JP3556547B2 - 光ピックアップ装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用の光ピックアップ装置及びその製造方法に係り、特にコスト的に安価なキャリッジに光学部材を精度良く位置決めできる光ピックアップ装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ピックアップ装置に使用されるキャリッジには、アルミ合金等からなる金属を金型を用いて形成されたアルミダイキャスト製キャリッジが多く使用されている。このアルミダイキャスト製のキャリッジでは、キャリッジの所定の位置に光学部材が載置され、接着剤等を用いて接着固定される。
【0003】
一方、コスト削減を図るべくアルミダイキャスト等に代わるものとして板金によるキャリッジを光ピックアップ装置のキャリッジとして使用することが検討されている。
【0004】
図6は、従来の光ピックアップ装置50を示す斜視図であり、板金製のキャリッジ51により形成されている。
【0005】
前記キャリッジ51は、底面51dに対して折り曲げられて側面51a,51b,51cが形成されている。前記側面51a,51bの一端には、それぞれ案内部としての挿通孔52,52が形成され、前記挿通孔52,52には案内軸55が挿通されている。また前記側面51a,51bの他端には、先端がU字状に切り欠かれたガイド部53a,53bが形成されている。さらにキャリッジ51の底面51dには、取付片54a,54bが内方へ折り曲げ形成されている。取付片54a,54bは、互いに対向して底面51dに直交する方向へ切り起されている。またそれぞれの取付片54a,54bの間には、光学部材60が前記各取付片54a,54bとの間に隙間を設けて配置される。この場合、光学部材60は、専用の治具61上に位置決め固定された後、キャリッジ51の各取付片54a,54b間に位置決めされる。そして、それぞれの取付片54a,54bの間の隙間に接着剤が充填され、光学部材60がキャリッジ51に固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のアルミダイキャスト製のキャリッジを用いた光ピックアップ装置では、キャリッジの単価が高額でありコスト高となる問題があった。またキャリッジ単体の精度のみで光学部材の位置決め精度を保証しなければならないためキャリッジの精度にバラツキが生じた場合に影響が大きく、全てのキャリッジに対して精度を完全に保証することは困難であった。さらに光学部品を1個づつ接着する必要があるため、製造時における工程数が増えるという問題もあった。
【0007】
そこで、上記したアルミダイキャスト製等のキャリッジの代わりにコストの低い板金製のキャリッジが提案されるに至った。しかし、板金により形成されたキャリッジは、単価はアルミダイキャスト等のキャリッジと比べてコストを低く抑えることはできるが、光学部材がキャリッジに位置決めされる場合には治具61の側面がキャリッジの内側の側面51aに押し当てられて位置決めされるため、光学部材とキャリッジとの相対的な位置が所定の位置から外れるおそれがあった。すなわち、前記側面51aは折り曲げにより形成されるため治具61が前記側面51aに押し当てられたときに撓む可能性があり、その結果光学部材60と各取付片54a,54bとの間の隙間の距離がそれぞれ均等ではなくなり、前記隙間に接着剤を充填したときの充填量に差が生じ、接着剤を硬化させたときの接着剤自身の収縮又は膨張効果により光学部材60と取付片54a,54bとの間の距離が不均一となり精度良く位置決めすることが困難であった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、コストダウンを図ることができ、さらに各取付片に対してそれぞれ均等に光学部材を配置して接着固定時の接着剤の収縮膨張効果による影響を抑制することができる光ピックアップ装置を提供することを目的としている。
【0009】
また、前記取付片に光学部材を位置決めするときに、光学部材をそれぞれの取付片間に均等に配置することができる光ピックアップ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ディスクを走査する方向へ移動するための案内部および対を成す取付面が形成されたキャリッジと、前記取付面の間で接着固定された光学部材とを有する光ピックアップ装置において、
前記キャリッジには、前記案内部に沿う方向でこのキャリッジを位置決めする位置決め受け部が形成されており、前記案内部および前記位置決め受け部を基準として前記光学部材の位置が決められ、この光学部材が前記取付面の間で接着固定されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記手段により、折り曲げ形成されたキャリッジの側面を基準として位置決め配置されることがないため、側面の撓みによる位置ずれが発生することがない。
【0012】
また本発明は、前記光学部材とそれぞれの取付面との間の隙間がほぼ均等であり、前記光学部材と前記取付面とが、前記隙間部分に充填された接着剤により固定されていることが好ましい。
【0013】
上記手段により、前記隙間に接着剤が充填されたときの充填量(体積)を同じにすることができ、接着剤の硬化時に接着剤の温度変化等による収縮効果又は膨張効果により光学部材と各取付面との間の隙間が不均一となって光学部材がキャリッジに対して所定の位置からずれた位置に位置決め固定されてしまうことが防止される。
【0014】
また本発明は、前記案内部による案内方向と直交し且つ前記位置決め受け部を通る線上に、前記光学部材の光軸が一致するように、前記光学部材が位置決めされていることが好ましい。
【0015】
これにより、光学部材がそれぞれの取付面の間に均等な隙間を開けて確実に配置される。
【0016】
また本発明では、前記位置決め受け部は、V字状に切り欠かれていることが好ましい。
【0017】
なお、前記位置決め受け部は、V字状に切り欠かれるものだけでなく、円弧状に切り欠かれたものでもよく、あるいは切り欠きではなく突出させたものでもよく、あるいは1個所に限らず2個所、3個所に形成したものでもよい。
【0018】
また本発明では、前記キャリッジは板金製であり、キャリッジから折り曲げられた対を成す取付片の対向面に前記取付面が形成されていることが好ましい。
【0019】
