JP3559901B2 - 防火用引き戸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はロックウール等の難燃充填材を充填した木製の防火用引き戸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
防火戸と称されるものは多用されているが、従来の防火戸は金属製であって難燃コアを心材とし、その両面には金属板を貼り合せたものである。勿論、戸袋側には防火戸との間から炎が漏れないような隙間対策は成されているが、防火戸単独では普通の引き戸と大きな差異は存在しない。金属製の表面材を難燃コアの両面に貼着するだけで、ある程度の時間は火災時の高熱に耐えることが出来る。
【0003】
しかし該引き戸の材質が木製となれば全く条件は異なり、引き戸自体が直ちに燃焼してしまう。近年においては仕切られた空間の落ち着きを得る為に引き戸の材質を木製とすることが好まれ、一方においては火災時の防火戸としての機能を果たすことが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の木製引き戸には防火機能は殆どなく、火災が発生したならばその熱によって直ちに燃焼してしまう。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、木製の防火用引き戸を提供する。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明の防火用引き戸は木製であって、枠体にロックウール等の難燃充填材を詰めて、その両面には木質合板を貼り合わせている。枠体を構成する枠材は積層板から成り、又表面材と成る木質合板は焼け落ちる時間を長くする為に厚さは4mm以上となっている。そして引き戸本体には金属製の上エッジ、下エッジ、戸尻エッジ、及び難燃性のゴムから成る戸当りを有している。
【0006】
一方、引き戸本体にガラス窓を設ける場合もあるが、窓枠は外観上木質でなくてはならず、しかし窓枠に嵌めたガラス板が火災時に外れ落ちないように金属製のコ型断面のガラス受けを窓枠の溝に取付けている。すなわちガラス受けにガラス板を嵌めて窓空間に取付け、この状態で窓枠が取付けられる。
【0007】
そして本発明の引き戸は半自動式であって、手で押し開いた引き戸は独りでに閉じることが出来、又完全開口状態に保つ為に上レールの戸尻側には板バネを取着して引き戸を係止することが出来る。しかし火災が発生した際には板バネが動いて引き戸を開放することで独りで閉じるようになっている。すなわち引き戸を吊設する上レールは僅かに傾斜していたり、又はゼンマイバネにて閉じる方向へ引張ることも出来る。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】
【実施例】
図1から図3は本発明の防火用引き戸を装着した引き戸装置を示している実施例である。図1は縦断面図、図2は戸先側横断面図、図3は戸尻側横断面図をそれぞれ表している。同図に示している防火用引き戸装置は戸袋1を備え、引き戸2を開くならば戸袋空間3に収納される。
【0009】
同図に示している戸袋1は2枚の石こうボード4a,4bが重ね合わされて片側壁部を構成し、内側の石こうボード4aにはスチール製の表面材が貼着されていて、この表面材の側端を延ばして形成した止着部が中間枠5と戸尻側枠6にネジ止めされて取付けられている。そして表面側の石こうボード4bは内側石こうボート4aの表面材に接着されている。
【0010】
ところで、本発明の引き戸2は枠材7,7…を枠組みした枠体内にはロックウール8を充填材として充填し、両面側には表面材9,9を貼り合わせている。ここで枠材7は木製の積層板を所定の寸法に切断したものであり、又表面材9は木質合板から成り、その厚さは4mm以上としている。厚さが4mm以下の場合、火災時で焼け落ちる時間が短くなり、隣りの空間が直ちに延焼してしまう。
【0011】
そして上端には上エッジ10、下端には下エッジ11、戸尻には戸尻エッジ12、戸先には戸当り13が取付けられている。これら各エッジ10,11,12は金属製であって、又戸当り13は難燃ゴムが使用され、引き戸本体の周りがエッジにて補強されることで火災時の高熱による反りを防止し、その結果、隙間から炎が漏れることはなくなる。
【0012】
又同図に示している引き戸2の中央部にはガラス窓14が設けられ、ガラス板15としては網入り板ガラス、又は超耐熱結晶ガラスが用いられる。そして補強桟16を枠組みして形成した窓空間にガラス板15が嵌められて、両面側には窓枠17,17が嵌っている。この窓枠17は木質であり、窓枠17,17間の溝には金属製のコ型ガラス受けが取付けられ、ガラス板15はこのコ型ガラス受けにて支持されている。
【0013】
ここで、コ型ガラス受けはその側片の幅を小さくすると共に、窓枠の幅寸法の拡大を防止する為に、平成12年7月27日付け特許出願の「木製防火扉の窓枠構造」(特願2000−226294号)を採用することが出来る。すなわち、図4に示すようにコ型ガラス受けの底片18にはネジ溝19を形成し、このネジ溝19には図5に示す窓空間20の内側に固定したネジ21が嵌入すると共に、ネジ溝19の幅寸法はネジの頭から外れない大きさとしている。
