JP3557039B2 - トルク伝達装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具収容部に差し込むことができる工具を有し、工具の差し込みシャフトに軸線方向に延びる伝達側面を設け、この伝達側面を前記工具収容部に対応するよう形成した対向側面と掛合して連係動作するようにし、また工具を保持するよう工具収容部に設けた係止素子を有する固定装置に掛合して連係動作する少なくとも1個の窪みを伝達側面を有する隆起部に設け、前記係止素子は半径方向に制限された範囲に移動可能にし、この固定装置により工具が制限範囲内での軸線方向移動を可能にした打撃手工具装置のトルク伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
手工具装置、特に、打撃工具又は穿孔工具における工具と工具収容部は、互いに調和させなければならない。手工具装置の工具及び工具収容部は、装置の駆動装置によって生ずるトルクを伝達するための装置を構成する。更に、工具収容部に差し込んだ工具の軸線方向の移動を阻止する固定装置を設ける。トルクを伝達するためには、工具の差し込みシャフトに回転伝達側面を設ける。工具の軸線方向移動を固定するため、差し込みシャフトには軸線方向に限定した範囲に延びた切欠きを設ける。回転伝達側面は工具収容部に対応して形成した対向側面に掛合して連係動作するようにし、駆動装置によって生じたトルクを工具に伝達する。工具に設けた係止体を差し込みシャフトの切欠きに掛合させ、工具が工具収容部から抜け出るのを防止する。この係止体は、工具収容部において軸線方向に固定する。工具の差し込みシャフトに設ける切欠きを軸線方向に延長することによって、駆動装置により工具は軸線方向に制限範囲内で移動できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
既知の手工具のトルク伝達装置によっては、工具の軸線方向の保持のため軸線方向に限定範囲で延びる切欠きを設けた差し込みシャフトの領域はトルク伝達機能が失われることになる。しかし、手工具装置の駆動装置によって生ずるトルクを最大限に工具に伝達する要望がある。回転伝達溝の底部にも軸線方向に制限範囲内で延びる切欠きを配置して伝達側面を増大することは一般的には不可能である。即ち、回転伝達溝の深さは、できるだけ大きいトルク伝達側面を用意することに関して、十分大きい工具直径を同時に固定することによって最適化するからである。回転伝達溝の底部に軸線方向に限定範囲内の切欠きを設けることによって、工具の横断面は一層減少するため、工具の直径は過度に低下し、このような直径が減少した領域は工具として機能しなくなる。更に、トルクを良好に伝達するのに好ましい数の回転伝達溝を差し込みシャフトに設けることによって、各1個の回転伝達溝の幅を小さくし、係止素子に割り当てる部分の寸法を十分大きくする。溝底部に配置することによっては、いずれにせよ、溝の伝達側面の強度が低下する。
【0004】
従って、本発明の目的は、打撃手工具装置の工具及びこの工具に対応する工具収容部において、手工具の駆動装置によって生ずるトルクを工具に最大限に伝達することができるトルク伝達装置を得るにある。また、工具の過度の強度低下、特に、差し込みシャフトの強度低下を減少すべきであり、この結果生ずる工具の機能低下を回避すべきである。これと同時に、工具収容部に差し込んだ工具の制限された範囲の軸線方向の移動能力を維持すべきである。更に、工具を工具収容部に簡単に差し込むことができ、回転伝達部と軸線方向固定部とを間違えて差し込む心配がないようにすべきである。