JP3555724B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示器用のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、光ディスク用の基板などの基板を水平姿勢に保持した状態で鉛直方向の軸芯周りで回転させながら、洗浄液などの処理液を基板に供給して、洗浄処理などの所定の処理を基板に施す基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の基板処理装置の一例を図9に示す。
図9に示す装置は、基板に薬液や純水を用いた洗浄処理を施すための装置であり、薬液と廃液とを分離して排液する機能を備えている。
【0003】
この装置は、基板Wを水平姿勢で吸着保持した状態で、鉛直方向の軸芯周りで回転可能なスピンチャック100と、回転軸101を介してスピンチャック100を高速回転させるためのモーター102と、スピンチャック100を昇降させる昇降機構103と、処理する基板Wを包囲して処理室104aを形成するカップ104と、基板Wに対して斜め上方または斜め下方から薬液や純水などの洗浄液を供給するための洗浄液ノズル105a、105b、105c、105dとを備えている。
【0004】
カップ104の底部には、基板Wの洗浄のために使用された後の洗浄液を排液する排液口106が形成されている。このカップ104の内壁面は、処理中に、回転される基板Wから飛散される洗浄液を受け止めて排液口106に案内する。また、カップ104の上端部には、気体を取り込む気体取り込み口107が形成されている。この種の基板処理装置はクリーンルーム内に設置されるが、クリーンルーム内には、天井から床面へ向けてダウンフローで清浄気体が流下されている。このダウンフローの清浄気体を気体取り込み口107からカップ104内の処理室104aに取り込み、カップ104に設けられた排気口108から排気して、処理室104a内に浮遊する洗浄液のミストなどを排出するように構成されている。
【0005】
また、カップ104の下方には排液口106に対向するリング状の樋溝109を有する略円盤状の樋部材110が、回転軸101を包囲する保護筒111に回動自在に取り付けられている。樋溝109の底部の所定の一箇所には、排液流下口112が形成されている。また、樋部材110の外周にはリングギア113が固定されており、このリングギア113には、モーター114の駆動軸に取り付けられた駆動ギア115が歯合している。樋部材110のさらに下方には、洗浄処理に使用された後の廃液を廃棄するための廃棄ドレイン116と、薬液を回収するための回収ドレイン117とが設けられている。このような構成により、モーター114を駆動することによって、樋部材109の排液流下口112を廃棄ドレイン116または回収ドレイン117のいずれかの上方に選択的に位置させることができる。
【0006】
この従来装置は以下のように動作する。
まず、スピンチャック100が上昇され、カップ104の上方から突出された状態で、図示しない搬送ロボットから未処理の基板Wがスピンチャック100に受け渡される。基板Wを受け取ったスピンチャック100は昇降機構103によって下降され、基板Wが処理室104a内に位置される。そして、スピンチャック100とともに基板Wが回転され、その基板Wに洗浄液ノズル105a〜105dから薬液が供給され、薬液による洗浄処理が基板Wに施される。この薬液洗浄処理の際には、排液流下口112を回収ドレイン117の上方に位置させることによって、再利用のために薬液を回収することができる。所定の薬液洗浄処理時間が経過すると、洗浄液ノズル105a〜105dから基板Wに対して供給する洗浄液を薬液から純水に切り換えて、基板Wに付着している薬液を純水で洗い落とすリンス処理が基板Wに施される。このリンス処理の際には、排液流下口112を廃棄ドレイン116の上方に位置させることによって、洗浄処理に使用された後の廃液(薬液が混ざった純水)を廃棄することができる。所定のリンス処理時間が経過すると、洗浄液ノズル105a〜105dからの純水の供給を停止し、基板Wをそのまま回転させて基板Wに付着している純水を振り切り乾燥させる。基板Wの乾燥を終えると、スピンチャック100の回転が停止される。そして、スピンチャック100が昇降機構103によって上昇され、カップ104の上方から突出された状態で、図示しない搬送ロボットが洗浄処理済の基板Wをスピンチャック100から受け取り、1枚の基板Wに対する洗浄処理が終了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来装置で洗浄した洗浄後の基板Wは汚染されていることがあり、従来装置は洗浄の仕上がり精度に問題があった。本発明者は、この不都合を調査したところ、以下の原因によることを突き止めた。
【0008】
すなわち、本発明者は従来装置の処理室104a内の気体の流れをシュミレーションで解析したところ、スピンチャック100の下方領域200で気流の対流が起きていたことが判明した。一方、処理中に、回転される基板Wから飛散される洗浄液は、カップ104の内壁面に当たり、その一部が霧状のミストとなって、処理室104a内で浮遊する。この洗浄液のミストは、本来、排気口108から排気されるべきものであるが、スピンチャック100の下方領域200での気流の対流によって基板W側に逆流され、基板Wの乾燥中、あるいは、その終了後に基板Wに洗浄液のミストが再付着し、洗浄後の基板Wを汚染していたものと考えられる。
【0009】
本発明者は、さらにスピンチャック100の下方領域200で気流が対流する原因を調査したところ、スピンチャック100に保持された基板Wとカップ104の内壁面との間の間隔が広いために、その開口部分から処理室104a内に流入する気体の流速が遅くなり、そのために、処理室104a内の気流の一部が、排気口108から排気されずにスピンチャック100の下方領域200に流れ、そこに気流の対流を生じさせていたことが、シュミレーションによって明らかになった。
