JP3554834B2 - セラミック樹脂溶液及び同溶液を用いた畳表、敷物、畳シート、または畳床及び塗装方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、セラミック樹脂溶液、同溶液を用いた畳表、敷物、畳シート、または畳床及び同溶液を使用した畳表の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
我が国は湿度が高く、特に6月の梅雨時期においては、新しく新調した畳やい草を使用した敷物類には大変カビが生えやすく、また、ダニ等の発生等も多く、これ等の被害は最近夫婦共稼ぎ等の為に家を閉め切る家庭が多くなるにつれて増加するばかりである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、近年、カビやダニ類等の増加に対処するため、種々の化学薬品が開発・市販されているが、これらは人体に有害な化学物質を含有するものであるために、その使用に際して、人体への悪影響を及ぼすおそれがある。
【0004】
また、カビの発生やダニ類等の発生を完全に防止するためには大量の化学薬品を使用しなくては効果的でなく、その面からも人体への悪影響を深刻なものとしていた。
【0005】
また、上記した従来の化学薬品が、その防カビ・殺虫・殺菌効果を発揮できることができる期間は、通常、3〜4月程度と短期間であるため、その面でも問題を有していた。
【0006】
さらに、上記した従来のい草や畳は極めて燃えやすいので、暖房機器が転倒した際等において容易に畳に着火して火災を生じることにもなっていた。
【0007】
本発明は、上記した課題を解決することのできるセラミック樹脂溶液、同溶液を用いた畳表、敷物、畳シート、または畳床及び同溶液を使用した畳表の塗装方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、抗菌性・脱臭性の両機能を有する複合セラミックスに、耐火性の強いセラミックスを混合し、それ等を溶剤又は合成樹脂溶液に溶かし、更に所望の色彩に発色する顔料を添加して攪拌し、更に防水剤、接着強化剤、浸透剤を添加して調合してなる、畳表、敷物、畳シート、または畳床処理用セラミックス樹脂溶液に係るものである。
【0009】
具体的には、い草の場合は、抗菌性・脱臭性の両機能を有する複合セラミックス、即ち、マグネシア60〜80重量%、酸化亜鉛10〜30重量%を混合し、さらに、耐火性(耐熱性)の高いSiO2(シリカ)又はAl203(アルミナ)を全体の10重量%混合し、同混合物を微粉末にする。
【0010】
微粉末状混合物を焼成して出来た複合セラミックスを、溶剤又は合成樹脂溶液に溶かし、さらに、所望の色彩に発色する顔料又は不変色顔料を添加して攪拌し、さらに、防水剤又は撥水剤及び接着強化剤、浸透剤、界面活性剤等も必要に応じて添加攪拌してセラミックス顔料樹脂溶液を調整する。
【0011】
このセラミックス顔料樹脂溶液中にい草を浸漬し、20〜60分、常温又は40℃〜60℃程度で加温し、乾燥時間を短縮するためにメチルアルコール等も混入して、自然乾燥又は温風火力乾燥で3時間〜10時間程度で仕上げる。
【0012】
さらに、ガス焚遠赤外線パネルヒータ装置を用いて乾燥すれば、さらに、発色性及び品質を向上でき、粉塵公害のない優れたセラミックスい草を製造できる。
【0013】
畳表については、上記したセラミック顔料樹脂溶液を一般塗装機械によっても簡単に吹付塗装できるが、本発明はさらに、効果的にするために、特殊静電塗装装置によって加工仕上げする。即ち、高電圧静電気発生装置によって発生した静電気を、上記したセラミック顔料樹脂溶液中とともに畳表又は敷物類の表面から裏面に向けて流して静電塗装を行うとともに、微生物菌等の殺菌・殺虫を行うようにしたことを特徴とする畳表又は敷物類の防カビ・殺菌・殺虫・脱臭・耐火・耐久性の強い塗装方法に係るものである。
【0014】
