JP3556590B2 - カートリッジならびに歯科アプリケータ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、特に歯科材料等のペースト状材料を収容する、請求項1前段記載のカートリッジ、ならびに請求項14前段に記載の歯科アプリケータに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のカートリッジは、例えばドイツ特許C1第19651981号公報によって知られている。このカートリッジにおいてはカートリッジの前領域に歯科材料の射出口が延在しており、この構造において射出口は斜め側方に延在する射出ソケットとして形成されている。射出ソケットは比較的に長く、また比較的小さな断面を有し、従って射出ソケットを通過する歯科材料に対して一定の流動抵抗をもたらす。しかしながら、この解決方式は、特に射出プランジャを射出ソケット内に挿入した際に完全に射出することができる低粘性の歯科材料を射出する際にのみ良好に機能する。
【0003】
さらに、極めて短い射出ソケットを使用することが提案されている。この解決方式は、流体工学的に見てドイツ特許C1第19651981号公報の図2に関連するものである。これによって、射出される紐状の歯科材料に僅かに縮小された断面をもたらすことを可能にする。しかしながら、比較的に僅かな縮小であるにもかかわらず流動抵抗は極めて大きくなり、これは粘性の紐状歯科材料を側方に曲折させる方式において特に顕著なものとなる。このように粘性の歯科材料を効果的に側方に曲折させるために、従来の概念においては、大きな剪断力を克服するともに一定の通流長にわたって通流方向を定義し、これによってプランジャを押し下げた際に層流に類似する流動を得る必要があるとされていた。
【0004】
射出ソケットを比較的大きな半径をもって外側に湾曲するよう形成することによってある程度良好な流動条件を得ることができる。しかしながら、従来の技術において一般的なように、ピストンが比較的大きな湾曲に進入し得ない場合、重大な材料損失がもたらされる。
【0005】
さらに、この種の湾曲形状の構成のための充分なスペースを確保することができない。従って、カートリッジ本体の縦軸に対して極僅かな角度の曲折をもって延在する中間的解決方式が提案された。すなわち、既知の方式においては、細身の構造にもかかわらず粘性の歯科材料を必要なだけ曲折させることは不可能であり、従ってカートリッジ、特にカートリッジ先端の操作性を容易化することが不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、射出する材料が高粘性である場合においてもこれを側方に大きく曲折させ得るとともに、低コストかつ簡便な製造を達成することができる、請求項1前段記載の比較的高粘度の材料用のカートリッジ、ならびに請求項14前段記載の歯科アプリケータを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明に従って請求項1または請求項14によって解決される。下位請求項には好適な追加構成が示されている。
【0008】
本発明に係る射出口をカートリッジ本体内に一体的に形成すれば特に好適である。これによって、まず側方への大きな突起によって操作性を劣化させることが防止され、従って接近しにくい空洞部のために充填が阻害されることもない。加えて、意外なことに深い位置の空洞部に達することができ、また小さな流動抵抗にもかかわらず紐状歯科材料の側方曲折角度は大きなものとなり、例えば90°に達する。本発明に従って実施された実験において、紐状歯科材料の幅を少なくとも部分的に前方に向かって拡大させることによってこれ自体が後方に向かって弓形に湾曲することが判明し、この際曲折壁の形状も本発明によって極めて良好なものとなる。
【0009】
本発明によれば、紐状材料を塗布部分に付加する、実質的な塗布位置をカートリッジから離間して配置すれば特に好適である。従って、紐状材料自体が実質的に擬似的な射出ソケットとして作用し、この際紐状材料の硬度は、材料の粘性が高いことによる効果を除いて、実質的に2つの観点によって影響を受ける。射出口を非対称形に形成することによって比較的幅広の紐状材料が形成され、そのフランクは補強リブのように作用する。他方、押圧によって生じる紐状材料の湾曲によってある程度硬度が向上する。この湾曲は、射出口壁に対向する曲折壁に内円または内部湾曲を形成することによって達成される。
【0010】
カートリッジの全長にわたって見て射出口の幅が後方から前方に向かって拡大する好適な構成形態以外にも、任意に変更した射出口の形状を実施し得ることが理解されよう。例えば、実質的にひし形の射出口を形成して同様な形状の高い曲げ剛性を有する紐状材料を生成することもできる。