【0010】
そこで、例えば、カップ104の内壁面をスピンチャック100に保持された基板Wに近づけるようにカップ104を設計すれば、スピンチャック100の下方領域200での気流の対流を無くすことができると考えられる。しかしながら、回転される基板Wから飛散した洗浄液はカップ104の内壁面に当たったときにその一部が基板W側に跳ね返ってくるが、カップ104の内壁面をスピンチャック100に保持された基板Wに近づければ、カップ104の内壁面から跳ね返ってきた洗浄液が基板Wに再付着し易くなり、却って基板Wを汚染することになる。
【0011】
また、基板を回転させながら基板に所定の処理液を供給して基板に所定の処理を施す場合に、基板に処理液が再付着することで処理の仕上がり精度が悪くなることは一般的に知られている。従って、洗浄処理に限らず、その他の基板処理においても、カップなどを含む装置構成上、上記従来装置と同様の理由で、処理液が基板に再付着する問題が生じ得る。
【0012】
また、従来装置は薬液と廃液とを分離して排液する機能を備えているが、従来装置の構成では、カップ104から排液口106を経て樋部材110の排液流下口112に至る経路を、回収対象の薬液と廃棄対象の廃液とで共通して使用しており、そのため、この経路での2液の混合を避けることができず、薬液と廃液との分離排液が不十分であった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板への処理液の再付着を抑制し、基板処理の仕上がり精度を向上させることができる基板処理装置を提供することを主目的とする。
【0014】
また、本発明の別の目的は、処理に使用した複数種類の処理液を分離廃液する機能を備えた装置において、上記主目的を好適に達成することにある。
【0015】
また、本発明のさらに別の目的は、処理に使用した複数種類の処理液を分離廃液する機能を備えた装置において、上記主目的を好適に達成するとともに、処理に使用した複数種類の処理液の分離廃液をも好適に行える装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を水平姿勢で保持する基板保持手段と、前記基板保持手段に保持された基板を鉛直方向の軸芯周りで回転させる基板回転手段と、前記基板保持手段に保持された基板を取り囲むように設けられ、前記基板回転手段によって回転される基板から飛散する処理液を受け止めて下方の排液口に案内する内壁面を有し、上方に向かうほど径が小さくなる傾斜部が前記内壁面に形成されているとともに、その傾斜部の上端部に気体を取り込む気体取り込み口が形成されている案内部材と、前記基板保持手段の下方に設けられ、前記気体取り込み口により取り込まれた気体を排気する排気口と、前記基板保持手段の上方に配置され、前記案内部材の気体取り込み口よりも小さい径を有し、前記基板保持手段に保持された基板の上面に対向する対向面から前記基板上面の回転中心付近に処理液を供給する処理液供給部と、前記対向面と基板上面との間に清浄な気体を供給する気体供給路とを備えた雰囲気遮断部材と、前記基板保持手段と前記案内部材とを相対的に昇降させる昇降手段と、前記雰囲気遮断部材を前記基板保持手段に対して相対的に接離させる接離手段と、処理液により基板を処理する際、前記基板保持手段に保持された基板の高さ位置に前記案内部材の傾斜部が位置するように前記昇降手段を制御する昇降制御手段と、処理液により基板を処理する際、前記基板保持手段に保持された基板の上面と所定間隔隔てて前記雰囲気遮断部材を配置させ前記案内部材の気体取り込み口の中央部分を塞ぐように前記接離手段を制御する接離制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の基板処理装置において、底部に前記排気口を設けた排気槽と、前記排気槽の周囲に設けられ、底部に前記排液口を設けた排液槽とを備えた受け部材を前記基板保持手段の下方に配設し、前記昇降手段は、前記基板保持手段及び前記受け部材に対して前記案内部材を昇降させることを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の基板処理装置において、前記雰囲気遮断部材に備えられた処理液供給部は、複数種類の処理液を選択的に供給可能に構成され、前記案内部材は、互いに間隔をあけて同芯状に配備された各種類の処理液に対応した複数の傾斜部が形成されているとともに、最も内側の傾斜部の下方と、各傾斜部の間の隙間に形成される排液案内流路の下方とにそれぞれ排液口が設けられ、かつ、各傾斜部の上端部の気体取り込み口の径が略同じに形成され、前記昇降制御手段は、前記基板保持手段に保持された基板の高さ位置に、その基板に供給する処理液の種類に対応した前記案内部材の傾斜部が位置するように前記昇降手段を制御することを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載の基板処理装置において、底部に前記排気口を設けた排気槽と、前記排気槽の周囲に同芯状に設けられ、底部にそれぞれ排液口を設けた各種類の処理液に対応した複数の排液槽とを備えた受け部材を前記基板保持手段の下方に配設し、前記昇降手段は、前記基板保持手段及び前記受け部材に対して前記案内部材を昇降させるように構成したことを特徴とするものである。
【0020】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
基板保持手段に基板が保持されると、昇降制御手段は、基板保持手段に保持された基板の高さ位置に案内部材の傾斜部が位置するように、基板保持手段と案内部材とを相対的に昇降させる昇降手段を制御する。一方で、接離制御手段は、基板保持手段に保持された基板の上面と所定間隔隔てて雰囲気遮断部材を配置させるように、雰囲気遮断部材を基板保持手段に対して相対的に接離させる接離手段を制御する。
