JP3559914B2 - クロック発生回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば音声、映像機器においてディジタル信号処理を行なう場合に、基準となるマスタークロックを発生させるクロック発生回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル技術の発達により、サンプリング定理に基づいたPCM 音声により、原音に極めて近い音声を記録、再生することが可能になった。そして高音質再生に関しては、コンパクトディスク (以下CDという) の出現によって、サンプリング周波数44.1kHz 、量子化ビット数16ビットのPCM 音声を再生することが可能となっている。また高音質記録に関してはディジタルオーディオテープレコーダ (以下DAT という) によって、標準記録用ではサンプリング周波数48kHz 、量子化ビット数16ビットの記録方法により、長時間記録用ではサンプリング周波数32kHz 、量子化ビット数12ビットの記録方法によって、高音質記録、再生が可能となっている。
【0003】
現在ディジタル音声の記録、再生に使用されているサンプリング周波数は、48kHz 、32kHz と、CD音声記録再生用の44.1kHz の3種類の周波数が主流となっている。このような3種類の周波数を用いたディジタル音声を記録、再生するための信号処理に必要なクロックは必ずサンプリング周波数に同期した周波数、即ちサンプリング周波数fS の整数倍に定められている。そして現在、ディジタルオーディオの信号処理に用いているマスタークロックはサンプリング周波数fS の256倍である 256fS 、 384倍である 384fS 、 512倍である 512fS 等が使用されており、このマスタークロックを適宜に分周することにより、信号処理に必要なクロックを発生することができる。
【0004】
なお、単にクロックを発生させる場合は、コイルと、コンデンサとを用いたLC発振器で十分であるが、発振精度、周波数安定度等の点で問題があり、通常、ディジタルオーディオ機器には、このようなマスタークロックを発生させる水晶発振子と、反転アンプとを用いたクロック発振回路を使用している。この水晶発振子についても、オーディオ機器により必要とされる発振周波数、発振精度が異なり、例えばCDの場合、サンプリング周波数fS が44.1kHz のみであるため、マスタークロックに 256fS を用いる場合は 256×44.1kHz =11.289MHz の水晶発振子が1個必要となる。
【0005】
また、DAT の場合は、サンプリング周波数fS が3種類であるため、マスタークロックに 256fS を用いる場合は、 256×32kHz =8.192 MHz 、 256×48kHz =12.288MHz 、 256×44.1kHz =11.289MHz の発振周波数が異なる合計3個の水晶発振子が必要となる。
【0006】
このような水晶発振子の使用例は例えば (株) アイエー出版が発行した技術専用誌「ラジオ技術」1991年4月号に掲載されており、図14はその“ソニーTCD −D3、DAT ウォークマンの魅力をさぐる”に示されているDAT の信号処理回路のブロック図である。記録時に、記録音声入力端子100,100 に入力された音声信号はラインアンプ103,103 により増幅される。増幅された信号はADコンバータ104 へ入力され、AD変換されたディジタル信号はディジタルシグナルプロセッサ (以下DSP という) 105 へ入力され、記録フォーマットに沿った信号処理が行われた後、RFアンプ107 へ入力されて、磁気テープ121 に記録するのに十分な信号レベルまで増幅された後、記録再生ヘッド108 を介して磁気テープ121 に記録される。
【0007】
一方、再生時は、磁気テープ121 からの再生データを磁気ヘッド108 により再生信号として取出した後、RFアンプ107 により増幅し、増幅した再生信号をDSP 105 へ入力して再生信号処理を行なう。DSP 105 の出力信号は、ディジタルI/O コントローラ116 によりディジタル出力を生成するとともに、ディジタルフィルタ110 に入力され、帯域制限を行った後DAコンバータ111 でDA変換を行う。そして高域遮断アンプ112,112 を通った再生信号はライン出力端子115,115 へ出力されて、アナログ音声信号として再生される。
【0008】
そして、DSP 105 の信号処理には通常、サンプリング周波数fS の整数倍の周波数を、基準クロックの周波数としており、ここでは32kHz 、44.1kHz 、48kHz の3種類のサンプリング周波数fS 夫々に対応させて、サンプリング周波数発振回路106 に3個の水晶発振子122a,122b,122cを使用してクロックを発生させている。