本発明は、また、上記方法において、畳表の表面への静電塗装と遠赤外線照射の後に、さらに、畳表又は敷物類の裏面にも同様に静電塗装と遠赤外線照射を行うことにも特徴を有する。
【0015】
即ち、高圧静電気発生装置によって発生した静電気を、顔料及び抗菌性セラミックスの微粒粉末を混入した樹脂溶液中とともに、畳表の表面から裏面に向けて流して静電塗装を行うとともに、微生物菌等の殺菌・殺虫を行い、その後、遠赤外線ヒータによって遠赤外線を畳表の表面に照射して乾燥を行うとともに、微生物菌等の殺菌・殺虫を行うようにしている。
【0016】
更に、セラミックス顔料樹脂溶液に、金・銀・アルミニウム・真鍮の箔又は粉を混入して不変色セラミック樹脂溶液を作り、これを特殊静電塗装機械によって上記したと同様に加工して不変色色彩セラミック畳表・敷物類を製造することができる。
【0017】
さらに、不変色色彩セラミック畳表・敷物類の色彩を濃色にするには、二回〜三回に分けて加工する方法もあるが、ロール塗装機によって両面同時に仕上げることもできる。
【0018】
古畳の再生方法には、所望の色彩に発色するセラミック顔料樹脂溶液を気温の温度差と仕上げを急ぐ必要のある場合によって多少違うけれども、大体において、水:メチルアルコールの比率を50重量%程度とし、古畳の方を、水又はアルコールで拭き上げ、完全に乾燥した後に塗布又は噴霧して自然乾燥又はドライヤーで充分に乾燥して仕上げる。
【0019】
必要に応じて、金・銀・アルミニウム・真鍮の箔又は粉を混入してもよく、香料を混入してもよい。耐光・耐水・耐久性が強化され、畳を張り替えることなく安価に部品同様に再生することができる。
【0020】
その上、さらに必要であれば、撥水剤として、シリコン系、フッソ系を用いて塗布又は吹付した後、強力な温風機で、表面温度が120℃〜150℃程度に熱して乾燥してやれば、酒やビール、牛乳、醤油等をこぼしても吸い込まず、それまでに拭き取ることによって防汚ができる。
【0021】
古壁、古板間、インテリア類にも、所望の色彩に発色するセラミック顔料樹脂溶液と同様、気温差に応じて、水:アルコール比を多少加減しながら必要部分に、塗布又は吹きつけ、自然乾燥又はドライヤによって乾燥すればよく、金・銀・アルミニウム・真鍮等の箔又は粉を混入してもよく、香料を混入することもできる。
【0022】
病院や老人・子供の多い家庭では、アンモニア等の臭いが強く、また、ペット等を養っている家庭でも同様である。このようなところに使用する畳や敷物を加工するには、アンモニアや硫化水素の脱臭率の高い複合セラミックス、例えば、マグネシア65重量%とアルミナ35重量%を混合・焼成して得た複合セラミックス、マグネシア60重量%と酸化亜鉛20重量%とシリカ20重量%を混合・焼成して得た複合セラミックス、マグネシア60重量%と酸化亜鉛20とゼオライト20重量%を混合・焼成して得た複合セラミックスのいずれか一つをラジカル基を有する合成樹脂、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニールのいずれかと混合した複合セラミック樹脂溶液に所望の色に発酵する顔料を混入して調合したセラミック顔料樹脂溶液を使用して加工する。水に対する複合セラミックスの割合は5重量%〜10重量%とする。
【0023】
なお、既に使用中の部屋又は場所には、使用している畳又は敷物の上、更に周囲の壁や天井等にもスプレー又は噴霧器で吹きつけ、又は塗布する。この場合、顔料の混入は、特別の要望がないときは、殆ど使用してなくもよいが、乾燥を良くするために、水50重量%:アルコール50重量%程度のメチルアルコールを混入する。
【0024】
葬儀用・病院の死去者用の畳又は敷物には、セラミックス顔料樹脂溶液の中に脱臭力の強い複合セラミックスの水に対する比率を15重量%〜20重量%増量する。
【0025】