【0011】
紐状材料の形状がカートリッジ本体の断面から大きく逸脱すると変形抵抗が増すことが理解される。他方、本発明によれば、本発明の効果を得るために比較的小さな変形を可能にすることが特に好適であり、この際高粘性材料の流動抵抗を小さく抑えることができる。本発明によって膨張または段等の流動障害がカートリッジからの歯科材料の射出に影響を及ぼさないことが特に好適であり、この際射出口を好適には実質的にシリンダ形状のカートリッジ本体の直接延長部内に延在させ射出口に隣接するシリンダ壁に到達させることが特に有効である。
【0012】
本発明に係る紐状材料を生成するために流体工学上有利な形状のため、過大な流動抵抗を発生させることなく、カートリッジ本体の内側領域の断面と射出口の断面の縮小率を例えば1:2.5にすることができる。
【0013】
別の特に好適な特徴によれば、本発明に係るカートリッジの形状においてカートリッジと強固に結合されカートリッジ周囲から側方に突き出る突出部分は存在しない。むしろ、本発明に係る紐状材料は実質的に側方に突出する射出口に類似するものである。他方、このことは本発明に係るカートリッジを必要に応じて適宜な蓋部材によって閉鎖することができることを意味している。
【0014】
本発明のその他の詳細、特徴ならびに種々の利点は、添付図面を参照しながら以下に記述する実施例の説明によって明らかにされよう。
【0015】
【実施例】
図1に示されたカートリッジ10は、実質的にシリンダ形状でペースト状の材料を周遊するために適したカートリッジ本体12を備える。カートリッジ10内には図示されていないピストンが挿入され、これによってペースト状材料を押出する。
【0016】
本発明は、主に歯科材料に適用するものであるが、これに代えて他の任意のペースト状または高粘性の材料にも使用し得ることは勿論である。
【0017】
材料の射出に際して付加された圧力を保持するために、カートリッジ本体12は支持環14を備えており、これは後方端16を円形に包囲している。
【0018】
カートリッジ本体12の前方端18には射出口20が設けられており、これを介してカートリッジ本体12内の材料が放出される。射出口20は、カートリッジ本体12の軸23に対して斜めに延在する射出口壁22内に、カートリッジ本体12内に一体的に形成されている。壁面22の法線は図示された実施例において軸23に対して前方に55°の角度を形成している。カートリッジ本体12の壁部24から見て射出口20は傾斜部材として形成されており、ここで部材面は本体12の中心には完全に到達せず、本体12の先端30に到達している。
【0019】
曲折壁32は射出口20に対向しかつこれに向かって傾斜するように形成され、これは壁34に対向する壁24から軸23に向かって延在し射出口壁22に接続している。曲折壁32は湾曲させることが好適であり、これによって紐状材料の流動方向は徐々に変化する。この点に関して、曲折壁の内側半径がカートリッジ本体の直径に略相当することが好適である。変更された構成においては、半径が後ろから前に向かっていくらか拡大しており、従ってペースト状の紐状材料の曲折がまず遅速にその後より高速に実施される。本発明によれば、流動障害が生じないように、段または突起等が無く連続的な変化をさせる点が重要である。
【0020】
曲折壁32を先端に向かって収縮させる構造によって射出口20の断面が収縮し、従って同時にノズルが形成される。断面の収縮も漸進的であり、従って流速も漸進的に増大する。曲折壁32が内側に湾曲していることによって、紐状材料は図2に示されているように射出口20から放出された後湾曲して延在する傾向を有する。
【0021】
さらに、図示された実施例において、曲折壁32はカートリッジ本体12の先端20に向かっていくらか先細となっており、先端30上においてカートリッジ本体12の壁24および34に比して顕著に小さな壁厚を有している。
【0022】
射出口20は、図3に示されているように、その幅が先端30に近づくに従って拡大するような非対称形を有している。図3に示された非対称形のレンズ形状の構造は図1に示された構成を実施することによって達成することができる。
【0023】
