JP3558905B2 - フリップチップ型半導体装置の製造方法及び半導体製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリップチップ型半導体装置の半導体素子と回路基板との間に樹脂充填を行う方法及びこの方法を実施する半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フリップチップ型半導体装置は、半導体素子とこの半導体素子が搭載された回路基板から構成されている。図11は、従来のフリップチップ型半導体装置の製造工程を説明する製造工程の断面図である。集積回路が内部に形成された半導体素子1にはこの集積回路に電気的に接続された複数の接続電極(図示せず)が形成されている。この接続電極には、例えば、はんだから構成されたボール状の接続端子(バンプ)2が接続されている。回路基板3は、半導体素子1が搭載される主面には配線及び接続電極(図示せず)が形成されている。そして、複数のバンプ2が主面の接続電極に接続されている。回路基板3の裏面には、接続電極 (図示せず)が形成されており、この接続電極に接続されるようにボール状の外部端子7が取り付けられている。回路基板3の主面の接続電極と裏面の接続電極とは適宜回路基板3の内部配線(図示せず)を介して接続されている。半導体素子1と回路基板3との間にはバンプ2の厚さ分だけ間隙がある。この間隙にはエポキシ樹脂などの樹脂が封止されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図11を参照してフリップチップ型半導体装置に樹脂を充填する方法を説明する。半導体素子1に取り付けたバンプ2を回路基板3に搭載してから、半導体素子1と回路基板3との間隙に半導体素子1の外周の一部にディスペンスノズル4から液状樹脂5を滴下する(図11(a))。この加熱軟化した液状樹脂5を毛細管現象により半導体素子1と回路基板3の間隙に浸透させる(図11(b))。液状樹脂5は、半導体素子1と回路基板3の間隙に均一に広がり、加熱硬化されて樹脂封止体6が形成される(図11(c))。
【0004】
この様に半導体素子1と回路基板3との間隙への樹脂充填が終了した後、樹脂封止体を形成するため、あらかじめ塗布しなかった一部に再度液状樹脂を塗布していた。この場合樹脂塗布工程に要する時間は、塗布装置を1台で補おうとした場合、塗布時間のみならず半導体素子外周より回路基板の間隙に樹脂を充填する時間も合計されたものとなり、生産性が非常に低い樹脂充填装置となる。充填時間は、半導体素子外周をより大きく囲い込むように塗布することで、短縮できるがあまり大きく囲い過ぎると、外周からの回り込みにより内部に空気を巻き込んでしまう。従って、現実的に可能な塗布領域は半導体素子外周の50%以下になる。これは断続的な塗布を行ったときでも同様であり、要するに半導体素子の中心から見て180度以上の角度に樹脂が塗布されてしまうと、空気の巻き込みが生じてしまうという問題があった。
本発明は、このような事情によりなされたものであり、従来に比べて短時間で樹脂充填が実現でき、且つ空気の巻き込みや樹脂から発生するガスなどによるボイド不良が低減できるフリップチップ型半導体装置の製造方法及びこの方法に用いる半導体製造装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フリップチップ型半導体装置の半導体素子と回路基板との間隙及びその外周への樹脂充填方法において、液状樹脂を半導体素子外周に塗布し、外周の1部は排気孔として液状樹脂を塗布せずにおいて真空チャンバへセットし、真空チャンバ内を、例えば、2torr以下に減圧し、減圧直後に排気孔を強制的に閉鎖した後、真空破壊を実施して半導体素子内外の気圧差(例えば、約1気圧)を利用し樹脂充填させることを特徴としている。また、フリップチップ型半導体装置の樹脂充填装置において、半導体素子外周の少なくとも一部を残して液状樹脂を塗布する手段と、半導体装置を減圧下にさらす手段と、減圧下で半導体素子外周の少なくとも一部の未塗布部分を強制的に塞ぐ手段と、減圧下で所定時間加熱する手段とを具備したことを特徴とする。