更にまた、工具は構造及び製造が簡単で、面倒な製造方法を回避できる装置を得るにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、工具収容部に差し込むことができる工具を有し、工具の差し込みシャフトに軸線方向に延びる伝達側面を設け、この伝達側面を前記工具収容部に対応するよう形成した対向側面と掛合して連係動作するようにし、また工具を保持するよう工具収容部に設けた係止素子を有する固定装置に掛合して連係動作する少なくとも1個の窪みを伝達側面を有する隆起部に設け、前記係止素子は半径方向に制限された範囲に移動可能にし、この固定装置により工具が制限範囲内での軸線方向移動を可能にした打撃手工具装置のトルク伝達装置において、前記窪みに対応する形状の前記係止素子を、工具収容部に設けた溝内で軸線方向に制限された範囲の移動を可能にし、溝の軸線方向の長さを窪みの寸法より大きくし、前記工具収容部に挿入する工具の制限された軸線方向移動能力を前記係止素子の制限された範囲の軸線移動能力によって確実にしたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
打撃手工具装置の工具及び工具収容部の本発明による構成によれば、差し込みシャフトに割り当てられるトルク伝達側面を大きくすることができる。工具の軸線方向の固定は、差し込みシャフトに単に1個の小さい窪みを設けるだけでよく、しかもこの窪みは差し込みシャフトの極めて小さい領域に設けるだけでよい。差し込みシャフトの残りの全ての領域はトルク伝達に割り当てることができ、既知のトルク伝達装置におけるよりも、一層大きいトルクを工具に伝達することができる。窪みは比較的小さいため、差し込みシャフトの窪み領域における工具の強度低下は少ない。工具収容部に差し込んだ工具の制限範囲内の軸線方向移動は依然として可能である。差し込みシャフトの伝達溝の底部に窪みを設けると、差し込みシャフトの横断面は僅かに減少する。差し込みシャフトの回転伝達溝の限定範囲の領域に窪みを設けることによって、横断面の減少を回避することができる。工具収容部に差し込んだ工具の制限された範囲の軸線方向の移動は、差し込みシャフトの窪みに対応して工具収容部に設けた少なくとも1個の係止素子が差し込みシャフトの窪みに掛合して連係動作し、この係止素子が制限された範囲の半径方向移動及び軸線方向移動を行うことができるためである。工具の軸線方向移動は、係止素子の制限された範囲の軸線方向移動によって部分的に可能になる。
【0007】
打撃手工具装置の工具及び工具収容部の本発明の構成によれば、工具は工具収容部に不完全に差し込まれることがなくなる。一方、機構の位置がわかっている工具及びこの工具に関連する工具収容部から、伝達側面を設けてある工具領域と、工具の軸線方向の固定する領域とを同一の構成にはしない。工具収容部に対する工具の差し込みは簡単に行うことができ、差し込みシャフトにおける窪みの数に応じて工具の異なる角度位置で差し込むことができる。工具の差し込みシャフトに対する窪みの形成は極めて簡単であり、例えば、切削又は冷間変形によって、特に、冷間転造によって形成することができる。これらの形成方法は簡単であり、コストが安価であり、工具を大量生産できて極めて有利である。
【0008】
本発明の好適な実施例においては、前記差し込みシャフトの窪みを軸線方向に延長させて設け、同様に係止素子も軸線方向に延長して設ける。この構成によれば、場合によって窪みによってトルク伝達側面としては失われる恐れのある領域は小さく維持することができる。工具収容部に差し込んだ工具の限定された範囲の軸線方向移動は、係止素子の制限された範囲内の軸線方向移動によって保証される。
【0009】
差し込みシャフトの差し込み端部とは反対側で、工具収容部の開口領域における工具の差し込み位置にある差し込みシャフトの前方領域に前記窪みを設けると好適である。更に、工具の作業領域に関して差し込みシャフトの前半部分に窪みを設けると好適である。この実施例においては、工具の作業領域の方向に伝達側面を転移することもできる。この構成によれば、伝達側面と刃が存在する工具の先端との間の距離であるトーション長さを小さく維持でき、このことにより、工具の差し込みシャフトの差し込み端部に対して打撃エネルギの導入が良好に作用する。