【0021】
そして、基板回転手段により、基板保持手段に保持された基板が鉛直方向の軸芯周りで回転されながら、雰囲気遮断部材に備えられた処理液供給部から基板上面の回転中心付近に処理液が供給されて基板に対して所定の処理が施される。
【0022】
このとき、回転される基板から飛散した処理液の大部分は、案内部材の傾斜部で受け止められ、傾斜部に沿って下方の排液口に案内される。また、傾斜部の一部に当たった処理液の一部は霧状のミストとなって、案内部材の内壁面の内側の空間に浮遊することになる。
【0023】
しかしながら、基板の上面から所定間隔隔てて配置された雰囲気遮断部材により、案内部材の気体取り込み口の中央部分が塞がれることになる。従って、案内部材の内壁面の内側の空間には、案内部材の気体取り込み口と雰囲気遮断部材との間の狭い隙間から気体が流入することになり、その隙間から流入し、基板の周囲を流下して基板保持手段の下方に設けられた排気口に流れる気体の流速は比較的速くなり、基板保持手段の下方空間で気体の対流が起き難くなる。また、基板の周囲を流下する気流がエアーカーテンの役目を果たすことになるので、そのエアーカーテンの外部に浮遊する処理液のミストがそのエアーカーテンの内部の基板側に流れるのを抑制することもできる。さらに、処理液のミストの基板への再付着が抑制できるので、案内部材の傾斜部を必要以上に基板保持手段に保持された基板に近づけるように装置を設計する必要もない。また、回転される基板から飛散した処理液は、上方に向かうほど径が小さくなる傾斜部で受け止められるので、処理液の大部分は下方に向かって跳ね返ることになり、基板側への処理液の跳ね返りを少なくできる。従って、基板への処理液の再付着を好適に抑制することができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、案内部材の気体取り込み口と雰囲気遮断部材との間の隙間から流入した気体は、基板の周囲を流下し、基板保持手段の下方に配設された受け部材を構成する排気槽を経て、その排気槽の底部に設けられた排気口から排気される。一方、回転される基板から飛散した処理液は、案内部材の傾斜部に沿って排気槽の周囲に設けられた排液槽を経て、その排液槽の底部に設けられた排液口から排液される。また、案内部材の傾斜部に当たって発生した処理液のミストは排液槽内に浮遊するので、そのミストの基板への再付着が一層起き難くなる。
【0025】
また、昇降手段は、基板保持手段及び受け部材に対して案内部材を昇降させるように構成されていて、昇降制御手段による制御では、基板保持手段及び受け部材に対して案内部材を昇降させて、基板保持手段に保持された基板の高さ位置に案内部材の傾斜部が位置するように基板保持手段に対する案内部材の高さが制御される。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、昇降制御手段により、基板保持手段に保持された基板の高さ位置に、その基板にこれから供給する処理液の種類に対応した案内部材の傾斜部が位置するように昇降手段が制御される。そして、雰囲気遮断部材に備えられた処理液供給部から、その傾斜部に対応する処理液が基板に供給されて基板に処理が施される。基板に供給された処理液は、その処理液に対応する案内部材の傾斜部に沿ってその下方の個別の排液口から排液される。
【0027】
基板に別の種類の処理液を供給して処理するときには、昇降制御手段により、基板保持手段に保持された基板の高さ位置に、その別の種類の処理液に対応した案内部材の傾斜部が位置するように昇降手段が制御され、雰囲気遮断部材に備えられた処理液供給部から、その別の種類の処理液が基板に供給されて基板に処理が施される。この別の種類の処理液は、その処理液に対応する案内部材の傾斜部に沿ってその下方の個別の排液口から排液される。
【0028】
従って、処理に使用した複数種類の処理液を分離して排液することができる。そして、各種類の処理液による処理の際に、基板保持手段に保持された上方には雰囲気遮断部材が配置されているので、請求項1に記載の発明と同様の作用により、基板への各種の処理液の再付着を好適に抑制することができる。
【0029】
また、各傾斜部の上端部の気体取り込み口の径が略同じに形成されているので、案内部材の各気体取り込み口と雰囲気遮断部材との間の隙間を、全ての気体取り込み口で略同じにでき、気体の流入条件を同じにして処理することもできる。
【0030】
さらに、各種類の処理液を別々の傾斜部、排液案内流路、排液口で排液するので、各液が混ざって排液されることがなく、各液の分離排液も好適に行える。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、受け部材には、底部にそれぞれ排液口を設けた各種類の処理液に対応した複数の排液槽が排気槽の周囲に同芯状に設けられていて、回転される基板から飛散した処理液は、その処理液に対応する案内部材の傾斜部に沿って、その処理液に対応する排液槽を経て、その排液槽の底部に設けられた排液口から排液される。
【0032】
また、昇降手段は、請求項2に記載の発明と同様に、基板保持手段及び受け部材に対して案内部材を昇降させるように構成されていて、昇降制御手段による制御では、基板保持手段及び受け部材に対して案内部材を昇降させて、基板保持手段に保持された基板の高さ位置に、基板に供給する処理液の種類に対応した案内部材の傾斜部が位置するように昇降手段が制御される。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す縦断面図である。