上記手段により、コスト的に高いアルミダイキャスト製などのキャリッジを使用する必要がなくなり低コスト化を図ることができる。ただし、本発明でのキャリッジは板金で形成されたもの以外のものであっても実施可能である。
【0020】
また本発明は、対を成す取付面が形成されたキャリッジの、前記取付面の間に光学部材を位置決め固定する光ピックアップ装置の製造方法において、
前記キャリッジに、ディスクを走査する方向へ移動させるための案内部と、このキャリッジを前記案内部に沿う方向へ位置決めする位置決め受け部とを設け、治具上に光学部材を位置決めするとともに、前記治具上で、前記キャリッジを、前記案内部および前記位置決め受け部を基準として位置決めし、このとき前記治具上で位置決めされた前記光学部材を、キャリッジに形成された前記取付面間に位置させ、光学部材を前記各取付面間で接着固定することを特徴とするものである。
【0021】
上記手段により、治具により光学部材の位置決め精度を保証することができるため、キャリッジの精度をある程度ラフにすることができ、高い位置決め精度を保証することができない板金によりキャリッジを構成したとしても光学部材を高精度に位置決めできる。
【0022】
また本発明は、前記キャリッジに形成された案内部は案内孔であり、この案内孔に挿通した軸を前記治具に押し当てるとともに、治具に設けられた押し当て部材と前記位置決め受け部を嵌合させることにより、前記キャリッジを治具上で位置決めすることが好ましい。
【0023】
例えば、前記押し当て部材側に位置決め受け部を押圧して嵌合させる付勢部材を設けることにより、前記押し当て部材と位置決め受け部とが嵌合したときに同時に前記軸が治具に押し当てられて確実に位置決めされる。
【0024】
また本発明は、前記案内部による案内方向と直交する方向で且つ前記位置決め受け部を通る線上に、前記光学部材の光軸を位置決めすることが好ましい。
【0025】
上記により、光学部材がそれぞれの取付面の間に均等な隙間を開けて確実に配置される。
【0026】
また本発明は、前記光学部材とそれぞれの取付面との間の隙間をほぼ均等にし、前記光学部材と前記取付面とを、前記隙間部分に充填された接着剤により固定することが好ましい。
【0027】
上記手段により、前記隙間部分に接着剤が充填されたときの充填量(体積)を同じにすることができ、それによって接着剤を硬化させたときの接着剤の温度変化等による収縮又は膨張が原因で光学部材と各取付面との間の隙間が不均一となり、光学部材の光軸が所定の位置からずれて固定されてしまうことが防止される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1乃至図5を参照して説明する。図1は本発明の光ピックアップ装置に使用されるキャリッジに光学部材が位置決めされる前の状態を示す斜視図、図2はキャリッジに光学部材が位置決めされた後の状態を示す斜視図、図3は図2の3−3線で切断したときの断面図、図4は図2の4−4線で切断したときの断面図、図5は接着剤が取り付けられた後の状態を示す断面図である。
【0029】
本発明の光ピックアップ装置1は、キャリッジ2と光学部材10とを有している。なお、前記キャリッジ2に搭載される、対物レンズ、対物レンズをトラッキング方向及びフォーカシング方向へ駆動させる駆動手段、半導体レーザー光を発射可能な発光素子、及び半導体レーザー光のディスクに対する戻り光を検出する検出部などは、従来と同様の手段を用いて位置決め配置される。
【0030】
また、光ピックアップ装置1は、コンピュータなどの記憶装置として使用される様々なディスク装置に搭載することができ、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、MD(Mini Disk)などに使用することができる。
【0031】
また、前記キャリッジ2と光学部材10との位置決めは、キャリッジ2を上下逆さまにして行なわれる。
【0032】
キャリッジ2は、板金により形成され、この板金が所定の形状に切断された後に、図1に示すように底面2dに対して側面2a,2b,2cが折り曲げられて形成される。図示されているように、側面2aと側面2bとが対向して折り曲げられ、側面2cが前記側面2aと2bとに直交して折り曲げ形成されている。なお、前記側面2cに対向する側は側面は形成されておらず開放されている。
【0033】
前記側面2a,2bには、その一端に円形の案内部としての案内孔2e,2eがそれぞれ形成され、他端に前記側面2cよりも外側方へ突出するガイド部5a,5bが形成されている。ガイド部5a,5bの先端には、U字状の凹部6a,6bが形成されている。
【0034】
前記案内孔2e,2eには、案内軸7がそれぞれ挿通されている。装着されたときの案内軸7は、前記側面2a,2bより外側方へそれぞれ突出している。
【0035】
前記底面2dには、その縁部に位置決め受け部としてのV字状または三角形状の切欠部3が形成されている。この切欠部3は、前記光学部材10の光軸(中心)と一致する位置に形成されている。
【0036】
また底面2dには、四角形状の貫通孔4,5がそれぞれ独立して形成されている。貫通孔4には、その周縁部から延出する板状の取付片4a,4bがそれぞれキャリッジ2の案内方向から突出して形成され、先部側がそれぞれ対向して前記側面2a,2b,2cと同じ折り曲げ側へ折り曲げ形成されている。これにより、取付片4aと取付片4bとの間には間隙4cが形成される。
【0037】
同様に貫通孔5にも、その周縁部から延出する板状の取付片5a1,5b1,と取付片5a2,5b2とがそれぞれ対向して並列に折り曲げ形成されている。これにより、取付片5a1と取付片5b1との間には間隙5c1が形成され、また取付片5a2と取付片5b2との間には間隙5c2が形成される。
【0038】
前記光学部材10は、ビームスプリッタ10aとコリメータレンズ10bと反射板10cとで構成されている。前記ビームスプリッタ10aは、三角柱状のプリズムを2個組合わせてブロック状に形成され、前記コリメータレンズ10bは、円盤状に形成され、前記反射板10cは、板状に形成され且つ傾斜させて搭載されている。前記取付片4aと4bとの間の間隙4cには、ビームスプリッタ10aが設けられ、前記取付片5a1と5b1との間の間隙5c1には、コリメータレンズ10bが設けられ、前記取付片5a2と5b2との間の間隙5c2には、反射板10cが設けられ、前記ビームスプリッタ10aとコリメータレンズ10bと反射板10cとの各光軸がそれぞれ一致するように設けられる。
【0039】
