JP3559281B2 - Cd27リガンド - Google Patents
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Description
リンパ球抗原CD27はほとんどのヒトTリンパ球およびいくらかのBリンパ球の表面に見いだされるサイトカイン受容体である。CD27受容体をコードするcDNAは単離されている(Camerini et al.,J.Immunol.147:3165,(1991))。予想されるポリペプチド配列に基づくと、CD27はシステインに富む受容体のファミリーに属しており、その既知のリガンドには、神経成長因子および、TNF−αと−βが含まれている。構造的な類似性から、CD27はB細胞抗原CD40、ラットT細胞サブセット抗原OX40、およびマウスT細胞活性化抗原4−1BBからなる、上述したファミリーのリンパ球特異的−サブグループに属していることが示唆される。CD27受容体は活性化された細胞を生存させておく機能を伝達していると考えられている。
CD27に結合し、それを活性化する成長因子はまだ同定されていない。そのような成長因子の存在と性質は、活性化された細胞の生存機構の解明に重要であろう。従って、CD27に結合するリガンドの同定とその特性の解析が必要であった。
発明の概要
本発明はCD27受容体に結合する新規のCD27リガンド(CD27L)を提供する。本発明は、また、CD27Lタンパク質をコードする単離されたDNA、この単離されたDNAを含む発現ベクター、およびCD27Lタンパク質の発現に適切な条件下で、この発現ベクターを含む宿主細胞を培養することによってCD27Lを産生する方法も提供する。CD27Lタンパク質に対する抗体あるいはそれらの免疫原性断片もまた、開示される。
図面の簡単な説明
図1−3は、CD27Lが精製されたヒト末梢血液T細胞の増殖を刺激することを示している(実施例8Aに詳細は記述)。図1では、精製されたT細胞(1 X 105/穴)を、準最適濃度のPHA(0.1%)の存在下で空のベクター(○)あるいはCD27Lを発現しているベクター(●)で形質転換された、固定化されたCV−1/EBNA細胞で滴定しながら3日間培養した。培養の最後の8時間の間に、細胞を3H−チミジンでパルス標識し、取り込みが調べた。各点は3つの培養の平均cpm±SDを表わしている。図1は、CD27Lを発現している細胞(●)は空のベクターを発現している細胞(○)よりも大いに増殖することを示している。
図2および3では、精製したCD4+あるいはCD8+T細胞(1 X 105/穴)は、準最適PHAとともに、IL−2(10ng/ml)あるいはCD27Lを発現しているCV−1/EBNA細胞(1 X 104/穴)と3日間培養した。細胞を中和IL−2抗血清と共に(斜線)、あるいは無しで(白抜き)培養した。図2と図3は、CD27Lが、CD4+とCD8+T細胞の両方に対して、IL−2とは独立に増殖を刺激することを示している。
図4と5は、CD27Lが、細胞溶解性T細胞を誘導することを示している(実施例8Bに詳細は記述)。精製したT細胞を培地のみ(○)、培地にIL−2を加えたもの(●)、あるいは準最適濃度のPHA(0.1%)の非存在下(図4)あるいは存在下(図5)で空ベクター(□)あるいはCD27L発現ベクター(■)で形質転換されたCV−1/EBNA細胞と共に培養した。4日後、細胞を回収し、PHA(0.6%)存在下で51Cr−標識されたP815標的に対する細胞溶解活性に関して2重に測定した。図4は、CD27Lを発現している細胞(■)は、共刺激無しでは細胞溶解活性を刺激する効果が無いことを示している。これに対して、図5はPHAで共刺激されたC27L発現細胞(■)が、細胞溶解性細胞の産生を促進することを示している。
図6はCD27LのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動である(実施例7に詳細は記述)。MP−1細胞(レーンa)並びに、空ベクター(レーンb)もしくはCD27L発現ベクター(レーンc)で形質転換されたCV−1/EBNA細胞を125I−ナトリウムで表面を標識した。それから細胞溶解液をCD27/Fcで沈澱し、続いてプロテインGセファロース処理し、還元条件下でSDS−ポリアクリルアミド(4%−20%)ゲルで解析した。ゲルはMP−1とCD27L発現CV−1/EBNA細胞の両方の表面上の主なタンパク質種が見かけ上約50,000の分子量であったことを示している。
発明の詳細な説明
T細胞活性化抗原CD27に対する新規のタンパク質リガンドをコードするcDNAは本発明に従って単離された。CD27リガンド(CD27L)cDNAを含む発現ベクターおよび、CD27Lの発現に適切な条件下で発現ベクターを含む宿主細胞を培養することによって組換えCD27Lポリペプチドを産生し、発現されたCD27Lを回収する方法もまた、提供される。精製されたCD27Lタンパク質もまた、本発明に含まれている。
本発明はまた、CD27Lあるいはそれらの免疫原性断片で、CD27L免疫原に特異的な抗体を産生するために免疫原として働き得るものも提供する。従って、CD27Lあるいはそれらの免疫原性断片に特異的なモノクローナル抗体が調製され得る。
ここで開示された新規のサイトカインは、CD27、即ちTNF/NGF受容体スーパーファミリーの一員である受容体に対するリガンドである。CD27Lは、このように、多くのT細胞およびいくつかのB細胞の表面に発現されていることが知られているCD27によって伝達される生物学的情報を開始させるリガンドであると考えられている。本発明に於けるCD27リガンドの一つの利用法は、活性化された細胞の生存におけるCD27Lの役割の研究するための研究用の道具としてである。本発明のCD27Lポリペプチドはまた、CD27あるいはCD27Lあるいはそれらの相互作用を検出する試験管内(in vitro)分析に用いることができる。CD27Lは共刺激されたT細胞の増殖を誘導し、細胞溶解性T細胞の産生を増強することが示されており、CD27LがT細胞の成熟に役割を果たしていることが示唆されている。本発明のCD27Lの生物学的研究(実施例6,8および10に記述)はCD27LがT細胞の増殖を共刺激すること、また、細胞溶解性T細胞前駆体の産生を増強することをも示している。
ここで用いられる"CD27L"という語はCD27に結合することの出来る一群のポリペプチドを意味している。ヒトCD27Lは、その他の哺乳動物種から得られたCD27Lタンパク質と同様に、本発明の範囲に含まれている。本明細書中、"CD27L"という語は、膜結合タンパク質(細胞内領域、膜貫通領域および細胞外領域を含む)、並びに、CD27−結合性を保持したトランケートされた(truncated)タンパク質、を含んでいる。そのようなトランケートされたタンパク質は、例えば、細胞外(受容体結合)領域のみからなる可溶性CD27Lを含んでいる。CD27LのcDNA配列および予想されるアミノ酸配列は、SEQ ID NO:1およびSEQ ID NO:2に示されている。
ヒトCD27LをコードするcDNAの単離は以下の実施例1−4に記述される。ヒトCD27/Fc融合タンパク質は、実施例1で記述したように調製され、CD27に結合するタンパク質を発現しているクローンを直接的発現クローニング法によって検索するのに利用された。
CD27がCD27Lに結合することを示している任意の細胞系は、CD27LをコードするDNA配列の単離を試みる際の核酸の供給源として利用され得る。例えば、細胞系U937、単球細胞系THP−1、初期前−Bリンパ芽球白血病細胞系EU−1、精製された扁桃T細胞あるいはMP−1細胞からcDNAライブラリーが調製可能で、以下に記述される直接的発現クローニング法を用いてCD27LcDNAを同定するためにそのライブラリーが検索され得る。細胞は限定されるわけではないが、ヒト、ネズミ、あるいはラット、ウシ、ブタ、もしくは様々な霊長類を含むその他の哺乳動物の供給源から得ることができる。
簡単に述べると、全RNAをMP−1細胞から抽出し、実質的にAusubel et al.,eds.,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1(1987)に記述されているように、オリゴ(dT)セルロースクロマトグラフィーによってポリ(A)+RNAに富むようにさせた。全RNAを鋳型として用いて、第一鎖のcDNAを調製した。ヒトCD27の細胞外領域をコードするDNAは、Cameriniら(上記)によって公表されたヒトCD27配列に基づいたプライマーを用いた複合連鎖反応(PCR)で増幅し、増幅されたDNA断片を単離した。ヒトIgG1 Fc領域DNA配列のN末端にフレームが合うように融合されたCD27細胞外領域DNAを含む発現ベクターを構築し、哺乳動物細胞に導入した。発現されたタンパク質を、プロテインGカラム(融合タンパク質のFc部分が結合する)の利用を含む方法で精製した。
CD27Lを発現するヒトB細胞系MP−1は、CD27/Fc融合タンパク質をCD27Lを有する細胞に結合させ、続いてCD27/Fc融合タンパク質のFc部分に125I−マウス抗−ヒトFc抗体を結合させる、という2段階のスクリーニング分析法を用いて同定された。cDNAライブラリーはヒトEBV−トランスフォームB細胞系MP−1から調製された。このライブラリー(E.coli中でも複製される哺乳動物発現ベクターで構築されている)由来のcDNAは、直接的発現クローニング法を用いてCD27−結合タンパク質を発現するクローンを単離するために、CV−1/EBNA−1(哺乳動物)細胞に導入した。細胞に結合するCD27/Fc融合タンパク質、およびそれに続く、CD27/Fc融合タンパク質のFc部分に結合する125I−マウス抗−ヒトFc抗体を含む2段階のスクリーニング分析法を用いてクローンを検索した。陽性クローンから単離された組換えベクター(プラスミドpDC303中のネズミCD27L cDNA)はE.coli細胞に形質転換され、これはアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに1992年8月18日に寄託され、寄託番号ATCC69052が割り当てられている。寄託はブダペスト条約のもとで行われた。
得られたクローンの配列解析から、193アミノ酸からなるタンパク質をコードし得る単一の長い読み枠を有する813塩基対の挿入配列が明らかとなった。アミノ末端の20アミノ酸に続いて、おそらく膜貫通アンカーとして機能している疎水性の18アミノ酸(アミノ酸21−38)が有った。このようにシグナル配列が欠落していること、中間に疎水性領域が存在すること、およびC末端領域に2カ所のN−結合グリコシル化され得る部位(アミノ酸Asn63およびAsn170)が存在することから、CD27Lは細胞外カルボキシ末端領域を有するタイプII膜貫通タンパク質であることが示唆された。
最初に単離されたcDNAクローンは、予想される開始コドン(SEQ ID NO:1のヌクレオチド114から開始している)より37ヌクレオチドしか上流部分を含まず、インフレームの終止コドンを含まなかった。さらに、この開始部位周辺の配列はKozak,Nucl.Acids.Res.12:857(1984)に記述された、そのような部位のコンセンサスに一致していなかった。そこで、上流に開始部位が無いことを確認するためのCD27L転写物の5'端のクローニングのため、”アンカーPCR"反応(Carrier et al.,Gene 116:173(1992)に記述されているのに準じて)を行った。これによって、もともと単離されたクローンの端に先だってさらに113ヌクレオチド(SEQ ID NO:1のヌクレオチド1−113)が同定された。さきに同定された開始部位の上流には開始部位は見いだされなかった。
ヒトCD27L cDNAを放射性標識し、交差種ハイブリダイゼーションによってその他の哺乳動物のCD27L cDNAを単離するプローブとして用いることが出来る。例えば、活性化されたネズミ末梢血液リンパ球から得られたcDNAライブラリーは、陽性クローンを単離するために放射性標識されたヒトcDNAによって検索され得る。
CD27/Fc融合タンパク質は実施例4で以下に記述されている検索方法に於て用いられているが、標識されたCD27はCD27Lタンパク質の発現に関してクローンおよび候補となる細胞系を検索するために利用され得る。CD27/Fc融合タンパク質は、しかしながら、簡単に精製される、という利点がある。さらに、ジスルフィド結合が、分離した二つの融合タンパク質鎖のFc領域間に形成され、2量体となる。検索されているリガンドが多量体である可能性がある、という観点から、2量体CD27/Fc受容体は、CD27リガンドの結合に高い親和性を有するという潜在的な利点があるため選択された。
さらに、検索法に於て、CD27/Fcの代わりにCD27を含むその他の適切な融合タンパク質を使用することができる。その他の融合タンパク質は、CD27のリガンド結合領域のDNA配列を、例えばアビジンまたはストレプトアビジン等の親和的に精製できるその他のポリペプチドをコードするDNA配列と融合させることで、作成可能である。得られた遺伝子構築物は融合タンパク質を発現させるために、哺乳動物細胞中に導入され得る。受容体/アビジン融合タンパク質はビオチン親和性クロマトグラフィーによって精製され得る。融合タンパク質は、高塩濃度溶液あるいはその他の適切な緩衝液でカラムから溶出することによってその後回収され得る。実施例1で記述されたヒトIgG1 Fc領域に代替して、他の抗体Fc領域を使用することもできる。他の適切なFc領域は、プロテインAあるいはプロテインGに高親和性で結合可能であるもので、ネズミIgG1あるいはヒトIgG1 Fc領域の断片、例えば、鎖間のジスルフィド結合が形成されるように少なくともヒンジ領域を含んでいる断片を含んでいる。
CD27LポリペプチドをコードするcDNAは実施例に開示した方法を用いて、他の哺乳動物種から単離可能である。例えば、実施例4に記述された直接的発現クローニング法において、放射性標識されたヒトCD27/Fc融合タンパク質の結合に関して検索されたヒトcDNAライブラリーの代わりに、ネズミのcDNAライブラリーを用いることができる。このように、その他の哺乳動物CD27Lタンパク質を発現するクローンを同定することができる。cDNAライブラリーが調製される細胞の型は実施例2で記述された2段階結合法、あるいはその他の適切な技法によって選択され得る。または、様々な細胞系から単離されたmRNAを、CD27L遺伝子のクローニングに用いるために適切な哺乳動物CD27L mRNAの供給源を決定するために、ノザンハイブリダイゼーションによって検索してもよい。