従来技術に比べて減圧直後に排気孔を強制的に閉鎖するので極めて短時間でフリップチップ型半導体装置の樹脂充填が実現でき、また、空気の巻き込みや樹脂から発生するガスなどによるボイド不良も低減できる。
【0006】
本発明の半導体装置の製造方法は、主面に形成された接続電極にボール状接続端子が設けられた半導体素子をこのボール状接続端子を介して接続された回路基板を塗布装置に搭載する工程と、前記回路基板上の前記半導体素子外周の少なくとも一部を残して液状樹脂を塗布する工程と、前記半導体素子と前記回路基板とを減圧下に置いて、前記半導体素子と前記回路基板との間隙の空気を排除すると共に残された未塗布部を、垂直もしくは、水平に可動するシャフト及びその先端に設けられたスキージからなる手段、もしくは垂直に可動するヘッド及びその先端に接するテープからなる手段により、強制的に塞ぎ、前記半導体素子の全外周を前記液状樹脂で充填させる工程と、前記液状樹脂が充填された前記半導体素子と前記回路基板とを大気圧に戻して前記半導体素子と前記回路基板との間隙の未充填部分の樹脂充填を完了させる工程とを備えていることを特徴としている。前記回路基板上の前記半導体素子外周の少なくとも一部を残して液状樹脂を塗布する工程は大気圧中で行われるようにしても良い。強制的に塞ぐ手段にテープを用いると常に綺麗な面で排気孔を塞ぐことができ塞いだ所の外観が綺麗になるという利点がある。
【0007】
本発明の半導体製造装置は、主面に形成された接続電極にボール状接続端子が設けられた半導体素子をこのボール状接続端子を介して接続された回路基板を塗布装置に搭載する手段と、前記回路基板上の前記半導体素子外周の少なくとも一部を残して液状樹脂を塗布する手段と、前記半導体素子と前記回路基板とを減圧下に置いて、前記半導体素子と前記回路基板との間隙の空気を排除すると共に残された未塗布部を強制的に塞ぎ、前記半導体素子全外周を前記液状樹脂で充填させる手段と、前記液状樹脂が充填された前記半導体素子と前記回路基板とを大気圧に戻して前記半導体素子と前記回路基板との間隙の未充填部分の樹脂充填を完了させる手段とを備え、前記未塗布部を強制的に塞ぐ手段は、垂直もしくは、水平に可動するシャフト及びその先端に設けられたスキージからなることを特徴としている。
また、本発明の半導体製造装置は、主面に形成された接続電極にボール状接続端子が設けられた半導体素子をこのボール状接続端子を介して接続された回路基板を塗布装置に搭載する手段と、前記回路基板上の前記半導体素子外周の少なくとも一部を残して液状樹脂を塗布する手段と、前記半導体素子と前記回路基板とを減圧下に置いて、前記半導体素子と前記回路基板との間隙の空気を排除すると共に残された未塗布部を強制的に塞ぎ、前記半導体素子全外周を前記液状樹脂で充填させる手段と、前記液状樹脂が充填された前記半導体素子と前記回路基板とを大気圧に戻して前記半導体素子と前記回路基板との間隙の未充填部分の樹脂充填を完了させる手段とを備え、前記未塗布部を強制的に塞ぐ手段は、垂直に可動するヘッド及びその先端に接するテープからなることを特徴としている。前記半導体素子と前記回路基板との間隙の空気を排除すると共に残された未塗布部を強制的に塞ぎ、前記半導体素子全外周を前記液状樹脂で充填させる手段は、減圧反応室に配置されているようにしても良い。
【0008】
なお液状樹脂の粘度は、ディスペンス時には10〜100000pois程度が適当である。半導体素子の周辺に塗布される液状樹脂に設けられた排気孔として用いられる未塗布部分のトータルの大きさは、半導体素子の5%〜70%が適当である。5%未満では、排気孔としての効果はなく、70%を越えると減圧空間を形成することができない。また、半導体素子と回路基板との間隙は20〜200μm程度である。回路基板は、セラミックスもしくは合成樹脂を材料にしている。さらに、液状樹脂は、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ビニル重合樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂、芳香族ポリアミド、ナイロン樹脂、超高分子量ポリエチレン、オレフィンやアミドなどを使用した熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂などが用いられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して発明の実施の形態を説明する。