このとき、前記ビームスプリッタ10aは、図4に示すようにビームスプリッタ10aの両側面と取付片4a,4bで形成される取付面との距離A,Bが同じ距離(A=B)となるように位置決め配置される。そして図4に示す状態において、ビームスプリッタ10aの両側面と、取付片4a,4bで形成される取付面との間の隙間4a1,4b1に紫外線硬化型の接着剤9a,9bが充填される。さらに前記接着剤9a,9bには、紫外線(UV)が照射されて接着剤9a,9bが硬化させられる。その結果、キャリッジ2と光学部材10とが位置決めされた位置から外れることなく所定の位置に固定される。
【0040】
また、前記コリメータレンズ10bと前記反射板10cとについても、上記と同様に、コリメータレンズ10bは、前記間隙5c1にコリメータレンズ10bの両側と取付片5a1,5b1の取付面とで形成される隙間がそれぞれ均等な距離となるように配置される。その後は上記と同様に接着剤が充填され、紫外線が照射され、接着剤が硬化させられてコリメータレンズ10bがキャリッジ2の所定の位置に固定される。また反射板10cについても、前記間隙5c2に反射板10cの両側面と取付片5a2,5b2とで形成される隙間がそれぞれ均等な距離となるように配置され、そして接着剤の充填とUV照射とが行なわれ、反射板10cがキャリッジ2の所定の位置に固定される。
【0041】
なお、前記取付片4a,4b,5a1,5b1,5a2,5b2の形状は、図示されているように四角形状に限られるものではなく、搭載される光学部材10の形状に応じて適宜変更することができる。例えば、上記の反射板10cのように傾斜して固定されるものであれば、取付片5a2,5b2を前記反射板10cの傾斜に沿って傾斜させても差支えない。
【0042】
また、キャリッジ2に搭載される光学部材10は、図示した実施形態に限られるものではなく、ディスク装置の種類に応じて反射板10cのみを設けるものでもよく、あるいは上記を越える数の光学部材が設けられるものでもよい。
【0043】
次に、本発明の光ピックアップ装置の製造方法について説明する。
なお、図1乃至図3に示す治具20は工具鋼などの鉄系金属により形成されたものであり、四角形状のベース20aに、軸受部21a,21bとガイド受部22と受け部23と押し当て部材24とが設けられている。
【0044】
軸受部21a,21bは、どちらも同一の形状からなり、ベース20aの2箇所の角部に垂直上方へ突出して形成されている。また軸受部21a,21bの上端には、さらに垂直上方へ突出する四角ブロック状の段差部21a1,21b1が突出して形成され、この段差部21a1,21b1の角部において前記案内軸7が係止されて支持される。
【0045】
ガイド受部22は、ベース20aの前記軸受部21aに対向する側の角部に形成されている。またガイド受部22には、その一側面から前記軸受部21bに対向している角部へ係止ピン22aが突出して形成されている。この係止ピン22aは、前記案内軸7と平行に形成されている。
【0046】
受け部23は、ベース20aの上面中央部付近に設けられている。すなわち、受け部23は、ビームスプリッタ10a用としての受け部23aと、コリメータレンズ10b用としての受け部23bと、反射板10c用としての受け部23cとで構成されている。またこのときビームスプリッタ10aの光軸とコリメータレンズ10bの光軸と反射板10cの光軸とがそれぞれ一直線上となる位置に位置決めされる。
【0047】
前記受け部23aの上面には、ビームスプリッタ10aが常に同じ位置に位置決めされるための壁部23a1が上方へ突出して形成されている。さらに図示していなが、ビームスプリッタ10aが前記取付片4a,4b側へ移動しないように壁部が形成されていてもよい。なお、前記壁部の代わりに前記壁部23a1側に前記ビームスプリッタ10aが嵌合可能な凹部が設けられていてもよく、あるいは壁部23a1を設けずに受け部23aの上面にビームスプリッタ10aが嵌合可能な四角形状の開口凹部が形成されていてもよい。
【0048】
前記受け部23bは、コリメータレンズ10bの位置決めを行なう受け台23b1と、壁部23b2とから構成されている。受け台23b1は、上面がV字状に切り欠かれており、このV字状からなる凹部23b3にコリメータレンズ10bの周面が載置されて位置決めされ、さらに壁部23b2は、コリメータレンズ10bの側面を支えて転倒が防止される。なお、図面では前記壁部23b2は、コリメータレンズ10bの片面のみしか支えられていないが、前記壁部23b2をコリメータレンズ10bの両側に設けて両面で支えられるようにしてもよい。
【0049】
前記受け部23cは、反射板10cが所定の角度で傾斜させられて位置決め配置されるものである。この受け部23cには、前記反射板10cを所定の角度に傾斜させる傾斜面23c1と反射板10cの下端を支えて落下を防止する傾斜面23c2とが形成され、前記傾斜面23c1と傾斜面23c2とで形成されるL字部に反射板10cが載置されて位置決めされる。
【0050】
なお、上記した受け部23a,23b,23cの形状は、図示した形状に限られるものではなく、光学部材10の形状等に応じて適宜変更することができる。
【0051】
前記押し当て部材24は、図1乃至図3に示すように、回動部材24aと押し当てピン24bとで構成され、ベース20aの前記軸受部21aと21bとの間に設けられている。回動部材24aは、断面がL字型に形成され、一端がベース20aに回動可能に支持され、他端がベース20aから上方へ突出している。前記回動部材24aの上端には、円柱状の押し当てピン24bが上方へ突出して形成されている。なお、前記押し当てピン24bの径は、上記した切欠部3の切欠き面積に応じて適宜変更される。上記の押し当て部材24は、図3に示すように、矢印R方向に回動自在にベース20aに支持されており、さらに常に図中反時計周り方向へ付勢する付勢力が図示しない弾性部材により作用している。さらに押し当て部材24には、キャリッジ2から離れる方向へ所定の角度まで傾斜させられたときにロックするロック部材(図示せず)が設けられている。
【0052】
上記のように形成された治具20には、まず光学部材10が位置決めされ、そしてキャリッジ2が位置決めされ、キャリッジ2と光学部材10との相対的な位置決めがなされる。
【0053】
すなわち、前記光学部材10(10a,10b,10c)は、前記受け部23(23a,23b,23c)に載置されて位置決めされる。
【0054】
