JP3556467B2 - スタッカクレーンのキャリッジ落下防止装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は上下左右に配列した倉庫棚に沿って走行し各棚に荷を出入れするスタッカクレーンに係り、特に、該クレーンに立設されたマストに沿って昇降可能に支持されたキャリッジの落下を防止するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動倉庫等で用いられる上記スタッカクレーンのキャリッジは普通ワイヤによって吊下げられ、このワイヤがモータで巻取られることによって昇降する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記ワイヤが何らかの原因で切断を生じた場合キャリッジが落下して重大事故を招くため、キャリッジ落下を未然に防止することはスタッカクレーン設計上の重要課題とされる。このための装置として、本出願人は上記ワイヤの張力変化を検出して落下防止を図る装置を提案した。しかし上記張力変化を検出するには装置が複雑となる問題があり、更なる改良が求められていた。
【0004】
本発明は上記した問題点を解決することを目的とし、簡易な構成で確実に落下を防止できる装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、倉庫棚に沿って走行するスタッカクレーンにおいて、該クレーンに立設されたマストに沿って昇降するキャリッジの落下を防止する装置であって、上記マストは上記クレーンの走行方向に対する前後位置に所定間隔をあけて立設され、両マスト間に上記キャリッジが配置され、該キャリッジは上記各マストの側に立設する2つの縦フレームを有し、該縦フレームには上記クレーンの走行方向に平行なマスト側面に接する複数のガイドローラが設けられており、上記キャリッジは上記縦フレームにそれぞれ一端を固定した複数のワイヤによって上記マストの上端より吊り下げられており、上記キャリッジの縦フレームには、上記ガイドローラが接する面と直交するマスト側面に対向する傾動部材が傾動可能に軸支されると共に、上記マストの両側面に対し隙間を残して向き合うように配設された摩擦部材が該マスト両側面に対し圧接可能に設けられ、上記ワイヤの切断に伴い一方の縦フレームが下方に傾斜したとき上記傾動部材が上記マスト側面に当接して傾動し、この傾動部材の傾動に伴って上記摩擦部材が上記マストの両側面を挟圧して上記キャリッジの落下を防止することを特徴とするスタッカクレーンのキャリッジ落下防止装置を提案する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を通じて詳細に説明する。
【0007】
【実施例】
図1は本発明に係るスタッカクレーンを適用する自動倉庫1の例を示す。
同図において棚2は上下左右に組立てられて立体倉庫3を構成しており、各立体倉庫3の間には通路4が確保される。該通路4には上下にレール5,6が配置され、該レール5,6に沿ってスタッカクレーン7が走行する。
【0008】
該クレーン7は上記レール5,6間に立設された2本のマスト8,9を有し、また該マスト8,9に沿って昇降するキャリッジ10を備えている。11は自動倉庫1の入り口部に設置された入出庫装置であり、荷Wは該入出庫装置11からキャリッジ10上に移載されクレーン7で運ばれて所定の棚2に格納され、また該棚2からキャリッジ10に移されてクレーン7で運ばれ入出庫装置11を経て出荷される。
【0009】
12は上記入出庫装置11に設けられた主制御装置、13はクレーン7に付設された副制御装置であり、上記した荷Wの棚2への入庫又は出庫はこれら制御装置12,13の操作により自動的に行われる。
【0010】
図2,図3はスタッカクレーン7を示している。該クレーン7のマスト8,9上下端はブリッジ14,15で互いに連結固定され、両ブリッジ14,15に設けられた図示しないローラで上下のレール5,6に対し摺動自在に支持される。クレーン7は該クレーン7に搭載した走行モータM1によって、駆動輪16が回転駆動されることにより走行する。
【0011】
マスト8,9は図面左右、即ちクレーン7の走行方向に対する前後位置に所定間隔をあけて立設され、両マスト8,9間に前記キャリッジ10が配置される。マスト8,9は四角柱状であり、またキャリッジ10は各マスト側に立設する2つの縦フレーム17,18を有し、該フレーム17,18に設けた複数のガイドローラ19によって各マストの側面に接している。