まず、図1乃至図4を参照して第1の実施例を説明する。
図1は、樹脂充填方法を説明するフリップチップ型半導体装置の平面図、図2は、樹脂充填方法を説明する樹脂が充填された回路基板の平面図、図3は、半導体素子外周に樹脂が塗布された半導体装置の斜視図及び側面図、図4は、半導体素子外周の樹脂を繋ぐ方法を説明する半導体装置の側面図である。
フリップチップ型半導体装置は、半導体素子11と、この半導体素子が搭載された回路基板13と、両者の間に形成された樹脂封止体とから構成されている。すなわち、集積回路が内部に形成された半導体素子11にはこの集積回路に電気的に接続された複数の接続電極が形成されている。この接続電極には、例えば、はんだからなるボール状の接続端子(バンプ)が接続されている。回路基板13の半導体素子11が搭載される主面には配線及び接続電極が形成されている。半導体素子11の複数のバンプは、回路基板13主面の接続電極に接続されている。回路基板13の裏面には、接続電極が形成されており、この接続電極に接続されるように図11(c)に示される従来のフリップチップ型半導体装置と同じ様にボール状の外部端子が取り付けられている。
【0010】
回路基板13の主面の接続電極と裏面の接続電極とは適宜回路基板13の内部配線を介して接続されている。また、半導体素子11と回路基板13との間にはバンプの厚さ分だけ間隙がある。この間隙にはエポキシ樹脂などの樹脂が封止されており、図1及び図2は、この樹脂の間隙への充填方法が示されている。
▲1▼ この回路基板13上の半導体素子11外周に樹脂が塗布されていない部分を一部残してディスペンサーから供給される液状樹脂15をディスペンスする。樹脂が塗布されていない部分は、排気孔10として用いられる(図1(a)、図3(a)、(b))。すなわち、半導体素子11外周の一部を残して全体を囲い込む様に液状樹脂15を塗布する。ここで、半導体素子11外周の一部に樹脂を塗布しない理由は、後述の減圧工程において、半導体素子と回路基板の間の空気を排気するためである。▲2▼ その後、半導体装置全体を減圧雰囲気下にさらすことにより、半導体素子外周部が塗布されていない部分を介して、半導体素子11と回路基板13との間の空気を排気する。この際、充分な排気を実現するためには半導体素子外周の樹脂が塗布されていない部分を所定時間残存させておく事が有効である。半導体装置を減圧下にさらすことは、真空チャンバ18で行う(図1(b))。
【0011】
▲3▼ その後、真空チャンバ18において真空もしくは減圧下で、半導体装置の半導体素子外周部が塗布されていない部分の排気孔10を、半導体装置と水平方向に動作するシャフトの先端に設けられたスキージ19により、その周辺の液状樹脂15を揺動・撹拌し、半導体素子11の外周の液状樹脂15を繋げる(図1(c))。塗布されていない部分を確実且つ短時間で繋げることが可能である。
▲4▼ 半導体素子11の液状樹脂が完全に繋がった後の半導体素子11と回路基板13との間の半導体素子11中央に存在する樹脂未充填部分は、閉じた減圧空間101になっている。次に、真空チャンバ18を大気圧状態にする、すなわち、閉じた減圧空間101が存在する状態で回路基板13及び液状樹脂15の周囲を大気雰囲気に開放すると、内部の減圧空間とその外周との間に気圧差が生じるので液状樹脂15外周全体に掛かる大気圧により減圧空間101が潰れて半導体素子11と回路基板13との間隙の内部まで確実に充填がなされる(図2(a))。大気圧は、900〜1060hPa程度をいう。その後、半導体装置を真空チャンバ18から取り出す(図2(b))。次に、▲5▼ 液状樹脂を加熱硬化させて半導体素子と回路基板13との間に充実した樹脂封止体16を形成する。
【0012】