一方、キャリッジ2は、案内軸7の両端がそれぞれ前記軸受部21a,21b上に載置される。このとき図1乃至図3に示すように、段差部21a1,21b1の角部に前記案内軸7が当接するように配置される。またキャリッジ2の片方のガイド部5aは、その凹部6aにガイド受部22の係止ピン22aが挿通されて係止される。上記の3箇所においてキャリッジ2が治具20上で支持される。またキャリッジ2は前記治具20により水平に支持される。
【0055】
さらに、キャリッジ2に形成された切欠部3には、前記押し当てピン24bが押し当てられて嵌合する。すなわち、前記押し当て部材24において、回動部材24aが前記ロック状態から切欠部3側に図示しない弾性部材により回動させられて押し当てピン24bが前記切欠部3に進入して当接する。このとき切欠部3は、押し当てピン24bによって押圧された状態で当接していることにより、案内軸7は、押し当てピン24bの押圧力によって段差部21a1,21b1の角部に確実に押し付けられてキャリッジ2全体が確実に位置決めされる。
【0056】
さらに治具20には、図3の2点鎖線で示す押圧部材25が設けられている。この押圧部材25は、前記案内軸7を段差部21a1,21b1の角部方向へ押し付けてキャリッジ2の位置決めをより確実なものとすることができる。これにより、前記切欠部3が押し当てピン24bによって嵌合されて押圧されたときに案内軸7が軸受部21a,21bから浮いた状態となることが防止される。
【0057】
なお、上記の押圧部材25を設けない場合には、上記段差部21a1,21b1の角度を直角よりも鋭角として切欠部3と押し当てピン24bとの嵌合時の案内軸7の浮きを防止するようにしてもよい。
【0058】
上記方法により、ビームスプリッタ10aは、キャリッジ2に対して取付片4aと取付片4bとの間に、取付片4aとビームスプリッタ10aとの隙間(A)と取付片4bとビームスプリッタ10aとの隙間(B)とがそれぞれ均等となるように位置決めされる(図4参照)。またコリメータレンズ10bは、キャリッジ2に対して取付片5a1と取付片5b1との間に、取付片5a1とコリメータレンズ10bとの隙間と取付片5b1とコリメータレンズ10bとの隙間とがそれぞれ均等となるように位置決めされる。また反射板10cは、キャリッジ2に対して取付片5a2と取付片5b2との間に、取付片5a2と反射板10cとの隙間と取付片5b2と反射板10cとの隙間とがそれぞれ均等となるように位置決めされる。
【0059】
さらに、取付片4a,4bとビームスプリッタ10aとの間の各隙間4a1,4b1、取付片5a1,5b1とコリメータレンズ10bとの間の各隙間、及び取付片5a2,5b2と反射板10cとの間の各隙間には、紫外線(UV)硬化型の接着剤9a,9bが充填される。このときの接着剤9aと9bは、上述したように各隙間が均等であることにより、同一又はほぼ同一のボリューム(体積)で充填される。
【0060】
さらに、前記接着剤9a,9bは、紫外線(UV)が照射されることにより硬化させられて、光学部材10がキャリッジ2の所定の位置に対して確実に固定される。なお、紫外線の照射時間や強度などは、接着剤9a,9bの充填量や環境温度などによって適宜変更される。
【0061】
本発明の光ピックアップ装置1は、上記の実施形態に限られるものではなく、位置決め受け部としての切欠部3は必ずしも光学部材10の光軸と一致していなくてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、板金によりキャリッジを形成することができるためコスト的に安価に製造することができ、しかも板金製のキャリッジであっても光学部材をキャリッジに精度良く位置決めすることができる。
【0063】
また、光学部材の位置決め精度をキャリッジではなく治具により保証することができるため、高額なキャリッジを用いて精度を高めなくてもよく、キャリッジの精度のばらつきによる影響を防止することができる。
【0064】
また、光学部材の配置と、光学部材とキャリッジとの接着をほぼ同時に行なうことができるため、製造時における工程数を削減することができる。さらに、製造の自動化への展開が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ピックアップ装置のキャリッジに光学部材を取り付ける前の状態を示す斜視図、
【図2】本発明の光ピックアップ装置のキャリッジに光学部材を位置決めした状態を示す斜視図、
【図3】図2の3−3線で切断したときの断面図、
【図4】図2の4−4線で切断したときの断面図、
【図5】接着剤を塗布した後の状態を示す断面図、
【図6】従来の光ピックアップ装置を示す斜視図、
【符号の説明】
2 キャリッジ
2a,2b,2c 側面
3 切欠部(位置決め受け部)
4,5 貫通孔
4a,4b,5a1,5b1,5a2,5b2 取付片
6 凹部
7 案内軸
10 光学部材
10a ビームスプリッタ
10b コリメータレンズ
10c 反射板
20 治具
21a,21b 軸受部
21a1,21b1 段差部
22 ガイド受部
22a 係止ピン
24 押し当て部材
24b 押し当てピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用の光ピックアップ装置及びその製造方法に係り、特にコスト的に安価なキャリッジに光学部材を精度良く位置決めできる光ピックアップ装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ピックアップ装置に使用されるキャリッジには、アルミ合金等からなる金属を金型を用いて形成されたアルミダイキャスト製キャリッジが多く使用されている。このアルミダイキャスト製のキャリッジでは、キャリッジの所定の位置に光学部材が載置され、接着剤等を用いて接着固定される。
【0003】
一方、コスト削減を図るべくアルミダイキャスト等に代わるものとして板金によるキャリッジを光ピックアップ装置のキャリッジとして使用することが検討されている。
【0004】
図6は、従来の光ピックアップ装置50を示す斜視図であり、板金製のキャリッジ51により形成されている。
【0005】
