JP3556987B2 - 環境音伝送型ヘッドセット装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は,外部環境音を収録して伝送することができる音声対話用のヘッドセット装置に関するものである。
【0002】
特に,遠隔地間で利用することにより,会話と同時に現場の環境を音響として伝達することができ,臨場感のある双方向音声伝達が可能となる。自分が体験している音響空間の雰囲気を自己の音声による解説等とともに遠隔地にいる相手に対して伝えるというような臨場感通信の分野において,特に有効である。
【0003】
【従来の技術】
従来のヘッドセットマイクは主に会話や歌唱等の音声収録用であり,耳掛け型マイク,ヘッドホン一体型マイク等がある。また,可動式のブームに設けられた音声収録用マイクを上下することで,音声収録用マイクのスイッチをON/OFFする機能を備えるものもある。このように,従来のヘッドセットマイクは,会話等のための音声収録用の装置として利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の音声対話用のマイクが付いたヘッドホンでは,通常,利用者の音声だけをモノラルで伝えることができるだけであり,ヘッドホン利用者のいる場所の雰囲気,状況等を相手の対話者へ伝えることができなかった。
【0005】
本発明は上記問題点の解決を図り,会話音声と同時に,利用者が存在する場所の雰囲気をステレオ音響として伝えることができるようにし,臨場感のある遠隔地対話を可能にする手段を提供することを目的とする。ここで,会話音声と外部環境音を自然に混合して伝えること,および,聴取する側で,複数箇所の外部環境音が混乱して聴こえることのないように,状況に応じて自分のいる場所の環境音が遮断されるような配慮が望ましい。
【0006】
【課題を解決するための手段】
図1は,本発明の原理説明図である。図1において,1はオーディオ信号入力端子,2は環境音収録用マイク,3はブーム付き会話用マイク,4,5は混合ボリューム,6は音響提示用イヤースピーカ(ヘッドホン),7はオーディオ信号出力端子,8はオーディオ帯域チェッカ,9はブーム位置検出器,10は可動式ブームを表す。
【0007】
本発明は,上記の課題を解決するため,特にヘッドセット装置に外部環境音を収録するための環境音収録用マイク2を備え,この環境音収録用マイク2から入力した外部環境音と相手話者の音声または自分の音声とを音量比率を変えて混合する混合ボリューム4,5を備えることを主要な特徴とする。
【0008】
オーディオ信号入力端子1は,遠隔地の対話者の会話音声と外部環境音との混合音のオーディオ信号を入力する入力端子である。環境音収録用マイク2は,利用者の存在する周囲の外部環境音を収録するマイクであり,例えば利用者本人が聴こえる環境音と同様な音を収録するために,音響提示用イヤースピーカ6の近辺に設けられる。ブーム付き会話用マイク3は,可動式ブーム10を備え,利用者の会話音を収録するマイクである。
【0009】
混合ボリューム4は,オーディオ信号入力端子1からのオーディオ信号と環境音収録用マイク2からの外部環境音とを混合する回路である。混合ボリューム4は,オーディオ帯域チェッカ8の制御により,混合するオーディオ入力信号と外部環境音との音量比率を変化させる。
【0010】
混合ボリューム5は,環境音収録用マイク2からの外部環境音とブーム付き会話用マイク3からの会話音とを混合する回路である。混合ボリューム5は,ブーム位置検出器9の検出結果により,混合する外部環境音と会話音との音量比率を変化させる。
【0011】
音響提示用イヤースピーカ6は,混合ボリューム4で混合されたオーディオ信号(相手の話声と相手側の外部環境音)と利用者のいる外部環境音との混合音を出力する手段である。オーディオ信号出力端子7は,環境音収録用マイク2から入力した利用者のいる場所の外部環境音と利用者自身の話声とを混合ボリューム5で混合した音声信号を,相手側へ送るためにオーディオ出力する出力端子である。
【0012】
オーディオ帯域チェッカ8は,オーディオ信号入力端子1から入力される音声の周波数帯域を監視することにより,入力したオーディオ信号に外部環境音が含まれるか相手の話声だけであるかを判定して,オーディオ信号入力端子1からのオーディオ信号と環境音収録用マイク2からの外部環境音との音量比率を変化させる混合ボリューム4の制御信号を送出する。
【0013】
ブーム位置検出器9は,ブーム付き会話用マイク3に備えられた可動式ブーム10のブーム位置を検出し,環境音収録用マイク2からの外部環境音とブーム付き会話用マイク3からの会話音との音量比率を変化させ,または,ブーム付き会話用マイク3および環境音収録用マイク2のON/OFFの制御信号を送出する。
