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JP3557588B2 - 超・亜臨界流体処理システム及び装置 - Google Patents
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JP3557588B2 - 超・亜臨界流体処理システム及び装置 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、超臨界あるいは亜臨界流体を用いて抽出分離、反応合成、晶析などを進行させるにあたり、高圧ポンプや圧縮機等の可動機械を不要とする各種高圧流体利用プロセスに高圧場を提供する超・亜臨界流体処理システム及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超臨界あるいは亜臨界流体を利用する抽出プロセスおよび反応などのプロセスにおいて、流体を超臨界あるいは亜臨界状態の高圧場とするためにポンプ、コンプレッサーなどの各種高圧発生機械が使用される。このような高圧機械の使用に際しては、高圧流体の漏れ、可動部分からの塵埃の発生、騒音等の問題を有する。特に高圧機械類のメンテナンスは高度な専門知識を必要とすることから、高圧プロセスの種々の操作への利用の障害となっている。
【0003】
二酸化炭素や水は流体としては極めて安全な物で、環境適合物質として、抽出や洗浄、廃棄物処理等の汎用的な操作の応用が期待されているが、高圧発生機械類の使用がそれら超臨界流体プロセスの普及の大きな障害となっている。さらには、超臨界流体中での種々の反応の有効性が見出されつつあるが、実験室的にも、これら高圧発生機械の使用が障害となり、研究分野の広がりを阻害している。
【0004】
さらには、操作や実験の圧力条件が高圧発生機械の仕様により、制限され、最適な条件選定を多くの面で困難としている。例えば、超臨界二酸化炭素抽出においては、その操作条件は高圧化が進行しており、現在では500気圧での抽出操作が主流となりつつあるが、実験室的には殆どこの圧力よりも低い装置が用いられている。しかも、この圧力はさらに高圧化が望まれており、700気圧、1,000気圧での操作も要求されつつある。
【0005】
高圧操作に供する圧縮機の選定において、操作圧力範囲、流体流量などによって圧縮機の型式などが決められるのが一般的である。しかしながら、超臨界または亜臨界流体プロセスにおいては通常の化学プロセスとは流体の種類、流量、圧力などが異なることが多く、そのため圧縮機の選定は容易ではない。また、前述のようにさらなる高圧化が進む超臨界利用プロセスにおいては、圧縮機自体も特殊なものとなることがあり、その選定は経済性検討において大きな要因の一つとなる。
【0006】
一方、上記、超臨界あるいは亜臨界流体を利用する抽出プロセスおよび他プロセスにおいてポンプを用いない方法が提案されている(特許3079157:超臨界流体を溶媒とする抽出および洗浄システム)。しかしながら、この方法は流体輸送の駆動を密度差に求めるものであり、流体輸送に際しての差圧の付与に限界が生じる。例えば、凝縮器、蒸発器を設置し、気液の密度差を利用して差圧を発生させる場合、凝縮器と蒸発器の高低差でヘッドを付与するため、相当な高低差を取らなければならず、設置場所が制限される。しかも輸送のための配管の径やバルブ等のフィッテング類も圧力損失を考慮して決定しなければならず、大流量処理にはそれ相当の工夫を要する。
【0007】
さらに、最近、超臨界水中での瞬間反応によりカプロラクタムなど各種化学物質合成などの開発も進められている。しかしながら、反応器内滞在時間が数秒以下であること、反応終了後、瞬時に100℃程度に冷却することなどが要求されており、これを実現させるためには予め反応温度以上に加熱された高圧水を大過剰に反応器に供給し、しかもさらに大過剰の冷却水を反応後期に供給するなど経済性をほとんど無視した操作がなされており、これが工業化の弊害となっている。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱エネルギーのみの授受による流体の状態量変化で、実質的に圧力差を付与させ、これによって特段の圧縮装置を用いることなく、超臨界あるいは亜臨界流体などの高圧流体利用プロセスに効率良く高圧場を形成できる超・亜臨界流体処理システム及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の超・亜臨界流体処理システムは、流路内に形成された少なくとも1個の処理容器内を超または亜臨界状態の高圧場とするためのシステムであり、プロセス流体に熱操作を施し、流体に熱膨張を与えて前記処理容器と外部との間に圧力差を生じせしめることにより、前記処理容器内において超または亜臨界流体の処理に適した所望の温度と高圧場とを得るようにしたことを特徴とする。