前記キャリッジ51は、底面51dに対して折り曲げられて側面51a,51b,51cが形成されている。前記側面51a,51bの一端には、それぞれ案内部としての挿通孔52,52が形成され、前記挿通孔52,52には案内軸55が挿通されている。また前記側面51a,51bの他端には、先端がU字状に切り欠かれたガイド部53a,53bが形成されている。さらにキャリッジ51の底面51dには、取付片54a,54bが内方へ折り曲げ形成されている。取付片54a,54bは、互いに対向して底面51dに直交する方向へ切り起されている。またそれぞれの取付片54a,54bの間には、光学部材60が前記各取付片54a,54bとの間に隙間を設けて配置される。この場合、光学部材60は、専用の治具61上に位置決め固定された後、キャリッジ51の各取付片54a,54b間に位置決めされる。そして、それぞれの取付片54a,54bの間の隙間に接着剤が充填され、光学部材60がキャリッジ51に固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のアルミダイキャスト製のキャリッジを用いた光ピックアップ装置では、キャリッジの単価が高額でありコスト高となる問題があった。またキャリッジ単体の精度のみで光学部材の位置決め精度を保証しなければならないためキャリッジの精度にバラツキが生じた場合に影響が大きく、全てのキャリッジに対して精度を完全に保証することは困難であった。さらに光学部品を1個づつ接着する必要があるため、製造時における工程数が増えるという問題もあった。
【0007】
そこで、上記したアルミダイキャスト製等のキャリッジの代わりにコストの低い板金製のキャリッジが提案されるに至った。しかし、板金により形成されたキャリッジは、単価はアルミダイキャスト等のキャリッジと比べてコストを低く抑えることはできるが、光学部材がキャリッジに位置決めされる場合には治具61の側面がキャリッジの内側の側面51aに押し当てられて位置決めされるため、光学部材とキャリッジとの相対的な位置が所定の位置から外れるおそれがあった。すなわち、前記側面51aは折り曲げにより形成されるため治具61が前記側面51aに押し当てられたときに撓む可能性があり、その結果光学部材60と各取付片54a,54bとの間の隙間の距離がそれぞれ均等ではなくなり、前記隙間に接着剤を充填したときの充填量に差が生じ、接着剤を硬化させたときの接着剤自身の収縮又は膨張効果により光学部材60と取付片54a,54bとの間の距離が不均一となり精度良く位置決めすることが困難であった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、コストダウンを図ることができ、さらに各取付片に対してそれぞれ均等に光学部材を配置して接着固定時の接着剤の収縮膨張効果による影響を抑制することができる光ピックアップ装置を提供することを目的としている。
【0009】
また、前記取付片に光学部材を位置決めするときに、光学部材をそれぞれの取付片間に均等に配置することができる光ピックアップ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ディスクを走査する方向へ移動するための案内部および対を成す取付面が形成されたキャリッジと、前記取付面の間で接着固定された光学部材とを有する光ピックアップ装置において、
前記キャリッジには、前記案内部に沿う方向でこのキャリッジを位置決めする位置決め受け部が形成されており、前記案内部および前記位置決め受け部を基準として前記光学部材の位置が決められ、この光学部材が前記取付面の間で接着固定されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記手段により、折り曲げ形成されたキャリッジの側面を基準として位置決め配置されることがないため、側面の撓みによる位置ずれが発生することがない。
【0012】
また本発明は、前記光学部材とそれぞれの取付面との間の隙間がほぼ均等であり、前記光学部材と前記取付面とが、前記隙間部分に充填された接着剤により固定されていることが好ましい。
【0013】
上記手段により、前記隙間に接着剤が充填されたときの充填量(体積)を同じにすることができ、接着剤の硬化時に接着剤の温度変化等による収縮効果又は膨張効果により光学部材と各取付面との間の隙間が不均一となって光学部材がキャリッジに対して所定の位置からずれた位置に位置決め固定されてしまうことが防止される。
【0014】
また本発明は、前記案内部による案内方向と直交し且つ前記位置決め受け部を通る線上に、前記光学部材の光軸が一致するように、前記光学部材が位置決めされていることが好ましい。
【0015】
これにより、光学部材がそれぞれの取付面の間に均等な隙間を開けて確実に配置される。
【0016】
また本発明では、前記位置決め受け部は、V字状に切り欠かれていることが好ましい。
【0017】
なお、前記位置決め受け部は、V字状に切り欠かれるものだけでなく、円弧状に切り欠かれたものでもよく、あるいは切り欠きではなく突出させたものでもよく、あるいは1個所に限らず2個所、3個所に形成したものでもよい。
【0018】
また本発明では、前記キャリッジは板金製であり、キャリッジから折り曲げられた対を成す取付片の対向面に前記取付面が形成されていることが好ましい。
【0019】
上記手段により、コスト的に高いアルミダイキャスト製などのキャリッジを使用する必要がなくなり低コスト化を図ることができる。ただし、本発明でのキャリッジは板金で形成されたもの以外のものであっても実施可能である。
【0020】
また本発明は、対を成す取付面が形成されたキャリッジの、前記取付面の間に光学部材を位置決め固定する光ピックアップ装置の製造方法において、
前記キャリッジに、ディスクを走査する方向へ移動させるための案内部と、このキャリッジを前記案内部に沿う方向へ位置決めする位置決め受け部とを設け、治具上に光学部材を位置決めするとともに、前記治具上で、前記キャリッジを、前記案内部および前記位置決め受け部を基準として位置決めし、このとき前記治具上で位置決めされた前記光学部材を、キャリッジに形成された前記取付面間に位置させ、光学部材を前記各取付面間で接着固定することを特徴とするものである。
【0021】
上記手段により、治具により光学部材の位置決め精度を保証することができるため、キャリッジの精度をある程度ラフにすることができ、高い位置決め精度を保証することができない板金によりキャリッジを構成したとしても光学部材を高精度に位置決めできる。
【0022】
また本発明は、前記キャリッジに形成された案内部は案内孔であり、この案内孔に挿通した軸を前記治具に押し当てるとともに、治具に設けられた押し当て部材と前記位置決め受け部を嵌合させることにより、前記キャリッジを治具上で位置決めすることが好ましい。
【0023】
例えば、前記押し当て部材側に位置決め受け部を押圧して嵌合させる付勢部材を設けることにより、前記押し当て部材と位置決め受け部とが嵌合したときに同時に前記軸が治具に押し当てられて確実に位置決めされる。
