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JP3556100B2 - シリコーンゴムとの接着性に優れた樹脂組成物 - Google Patents
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JP3556100B2 - シリコーンゴムとの接着性に優れた樹脂組成物 - Google Patents

シリコーンゴムとの接着性に優れた樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリブチレンテレフタレート樹脂の耐久性、とりわけ耐加水分解性に優れ、シリコーンゴムと強固に接着するポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステル樹脂、とりわけポリブチレンテレフタレート樹脂は耐薬品性、耐熱性、機械的性質に優れ、工業用樹脂として広く用いられている。近年、耐加水分解性、耐熱老化性の要求が高まると共に、電気・電子分野、自動車分野において上記要求特性を満足し、且つ耐熱性、電気特性、耐候性に優れたシリコーンゴムと強固に接着するポリブチレンテレフタレート樹脂が要望されている。
【0003】
従来、付加硬化型シリコーンゴムと熱可塑性ポリエステル樹脂成形物を接着させる方法として、例えば成形物表面にプライマーを塗布した後未硬化シリコーンゴムを被覆硬化させて接着する方法や、自己接着性シリコーンゴムを直接成形物に被覆硬化させる方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プライマーを用いて接着させる方法は、一旦成形した樹脂成形物を金型より取り出しプライマーを塗布する工程が必要となり生産性が悪い。また、自己接着性シリコーンゴムを直接樹脂成形物に被覆硬化させる方法では、金型などを用いて樹脂及びシリコーンゴムとの一体成形体を形成する場合には、シリコーンゴム自身が金型に接着するという大きい難点がある。
【0005】
さらに、使用条件下での該樹脂成形物とシリコーンゴムとの接着部のシール性を確保するとともに、保管中の接着性の低下を評価する促進試験として、該樹脂成形物を一定時間水中に放置した後接着してその剥離強度を評価することが行われる。本発明者は、実用上、接着部のシール性を確保するためには、24時間水中に浸漬した後シリコーンゴムとの一体成形体として剥離強度を測定したときの剥離強度が10N以上であることが必須であることを知見した。
【0006】
本発明は、ポリブチレンテレフタレート樹脂の工業用樹脂材料として要求の高まっている耐加水分解性を大幅に改良し、且つ該ポリブチレンテレフタレート樹脂とシリコーンゴムとが互いに十分実用に耐えうる接着力を以って接着したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物とシリコーンゴムとの一体成形体を得ること、及びかかる一体成形体を確実且つ容易に、しかも短時間で接着することを可能とし、また射出成形によってかかる一体成形体を得ることのできるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる問題点を解決すべく鋭意検討した結果、チタン化合物を重合触媒として得られ且つ末端カルボキシル基濃度の低いポリブチレンテレフタレート樹脂に、フェノール系抗酸化剤及び特定の珪素含有化合物及び/又はその重合体を配合することにより、短時間の硬化条件で接着が可能であり、実用上十分な接着力を有するポリブチレンテレフタレート樹脂組成物とシリコーンゴムとの一体成形体が得られることを見いだし、本発明に到達した。特に射出成形によってポリブチレンテレフタレート樹脂組成物とシリコーンゴムの一体成形体を形成したとき、該一体成形体が成形金型から十分な実用性をもって離型することを見いだした。
【0008】
即ち本発明は、
(A)チタン化合物を重合触媒として得られ、且つ末端カルボキシル基濃度が15当量/T以下であるポリブチレンテレフタレート100重量部あたり、
(B)1分子中に少なくとも1個の、珪素原子に直接結合した水素原子を有する珪素含有化合物及び/又はその重合体を0.01〜3重量部、
(C)フェノール系抗酸化剤 0.01〜0.5重量部、
(D)チオエーテル系抗酸化剤 0.01重量部未満
からなるポリブチレンテレフテレート樹脂組成物であって、該組成物からなる成形品を23℃の純水中に24時間浸漬した後シリコーンゴムとの一体成形体として剥離強度を測定したときの剥離強度が10N以上である、シリコーンゴムとの接着性に優れた樹脂組成物である。
また、本発明は、上述のポリブチレンテレフテレート樹脂組成物からなり、23℃の純水中に24時間浸漬した後シリコーンゴムとの一体成形体として剥離強度を測定したときの剥離強度が10N以上である、シリコーンゴムとの接着性に優れた樹脂成形品も包含する。
【0009】
本発明の(A)成分であるポリブチレンテレフタレート樹脂はチタン化合物を重合触媒として得られ、シリコーンゴムの硬化反応を阻害することがない。好ましいチタン化合物としては、チタン酸テトラブトキサイドを挙げることができる。
【0010】
本発明の(A)成分であるポリブチレンテレフタレート樹脂は、末端カルボキシル基濃度は15当量/T以下であることが必要である。末端カルボキシル基濃度が15当量/Tを越えると、本発明の主要な効果の一つである耐加水分解性の大幅な向上は見られない。なお、Tは10gを意味する。
【0011】
本発明の(A)成分であるポリブチレンテレフタレート樹脂とはテレフタル酸を主たる酸成分とし、1、4ーブタンジオールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。ここで、「主たる」とは、全酸成分又は全グリコール成分に対して80モル%以上を言い、好ましくは90モル%以上である。
【0012】