この装置は、処理対象の半導体ウエハ(基板)Wに薬液や純水を用いた洗浄処理を施すためのものであり、薬液と廃液とを分離して排液する機能を備えている。
【0034】
基板Wは、基板保持手段としてのスピンチャック1に水平姿勢で保持される。このスピンチャック1は、回転軸2の上端に一体回転可能に取り付けられたスピンベース3を有している。スピンベース3の上面には、基板Wの外周部を3箇所以上で保持する3個以上の基板保持部材4が、スピンベース3の周縁に沿って等間隔で立設されている。なお、図1以下では、図面が煩雑になることを避けるために、1個の基板保持部材4のみを示している。
【0035】
各基板保持部材4は、基板Wの外周部を下方から支持する基板支持部4aと基板支持部4aに支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部4bとを備えている。各基板保持部材4は、基板保持部4bが基板Wの外周端面を押圧する保持状態と、基板保持部4bが基板Wの外周端面から離れる非保持状態とで切換え可能に構成されている。この保持状態と非保持状態との切り換えは、例えば、特公平3−9607号公報に開示されたリンク機構などによって実現されている。
【0036】
回転軸2の下端付近には、ベルト伝動機構5などによって基板回転手段としての電動モーター6が連動連結されていて、電動モーター6を駆動することによって、回転軸2、スピンチャック1とともに、スピンチャック1に保持された基板Wを鉛直方向の軸芯J周りで回転させる。
【0037】
また、回転軸2は中空を有する筒状の部材で構成され、この中空部に洗浄液供給管7が貫通され、その上端部の洗浄液供給部7aからスピンチャック1に保持された基板Wの下面の回転中心付近に洗浄液を供給できるように構成されている。洗浄液供給管7は配管8に連通接続されている。この配管8の基端部は分岐されていて、一方の分岐配管8aには薬液供給源9が連通接続され、他方の分岐配管8bには純水供給源10が連通接続されている。各分岐配管8a、8bには開閉バルブ11a、11bが設けられていて、これら開閉バルブ11a、11bの開閉を切り換えることで、洗浄液供給部7aから薬液と純水とを選択的に切り換えて供給できるようになっている。
【0038】
また、回転軸2の中空部の内壁面と洗浄液供給管7の外壁面との間の隙間は、気体供給路12となっている。この気体供給路12は、開閉バルブ13が設けられた配管14を介して気体供給源15に連通接続されていて、気体供給路12の上端部の気体供給部12aからスピンベース3と基板Wの下面との間の空間に、清浄な空気や清浄な不活性ガス(窒素ガスなど)などの清浄な気体を供給できるように構成されている。
【0039】
回転軸2やベルト伝動機構5、電動モーター6などは、ベース部材20上に設けられた円筒状のケーシング16内に収容されている。
【0040】
ベース部材20上のケーシング16の周囲には受け部材21が固定的に取り付けられている。受け部材21には、円筒状の仕切り部材22a、22b、22cが立設されていて、これら仕切り部材22a〜22cとケーシング16の外壁面とによって、排気槽23、第1の排液槽24a、第2の排液槽24bが形成されている。ケーシング16の外壁面と内側の仕切り部材22aの内壁面との間の空間が排気槽23であり、内側の仕切り部材22aの外壁面と中間の仕切り部材22bの内壁面との間の空間が第1の排液槽24aであり、中間の仕切り部材22bの外壁面と外側の仕切り部材22cの内壁面との間の空間が第2の排液槽24bである。
【0041】
排気槽23の底部には排気ダクト25に連通接続された排気口26が設けられていて、排気口26から排気槽23内の気体が吸引されるように構成されている。また、第1の排液槽24aの底部には回収ドレイン27に連通接続された第1の排液口28aが設けら、第2の排液槽24bの底部には廃棄ドレイン29に連通接続された第2の排液口28bが設けられている。
【0042】
なお、図1以下では、図面が煩雑になることを避けるために、各仕切り部材22a〜22c、及び、後述する案内部材30は、断面形状のみを示している。
【0043】
第1、第2の排液槽24a、24bの上方には、スピンチャック1及びそれによって保持された基板Wの周囲を包囲するように筒状の案内部材30が昇降自在に設けられている。この案内部材30には、上方に向かうほど径が小さくなる傾斜部31a、31bが2箇所に形成されている。各傾斜部31a、31bは、互いに間隔をあけて同芯状に配備されている。また、各傾斜部31a、31bの上端部には径Rが同じに構成された気体取り込み口32a、32bが形成されている。さらに、傾斜部31aの下端部には垂直部33、34aが連なっており、傾斜部31bの下端部には垂直部34bが連なっている。各傾斜部31a、31bは、垂直部34a、34bを介して連結されており、この連結部分には円周方向に、排液案内流路を形成する多数の開口35が穿設されている。また、案内部材30には、垂直部33と垂直部34aの間に円環状の溝36が形成されていて、この溝36が中間の仕切り部材22bに嵌入されるとともに、垂直部34a、34bが、第2の廃液槽24b内に嵌入されるように、案内部材30が配置されている。
【0044】
スピンチャック1に保持された基板Wの高さ位置HWに、傾斜部31aが位置しているとき、回転される基板Wから飛散される洗浄液は傾斜部31aで受け止められ、傾斜部31a、垂直部33に沿って第1の排液槽24aに導かれ、第1の排液口28aから排液されることになる。この装置では、傾斜部31a、垂直部33、第1の排液槽24a、第1の排液口28aは薬液の回収に用いられ、第1の排液口28aから回収ドレイン27を経て図示しない回収タンクへ薬液が回収され、その回収タンクから回収された薬液が薬液供給源9に供給されて、薬液が再利用されるようになっている。
【0045】