【0014】
ブーム位置検出器9は,例えば図1(B)に示すように,その可動式ブーム10の上下動に応じた角度を検出することより,ブーム付き会話用マイク3が利用者の口の近くにある場合には,利用者の会話音の混合比率が大きくなり,それより下方にある場合には,環境音収録用マイク2からの環境音の混合比率がブームの角度に応じて増加し,最上位のOFF位置にある場合には環境音収録用マイク2およびブーム付き会話用マイク3のスイッチがOFFになるように混合ボリューム5およびマイクスイッチ(図示省略)を制御する。
【0015】
【作用】
本発明では,ブーム付き会話用マイク3の可動式ブーム10の上下動によって,オーディオ信号出力端子7への音声出力における,外部環境音と会話音との比率を変更できるようにしている。さらに,利用者自身の音響提示用イヤースピーカ6への出力について外部環境音と相手側からのオーディオ入力信号との混合比率を変更できるようにしている。
【0016】
例えば,ユーザAとユーザBの間でユーザAが発話する場合,ユーザBが受けるユーザAからのオーディオ信号は,外部環境音に対して会話音の音量比率が強くなっている。ユーザBは,通常の場合,ユーザB自身の周辺の外部環境音が聴こえるが,ユーザAからのオーディオ信号の入力に,ユーザAの外部環境音が強く含まれる場合には,ユーザBの外部環境音の比率が弱まり,ユーザAの外部環境音が聴こえるように制御される。これにより,ユーザAとユーザBとの会話時には,互いの環境音が同時に聴こえて混乱するといった状況が防止される。
【0017】
【実施例】
以下,本発明の一実施例について説明する。
図2は,本発明の実施例の外観構成を示す図である。
【0018】
図2において,20はオーディオ帯域チェッカ/混合ボリューム部,21はヘアーバンド,22はステレオ入出力用4線ケーブル,23はオーディオI/Oコネクタ,24はステレオ入力端子,25はステレオ出力端子を表す。
【0019】
本装置は,クローズドエアー型ヘッドホン6L,6Rの左右イヤーパッド内に単一指向性マイクによって構成される環境音収録用マイク2L,2Rを備える。またはヘッドバンド21の左右の耳付近に環境音収録用マイク2L’,2R’を設けてもよい。これらの左右の単一指向性マイクにより,利用者のいる周囲の環境音をステレオ音響で収録することができる。
【0020】
会話用マイク3は,利用者の会話を収録するマイクである。この会話用マイク3は,可動式ブーム10によって最上位のOFF位置と口元のセット位置と顎下の付近の最下位置の間を自由に動かすことができる。
【0021】
利用者は,可動式ブーム10を口元のセット位置と最下位置との間で上下に移動させることにより,会話用マイク3で収録する会話音と環境音収録用マイク2L,2Rで収録する利用者の外部の環境音との混合比率を変化させる。口元のセット位置では,会話音の比率が最大であり,最下位置では環境音の比率が最大となる。また,使用しないときには,可動式ブーム10を押し上げて会話用マイク3をOFF位置にする。これにより,会話用マイク3および環境音収録用マイク2L,2Rのスイッチが共にOFFとなり,会話音も外部環境音も収録されない。
【0022】
会話用マイク3で収録された会話音と環境音収録用マイク2L,2Rで収録された外部環境音とは,可動式ブーム10の位置により設定された混合比率により左右別々に混合され,ステレオ入出力用4線ケーブル22を介して,オーディオI/Oコネクタ23のステレオ出力端子25からオーディオ出力される。
【0023】
オーディオ帯域チェッカ/混合ボリューム部20は,図1に示すオーディオ帯域チェッカ8および混合ボリューム4,5の回路が配置された部分であり,ここでは重量バランスおよび内部配線の関係上,ヘッドバンド21の中央に位置するように設けられている。
【0024】
相手話者からの音声および環境音は,ステレオ入力端子24からオーディオ入力される。オーディオ入力信号内に環境音が強く含まれる場合には,オーディオ帯域チェッカ/混合ボリューム部20によりステレオ入力端子24からのオーディオ入力信号の比率を高くして,またはオーディオ入力信号だけをヘッドホン6L,6Rへ出力し,自分の外部環境音の混合比率を減少させる。オーディオ入力信号内に相手環境音が含まれない場合には,ステレオ入力端子24からのオーディオ入力信号に,環境音収録用マイク2L,2Rで収録した環境音をある程度混合してヘッドホン6L,6Rへ出力する。これにより,利用者と対話者の会話時に,双方の環境音が同時に聴こえて混乱する状況を防止できる。
【0025】
図3は,本発明の実施例の回路・配線図である。