あるいは、ここで記述されたヒトCD27L cDNAを、よく知られた交差種ハイブリダイゼーション法を用いてその他の哺乳動物供給源から得られたcDNAをCD27L cDNAに関して検索するために、利用することが可能である。簡単に述べると、ネズミあるいはヒトのクローンのコード領域(望ましくは細胞外領域)のヌクレオチド配列に基づいたオリゴヌクレオチドプローブが標準的な方法で調製する。ネズミあるいはヒトのプローブは、哺乳動物のcDNAライブラリーあるいは遺伝子ライブラリーを一般的には穏やかな条件下で検索するのに用いられる。
本発明の一つの態様は、可溶性CD27Lポリペプチドを提供する。可溶性CD27Lポリペプチドは、天然CD27Lの細胞外領域の全てあるいは一部を含んでいるが、ポリペプチドが細胞膜上に保持される原因となるであろう膜貫通領域を欠落している。可溶性CD27Lは、従って発現に際して分泌される。この用いられ得る可溶性CD27LポリペプチドはCD27受容体に結合する能力を保持している。可溶性CD27Lはまた、膜貫通領域の一部または細胞内領域の一部あるいはその他の配列を、可溶性CD27Lタンパク質が分泌されるのであれば、含んでいてよい。
可溶性CD27Lは、望むタンパク質を発現している細胞を例えば遠心処理によって培地から分離し、培地(上清)における望むタンパク質の存在を分析することによって同定(そして、その非可溶性膜結合対応物と分離)可能である。培地は、以下の実施例中に記述されたのと類似した、あるいは同じ方法を用いて分析され得る。培地中におけるCD27Lの存在は、タンパク質が細胞から分泌されていることを示唆しており、従って、これが望むタンパク質の可溶性形態である。可溶性CD27Lはこのタンパク質の天然に存在する形態で有り得る。
可溶性形態のCD27Lの利用はある種の応用では利点となる。組換え宿主細胞からのタンパク質の調製は容易となる。なぜなら可溶性タンパク質は細胞から分泌されるからである。さらに、可溶性タンパク質は一般に静脈経由の投与により適している。
可溶性形態のCD27Lタンパク質は膜貫通領域及び細胞内領域を欠失させ、可溶性形態のタンパク質の分泌を可能にするために適切なシグナルペプチドを付加することによっても調製できる(Smith et al,Science 238:1704,1987;Treiger et al.,J.Immunol.136:4099,1986)。可溶性CD27Lポリペプチドは天然CD27Lタンパク質の細胞外領域全体あるいは一部分を含んでいるものを含む。可溶性ポリペプチドを含むトランケート型のCD27Lは、多数の慣用技術の任意のものによって調製可能である。組換えタンパク質の場合、望む断片をコードするDNA断片を発現ベクター中にサブクローニングできる。あるいは、望むDNA配列を既知の技術を用いて化学的に合成することもできる。また、クローニングされた全長のDNA配列を制限エンドヌクレアーゼ消化し、アガロースゲル電気泳動によって単離することでDNA断片を産生することも可能である。制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含むリンカーを、発現ベクター中に望むDNA断片を挿入する場合に導入することもでき、あるいは、断片を天然に存在している切断部位で消化してもよい。よく知られた複合連鎖反応もまた、望むタンパク質断片をコードするDNA断片を単離する場合に用いることが出来る。
別の方法では、特に望む末端を有する断片を得るために、DNA断片から末端のヌクレオチドを欠失させるのに酵素を用いた処理(例えばBal31エキソヌクレアーゼを用いて)を行うこともできる。商業的に入手可能なリンカーの中に、Bal31消化で生じた平滑末端に連結可能で、制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含むリンカーがある。あるいは、DNA断片のNあるいはC末端を望む位置まで再構築するオリゴヌクレオチドを合成することもできる。オリゴヌクレオチドは望むコード配列の上流に制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含み、そして、コード配列のN末端に開始コドンを位置させることができる。
可溶性CD27Lタンパク質は、また、2量体可溶性CD27L分子を作り出すために、膜タンパク質の細胞外領域が免疫グロブリン重鎖定常領域に結合した融合タンパク質として(Fanslow et al.,J.Immunol.149:65,1992;Noelle et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:6550,1992)、あるいはネズミTリンパ球抗原CD8の細胞外領域と融合させて(Hollenbaugh et al.,EMBO J.11:4313,1992)発現させることも可能である。
複合的可溶性CD27L分子もまたオリゴマー化され得る。CD27Lの複合的形態を生み出す望ましい方法は、ある種の天然のタンパク質中に保存されている領域に存在するようなアミノ酸の7つのモチーフの繰り返し構造であるロイシンジッパーを用いることである。ロイシンジッパーは、4から5のロイシン残基を含んでいるが、その間にはその他のアミノ酸が点在しており、それらは短い平行なコイルドコイルとして折り畳まれ、それらが融合したタンパク質のオリゴマー化を引き起こしている(O'Shea et al.,Science 254:539;1991)。平行コイルドコイルの一般的な構造はよく解析されており、1953年にCrick(Acta Crystallogr.6:689)によって提唱されたように"knobs−into−holes"様の収まり方をしている。ロイシンジッパーによって形成された2量体は、McLachlanとStewart(J.Mol.Biol.98:293;1975)の表記に従うと、(abcdefg)n[ここでaおよびdの残基は一般に疎水性残基で、dがロイシンで、ヘリックスの同じ面にならんでいる]で表わされる7回の繰り返しによって安定化されているが、負に荷電した残基が普通gおよびeの位置にくる。従って、二つのヘリックス状ロイシンジッパー領域によって形成された平行コイルドコイルでは、最初のらせんの疎水性側鎖で形成される"knob"が2番目のヘリックスの側鎖の間に形成された"holes"の中に折り畳まれている。
dの位置のロイシン残基は大きな疎水性安定化エネルギーに寄与しており、2量体形成に重要である(krystek et al.,Int.J.Peptide Res.38:229,1991)。Lovejoyらは最近、ヘリックスが”あがって−あがって−下がる”("up−up−down")3重鎖αらせん束の合成を報告した(Science 259:1288,1993)。彼らの研究は、らせん状の単量体がコイルドコイルを形成する際に疎水性安定化エネルギーが主な推進力となり、静電気的相互作用がコイルドコイルの化学量論と幾何学的に寄与していることを確証した。
fosおよびjunタンパク質から得られたロイシンジッパー配列はKostelny et al.,J.Immunol.148:1547,1992;O'Shea et al.,Science 245:646,1989;およびTurnerとTjian,Science 243:1689,1989によって記述されているように、2重特異的(bispecific)融合タンパク質の形成に用いられ得る。ロイシンジッパー領域は、また、酵母の転写因子GCN4およびラット肝臓中に見いだされた熱安定DNA結合タンパク質(C/EBP;Landschulz et al.,Science 243:1681,1989)中にも見いだされた。パラミクソウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルスおよび多くのレトロウイルスを含む、いくつかの異なったウイルスのフソジェニック(fusogenic)タンパク質もまた、ロイシンジッパーモチーフを有している(Buckland and Wild,Nature 338:547,1989,Britton,Nature 353:394,1991;Delwart and Mosialos,AIDS Research and Human Retroviruses 6:703,1990)。これらのフソジェニックウイルスタンパク質はタンパク質中のロイシンジッパー領域はタンパク質の膜貫通領域近傍にあり、そこでロイシンジッパーモチーフはフソジェニックタンパク質のオリゴマー構造に寄与している。
いくつかの研究によって、2量体化する能力の減少は最小に押さえたまま、個々のロイシン残基を保存されているアミノ酸で置換し得ることが示唆されている。van Heekerenらは、GCN4中のロイシンジッパー領域中のロイシン残基は数多くの異なったアミノ酸残基で置換可能であり、二つのロイシン置換を含むGCN4タンパク質のいくつかは弱い活性を有したことを報告した(Nucl.Acids Res.20:3721,1992)。GCN4ロイシンジッパー領域に相当する合成ペプチドのaおよびd残基のアミノ酸置換もまた、ロイシンジッパー領域のオリゴマー化を変化させる可能性がある(Alber,Sixth Symposium of the Protein Society,San Diego,CA)。aの位置の全ての残基をイソロイシンに変化させた場合、それでもロイシンジッパーは平行2量体を形成する。この変化に加えて、さらに、位置dの全てのロイシン残基をイソロイシンに変化させた場合は、生じたペプチドは自然に溶液中で3量体平行コイルドコイルを形成する。位置dの全てのアミノ酸をイソロイシンに置換し、位置aをロイシンに置換すると、4量体化するペプチドが生じる。
本発明では、組換えおよび非組換えの両方の精製されたCD27Lポリペプチドを提供する。望まれる生物学的活性を保持した天然CD27Lタンパク質の変異体及び誘導体もまた、本発明の範囲に含まれる。CD27L変異体は天然CD27Lポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に変異導入する事によって得ることができる。本明細書中のCD27L変異体とは、実質的に天然CD27Lと相同であるが、一つまたはそれ以上の欠失、挿入、あるいは置換によって、天然CD27L(ヒト、ネズミあるいはその他の哺乳動物種)とは異なったアミノ酸配列を有するものである。
変異アミノ酸配列は望ましくは少なくとも80%以上天然CD27Lアミノ酸配列と同一であり、少なくとも90%以上同一であることがさらに望ましい。同一性の百分率は、例えば、Devereuxら(Nucl.Acids Res.12:387,1984)によって記述され、ウイスコンシン大学遺伝学コンピューターグループ(UWGCG)から利用可能なGAPコンピュータープログラム バージョン6.0を用いて配列情報を比較することによって決定することができる。GAPプログラムはNeedlemanとWunsch(J.Mol.Biol.48:443,1970)の整列法で、SmithとWaterman(Adv.Appl.Math 2:482,1981)によって改正されたものを利用している。短く述べると、GAPプログラムは、整列された記号(すなわちヌクレオチドあるいはアミノ酸)で相同なものの数を、二つの配列のより短い方中にある全記号の数で割ったものを相同性として定義している。GAPプログラムの望ましいデフォルトパラメーターは(1)核酸に対しては単一要素からなる比較行列(相同な場合は1の値、非相同な場合は0の値を含む)、そしてSchwartzとDayhoff,eds.,Atlas of Protein Sequence and Structure,National Biomedical Research Foundation,pp.353−358,1979に記述されたGribskovとBurgess,Nucl.Acids Res.1 4:6745,1986の重みを付けた比較行列;(2)各ギャップについて3.0のペナルティーと各ギャップの各記号に対してさらに0.10のペナルティー;および(3)端のギャップにはペナルティー無し、を含んでいる。
天然アミノ酸配列の変更は数多くの既知の技術の任意のもので行うことが出来る。変異は、天然配列の断片に連結可能とさせるための制限部位に挟まれた変異配列を含むオリゴヌクレオチドを合成することで、特定の位置に導入可能である。連結の後、生じた再構成された配列は望むアミノ酸の挿入、置換または欠失を有する相同物(アナローグ)をコードしている。
あるいは、オリゴヌクレオチドによる部位特異的変異導入法を、必要とされる置換、欠失または挿入に従って変更された特定のコドンを有する変更された遺伝子を提供するために、用いることも可能である。上に示した変更を行う典型的な方法は、参考文献として本明細書中に組み入れられている、Walder et al.(Gene 42:133,1986);Bauer et al.(Gene 37:73,1985);Craik(BioTechniques,January 1985,12−19);Smith et al.(Genetic Engineering:Principles and Methods,Plenum Press,1981);およびU.S.Patent Nos.4,518,584および4,737,462,によって開示されている。
変異体は、与えられたアミノ酸残基が類似した物理化学的な性質を有する残基に置き換えられたことを意味する、保存された置換配列を含み得る。保存された置換の例は、Ile、Val、LeuあるいはAlaを互いに置換する等の、一つの脂肪酸残基をその他のものと置換したり、あるいはLysとArgを互いに;GluとAspを互いに;あるいはGlnとAsnを互いに置換する等の、一つの極性残基をその他のものと置換することを含んでいる。その他のそのような保存された置換、例えば類似した疎水性特性を有する全領域の置換はよく知られている。