【0010】
更に、本発明の好適な実施例においては、少なくとも2個の窪みを設け、これらの窪みをそれぞれ半円形にし、また工具の差し込みシャフトの周方向に互いに等間隔離して設ける。この構成によれば、互いに直径方向に対向するよう差し込みシャフトに設けた窪み対の数に応じて、工具を工具収容部に異なる角度位置で差し込むことができ、少なくとも1個の窪みが工具収容部の係止素子と掛合して連係動作する。
【0011】
各伝達側面にそれぞれ1個の窪みを設けると、工具収容部への工具の差し込みが簡単になる。工具シャフトに設ける窪みの数は伝達側面の数に対応させ、工具収容部に設けた単独の係止素子によって、対応する数の角度位置で工具を差し込むことができる。このことは、各窪みの形成は僅かな負担で済み、また窪みの変形の可能性も減少する。
【0012】
前記差し込みシャフトの周囲に沿って前記窪みを設け、この窪みを環状溝として形成すると、工具の許容差し込み向きは、単に、差し込みシャフトの伝達側面の位置と工具収容部の対向側面の位置とに依存することになる。
【0013】
更に、本発明の好適な実施例においては、前記差し込みシャフトに設ける伝達側面を隆起部又は溝によって構成し、また前記伝達側面を前記差し込みシャフトの外面にほぼ垂直に延在させ、この伝達側面に窪み又は環状溝を設ける。工具の差し込みシャフトに設ける隆起部又は溝は簡単に形成することができる。この場合、対向側面を工具収容部に溝又は隆起部として設けるが、これらの溝又は隆起部も簡単に形成することができる。トルク伝達は、互いに掛合する伝達側面及び対向側面の長さ全体に沿って生ずる。
【0014】
更に、本発明の好適な実施例においては、前記環状溝と掛合する係止素子のロック表面を環状溝の横断面に適合する形状にし、このロック表面を少なくとも2個の隆起部又は溝に当接するようにする。このように形成した係止素子は一般的に非対称形状にし、これによって、保持からの抜けは確実に回避することができる。係止素子の係止面及びこれに対応する窪みの係止面は極めて小さくすることができる。係止素子は硬質金属で形成すると好適である。
【0015】
トルク伝達による力の導入のためには、前記隆起部又は溝の半径平面に対して隆起部又は溝の伝達側面がなす角度を約15°〜約60°とすると好適である。これにより、導入される力の成分は、力伝達側面に直交する成分と、この力伝達側面に平行な成分とに分配され、この力の伝達側面に平行な成分が求心作用をもたらすため有利である。この求心作用は、前記隆起部又は溝に第2側面を設け、前記隆起部又は溝の半径平面に対して前記第2側面が前記伝達側面よりも大きい角度をなすようにすることによって一層向上する。差し込みシャフトの横断面でみると、このように形成した隆起部又は溝は、非対称の鋸歯状形状となる。
【0016】
本発明の他の好適な実施例においては、前記差し込みシャフトの外側輪郭が正弦曲線となるよう前記隆起部又は溝を前記差し込みシャフトに設ける。これに対応して工具収容部に形成する対向側面も、同様の正弦曲線横断面にする。このように形成した伝達側面及び工具収容部の対向側面は剪断力なく十分力の伝達を行う。これにより、摩擦損失は回避され、差し込みシャフトの伝達側面及び工具収容部の対向側面の摩滅を極めて僅かなものに抑えることができる。正弦曲線形状にすることによって亀裂を生ずることを回避することができる。差し込みシャフト及び工具収容部の横断面を正弦曲線形状は変更することができ、例えば、回転伝達部の最大直径の領域の正弦曲線を偏平にし、工具の差し込みシャフトの差し込み位置にデッド空間を生ずるようにする。このデッド空間は泥かすを溜める機能を有し、汚れを収容することができる。正弦形状の変形により、差し込みシャフトと、工具収容部との間に案内側面を画定することもできる。
【0017】