次に、図4を参照しながら半導体素子外周の樹脂を繋ぐ動作を詳細に説明する。まず▲1▼ 真空チャンバ内を減圧状態にして、真空チャンバに取り付けたシャフト(図示せず)を操作してスキージ19を回路基板13上の半導体素子11外周に塗布形成した液状樹脂15に設けられた排気孔10目指して下降させる(図4(a))。▲2▼ 次に、下降したスキージ19が排気孔10を塞ぎ、さらに排気孔10の周辺の液状樹脂15を揺動・撹拌し、半導体素子11の外周の液状樹脂15を繋げる(図2(b))。▲3▼ その後、排気孔を潰して液状樹脂15を繋げてからスキージ19を上昇させる。
液状樹脂が塗布されていない部分を確実且つ短時間で繋げることが可能であり、従来技術に比べ極めて短時間でフリップチップ型半導体装置の樹脂充填が実現できる。また、樹脂充填は、減圧下でなされるため空気の巻き込みや樹脂から発生するガスなどによるボイド不良も低減できる。
【0013】
次に、図5を参照して第2の実施例を説明する。
この実施例は、排気孔を塞ぐ手段としてテープとこれを駆動するヘッドを利用して液状樹脂を繋ぐことに特徴がある。図5は、半導体素子外周の樹脂を繋ぐ方法を説明する半導体装置の側面図である。
フリップチップ型半導体装置は、半導体素子21と、この半導体素子21が搭載された回路基板23と、両者の間に形成された樹脂封止体とから構成されている。すなわち、集積回路が内部に形成された半導体素子21にはこの集積回路に電気的に接続された複数の接続電極が形成されている。この接続電極には、例えば、はんだからなるボール状のバンプが接続されている。回路基板23の半導体素子21が搭載される主面には配線及び接続電極が形成されている。半導体素子21の複数のバンプは、回路基板13主面の接続電極に接続されている。回路基板23の裏面には、接続電極が形成されており、この接続電極に接続されるように図11(c)に示される従来のフリップチップ型半導体装置と同じ様にボール状の外部端子が取り付けられている。回路基板23の主面の接続電極と裏面の接続電極とは適宜回路基板23の内部配線を介して接続されている。また半導体素子21と回路基板23との間にはバンプの厚さ分だけ間隙がある。この間隙には液状樹脂から形成されたエポキシ樹脂などの樹脂封止体が充填されている。
【0014】
次に、フリップチップ型半導体装置の樹脂封止体を形成するために行われる液状樹脂の回路基板への塗布について説明する。
液状樹脂25の塗布は、回路基板23にフリップチップ接合された半導体素子21外周の一部を残して全体を囲い込む様に行われる。半導体素子外周の一部に設けた樹脂を塗布しない部分は、後述の減圧工程における半導体素子と回路基板の間の空気を排気するための排気孔20として用いられる。
▲1▼ このように液状樹脂25を排気孔20を有するように塗布した回路基板23を減圧状態にされた真空チャンバ(図示しない)内に収容する。真空チャンバには、排気孔20上方に位置するように、テープ送り27、このテープ送りに支持されて移動するテープ28及び上下に移動しこのテープを排気孔20の方向に押し付けるヘッド26とが形成配置されている。まず、排気孔20の上部からヘッド26が樹脂接触用のテープ28を押し出しながら下降させて、これを液状樹脂が塗布されていない部分である排気孔20の周辺の液状樹脂25に接触させる(図5(a))。そして、液状樹脂25と接触後、テープ送り機構27の水平動作によりテープ28は液状樹脂25上を移動して半導体素子21外周の液状樹脂25を繋げる。
【0015】
そして排気孔20は、閉鎖される(図5(b))。半導体素子21外周の液状樹脂25が繋がり、排気孔20が閉鎖されてから、ヘッド26を上昇させてテープ28を液状樹脂25から隔離する(図5(c))。
半導体素子の液状樹脂が完全に繋がった後の半導体素子と回路基板との間の半導体素子中央に存在する樹脂未充填部分は、閉じられた減圧空間になっている。この状態で真空チャンバを大気圧状態にする、すなわち、閉じた減圧空間が存在する状態で回路基板及び液状樹脂の周囲を大気雰囲気に開放すると、内部の減圧空間とその外周との間に気圧差が生じるので液状樹脂の全体に掛かる大気圧により減圧空間が潰れて半導体素子と回路基板との間隙の内部まで確実に充填がなされる。次に、液状樹脂が加熱硬化されて半導体素子と回路基板との間に充実した樹脂封止体が形成される。その後、半導体装置を真空チャンバから取り出す。