CD27Lはまた、グリコシル基、脂肪、燐酸、アセチル基、および同様の化学的モエティと共有結合あるいは凝集による結合を形成することによって、CD27L誘導体を生じるように修飾され得る。CD27Lの共有誘導体は、化学的モエティをCD27Lアミノ酸鎖の官能基に、あるいはCD27LポリペプチドのN末端もしくはC末端に、もしくはその細胞外領域に結合させることによって調製できる。本発明の範囲に含まれるその他のCD27L誘導体は、N末端あるいはC末端融合として組換え培養で合成することによるような、CD27Lもしくはその断片と、その他のタンパク質またはポリペプチドとの共有あるいは凝集による複合体を含んでいる。例えば複合体はCD27LポリペプチドのN末端のシグナルあるいはリーダーポリペプチド配列(たとえばサッカロマイセスのαファクターリーダー)を含んでいる。シグナルあるいはリーダーペプチドは転写と同時に、あるいは転写後に複合体を合成の場所から、細胞膜あるいは細胞壁の内側あるいは外側の部位まで転送させる。CD27Lポリペプチド融合体はCD27Lの精製と同定を促進するように付加されたペプチドを含み得る。そのようなペプチドは、例えば、ポリHisあるいは米国特許No.5,011,912およびHopp et al.,Bio/Technology 6:1204,1988に記述されている免疫原性同定ペプチドを含んでいる。そのようなペプチドの一つがFLAG(登録商標)ペプチドAsp−Tyr−Lys−Asp−Asp−Asp−Asp−Lys(DYKDDDDK)で、これは非常に免疫原性が強く、特定のモノクローナル抗体が可逆的に結合するエピトープを提供し、迅速な分析と発現した組換えタンパク質の容易な精製を行うことを可能にする。この配列はまた、Asp−Lys対の直後の残基でウシ ムコサルエンテロキナーゼによって特異的に切断される。このペプチドでキャップされた融合タンパク質は、また、E.coli内で細胞内消化に耐性となり得る。4E11と指定されたネズミハイブリドーマは、ある種の2価金属カチオンの存在下でペプチドDYKDDDDKに結合するモノクローナル抗体を産生し(米国特許5,011,912に記述)、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションにアクセス番号HB9259で寄託されている。
本発明はさらに、天然型グリコシル化を受けた、あるいは受けないCD27Lポリペプチドを含んでいる。酵母あるいは哺乳動物発現系(例えばCOS−7細胞)で発現されたCD27Lは、発現系の選択に依存して天然CD27Lポリペプチドと類似した、あるいは非常に異なった分子量およびグリコシル化パターンを示しうる。E.coliのような細菌の発現系でのCD27Lの発現は、非グリコシル化された分子を提供する。
アミノ酸残基あるいは配列における様々な付加や置換、あるいは生物学的活性や結合に不用な末端あるいは内部の残基あるいは配列の欠失をコードしたDNA構築物も調製可能である。例えば、CD27L細胞外領域中のNグリコシル化部位はグリコシル化されないように修飾でき、そして酵母の発現系を用いて均質な炭水化物の少ない相同物を発現させることができる。真核細胞性ペプチドのNグリコシル化部位は、3重のアミノ酸Asn−X−Yで特徴付けられるが、ここでXはPro以外の任意のアミノ酸であり、YはSerあるいはThrである。この3重アミノ酸をコードするヌクレオチド配列に対する適切な修飾は、Asn側鎖への炭水化物残基の付加を防ぐ置換、付加あるいは欠失を引き起こす。タンパク質中のNグリコシル化部位を不活化する既知の方法は米国特許5,071,972およびEP276,846中に記述されているものを含んでいる。その他の例では、生物学的活性に重要ではないCys残基をコードする配列を、再生の際に分子内で誤ったジスルフィド架橋が形成されるのを防ぐために、Cys残基が欠失するように、あるいはその他のアミノ酸と置き変わるように変化させることが可能である。その他の変異体は、KEX2プロテアーゼ活性が存在する酵母の系で発現を増強するために、隣接した塩基性アミノ酸を修飾することによって提供される。EP212,914はタンパク質中のKEX2プロテアーゼ切断部位を不活化するための部位特異的変異導入の利用を開示している。
天然に存在するCD27L変異体もまた、本発明に含まれる。そのような変異体の例は、mRNAの異なるスプライシング(CD27Lは多エクソン遺伝子にコードされているので)や、CD27Lタンパク質のタンパク質分解の結果生じたもので、CD27−結合性はそれらのタンパク質では保持されている。mRNAの異なるスプライシングからは、例えば天然に存在する可溶形のタンパク質等の、切断された(truncated)、生物学的に活性のあるCD27Lタンパク質が生じ得る。タンパク質分解に起因する変異体は、例えば、CD27Lタンパク質から一つまたはそれ以上の末端アミノ酸のタンパク質分解による除去によって、異なる型の宿主細胞における発現の際のNあるいはC末端での相違を含んでいる。
本発明の範囲にある核酸配列は、温和な、あるいは厳しい条件下でここに開示されたCD27Lヌクレオチド配列とハイブリダイズする単離されたDNAあるいはRNA配列を含んでいる。温和なハイブリダイゼーション条件とは、例えばSambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2ed.Vol.1,pp.1.101−104,Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1989)に記述された条件を意味している。Sambrookらによって定義された温和な条件は、5 X SSC,0.5%SDS,1.0mM EDTA(pH8.0)をプレウオッシング溶液として用い、約55℃ 5X SSCの条件で一晩ハイブリダイゼーション行うことを含んでいる。厳しい条件はハイブリダイゼーションと洗浄のより高い温度を含んでいる。当業者は温度と洗浄溶液の塩濃度が必要に応じてプローブの長さ等の因子に従って、調製され得ることを認識するであろう。
本発明では、このように、(a)天然哺乳動物CD27L遺伝子のコード領域から得られたDNA(例えば実施例4で記述されたように単離されたネズミあるいはヒトCD27LcDNA);(b)(a)のDNAに温和な条件下でハイブリダイズする事が可能で、生物学的に活性のあるCD27LをコードしているDNA;および(c)(a)あるいは(b)で定義されたDNAに対する遺伝コードの結果縮重しているDNAで、生物学的に活性のあるCD27Lをコードするもの、から選択された、生物学的に活性のあるCD27Lをコードする単離されたDNA配列を提供する。
必要とされるCD27に結合する能力を有する変異体は任意の適切な分析によって同定可能である。CD27Lの生物学的活性は、例えば、CD27のリガンド結合領域に対する結合への競合によって決定され得る(すなわち、競合結合分析)。
CD27Lポリペプチドについての競合結合分析の1つの方法は、放射性標識された可溶性ヒトあるいはネズミCD27Lおよび細胞表面CD27を発現している無傷の細胞(例えば実施例2で記述したMP−1等の細胞系)を用いる。無傷の細胞の代わりに、融合タンパク質のFc領域で相互作用することによりプロテインAあるいはGを通じて固相に結合された可溶性CD27(CD27/Fc融合タンパク質等)で代用することも出来る。その他の競合結合分析はCD27/Fc融合タンパク質等の放射性標識された可溶性CD27と、CD27Lを発現している無傷の細胞を利用する。あるいは可溶性CD27Lが固相に結合され得る。
競合結合分析は標準的な手法を用いて行うことができる。例えば、放射性標識されたネズミCD27Lは、推定上のCD27L相同物と競合するために用いられ、この相同物の、表面に結合したCD27に対する結合活性の分析が行われる。定性的な結果は、競合オートラジオグラフプレート結合分析で得ることが可能で、スキャチャードプロットは定量的な結果を得るために利用され得る。
CD27を発現している無傷の細胞を用いた競合結合分析は二つの方法で行うことができる。最初の方法では、細胞表面CD27を発現している細胞を懸濁状態で、あるいは組織培養プレートに付着させて培養する。付着した細胞は37℃で5mM EDTAで10分間処理することによって除去可能である。二つ目の方法では、膜結合CD27を発現しているトランスフェクトされたCOS細胞が利用可能である。COS細胞あるいはCV−1/EBNA−1等のその他の哺乳動物細胞は、細胞外領域を含む全長のCD27を発現する適切なベクター中のヒトCD27cDNAによってトランスフェクトされ得る。
または、可溶性CD27を、125I等の検出可能なモエティの存在の分析に適切なカラムクロマトグラフィー担体あるいは類似した基質等の固相に結合させることもできる。固相への結合は、例えばCD27/Fc融合タンパク質を得て、プロテインAあるいはプロテインGを含む担体に結合させることによって行うことができる。
CD27L(変異体を含む)の結合特性は、複合体になった可溶性CD27(例えば125I−CD27/Fc)を上述したのと類似の競合分析で用いることによって決定可能である。この場合、しかしながら、CD27Lを発現している無傷の細胞あるいは固体基質に結合している可溶性CD27Lを、推定上のCD27変異体を含むサンプルがどの程度、複合体の可溶性CD27のCD27Lへの結合を競合するかを測定するために用いる。
本発明のCD27LはCD27を発現している細胞を検出する結合分析でも利用可能である。例えば、CD27Lあるいは細胞外領域あるいはそれらの断片は、125I等の検出可能なモエティと結合させることが可能である。125Iでの放射性標識は、高い特異的活性で標識された機能的な125I−CD27L分子が得られる、任意のいくつかの標準的な方法論によって行うことが出来る。あるいは、発色反応あるいは蛍光発色反応を触媒し得る酵素、ビオチン、アビジン等のその他の検出可能なモエティも利用可能である。CD27L発現を検査される細胞は複合体となったCD27Lと接触され得る。培養の後、結合しなかった複合体CD27Lが除去され、結合は検出可能なモエティを用いて測定される。
CD27Lポリペプチドは2量体あるいは3量体等のオリゴマーとして存在する。オリゴマーは異なったCD27Lポリペプチド上のシステイン残基間に形成されたジスルフィド結合によって連結されている。本発明の一つの態様では、CD27L 2量体は、CD27のリガンド結合領域に対するCD27Lの結合を阻害することなく、CD27Lを抗体(IgG1)のFc領域に融合させることによって、作り出せる。Fcポリペプチドは望ましくは可溶性CD27L(細胞内領域のみを含む)のN末端に融合される。融合タンパク質の調製に用いるためのIgG1 Fcタンパク質をコードするDNAを単離する方法は、以下の実施例1に示されている。CD27L/Fc融合タンパク質をコードする融合遺伝子は適切な発現ベクター中に挿入される。CD27L/Fc融合タンパク質は、Fcポリペプチド間に鎖間ジスルフィド結合が形成される抗体分子に非常に類似して集合するようにされ、2量体CD27Lが得られる。融合タンパク質が抗体の重鎖および軽鎖の両方で作製されている場合は、4つのCD27L細胞外領域でオリゴマーを形成することが可能である。あるいは二つの可溶性CD27L領域を、米国特許5,073,627に記述されているGly4SerGly5Serリンカー配列等のペプチドリンカーによって連結することもできる。
本発明は、ジスルフィド相互作用あるいはスペーサーアミノ酸連結基の存在あるいは非存在状態で融合重合体として発現されたCD27L細胞外領域またはそれらの断片のオリゴマーを提供する。例えば、2量体CD27L分子はIgG Fc領域連結基によって連結され得る。
本発明はCD27Lの発現のための組換え発現ベクターと発現ベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。任意の適切な発現系が用いられる。ベクターは、哺乳動物、微生物、ウイルスあるいは昆虫遺伝子から得られる、適切な転写あるいは翻訳制御核酸配列に操作可能に連結されたCD27L DNA配列(CD27Lポリペプチドをコードする合成あるいはcDNA由来のDNA)を含んでいる。制御配列の例は、転写プロモーター、オペレーター、あるいはエンハンサー、mRNAリボソーム結合部位、および転写と翻訳の開始と終止を制御する適切な配列を含んでいる。核酸配列は、制御配列がCD27L DNA配列に機能的に関している場合に操作可能に連結される。従って、プロモーター核酸配列は、プロモーター核酸配列がCD27L DNA配列の転写を制御する場合には、CD27L DNA配列に操作可能に連結される。通常複製開始点によって与えられる、望む宿主細胞内で複製する能力および、形質転換体を同定する際に用いられる選択遺伝子を、さらに発現ベクター中に取り込んでもよい。
さらに、CD27L遺伝子には本来備わっていない、適切なシグナルペプチドをコードする配列も発現ベクター中に取り入れることが可能である。例えば、シグナルペプチドのDNA配列(分泌リーダー)は、CD27Lが最初にシグナルペプチドを含む融合タンパク質として翻訳されるように、CD27L配列にフレームを合わせて融合され得る。用いる宿主細胞中で機能するシグナルペプチドはCD27Lポリペプチドの細胞外への分泌を促進する。シグナルペプチドは細胞からCD27Lが分泌する際に、CD27Lポリペプチドから切断される。
CD27Lポリペプチドの発現に適切な宿主細胞は、原核細胞、酵母あるいは高等真核細胞を含んでいる。細菌、かび、酵母および哺乳動物細胞宿主で用いるのに適切なクローニングおよび発現ベクターは例えばPouwels et al.Cloning Vectors:A Laboratory Manual,Elsevier,New York,(1985)に記述されている。無細胞翻訳系もまた、本明細書で開示されたDNA構築物から得られるRNAを用いて、CD27Lポリペプチドを産生するために用いることが可能である。
原核生物はグラム陰性あるいはグラム陽性生物、例えばE.coli,あるいはBacilliを含んでいる。形質転換に適切な原核宿主細胞は、例えば、E.coli,Bacillus subtilis,Salmonella typhimurium、およびPseudomonas,Streptomyces,およびStaphylococcus属に含まれるその他の様々な種を含む。E.coli等の原核宿主細胞では、原核宿主細胞中で組換えポリペプチド野産生を促進するために、CD27LポリペプチドはN末端のメチオニン残基を含む。N末端のMetは発現された組換えCD27Lポリペプチドからは切断される。