更に、本発明の好適な実施例においては、前記差し込みシャフトに奇数個の伝達側面を設け、またこれに対応して前記工具収容部に同数の対向側面を設け、差し込みシャフトの直径が約10mmでは5個の伝達側面又は対向側面を設け、差し込みシャフトの直径が約10mm〜約15mmでは7個の伝達側面又は対向側面を設け、差し込みシャフトの直径が約15mm以上では11個の伝達側面又は対向側面を設ける。これら伝達側面及びこれに対応する対向側面の数によって、関連する工具直径によって、工具又は工具収容部の伝達側面又は対向側面を担持する領域は十分安定した構造となる。同様に、トルク伝達を行うための伝達側面を大きくすることができる。奇数個の伝達側面及び対向側面は、振動抑制技術の点からも有利である。僅かに非対称形状にすることによって、刃を設けた工具先端に対する力の伝達が変化し、解体動作に有利に作用する。
【0018】
【実施例】
次に、図面につき本発明の好適な実施例を説明する。
【0019】
図1に、回転モーメント(トルク)伝達のための本発明による装置の第1の実施例を示す。この装置は、工具1と、図示しない手工具装置の一部である工具収容部5とを有する。この図面は、差し込みシャフト2を工具収容部5に装着した工具1を示す。工具1の差し込みシャフト2に回転伝達側面31を設け、この回転伝達側面は、好ましくは手工具装置の電動駆動装置によって生ずるトルクを工具1に伝達するように構成した工具収容部5の対応の対向側面6に掛合して連係動作する。図示の実施例では、差し込みシャフト2の回転伝達側面を回転伝達溝3により構成し、この回転伝達溝3に工具収容部5の対応形状の掛合隆起部が嵌合する。工具1には、この工具1が工具収容部5において制限された範囲内で移動自在にする保持装置の固定装置7と連係動作するよう構成した装置4を差し込みシャフト2に設ける。図示の実施例では、差し込みシャフト2におけるこの装置4を、好適には、半円形の小さい窪みとして構成する。工具収容部5の固定装置7は、1個の好適には、球形の係止素子8を設け、この係止素子8をブロック状の係止素子用の収容部9に保持する。この収容部9は保持した係止素子8と一緒に軸線方向に延びる溝13内で軸線方向に制限された範囲の移動をすることができる。溝13の軸線方向の長さは、差し込みシャフト2の窪み4の軸線方向範囲よりも大きくする。これに対応して係止素子8の軸線方向移動は差し込みシャフト2の窪み4の軸線方向範囲よりも大きい。収容部9の移動を可能にするため、この収容部9の差し込みシャフト2側とは反対側の領域に軸線方向に延びる突耳10を設け、これら突耳10を工具収容部5の外側面11に形成したスリット状の切欠き12内で軸線方向に摺動できるようにする。工具収容部5の外側面11の切欠き12の領域に保持スリーブ14を設け、この保持スリーブ14にはカム面15を設ける。保持状態にあるときは、このカム面15は係止素子の収容部9の軸線方向突耳10を押圧し、工具収容部5に差し込んだ工具1の軸線方向移動を固定し、このとき、係止素子8は差し込みシャフト2の窪み4内に押し込まれる。保持スリーブ14を回転すると、カム面15は突耳10から離れる。これにより、突耳10は半径方向の遊びを有し、半径方向に逃げることができ、これによって差し込みシャフト2は再び自由に移動できるようになる。
【0020】
図1の実施例では1個の半円形の窪み4を設けた実施例であったが、2個又はそれ以上の窪み4を差し込みシャフト2に設けることができる。2個又はそれ以上の個数の窪み4を設ける場合、好適には、互いに直径方向に対向する位置に対にして窪みを設けるとよい。このような場合、工具収容部にも、複数個の例えば、2個又はそれ以上の係止素子8を互いに直径方向に対向する位置に対にして設け、同様に、図示のように保持され、また一緒に軸線方向に移動可能にする。
【0021】