図2には、歯科材料40がカートリッジ10から射出される状態が示されている。カートリッジ10のシリンダ状カートリッジ本体12内にはピストン42が挿入され、これは軸23に沿って曲折壁32の開始部分まで移動することができる。ピストン42は耐圧性のプラスチック材料からなり、付加された圧力によって大きく変形することはない。図示された実施例においては、前端に変形部材44が形成されており、これはピストン42を推動した際に曲折壁32によって変形し、ピストン42の動作によっては射出口20までの内腔全体を占める。この構造によって歯科材料がカートリッジ本体12内に残量しないことが確立される。完全に射出する際に、カートリッジ本体12内に存在する歯科材料は、カートリッジ本体12外へ射出された紐状歯科材料46を支持することができない。このことが問題にならないように、通常既に射出された歯科材料を深い位置に充填する。
【0024】
図2には、紐状材料46が射出口20から斜めに向かって弓形に延在することが示されている。紐状材料46の開始部分方向は実質的に曲折壁32の射出口に隣接する内側領域と壁24の二分線に相当する。
【0025】
他方、変更された実施例においては、ピストン42が変形部材を備えていない。この方式は歯科材料40の射出工程が終了した後新たに紐状材料46を準備する際にも適している。
【0026】
図3には、図1および図2に示されたカートリッジの側面図が示されている。特に射出口20の形状が詳細に示されている。その幅48は、射出口20の長さ49の大部分にわたって先端30に向かって拡大しており、従って先端に近い部分において最大の幅に到達する。射出口20の軸方向の長さ49は、射出口20の幅48に比べて著しく小さくなり、特に半分程度となる。従って射出口20の形状は実質的に台形または非対称のレンズ形状となるが、本発明の概念を逸脱することなく他の任意の形状とすることができる。射出された紐状材料46は図2と同様に射出口20と同一の形状となり、従って紐状材料46の形状は必要に応じて適応させることができる。
【0027】
図4および図5には、本発明に係るカートリッジ10の変更された構成が示されており、これにおいては蓋部材50によって射出口20が閉鎖されている。蓋部材50はカートリッジ10を再利用する場合に装着することができ、この際単純にかぶせることができる蓋部材によって気密な閉鎖を可能にすることが好適であり、これは本発明によって射出ソケットが不要となるからである。この方式によって、本発明に係るカートリッジは、操作時に蓋部材を紛失する心配をすることなく確実に閉鎖することができる。
【0028】
本発明の好適な実施例においてはカプセル射出装置内に装着するカートリッジとして記述したが、これに代えてその他の任意の歯科アプリケータを本発明に従って適用することもできる。
【0029】
カートリッジ10は、収容している歯科材料40の種類を表示するための表示フィールド52または色付リング54を設けることができることが理解されよう。
【0030】
図6には、本発明に係るカートリッジを適用した歯科アプリケータが示されている。図示された実施例においては、スライド作動器58を備えた実質的にピストル形状の歯科アプリケータ56が示されており、これは使用者の選択に応じてカートリッジ10を解放または固定し、この際例えばピストル形状ではなく注射器形状等の他の任意の歯科アプリケータを本発明に従って適用し得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカートリッジの一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の実施例において粘性の歯科材料の射出を示した断面図である。
【図3】図1および図2の実施例の前面図である。
【図4】本発明に係るカートリッジの変更された実施例を示す上面図である。
【図5】図4の実施例の断面図である。
【図6】本発明に係る歯科アプリケータの側面図である。
【符号の説明】
10 カートリッジ
12 カートリッジ本体
14 支持環
16,18 端部
20 射出口
22 射出口壁
23 軸
24,34 壁
30 先端
32 曲折壁
40 歯科材料
42 ピストン
44 変形部材
46 紐状材料
48 幅
49 長さ
50 蓋部材
52 表示フィールド
54 色付リング
56 歯科アプリケータ
58 スライド作動器
Claims (21)
- カートリッジ本体(12)と材料を射出するための射出口(20)とからなり、この射出口(20)の軸は斜め前方に向かって延在する、特に歯科材料(40)等のペースト状材料を収容するカートリッジであり、射出口(20)はカートリッジ本体(12)の前部領域に一体的に形成され、射出口(20)の幅(48)は射出口(20)の軸方向の長さ(49)と相異し、これにより大きくなることを特徴とするカートリッジ。
- 射出口(20)はカートリッジ本体(12)の前部の傾斜した壁上に形成され、特にその長さ(49)のうちの少なくとも一部の領域にわたって前方に向かって拡大する幅を有することを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