【0016】
液状樹脂の塗布されていない部分を確実且つ短時間で繋げることが可能である。半導体素子の樹脂が完全に繋がった後の半導体素子と回路基板の間の樹脂未充填部分は閉じた減圧空間になっており、この状態で半導体装置の周囲を大気雰囲気に開放すると、内部減圧空間との間に気圧差が生じる為、液状樹脂外周全体に掛かる大気圧により内部の充填がなされる。
液状樹脂が塗布されていない部分を確実且つ短時間で繋げることが可能であり、従来技術に比べ極めて短時間でフリップチップ型半導体装置の樹脂充填が実現できる。また、樹脂充填は、減圧下でなされるため空気の巻き込みや樹脂から発生するガスなどによるボイド不良も低減できる。
【0017】
次に、図6を参照して第3の実施例を説明する。
この実施例は、排気孔を塞ぐ手段として当接面が櫛歯状になっているスキージを利用して液状樹脂を繋ぐことに特徴がある。図6は、半導体素子外周の樹脂を繋ぐ方法を説明する半導体装置の平面図及びこの方法に用いるスキージの斜視図である。
フリップチップ型半導体装置は、半導体素子31と、この半導体素子31が搭載された回路基板33と、両者の間に形成された樹脂封止体とから構成されている。すなわち、集積回路が内部に形成された半導体素子31には主面にこの集積回路に電気的に接続された複数の接続電極が形成されている。この接続電極には、例えば、はんだからなるボール状のバンプが接続されている。回路基板33の半導体素子31が搭載される主面には配線及び接続電極が形成されている。半導体素子31の複数のバンプは、回路基板33主面の接続電極に接続されている。回路基板33の裏面には、接続電極が形成されており、この接続電極に接続されるように図11(c)に示される従来のフリップチップ型半導体装置と同じ様にボール状の外部端子が取り付けられている。
【0018】
回路基板33の主面の接続電極と裏面の接続電極とは適宜回路基板33の内部配線を介して接続されている。また半導体素子31と回路基板33との間にはバンプの厚さ分だけ間隙がある。この間隙には液状樹脂から形成されたエポキシ樹脂などの樹脂封止体が充填されている。
次に、フリップチップ型半導体装置の樹脂封止体を形成するために行われる液状樹脂の回路基板への塗布について説明する。
液状樹脂35の塗布は、回路基板33にフリップチップ接合された半導体素子31外周の一部を残して全体を囲い込む様に行われる。半導体素子外周の一部に設けた樹脂を塗布しない部分は、後述の減圧工程における半導体素子と回路基板の間の空気を排気するための排気孔30として用いられる。
【0019】
▲1▼このように液状樹脂35を排気孔30を有するように塗布した回路基板33を減圧状態にされた真空チャンバ(図示しない)内に収容する。真空チャンバには、シャフトの先端に設けたスキージ36が装着されている。まず真空チャンバの上方に配置されたスキージ36を回路基板33の主面近くまで下降させる(図6(a))。次に、▲2▼スキージ36を半導体素子31の排気孔30が形成された辺に沿って平行に所定の間隔で矢印の方向に移動させて排気孔30を液状樹脂25で塞ぐ(図6(b))。次に、▲3▼矢印に示すようにスキージ36を半導体素子31の排気孔30が形成された辺に垂直にこの辺に近ずくように移動させる(図6(c))。そして、▲4▼矢印に示すように、前記排気孔30がある辺に水平に▲2▼工程とは逆方向にこの辺に近接させて移動させる。この移動により排気孔30は完全に塞がれる(図6(d))。その後、▲5▼スキージ36を真空チャンバの上方に移動させる。
【0020】
他の実施例と同様に、半導体素子の液状樹脂が完全に繋がった後の半導体素子と回路基板との間にあって、半導体素子中央に存在する樹脂未充填部分は、閉じられた減圧空間になっている。この状態で真空チャンバを大気圧状態にする、すなわち、閉じた減圧空間が存在する状態で回路基板及び液状樹脂の周囲を大気雰囲気に開放すると、内部の減圧空間とその外周との間に気圧差が生じるので液状樹脂の全体に掛かる大気圧により減圧空間が潰れて半導体素子と回路基板との間隙の内部まで確実に充填がなされる。次に、液状樹脂が硬化されて半導体素子と回路基板との間に充実した樹脂封止体が形成される。その後、半導体装置を真空チャンバから取り出す。
