を取付軸41とともに回転させることができる。上記大径部55aが係合孔47に嵌合すると、上記規制ピン52によって上記ハンドル48の回転が阻止されるようになっている。
【0051】
つまり、上記取付軸41は上記ハンドル48によって回転させることができるとともに、その回転の範囲はガイド溝46に沿ってスライドする規制ピン52により規制されるようになっている。
【0052】
上記取付軸41の下端部に設けられた下部筒体43の下端面には車軸ブロック61の一端面が固着されている。この車軸ブロック61には軸線を上記取付軸41の軸線と直交させた車軸孔62が形成されている。この車軸孔62には、図1に示すように上記前輪8に比べて十分に大径な後輪63を回転自在に支持した後輪軸64が着脱自在に取付けられている。
【0053】
上記後輪63の上端は、図3に示すように張設された座部布16(座部)の上面へ突出しない状態に設けられている。この実施の形態では、後輪63の上端は座部布16の下面よりも下方に位置するよう、その後輪63の大きさや後輪軸64の高さ位置などが設定されている。
【0054】
さらに、後輪63は張設された座部布16の下面側、つまり座部布16の幅方向両側から外方へ突出しない位置に設けられている。それによって、上記側部材24をほぼ垂直に倒伏させる際に、上記後輪63によってその倒伏が阻止されることがない。
【0055】
上記規制ピン52によってハンドル48の回転が阻止された状態において、上記後輪63は図8に実線で示すように車体フレ−ム1の同図に矢印Xで示す前後方向に対して平行になっている。
【0056】
上記規制ピン52をばね59の付勢力に抗して押圧し、その大径部55aと係合孔47との係合を外して上記ハンドル48を矢印B方向へ回転させると、それに連動する取付軸41によって一対の後輪63は図8に鎖線で示すように車体フレ−ム1の前方に向かって車幅方向外方に所定の角度で傾斜させることができる。つまり、一対の後輪63を車体フレ−ム1の後方から前方に向かってほぼ逆八の字状に傾けることができる。その際、上記後輪63は上端が座部布16(座部)の下面側に位置しているから、その傾動が座部布16の部分によって制限されることがない。
【0057】
なお、後輪63を先程とは逆の、逆八の字状に傾動させる場合、車体フレム1のL字状パイプ6の垂直な部分が邪魔にならないよう、その水平部6aの長さ寸法を設定しておけばよい。
【0058】
上記車軸ブロック61の下端面には連結軸67が固着され、この連結軸67にはほぼへの字状に屈曲された取付杆65の一端が固着されている。この取付杆65の他端は上記後輪63の外周よりも外側まで延出し、その端部には後輪63に比べて十分に小径な補助輪66が回転自在に設けられている。
【0059】
上記補助輪66は、通常床面から浮いていて、上記車体フレ−ム1を後方へ傾けると接地して上記前輪8と後輪63とを床面から浮かすことができる。したがって、上記補助輪66は、車椅子が段差部を走行するときに、前輪8と後輪63とを段差部の下段から上段に載せるときに利用される。
【0060】
なお、上記ハンドル48の操作杆部48bには、図6に示すように後輪63用のブレ−キハンドル67が設けられている。
上記構成の車椅子によれば、通常の走行時には後輪63が車体フレ−ム1の前後方向に対してほぼ平行となるよう位置決めされている。つまり、ハンドル48と一体的に設けられた規制ピン52の大径部55aがガイド溝46の一端側に設けられた係合孔47に係合してハンドル48が回転するのを阻止している。
【0061】
それによって、車椅子を操作する介護者は、一対のハンドル48を持って車体フレ−ム1を押すことで、この車椅子を前方に向かってほぼ真直ぐに走行させることができ、左右のハンドル48を押す力を変えれば、前輪8の向きを変えて走行方向を変更することができる。
【0062】
つまり、走行方向を大きく変換しない場合には、後輪63が車体フレ−ム1の前後方向に平行に向いた状態で、規制ピン52によりハンドル48が回転するのが阻止されているから、車椅子を安定した状態で所望する方向へ走行させることができる。
【0063】
室内などの狭いスペ−スで車椅子の向きを大きく変えたい場合、たとえば前後逆向きに方向変換したい場合などには、ハンドル48の回転を阻止した規制ピン52の上側ピン部材54をばね59の付勢力に抗して押圧し、下側ピン部材55の大径部55aを係合孔47から外す。
【0064】
それによって、ハンドル48を回転させることができる状態となるから、このハンドル48を規制ピン52がガイド溝46の端部に当たるまで、図8に矢印Bで示す方向へ回転させれば、一対の後輪63を同図に実線で示す車体フレ−ム1の前後方向に対して平行な状態から鎖線で示すように車体フレ−ム1の前方に対して逆八の字状に傾斜した状態にすることができる。
【0065】
このような状態で車体フレ−ム1の方向変換を行うために、この車体フレ−ム1を車幅方向へ回転させれば、前輪8は図8に鎖線で示すように後輪63と逆向きの八の字状に傾斜するから、車体フレ−ム1はその前後方向および幅方向のほぼ中央部を回転中心として回転する。この回転中心を同図に点Oで示す。
【0066】