- カートリッジ本体(12)はV字型の前端部(18)を備えており、その一壁上に射出口(20)が形成されることを特徴とする請求項1または2記載のカートリッジ。
- 射出口(20)が形成される壁に対抗して弓形の形状を有し射出口壁(22)まで延在する曲折壁(32)が形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口(20)は実質的に台形状に形成され、長い方の台形辺がカートリッジ本体(12)の先端(30)または前端(18)に面していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口(20)は非対称のレンズ形状に形成され、平坦化された側がカートリッジ本体(12)の前端(18)に面することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口壁(22)はカートリッジ本体(12)の縦軸(23)に対して反対側にある曲折壁(32)に比して小さな傾斜を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口壁(22)はカートリッジ(10)の縦軸に対して15°ないし50°の角度を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口壁(22)はカートリッジ(10)の縦軸に対して30°ないし40°の角度を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口壁(22)はカートリッジ(10)の縦軸に対して約35°の角度を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口(20)は射出口壁(22)の50°超の部分を包合することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口(20)は射出口壁(22)の60°超の部分を包合することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口(20)側に隣接するカートリッジ本体(12)の壁(24)の領域は曲折せずに射出口(20)に接続しており、曲折壁(32)はカートリッジ(12)の略中央まで延在することを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口(20)の断面積はカートリッジ本体(12)の内面積の20%ないし60%に相当することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口(20)の断面積はカートリッジ本体(12)の内面積の30%ないし45%に相当することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のカートリッジ。
- 射出口(20)の断面積はカートリッジ本体(12)の内面積の略40%に相当することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のカートリッジ。
- 曲折壁(32)は射出口に対向しかつこれに向かって傾斜するように形成され、流動障害物が無いように形成されることを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載のカートリッジ。
- 曲折壁(32)はカートリッジ本体(12)内に挿入されたピストン(42)の動作の止め部を形成し、このピストンはその前端(18)に変形可能な押出部(44)を備えることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前部領域に射出口(20)を有し歯科材料(40)等のペースト状材料を射出するよう構成されたアプリケータ本体を備え、射出口(20)の軸は斜め側方に延在する歯科アプリケータであり、射出口(20)はアプリケータ本体の前部領域に一体的に形成し、射出口(20)の幅(48)は射出口(20)の軸方向の長さ(49)と相異し、これより大きくなることを特徴とする歯科アプリケータ。
- 射出口(20)の幅(48)は少なくとも一部分にわたって前方に向かって拡大することを特徴とする請求項19記載の歯科アプリケータ。
- 射出口(20)は歯科アプリケータ本体の傾斜した射出口壁(22)内に直接形成され、前記射出口壁はペースト状材料の曲折壁(32)に対向することを特徴とする請求項19または20記載の歯科アプリケータ。
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