液状樹脂の塗布されていない部分を確実且つ短時間で繋げることが可能である。半導体素子の液状樹脂が完全に繋がった後の半導体素子と回路基板の間の樹脂未充填部分は閉じた減圧空間になっており、この状態で半導体装置の周囲を大気雰囲気に開放すると、内部減圧空間との間に気圧差が生じて内部への樹脂充填がなされる。また、樹脂充填は、減圧下でなされるため空気の巻き込みや樹脂から発生するガスなどによるボイド不良も低減できる。
【0021】
次に、図7及び図8を参照して第4の実施例を説明する。
図7は、本発明のフリップチップ型半導体装置の製造方法を実施するために用いられ、この半導体装置に樹脂封止体(アンダーフィル)を形成する半導体製造装置の概略断面図、図8は、樹脂封止体を形成する製造工程を示すフロー図である。
図8に示すように、回路基板に搭載された半導体素子外周に排気孔を備えるように液状樹脂を塗布してから樹脂封止体を形成するまでの工程は、以下の通りである。まず▲1▼ 回路基板とその上に搭載された半導体素子を樹脂塗布ステージにセットする。▲2▼ 樹脂塗布ステージにおいて、回路基板上の半導体素子外周に樹脂が塗布されていない部分を排気孔として一部残すようにディスペンサーから供給される液状樹脂をディスペンスする。▲3▼ その後半導体装置全体を真空チャンバに収容し、半導体素子を搭載した回路基板を加熱ステージに載置する。これにより半導体装置は減圧雰囲気下にさらされて半導体素子外周部が塗布されていない部分の排気孔を介して、半導体素子と回路基板との間の空気を排気する。この際、充分な排気を実現するためには半導体素子外周の樹脂が塗布されていない部分を所定時間残存させておくことが有効である。
【0022】
▲4▼ その後真空チャンバ内を真空ポンプを用いて減圧状態にし、この減圧下で半導体装置の半導体素子外周部が塗布されていない部分の排気孔を強制閉鎖機構で強制的に塞ぎ、半導体素子の周辺の液状樹脂を繋げる。▲5▼ 液状樹脂が完全に繋がった後の半導体素子と回路基板との間の半導体素子中央に存在する樹脂未充填部分は閉じた減圧空間になっている。そして真空チャンバを大気圧状態にすると、内部の減圧空間とその外周との間に気圧差が生じて液状樹脂外周全体に掛かる大気圧により減圧空間が潰れ、半導体素子と回路基板との間隙の内部まで確実に充填がなされる。次に、▲6▼半導体素子及び樹脂封止体を搭載させた回路基板を真空チャンバから取り出す。後に半導体素子と回路基板との間の液状樹脂はオーブンで硬化される。
【0023】
図8に示すように半導体製造装置は、塗布ステージ41と加熱ステージ42とが分離されている。そして、加熱ステージ42は、真空チャンバ40に設置されている。樹脂塗布ステージ41は、大気圧中で操作される。半導体素子を搭載した回路基板は、樹脂塗布ステージ41上で樹脂塗布を施される。液状樹脂は、X−Y−Zロボット45により制御されるディスペンサーのノズルヘッド43から回路基板上に供給される。回路基板の位置は、認識カメラ44でその位置を認識され、この認識に基づいてノズル位置補正装置46がノズルの位置を補正する。液状樹脂が塗布された回路基板は、真空チャンバ40内に搬送される。真空チャンバ40の中には加熱ステージ42の他に強制閉鎖機構47が収納されている。強制閉鎖機構47は、真空チャンバ40の内部もしくは外部で操作れる。また、当然真空ポンプ48も取り付けられている。樹脂塗布ステージで図8の▲1▼工程及び▲2▼工程が行われ、樹脂加熱ステージ41で▲3▼工程乃至▲6▼工程が行われる。
【0024】
次に、図9及び図10を参照して第5の実施例を説明する。
この実施例は、回路基板上に塗布された液状樹脂に形成された排気孔の形状に関するものである。図9及び図10は、回路基板上において半導体素子外周に塗布された液状樹脂の形状を示す半導体素子及び回路基板の平面図である。