図2には、本発明による工具1の差し込みシャフト2の第2の実施例を示す。この実施例の場合、伝達側面31は軸線方向に延びる隆起部3に設ける。図示しない工具収容部にはこれら隆起部3に対応する対向側面を台形断面形状の軸線方向に延びる溝により構成する。差し込みシャフト2の周囲に周方向の環状窪み4を設ける。この環状窪み4は、工具を工具収容部に差し込む場合に差し込みシャフト2における窪み4の角度位置を考慮する必要がないという利点がある。工具を工具収容部に差し込むことができる角度位置は、単に差し込みシャフト2の隆起部3と工具収容部の対応の溝との間の配置関係に依存するだけである。
【0022】
図示の実施例の伝達側面を有する隆起部3は、差し込みシャフト2の差し込み端部16までは設けない。この差し込み端部16は円形断面とする。工具収容部にはリング状のパッキンを設け、このパッキンにより差し込みシャフト2の差し込み端部16の領域を包囲する。この追加されたパッキンにより、手工具装置の打撃作業の領域の泥が隆起部3に沿って浸入することを阻止する。図1に示したように構成した溝の形式の回転伝達部を有する工具によっても、差し込みシャフト差し込み端部の溝を終端することができる。この場合も円形断面の差し込み端部にし、追加のシールを装着することができるようにする。特に、外周面に環状溝として形成した窪みを差し込み端部に隣接して設けるとき、工具の作業方向に示す差し込みシャフト2の前方領域17に、特に、差し込みシャフトの前方部分の中間にも追加のシールを設けると好適である。窪みは、工具を差し込むと工具収容部の開口領域に存在する。伝達側面は、差し込みシャフトの前方領域にも設けることができる。これにより、円形に構成した差し込み端部16を追加の泥シールに密着させることが容易になる。伝達側面の配置を考慮する必要なく、打撃エネルギの導入を最適化することができる。伝達側面と刃を支持する工具先端との間の距離として定義されるねじれ部分の長さは減少する。
【0023】
図3には、本発明による工具1の差し込みシャフト2の他の実施例の横断面を示す。この横断面は差し込みシャフト2の周囲にリング状に設けた環状窪みにおける横断面である。この実施例では、伝達側面31を隆起部3に設ける。伝達側面31は、隆起部3の半径平面Rに対して角度αをなす。好適には、この角度αは15°〜16°の値とするとよい。これにより、工具収容部の対応形状の対向側面からのトルク伝達によって導入される力の成分は、力の伝達側面に対して直角に延びるものと、この伝達側面に平行に延びるものとに配分され、好ましい求心作用を生ずる。この求心作用は、隆起部3の半径平面Rに対して伝達側面31がなす角度よりも大きい角度βをなす第2側面を各隆起部3の回転方向側に設けることによっても生ずる。差し込みシャフトの横断面で見ると、隆起部3は非対称の鋸歯状形状を有する。図3の実施例では軸線方向に延びる隆起部3を示したが、差し込みシャフトの非対称の溝を設けることもでき、この場合、工具収容部には対応形状の伝達隆起部と掛合して連係動作するようにする。この場合、回転方向の第2側面が伝達側面に追従する。
【0024】
図4には、本発明による工具1の更に他の実施例のトルク伝達を説明するための横断面を示す。この横断面は、図3と同様に、差し込みシャフト2の周囲にリング状に設けた環状窪みにおける横断面である。伝達側面31は、外側輪郭が正弦曲線状の回転伝達溝3を有する。同様に、工具収容部にはこれに対応した構成の正弦曲線状の断面の横断面にする。工具収容部の対向側面及び工具の差し込みシャフトの溝の形状は、差し込みシャフトとこの差し込みシャフトに掛合する部分の噛合が正弦曲線状の輪郭になるようにする。このように形成した伝達側面及び工具収容部の対向側面は、剪断応力が作用せずに存在することになる。これにより、摩擦損失が減少し、差し込みシャフトの伝達側面及び工具収容部の対向側面の磨滅を相当少ないものに維持することができる。また亀裂発生も減少する。正弦曲線形状を変更することができ、例えば、この正弦曲線を偏平にし、工具収容部に差し込んだ工具によってデッド空間を生ずるようにすることができる。こきデッド空間は泥ポケットとして機能し、汚れを収容することができる。また正弦曲線形状は、工具を工具収容部に案内するために変更することもできる。図4の実施例では、回転伝達溝に正弦曲線輪郭をもたせている。この正弦曲線外側輪郭は回転でた隆起部にも設けることができるものと理解されたい。