原核宿主細胞で用いられる発現ベクターは一般に一つまたはそれ以上の選択可能な表現型マーカー遺伝子を含んでいる。表現型選択可能マーカー遺伝子は例えば、抗生物質耐性を与えたり、栄養要求性を供給するタンパク質をコードする遺伝子である。原核宿主細胞の有用な発現ベクターの例は、クローニングベクターpBR322(ATCC37017)等の商業的に利用可能なプラスミドの誘導体を含んでいる。pBR322はアンピシリンおよびテトラサイクリン耐性の遺伝子を含んでおり、従って、形質転換された細胞の同定を簡便に行うことができる。適切なプロモーターとCD27L DNA配列がpBR322ベクター中に挿入される。その他の商業的に利用可能なベクターは、例えば、pKK223−2(Pharmacia Fine Chemicals、Uppsala,Sweden)およびpGEM1(Promega Biotec,Madison、WI、USA)を含む。
一般に組換え原核宿主細胞発現ベクターに用いられるプロモーター配列はβ−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Chang et al.,Nature 275;615,1978;and Goeddel et al.,Nature 281:544,1979)、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel et al.,Nucl.Acids Res.8:4057,1980;and EP−A−36776)およびtacプロモーター(Maniatis,Molecular Cloning A:Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,p.412,1982)を含む。とりわけ有用な原核宿主細胞発現系はファージλPLプロモーターおよびcI857ts温度変化リプレッサー配列を利用している。λPLプロモーターの誘導体を組み入れているアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション由来の利用可能なプラスミドベクターは、プラスミドpHUB2(E.coli株JMB9(ATCC37092)中に存在)およびpPLc28(E.coli株RR1(ATCC53082)中に存在)を含む。
CD27Lは、あるいは、望ましくはSaccharomyces属(例えばS.cerevisiae)由来の酵母宿主細胞中で発現される。PichiaあるいはKluyveromyces等のその他の酵母の属もまた、用いられる。酵母のベクターは、しばしば、2μ酵母プラスミド由来の複製開始点、自律的複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化のための配列、転写終結のための配列、および選択可能なマーカー遺伝子を含んでいる。酵母ベクターに適切なプロモーター配列は、その他のものに混じって、メタロチオネインのプロモーター、3−フォスフォグリセレートキナーゼ(Hitzeman et al.,J.Biol.Chem.255:2073,1980)あるいはエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−フォスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、フォスフォフルクトキナーゼ、グルコース−6−フォスフェートイソメラーゼ、3−フォスフォグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリセフォスフェートイソメラーゼ、フォスフォグルコースイソメラーゼおよびグルコキナーゼ等のその他の解糖系酵素(Hess et al.,J.Adv.Enzyme Reg.7:149,1968;およびHolland et al.,Biochem.17:4900,1978)のプロモーターを含んでいる。その他の酵母発現で用いるのに適切なベクターとプロモーターはさらにHitzeman、EPA−73,657に記述されている。その他の代替物は、Russellら(J.Biol.Chem.258:2674,1982)およびBeierら(Nature 300:724,1882)によって記述された、グルコース抑制可能なADH2プロモーターである。酵母においてもE.coliにおいても複製可能なシャトルベクターは、上述した酵母ベクター中に、pBR322由来の配列を、E.coli内での選択と複製のため(Ampr遺伝子および複製開始点)に導入することによって構築される。
酵母α−ファクターリーダー配列はCD27Lポリペプチドの直接的な分泌のために用いられる。α−ファクターリーダー配列は、プロモーター配列と構造遺伝子配列の間にしばしば挿入される。例えばKurjan et al.,Cell 3 0:933,1982およびBitter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5330,1984参照。酵母宿主からの組換えポリペプチドの分泌を促進するのに適切なその他のリーダー配列は、当業者に知られている。リーダー配列はその3'端近傍にひとつあるいはそれ以上の制限部位を含むように修飾され得る。これはリーダー配列が構造遺伝子に融合することを促進する。
酵母の形質転換法は当業者に知られている。そのような方法の一つがHinnen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1929,1978に記述されている。Hinnenらの方法は選択培地でTrp+の形質転換体を選択するが、ここでの選択培地は、0.67%イースト窒素ベース(yeast nitrogen base),0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10μg/mlアデニンおよび20μg/mlウラシルで構成されている。
ADH2プロモーター配列を含むベクターで形質転換された酵母宿主細胞は、発現誘導するために”栄養”培地で増殖する。栄養培地の例は、80μg/mlのアデニンと80μg/mlのウラシルが添加された1%イーストエキストラクト(yeast extract)、2%ペプトン(peptone)および1%グルコースからなるものである。ADH2プロモーターの脱抑制は、グルコースが培地中に増大した場合に起こる。
哺乳動物あるいは昆虫宿主細胞培養系もまた、組換えCD27Lポリペプチドの発現に用いることが出来る。昆虫細胞内でヘテロナタンパク質を産生するためのバキュロウイルス系はLuckowとSummers,Bio/Technology 6:47(1988)によって総説で扱われている。哺乳動物由来の確立した細胞系もまた、用いられる。適切な哺乳動物宿主細胞系の例は、サル腎臓細胞のCOS−7系(ATCC CRL 1651)(Gluzman et al.,Cell 23:175,1981)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、およびBHK(ATCC CRL 10)細胞系、およびMcMahanら(EMBO J.10:2821,1991)に記述されている、アフリカ ミドリザル腎臓細胞系CV I(ATCC CCL 70)由来のCV−1/EBNA−1細胞系を含んでいる。
哺乳動物宿主細胞発現ベクター用の転写及び翻訳制御配列はウイルスゲノムから切り出すことができる。一般に用いられているプロモーター配列とエンハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV40)、およびヒト サイトメガロウイルスに由来している。SV40ウイルスゲノムに由来するDNA配列、例えばSV40オリジン、初期及び後期プロモーター、エンハンサー、スプライスおよびポリアデニル化部位は、哺乳動物宿主細胞内で構造遺伝子を発現させるためのその他の遺伝的因子を提供するのに用いられる。ウイルスの初期及び後期プロモーターは、どちらもウイルスゲノムから、ウイルスの複製開始点をも含む断片として容易に得ることが出来るために、とりわけ有用である(Fiers et al.,Nature 273:113,1978)。短いあるいは長いSV40断片もまた、SV40ウイルス複製開始部位中にあるHind III部位からBgl I部位までにわたる約250塩基対の配列が含まれているのであれば、用いられる。
哺乳動物宿主細胞で用いられる典型的な発現ベクターはOkayamaおよびBerg(Mol.Cell.Biol.3:280,1983)によって開示されたように構築可能である。C127ネズミ乳腺上皮細胞において哺乳動物cDNAを安定して高い水準で発現させる有用な系は、実質的にCosman et al.(Mol.Immunol.23:935,1986)によって記述されたように構築することができる。Cosman et al.,Nature 312:768,1984によって記述された有用な高発現ベクターPMLSV N1/N4は、ATCC39890として寄託されている。更なる有用な哺乳動物発現ベクターは、EP−A−0367566および、1991年5月16日に出願された米国特許シリアル番号07/701,415に記述されており、本明細書中に参考文献として取り込まれている。ベクターはレトロウイルス由来でもよい。天然のシグナル配列を欠落しているタイプIIタンパク質の発現には、、米国特許4,965,195に記述されているインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列、あるいは1984年7月2日に出願された米国特許出願06/626,667に記述されたインターロイキン−2受容体のシグナル配列等の、ヘテロなシグナル配列の付加が可能である。
本発明では、上述した組換え発現系によって、あるいは天然に存在する細胞からの精製によって、産生された実質的に均質なCD27Lタンパク質を提供する。CD27Lは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)による解析で単一のバンドになることで示唆されるように、実質的に均質に精製される。
本発明の一つの態様では、CD27Lは任意の適切なタンパク質精製技術によって単一の細胞供給源から精製される。細胞は、例えば、実施例2あるいは3で記述されたネズミ細胞系7B9あるいは誘導されたヒト上皮血液T細胞等の興味のある哺乳動物種から得られた活性化されたTリンパ球である。
CD27Lタンパク質を産生する別の方法は、CD27LをコードするDNA配列を含む発現ベクターで形質転換した宿主細胞をCD27Lが発現される条件下で培養することを含んでいる。CD27Lタンパク質は、それから、用いられている発現系に依存して、培地あるいは細胞抽出物から回収される。当業者が認識しているように、組換えCD27Lを精製する方法は、用いられている宿主細胞の型、CD30Lが培地中に分泌されているかどうか、等の因子に依存して変化する。
例えば、組換えタンパク質を分泌する発現系を用いた場合は、例えば、アミコンあるいはミリポアペリコン限外濾過ユニット等の商業的に利用可能なタンパク質濃縮フィルターを用いて、まず、培地が濃縮される。濃縮段階に続いて、濃縮物はゲル濾過等の精製担体で精製される。あるいは陰イオン交換樹脂、例えばジエチルアミノエチル(DEAE)基を付属している担体あるいは基質を用いることもできる。担体は、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロースあるいは通常タンパク質の精製に用いられているその他の型のものを用いることが出来る。あるいは、陽イオン交換段階を行うことも出来る。適切な陽イオン交換物は、スルフォプロピルあるいはカルボキシメチル基からなる様々な不溶性担体を含んでいる。スルフォプロピル基が望ましい。最後に、さらにCD27Lを精製するために、疎水性RP−HPLC試薬(例えば遊離の(pedent)メチルあるいはその他の脂肪族基が付属したシリカゲル)を用いた、一つまたはそれ以上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)段階を行うことが出来る。実質的に均質な組換えタンパク質を提供するために、上述の精製段階のいくつかあるいは全てが、いろいろな組合せで、採用され得る。
発現されたCD27Lポリペプチドを親和性精製するために、CD27のリガンド結合領域を含むアフィニティーカラムを利用することもできる。CD27Lポリペプチドは高塩濃度溶出緩衝液でアフィニティーカラムから除去することが可能で、その後、使用のために低塩濃度緩衝液中で透析される。あるいは、アフィニティーカラムはCD27Lに結合する抗体を含んでいてもよい。実施例5は本発明のCD27Lタンパク質を、抗CD27Lモノクローナル抗体の産生に用いる方法を記述している。
細菌培養によって産生された組換えタンパク質は、通常、まず、宿主細胞をつぶし、遠心処理し、もし、不溶性ポリペプチドの場合は細胞沈澱物から抽出し、可溶性ポリペプチドの場合は上清液体から抽出し、続いて一回またはそれ以上濃縮処理し、塩を除き、イオン交換、アフィニティー精製、あるいはサイズ分画クロマトグラフィー処理をおこなう。最後にRP−HPLCが、最終精製段階として用いられる。細菌は、凍結融解法、超音波処理、機械的破砕、あるいは細胞溶解剤の利用を含む、任意の従来の方法で破砕される。
形質転換された酵母の宿主細胞は、CD27Lを分泌ポリペプチドとして発現する場合に用いるのが望ましい。酵母の宿主細胞発酵物から分泌された組換えポリペプチドはUrdal et al.(J.Chromatog.296:171,1984)によって開示された方法に類似の方法で精製され得る。Urdalらは組換えヒトIL−2の精製のために、精製用HPLCカラムで2回の連続した逆相HPLCを行うことを記述している。