また、スピンチャック1に保持された基板Wの高さ位置HWに、傾斜部31bが位置しているとき、回転される基板Wから飛散される洗浄液は傾斜部31bで受け止められ、傾斜部31b、垂直部34bに沿い、開口35から第2の排液槽24bに導かれ、第2の排液口28bから排液されることになる。この装置では、傾斜部31b、垂直部34b、開口35、第2の排液槽24b、第2の排液口28bは洗浄処理に使用された後の廃液(薬液が混ざった純水)の廃棄に用いられ、第2の排液口28bから廃棄ドレイン29を経て廃液が廃棄されるようになっている。
【0046】
案内部材30を昇降させる昇降機構の一例の構成を図2を参照して説明する。
案内部材30は、支持部材40を介して昇降部材41に支持されている。この昇降部材41には、螺軸42が螺合されているとともに、ガイドレール43に摺動自在に嵌め込まれている。螺軸42に連結されたモーター44を駆動することにより昇降部材41が昇降され、これに伴って案内部材30が昇降されるようになっている。昇降部材41、螺軸42、ガイドレール43、モーター44などが昇降手段に相当する昇降機構45を構成する。
【0047】
案内部材30は、スピンチャック1に保持された基板Wの高さ位置HWに傾斜部31aが位置する第1の高さH1、基板Wの高さ位置HWに傾斜部31bが位置する第2の高さH2、上方の気体取り込み口32bが基板Wの高さ位置HWよりも下方に位置する第3の高さ位置H3の3段階の高さ位置で昇降される。案内部材30の上記第1〜第3の高さ位置H1〜H3に対応する昇降部材41の高さ位置には、反射型の光センサなどで構成される昇降部材41検出用のセンサ46a〜46cが配設され、これらセンサ46a〜46cからの検出信号に基づき、モーター44が駆動制御され案内部材30が第1〜第3の高さ位置H1〜H3に位置させるように構成されている。なお、図3に示すように、この昇降制御は、昇降制御手段、接離制御手段として機能する制御部50によって行われるように構成されている。
【0048】
図1に戻って、スピンチャック1の上方には中心部に開口を有する雰囲気遮断部材60が配置されている。この雰囲気遮断部材60は、基板Wの径より若干大きく、かつ、案内部材30の気体取り込み口32a、32bの径Rよりも小さい径を有していて、中空を有する筒状の支持軸61の下端部に一体回転可能に取り付けられている。支持軸61は、支持アーム62に回転自在に支持されている。支持軸61には従動プーリ63が一体回転可能に取り付けられている。その従動プーリ63と、モーター64の駆動軸に連結された主動プーリ65との間に無端ベルト66が架け渡されていて、モーター64を駆動することにより支持軸61とともに雰囲気遮断部材60が鉛直方向の軸芯J周りに回転されるように構成されている。
【0049】
また、支持アーム62は、接離手段に相当する接離機構67によって昇降され、この支持アーム62の昇降によって、スピンチャック1に対して雰囲気遮断部材60が接離されるように構成されている。この装置では、雰囲気遮断部材60がスピンチャック1に保持された基板Wの上面に対して所定の間隔WB隔てた下方位置LHと、雰囲気遮断部材60がスピンチャック1に保持された基板Wの上面から上方に大きく離れた上方位置HHとの2段階の位置との間で雰囲気遮断部材60が昇降できるように構成されている。このような接離動を実現する接離機構67は、昇降機構45と同様に螺軸などを用いた機構や、あるいは、エアシリンダなどで構成されている。図3に示すように、この接離制御も制御部50によって行われるように構成されている。
【0050】
図1に戻って、雰囲気遮断部材60の中心の開口及び支持軸61の中空部には、洗浄液供給管70が貫通され、その下端部の洗浄液供給部70aからスピンチャック1に保持された基板Wの上面の回転中心付近に洗浄液を供給できるように構成されている。洗浄液供給管70は配管71に連通接続されている。この配管71の基端部は分岐されていて、一方の分岐配管71aには薬液供給源9が連通接続され、他方の分岐配管71bには純水供給源10が連通接続されている。各分岐配管71a、71bには開閉バルブ72a、72bが設けられていて、これら開閉バルブ72a、72bの開閉を切り換えることで、洗浄液供給部70aから薬液と純水とを選択的に切り換えて供給できるようになっている。
【0051】
また、雰囲気遮断部材60の中心の開口の内壁面及び支持軸61の中空部の内壁面と、洗浄液供給管70の外壁面との間の隙間は、気体供給路73となっている。この気体供給路73は、開閉バルブ74が設けられた配管75を介して気体供給源15に連通接続されていて、気体供給路73の下端部の気体供給部73aから雰囲気遮断部材60と基板Wの上面との間の空間に清浄な気体を供給できるように構成されている。
【0052】
制御部50は、案内部材30の昇降制御と雰囲気遮断部材60の接離制御の他にも、スピンチャック1の回転制御や雰囲気遮断部材60の回転制御、洗浄液供給部7a、70aからの洗浄液の供給制御、気体供給部12a、73aからの気体の供給制御などの制御も行うように構成されている。
【0053】
以上のような構成を有する装置の動作を図4ないし図6を参照して説明する。図4はスピンチャック1に対する基板Wの受渡しを行う状態を示し、図5は薬液洗浄処理の状態、図6はリンス処理及び乾燥処理の状態を示している。
【0054】
まず、図4に示すように、案内部材30を第3の高さ位置H3に位置させて、スピンチャック1を案内部材30の上方から突出させるとともに、雰囲気遮断部材60を上方位置HHに位置させて、雰囲気遮断部材60とスピンチャック1との間の間隔を広げる。この状態で、図示しない搬送ロボットが未処理の基板Wをスピンチャック1に引き渡す。スピンチャック1は受け取った基板Wを保持する。
【0055】