本発明は、以上のように、フリップチップ型半導体装置の半導体素子と回路基板との間隙及びその外周へ樹脂充填し、この間隙に樹脂封止体を形成する方法において、液状樹脂を半導体素子外周に塗布し、外周の1部は排気孔として液状樹脂を塗布せずにおいて真空チャンバへセットし、真空チャンバ内を減圧し、減圧直後に排気孔を強制的に閉鎖して前記間隙に液状樹脂で構成された減圧空間を形成後、真空破壊を実施して半導体素子内外の気圧差を利用し樹脂充填させることを特徴としている。
【0025】
回路基板53上の半導体素子51外周に塗布された液状樹脂55の形状は、排気孔50の数、大きさを自由に変えることができる。図9は、液状樹脂の塗布形状の例を示したものである。排気孔50は、半導体素子51周辺の一か所にのみ形成する第1の実施例の場合(図9(a))に限らず、複数箇所に形成することができる(図9(b)〜(n))。この場合、図8の真空チャンバ内の強制閉鎖機構は、例えば、複数のスキージを適宜所定の位置に決めて閉鎖するように設定する。減圧時の排気効率が向上するので複数の排気孔を形成し、その位置をバランス良く設定することは重要である。排気孔を複数の辺に形成する場合は、複数のスキージを用いるのが適当である。また、半導体素子の辺だけでなく角部にも形成することができる(図9(f)〜(m))。角部に形成すると外観が綺麗になるという利点がある。しかし、角部は最も応力が集中するところであるので、液状樹脂は、予め塗布しておくことが好ましい。このような排気孔を強制的に塞ぐ手段を用いるので、あまり排気孔数を増やすことは好ましいことではない。排気孔のトータルの大きさ、すなわち、液状樹脂の未塗布部分の大きさは、半導体素子外周の5%〜70%程度が適当である。
【0026】
排気孔は、排気動作が終了すれば閉鎖されるものであり、排気孔を塞いで液状樹脂を繋ぐには、排気孔の両側の樹脂を接近させ接続することにより実施している。しかし、排気孔が大きいと両側の樹脂では不足し、結果的に減圧空間を形成することができなくなる。図10は、このような懸念を解消するための方法であって、排気孔を塞ぐための樹脂を十分用意することに特徴がある。回路基板53には半導体素子51が搭載されており、その周囲に未塗布部分を除いて液状樹脂55を塗布する。このとき、排気孔50となる未塗布部分の両側に過剰塗布部分52を形成する。この様な構成で排気処理後、スキージなどの強制閉鎖機構を用いて過剰塗布部分52の液状樹脂を排気孔55に移動させて塞ぐ。
従来技術に比べ極めて短時間でフリップチップ型半導体装置の樹脂充填が実現でき、また、空気の巻き込みや樹脂から発生するガスなどによるボイド不良も低減できる。また、減圧空間を確実に形成することが可能になる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成により、従来技術に比べ極めて短時間でフリップチップ型半導体装置の樹脂充填が実現できる。また、フリップチップ型半導体装置の樹脂充填は減圧下でなされるため、空気の巻き込みや樹脂から発生するガスなどによるボイド不良も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフリップチップ型半導体装置に対する樹脂充填方法を示す半導体装置の断面図。
【図2】本発明のフリップチップ型半導体装置に対する樹脂充填方法を示す半導体装置の断面図。
【図3】本発明の半導体素子外周に樹脂が塗布された半導体装置の斜視図及び側面図。
【図4】本発明の半導体素子外周の樹脂を繋ぐ方法を説明する半導体装置の側面図。
【図5】本発明の半導体素子外周の樹脂を繋ぐ方法を説明する半導体装置の側面図。
【図6】本発明の半導体素子外周の樹脂を繋ぐ方法を説明する半導体装置の平面図及びこの方法に用いるスキージの斜視図。
【図7】本発明のフリップチップ型半導体装置の製造方法を実施するために用いられ、この半導体装置に樹脂封止体(アンダーフィル)を形成する半導体製造装置の概略断面図。
【図8】本発明のフリップチップ型半導体装置用いられる樹脂封止体を形成する製造工程を示すフロー図。
【図9】本発明の回路基板上において半導体素子外周に塗布された液状樹脂の形状を示す半導体素子及び回路基板の平面図。
【図10】本発明の回路基板上において半導体素子外周に塗布された液状樹脂の形状を示す半導体素子及び回路基板の平面図。