本発明はさらに、標的CD27L mRNA(センス)あるいはCD27L DNA(アンチセンス)配列に結合できる1本鎖核酸配列(RNAあるいはDNAのいずれか)を含む、アンチセンスあるいはセンスオリゴヌクレオチドを提供する。アンチセンスあるいはセンスオリゴヌクレオチドは、本発明に従って、CD27L cDNAコード領域の断片を含んでいる。そのような断片は一般に少なくとも約14ヌクレオチド、望ましくは約14から30ヌクレオチドを含んでいる。与えられたタンパク質のcDNA配列に基づいたアンチセンスあるいはセンスオリゴヌクレオチドを産生する方法は、例えば、SteinおよびCohen,Cancer Res.48:2659,1988およびvan der Krol et al.,BioTechniques 6:958,1988に記述されている。
アンチセンスあるいはセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合は、2重鎖を形成し、2重鎖の消化の促進、転写あるいは翻訳の未成熟な終結、あるいはその他の方法を含む、一つあるいはいくつかの方法によって、翻訳(RNA)あるいは転写(DNA)を阻害する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、従って、CD27Lタンパク質の発現を阻害するために用ることができる。アンチセンスあるいはセンスオリゴヌクレオチドは、さらに、修飾された糖−フォスフォジエステル骨格(あるいはWO91/06629に記述されているようなその他の糖結合)で、その場合糖結合が内在性ヌクレアーゼ耐性になるような骨格を有するオリゴヌクレオチドを含む。そのような耐性糖結合を有するオリゴヌクレオチドは生体内(in vivo)で安定であるが、標的核酸配列への結合できるに配列特異性を保持している。センスあるいはアンチセンスオリゴヌクレオチドのその他の例は、WO90/10448に記述されているような有機モエティ、あるいはポリ−(L−リジン)のような標的核酸配列への親和性を高めるその他のモエティに共有結合したものを含む。さらに、エリプチシン等の挿入試薬(インターカレーティング試薬)、アルキル化剤、あるいは金属錯体が、標的核酸配列に対するアンチセンスあるいはセンスオリゴヌクレオチドの結合特性を変化させるために、センスあるいはアンチセンスオリゴヌクレオチドに付加され得る。アンチセンスあるいはセンスオリゴヌクレオチドは、例えばCaPO4によるDNAトランスフェクション、電気的穿孔法、あるいはエプシュタインバールウイルス等のその他の遺伝子転移ベクターを含む、任意の遺伝子転移法によって標的核酸配列を含む細胞へ導入される。アンチセンスあるいはセンスオリゴヌクレオチドは、適切なレトロウイルスベクター中にアンチセンスあるいはセンスオリゴヌクレオチドを挿入し、in vivoあるいはex vivoで挿入配列を含むレトロウイルスベクターと細胞に接触させて、標的核酸配列を含む細胞に導入することが望ましい。適切なレトロウイルスベクターは、ネズミレトロウイルスM−MuLV,N2(M−MuLV由来のレトロウイルス)、あるいはDCT5A,DCT5B、およびDCT5Cと呼ばれる2重コピーベクター(PCT出願US90/02656参照)を含むが、これらに限定されない。あるいは、その他のプロモーター配列がオリゴヌクレオチドの発現に用いられ得る。
センスあるいはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、また、WO91/04753で記述されたように、リガンド結合分子と複合体を形成することによって標的核酸配列を含む細胞内に導入され得る。適切なリガンド結合分子は、細胞表面受容体、成長因子、その他のサイトカイン、あるいはその他の細胞表面受容体に結合するリガンドを含むが、これらに限定されない。リガンド結合分子との複合体形成が、リガンド結合分子の対応する分子あるいは受容体への結合能を実質的に阻害せず、センスあるいはアンチセンスオリゴヌクレオチドあるいはその複合体が細胞内に進入するのを阻害しないことが望ましい。
あるいは、センスあるいはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列を有する細胞中に、WO90/10448で記述されているように、オリゴヌクレオチド−脂肪複合体を形成することによって導入され得る。センスあるいはアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂肪複合体は内在性リパーゼで細胞内で解離されることが望ましい。
以下に示す実施例は特定の態様を説明するために提供されており、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例
可溶性CD27/Fc融合タンパク質の調製
この実施例はCD27リガンド(CD27L)をコードするcDNAクローンを検出する際に用いるための可溶性CD27/Fc融合タンパク質を発現するCD27/Fcをコードするベクターの構築を記述する。ヒト受容体CD27の細胞外領域(リガンド結合領域)をコードするcDNA断片は、複製連鎖反応(PCR)技術によって得られたが、これはCamerini et al.,J.Immunol.147:3165,1991によって公表されている配列に基づいている。
PCR反応で鋳型として用いられたCD27 cDNAはD.Cameriniから得たもので、PCR反応で鋳型として用いた。PCR反応で用いられた5'プライマーは以下の配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチド(27mer)である:
このプライマーは、Cameriniらによって出版されたCD27配列の、ヌクレオチド83−103を含む配列の上流の制限エンドヌクレアーゼNot Iの認識部位(下線で示した)からN末端メチオニン(翻訳開始コドンATGでコードされる)までを含んでいる。
PCR反応に用いた3'プライマーは一本鎖オリゴヌクレオチド(39mer)で、以下の配列:
を有する。
このプライマーはCameriniらによって公表されたCD27配列のヌクレオチド629−652(アミノ酸157−164をコードしている)に相補的な配列(太字)を含んでいる。このプライマーはCD27の細胞外領域の最後の7アミノ酸を消失させるように設計された。CD27配列に続く配列CTCGGCはGluおよびProのコドンに相補的である。GluおよびProは、以下に記述するようにCD27断片のC末端に融合された抗体のFc断片の最初の2つのアミノ酸である。このプライマーはまた、Fcをコードする遺伝子の残りの部分をコードするDNAとの連結に用いるために、制限エンドヌクレアーゼBgl IIの認識部位(下線で示した)を下流に位置させている。
PCR反応は、Sarki et al.,Science 239:487(1988);Recombinant DNA Methodology,Wu et al.,eds.,Academic Press Inc.,San Diego(1989),pp.189−196;およびPCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Innis et al.,eds.,Academic Press,Inc.(1990)に記述されている様な、任意の適切な方法で行い得る。適切なPCRの方法の例は以下のようである。全ての温度は摂氏である。以下に示すPCR反応試薬を0.5mlエッペンドルフマイクロ遠心管に加える:10μlの10X PCR緩衝液(500mM KCl、100mM Tris−HCl、25℃でpH8.3、25mM MgCl2、および1mg/mlのゼラチン)(Perkins−Elmer Cetus、Norwalk、CN)、8μlの各dNTP(2mM dATP,2mM dCTP,2mM dGTP,および2mM dTTP)を含む2.5mM溶液、2.5ユニット(0.5μlの標準5000ユニット/ml溶液)のTaqDNAポリメラーゼ(Perkins−Elmer Cetus)、1ngの鋳型DNA,100ピコモルの各オリゴヌクレオチドプライマー、及び、最終体積が100μlになるように水を加える。最終的な混合物に、それから、100μlのパラフィンオイルを上層する。PCRはDNAサーマルサイクラー(Ericomp,San Diego、CA)を用いておこなう。
望ましい方法では、鋳型は94℃で5分間変性され、続いて94℃1分間(変性)、50℃1分間(アニーリング)、および72℃1分間(伸長)を5サイクル行う;続いて94℃1分間、60℃1分間、72℃1分間を30サイクル行って、最後のサイクルに続き、72℃で7分間最終伸長を行った。このPCR反応産物の一部をとって、同じ条件で2回目のPCR反応を行って再増幅した。
このPCR反応によって増幅された望むDNA断片は、CD27細胞外領域(但しCysアミノ酸を除くために最後の7アミノ酸は欠失している)をコードする配列の上流にNot I部位を含み、下流にBgl II部位を含んでいた。PCR反応産物はNot IとBgl IIで消化され、望む断片はゲル電気泳動によって精製された。Cysアミノ酸の除去は以下に示すCD27/Fc融合タンパク質の発現の促進に必要であった。
抗体Fc断片をコードするDNA断片はCD27をコードするDNA断片と融合するために、以下のようにして調製された。ヒトIgG1抗体のFc領域から得られた一本鎖ポリペプチドをコードするDNAは、Stratagene Cloning Systems,La Jolla,Californiaから商業的に入手できるpBLUESCRIPT SK(登録商標)ベクターのSpe I部位にクローニングされた。このプラスミドベクターはE.coli中で複製可能で、21の独特の制限部位を含むポリリンカー部分を含んでいる。単一のBgl II部位は挿入されたFcコード配列の5'端近傍に導入された。
DNAにコードされるFcポリペプチドは、N末端ヒンジ領域から天然のC末端まで、すなわち、本質的に全長の抗体Fc領域である。Fc領域の断片、例えばC末端で切断されたもの、もまた、用いられ得る。断片は、二つの分離したCD27/Fc融合タンパク質のFcポリペプチド部分の間に鎖間ジスルフィド結合を形成させ、上述したように2量体とするために、複数のシステイン残基(少なくともヒンジ領域には複数のシステイン残基)を含むことが望ましい。
Fc配列を含む組換えベクターはBgl II(5'端のみ切断する)およびNot I(Fc DNA挿入断片の下流のマルチクローニンブ部位でベクターを切断する)で消化される。Fcをコードする断片(約720塩基対の長さ)はLMTアガロースゲルを用いた従来の方法で単離された。
上述のように調製されたNot I/Bgl II CD27コードDNA断片およびBgl II/Not I FcコードDNA断片はpDC406と呼ばれる発現ベクターに以下のように連結された。プラスミドpDC406は、McMahan et al.(EMBO J.10:2821,1991)によって記述され、哺乳動物細胞で用いられる発現ベクターであるが、E.coli細胞内でも複製可能である。
pDC406はSV40、エプシュタインバールウイルス、およびpBR322由来の複製開始点を含み、Dower et al.,J.Immunol.142:4314(1989)によって記述されたHAV−EOの誘導体である。pDC406は、HAV−EO中のアデノウイルス2 3部系リーダー配列(tripartite leader sequence)中に存在するイントロンが欠落している点で、HAV−EOと異なっている。pDC406は、Not Iで切断されたが、これはプラスミドのマルチクローニング部位中でSal I部位のすぐ3'側を切断し、次に、セルフライゲーションを防ぐためにウシ腸アルカリフォスファターゼ(CIAP)で処理された。
ベウター,Fc、およびCD27DNA断片を合わせるために3方向ライゲーションが従来の条件で行われ、E.coli細胞はライゲーション混合物で形失転換された。E.coli細胞から回収された望む大きさのプラスミドはCD27/Fc遺伝子融合挿入配列を含んでいたが、発現のためには向きがあっていなかった。CD27/Fc遺伝子融合物は組換えプラスミドからNot I消化によって切り出され、Not I消化され、CIAP処理されたpDC406と連結された。E.coli細胞はこのライゲーション混合物で形質転換された。望む方向に挿入断片を含む組換えプラスミドが単離された。CD27配列は(同じ読み枠で)Fc配列の下流に融合されていた。
CD27/Fc融合分子は、原核細胞発現法で合成するには一般に大きすぎ、複雑すぎるので、組換え哺乳動物細胞培養によって合成されることが望ましい。受容体/Fc融合タンパク質を発現するのに適切な哺乳動物細胞の例は、CV−1細胞(ATCC CCL 70)およびCOS−7細胞(ATCC CRL 1651)を含んでおり、どちらもサル腎臓由来のものである。
DNA構築物pDC406/CD27/Fcはサル腎臓細胞系CV−1/EBNA−1(ATCC CRL 10478)にトランスフェクトされた。CV−1/EBNA−1のような哺乳動物宿主細胞中ではCD27/Fc融合タンパク質はHIV交差活性化領域(TAR)プロモーターを離れて発現される。CV−1/EBNA−1細胞系はCV−1細胞系(ATCC CCL 70)をエプシュタインバールウイルス核抗原−1(EBNA−1)をコードする遺伝子でトランスフェクトする事によって得られたもので、McMahanら(上述)によって記述されているようにヒトCMV中間−初期エンハンサー/プロモーターにより構成的にEBNA−1を発現している。EBNA−1遺伝子は、EBV複製開始点を含むpDC406のような発現ベクターの自律的複製を起こさせる。
pDC406/CD27/Fcベクターで形質転換したCV−1/EBNA−1細胞をロラーボトルで培養して、融合タンパク質を一時的に発現させた。発現された融合タンパク質は、CD27シグナルペプチドを介して培養培地中に分泌される。CD27/Fc融合タンパク質をアフィニティークロマトグラフィーで精製した。簡単に述べると、CD27/Fc融合タンパク質を含む培養上清1リットルを、上清を(例えば、0.45μフィルターで)濾過し、製造業者の指示に従って、濾過物をプロテインGアフィニティーカラム(Schleicher and Schuell,Keene,NH)にかけることによって精製した。融合タンパク質のFc部分が、カラムのプロテインGに結合する。結合した融合タンパク質をカラムから抽出し、銀染色のSDSゲルによって精製度を確認した。
実施例2 細胞系のCD27に対する結合についてのスクリーニング