【0024】
また本発明は、前記案内部による案内方向と直交する方向で且つ前記位置決め受け部を通る線上に、前記光学部材の光軸を位置決めすることが好ましい。
【0025】
上記により、光学部材がそれぞれの取付面の間に均等な隙間を開けて確実に配置される。
【0026】
また本発明は、前記光学部材とそれぞれの取付面との間の隙間をほぼ均等にし、前記光学部材と前記取付面とを、前記隙間部分に充填された接着剤により固定することが好ましい。
【0027】
上記手段により、前記隙間部分に接着剤が充填されたときの充填量(体積)を同じにすることができ、それによって接着剤を硬化させたときの接着剤の温度変化等による収縮又は膨張が原因で光学部材と各取付面との間の隙間が不均一となり、光学部材の光軸が所定の位置からずれて固定されてしまうことが防止される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1乃至図5を参照して説明する。図1は本発明の光ピックアップ装置に使用されるキャリッジに光学部材が位置決めされる前の状態を示す斜視図、図2はキャリッジに光学部材が位置決めされた後の状態を示す斜視図、図3は図2の3−3線で切断したときの断面図、図4は図2の4−4線で切断したときの断面図、図5は接着剤が取り付けられた後の状態を示す断面図である。
【0029】
本発明の光ピックアップ装置1は、キャリッジ2と光学部材10とを有している。なお、前記キャリッジ2に搭載される、対物レンズ、対物レンズをトラッキング方向及びフォーカシング方向へ駆動させる駆動手段、半導体レーザー光を発射可能な発光素子、及び半導体レーザー光のディスクに対する戻り光を検出する検出部などは、従来と同様の手段を用いて位置決め配置される。
【0030】
また、光ピックアップ装置1は、コンピュータなどの記憶装置として使用される様々なディスク装置に搭載することができ、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、MD(Mini Disk)などに使用することができる。
【0031】
また、前記キャリッジ2と光学部材10との位置決めは、キャリッジ2を上下逆さまにして行なわれる。
【0032】
キャリッジ2は、板金により形成され、この板金が所定の形状に切断された後に、図1に示すように底面2dに対して側面2a,2b,2cが折り曲げられて形成される。図示されているように、側面2aと側面2bとが対向して折り曲げられ、側面2cが前記側面2aと2bとに直交して折り曲げ形成されている。なお、前記側面2cに対向する側は側面は形成されておらず開放されている。
【0033】
前記側面2a,2bには、その一端に円形の案内部としての案内孔2e,2eがそれぞれ形成され、他端に前記側面2cよりも外側方へ突出するガイド部5a,5bが形成されている。ガイド部5a,5bの先端には、U字状の凹部6a,6bが形成されている。
【0034】
前記案内孔2e,2eには、案内軸7がそれぞれ挿通されている。装着されたときの案内軸7は、前記側面2a,2bより外側方へそれぞれ突出している。
【0035】
前記底面2dには、その縁部に位置決め受け部としてのV字状または三角形状の切欠部3が形成されている。この切欠部3は、前記光学部材10の光軸(中心)と一致する位置に形成されている。
【0036】
また底面2dには、四角形状の貫通孔4,5がそれぞれ独立して形成されている。貫通孔4には、その周縁部から延出する板状の取付片4a,4bがそれぞれキャリッジ2の案内方向から突出して形成され、先部側がそれぞれ対向して前記側面2a,2b,2cと同じ折り曲げ側へ折り曲げ形成されている。これにより、取付片4aと取付片4bとの間には間隙4cが形成される。
【0037】
同様に貫通孔5にも、その周縁部から延出する板状の取付片5a1,5b1,と取付片5a2,5b2とがそれぞれ対向して並列に折り曲げ形成されている。これにより、取付片5a1と取付片5b1との間には間隙5c1が形成され、また取付片5a2と取付片5b2との間には間隙5c2が形成される。
【0038】
前記光学部材10は、ビームスプリッタ10aとコリメータレンズ10bと反射板10cとで構成されている。前記ビームスプリッタ10aは、三角柱状のプリズムを2個組合わせてブロック状に形成され、前記コリメータレンズ10bは、円盤状に形成され、前記反射板10cは、板状に形成され且つ傾斜させて搭載されている。前記取付片4aと4bとの間の間隙4cには、ビームスプリッタ10aが設けられ、前記取付片5a1と5b1との間の間隙5c1には、コリメータレンズ10bが設けられ、前記取付片5a2と5b2との間の間隙5c2には、反射板10cが設けられ、前記ビームスプリッタ10aとコリメータレンズ10bと反射板10cとの各光軸がそれぞれ一致するように設けられる。
【0039】
このとき、前記ビームスプリッタ10aは、図4に示すようにビームスプリッタ10aの両側面と取付片4a,4bで形成される取付面との距離A,Bが同じ距離(A=B)となるように位置決め配置される。そして図4に示す状態において、ビームスプリッタ10aの両側面と、取付片4a,4bで形成される取付面との間の隙間4a1,4b1に紫外線硬化型の接着剤9a,9bが充填される。さらに前記接着剤9a,9bには、紫外線(UV)が照射されて接着剤9a,9bが硬化させられる。その結果、キャリッジ2と光学部材10とが位置決めされた位置から外れることなく所定の位置に固定される。
【0040】
また、前記コリメータレンズ10bと前記反射板10cとについても、上記と同様に、コリメータレンズ10bは、前記間隙5c1にコリメータレンズ10bの両側と取付片5a1,5b1の取付面とで形成される隙間がそれぞれ均等な距離となるように配置される。その後は上記と同様に接着剤が充填され、紫外線が照射され、接着剤が硬化させられてコリメータレンズ10bがキャリッジ2の所定の位置に固定される。また反射板10cについても、前記間隙5c2に反射板10cの両側面と取付片5a2,5b2とで形成される隙間がそれぞれ均等な距離となるように配置され、そして接着剤の充填とUV照射とが行なわれ、反射板10cがキャリッジ2の所定の位置に固定される。
【0041】
なお、前記取付片4a,4b,5a1,5b1,5a2,5b2の形状は、図示されているように四角形状に限られるものではなく、搭載される光学部材10の形状に応じて適宜変更することができる。例えば、上記の反射板10cのように傾斜して固定されるものであれば、取付片5a2,5b2を前記反射板10cの傾斜に沿って傾斜させても差支えない。