【0025】
図3及び図4に示す工具の実施例では、それぞれ、差し込みシャフトの伝達側面及び工具収容部の対応の対向側面を奇数個設ける。約10mm以下の直径の差し込みシャフトでは、5個の伝達側面31(図3参照)又はこれに対応する対向側面を設けると好適である。約10mm〜15mmの直径の差し込みシャフトでは、7個の伝達側面又は対向側面を設けると好適である。約15mm以上の直径の差し込みシャフトでは、回転伝達側面31又は工具収容部の対向側面の数を、11個にすると好適である。伝達側面又はこの伝達側面に対応する対向側面のこれらの数によって上述の直径の差し込みシャフトの伝達側面を設けた工具領域は構造的に十分安定する。同時に、負荷のない状態にある伝達側面に対するトルク伝達を最大に維持することができる。奇数個の伝達側面は駆動装置における工具の解体動作に良い影響を与える。図示の実施例の形状の伝達側面及び軸線方向の固定方法、伝達側面及び対向側面の数は任意に組み合わせることができる。
【0026】
手工具装置の工具及び工具収容部の本発明による構成によれば、差し込みシャフトに割り当てられるトルク伝達側面を大きくすることができる。工具の軸線方向の固定は、差し込みシャフトに単に1個の小さい窪みを設けるだけでよく、しかもこの窪みは差し込みシャフトの極めて小さい領域に設けるだけでよい。差し込みシャフトの残りの全ての領域はトルク伝達に割り当てることができ、既知のトルク伝達装置におけるよりも、一層大きいトルクを工具に伝達することができる。窪みは比較的小さいため、差し込みシャフトの窪み領域における工具の強度低下は少ない。工具収容部に差し込んだ工具の制限範囲内の軸線方向移動は依然として可能である。
【0027】
【発明の効果】
手工具装置の工具及び工具収容部の本発明の構成によれば、工具は工具収容部に不完全に差し込まれることがなくなる。一方、機構の位置がわかっている工具及びこの工具に関連する工具収容部から、伝達側面を設けてある工具領域と、工具の軸線方向の固定する領域とを同一の構成にはしない。工具収容部に対する工具の差し込みは簡単に行うことができ、差し込みシャフトにおける窪みの数に応じて工具の異なる角度位置で差し込むことができる。工具の差し込みシャフトに対する窪みの形成は極めて簡単であり、例えば、切削又は冷間変形によって、特に、冷間転造によって形成することができる。これらの形成方法は簡単であり、コストが安価であり、工具を大量生産できて極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトルク伝達装置の第1の実施例の工具及び工具収容部の一部の線図的断面図である。
【図2】本発明によるトルク伝達装置の第2の実施例の工具の差し込みシャフトの部分側面図である。
【図3】本発明によるトルク伝達装置の第3の実施例の工具の差し込みシャフトの横断面図である。
【図4】本発明によるトルク伝達装置の第4の実施例の工具の差し込みシャフトの横断面図である。
【符号の説明】
5 工具
2 差し込みシャフト
3 溝
31 回転伝達側面
4 窪み
5 工具収容部
6 対向側面
7 固定装置
8 係止素子
9 収容部
10 突耳
11 外側面
12 切欠き
13 溝
14 保持スリーブ
15 カム面
16 差し込み端部
17 前方領域
Claims (12)