また、再生時記録媒体、例えば磁気テープと回転ヘッドとを用いたDAT については、その記録構造からテープと回転ヘッドとの摩擦、その他の外乱等により磁気テープに振動が発生し、再生オーディオデータ、クロックにジッタが発生する。この状態における音声データは、例え再生データ処理を行っても音声が途切れたり、異音が生じることから、通常は再生音声データを基準クロックに同期させ、安定した音声データを得るためのPLL(Phase Lock Loop)回路を設けている。
【0009】
図15は一般的なPLL 回路のブロック図である。
ジッタを含む再生時の入力クロック5及びジッタを含まない出力クロック6は、位相比較器1へ入力されて位相比較される。位相比較器1の出力は、通常、2入力の位相差が0の場合に所定電圧に設定され、例えば進み位相の場合には電圧値を正方向に、遅れ位相の場合には負方向に位相差に比例して変化させる。位相比較器1の出力は、ローパスフィルタ2により高周波域成分を除去した後、VCO(電圧制御発振器) 3へ入力される。VCO 3は入力電圧の変化に応じて、その発振周波数を可変にでき、入力電圧に対応した発振周波数のクロックを出力する。そして、入力クロック5の周波数に対し、VCO 3の発振周波数が高い場合は、分周器4によって整数分の1の出力クロック6を出力するとともに、位相比較器1へ帰還させる。この出力クロック6はVCO 3による周波数安定度の極めて高いクロックとして以後の信号処理に用いられる。
【0010】
なお、ディジタル音声信号の記録再生においては、通常サンプリングクロックの 256倍の周波数をVCO 3の基準周波数に設定している。例えばサンプリング周波数fS が48kHz の場合、48kHz × 256=12.288MHz となり、同様に44.1kHz の場合は11.289MHz となり、32kHz の場合は8.192 MHz となる。それにより、3種類のサンプリング周波数に対応した音声信号の記録再生処理を行う場合には、前記PLL 回路において、これらの3種類の夫々の周波数に対応したVCO 3を使用する必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来のクロック発振回路は、前述したように構成されているので、複数種類のサンプリング周波数を用いてディジタル音声信号の記録再生を行う場合、夫々のサンプリング周波数ごとに、高価であり、しかも部品実装面積が広い水晶発振子又はコイルを設ける必要があり、製品コストの上昇を招くという問題がある。また広い部品実装面積を必要として、製品の小型軽量化が図れないという問題がある。
本発明は斯かる問題に鑑み、複数種類のサンプリング周波数を用いる音声信号のディジタル処理に対して、少数の水晶発振子又はコイルを用いてマスタークロックを発生させるクロック発生回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るクロック発生回路は、基準クロック信号を発生させる基準クロック発生回路と、該基準クロック発生回路が発生させた基準クロック信号を6n(nは正整数)分周して出力する6n分周器と、前記基準クロック信号の周期を遅延時間の単位として、前記6n分周器が出力したクロック信号を遅延させて出力する遅延回路とを備え、該遅延回路は、前記6n分周器が出力したクロック信号を該クロック信号の1/4周期分遅延させたクロック信号を出力すべくなしてあり、前記遅延回路が出力したクロック信号と前記6n分周器が出力したクロック信号との排他的論理和演算を用いて、前記基準クロック信号を3n(nは正整数)分周したクロック信号を出力すべくなしてあることを特徴とする。
【0014】
第2発明に係るクロック発生回路は、基準クロック信号を2n(nは正整数)分周する2n分周器を更に備え、該2n分周器が2n分周したクロック信号を出力すべくなしてあることを特徴とする。
【0015】
第3発明に係るクロック発生回路は、基準クロック信号を発生させる基準クロック発生回路と、該基準クロック発生回路が出力した基準クロック信号をn(nは正整数)分周して出力するn分周器と、該n分周器が出力したクロック信号をカウントする3進カウンタとを備え、該3進カウンタが出力した上位ビット信号を反転させることにより、前記基準クロック信号に同期し、該基準クロック信号を3n分周したクロック信号を出力すべくなしてあることを特徴とする。
【0016】
第4発明に係るクロック発生回路は、基準クロック信号を発生させる基準クロック発生回路と、該基準クロック発生回路が発生させた基準クロック信号を3n(nは正整数)分周して出力する3n分周器と、前記基準クロック信号の周期を遅延時間の単位として、前記3n分周器が出力したクロック信号を遅延させて出力する遅延回路とを備え、前記3n分周器が出力したクロック信号及び前記遅延回路が出力したクロック信号の排他的論理和演算を用いて、前記基準クロック信号を(3/2)n分周したクロック信号を出力すべくなしてあることを特徴とする。
【0017】