本実施例はCD27/Fc融合タンパク質に対する結合能をもつ特定の細胞系のスクリーニングを記載するものである。用いたスクリーニング検定は二段階の方法で、細胞にCD27/Fc融合タンパク質を結合させ、次にCD27/Fc融合タンパク質のFc部分に125I−マウス抗ヒトFc抗体を結合させる。CD27/Fcを結合しうることが見出された細胞系は、CD27Lをクローン化しようとする際の核酸調製の材料の候補と考えられた。
マウス抗ヒトFc抗体はJackson Laboratoriesから入手した。この抗体はFcγ受容体に結合したFcタンパク質に対してのみ結合能を示した。抗体はクロラミンT法を用いて標識した。簡潔に記せば、まず製造業者の指示に従ってP6カラムを調製した。遠心管中で10μgの抗体を10μlのPBSに溶解させた。担体に結合していない2000μCiのNa125Iを加え、溶液をよく攪拌した。ここに調製したてのクロラミン−T(0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中に32μg/ml)溶液15μlを加え、混合液を室温で30分間インキュベートした。混合液を直ちにP6カラムにかけた。次に放射性標識された抗体をカラムから溶出させ、溶出物は100−150μlの画分として集めた。ピークの画分に結合溶液を加えて、各画分の総量を2mlとした。放射性標識による比活性は5−10X1015cpm/mmolタンパク質の範囲であった。
MP−1細胞系をCD27/Fcに対する結合のスクリーニングに用いるために調製した。MP−1は正常な供与者由来の末梢血管系の単核球細胞から自然発生により生じたエピスタインバールウイルス(EBV)形質転換Bリンパ芽球腫細胞系である。二週間後、加熱で不活化したウシ胎児血清10%、100U/mlペリシリン、100μg/mlストレプトマイシンを添加されたRPMI培地中でウェルあたり0.3細胞となるようにして、増殖するB細胞に対して二度のクローン化を実施した。MP−1細胞はこうしたクローンの一つに由来する。
MP−1細胞系からCD27/Fcに結合するものを、以下の操作によりスクリーニングした。およそ2 X 106の細胞を96ウェルのプレート中で培養した。5mlの結合培地(25mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、2mg/mlアジ化ナトリウム、20mM Hepes pH7.2を含んだRPMI 1640)を細胞に加え、次に細胞をCD27/Fcの存在下または非存在下で1時間、37℃で緩く振とうさせながらインキュベートした。96ウェルのプレートを遠心して混合液から細胞を沈澱させ、PBSで洗浄し再度遠心した後、結合培地に再懸濁した。その後細胞を、上に記載したように調製した125Iマウス抗ヒトFc抗体とともに1時間、37℃でインキュベートした。陰性対照として、標識していない過剰の抗ヒトFc抗体の存在下でも、細胞を125Iマウス抗ヒトFc抗体とインキュベートした。125I抗体との一時間のインキュベーション後、細胞と遊離の125I−抗体とをフタル酸オイル分離法により、基本的にはダウアら(Dower et al.,J.Immunol.132:751,1984)の記載に従って分離した。細胞に結合した125I抗体と遊離の125I抗体を、Packard Autogammmaカウンターで定量した。MP−1細胞は細胞表面に結合したCD27Lを多数保持していたことから、MP−1細胞がCD27L cDNAのクローン化のためのmRNAの調製材料として適していることが示唆された。
実施例3 cDNAライブラリーの作製
この実施例はヒトCD27L発現クローン化のための、ヒトMP−1 B細胞からのcDNAライブラリーの調製を記載する。ライブラリー作製法はアウスベルら(Ausubel et al.)編のCurrent Protocols In Molecular Biology,第1巻(1987)に記載された方法と実質的に同じである。概略としては、8Mグアニジン塩酸で溶解したMP−1培養細胞から特異的な(differential)エタノール沈澱を用いて全RNAを抽出し、オリゴdTセルロースクロマトグラフィーによりポリ(A)+mRNAを単離、濃縮した。
ガブラーら(Gubler et al.,Gene 25:263,1983)による記載と実質的に同様にして、RNA鋳型から二重鎖dDNAを作製した。ランダムな配列の6ヌクレオチドをプライマーとして、逆転写酵素を用いてポリ(A)+mRNA断片をRNA−cDNAハイブリッドに改変した。次にRNAase HとDNAポリメラーゼIを組み合わせて用いて、RNA−cDNAハイブリッドを二重鎖cDNA断片とした。得られた二重鎖cDNAをT4 DNAポリメラーゼで平滑末端化した。
リン酸化反応を施していない(すなわち非リン酸化の)以下のBgl IIアダプターを、
ハイメールら(Haymerle et al.)のNucleic Acids Res.14:8615,1986に記載されたアダプタークローニング法を用いて、上記の平滑末端化したcDNA二重鎖の5'末端に連結した。記載された条件化では24−merのオリゴヌクレオチド(上の鎖)だけが、連結反応の間にcDNAに共有結合される。共有結合しなかったアダプター(上に記載された相補的な20−merのオリゴヌクレオチドおよび連結されなかったアダプターを含む)を、65℃でのゲルろ化クロマトグラフィーにより取り除き、cDNA末端に非自己相補的な24ヌクレオチドが突出するようにした。
アダプターを付加されたcDNAを、大腸菌内でも複製できる哺乳類発現ベクターpDC303に挿入した。pDC303はpDC201(コスマンら(Cosman et al.,Nature 312;768,1984)により既に記載されたpMLSVの誘導体)とSV40およびサイトメガロウイルスDNAから構築され、複製起点から転写される方向に順に、以下の要素を含む。(1)複製起点、エンハンサー配列、早期および後期プロモーターを含む座標5171−270からなるSV40配列、(2)サイトメガロウイルスのプロモーターおよびエンハンサー領域(ボーチャートら(Boechart et al.(Cell 41:521,1985))により発表された配列の671−63ヌクレオチド領域)、(3)3分節系リーダー(TPL)の最初のエキソンを含む5779−6079の領域、TPLの2番目のエキソンおよび3番目のエキソンの一部を含む7101−7172と9634−9693の領域、並びにXho I、Kpn I、Sma IおよびBgl Iの部位を含んだ多重クローニング部位(MCS)からなるアデノウイルス−2、(4)早期転写のポリアデニル化および終止シグナルを含んだ4127−4100および2770−2533の配列からなるSV40領域、(5)pDC201のウイルスに付随したRNA遺伝子VA IおよびVA IIの10532−11156の配列からなるアデノウイルス−2配列、および(6)アンピシリン耐性遺伝子と複製起点を含んだ4363−2486と1094−375の座標からなるpBR322配列。
pDC303中のMP−1 cDNAライブラリーを大腸菌株DH10Bにエレクトロポレーションにより導入した。組換え体を1枚あたりおよそ5,000コロニーとなるように、プレートに播いた。これらの組換え体をプールとして、スクリーニングに用いるためのおよそ500,000組換え体の大量ストックとした。
この大量ストックの一部をプレートに播さし、1000コロニーのプールとした。これらのプールからプラスミドDNAを単離し、DEAE−デキストランおよびクロロキン処理を用いて半ば集密層状(sub−confluent layer)のCV−1/EBNA−1細胞に、ルスマンら(Luthman et al.Nucl.Acids Res.11:1295(1983)およびマクッチャンら(McCutchan et al.,J.Natl.Cancer Inst.41:351(1986))の記載と同様にして形質転換した。CV−1/EBNA−1細胞は以下の由来である。CV−1/EBNA−1細胞系はCMV即時早期エンハンサー/プロモーターから構成的にEBV核抗原−1を発現する。アフリカミドリサルの腎細胞系CV−1(ATCC CCL 70)を、5μgのpSV2gpt(ムリガンとバーグ(Mulligan & Berg),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2072,1981)と25μgのpDC303/EBNA−1とで、カルシウムリン酸共沈法(アウスベルら(Ausubel et al.)編Current Protocols In Molecular Biology,Wiley,New York,1987)により同時形質転換した。pDC303/EBNA−1はpDC302(モズレーら(Mosley et al.)Cell 5 9:335,1989)から二段階で構築した。最初にアデノウイルス3分節系リーダー配列中に存在するイントロンを除去するために、イントロン中にあるPvu IIからSca Iの断片を合成した下記のオリゴヌクレオチド対で置換し、プラスミドpDC303を作製した。
次にエピスタインバールウイルス核抗原I(EBNA−1)をコードし、EBV座標107,932から109,894を実質的に構成するHind III−Aha II制限酵素断片(バエルら(Baer et al.Nature 310:207,1984)を、pDC303の多重クローニング部位に挿入して、プラスミドpDC303/EBNA−1を作製した。形質転換した細胞をはヒポキサンチン、アミノプテリン、チミヂン、キサンチンおよびミコフェノール酸の存在下で、標準的な方法(アウスベルら(Ausubel et al.)上述、(ムリガンとバーグ(Mulligan & Berg)上述)に従って培養して、形質転換したプラスミドが安定して取り込まれた細胞を選別した。生じた薬剤耐性のコロニーを単離し、個々に解析のための細胞系として培養を続けた。細胞系から機能するEBNA−1を発現するものをスクリーニングした。こうした細胞系の一つであるクローン68が、この検定でEBNA−1を発現することが見出され、これをCV−1/EBNA−1と命名した。
CV−1/EBNA−1細胞をcDNAライブラリーで形質転換するために、細胞を完全培地(10%(v/v)ウシ胎児血清(FCS)、50U/mlペニシリン、50U/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミンを含んだダルベッコが改変したイーグルの培地(Dulbecco's modified Eagle's media)(DMEM)で維持し、単一ウェルに区分けされたスライド(Lab−Tek)上に2 x 105細胞/ウェルの密度で播いた。スライドは予めヒトフィブロネクチン(PBS中に10μg/ml)1mlで30分間処理し、PBSで一度洗浄しておいた。接着した細胞層から培地を取り除き、66.6μMの硫酸クロロキンを含んだ1.5mlの完全培地に換えた。0.2mlのDNA溶液(クロロキンを含む完全培地中に2μg DNA、0.5mg/ml DEAE−デキストラン)を次に細胞に加え、5時間インキュベートした。インキュベーションの後培地を除き、10% DMSOを含んだ完全培地を2.5分から20分間加えて細胞にショックを与え、その後溶液を新鮮な完全培地に換えた。細胞を培養増殖させ、挿入された配列が一時的に発現するようにした。この条件により、生存したCV−1/EBNA−1中で80%の形質転換効率となった。
実施例4 ヒトCD27L cDNAの単離
形質転換された細胞を区分けされたガラススライド(Lab−Tek)上で2〜3日間培養し、挿入されたDNA配列が一時的に発現するようにした。形質転換された単一層のCV−1/EBNA−1細胞に対するCD27Lの発現の検定は、以下に記載するように125Iマウス抗ヒトFc抗体を結合させてスライドオートラジオグラフィーにより行った。
形質転換したCV−1/EBNA−1細胞(区分けスライドに接着している)を脱脂乾燥ミルクを含む結合培地(BM−NFDM)(25mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、2mg/mlアジ化ナトリウム、20mM HEPES pH7.2、50mg/ml脱脂乾燥ミルクを含んだRPMI培地1640)で一度洗浄した。次に細胞をBM−NFDM中のCD27/Fc(1μg/ml)と室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、区分けスライドの単層細胞をBM−NFDMで三回洗浄して結合していないCD27/Fc融合タンパク質を取り除き、それから40ng/mlの125Iマウス抗ヒトFc抗体(1:50希釈)と室温で1時間インキュベートした。細胞をBM−NFDMで三回洗浄し、リン酸塩緩衝液(PBS)で二回洗浄して結合しなかった125Iマウス抗ヒトFc抗体を除いた。細胞の固定はPBS pH7.3中2.5%グルタルアルデヒドで室温で30分間インキュベートし、PBSで二回洗浄後風乾して行った。細胞を含む区分けスライドをphophorimagerに一晩感光させ、Kodak GTNB−2写真乳剤(水に6x希釈)に浸け、遮光性の箱を用いて3−5日間4℃で暗所で感光させた。次にスライドをKodak D19現像液(40g/500ml水)でおよそ4分間現像し、水ですすいでからAgfa G433C固定液で固定した。個々のスライドを顕微鏡で25x−40xの倍率で調べて、明るい背景の中にオートラジオグラフィーによる銀粒が存在するものを、CD27Lを発現する陽性の細胞として同定した。
スライドオートラジオグラフィー法を用いて、およそ1,000cDNAのプールでおよそ50,000cDNAをスクリーニングした結果、一つの形質転換体プールの検定で多数の細胞が明らかにCD27/Fcの結合に陽性を示した。このプールを300からなるプールに分割し、再度スライドオートラジオグラフィーによりスクリーニングし、陽性プールを同定した。この300からなるプールの個々のコロニーをスクリーニングして、単一のクローン(クローン#60)を、CD27/Fc結合活性を検出できる表面タンパク質の合成を行うものとして同定した。このクローンを単離し、挿入配列の配列決定を行い、ヒトCD27L cDNAクローン60の配列を決定した。