この特徴によれば、熱エネルギーによる高圧流体の温度・圧力・体積変化(PVT変化)を積極的に利用しており、実質的に流体の状態量の変化、すなわち熱エネルギーのみで圧力差を付与させ、これによって特段の圧縮装置を用いることなく、超臨界あるいは亜臨界流体などの高圧流体利用プロセスに効率良く高圧場を提供できることになる。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の超・亜臨界流体処理システムは、前記処理容器と流路で接続された高圧器に充填された流体を加温せしめ、この高圧器内に熱膨張を発生させ、熱膨張により生じた自己の圧力を利用して所定の温度と圧力状態の流体が前記処理容器内に送出されるようになっている。
この特徴によれば、熱膨張により生じた高圧器内の自己の圧力で、所定の温度と圧力状態の流体を高圧器内から前記処理容器内に送出されるようになるため、送り出しポンプ装置を備える必要がない。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の超・亜臨界流体処理システムは、少なくとも2個以上の前記高圧器が、前記処理容器と流路で接続され、少なくとも1の高圧器が前記処理容器内に流体を供給時、他の高圧器は高圧器内で熱膨張過程もしくは流体送出待機状態にある。
この特徴によれば、複数の高圧器(シリンダー)が順次処理容器内に連続・定常的に高圧流体を送出できるようになるため、処理容器内を所望の圧力、流量状態に安定的に維持できることが可能となる。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の超・亜臨界流体処理システムは、前記処理容器及び高圧器を含む流路は基本的に循環流路を構成しており、少なくとも前記処理容器及び高圧器を通過した流体は凝縮器に戻され、再度高圧器内に再充填されるように流体が循環するようになっている。
この特徴によれば、使用流体を再利用できるため、省資源化が達成できると共に、エネルギーロスも少なくできる。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の超・亜臨界流体処理システムは、高圧器には、凝縮器から流体を充填される流路と、処理容器に繋がる流路と、更に凝縮器に繋がる流路とが設けられ、それぞれ制御用のバルブ装置でその開閉タイミングがコントロールされている。
この特徴によれば、前記制御用の両バルブ装置を閉塞状態にしておき、高圧器を加熱し、所望の圧力に達した段階で処理容器側のバルブ装置を解放するため、所定の圧力まで十分に上昇した流体が処理容器内に送出されることになり、前記処理容器内を常に安定した圧力と温度に維持できることになる。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の超・亜臨界流体処理装置は、流路内に形成された少なくとも1個の処理容器内を超または亜臨界状態の高圧場とするための装置であり、少なくとも2個以上の加熱可能な前記高圧器が前記処理容器と流路で接続され、それぞれの流路にはバルブ装置が設けられ、少なくとも1の高圧器が前記処理容器内に流体を供給時、他の高圧器は高圧器内で熱膨張過程もしくは流体送出待機状態になるように、前記バルブ装置の開閉タイミングがコントロールされるようになっている。
この特徴によれば、前記バルブ装置の開閉タイミングをコントロールすることによって、複数の高圧器(シリンダー)が順次処理容器内に連続・定常的に高圧流体を送出できるようになるため、処理容器内を所望の圧力、流量状態に安定的に維持できることが可能となる。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の超・亜臨界流体処理装置は、少なくも高圧器の上流側には液体貯留部がバルブ装置を介して接続され、かつ下流側にはバルブ装置を介して処理容器が接続されており、前記高圧器の加熱時に少なくとも一時的に両バルブ装置を閉塞し、高圧器内の圧力を所定圧まで高められるようになっている