図3に示すように,ステレオ入力端子からのオーディオ入力(右)1Rと環境音収録用マイク2Rからの入力は,混合ボリューム4Rを介してヘッドホン(右)6Rへ通じている。また,ステレオ入力端子からのオーディオ入力(右)1Rは,オーディオ帯域チェッカ8に接続され,オーディオ帯域チェッカ8は,オーディオ入力の周波数が音声帯域のみか否かを判定する。
【0026】
同様に,ステレオ入力端子からのオーディオ入力(左)1Lと環境音収録用マイク2Lからの入力は,混合ボリューム4Lを介してヘッドホン(左)6Lへ通じている。オーディオ入力(左)1Lも,同じようにオーディオ帯域チェッカ8に接続され,周波数が判定される。
【0027】
オーディオ帯域チェッカ8は,混合ボリューム4R,4Lに接続されて,それぞれに対しボリューム制御信号を送出する。
また,環境音収録用マイク2R,2Lからの入力は,それぞれ混合ボリューム5R,5Lを介してオーディオ出力(右/左)7R,7Lへ通じている。会話用マイク3(モノラル)からの入力は,混合ボリューム5R,5Lを介して,オーディオ出力(右/左)7R,7Lへ通じている。
【0028】
可動式ブーム10のブーム位置検出器9は,混合ボリューム5R,5Lと接続され,会話用マイクブームの角度に応じたボリューム制御信号を送出する。
図4は,実施例におけるヘッドホン出力に関する利用状態説明図であり,特に図4(A)はオーディオ入力の周波数が音声帯域のみの場合,図4(B)はオーディオ入力の周波数に音声帯域以外が含まれる場合の例を示している。
【0029】
ステレオ入力端子24からのオーディオ入力1R,1Lが,オーディオ帯域チェッカ8により,相手話者の会話音声のみであると判断された場合,図4(A)に示すように,オーディオ入力(右)1Rの相手の話声と環境音収録用マイク2Rで収録した自己の環境音(右)とを混合ボリューム4Rで混合して,ヘッドホン(右)6Rへ送出する。同様に,オーディオ入力(左)1Lの相手話声と環境音収録用マイク2Lで収録した自己の環境音(左)とを混合して,ヘッドホン(左)6Lへ送出する。
【0030】
一方,ステレオ入力端子24からのオーディオ入力1R,1Lに,オーディオ帯域チェッカ8により,相手の会話音以外の音が含まれると判断された場合,図4(B)に示すように,オーディオ入力(右)1Rの相手の話声と相手の環境音(右)を混合した音をそのままヘッドホン(右)6Rへ送出し,環境音収録用マイク2Rからの自己の環境音は遮断する。同様に,オーディオ入力(左)1Lの相手の話声と相手の環境音(左)を混合した音をそのままヘッドホン(左)6Lへ送出し,環境音収録用マイク2Lからの自己の環境音は遮断する。
【0031】
図5は,実施例におけるオーディオ出力に関する利用状態説明図であり,図5(A)は会話用マイクブーム(可動式ブーム10)を口元にセットした状態,図5(B)は会話用マイクブームを押し下げた状態,図5(C)は会話用マイクブームを押し上げた状態の場合の例を示している。
【0032】
会話用マイク3の可動式ブーム10がセット位置の場合には,図5(A)に示すように,自己の話声と自己の環境音の録音の音量比率については,自己の話声を最大とする音量比率で混合する。したがって,環境音収録用マイク2Rからの自己の環境音(右)を少なく,会話用マイク3の自己の話声を多く混合した信号を,オーディオ出力(右)7Rとしてステレオ出力端子25から出力する。同様に,環境音収録用マイク2Lからの自己の環境音(左)を少なく,会話用マイク3の自己の話声を多く混合した信号を,オーディオ出力(左)7Lとしてステレオ出力端子25から出力する。
【0033】
また,会話用マイク3の可動式ブーム10が押し下げられた状態の場合には,図5(B)に示すように,自己の話声と自己の環境の録音の音量比率については,可動式ブーム10の位置が下がるにつれて,自己の環境音が大きな比率で混合されるように混合ボリューム5R,5Lを制御する。したがって,環境音収録用マイク2Rからの自己の環境音(右)を多く,会話用マイク3の自己の話声を少なく混合した信号を,オーディオ出力(右)7Rとしてステレオ出力端子25から出力する。同様に,環境音収録用マイク2Lからの自己の環境音(左)を多く,会話用マイク3の自己の話声を少なく混合した信号を,オーディオ出力(左)7Lとしてステレオ出力端子25から出力する。
【0034】
また,会話用マイク3の可動式ブーム10が最上位のOFF位置にあると,図5(C)に示すように,会話用マイク3および環境音収録用マイク2R,2Lのスイッチが共にOFFとなり,会話音も環境音も入力されず,オーディオ出力は行われない。
【0035】