耐火率の高いセラミックスとしては、SiO2やAl2O3 が最も簡単にできるので、セラミックス顔料樹脂溶液の中に、必要に応じて、3重量%〜10重量%程度、どちらでもよいが、どちらか一つを混入して耐火優先のセラミック防火樹脂溶液を作り、これを塗布又は吹付又は含浸させた後、乾燥して使用する。この場合も、静電塗装遠赤外線が最も良い。
【0026】
なお、既に使用中のものには、同溶液を水50重量%:アルコール50重量%程度とするためメチルアルコールを加えた溶液をスプレー又は噴霧器で吹付又は塗布する。
【0027】
また、セラミックス顔料樹脂溶液の中に顔料を入れず、複合セラミックスがマグネシア20重量%〜80重量%と酸化亜鉛20重量%〜80重量%と混合したもの、マグネシア60〜80重量%と酸化亜鉛10〜30重量%と、シリカ10〜30重量%を混合したもの、又は、マグネシア60〜80重量%と酸化亜鉛10〜30重量%とゼオライト10〜30重量%を混合したもの、マグネシア55重量%と珪石45重量%とを混合したもの、マグネシア65重量%とアルミナ35重量%とを混合したものの一つを、ラジカル基を有する合成樹脂ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニールのいずれかと混合したセラミック樹脂溶液を、水50重量%:アルコール50重量%の溶液中に5〜10重量%、密室又は水分の多い梅雨時には15重量%程度に調合してスプレーや噴霧器等によって、畳又は敷物に吹付又は塗布することによって必要な部屋又は場所の防ダニ、防カビ、防ノミ、その他一般生菌を死滅させるとともに、衛生害虫の発生を阻止し、アンモニアや硫化水素を分解して脱臭する。そして、アトピー性皮膚炎やゼンソク等のアレルギー性疾患の発生を防ぎ、その他類似の病気の予防に役立てる。
【0028】
なお、カビが既に発生したり、ダニその他衛生害虫が発生したときに使用するためには、スプレー容器に同溶液を入れて使用したり、噴霧器に入れて必要個所をスプレーしたり、噴霧したりして、部屋全体や発生場所周辺を殺菌・殺虫することができる。
【0029】
静電塗装装置で、所望の不織布の両面に、上記したセラミックス顔料樹脂溶液を吹付塗装して遠赤外線パネルヒーターで乾燥して作成したセラミック畳シートを、畳表と畳床の間に入れて下面の畳床の方から出てくるカビ菌やダニ類等保健害虫を遮断して畳の表面に出るのを防ぐ。
【0030】
畳床には、藁床インシュレーションファイバーボード、フォームドポリスチレンボード、及び、その各サンドウイッチ畳床、発泡スチロールサンドウイッチ畳床等があるが、これらの床に、静電塗装装置で上面塗装した後、裏返して、下面塗装した畳床を遠赤外線パネルヒーター等の両面乾燥装置の中に入れて乾燥してセラミック畳床を作成する。
【0031】
完成した畳を、上記したセラミックス顔料樹脂溶液で、静電塗装装置で、両面塗装(先に上面塗装した後、裏返して下面塗装)した畳を遠赤外線パネルヒーター等の両面乾燥装置の中に入れて乾燥してセラミック畳を作成する。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
本実施例は、畳表の防カビ・殺菌・殺虫・抗菌・脱臭・耐火を図ることができる塗装方法に関する。
【0033】
まず、図1及び図2を参照して、上記した塗装方法に好適に用いることができる塗装装置Aの全体構成について、具体的に説明する。
【0034】
図1において、10は床面F上に設置した長尺の装置機枠であり、同装置機枠10は、その上部と下部に、それぞれ、相当な長さの上部搬送コンベヤ11と下部搬送コンベヤ12とを設置しており、上部搬送コンベヤ11の終端と下部搬送コンベヤ12の始端とは垂直コンベヤ13によって連絡されている。
【0035】
また、装置機枠10の一端側には、上部搬送コンベヤ11の始端と対峙する畳表導入コンベヤ14が配設されている。
【0036】
一方、同様に装置機枠10の一端側であって、上部搬送コンベヤ11の始端側の直下をなす個所には畳表取出コンベヤ15が配設されている。
【0037】
さらに、下部搬送コンベヤ12の終端には、モータ16によって駆動される一対の繰出ローラ17,18が取付けられている。