【0014】
そこでガラス板15の側端にコ型ガラス受け22,22…を仮止めした状態で窓空間20に嵌めると共に、コ型ガラス受け22,22…を移動してネジ溝19,19…にネジ21,21…を嵌入して外れないように取付ける。勿論、コ型ガラス受け22,22…を窓空間20の内側に固定しておくことも出来るが、ガラス板15に仮止めした状態で窓空間20に嵌めるならば、コ型ガラス受け22の側片寸法は小さくてよく、その結果、窓枠の幅寸法Mが小さくなる。
【0015】
そして窓枠17とコ型ガラス受け22との間には熱発泡材24が設けられている。この熱発泡材24は火災時の高熱で膨張し、窓枠17とガラス板15間の隙間を塞ぐことが出来る。
【0016】
ところで、実施例では戸袋付きの引き戸装置について説明したが、本発明に係る防火用引き戸は戸袋無しの引き戸装置に用いることも出来る。そして、該引き戸はその上端に吊車25を取着し、僅かに傾斜した上レール26に吊設している。従って、開く時には手で押し開くことになるが、上レール26に沿って独りでに閉じる。
【0017】
又上レールの戸尻側には係止板が取着されていて、引き戸2を完全開口した際には該係止板が引き戸上端の吊車のローラなどに係止して閉じないようにしている。しかし、火災が発生した際には煙感知器からの信号を受けてソレノイドが作動し、係止板を動かして引き戸を開放することが出来る。開放された引き戸は傾斜した上レールに沿って移動して間口が閉じられる。しかし、上レールを傾斜する場合に限らず、上レールを水平に配置すると共に、ゼンマイバネにて引張るように構成することも可能である。
【0018】
図1には引き戸装置の縦断面を示しているが、引き戸2の下端に形成したガイド溝には床面に起立したガイドローラ27が嵌っていて、引き戸2が横揺れすることなく開閉する。そして引き戸2の上端に取着している上エッジ10は引き戸の反り防止としての役目を果たすが、それ以外に吊車のローラが火災時の高熱にて溶けた場合に、下方に流れ落ちることを防止する。従って上エッジ10の両側片は上方へ延びていて、溶けた樹脂が引き戸2に伝って流れ落ちないようにしている。
【0019】
上エッジ10に溜まった樹脂に引火して燃焼することになるが、あくまでも点検パネル内であり、炎が外部に漏れることはない。以上述べたように、本発明の防火用引き戸は木製の枠体内にロックウール等を充填し、その両面側には4mm以上の厚さを有す木製合板を表面材として貼り合せたものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0020】
【発明の効果】
本発明の引き戸は木製であるが、枠体にロックウール等を充填すると共にその表面材は4mm以上の木質合板が使用されている為に、防火用引き戸として機能することが出来る。そして、周囲には金属製の上下エッジ及び戸尻エッジ、難燃ゴム製の戸当りが取付けられている為に火災時の高熱による引き戸の反りはなく、戸袋間に大きな隙間を生じて延焼することを防止する。
【0021】
そして引き戸にガラス窓を設ける場合には、窓枠は木質材が使用されるがガラス板は金属製のコ型ガラス受けにて支持されている為に、ガラス板が窓空間から外れ落ちることはない。さらにガラス板と窓枠間には熱発泡材が設けられている為に、火災時にはこの間の隙間を塞ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】引き戸装置野縦断面図。
【図2】引き戸装置の戸先側横断面図。
【図3】引き戸装置野戸尻側横断面図。
【図4】コ型ガラス受け。
【図5】引き戸に設けるガラス窓。
【符号の説明】
1 戸袋
2 引き戸
3 戸袋空間
4 石こうボード
5 中間枠
6 戸尻側枠
7 枠材
8 ロックウール
9 表面材
10 上エッジ
11 下エッジ
12 戸尻エッジ
13 戸当り
14 ガラス窓
15 ガラス板
16 補助桟
17 窓枠
18 底片
19 ネジ溝
20 窓空間
21 ネジ
22 コ型ガラス受け
24 熱発泡材
25 吊車
26 上レール
27 ガイドローラ
Claims (3)
- 木製の防火用引き戸において、積層板を所定寸法に切断した枠材を枠組みした枠体にはロックウール等の難燃充填材を充填し、その両面側には木質合板であって厚さが4mm以上の表面材を貼り合せ、上端には金属製の上エッジ、下端には金属製の下エッジ、戸尻には金属製の戸尻エッジ、さらに戸先には難燃ゴムから成る戸当りを取付け、上記上エッジは上方へ延びる側片を備え、火災時の高熱によって吊車の樹脂製ローラなどが溶けて流れ落ちることを防止するようにしたことを特徴とする防火用引き戸。
- 引き戸中央部に形成した窓空間には金属製のコ型ガラス受けを介してガラスを嵌め、窓空間の周囲には木製の窓枠を取付けた請求項1記載の防火用引き戸。
- ガラス板と窓枠間には熱発泡材を取付けた請求項2記載の防火用引き戸。
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