ヒトCD27Lを含む哺乳類発現ベクターpDC304(pDC304/HuCD27Lと命名した)は、1992年8月18日に米国メリーランド、ロックビルのAmerican Type Culture Collection(ATCC)に寄託され、寄託番号ATCC 69052を受けた。この寄託はブダペスト条約の下で行った。配列表はクローン60のヌクレオチド(SEQ ID NO:1)および推定されるアミノ酸配列(SEQ ID NO:1およびSEQ ID NO:2)を記し、付随する情報は本明細書の最後の特許請求の範囲の前に記載される。
取得したクローンの配列解析により、193アミノ酸(SEQ ID NO:1)をコードしうる単一の長いオープンリーディングフレームを含む813塩基対の挿入配列が見出された。アミノ末端の20アミノ酸に18個の疎水的なアミノ酸が続き、膜貫通固定部として機能していると予測された。このようにシグナル配列が欠落し、内部に疎水的な領域が存在し、C−末端領域にN−結合糖付加されうる部位(Asn63とAsn170)が存在することは、CD27Lがカルボキシ末端領域を細胞外にもつII型の膜貫通タンパク質であることを示唆する。
単離されたcDNAクローンは、予想される開始コドン(配列番号1)の上流に37ヌクレオチドだけしか含まず、その中には読み枠に合った終止コドンはなかった。さらにこの開始コドンの周辺は、コザック(Kozak,Nucl.Acids.Res.12:857(1984))が予測した開始コドンのコンセンサスと一致しなかった。そこでキャリアら(Carrier et al.,Gene 116:173(1992))の方法に従い「アンカーPCR」反応を行って、CD27L転写産物の5'端をクローン化して上流に開始部位がないことを確かめた。この結果単離したクローンの末端の先にさらに113ヌクレオチドを同定した(SEQ ID NO:1)。すでに同定された開始部位の上流には開始部位は見出されなかった。
実施例5 CD27Lに対するモノクローナル抗体
本実施例はCD27Lに対するモノクローナル抗体の調製を記述する。CD27LをCOS−7またはCV−1/EBNA−1細胞などの哺乳類宿主で発現し、CD27/Fc親和クロマトグラフィーを用いて精製した。精製したCD27Lを用いれば、慣用されている手法、たとえば米国特許4,411,993に記述されたような手法によりCD27Lに対するモノクローナル抗体を作製できる。簡潔に述べれば、フロイトの完全アジュバントに乳状化して免疫源としたCD27Lでマウスを免疫し、10−100μgの範囲の量を皮下または腹膜内に注射する。10から12日後、免疫した動物をさらにフロイトの不完全アジュバントに乳状化したCD27Lで高める。これ以降一週間から二週間の免疫計画でマウスを定期的に高める。逆軌道出血(retro−orbital bleeding)または尾部末端切断により血清試料を定期的に採取し、ドットブロット検定またはELISA(エンザイムイムノアッセイ)によりCD27L抗体に対して検定する。
適当な抗体力価を検出した後、陽性の動物に塩水に溶かしたCD27Lの最後の一回の静脈内注射をする。3から4日後に動物を殺し、脾臓細胞を回収し脾臓細胞をマウス骨髄腫細胞系(たとえばNS1またはAg8.653)と融合する。細胞融合によりハイブリドーマを作製し、これを多孔性のマイクロタイタープレート中のHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン)選択培地に植え、非融合細胞、骨髄腫の融合細胞、脾臓の融合細胞の増殖を阻害する。
エングバルら(Engvall et al.Immunochem.8:871,1971)と米国特許4,703,004に記載された手法を利用して、ハイブリドーマ細胞の精製したCD27Lに対する反応性をELISAによりスクリーニングする。陽性のハイブリドーマ細胞を同系のBALB/cマウスに腹膜内に注射し、高濃度の抗CD27Lモノクローナル抗体を含む腹水を産生させる。または、ハイブリドーマ細胞をフラスコまたは回転瓶の中で様々な手法により、in vitroで増殖させることもできる。マウス腹水に産生されるモノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈澱とその後のゲル除去クロマトグラフィーにより精製できる。あるいは抗体のプロテインAもしくはプロテインGへの結合に基づいた親和性クロマトグラフィーまたは、CD27Lへの結合に基づいた親和性クロマトグラフィーを用いることもできる。
実施例6 CD27LのCD27への結合
MP−1細胞で発現されている天然のCD27Lと、CV−1/EBNA細胞に形質転換して発現させたクローン化されたCD27Lに対するCD27の結合を比較するため、実施例2に記載したCD27/Fcと125I標識したマウス抗ヒトIgG抗体を用いて、改変した間接結合検定を考案した。こうした検定が必要とされるのは、CD27Lの直接の放射性標識がCD27Lを不活化するからである。MP−1細胞を様々な濃度のCD27L下に置き、以下に述べるようにこの分子のFc部分に対する125I抗体の定常飽和濃度下に置いた。
MP−1細胞の結合検定は96ウェルの培養プレート中に懸濁培養した増殖細胞により行った。簡潔に述べれば、MP−1細胞(2 x 106細胞/ウェル)を結合培地(RPMI 1640培地、1%ウシ血清アルブミン、0.2%アジ化ナトリウム、20mM Hepes pH7.2)に溶かした様々な濃度のCD27/Fcの存在下または非存在下で37℃1時間インキュベートした。次に細胞をPBSで一回洗浄し、結合培地に溶かした125−I標識したマウス抗ヒトIgG(40ng/ml)とともに穏やかに振とうしながら1時間37℃でインキュベートした。細胞と結合しなかった125I抗体との分離は、フタル酸油分離法により、根本的にはダウアら(Dower et al.,J.Immunol.132:751(1984))の記載のとおり行った。
単層のCV−1/EBNA細胞(2.5x105細胞/ウェル)をMP−1 cDNAプールで形質転換し、二日後マウス抗ヒトIgG結合とスライドオートラジオグラフィーを用いてCD27Lの発現を検定した。形質転換した単層の細胞を脱脂乾燥ミルク(50mg/ml BM−NFDM)を含んだ結合培地で洗浄し、BM−NFDMに溶かしたCD27/Fc(1μg/ml)とともに室温で1時間インキュベートした。次に細胞をBM−NFDMで三回洗浄し、BM−NFDM中に40ng/mlの125Iマウス抗ヒトIgGとともに1時間インキュベートした。細胞をBM−NFDMで二回、PBSで三回洗浄し、PBS中に2.5%のグルタルアルデヒドで30分間固定し、さらに二回PBSで洗浄して風乾した。次に区分けスライドをKodak GTNB−2写真乳剤に浸け、室温で3日間感光させた後現像した。
クローン化されたCD27Lの結合検定には、12ウェルプレート中の接着したCV−1/EBNA細胞(2.5x105細胞/ウェル)をCD27L発現プラスミドで上記のように形質転換した。二日後、細胞をBM−NFDMで洗浄し、様々な濃度のCD27/Fcとともにインキュベートした。これに続けて細胞を洗浄し、125I標識したマウス抗ヒトIgG抗体とともに先述のとおりインキュベートし、トリプシン処理により回収した。すべての検定において、CD27/Fcと200倍過剰のモル濃度の非標識抗体の存在下およびCD27/Fc非存在下でも125I抗体の非特異的な結合を検定した。遊離および細胞に結合した125I抗体はPackard Autogammma Counterで定量した。親和性の計算はMicrovax計算機でRS/1(BBN Software,Boston,MA)を稼働して算出した。
MP−1結合データをスキャッチャード配位系で再プロットして、高親和性および低親和性の結合部分の両者を含んだ二相性の曲線が得られた。MP−1細胞に発現したCD27Lは1.58x109M-1および1.83x108M-1のKa値を持ち、それぞれ細胞あたり250および560部位であった。同様にCV−1/EBNA細胞に発現したクローン化したCD27Lも高親和性および低親和性の結合部を示した。スキャッチャード解析から得られた親和性定数は2.7x109M-1および1.2x108M-1で、MP−1細胞上で発現した生来のリガンドに対するCD27/Fcの結合の観察で得られた値とよく一致した。全般に、リガンドの発現はCV−1/EBNA細胞上で増加し、細胞あたり12,017の高親和性および68,560の低親和性結合部位が検出された。
実施例7 CD27LのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
生来および組換えCD27Lタンパク質を還元条件下のSDS−PAGEにより以下のように解析した。細胞をウルダルら(Urdal et al.,J.Biol.Chem.263:2870(1988))により既に記載されたとおり125Iで表面標識した。100mMヨードアセトアミドを含むプロテアーゼ阻害剤の存在下で界面活性剤により、膜タンパク質を可溶化した。CD27LはCD27/FcとプロテインGセファロースに結合させて単離した(アーミタージュら(Armaitage et al.Nature 3 57:80,1992))。CD27/FcがFc受容体に結合するのを防ぐため、界面活性剤抽出液を50μg/mlヒトIgGと5%ウサギおよびヤギ血清で前処理した。試料を4M尿素と5%2−メルカプトエタノールを含んだ緩衝液に懸濁し、4−20%の濃度勾配SDS−ポリアクリルアミドゲル(NOVEX)で電気泳動した。
図6に示したとおり、MP−1細胞およびCD27Lを発現したCV−1/EBNA細胞に際立って観察される分子種は、見かけ上〜50,000の分子量を持つ。修飾されないCD27Lの計算上の分子量(21,146)と比較して、細胞外領域のN−結合糖付加部位が用いられていると推定される。両細胞からの沈澱はまた対照のCV−1/EBNA細胞には見られないおよそ20,000の微量の分子種を示している(図6)。これは修飾を受けていないCD27Lまたはタンパク質の分解産物と考えられる。CD27/Fcを用いて特異的に沈澱される〜200kDaの分子種も観察された。
実施例8 CD27Lの生物活性
A. CD27LによるT細胞増殖刺激
CD27Lがヒト末梢血液T細胞の増殖を刺激する能力を以下の増殖測定を用いて示した。ヒト末梢血液T細胞を、2−アミノエチルイソチオウロニウム臭素 臭化水素処理したSRBCでロゼッティングしてPBMCから精製した。SRBCを低張溶血した後、単核白血球を37℃で1時間プラスチック支持体により放血させた。CD4+およびCD8+T細胞は製造業者のプロトコール(ミルテイン バイオテック(Miltenyi Biotec)、サニーベール、カリフォルニア州)に従って磁気細胞選別を使用してCD8+またはCD4+細胞が溶血しないこと(negative depletion)から各々精製した。選別した細胞は、フローサイトメトリーで測定すると通常>95%純粋であった。T細胞は、96穴プレート中に準最適濃度のフィトヘムアグルチニン(0.1%v/v)存在下で3日間3回分裂させて穴あたり105細胞になるように培養した。また、培養液中には形質転換の2日後に1%パラホルムアルデヒドで25℃5分間固定したCV−1/EBNA細胞が存在した。ウェルは、最終的に8時間培養して1μCiのトリチルチミジンでパルスし、c.p.m.の取り込みを決定した。ウサギで調製した中和IL−2抗体を、先にAldersonら.,J.Exp.Med.172:577(1990)に記述されたように1:500に希釈してIL−2生物活性を阻害するのに使用した。
図1に示したように、CD27Lを発現しているCV−1/EBNA細胞を準最適濃度のフィトヘムアグルチニン(PHA)存在下でT細胞に添加すると、チミジンの取り込みが増大する一方、コントロールの空のベクターを形質転換したCV−1/EBNA細胞を添加しても効果はなかった。少なくてもCD27Lを発現するCV−1/EBNA細胞が100あれば、1×105のT細胞で確立された培養液中の増殖を著しく増加させるのに十分であった。反対に、CD27Lで共刺激しないものはT細胞増殖に影響をもたらさなかった。
T細胞のサブ集団を分離するために磁気ビーズを使用して、CD27LはCD4+およびCD8+T細胞両方の増殖を共刺激することを調べた(図2及び3)。さらに、CD27LによるCD4+およびCD8+T細胞増殖誘導はIL−2中和抗体の存在によって影響されず、これらの培養条件下ではCD27LによるT細胞増殖はIL−2に依存しないことが分かった。このように、CD27Lは少なくてもあるT細胞に直接増殖刺激を伝達するか、またはIL−2以外のサイトカインが反応に寄与している。
B. CD27LによるT細胞溶血活性の誘導
CD27LのT細胞への影響をさらに特徴付けるために、レクチン存在中または非存在中でのin vitroにおける細胞溶解発生に影響を与える効果を測定した。細胞溶解活性を測定するための培養条件は、固定濃度(105)のCV−1/EBNA細胞を使用して、T細胞を穴あたり106細胞にて24穴プレート中で4日間培養したこと以外は、増殖測定に付いて先に記載した通りであった。4時間の51Cr放出測定を、先に記載したように(Aldersenら.,J.Exp.Med.172:577(1990)培養細胞の細胞溶解活性を測定するのに使用した。簡略に言えば、培養した細胞を培養液で洗い、96穴v型底のプレート中に2つの培養画分を順次希釈した。標的細胞として、マウス癌細胞系列P815を、その特異性に関係なく溶解細胞を明示するためにPHA(0.6%v/v)存在下で使用した。1溶解単位(LU)は標的細胞を50%溶解させる最初の培養液の画分として定義した。
CD27Lはレクチン仲介細胞傷害測定中に検出されたように(図4)、共刺激無しでは細胞溶解活性に対して刺激的効果を持たなかった。しかし、準至適PHA存在中で精製したT細胞をCD27Lと共にインキュベートすると、PHAのみまたはPHAとコントロールCV−1/EBNA細胞で培養した細胞に比較して細胞溶解の発生が増大した(図5)。この測定中におけるPHA共刺激T細胞のCD27Lによる溶解活性の誘導は、IL−2による誘導値に匹敵し(各々、培養液あたり1,100および800溶解単位(LU))、PHAのみ(61LU)またはPHAとコントロールCV−1/EBNA細胞(50LU)存在中でインキュベートした細胞でみられるものよりも10倍以上大きかった。細胞溶解発生へのCD27Lの効果はまた、1エフェクター細胞ベースあたりについても明らかで(コントロールのCV−1/EBNA細胞+PHAで106細胞に付き71LUに比較してCD27L+PHAで106細胞につき780LU)、T細胞増殖を支持することに加えてCD27Lは細胞溶解T細胞前駆体の分化も増強することが示唆された。