したがって、車体フレ−ム1の周囲のスペ−スが狭くても、車椅子を方向変換することができる。つまり、車体フレ−ム1の回転半径は、その回転中心Oを支点として回転するため、車体フレ−ム1の長さ寸法の約半分程度となるから、車体フレ−ム1の周囲に、車体フレ−ム1の前後方向の長さの約半分程度の幅寸法のスペ−スがあれば、この車体フレ−ム1の走行方向を逆方向に変換することができる。
【0067】
しかも、方向変換時には後輪63が車体フレ−ム1を回転させる方向に向いている。そのため、後輪63と床面との間に大きな摩擦力を発生させず車体フレ−ム1を回転させることができるから、車体フレ−ム1の回転操作を軽い力で容易に、しかも確実に行うことができる。
【0068】
後輪63の方向を変換するための取付軸41は車体フレ−ム1を構成する支持パイプ7に挿通して設けるようにした。そのため、取付軸41を車体フレ−ム1に回転自在に設けるために、それ専用の部品や取付スペ−スを確保しなくてすむから、車体フレ−ム1の大型化や部品点数の増大によるコスト上昇を招くのを抑制することができる。
【0069】
また、車椅子に着座した利用者をベッドに移乗させる場合には、車体フレーム1の幅方向両側に設けられた側部材24の両方あるいは一方を図3に実線で示すように、ほぼ垂直に起立して保持された状態から鎖線で示すようにほぼ垂直に倒伏させる。
【0070】
そして、車体フレーム1の幅方向一側をベッドの一側に接近させた状態で利用者を、車椅子からベッドへ移乗させる。その際、側部材24が倒伏させられていいることで、邪魔になることがないばかりか、車椅子の一側をベッドの一側に十分に接近させることが可能となるため、利用者の移乗を容易に行うことができる。
【0071】
図9乃至図11はこの発明の他の実施の形態を示す。なお、上記一実施の形態と同一部分には同一記号を付して説明を省略する。
すなわち、この実施の形態は後輪63の角度を制御する角度制御手段の変形例を示す。すなわち、車体フレーム1のL字状パイプ6の垂直な部分の上下端部にはそれぞれ帯状の取付片71の一端が固着されてている。一対の取付片71には取付軸41Aの上端と下端とがそれぞれ回転自在に支持されている。
【0072】
上記取付軸41Aの上部端と下端部とにはそれぞれ所定長さの連結部材72の一端が連結固定されている。一対の連結部材72の他端には杆状の操作部材73の下端部が連結固定されている。この操作部材73の上端にはハンドル74が設けられ、下端には補助輪66が回転自在に設けられている。
【0073】
上記構成の車椅子において、室内などの狭いスペースで方向を大きく変更する場合には、一対のハンドル74を握って操作部材73を図10に矢印で示す方向へ回動させる。それによって、上記操作部材73に連結部材72を介して連結された取付軸41Aが一対の取付片71に支持された上下端を支点として回動するから、この取付軸41Aの車軸ブロック61に後輪軸64によって回転自在に設けられた後輪63が同図に鎖線で示すようにほぼはの字状に回転する。
【0074】
それによって、車体フレーム1を、上記後輪63を回転させながらその前後方向と幅方向とのほぼ中央部を支点として回転させることができるから、周囲のスペースが狭くても、車椅子を方向変換することができる。
【0075】
車椅子を方向変換するために取付軸41Aを回転させる際、ハンドル74に加えた操作力は、操作部材73から連結部材72を介して上記取付軸41Aに伝達される。つまり、ハンドル74に加えた回転力は操作部材73を介して連結部材72の長さ寸法に応じて増幅されて取付軸41Aに伝達されるため、上記後輪63を軽い力で容易に回転させることができる。つまり、車椅子の方向変換を容易に行うことができる。
なお、この実施の形態において、操作部材73の上端にハンドル74を設けたが、操作部材73の上部をL字状に曲成し、その部分をハンドルとしてもよい。
【0076】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、一対の後輪を車体フレ−ムの前後方向に平行な状態と車体フレ−ムの前方に向かって幅方向外方に所定の角度で傾斜する状態との間で回転させることができるようにした。
【0077】
そのため、一対の後輪を車体フレ−ムの幅方向外方に所定の角度で傾斜させることで、車体フレ−ムをその長手方向中途部を中心にして円滑に回転させることが可能となるから、狭いスペ−スであっても、上記車体フレ−ムを前後逆向きなどのように大きく方向変換することができる。
【0078】
また、後輪を車体フレ−ムの幅方向に回転させるための取付軸を、車体フレ−ムを構成する支持パイプに挿通した。
そのため、車体フレ−ムの一部を支持パイプ取付け用の部材として利用することで、取付軸を設けるための専用のスペ−スや部材を必要としないから、車体フレ−ムの大型化や部品点数の増大によるコスト上昇などを招くことがない。
【0079】
請求項2の発明によれば、取付軸の上部に設けられたハンドルによってこの取付軸を回転操作することで、後輪の向きを変えることができるようにしたから、簡単な操作で確実に後輪の方向を変えることができる。
【0080】