この特徴によれば、前記制御用の両バルブ装置を閉塞状態にしておき、高圧器を加熱し、所望の圧力に達した段階で処理容器側のバルブ装置を解放するため、所定の圧力まで十分に上昇した流体が処理容器内に送出されることになり、前記処理容器内を常に安定した圧力と温度に維持できることになる。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の超・亜臨界流体処理装置は、処理容器が、抽出器、反応器、洗浄器、染色機、晶析機などとして利用されるか、もしくは前記処理容器に抽出器、反応器、洗浄器、染色機、晶析機などを付帯させるようになっている。
この特徴によれば、前記処理容器で得られる高圧場を、反応器、抽出器、洗浄器等として利用するため、処理容器内において流体の流動状態、温度分布を自由にコントロール可能であり、その処理作業が迅速かつ効能率で可能となる。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の超・亜臨界流体処理装置は、前記処理容器及び高圧器を含む流路が、蒸発器、凝縮器を含む循環流路として構成されており、少なくとも前記処理容器及び高圧器を通過した流体が蒸発器および凝縮容器に戻され、再度高圧器内に再充填されるように流体が循環するようになっている。
この特徴によれば、蒸発器、凝縮器等の組み合わせにより流体環流が発生し、ポンプを不要とし、使用流体の再利用で省資源化が達成できると共に、エネルギーロスも少なくできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1は循環型の超・亜臨界流体処理装置の基本的例であり、図2ないし図7には一部抽象化した処理工程(システムフロー)が示され、図8ないし図13にはワンウェイ型の超・亜臨界流体処理装置における一部抽象化した処理工程(システムフロー)が示されている。
【0018】
本例の超・亜臨界流体処理システムに使用される流体、すなわち溶媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、パラフィン、オレフィンなどの炭化水素類および二酸化炭素、アンモニアなどの液化ガスおよびこれらの混合物である。
【0019】
図1の装置は、循環流路を構成する閉回路になっており、プロセス場に寄与する抽出器、反応器、洗浄器、染色機、晶析機などして機能する処理容器1、及び高圧発生装置としての4気筒シリンダーのように機能する高圧器3(31,32,33,34)、さらに蒸発器5、凝縮器4、そして高圧器3と処理容器1間に配置された予熱予冷器2を含む循環流路として構成され、それぞれが閉流路で連絡されている。
【0020】
前記高圧器3(31,32,33,34)および高圧流体利用処理を実施する処理容器1としての抽出器、反応器、洗浄器、染色機、晶析機などの内部は断熱処理されており、この断熱材には、ポリマー,セラミックスなどが使用されている。
【0021】
さらに高圧器3(31,32,33,34)は、その内部に加熱部が設けられ、これら加熱源として電熱ヒーター、温水、スチーム、熱媒、高周波などが使用される。少なくとも前記高圧器3及び処理容器1を通過した流体が蒸発器5および凝縮器4に戻され、再度高圧器3内に再充填されるように流体が循環するようになっており、高圧発生装置の熱エネルギーを有効利用に加熱器で回収するため、図2に示されるように蒸発器内に伝熱管141が設置されている。
【0022】
より詳しく説明すると、蒸発器5から流路12で戻された流体を貯留しておく凝縮器4からは、管路13を介して本実施例では4個の高圧器(第1高圧器31、第2高圧器32、第3高圧器33、第4高圧器34)へ流路が形成され、それぞれバルブ111、112、113、114が設けられている。なお凝縮器4には適宜冷却装置が設けられ、蒸発器5から環流される高温の流体を所定の温度まで冷却するようにしても良い。この蒸発器5と凝縮器4の相互機能によって流体が自動環流され、ポンプなどの駆動装置を省略できることになる。
【0023】
さらに、第1高圧器31、第2高圧器32、第3高圧器33、第4高圧器34から処理容器1に繋がる流路と、直接蒸発器に繋がる流路14とがそれぞれ設けられ、処理容器1に繋がる流路には、圧力制御弁91、92、93、94が、また直接蒸発器に繋がる流路14には、バルブ101、102、103、104が設けられている。さらに圧力制御弁91、92、93、94の下流には、圧力調整弁8を介して予熱予冷器2が設けられ、この予熱予冷器2は圧力調整弁7を介して処理容器1に繋がっている。前記処理容器1は圧力調整弁6を介して前記蒸発器5に繋がっている。
【0024】