【0038】
かかる構成において、モータ16の駆動によって、畳表導入コンベヤ14上に導入された畳表Tは、その後、上部搬送コンベヤ11→垂直コンベヤ13→下部搬送コンベヤ12上を移動し、その後、一対の繰出ローラ17,18間を通った後、畳表取出コンベヤ15上に到達し、その後、切断等を行い、所望の個所に搬送保管されることになる。
【0039】
次に、上記した畳表Tに防カビ・殺菌・殺虫を図りながら塗装を行うことができる塗装装置Aの要部の構成について説明すると、まず、上部搬送コンベヤ11に沿って表面側静電塗装装置20と表面側遠赤外線ヒータ21とを配設している。
【0040】
本実施例において、表面側静電塗装装置20は、装置機枠10の上部であって、上部搬送コンベヤ11の始端側を囲繞する静電塗装室22と、同静電塗装室22内に吊下状態に配設したスプレー式塗装機23とからなる。
【0041】
かかるスプレー式塗装機23によって、付着力付与剤としての樹脂溶液中に、所望の顔料と、抗菌性・脱臭性・耐火性セラミックス粉末とを混入し、必要に応じて、同抗菌性セラミックスをさらに混入した塗料液であるセラミックス顔料樹脂溶液を、畳表Tの表面に吹付け、塗料液を畳表Tの内部にまで浸透させることができる。
【0042】
なお、樹脂溶液としては、例えば、ドイツ国バイエル社製のBAYDERM FINISH 80 UD や、BOTTOM SMS 等のウレタン系樹脂溶液を好適に用いることができる。
【0043】
一方、アルコールとしては、メチルアルコールを好適に用いることができる。
【0044】
また、表面側赤外線ヒータ21は、ガス焚式遠赤外線パネルヒータであり、5〜50μmに及ぶ長波長の遠赤外線を畳表Tの表面に照射して、畳表Tを内部に至るまで加熱することができる。なお、21aはガスコントローラである。
【0045】
さらに、本実施例では、下部搬送コンベヤ11に沿っても、上記した表面側静電塗装装置20と表面側遠赤外線ヒータ21と同様な構成を有する裏面側静電塗装装置24と裏面側遠赤外線ヒータ25とを配設している。
【0046】
すなわち、裏面側静電塗装装置24は、装置機枠10の下部であって、下部搬送コンベヤ12の始端側を囲繞する静電塗装室26と、同静電塗装室26内に吊下状態に配設したスプレー式塗装機27とからなる。
【0047】
かかるスプレー式塗装機27によって、付着力付与剤としての樹脂溶液中に、所望の顔料と、抗菌性・脱臭性・耐火性セラミックス粉末とを混入し、必要に応じて、同抗菌性セラミックスをさらに混入した塗料液を、畳表Tの裏面に吹付け、塗料液を畳表Tの内部にまで浸透させることができる。
【0048】
また、裏面側赤外線ヒータ25は、ガス焚式遠赤外線パネルヒータであり、5〜50μmに及ぶ長波長の遠赤外線を畳表Tの裏面に照射して、畳表Tを内部に至るまで加熱することができる。なお、25aはガスコントローラである。
【0049】
なお、図中、28は静電気発生装置である。
【0050】
次に上記した構成を有する塗装装置Aによる塗装方法について説明する。
【0051】
まず、モータ16を駆動して、畳表Tを、畳表導入コンベヤ14→上部搬送コンベヤ11→垂直コンベヤ13→下部搬送コンベヤ12→一対の繰出ローラ17,18→畳表取出コンベヤ15を通して、塗装装置内を移送する。
【0052】
かかる畳表Tの移送において、畳表Tは、まず、表側静電塗装装置20によって静電塗装されることになる。
【0053】
即ち、図示しない高圧静電気発生装置により−8〜10万ボルトの高圧に生成した静電気を付与させながら、夫々好みの色の顔料と、抗菌性金属イオンAg+ 等を含むアパタイト系セラミックス等からなる抗菌・脱臭性セラミックス粉末と、メチルアルコールとを均一に樹脂溶液に混入して製造した塗装液、又は、マグネシアと珪石又はアルミナを混合して作成した複合セラミックスに耐火セラミックスを混入して製造した製造液を、畳表又は敷物類Tの表面から裏面に向かって塗布・含浸する。これによって、畳表Tに付着した微生物菌(バクテリア・カビ・藻類)や、ダニ等の人に危害を加える微生物やその卵等を、殺菌・殺虫できる。