請求項3の発明によれば、後輪の向きが車体フレ−ムの前後方向とほぼ平行な状態にあるときには、規制ピンの大径部がガイド溝の係合孔に係合してハンドルが動くのを阻止できるようにした。
【0081】
そのため、車体フレ−ムの走行方向を大きく変換するとき以外は後輪の走行方向を直進方向に保持することができるから、通常の走行時に後輪の向きが動いて走行させにくくなるということがない。
【0082】
請求項4の発明によれば、回転軸に所定長さの連結部材を介して操作部材を連結し、この操作部材によって上記回転軸を回転させるようにした。
そのため、上記操作部材が上記回転軸の回転中心から離れている分だけ、操作部材に加えた力を増幅して上記回転軸に伝達することができるから、上記回転軸を軽い操作力で容易に回転させることができる。つまり、車椅子の方向変換を容易に行うことが可能となる。
【0083】
請求項5の発明によれば、後輪を座部の上面よりも上方へ突しない状態で設けるようにした。
そのため、上記後輪を方向変換する場合、その方向変換が座部によって制限を受けることがないから、その角度を大きくして車椅子の方向変換を小さな回転半径で容易に行うことが可能となる。
【0084】
請求項6の発明によれば、座部の幅方向両側に設けられる側部材をほぼ垂直に起立させて保持した状態からほぼ垂直に倒伏させた状態に変換できるようにした。
【0085】
そのため、利用者を車椅子からたとえばベッドあるいはその逆に移す場合、上記側部材が利用者の移乗の邪魔になることがないから、その移乗を容易に行うことが可能となり、しかも側部材をほぼ垂直に倒伏させることで、座部の一側をベッドなどに十分に近接させることができるから、そのことによっても利用者の移乗を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す車体フレ−ムの分解斜視図。
【図2】同じく車椅子の側面図。
【図3】同じく図2のIII −III 線に沿う正面図。
【図4】同じく座部クッションの取付構造の断面図。
【図5】(a)は同じく側部材の斜視図、(b)は肘掛け部材の一部分の斜視図、(c)は同じく側部材と肘掛け部材との連結構造の断面図。
【図6】同じく取付軸とハンドルとの連結構造の断面図。
【図7】同じく取付軸とハンドルとの分解斜視図。
【図8】同じくハンドルの動きと後輪の動きを示す説明図。
【図9】この発明の他の実施の形態を示す車体フレームの分解斜視図。
【図10】同じく車体フレームの側面図。
【図11】同じく操作部材の動きと後輪の動きを示す説明図。
【符号の説明】
1…車体フレ−ム
8…前輪
41…取付軸
48…ハンドル
63…後輪
72…連結部材
73…操作部材

Claims (6)

  1. 車体フレ−ムに利用者が着座する座部が設けられた車椅子において、
    上記車体フレ−ムの前端側の幅方向両側の下部に走行方向の変換自在に設けられた一対の前輪と、
    上記車体フレ−ムの後端側の幅方向両側に上下方向に沿って設けられた一対の支持パイプと、
    各支持パイプに回転可能に挿通され上部にハンドルが設けられるとともに下部に後輪が回転可能に設けられた取付軸と、
    上記後輪が上記車体フレ−ムの前後方向にほぼ平行な状態で上記取付軸を回転不能に保持するとともに、その保持状態を解除することで上記後輪が上記車体フレ−ムの前方に向かって逆八の字状に傾斜するよう上記取付軸を回転可能とする角度制御手段と
    を具備したことを特徴とする車椅子。
  2. 上記角度制御手段は、上記支持パイプの上部に上記ハンドルと対向して設けられるとともに円弧状のガイド溝が形成されたガイド部材と、上記ガイド溝に挿通されて上記ハンドルと一体的に設けられこのハンドルの回転角度を上記ガイド溝の範囲内で規制する規制ピンと
    を具備したことを特徴とする請求項1記載の車椅子。
  3. 上記ガイド溝の一端部には係合孔が連設され、上記規制ピンには上記後輪を車体フレ−ムの前後方向にほぼ平行にしたときに上記係合孔に係合して規制ピンが上記ガイド溝に沿ってスライドするのを阻止する大径部が形成されていて、この規制ピンは上記ハンドルにその大径部が上記係合孔に係合する方向に弾性的に付勢されて軸方向に変位自在に設けられていることを特徴とする請求項2記載の車椅子。
  4. 上記角度制御手段は、上記取付軸に一端が連結された所定長さの連結部材と、上記車体フレームの上下方向に沿うとともに上記取付軸の回転中心から軸線を所定寸法離間させて上記連結部材の他端に連結され上記取付軸を上記連結部材を介して回転操作する操作部材とからなることを特徴とする請求項1記載の車椅子。
  5. 上記後輪は、上記座部の上面よりも上方へ突出することのない状態で設けられていることを特徴とする請求項1または請求項4記載の車椅子。
  6. 上記座部の幅方向両側にはほぼ垂直に起立して保持された状態からほぼ垂直に倒伏する状態に変換可能に側部材が設けられ、この側部材には取付け高さの調整可能に肘掛け部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の車椅子。
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