- 工具収容部(5)に差し込むことができる工具(1)を有し、工具(1)の差し込みシャフト(2)に軸線方向に延びる伝達側面(31)を設け、この伝達側面(31)を前記工具収容部(5)に対応するよう形成した対向側面(6)と掛合して連係動作するようにし、また工具(1)を保持するよう工具収容部(5)に設けた係止素子(8)を有する固定装置(7)に掛合して連係動作する少なくとも1個の窪み(4)を伝達側面(31)を有する隆起部に設け、前記係止素子(8)は半径方向に制限された範囲に移動可能にし、この固定装置(7)により工具が制限範囲内での軸線方向移動を可能にした打撃手工具装置のトルク伝達装置において、前記窪み(4)に対応する形状の前記係止素子(8)を、工具収容部(5)に設けた溝(13)内で軸線方向に制限された範囲の移動を可能にし、溝(13)の軸線方向の長さを窪み(4)の寸法より大きくし、前記工具収容部(5)に挿入する工具(1)の制限された軸線方向移動能力を前記係止素子(8)の制限された範囲の軸線移動能力によって確実にしたことを特徴とするトルク伝達装置。
- 前記固定装置(7)は前記係止素子(8)を収容部(9)に保持し、この収容部(9)の差し込みシャフト(2)側とは反対側の領域に、軸線方向に延びる突耳(10)を設け、この突耳(10)を前記工具収容部(5)の外側面(11)に形成したスリット状の切欠き(12)内で軸線方向に摺動自在にした請求項1記載のトルク伝達装置。
- 差し込みシャフトの差し込み端部(16)とは反対側で、工具収容部(5)の開口領域における工具(1)の差し込み位置にある差し込みシャフト(2)の前方領域(17)に前記窪み(4)を設けた請求項1又は2記載のトルク伝達装置。
- 少なくとも2個の窪み(4)を設け、これらの窪みをそれぞれ半円形にし、また工具(1)の差し込みシャフト(2)の周方向に互いに等間隔離して設けた請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載のトルク伝達装置。
- 各伝達側面(31)にそれぞれ1個の窪み(4)を設けた請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のトルク伝達装置。
- 前記差し込みシャフト(2)の周囲に沿って前記窪み(4)を設け、この窪みを環状溝として形成した請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のトルク伝達装置。
- 前記差し込みシャフト(2)に設ける伝達側面(31)を隆起部又は溝(3)によって構成し、また前記伝達側面を前記差し込みシャフト(2)の外面にほぼ垂直に延在させ、この伝達側面に窪み(4)又は環状溝を設けた請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載のトルク伝達装置。
- 前記環状溝と掛合する係止素子(8)のロック表面を環状溝の横断面に適合する形状にし、このロック表面を少なくとも2個の隆起部又は溝に当接するようにした請求項7に記載のトルク伝達装置。
- 前記隆起部又は溝(3)の半径平面(R)に対して隆起部又は溝(3)の伝達側面(31)がなす角度を(α)とし、この角度(α)を約15°〜約60°とした請求項7又は8に記載のトルク伝達装置。
- 前記隆起部又は溝(3)における前記伝達側面(31)とは反対側の第2側面(32)に関して、前記隆起部又は溝(3)の半径平面(R)に対して前記第2側面(32)が前記伝達側面(31)よりも大きい角度(β)をなすようにした請求項9に記載のトルク伝達装置。
- 前記差し込みシャフト(2)の外側輪郭が正弦曲線となるよう前記隆起部又は溝(3)を前記差し込みシャフト(2)に設けた請求項7に記載のトルク伝達装置。
- 前記差し込みシャフト(2)に奇数個の伝達側面を設け、またこれに対応して前記工具収容部(5)に同数の対向側面を設け、差し込みシャフトの直径が約10mmでは5個の伝達側面(31)又は対向側面(6)を設け、差し込みシャフトの直径が約10mm〜約15mmでは7個の伝達側面(31)又は対向側面(6)を設け、差し込みシャフトの直径が約15mm以上では11個の伝達側面(31)又は対向側面(6)を設ける請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載のトルク伝達装置。
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