共重合可能な酸成分としてはテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェキシエタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等、脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等、脂環族ジカルボン酸、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸等が例示される。
【0013】
ブタンジオール以外の共重合可能なグリコール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ビスフェノールA等が例示される。
【0014】
また、ポリエステルが実質的に成形加工性を損なわない範囲で多官能化合物、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等を共重合してもよい。
【0015】
本発明に用いられるポリブチレンテレフタレート樹脂は、固有粘度(35℃でのオルソクロロフェノール中での測定値をもとに算出された値)が0.3以上、好ましくは0.5以上のものが好ましい。これより固有粘度が低い場合は、強度が低く使用に耐えない。
【0016】
本発明で用いる(B)成分の珪素含有化合物及び/又はその重合体は、1分子中に少なくとも1個の、珪素原子に直接結合した水素原子を有している。分子構造は、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状等のいずれの構造のものも使用可能である。また、この珪素含有化合物及び/又はその重合体の25℃における粘度は、通常、0.5〜1000cStであり、好ましくは、1〜200cStである。
【0017】
(B)成分の珪素含有化合物及び/又はその重合体としては、下記平均組成式(1)に示す化合物が好ましい。
【0018】
【化1】
Figure 0003556100
【0019】
上記式中、 a及びbは、0<a<2、1≦b≦2及び、2≦a+b≦3を満たす数である。Rは脂肪族不飽和結合を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、通常、炭素原子数1〜10の基であり、好ましくは、炭素原子1〜6の基である。Rとしては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基等のアリール基;例えばシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;これらの基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基等の置換基で置換した、クロロメチル基、シアノエチル基、3,3,3,−トリフルオロプロピル基等が例示される。なお複数のRは同一でも異なっていてもよい。
【0020】
珪素含有化合物及び/又はその重合体としては、具体的には、下記式(2)で示される化合物を例示することができる。
【0021】
【化2】
Figure 0003556100
【0022】
本発明で用いる(B)成分の珪素含有化合物及び/又はその重合体の配合量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部当たり、0.01〜3重量部、好ましくは、0.01〜2重量部である。0.01重量部未満では接着性の改良効果が見られず、3重量部を越えると金型から離型しにくくなり、製品として組み付けた時相手部材に固着してしまう問題が生じる。
【0023】
本発明で用いられる(C)フェノール系抗酸化剤は、ヒンダートフェノール化合物及びその誘導体である。好ましいフェノール系抗酸化剤としては、2、6ージーtーブチルーpークレゾール、2、2’ーメチレンービスー(4ーメチルー6ージーtーブチルフェノール)、4、4’ーチオビス(3ーメチルーtーブチルフェノール)、1、1、3ートリス(2ーメチルー4ーヒドロキシー5ーtーブチルフェニル)ブタン、ペンタエリスリチルーテトラキス[3ー(3、5ージーtーブチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシルー3ー(3、5ージーtーブチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネートであり、特に好ましくは、ペンタエリスリチルーテトラキス[3ー(3、5ージーtーブチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられる。これらのフェノール系抗酸化剤は1種類、又は2種類以上を同時に用いる事が出来る。
【0024】
本発明で用いられる(C)フェノール系抗酸化剤の配合量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部当たり、0.01〜0.5重量部であることが必要であり、0.1〜0.3重量部が好ましい。0.01重量部より少ない場合は、耐熱性の改良効果が少なく、0.5重量部より多く配合しても耐熱老化性の改良効果は望めない。
【0025】
本発明で用いられることが好ましい成分である(D)チオエーテル系抗酸化剤は、好ましくはジートリデシルーチオージプロピオネート、テトラキス[メチレンー3ー(ドデシルチオ)プロピオネート]、ビス[2ーメチルー4ー{3ーn−アルキル(C12又はC14)チオプロピオニルオキシ}ー5ーtーブチルフェニル]スルフィドである。
【0026】
チオエーテル系抗酸化剤の配合量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部当たり、0〜0.05重量部であり、0.05重量部より多く配合するとポリブチレンテレフタレート樹脂成形物を長期間保管した後シリコーンゴムと接着させた場合に接着強度が低下する。
【0027】