【0012】
上記ガイドローラ19は図3に示す如く縦フレーム17,18の外側4隅に回転自在に配置され、クレーン7の走行方向Aに対し平行なマスト側面8a,8aおよび9a,9aに、それぞれ転動自在に接触している。
【0013】
またキャリッジ10の縦フレーム17,18外側面17a,18aには2本のワイヤ21,22の各一端がそれぞれ固定され、これによりキャリッジ10は両マスト8,9間に昇降自在に吊下げられている。各ワイヤ21,22はマスト上端の上側ブリッジ14に設けた2つのシーブ23,24に巻き掛けられた後、下側ブリッジ15に設けたシーブ25,25を通り、クレーンに搭載したリフトモータM2によって回転駆動されるシーブ26,26に巻回される。従ってリフトモータM2が駆動されることによりワイヤ21,22が上下に走行移動し、これに伴ってキャリッジ10が昇降制御される。
【0014】
図4および図5は、キャリッジ10における縦フレーム17,18の要部を示し、これにより本発明に係る検出具および圧接具を説明する。
同図に関する以下の説明は理解を容易にするため一方の縦フレーム18についてのみ行うが、他方の縦フレーム17についても、クレーン7の走行方向に関して対称的に構成されているものとする。
【0015】
同図において、まず上記圧接具の構成について説明する。
キャリッジ10の縦フレーム18の各内側面18bには、マスト9の両側面を挟む形で断面L字形のブラケット27が上下方向に固着される。該ブラケット27の内面および外面には固定板28,29が配され、更に内側固定板28とブラケット27との間にはスライド板30が配置される。該スライド板30は耐摩耗性が高くしかも摩擦係数の高い材質の摩擦部材で形成され、図4に示す通常の状態において、その互いに向き合う内側面30aが前記したマスト9の両側面9a,9aに対し僅かの隙間を残して向き合うようそれぞれ配置される。
【0016】
これらブラケット27,固定板28,29,スライド板30の上下2個所にはそれぞれ同一個所に孔が設けられ、両固定板27,28間にスペーサ31を介在させてボルト32を外側固定板27に螺合することにより、ブラケット27および両固定板28,29は互いに一体に固定される。上記スペーサ31が配置されるスライド板30の孔33は図4に示す如く傾斜した長孔形状に形成されており、スライド板30はこの長孔33の範囲内において斜め方向にスライド自在となっている。
【0017】
次に、前記検出具について説明する。
各スライド板30の上端は2又状に形成され、その間にピン34が固定される。該ピン34に対応する縦フレーム18外側位置には、該フレーム18に回動自在に支持された軸35が設けられ、該軸35に平面視コ字形の板バネからなる枠体36と上端にロッド37を有するアーム38とが固定される。
【0018】
上記枠体36は縦フレーム18に設けられた窓39を介して該フレーム18の外側から内側へ突出しており、また上記ロッド37も同様に縦フレーム18に設けた窓40を介してフレーム18の外側から内側へと突出している。枠体36には前記したブラケット27との間にスプリング41が張設されており、該スプリング41の弾性力によって、軸35を中心に枠体36,アーム38,ロッド37は図5における右回り方向に回動付勢されている。
【0019】
上記スプリング41による上記枠体36等の回動は前記スライド板30の長孔33の上面にボルト32が当接することによって停止状態を維持せられ、このとき上記したロッド37の先端はマスト9の側面9bに対し僅かの隙間を残して対向している。なお、上記したマスト側面8bとは、前記したガイドローラ19が接するマスト側面9aと直角な側面である。
【0020】
また上記ロッド37はマスト9の左右中央位置に設けられ、その下位には縦フレーム18にフリーローラ42が回転自在に設けられる。該フリーローラ42は上記ガイドローラ19と同様にマスト9に対し常時接触して転動するが、該ガイドローラ19とは直角な方向から、即ちマスト側面9bに対し接触するように配置される。
【0021】
図6は上記した実施例の作用を説明する図である。
前述したようにキャリッジ10はワイヤ21,22によって吊下げられ、またリフトモータM2の駆動により該ワイヤ21,22が上下走行することによって、両マスト8,9に沿って昇降制御される。
【0022】