【0054】
また、本実施例では、上記した静電塗装によって畳表又は敷物類Tに塗布・含浸させた塗装液中の成分である抗菌・脱臭性セラミックスは、その含有する抗菌性金属イオンAg+ の微量金属作用(常に極微量の活性酸素O3 を発生する)で発生する活性酸素により、あらゆる微生物(バクテリア・カビ・藻類の細菌)を殺し、又、マグネシアと珪石又はアルミナを混合して作成した複合セラミックスの方は、陽イオン(強アルカリ)を発生して陰イオンである菌体が陽イオンによって破壊されると同時に菌体蛋白質が変性して呼吸困難になり死滅する。しかも、その効果は、両方のセラミックスとも、似たようなもので、ノミやダニ等の衛生害虫も、セラミックスのAg+ や陽イオンによって、その発生が阻止される。しかも、その効果は、理論上は半永久的に維持できるものである。
【0055】
なお、ここで、本実施例を含めて、本発明に係るセラミックス顔料樹脂溶液に適用可能な複合セラミックスについて説明する。
【0056】
本実施例では、好適には、マグネシア20〜80重量%と酸化亜鉛20〜80重量%を混合した複合セラミックス、マグネシア60〜80重量%と酸化亜鉛10〜30重量%とシリカ10〜30重量%を混合した複合セラミックス、又は、マグネシア60〜80重量%と酸化亜鉛10〜30重量%とゼオライト10〜30重量%とを混合した複合セラミックスのいずれかを用いる。
【0057】
また、他にも基材となるマグネシア微粉末にアルミナ、珪石、酸化亜鉛、チタン、ゼオライト、蛇紋石、角閃石の微粉末のうちのいずれか1種類を混合材として使用し、さらに助材として、上記セラミックのうち、最初混合したセラミックス以外のセラミックスを添加して混合撹拌後、焼成して得られた複合セラミックスを用いることができる。こららは、抗菌性と脱臭性の両機能を保有する。
【0058】
なお、上述したように、ゼオライトの空穴に抗菌性金属イオンAg+ を含ませたアパタイト系セラミックス等からなる抗菌性・脱臭性を保有するセラミックス粉末を用いることもできるが、Ag+ イオンが日光と作用して色が変化しやすい欠点があり、畳表等に使用する場合、日光の耐光性に優れた顔料を選ばなければならない。
【0059】
以下、複合セラミックスと単一セラミックスとを比較した場合の実験データを示す。
【0060】
表1に示すように、単一セラミックスでは、例えば、シリカの場合、脱臭率は良いが、抗菌率は大腸菌には8.4重量%と低く、ブドウ状球菌に対して30.1重量%と低い。マグネシアの場合は、脱臭率は表中で一番低いが、抗菌率では非常に高い。
【0061】
【表1】
【0062】
従って、表2のように、セラミックスの混合比率をNo.1〜No.5まで変えて試験した結果、表3のように、No.1〜No.5まで、脱臭率も抗菌率も高くなったことがわかる。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
次に、水素イオンの経時安定度を知るために行われた試験データをみると、表4のように、単一セラミックスのマグネシア、シリカ、酸化亜鉛、ゼオライト等のpHより、表5に示すように、複合セラミックスNo.1〜No.5の方が高くなり、しかも、1ケ年の長期経時をみても殆ど変化がなく、安定していることがわかる。
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
前記した表4及び表5から、No.1〜No.5に示す複合セラミックスは陽イオンであり、強アルカリ域の水素イオンになり、長期間にわたった経時変化がなく、安定していて、脱臭機構は分解作用であるという特性を有し、その結果、前記複合セラミックスは抗菌性と脱臭性の両機能を兼ね備えているのがわかる。
【0069】