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、ガラス繊維、炭素繊維等のごとき繊維状の強化材、粒状、無定形、板状、燐片状等の無機充填剤、核剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤、更に又難燃剤、衝撃改良剤、流動性改良剤等の改質剤を含有せしめることができる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0029】
実施例中、部とあるのは重量部を表す。ポリマーの固有粘度[η]はオルソクロロフェノール中25℃で測定した溶液粘度から算出した値である。また、末端カルボキシル基濃度(COOH)はエイ・コニックス(A.Conix)の方法{(Makromol.Chem,26,226(1958)}によって測定したポリマー1T(10g)当たりの当量数である。
【0030】
[参考例]
付加型シリコーンゴムの調整:
1分子中にメチルビニルシロキサン単位を2個有し、末端がジメチルビニルシロキシ基で停止しているジメチルポリシロキサン(25℃における粘度:1000cSt)100重量部、珪素原子に直接結合している水素原子が100gあたり0.739モル有するメチルハイドロジエンポリシロキサン4.6重量部、及び塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金含有量:0.5%)0.12重量部を配合して付加型シリコーンゴムを調製した。
【0031】
[実施例1〜2、比較例1〜3]
表1に示すポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記)、珪素含有化合物及び/又はその重合体、フェノール系抗酸化剤、チオエーテル系抗酸化剤、及びその他充填剤を所定量配合し、均一に混合した。得られた混合物を44mm径の2軸押出機でバレル温度250℃にて溶融混練し、ダイから吐出されるスレッドを冷却、切断して成形用ペレットを得た。次いで、このペレットを130℃で5時間乾燥した後、5オンスの射出成形機に物性用試験片モールドを取り付けてシリンダー温度260℃、金型温度40℃、射出圧力700Kg/cm、冷却時間20秒、全サイクル35秒の成形条件で引張試験片(ASTM4号)を成形した。
【0032】
シリコーンゴムとの接着性は、120℃に加熱した金型の下型に引張試験片を置き、幅25mm×長さ15mmの部分を残してテフロンシートでマスキングし、参考例で調製した付加型シリコーンゴムをで塗布した。ついで上型を締め、120℃×10分加圧硬化させた。引張試験片と硬化したシリコーンゴムとを180℃方向に引張り、剥離性及び剥離強度を評価した。また、使用条件下でのPBT樹脂成形物とシリコーンゴムとの接着部のシール性を確保するとともに、保管中の接着性の低下を評価する促進試験として、引張試験片を23℃の純水中に24時間浸漬した後、同様な操作で接着し、その剥離性及び剥離強度を評価した。
【0033】
耐加水分解性の試験は、122℃、湿度100%RHの条件で60時間の湿熱処理を行った試験片について引張強度を評価した。
【0034】
結果を表1に示す。本発明の組成物は、良好なシリコーンゴム接着性と耐加水分解性を示すことがわかる。(B)成分が含まれない場合はシリコーンゴムとの接着性が不十分で、[COOH]=35当量/TのPBTでは、PCTにおける機械的強度の低下が大きい。また、重合触媒としてチタン化合物でない、モノブチル錫オキサイドを用いた場合は、シリコーンゴムの硬化反応が阻害された。
【0035】
【表1】
Figure 0003556100
【0036】
[比較例4〜5]
実施例1と同様の方法で表2に示す配合割合からなる組成物について、シリコーンゴムとの接着性を評価した。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0003556100
【0038】
本発明の組成物は、良好なシリコーンゴム接着性を示した。一方、チオエーテル系の抗酸化剤の配合量が過剰になると、吸湿による影響が大きくなり接着性が低下した。また、リン系の抗酸化剤を用いると、硬化が阻害された。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリブチレンテレフタレート樹脂の耐加水分解性を大幅に改良し、且つポリブチレンテレフタレート樹脂とシリコーンゴムとが互いに十分実用に耐えうる接着力を以って接着したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物とシリコーンゴムとの一体成形体を提供することができ、かかる一体成形体を確実且つ容易に、しかも短時間で接着することを可能とし、また射出成形によってかかる一体成形体を得ることのできるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することができる。

Claims (2)

  1. (A)チタン化合物を重合触媒として得られ、且つ末端カルボキシル基濃度が15当量/T以下であるポリブチレンテレフタレート100重量部あたり、
    (B)1分子中に少なくとも1個の、珪素原子に直接結合した水素原子を有する珪素含有化合物及び/又はその重合体を0.01〜3重量部、
    (C)フェノール系抗酸化剤 0.01〜0.5重量部、
    (D)チオエーテル系抗酸化剤 0.01重量部未満
    からなるポリブチレンテレフテレート樹脂組成物であって、該組成物からなる成形品を23℃の純水中に24時間浸漬した後シリコーンゴムとの一体成形体として剥離強度を測定したときの剥離強度が10N以上である、シリコーンゴムとの接着性に優れた樹脂組成物。
  2. 請求項1記載のポリブチレンテレフテレート樹脂組成物からなり、23℃の純水中に24時間浸漬した後シリコーンゴムとの一体成形体として剥離強度を測定したときの剥離強度が10N以上である、シリコーンゴムとの接着性に優れた樹脂成形品。
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