上記ワイヤ21,22が何らかの原因により切断を生じる場合、2本のワイヤ21,22が全く同時に切断を生じることはほとんどなく、2本のワイヤ21,22は、わずかな時間差をもって順次切断される。
【0023】
一方のワイヤ22に切断が生じたものと仮定すると、キャリッジ10は該ワイヤ22による吊下げ側である図2の右側部分、即ち縦フレーム18側が下方に向けて傾斜する。このとき該縦フレーム18に設けられたロッド37がマスト9の側面9bに当接し、これに固定された枠体36はスプリング41の力に抗して軸35を中心に傾動し、図6の(a1)に示す状態から同図(a2)に示す状態へと変化する。
【0024】
またこのときピン34が図6の(a2)に示す如く引上げられるため、該ピン34に固定されたスライド板30が長孔33の範囲内で引上げられる。この長孔33は前記したようにその上方がマスト9に近づくように傾斜した形状をしているため、スライド板30は図6の(b1)から(b2)に示す如く引上げられ、その内側側面30aが該マスト9の側面9aに圧接される。
【0025】
このスライド板30の引上げ動作は図4に示すようにマスト9を挟む2つのスライド板30,30について等しく行われるため、両スライド板30,30はマスト9をその両側から強く挟圧し、これによりキャリッジ10はその落下が停止される。
【0026】
上記したスライド板30によるマスト9の挟圧作用は、ワイヤ21が先に切断してキャリッジ10が図2の左側部分、即ち縦フレーム19側が下方に向けて傾斜した場合は、マスト8側に設けられた他方のスライド板30が上記と同様に奏することになる。
【0027】
上記した各スライド板30,30はその内側面30a,30aとマスト両側面9a,9aとの間隔が必ずしも均一ではないが、上記したように枠体36が板バネで形成されているため、該枠体36が傾動して一方のスライド板30がマスト側面に接触した後も、該枠体36はねじれ変形を生じつつ更に傾動し、他方のスライド板30をマスト側面に押圧する。これによって両スライド板30,30はマスト9に対し常にその両側から挟圧力を付与できる。
【0028】
以上説明した実施例装置によれば、キャリッジ10を吊下げるいずれかのワイヤ21,22が切断を生じたとき、これに伴うキャリッジ10の角度変化を検出して該キャリッジの落下を確実に防止することが出来る。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本出願に係る発明によれば、簡易な構成によりキャリッジの落下を確実に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する自動倉庫の例を示す斜視図
【図2】本発明に係るスタッカクレーンを示す側面図
【図3】本発明に係るスタッカクレーンの要部を示す斜視図
【図4】本発明に係るキャリッジの要部を示す正面図
【図5】本発明に係るキャリッジ落下防止装置を示す側面断面図
【図6】本発明に係るキャリッジ落下防止装置の作用を説明するための図
【符号の説明】
1 自動倉庫
2 棚
7 スタッカクレーン
8 マスト
9 マスト
10 キャリッジ
19 ガイドローラ
21 ワイヤ
22 ワイヤ
30 スライド板(摩擦部材)
37 ロッド(傾動部材)
Claims (1)
- 倉庫棚に沿って走行するスタッカクレーンにおいて、該クレーンに立設されたマストに沿って昇降するキャリッジの落下を防止する装置であって、上記マストは上記クレーンの走行方向に対する前後位置に所定間隔をあけて立設され、両マスト間に上記キャリッジが配置され、該キャリッジは上記各マストの側に立設する2つの縦フレームを有し、該縦フレームには上記クレーンの走行方向に平行なマスト側面に接する複数のガイドローラが設けられており、上記キャリッジは上記縦フレームにそれぞれ一端を固定した複数のワイヤによって上記マストの上端より吊り下げられており、上記キャリッジの縦フレームには、上記ガイドローラが接する面と直交するマスト側面に対向する傾動部材が傾動可能に軸支されると共に、上記マストの両側面に対し隙間を残して向き合うように配設された摩擦部材が該マスト両側面に対し圧接可能に設けられ、上記ワイヤの切断に伴い一方の縦フレームが下方に傾斜したとき上記傾動部材が上記マスト側面に当接して傾動し、この傾動部材の傾動に伴って上記摩擦部材が上記マストの両側面を挟圧して上記キャリッジの落下を防止することを特徴とするスタッカクレーンのキャリッジ落下防止装置。
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