ここで図2から図7に基づいて、二酸化炭素をプロセス溶媒として用いる超臨界二酸化炭素処理実施例について説明する。ここで高温高圧場に供する反応器等の後段容器に閉流路である高圧流体供給ラインのほかに少なくとも一つ以上の原料供給ラインなどが備えられている。
【0025】
【表1】
Figure 0003557588
【0026】
操作例が表1に示され、まず、運転準備として全系に液化二酸化炭素を供給する(サイクル1)。この時点で、図2に示されるように全バルブは開となっており、全系は連通している。ここで本実施例では、バルブ101、102、103、104さらにバルブ111、112、113、114は全てコンピュータ制御されており、開閉タイミングが制御されている。なお、一部のバルブをマニュアル操作にしても良いことは明らかである。この実施例では、圧力制御弁91、92、93、94および圧力調整弁6は一次圧、すなわち上流側の圧が設定圧に到達すると自動的に流体を二次側すなわち下流側に解放する機能を有する自動圧力制御弁である。図において、白抜きのバルブは開状態、塗りつぶしで表現されているバルブは閉状態を表現することとする。
【0027】
この図2の状態で、各構成機器内の二酸化炭素の温度、圧力はそれぞれ15℃、5.087MPaであった。次いで、第1高圧器31の加温を開始する(サイクル 2)。この場合、第1高圧器31と凝縮器との間のバルブ111は閉とし、第2高圧器32、第3高圧器33および第4高圧器34と凝縮器4との間のバルブ112,113,114は開である。また、圧力制御弁91、92、93、94、バルブ101、102、103、104も閉状態にしている。第1高圧器31は断熱容器内加温されるため瞬時に所定の圧力となる。この場合、圧力制御弁91によって設定した圧力(一次圧解放圧力)21MPa到達までの加温は45℃であった。すなわち図4に示されるように第1高圧器が21MPa到達すると、これに付帯する圧力制御弁91が作動し、第1高圧器31内の二酸化炭素(超臨界二酸化炭素)は40℃に温度設定がなされている処理容器1である反応器に断熱的に供給される(サイクル3)。また、このサイクル3段階で第1高圧器31は反応器1へ超臨界二酸化炭素供給のための吐出状態にあり、第1高圧器31の設定温度である150℃まで、その操作は続けられる。同時にこの工程においてバルブ112が閉まり、第2高圧器32が加温状態移行している。
【0028】
一方、第1高圧器31の設定温度である150℃に到達後、バルブ101が解放され、図5に示されるように第1高圧器31内の流体を流路14と蒸発器5を介するように凝縮器4へ流れ、凝縮器4と同圧となるように降圧操作が実施される(サイクル4)。このサイクル 4段階終了時点において、第1高圧器31内の二酸化炭素の温度、圧力は31℃、5.087Mpaに戻る。このサイクル4段階において、圧力制御弁92が開き反応器1への二酸化炭素供給は、所定圧力に達した第2高圧器32へと切り替えられている。
【0029】
第1高圧器31が凝縮器4と同圧となると図6に示されるように、バルブ111が開放され、凝縮器4と連結し、液化二酸化炭素が第1高圧器31に供給される(サイクル 5)。このサイクル 5段階において、反応器1への二酸化炭素供給は第3高圧器33へと切り替えられており、第2高圧器32は先の第1高圧器31同様、降圧操作へ移行している。
【0030】
第1高圧器31はその後、図7に示されるように再び加温操作(サイクル 6)に入り、第2高圧器32は凝縮器4との連結による液化二酸化炭素供給状態、第3高圧器33は降圧操作へと移行している。このサイクル6段階において、反応器1への二酸化炭素供給は第4高圧器34へと切り替えられている。
【0031】
以降、上記操作が繰り替えされることで、反応器1には連続的に超臨界二酸化炭素が供給された。
【0032】
次に、水をプロセス溶媒として用いる超臨界水処理実施例について説明する。ここで高温高圧場に供する反応器等の後段容器に閉流路である高圧流体供給ラインのほかに少なくとも一つ以上の原料供給ラインなどが備えられている。
【0033】
このプロセスは前述の超臨界二酸化炭素実施例と同様に高圧発生装置としての4気筒シリンダー(高圧器)、プロセス場に寄与する反応器1および水の循環使用に供する蒸発器5および凝縮器4によって構成される。また、本実施例においても高圧発生装置の熱エネルギーを有効利用に加熱器で回収すべく伝熱管141を設置した。
【0034】
【表2】
Figure 0003557588
【0035】