【図11】従来のフリップチップ型半導体装置に対する樹脂充填方法を示す半導体装置の断面図。
【符号の説明】
1、11、21、31、51・・・半導体素子(チップ)、
2・・・接続端子(バンプ)、
3、13、23、33、53・・・回路基板、
4・・・ディスペンスノズル、
5、15、25、35、55・・・液状樹脂、
6、16・・・樹脂封止体(アンダーフィル)、 7・・・外部端子、
10、20、30、50・・・排気孔、
18、40・・・真空チャンバ、 19、36・・・スキージ、
26・・・ヘッド、 27・・・テープ送り、 28・・・テープ、
41・・・樹脂塗布ステージ、 42・・・加熱ステージ、
43・・・ノズルヘッド、 44・・・認識カメラ、
45・・・X−Y−Zロボット、 46・・・ノズル位置補正装置、
47・・・強制閉鎖機構、 48・・・真空ポンプ、
52・・・過剰塗布部分、 101・・・減圧空間。
Claims (5)
- 主面に形成された接続電極にボール状接続端子が設けられた半導体素子をこのボール状接続端子を介して接続された回路基板を塗布装置に搭載する工程と、前記回路基板上の前記半導体素子外周の少なくとも一部を残して液状樹脂を塗布する工程と、前記半導体素子と前記回路基板とを減圧下に置いて、前記半導体素子と前記回路基板との間隙の空気を排除すると共に残された未塗布部を、垂直もしくは、水平に可動するシャフト及びその先端に設けられたスキージからなる手段、もしくは垂直に可動するヘッド及びその先端に接するテープからなる手段により、強制的に塞ぎ、前記半導体素子の全外周を前記液状樹脂で充填させる工程と、前記液状樹脂が充填された前記半導体素子と前記回路基板とを大気圧に戻して前記半導体素子と前記回路基板との間隙の未充填部分の樹脂充填を完了させる工程とを備えていることを特徴とするフリップチップ型半導体装置の製造方法。
- 前記回路基板上の前記半導体素子外周の少なくとも一部を残して液状樹脂を塗布する工程は、大気圧中で行われることを特徴とする請求項1に記載のフリップチップ型半導体装置の製造方法。
- 主面に形成された接続電極にボール状接続端子が設けられた半導体素子をこのボール状接続端子を介して接続された回路基板を塗布装置に搭載する手段と、前記回路基板上の前記半導体素子外周の少なくとも一部を残して液状樹脂を塗布する手段と、前記半導体素子と前記回路基板とを減圧下に置いて、前記半導体素子と前記回路基板との間隙の空気を排除すると共に残された未塗布部を強制的に塞ぎ、前記半導体素子全外周を前記液状樹脂で充填させる手段と、前記液状樹脂が充填された前記半導体素子と前記回路基板とを大気圧に戻して前記半導体素子と前記回路基板との間隙の未充填部分の樹脂充填を完了させる手段とを備え、前記未塗布部を強制的に塞ぐ手段は、垂直もしくは、水平に可動するシャフト及びその先端に設けられたスキージからなることを特徴とする半導体製造装置。
- 主面に形成された接続電極にボール状接続端子が設けられた半導体素子をこのボール状接続端子を介して接続された回路基板を塗布装置に搭載する手段と、前記回路基板上の前記半導体素子外周の少なくとも一部を残して液状樹脂を塗布する手段と、前記半導体素子と前記回路基板とを減圧下に置いて前記半導体素子と前記回路基板との間隙の空気を排除すると共に残された未塗布部を強制的に塞ぎ、前記半導体素子全外周を前記液状樹脂で充填させる手段と、前記液状樹脂が充填された前記半導体素子と前記回路基板とを大気圧に戻して前記半導体素子と前記回路基板との間隙の未充填部分の樹脂充填を完了させる手段とを備え、前記未塗布部を強制的に塞ぐ手段は、垂直に可動するヘッド及びその先端に接するテープからなることを特徴とする半導体製造装置。
- 前記半導体素子と前記回路基板との間隙の空気を排除すると共に残された未塗布部を強制的に塞ぎ、前記半導体素子全外周を前記液状樹脂で充填させる手段は、減圧反応室に配置されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の半導体製造装置。
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