上述したように、一般生菌の表層は陰イオンであって、そのため、中性域(pH7.0〜7.5)でしか生息できないので、複合セラミックスから発生される陽イオンの中では、菌体が破壊されると、菌体蛋白質が変性して呼吸困難となり、死滅するのである。
【0070】
更に、硫化水素及びアンモニア等に対する脱臭作用は、物理的吸着又は化学的吸着の一般的作用ではなく、分解作用のため飽和状態にならないので、抗菌力と同様に脱臭力を半恒久的に有するとともに、毒性も有していないのである。
【0071】
そして、ラジカル基を有する合成樹脂80〜95重量%に対して、前記複合セラミックス5〜20重量重量%を、ブタノール、キシレン等の溶剤とともに、混合撹拌して、抗菌性及び脱臭性を有する塗布材を製造する。
【0072】
前記複合セラミックス及び溶剤と混合する合成樹脂は、高分子の構造式にOH基、COOH基、NH基、Cl基、NO基、CO基なるラジカル基を有する、例えば、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニールが好適であり、これらのラジカル基を有する合成樹脂が前記複合セラミックスと混合されることによって、さらに光作用で励起されて電界エネルギーが大きくなり、抗菌性及び脱臭性の作用・効果が大きくなる。
【0073】
前記加工法により得られたNo.1の混合比率である、マグネシア30と酸化亜鉛70重量%を混合して得られた複合セラミックスを用いて、脱臭性について、一般家庭の室内でテストしたところ、表6に示す結果が得られた。なお、抗菌性については、一般生菌及び衛生害虫の発生はなかった。
【0074】
【表6】
【0075】
さらに、上記した静電塗装において、樹脂溶液として、良好な付着付与力を有するドイツ国バイエル社製のBAYDERM FINISH 80 UD や、BOTTOM SMS等のウレタン系樹脂溶液を用いることにより、顔料や抗菌性セラミックスの畳表Tへの付着力を増強することができ、それらの畳表Tからの剥離を長年にわたった確実に防止することができ、畳表Tの色褪せや、抗菌効果の減少を可及的に防止することができる。
【0076】
また、上記した静電塗装に引き続き、強力な表面側遠赤外線ヒータ21により、遠赤外線30〜50kcalを畳表Tの表面に照射して畳表Tを加熱し、遠赤外線の特徴である浸透性を利用して畳表Tの中心部のみならず裏面まで殺菌・殺虫することができる。
【0077】
さらに、本実施例では、畳表Tの裏面にも、裏面側静電塗装装置24を用いて上記した静電塗装と同様な静電塗装を行うとともに、裏面側遠赤外線ヒータ25により畳表Tを加熱することができる。
【0078】
このように、畳表Tの裏面についても、同裏面に付着した微生物菌(バクテリア・カビ・藻類)や、ダニ等の人に危害を加える微生物やその卵等を、裏面側静電塗装装置24による静電塗装、及び、強力な裏面側遠赤外線ヒータ25による、遠赤外線30〜50kcalによる加熱効果によって、殺菌・殺虫することができる。
【0079】
すなわち、本実施例では、畳表Tの両面より、静電塗装と遠赤外線の照射を繰り返して完全に殺菌・殺虫並びに防カビ加工をすることができる。
【0080】
なお、塗装液は、樹脂溶液の種類によっては、メチルアルコール等のアルコール成分を不要とすることができる。
【0081】
また、上記した塗装液に、市販されている浸透剤、(例えば、イソプロパノールやエチルセルソルブ等のアルコール系浸透剤や、界面活性剤系浸透剤)を混入すれば、さらに、塗装液の畳表T内への含浸を促進することができ、畳表Tへの塗装の付着率を高めることができる。
【0082】
また、図示しないが、一般家庭等において、畳や敷物にカビが発生したり、ダニやその他の人に危害を加える微生物が発生したときには、上記した抗菌性金属イオンを含有する抗菌性セラミックスを20重量%〜30重量%にメチルアルコールで薄め、その溶液を簡単なスプレー器に入れて噴霧塗布して抗菌性セラミックスを畳又は敷物に含浸させ、5〜6分後に電気ドライヤで加熱乾燥させるとよい。自然乾燥のみでもよい。
【0083】