操作例が表2に示され、まず、運転準備として全系にまず圧力1.555MPaにおける飽和水を供給する(サイクル 1)。この時点で、全バルブは開となっており、全系は連通している。なお、この時、各構成機器内の水の温度、圧力はそれぞれ200℃、1.555MPaであった。次いで、第1高圧器31の加温を開始する(サイクル 2)。この場合、第1高圧器31と凝縮器との間のバルブ111は閉とし、第2高圧器32、第3高圧器33および第4高圧器34と凝縮器4との間のバルブ112,113,114は開である。また、圧力制御弁91、92、93、94、バルブ101、102、103、104も閉状態にしている。第1高圧器31は断熱容器内加温されるため瞬時に所定の圧力となる。この場合、圧力制御弁91によって設定した圧力(一次圧解放圧力)31MPa到達までの加温は402℃であった。すなわち図4に示されるように第1高圧器が31MPa到達すると、これに付帯する圧力制御弁91が作動し、第1高圧器31内の水(超臨界水)は400℃に温度設定がなされている処理容器1である反応器に断熱的に供給される(サイクル3)。また、このサイクル3段階で第1高圧器31は反応器1へ超臨界水供給のための吐出状態にあり、第1高圧器31の設定温度である500℃まで、その操作は続けられる。同時にこの工程においてバルブ112が閉まり、第2高圧器32が加温状態移行している。
【0036】
一方、第1高圧器31の設定温度である500℃に到達後、バルブ101が解放され、図5に示されるように第1高圧器31内の流体を流路14と蒸発器5を介するように凝縮器4へ流れ、凝縮器4と同圧となるように降圧操作が実施される(サイクル4)。このサイクル 4段階終了時点において、第1高圧器31内の水の温度、圧力は203℃、1.655Mpaに戻る。このサイクル4段階において、圧力制御弁92が開き反応器1への水供給は、所定圧力に達した第2高圧器32へと切り替えられている。
【0037】
第1高圧器31が凝縮器4と同圧となると図6に示されるように、バルブ111が開放され、凝縮器4と連結し、水が第1高圧器31に供給される(サイクル5)。このサイクル 5段階において、反応器1への水供給は第3高圧器33へと切り替えられており、第2高圧器32は先の第1高圧器31同様、降圧操作へ移行している。
【0038】
第1高圧器31はその後、図7に示されるように再び加温操作(サイクル 6)に入り、第2高圧器32は凝縮器4との連結による飽和水供給状態、第3高圧器33は降圧操作へと移行している。このサイクル6段階において、反応器1への水供給は第4高圧器34へと切り替えられている。
【0039】
以降、上記操作が繰り替えされることで、反応器1には連続的に超臨界水が供給された。
【0040】
次に、水をプロセス溶媒として用い、かつ0.1ccのマイクロリアクターに超臨界水を供給する超臨界水マイクロリアクター実施例について図8ないし図13に基づいて説明する。プロセスは前述の実施例と同様に高圧発生装置としての4気筒シリンダー(高圧器)のほか、処理容器としての反応管1、受液槽16および予熱管2によって構成される。また、本実施例においては、循環系の構造は採らず、水の流れをはワンスルーとした構造になっている。
【0041】
【表3】
Figure 0003557588
【0042】
操作例が表3に示され、まず、図8に示されるように、運転準備として全系に温度20℃の水を供給する(サイクル 1)。この時点で、全バルブは開となっており、全系は連通している。次いで、図9に示されるように第1高圧器31の加温を開始する(サイクル 2)。この場合、第1高圧器31と反応水貯槽15との間のバルブ101,111は閉とし、第2高圧器32、第3高圧器33および第4高圧器34と反応水貯槽と15の間のバルブ102,112,103,113,104,114は開である。
【0043】
第1高圧器31は断熱容器内加温のため瞬時に所定の圧力となる。この場合、圧力制御弁91によって設定した31MPa到達までの加温は56℃であった。第1高圧器31が31MPa到達すると、図10に示されるように、これに付帯する圧力制御弁91が作動し、第1高圧器31内の水(超臨界水)は400℃に温度設定がなされている予熱管2および反応管1に断熱的に供給される(サイクル 3)。また、このサイクル3段階で第1高圧器31は予熱管2および反応管1へ高圧水供給のための吐出状態にあり、第1高圧器31の設定温度である500℃まで、その操作は続けられる。同時にこの工程において第2高圧器32が加温状態となる。
【0044】