実施例9 可溶性CD27Lの構築および発現
CD27LDNAを、可溶性でオリゴマーのCD27−L融合蛋白質(「sCD27L−3」として言及する)を発現するように構築した。sCD27L−3をコードする構築物(SEQ ID NO:9およびSEQ ID NO:10)は、リーダー配列(アミノ酸−24から−1を含む)、ロイシンジッパー構造を含む37アミノ酸配列(アミノ酸3−35を含む)、およびヒトCD27−Lの細胞外領域(アミノ酸39−193を含む)を含む。アミノ酸1−2および36−38をコードする塩基には制限酵素の残基がない。当該技術分野でよく知られている方法を用いてCD27−Lの細胞外領域をコードするDNAを得るために、構築物を調製した。簡略に言及すれば、CD27−Lの細胞外領域をPCRを用いてCD27−LcDNA全長から増幅した。使用したプライマーは、CD27−Lの細胞外領域(5'プライマーに配列番号1、塩基222−245、および3'プライマーに663−689塩基に相補)由来の配列に、望みの制限酵素部位をコードした配列を付加した(5'プライマーにSpe I部位を含むACTAGT,および3'プライマーにNot I部位を含むGCGGCCGC)。CD27−Lの細胞外構造を持つ増幅したPCR産物を、Spe I/Not Iで切断したSMAG(pDC206)ベクター中にクローニングした。SMAGベクターはpDC201誘導体で(Simsら.,Science 241:585、1988)、マウスIL−7リーダー配列を含む。ベクターを増幅し、Spe Iで切断して仔牛胸腺アルカリホスファターゼで処理した。ロイシンジッパー領域を含む塩基配列は、標準的な手法を用いて既知のロイシンジッパーのアミノ酸配列由来の様々なオリゴヌクレオチドをライゲーションすることで合成し、それからSpe Iで切断したSMAGベクターにライゲーションし、マウスIL−7リーダー配列(Namenら.,Nature333:571;1988)、ロイシンジッパー領域、およびCD27−Lの細胞外領域を含む発現ベクターを作成した。発現ベクターはpDC206/sCD27L−3と名付けた。
pDC206/sCD27L−3をサル腎臓細胞系列CV−1/EBNA(ATCC CRL10478)にpSV3ネオプラスミドと共に共形質転換した。pSV3ネオ(MulliganおよびBerg、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:2072;1981)は、SV40T抗原を発現するプラスミドで、pDC206プラスミドの外部からの複製が可能になる。
融合構築物を発現する細胞を一度同定すると、形質転換した細胞の大量培養により、可溶性のオリゴマーのCD27−L融合タンパク質(sCD27L−3として命名した)を発現する細胞からの上清が蓄積するようになる。上清中のsCD27L−3は、実質的に米国特許5,011,912中に記載されたように、親和精製によって精製される。sCD27L−3はまた本明細書中に記載されたように他のタンパク質精製法を使用しても精製されうる。可溶性、オリゴマーCD27−L融合タンパク質の銀染色SDSゲルで精製度を決定できる。sCD27L−3は可溶性CD27に結合し、実施例10中に記載したようにCD27−Lを発現する細胞への可溶性のCD27の結合を阻害する。
実施例10 可溶性CD27Lの生物活性
本実施例はsCD27L−3の生物活性を例示する。ヒトリンパ球表面抗原CD27の可溶型を、Fanslowら.,J.Immunol.149:65(1992)に記載されたように調製し、二量体のFc融合構築物(CD27/Fcと言及される)を形成した。CD27/FcはCD27の細胞外領域およびヒトIgG1由来のFc領域を含む。sCD27L−3は、内在性CD27−Lを発現するヒトエプスタイン−バーウイルスを形質転換したB細胞系列であるMP−1細胞へのCD27/Fcの結合を阻害する。
pDC206/sCD27L−3で形質転換したCV−1/EBNA細胞から得た調製した上清を96穴プレート中で滴定した。一定量のCD27/Fc(1μg/穴)を各々の穴に加え、それから結合溶液(1%ウシ血清アルブミン、0.2%アジドナトリウムおよび20mM HEPES、pH7.2を含むRPMI−1640)中で、穴あたり1−2×106MP−1細胞を加えた。プレートを37℃1時間インキュベートした。細胞を2回PBSで洗浄し、遠心して沈澱にした。125I−マウス抗ヒトIgGFcを一定濃度で各々の穴に加え、プレートをさらに1時間37℃でインキュベートした。125I−マウス抗ヒトIgG FcはMP−1細胞に結合したCD27/Fcに結合した。最終インキュベーションの後、細胞をフタレート油を含むチューブで集菌し、結合した125I−マウス抗ヒトIgG Fcと遊離のものを分離し、ガンマカウンターを用いて放射活性量を定量した。
sCD27L−3は量依存的にCD27/FcのMP−1細胞に対する結合を阻害した。CD27/Fcの結合阻害がsCD27L−3による阻害滴定の50%であるという濃度比較から、条件倍地中のsCD27L−3の濃度は18から40μg/mlであることが見積られた。この比較を行うにあたり、sCD27L−3の分子量は135Kdと見積り(CD27−Lの細胞外領域の分子量は45Kdと見積り、3量体を形成するため3倍した)、sCD27L−3のCD27/Fcに対する結合は1:1のモル比で起こると仮定した。Kiは3×10-7MであるKaの10倍として見積り、最初の濃度を1×10-8Mと仮定した。結果は、1×10-8Mという最初の濃度仮定が約10倍低すぎ、上清の1:3希釈は実際には1×10-7M濃度見積りであることが示された。
配列表
(2)配列番号:1
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:926塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vi)起源:
(A)生物名:Homo sapiens
(B)株名:B細胞
(C)個体・単離クローン名:EBV−TRANSFORMED
(vii)直接の起源:
(B)クローン名:CD27L60
(ix)配列の特徴:
(A)NAME/KEY:成熟タンパク質
(B)存在位置:151...729
(ix)配列の特徴:
(A)NAME/KEY:CDS
(B)存在位置:151...732
(xi)配列:配列番号:1
(2)配列番号:2
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:193アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(xi)配列:配列番号:2
(2)配列番号:3
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:27塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA(genomic)
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vii)直接の起源:
(B)クローン名:オリゴヌクレオチド
(xi)配列:配列番号:3
(2)配列番号:4
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:39塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA(genomic)
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vii)直接の起源:
(B)クローン名:オリゴヌクレオチド
(xi)配列:配列番号:4
(2)配列番号:5
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:24塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA(genomic)
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vii)直接の起源:
(B)クローン名:オリゴヌクレオチド
(xi)配列:配列番号:5
(2)配列番号:6
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:20塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA(genomic)
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vii)直接の起源:
(B)クローン名:オリゴヌクレオチド
(xi)配列:配列番号:6
(2)配列番号:7
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:46塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA(genomic)
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vii)直接の起源:
(B)クローン名:オリゴヌクレオチド
(xi)配列:配列番号:7
(2)配列番号:8
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:46塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA(genomic)
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vii)直接の起源:
(B)クローン名:オリゴヌクレオチド
(xi)配列:配列番号:8
(2)配列番号:9
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:689塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vi)起源:
(A)生物名:CD27リガンドトリマー(CD27L−3)
(ix)配列の特徴:
(A)NAME/KEY:CDS
(B)存在位置:39...689
(ix)配列の特徴:
(A)NAME/KEY:シグナルペプチド
(B)存在位置:39...110
(ix)配列の特徴:
(A)NAME/KEY:成熟ペプチド
(B)存在位置:111...686
(xi)配列:配列番号:9
(2)配列番号:10
(i)配列の特性
(A)配列の長さ:216アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(xi)配列:配列番号:10
Claims (16)
- 配列番号1のアミノ酸1−193の配列を含む生物学的に活性なCD27Lポリペプチド又はその短縮型をコードする単離されたDNAであって、該短縮型はCD27に結合する能力を保持している、前記DNA。
- 配列番号1のアミノ酸39−193の配列を含む生物学的に活性な可溶性CD27Lポリペプチド又はその短縮型をコードする単離されたDNAであって、該短縮型はCD27に結合する能力を保持している、前記DNA。
- 以下の:
(a) 配列番号1のヌクレオチド268−729の配列を含むcDNA;
(b) 高度にストリンジェントな条件下で(a)のcDNAにハイブリダイズするDNAの相補体であるDNAであって、CD27に結合でき、さらにT細胞の増殖を刺激するか、または細胞溶解性のT細胞前駆体の分化を亢進することが可能である、生物学的に活性なCD27Lをコードする前記相補的DNA;及び
(c) 遺伝子コードの結果(a)又は(b)のDNAに縮重するDNAであって、CD27に結合でき、さらにT細胞の増殖を刺激するか、または細胞溶解性のT細胞前駆体の分化を亢進することが可能である、生物学的に活性なCD27Lをコードする前記DNA
からなるグループから選択される単離されたDNA。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のDNAを含む発現ベクター。
- 請求項4に記載の発現ベクターで形質転換又はトランスフェクトした宿主細胞。
- CD27Lの発現を促進する条件下で請求項5に記載の宿主細胞を培養し、培養物からCD27Lポリペプチドを回収することを含む、CD27Lポリペプチドを調製するための方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項のDNAによってコードされるCD27Lポリペプチド。
- CD27Lポリペプチドの配列が配列番号1のアミノ酸1−193又はその短縮型に少なくとも80%同一であり、そして、CD27に結合する能力を保持している、請求項7に記載のCD27Lポリペプチド。
- CD27Lポリペプチドの配列が配列番号1のアミノ酸1−193又はその短縮型に少なくとも90%同一であり、そして、CD27に結合する能力を保持している、請求項7に記載のCD27Lポリペプチド。
- 可溶性ポリペプチドである、請求項7ないし9のいずれか1項に記載のCD27Lポリペプチド。
- 実質的に均質な、請求項7ないし10のいずれか1項に記載のCD27Lポリペプチド。
- CD27LがヒトのCD27Lである、請求項7ないし11のいずれか1項に記載のCD27Lポリペプチド。
- 精製されている請求項7ないし12のいずれか1項に記載のCD27Lポリペプチド。
- CD27Lポリペプチドが、2またはそれ以上のCD27Lポリペプチドが互いに結合したオリゴマーCD27Lポリペプチドである、請求項7ないし13のいずれか1項に記載のCD27Lポリペプチド。
- 請求項7に記載のCD27Lポリペプチドまたはその免疫原性断片に対する抗体であって、前記ポリペプチド及びその免疫原性断片に免疫反応性である抗体。
- モノクローナル抗体である、請求項15の抗体。
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