基板Wの受け取りが終わると、図5に示すように、案内部材30を第1の高さ位置H1に位置させて、スピンチャック1に保持された基板Wの高さ位置HWに案内部材30の傾斜部31aを位置させるとともに、雰囲気遮断部材60を下方位置LHに位置させて、スピンチャック1に保持された基板Wの上面と雰囲気遮断部材60との間の間隔をWBにする。これにより、傾斜部31aの上端部の気体取り込み口32aの中央部分は雰囲気遮断部材60によって塞がれることになる。上記間隔WBは、雰囲気遮断部材60が気体取り込み口32aの中央部分を塞ぐように配置される間隔である。
【0056】
この状態で、スピンチャック1とともに基板Wを回転させ、洗浄液供給部7a、70aから薬液を基板Wの上下両面に供給して薬液洗浄処理を行う。この薬液洗浄処理の際に、回転される基板Wの外周部から振り切られて周囲に飛散する薬液は、傾斜部31aで受け止められ、傾斜部31a、垂直部33に沿って第1の排液槽24aに導かれ、第1の排液口28aから排液され、回収ドレイン27を経て回収タンクに回収されることになる。
【0057】
また、基板Wから飛散され傾斜部31aに当たった薬液の一部はミストとなって浮遊することになる。しかしながら、この装置では、基板Wの上面から所定間隔WB隔てて配置された雰囲気遮断部材60により、案内部材30の気体取り込み口32aの中央部分が塞がれているので、案内部材30の内壁面の内側の空間には、案内部材30の気体取り込み口32aと雰囲気遮断部材60との間の円環状の狭い隙間80から気体が流入することになり、その隙間80から流入し、基板W及びスピンベース3の周囲を流下してスピンチャック1の下方の排気口26に流れる気体の流速は比較的速くなり、スピンチャック1の下方空間で気体の対流が起き難くなる。また、基板Wの周囲を流下する気流がエアーカーテンの役目を果たすことになるので、そのエアーカーテンの外部に浮遊する薬液のミストがそのエアーカーテンの内部の基板W側に流れるのを抑制することにもなる。さらに、気流の一部が第1の排液槽24a内にも流れるので、その気流によって傾斜部31a付近に浮遊する薬液のミストは第1の処理槽24a内に押し流される。従って、薬液のミストが基板Wに再付着するのを抑制することができる。
【0058】
また、案内部材30の傾斜部31aとスピンチャック1に保持された基板Wとは十分に離されるように案内部材30が配置されているとともに、案内部材30の傾斜部31a(31b)は、上方に向かうほど径が小さくなるように形成されさらに、基板Wの上方に雰囲気遮断部材60も配置されているので、傾斜部31aからの薬液の跳ね返りが基板Wに付着するような不都合も起き難い。
従って、基板Wへの薬液の再付着を好適に抑制することができる。
【0059】
所定の薬液洗浄処理時間が経過すると、洗浄液供給部7a、70aからの薬液の供給を停止する。そして、図6に示すように、案内部材30を第2の高さ位置H2に位置させて、スピンチャック1に保持された基板Wの高さ位置HWに案内部材30の傾斜部31bを位置させる。このとき、雰囲気遮断部材60は下方位置LHに位置させたまま、すなわち、スピンチャック1に保持された基板Wの上面と雰囲気遮断部材60との間の間隔をWBに維持している。この状態で、傾斜部31bの上端部の気体取り込み口32bの中央部が雰囲気遮断部材60によって塞がれるように、上下の気体取り込み口32a、32bの鉛直方向の間隔ZLが決められている。
【0060】
この状態で、洗浄液供給部7a、70aから純水を基板Wの上下両面に供給して基板Wに付着している薬液を純水で洗い落とすリンス処理を行う。このリンス処理の際に、回転される基板Wの外周部から振り切られて周囲に飛散する廃液(薬液が混ざった純水)は、傾斜部31bで受け止められ、傾斜部31b、垂直部34bに沿い、開口35から第2の排液槽24bに導かれ、第2の排液口28bから排液され、廃棄ドレイン29を経て廃棄されることになる。
【0061】
また、基板Wから飛散され傾斜部31bに当たった廃液の一部はミストとなって浮遊するが、薬液洗浄の場合と同様の作用により、基板Wへの廃液の再付着を好適に抑制することができる。さらに、スピンベース3の周囲を流下する気流によって、仕切り部材22aの上端と気体取り込み口32aとの間の開口を塞ぐようにエアーカーテンが形成されるとともに、その一部の気流が傾斜部31aに沿って第1の排液槽24aに流入し、第1の排液槽24aに浮遊する薬液のミストが基板Wに再付着することも抑制される。
【0062】
所定のリンス処理時間が経過すると、洗浄液供給部7a、70aからの純水の供給を停止し、スピンチャック1、案内部材30、雰囲気遮断部材60の位置関係を図6のまま維持して、スピンチャック1の回転を継続して基板Wに付着している純水を振り切って基板Wを乾燥させる乾燥処理を行う。この乾燥処理の際に、回転される基板Wの外周部から振り切られて周囲に飛散する廃液(純水)は、傾斜部31bで受け止められ、傾斜部31b、垂直部34bに沿い、開口35から第2の排液槽24bに導かれ、第2の排液口28bから排液され、廃棄ドレイン29を経て廃棄されることになる。
【0063】
また、薬液洗浄、リンス処理の場合と同様の作用により、乾燥中および乾燥後の基板Wへの薬液や廃液の再付着が好適に抑制される。
【0064】
所定の乾燥処理時間が経過すると、スピンチャック1の回転を停止する。そして、図4に示すように、案内部材30を第3の高さ位置H3に位置させるとともに、雰囲気遮断部材60を上方位置HHに位置させ、その状態で、図示しない搬送ロボットが洗浄処理済の基板Wをスピンチャック1から受け取って、1枚の基板Wに対する洗浄処理を終了する。
【0065】
なお、薬液、純水を用いた洗浄処理の際に、必要に応じて、雰囲気遮断部材60を回転させてもよいし、気体供給口12a、73aから気体を供給させてもよい。
【0066】