第1高圧器31が、その設定温度である500℃に到達すると、図11に示されるように、バルブ101が開放され降圧操作が開始される(サイクル 4)。このサイクル 4段階において、予熱管2および反応管1への水供給は第2高圧器32へと切り替えられている。
【0045】
第1高圧器31が反応水貯槽15と同圧となったのち、図12に示されるように20℃の水が反応水貯槽15から第1高圧器31に供給される(サイクル5)。このサイクル 5段階において、予熱管2および反応管1への水供給は第3高圧器33へと切り替えられており、第2高圧器32はバルブ102が開放され、降圧操作へ移行している。
【0046】
図13に示されるように、第1高圧器31はその後、再び加温操作(サイクル6)に入り、第2高圧器32は反応水貯槽15との連結による水供給状態、第3高圧器33は降圧操作へと移行している。このサイクル6段階において、予熱管2および反応管1への水供給は第4高圧器34へと切り替えられている。
【0047】
以降、上記操作が繰り替えされることで、予熱管2および反応管1には連続的に超臨界水が供給された。また、反応器出口の減圧後の水は約100℃であった。
【0048】
本発明は以上のように構成されており、超臨界あるいは亜臨界流体を各種プロセス溶媒として使用するにおいて、ポンプなどの従来の圧縮機を使用することなく、しかも極めて効率的に処理が実施できるようになった。このような発明は今後、環境問題などから期待されている超臨界流体利用プロセスの工業化において、プロセスの効率化およびこれに伴う装置コストの低減などを可能とし、またこれまで各種法規的な制約から製作困難であった特殊高圧装置の製作も可能とする。さらに、マイクロリアクター利用の各種合成プロセスの開発を具体化させる有効な手段にもなりうる。
【発明の効果】
本発明は次の効果を奏する
【0049】
請求項1の発明によれば、熱エネルギーによる高圧流体の温度・圧力・体積変化(PVT変化)を積極的に利用しており、実質的に流体の状態量の変化、すなわち熱エネルギーのみで圧力差を付与させ、これによって特段の圧縮装置を用いることなく、超臨界あるいは亜臨界流体などの高圧流体利用プロセスに効率良く高圧場を提供できることになる。
【0050】
請求項2の発明によれば、熱膨張により生じた高圧器内の自己の圧力で、所定の温度と圧力状態の流体を高圧器内から前記処理容器内に送出されるようになるため、送り出しポンプ装置を備える必要がない。
【0051】
請求項3の発明によれば、複数の高圧器(シリンダー)が順次処理容器内に連続・定常的に高圧流体を送出できるようになるため、処理容器内を所望の圧力、流量状態に安定的に維持できることが可能となる。
【0052】
請求項4の発明によれば、使用流体を再利用できるため、省資源化が達成できると共に、エネルギーロスも少なくできる。
【0053】
請求項5の発明によれば、前記制御用の両バルブ装置を閉塞状態にしておき、高圧器を加熱し、所望の圧力に達した段階で処理容器側のバルブ装置を解放するため、所定の圧力まで十分に上昇した流体が処理容器内に送出されることになり、前記処理容器内を常に安定した圧力と温度に維持できることになる。
【0054】
請求項7の発明によれば、前記バルブ装置の開閉タイミングをコントロールすることによって、複数の高圧器(シリンダー)が順次処理容器内に連続・定常的に高圧流体を送出できるようになるため、処理容器内を所望の圧力、流量状態に安定的に維持できることが可能となる。
【0055】
請求項8の発明によれば、前記制御用の両バルブ装置を閉塞状態にしておき、高圧器を加熱し、所望の圧力に達した段階で処理容器側のバルブ装置を解放するため、所定の圧力まで十分に上昇した流体が処理容器内に送出されることになり、前記処理容器内を常に安定した圧力と温度に維持できることになる。
【0056】
請求項9の発明によれば、前記処理容器で得られる高圧場を、反応器、抽出器、洗浄器等として利用するため、処理容器内において流体の流動状態、温度分布を自由にコントロール可能であり、その処理作業が迅速かつ効能率で可能となる。
【0057】
請求項10の発明によれば、蒸発器、凝縮器等の組み合わせにより流体環流が発生し、ポンプを不要とし、使用流体の再利用で省資源化が達成できると共に、エネルギーロスも少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】循環型の超・亜臨界流体処理装置の基本的例を示すブロック図である。