以上のように,クローズドエアー型のヘッドホン6L,6Rの左右イヤーパッド内,またはヘッドバンド21に単一指向性マイクを内蔵して,ステレオで外部環境音を収録可能とすると共に,ブーム付き会話用マイク3によって音声会話収録も可能としたステレオヘッドセット装置を実現することができる。遠隔地での音声通信において,音声と共に利用者の周囲の環境音を混合して伝送することにより,会話の臨場感を高めることができる。この装置の利用者は通常は自分の場所で取得した環境音が聴こえるが,対話者から環境音混合音声が聴こえると,自分の側の環境音の比重が下がり,相手側の音響空間を遠隔地で聴取することが可能になる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明では,会話音声と同時に,利用者が存在する場所の雰囲気をステレオ音響として伝えることが可能になる。また,状況に応じて自分のいる場所の環境音を遮断することにより,聴取する場合に複数箇所の外部環境音が混乱して聴こえることのないようにして,臨場感のある遠隔地対話が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の実施例の外観構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例の回路・配線図である。
【図4】実施例におけるヘッドホン出力に関する利用状態説明図である。
【図5】実施例におけるオーディオ出力に関する利用状態説明図である。
【符号の説明】
1 オーディオ信号入力端子
2 環境音収録用マイク
3 ブーム付き会話用マイク
4 混合ボリューム
5 混合ボリューム
6 音響提示用イヤースピーカ(ヘッドホン)
7 オーディオ信号出力端子
8 オーディオ帯域チェッカ
9 ブーム位置検出器
10 可動式ブーム
Claims (4)
- 会話用マイクを備えたヘッドセット装置において,
オーディオ信号を入力するオーディオ信号入力端子と,
外部環境音を収録する環境音収録用マイクと,
音響提示用イヤースピーカと,
前記オーディオ信号入力端子から入力したオーディオ信号に所定の周波数帯域の信号が含まれるかどうかをチェックするオーディオ帯域チェッカと,
前記オーディオ信号入力端子から入力したオーディオ信号と前記環境音収録用マイクから入力した外部環境音とを,前記オーディオ帯域チェッカのチェック結果に基づき音量比率を変化させて混合し,前記音響提示用イヤースピーカへ出力する混合ボリュームとを備える
ことを特徴とする環境音伝送型ヘッドセット装置。 - 会話用マイクを備えたヘッドセット装置において,
外部環境音を収録する環境音収録用マイクと,
オーディオ信号を出力するオーディオ信号出力端子と,
前記会話用マイクから入力した音声と前記外部環境音とを混合し前記オーディオ信号出力端子へ出力する混合ボリュームとを備える
ことを特徴とする環境音伝送型ヘッドセット装置。 - 可動式のブーム付き会話用マイクを備えたヘッドセット装置において,
外部環境音を収録する環境音収録用マイクと,
オーディオ信号を出力するオーディオ信号出力端子と,
前記ブーム付き会話用マイクのブーム位置を検出するブーム位置検出器と,
前記ブーム付き会話用マイクから入力した会話音と前記環境音収録用マイクから入力した外部環境音とを,前記ブーム位置検出器により検出したブーム位置に基づき音量比率を変化させて混合し,前記オーディオ信号出力端子へ出力する混合ボリュームとを備える
ことを特徴とする環境音伝送型ヘッドセット装置。 - 可動式のブーム付き会話用マイクを備えたヘッドセット装置において,
オーディオ信号を入力するオーディオ信号入力端子と,
オーディオ信号を出力するオーディオ信号出力端子と,
外部環境音を収録する環境音収録用マイクと,
音響提示用イヤースピーカと,
前記オーディオ信号入力端子から入力したオーディオ信号に所定の周波数帯域の信号が含まれるかどうかをチェックするオーディオ帯域チェッカと,
前記オーディオ信号入力端子から入力したオーディオ信号と前記環境音収録用マイクから入力した外部環境音とを,前記オーディオ帯域チェッカのチェック結果に基づき音量比率を変化させて混合し,前記音響提示用イヤースピーカへ出力する第1の混合ボリュームと,
前記ブーム付き会話用マイクのブーム位置を検出するブーム位置検出器と,
前記ブーム付き会話用マイクから入力した会話音と前記環境音収録用マイクから入力した外部環境音とを,前記ブーム位置検出器により検出したブーム位置に基づき音量比率を変化させて混合し,前記オーディオ信号出力端子へ出力する第2の混合ボリュームとを備える
ことを特徴とする環境音伝送型ヘッドセット装置。
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