本発明者は、この装置を用いて、雰囲気遮断部材60を図5、図6のように配置した場合と配置しなかった場合とで、気体の流れをシュミレーションした結果、雰囲気遮断部材60を配置した場合は、配置しなかった場合に比べて、案内部材30の気体取り込み口32a、32bと雰囲気遮断部材60との間の隙間80から流入し、基板W及びスピンベース3の周囲を流れる気体(図5、図6の領域300)の流速が速くなり、スピンチャック1の下方空間での気体の対流などが軽減されていることを確認した。
【0067】
また、上記動作説明のように動作させて基板Wに洗浄処理を施すと、基板Wに薬液や廃液の付着が無く、洗浄の仕上がり精度が良好であった。
【0068】
さらにこの装置によれば、薬液と廃液の排液経路を分離しているので、薬液と廃液の分離排液も良好に行える。また、この装置によれば、スピンチャック1及び受け部材21に対して案内部材30を昇降させ、装置内で昇降変位させる部材を最小限にするように構成しているので、従来装置のように案内部材30(カップ104)に対してスピンチャック1を昇降させたり、カップ104のように案内部材30と受け部材21の機能を備えた部材をスピンチャック1に対して昇降させる場合に比べて、装置構成が簡略化でき、装置のコンパクト化が図れるとともに、昇降機構45の構造も簡単になる。
【0069】
なお、上記実施形態では、2種類の液を分離排液する装置を示したが、図7に示すように構成すれば、3種類の液を分離排液する装置を実現することもできる。図7中の符号31cは第3の液を排液するための傾斜部、32cはその傾斜部31cの上端部に形成された気体取り込み口、34cはその傾斜部31cの下端部に連なる垂直部、24cは第3の液を排液するための第3の排液槽、22dは仕切り部材、27a、27bは異なる液を個別に回収するための回収ドレインである。その他の符号は上記実施形態と同様である。なお、図7の構成において、各気体取り込み口32a、32b、32cの径Rを略同じに形成することで、これら各気体取り込み口32a、32b、32cと雰囲気遮断部材60との間の隙間を、全ての気体取り込み口32a、32b、32cで略同じにでき、気体の流入条件を略同じにして処理することができる。また、気体取り込み口32b、32cの鉛直方向の間隔ZL2を気体取り込み口32a、32bの鉛直方向の間隔ZLと略同じ(ZL≒ZL2)に形成することで、スピンチャック1に保持された基板Wの高さ位置HBに各傾斜部31a〜31cを位置させるように案内部材30を昇降させたとき、雰囲気遮断部材60の高さをHLに維持(スピンチャック1に保持された基板Wの上面と雰囲気遮断部材60との間隔をWBに維持)していても、各気体取り込み口32a〜32cと雰囲気遮断部材60の高さ方向の位置関係を略同じにして雰囲気遮断部材60を配置させることができ、気体の流入条件を略同じにして処理することができる。従って、このように構成すれば、各気体取り込み口32a〜32cごとに雰囲気遮断部材60の高さを変える必要がなく、雰囲気遮断部材60の接離制御が簡単になる。
【0070】
また、図7と同様の構成によって4種類以上の液を分離排液する装置を実現することもできる。
【0071】
さらに、本発明は、2種類以上の液を分離排液する機能を備えない装置にも同様に適用できる。この場合には、図8に示すように装置を構成すればよい。
【0072】
なお、上記実施形態では、基板Wに洗浄処理を施す装置を例に採り説明したが、本発明は、その他の処理液を基板Wに供給して所定の処理を基板Wに施す各種の基板処理装置にも同様に適用することができる。
【0073】
また、本発明は、半導体ウエハに対して処理する装置に限らず、液晶表示器用のガラス基板やフォトマスク用のガラス基板、光ディスク用の基板などの各種の基板に対して処理する装置にも同様に適用することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、案内部材の気体取り込み口の中央部分を塞ぐように雰囲気遮蔽部材を配置させた状態で基板に処理液を供給して所定の処理を施すように構成したので、気体取り込み口と雰囲気遮断部材との間の狭い隙間から取り込まれた気体の流速を比較的速くすることができ、処理液のミストなどが基板に再付着するのを抑制でき、処理の仕上がり精度を向上させることができる。また、基板保持手段に保持された基板の高さ位置に、上方に向かうほど径が小さくなる傾斜部を位置させて基板に処理を施すように構成したので、傾斜部から基板への処理液の跳ね返りを抑制することもできる。従って、基板への処理液の再付着を軽減して処理の仕上がり精度を向上させることができる。
【0075】
請求項2に記載の発明によれば、排気槽とその周囲に設けられた排液槽とを備えた受け部材を設けたので、処理液のミストを排液槽に止めておくことができ、処理液のミストなどが基板に再付着するのをより確実に抑制することができる。
【0076】
また、昇降手段を、基板保持手段及び受け部材に対して案内部材を昇降させ、装置内で昇降変位させる部材を最小限にするように構成しているので、案内部材に対して基板保持手段を昇降させたり、案内部材と受け部材の機能を備えた部材を基板保持手段に対して昇降させるのに比べて、装置構成が簡略化でき、装置のコンパクト化が図れるとともに、昇降手段の構造を簡単にすることもできる。
【0077】
請求項3に記載の発明によれば、案内部材は、互いに間隔をあけて同芯状に配備された各種類の処理液に対応した複数の傾斜部が形成されているとともに、最も内側の傾斜部の下方と、各傾斜部の間の隙間に形成される排液案内流路の下方とにそれぞれ排液口が設けられ、かつ、各傾斜部の上端部の気体取り込み口の径が略同じに形成され、昇降制御手段は、基板保持手段に保持された基板の高さ位置に、その基板に供給する処理液の種類に対応した案内部材の傾斜部が位置するように昇降手段を制御するように構成したので、複数種類の処理液を分離排液することが可能となり、そのように複数種類の処理液の分離排液が可能な装置において、基板への処理液の再付着を好適に抑制することができる。