【0042】
また、キャリッジ2に搭載される光学部材10は、図示した実施形態に限られるものではなく、ディスク装置の種類に応じて反射板10cのみを設けるものでもよく、あるいは上記を越える数の光学部材が設けられるものでもよい。
【0043】
次に、本発明の光ピックアップ装置の製造方法について説明する。
なお、図1乃至図3に示す治具20は工具鋼などの鉄系金属により形成されたものであり、四角形状のベース20aに、軸受部21a,21bとガイド受部22と受け部23と押し当て部材24とが設けられている。
【0044】
軸受部21a,21bは、どちらも同一の形状からなり、ベース20aの2箇所の角部に垂直上方へ突出して形成されている。また軸受部21a,21bの上端には、さらに垂直上方へ突出する四角ブロック状の段差部21a1,21b1が突出して形成され、この段差部21a1,21b1の角部において前記案内軸7が係止されて支持される。
【0045】
ガイド受部22は、ベース20aの前記軸受部21aに対向する側の角部に形成されている。またガイド受部22には、その一側面から前記軸受部21bに対向している角部へ係止ピン22aが突出して形成されている。この係止ピン22aは、前記案内軸7と平行に形成されている。
【0046】
受け部23は、ベース20aの上面中央部付近に設けられている。すなわち、受け部23は、ビームスプリッタ10a用としての受け部23aと、コリメータレンズ10b用としての受け部23bと、反射板10c用としての受け部23cとで構成されている。またこのときビームスプリッタ10aの光軸とコリメータレンズ10bの光軸と反射板10cの光軸とがそれぞれ一直線上となる位置に位置決めされる。
【0047】
前記受け部23aの上面には、ビームスプリッタ10aが常に同じ位置に位置決めされるための壁部23a1が上方へ突出して形成されている。さらに図示していなが、ビームスプリッタ10aが前記取付片4a,4b側へ移動しないように壁部が形成されていてもよい。なお、前記壁部の代わりに前記壁部23a1側に前記ビームスプリッタ10aが嵌合可能な凹部が設けられていてもよく、あるいは壁部23a1を設けずに受け部23aの上面にビームスプリッタ10aが嵌合可能な四角形状の開口凹部が形成されていてもよい。
【0048】
前記受け部23bは、コリメータレンズ10bの位置決めを行なう受け台23b1と、壁部23b2とから構成されている。受け台23b1は、上面がV字状に切り欠かれており、このV字状からなる凹部23b3にコリメータレンズ10bの周面が載置されて位置決めされ、さらに壁部23b2は、コリメータレンズ10bの側面を支えて転倒が防止される。なお、図面では前記壁部23b2は、コリメータレンズ10bの片面のみしか支えられていないが、前記壁部23b2をコリメータレンズ10bの両側に設けて両面で支えられるようにしてもよい。
【0049】
前記受け部23cは、反射板10cが所定の角度で傾斜させられて位置決め配置されるものである。この受け部23cには、前記反射板10cを所定の角度に傾斜させる傾斜面23c1と反射板10cの下端を支えて落下を防止する傾斜面23c2とが形成され、前記傾斜面23c1と傾斜面23c2とで形成されるL字部に反射板10cが載置されて位置決めされる。
【0050】
なお、上記した受け部23a,23b,23cの形状は、図示した形状に限られるものではなく、光学部材10の形状等に応じて適宜変更することができる。
【0051】
前記押し当て部材24は、図1乃至図3に示すように、回動部材24aと押し当てピン24bとで構成され、ベース20aの前記軸受部21aと21bとの間に設けられている。回動部材24aは、断面がL字型に形成され、一端がベース20aに回動可能に支持され、他端がベース20aから上方へ突出している。前記回動部材24aの上端には、円柱状の押し当てピン24bが上方へ突出して形成されている。なお、前記押し当てピン24bの径は、上記した切欠部3の切欠き面積に応じて適宜変更される。上記の押し当て部材24は、図3に示すように、矢印R方向に回動自在にベース20aに支持されており、さらに常に図中反時計周り方向へ付勢する付勢力が図示しない弾性部材により作用している。さらに押し当て部材24には、キャリッジ2から離れる方向へ所定の角度まで傾斜させられたときにロックするロック部材(図示せず)が設けられている。
【0052】
上記のように形成された治具20には、まず光学部材10が位置決めされ、そしてキャリッジ2が位置決めされ、キャリッジ2と光学部材10との相対的な位置決めがなされる。
【0053】
すなわち、前記光学部材10(10a,10b,10c)は、前記受け部23(23a,23b,23c)に載置されて位置決めされる。
【0054】
一方、キャリッジ2は、案内軸7の両端がそれぞれ前記軸受部21a,21b上に載置される。このとき図1乃至図3に示すように、段差部21a1,21b1の角部に前記案内軸7が当接するように配置される。またキャリッジ2の片方のガイド部5aは、その凹部6aにガイド受部22の係止ピン22aが挿通されて係止される。上記の3箇所においてキャリッジ2が治具20上で支持される。またキャリッジ2は前記治具20により水平に支持される。
【0055】
さらに、キャリッジ2に形成された切欠部3には、前記押し当てピン24bが押し当てられて嵌合する。すなわち、前記押し当て部材24において、回動部材24aが前記ロック状態から切欠部3側に図示しない弾性部材により回動させられて押し当てピン24bが前記切欠部3に進入して当接する。このとき切欠部3は、押し当てピン24bによって押圧された状態で当接していることにより、案内軸7は、押し当てピン24bの押圧力によって段差部21a1,21b1の角部に確実に押し付けられてキャリッジ2全体が確実に位置決めされる。
【0056】
さらに治具20には、図3の2点鎖線で示す押圧部材25が設けられている。この押圧部材25は、前記案内軸7を段差部21a1,21b1の角部方向へ押し付けてキャリッジ2の位置決めをより確実なものとすることができる。これにより、前記切欠部3が押し当てピン24bによって嵌合されて押圧されたときに案内軸7が軸受部21a,21bから浮いた状態となることが防止される。
【0057】
なお、上記の押圧部材25を設けない場合には、上記段差部21a1,21b1の角度を直角よりも鋭角として切欠部3と押し当てピン24bとの嵌合時の案内軸7の浮きを防止するようにしてもよい。