(実施例2)
本実施例は、い草について本発明を適用したものである。
【0084】
図3において、50は上面にい草を載置する第1移動コンベヤであり、同第1移送コンベヤ50には直列的に第2移動コンベヤ51が配設されており、同第2移動コンベヤ51の上下部には、それぞれ、ガス焚式遠赤外線パネルヒータ52,53が配設されている。
【0085】
第1移送コンベヤ50上にい草を載せて、第2移送コンベヤ51に移送する。第2移送コンベヤ51上で乾燥している間に、別のい草を第1コンベヤ50上に載せる。
【0086】
乾燥後のい草をい草取出口54より取り出して所望の貯蔵室等に収納する。第1移送コンベヤ50とい草取出口52とに、それぞれ、切替スイッチを設けて、その場で操作できる。
【0087】
【効果】
以上説明してきたように、本発明では、抗菌性・脱臭性の両機能を有する複合セラミックスに、耐火性の強いセラミックスを混合し、それ等を溶剤又は合成樹脂溶液に溶かし、更に所望の色彩に発色する顔料を添加して攪拌し、更に防水剤、接着強化剤、浸透剤等を添加して調合してなるセラミックス顔料樹脂溶液を生成したので、これを畳表、敷物、畳シート、または畳床等のい草織成製品に含浸、吹付、塗布することにより、それ等の品質を向上させることが出来る。
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1に係る畳表の防カビ・殺菌・殺虫可能な塗装方法に用いる塗装装置の全体構成を示す側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】実施例2に係る塗装装置の全体構成を示す側面図である。
【符号の説明】
A 塗装装置
T 畳表
10 装置機枠
11 上部搬送コンベヤ
12 下部搬送コンベヤ
14 畳表導入コンベヤ
15 畳表取出コンベヤ
20 表面側静電塗装装置
21 表面側遠赤外線ヒータ
24 裏面側静電塗装装置
25 裏面側遠赤外線ヒータ
Claims (7)
- 抗菌性・脱臭性の両機能を有する複合セラミックスに、耐火性の強いセラミックスを混合し、それ等を溶剤又は合成樹脂溶液に溶かし、更に所望の色彩に発色する顔料を添加して攪拌し、更に防水剤、接着強化剤、浸透剤を添加して調合してなる、畳表、敷物、畳シート、または畳床処理用セラミックス樹脂溶液。
- 請求項1記載のセラミックス顔料樹脂溶液を水で希釈させ、必要に応じて香料を添加させた溶液内に、乾燥い草で織成した畳表を浸漬させるか又は吹付け又は塗布し、その後乾燥処理してなる畳表。
- 請求項1記載のセラミックス顔料樹脂溶液を水で希釈させ、必要に応じて香料を添加させた溶液内に、乾燥い草で織成した敷物を浸漬させるか又は吹付け又は塗布し、その後乾燥処理してなる敷物。
- 請求項1記載のセラミックス樹脂溶液を不織布又は畳シートの上から吹き付け又は塗布してなり、畳ボード又は各種畳床(藁床・スタイロサンド床・その他)の上と畳表の間に入れて畳床の下の方から出てくるカビ菌やダニ類を遮断するシートであることを特徴とする畳シート。
- 請求項1記載のセラミックス樹脂溶液をインシュレイション畳ボード床又は各種畳床(藁床・スタイロサンド床・その他)に吹き付け又は塗布した後、乾燥してなることを特徴とする畳床。
- 高圧静電気発生装置によって発生した静電気を、請求項1記載のセラミックス樹脂溶液とともに流して畳表の表面と裏面とから静電塗装を行い、その後、乾燥を行って微生物菌等の殺菌・殺虫を行うようにしたことを特徴とする畳表の塗装方法。
- 高圧静電気発生装置によって発生した静電気を、請求項1記載のセラミックス樹脂溶液とともに、畳表の表面から裏面に向けて流して静電塗装を行い、次いで、遠赤外線ヒータによって遠赤外線を畳表の表面に照射して乾燥を行った後、畳表の裏面にも前記静電塗装と遠赤外線照射とを引き続き行うことを特徴とする畳表の塗装方法。
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