【0078】
また、案内部材の各傾斜部の上端部の気体取り込み口の径が略同じに形成されているので、案内部材の各気体取り込み口と雰囲気遮断部材との間の隙間を、全ての気体取り込み口で略同じにでき、気体の流入条件を同じにして処理することができる。
【0079】
さらに、各種類の処理液を別々の傾斜部、排液案内流路、排液口で排液でき、各液が混ざって排液されることがないので、各液の分離排液を好適に行うこともできる。
【0080】
請求項4に記載の発明によれば、排気槽とその周囲に同芯状に設けられた各種類の処理液に対応する複数の排液槽とを備えた受け部材を設けたので、複数種類の処理液の分離排液が可能な装置において、処理液のミストなどが基板に再付着するのをより確実に抑制することができる。
【0081】
また、昇降手段を、基板保持手段及び受け部材に対して案内部材を昇降させるように構成したので、装置のコンパクト化が図れるとともに、昇降手段の構造を簡単にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】案内部材を昇降させる昇降機構の一例の構成を示す正面図である。
【図3】実施形態に係る装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る装置の動作を説明するための図であって、スピンチャックに対する基板の受渡しを行う状態を示す縦断面図である。
【図5】実施形態に係る装置の動作を説明するための図であって、薬液洗浄処理の状態を示す縦断面図である。
【図6】実施形態に係る装置の動作を説明するための図であって、リンス処理及び乾燥処理の状態を示す縦断面図である。
【図7】3種類の液を分離排液するための変形例の要部構成を示す縦断面図である。
【図8】液の分離排液を行う機能を備えない変形例の要部構成を示す縦断面図である。
【図9】従来装置の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:スピンチャック
6:電動モーター
21:受け部材
23:排気槽
24a、24b:排液槽
26:排気口
28a、28b:排液口
30:案内部材
31a、31b:傾斜部
32a、32b:気体取り込み口
45:昇降機構
50:制御部
60:雰囲気遮断部材
67:接離機構
70a:洗浄液供給部
W:基板
HW:スピンチャックに保持された基板の高さ位置
WB:基板処理時の基板上面と雰囲気遮断部材との間隔
Claims (4)
- 基板を水平姿勢で保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持された基板を鉛直方向の軸芯周りで回転させる基板回転手段と、
前記基板保持手段に保持された基板を取り囲むように設けられ、前記基板回転手段によって回転される基板から飛散する処理液を受け止めて下方の排液口に案内する内壁面を有し、上方に向かうほど径が小さくなる傾斜部が前記内壁面に形成されているとともに、その傾斜部の上端部に気体を取り込む気体取り込み口が形成されている案内部材と、
前記基板保持手段の下方に設けられ、前記気体取り込み口により取り込まれた気体を排気する排気口と、
前記基板保持手段の上方に配置され、前記案内部材の気体取り込み口よりも小さい径を有し、前記基板保持手段に保持された基板の上面に対向する対向面から前記基板上面の回転中心付近に処理液を供給する処理液供給部と、前記対向面と基板上面との間に清浄な気体を供給する気体供給路とを備えた雰囲気遮断部材と、
前記基板保持手段と前記案内部材とを相対的に昇降させる昇降手段と、
前記雰囲気遮断部材を前記基板保持手段に対して相対的に接離させる接離手段と、
処理液により基板を処理する際、前記基板保持手段に保持された基板の高さ位置に前記案内部材の傾斜部が位置するように前記昇降手段を制御する昇降制御手段と、
処理液により基板を処理する際、前記基板保持手段に保持された基板の上面と所定間隔隔てて前記雰囲気遮断部材を配置させ前記案内部材の気体取り込み口の中央部分を塞ぐように前記接離手段を制御する接離制御手段と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、
底部に前記排気口を設けた排気槽と、前記排気槽の周囲に設けられ、底部に前記排液口を設けた排液槽とを備えた受け部材を前記基板保持手段の下方に配設し、
前記昇降手段は、前記基板保持手段及び前記受け部材に対して前記案内部材を昇降させることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、
前記雰囲気遮断部材に備えられた処理液供給部は、複数種類の処理液を選択的に供給可能に構成され、
前記案内部材は、互いに間隔をあけて同芯状に配備された各種類の処理液に対応した複数の傾斜部が形成されているとともに、最も内側の傾斜部の下方と、各傾斜部の間の隙間に形成される排液案内流路の下方とにそれぞれ排液口が設けられ、かつ、各傾斜部の上端部の気体取り込み口の径が略同じに形成され、
前記昇降制御手段は、前記基板保持手段に保持された基板の高さ位置に、その基板に供給する処理液の種類に対応した前記案内部材の傾斜部が位置するように前記昇降手段を制御することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項3に記載の基板処理装置において、
底部に前記排気口を設けた排気槽と、前記排気槽の周囲に同芯状に設けられ、底部にそれぞれ排液口を設けた各種類の処理液に対応した複数の排液槽とを備えた受け部材を前記基板保持手段の下方に配設し、
前記昇降手段は、前記基板保持手段及び前記受け部材に対して前記案内部材を昇降させるように構成したことを特徴とする基板処理装置。
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