【0058】
上記方法により、ビームスプリッタ10aは、キャリッジ2に対して取付片4aと取付片4bとの間に、取付片4aとビームスプリッタ10aとの隙間(A)と取付片4bとビームスプリッタ10aとの隙間(B)とがそれぞれ均等となるように位置決めされる(図4参照)。またコリメータレンズ10bは、キャリッジ2に対して取付片5a1と取付片5b1との間に、取付片5a1とコリメータレンズ10bとの隙間と取付片5b1とコリメータレンズ10bとの隙間とがそれぞれ均等となるように位置決めされる。また反射板10cは、キャリッジ2に対して取付片5a2と取付片5b2との間に、取付片5a2と反射板10cとの隙間と取付片5b2と反射板10cとの隙間とがそれぞれ均等となるように位置決めされる。
【0059】
さらに、取付片4a,4bとビームスプリッタ10aとの間の各隙間4a1,4b1、取付片5a1,5b1とコリメータレンズ10bとの間の各隙間、及び取付片5a2,5b2と反射板10cとの間の各隙間には、紫外線(UV)硬化型の接着剤9a,9bが充填される。このときの接着剤9aと9bは、上述したように各隙間が均等であることにより、同一又はほぼ同一のボリューム(体積)で充填される。
【0060】
さらに、前記接着剤9a,9bは、紫外線(UV)が照射されることにより硬化させられて、光学部材10がキャリッジ2の所定の位置に対して確実に固定される。なお、紫外線の照射時間や強度などは、接着剤9a,9bの充填量や環境温度などによって適宜変更される。
【0061】
本発明の光ピックアップ装置1は、上記の実施形態に限られるものではなく、位置決め受け部としての切欠部3は必ずしも光学部材10の光軸と一致していなくてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、板金によりキャリッジを形成することができるためコスト的に安価に製造することができ、しかも板金製のキャリッジであっても光学部材をキャリッジに精度良く位置決めすることができる。
【0063】
また、光学部材の位置決め精度をキャリッジではなく治具により保証することができるため、高額なキャリッジを用いて精度を高めなくてもよく、キャリッジの精度のばらつきによる影響を防止することができる。
【0064】
また、光学部材の配置と、光学部材とキャリッジとの接着をほぼ同時に行なうことができるため、製造時における工程数を削減することができる。さらに、製造の自動化への展開が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ピックアップ装置のキャリッジに光学部材を取り付ける前の状態を示す斜視図、
【図2】本発明の光ピックアップ装置のキャリッジに光学部材を位置決めした状態を示す斜視図、
【図3】図2の3−3線で切断したときの断面図、
【図4】図2の4−4線で切断したときの断面図、
【図5】接着剤を塗布した後の状態を示す断面図、
【図6】従来の光ピックアップ装置を示す斜視図、
【符号の説明】
2 キャリッジ
2a,2b,2c 側面
3 切欠部(位置決め受け部)
4,5 貫通孔
4a,4b,5a1,5b1,5a2,5b2 取付片
6 凹部
7 案内軸
10 光学部材
10a ビームスプリッタ
10b コリメータレンズ
10c 反射板
20 治具
21a,21b 軸受部
21a1,21b1 段差部
22 ガイド受部
22a 係止ピン
24 押し当て部材
24b 押し当てピン
Claims (9)
- ディスクを走査する方向へ移動するための案内部および対を成す取付面が形成されたキャリッジと、前記取付面の間で接着固定された光学部材とを有する光ピックアップ装置において、
前記キャリッジには、前記案内部に沿う方向でこのキャリッジを位置決めする位置決め受け部が形成されており、前記案内部および前記位置決め受け部を基準として前記光学部材の位置が決められ、この光学部材が前記取付面の間で接着固定されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記光学部材とそれぞれの取付面との間の隙間がほぼ均等であり、前記光学部材と前記取付面とが、前記隙間部分に充填された接着剤により固定されている請求項1記載の光ピックアップ装置。
- 前記案内部による案内方向と直交し且つ前記位置決め受け部を通る線上に、前記光学部材の光軸が一致するように、前記光学部材が位置決めされている請求項1または2記載の光ピックアップ装置。
- 前記位置決め受け部は、V字状に切り欠かれている請求項1ないし3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記キャリッジは板金製であり、キャリッジから折り曲げられた対を成す取付片の対向面に前記取付面が形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 対を成す取付面が形成されたキャリッジの、前記取付面の間に光学部材を位置決め固定する光ピックアップ装置の製造方法において、
前記キャリッジに、ディスクを走査する方向へ移動させるための案内部と、このキャリッジを前記案内部に沿う方向へ位置決めする位置決め受け部とを設け、
治具上に光学部材を位置決めするとともに、前記治具上で、前記キャリッジを、前記案内部および前記位置決め受け部を基準として位置決めし、このとき前記治具上で位置決めされた前記光学部材を、キャリッジに形成された前記取付面間に位置させ、光学部材を前記各取付面間で接着固定することを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 前記キャリッジに形成された案内部は案内孔であり、この案内孔に挿通した軸を前記治具に押し当てるとともに、治具に設けられた押し当て部材と前記位置決め受け部を嵌合させることにより、前記キャリッジを治具上で位置決めする請求項6記載の光ピックアップ装置の製造方法。
- 前記案内部による案内方向と直交する方向で且つ前記位置決め受け部を通る線上に、前記光学部材の光軸を位置決めする請求項6または7に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
- 前記光学部材とそれぞれの取付面との間の隙間をほぼ均等にし、前記光学部材と前記取付面とを、前記隙間部分に充填された接着剤により固定する請求項6ないし8のいずれかに記載の光ピックアップ装置の製造方法。
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