【図2】図1の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図3】図1の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図4】図1の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図5】図1の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図6】図1の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図7】図1の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図8】ワンウェイ型の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図9】ワンウェイ型の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図10】ワンウェイ型の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図11】ワンウェイ型の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図12】ワンウェイ型の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【図13】ワンウェイ型の超・亜臨界流体処理装置における処理工程図(システムフロー)である。
【符号の説明】
1 反応器、反応管(処理容器)
2 予熱予冷器、予熱管
3 高圧器
31 第1高圧器
32 第2高圧器
33 第3高圧器
34 第4高圧器
4 凝縮器
5 蒸発器
6、7,8 圧力調整弁
91、92,93,94 圧力調整弁
101,102,103,104 バルブ
111,112,113,114 バルブ
12、13、 14 流路
15 反応水貯槽
16 圧力調整弁

Claims (7)

  1. 流路内に形成された少なくとも1個の処理容器内において超または亜臨界流体を用いた処理を行う超・亜臨界流体処理システムであって、プロセス流体を加温せしめて熱膨張を発生させることにより、前記処理容器内における処理に適した所望の温度と圧力状態の流体を得るようにしたことを特徴とする超・亜臨界流体処理システム。
  2. 前記処理容器と流路で接続された高圧器に充填された流体を加温せしめ、この高圧容器内熱膨張を発生させ、熱膨張により生じた自己の圧力を利用して所定の温度と圧力状態の流体が前記処理容器内に送出されるようになっている請求項1に記載の超・亜臨界流体処理システム。
  3. 少なくとも2個の前記高圧器が、前記処理容器と流路で接続され、少なくとも1の高圧器が前記処理容器内に流体を供給時、他の高圧器は高圧器内で熱膨張過程もしくは流体送出待機状態にある請求項2に記載の超・亜臨界流体処理システム。
  4. 流体が、水、およびメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、およびパラフィン、オレフィンなどの炭化水素類および二酸化炭素、アンモニアなどの液化ガスおよびこれらの混合物のいずれかである請求項1ないしのいずれかに記載の超・亜臨界流体処理システム。
  5. 流路内に形成された少なくとも1個の処理容器内において超または亜臨界流体を用いた処理を行う超・亜臨界流体処理装置であって、充填されたプロセス流体を加温せしめて熱膨張を発生させ、熱膨張により生じた自己の圧力を利用して所望の温度と圧力状態の流体を前記処理容器内に送出する少なくとも2個の高圧器が前記処理容器と流路で接続され、それぞれの流路にはバルブ装置が設けられ、少なくとも1の高圧器が前記処理容器内に流体を供給時、他の高圧器は高圧器内で熱膨張過程もしくは流体送出待機状態になるように、前記バルブ装置の開閉タイミングがコントロールされるようになっていることを特徴とする超・亜臨界流体処理装置。
  6. 高圧器の上流側には液体貯留部がバルブ装置を介して接続され、かつ下流側にはバルブ装置を介して処理容器が接続されており、前記高圧器の加熱時に少なくとも一時的に両バルブ装置を閉塞し、高圧器内の圧力を所定圧まで高められるようになっている請求項に記載の超・亜臨界流体処理装置。
  7. 処理容器が、抽出器、反応器、洗浄器、染色機、晶析機などとして利用されるか、もしくは前記処理容器に抽出器、反応器、洗浄器、染色機、晶析機などを付帯させるようにした請求項またはに記載の超・亜臨界流体処理装置。
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