第5発明に係るクロック発生回路は、n分周器が出力したクロック信号と、前記3進カウンタが出力した上位ビット信号の反転信号との論理積により、前記基準クロック信号を(3/2)n分周したクロック信号を出力すべくなしてあることを特徴とする。
【0018】
第6発明に係るクロック発生回路は、基準クロック信号を発生させる基準クロック発生回路と、該基準クロック発生回路が発生させた基準クロック信号をm(mは正整数)分周して出力するm分周器と、選択的に複数種類のクロック信号を発振させて出力する電圧制御発振器と、該電圧制御発振器が選択的に出力したクロック信号に応じて、該クロック信号を前記m分周器が出力したクロック信号の周波数に分周して出力するプログラマブル分周器と、前記m分周器が出力したクロック信号及び前記プログラマブル分周器が出力したクロック信号の位相を比較する位相比較器とを備え、該位相比較器の比較結果である位相差を0にするように、前記電圧制御発振器が出力するクロック信号の周波数を制御すべくなしてあることを特徴とする。
【0027】
【作用】
第1発明に係るクロック発生回路では、基準クロック発生回路が基準クロック信号を発生させ、6n分周器が、基準クロック信号を6n(nは正整数)分周して出力する。遅延回路が、6n分周器が出力したクロック信号をそのクロック信号の1/4周期分遅延させたクロック信号を出力し、遅延回路が出力したクロック信号と6n分周器が出力したクロック信号との排他的論理和を用いて、基準クロック信号を3n(nは正整数)分周したクロック信号を出力する。
【0029】
第2発明に係るクロック発生回路では、2n分周器が、基準クロック信号を2n(nは正整数)分周し、2n分周器が2n分周したクロック信号を出力する。
【0030】
第3発明に係るクロック発生回路では、基準クロック発生回路が基準クロック信号を発生させ、n分周器が基準クロック信号をn(nは正整数)分周して出力する。3進カウンタが、n分周器が出力したクロック信号をカウントし、3進カウンタが出力した上位ビット信号を反転させることにより、基準クロック信号に同期し、基準クロック信号を3n分周したクロック信号を出力する。
【0031】
第4発明に係るクロック発生回路では、基準クロック発生回路が基準クロック信号を発生させ、3n分周器が基準クロック信号を3n(nは正整数)分周して出力する。遅延回路が、基準クロック信号の周期を遅延時間の単位として、3n分周器が出力したクロック信号を遅延させて出力する。3n分周器が出力したクロック信号及び遅延回路が出力したクロック信号に基づき、基準クロック信号を(3/2)n分周したクロック信号を出力する。
【0032】
第5発明に係るクロック発生回路では、n分周器が出力したクロック信号と、3進カウンタが出力した上位ビット信号の反転信号との論理積により、基準クロック信号を(3/2)n分周したクロック信号を出力する。
【0033】
第6発明に係るクロック発生回路では、基準クロック発生回路が基準クロック信号を発生させ、m分周器が、基準クロック信号をm(mは正整数)分周して出力する。電圧制御発振器が、選択的に複数種類のクロック信号を発振させて出力し、プログラマブル分周器が、電圧制御発振器が選択的に出力したクロック信号に応じて、そのクロック信号をm分周器が出力したクロック信号の周波数に分周して出力する。位相比較器が、m分周器が出力したクロック信号及びプログラマブル分周器が出力したクロック信号の位相を比較し、位相比較器の比較結果である位相差を0にするように、電圧制御発振器が出力するクロック信号の周波数を制御する。
【0042】
【実施例】
以下本発明をその実施例を示す図面により詳述する。
図1は本発明に係るクロック発生回路の一部である基準クロック発生回路のブロック図である。水晶発振子22に、反転アンプ23及び抵抗24が夫々並列接続される。水晶発振子22の一側端子、他側端子はコンデンサ25,25 を介して接地される。水晶発振子22と、反転アンプ23と、抵抗24と、コンデンサ25,25 とにより基準クロック発生回路41が構成される。基準クロック発生回路41は水晶発振子22のインダクタンス値と、コンデンサ25,25 の静電容量とにより発振周波数が定まることから、同じ回路構成で異なるインダクタンスを有する水晶発振子22を使用することにより、サンプリング周波数fS に応じたディジタルオーディオ信号処理に必要なマスタークロックを発生させることができる。
【0043】
この図1においては、24.576×nMHz(48k× 512nHz) 、 (nは正の整数) の水晶発振子22を用いて基準クロック(基準クロック信号)40を発生させている。図2はn=1であり、24.576×nMHz(48k× 512nHz) の基準クロックから48k×256Hz 及び32k×256Hz のクロック(クロック信号)を発生させる本発明に係るクロック発生回路の第1実施例のブロック図である。24.576×nMHz の基準クロック40は2n分周器26、6n分周器27及びn分周器28へ入力される。6n分周器27の出力クロックはDフリップフロップ回路29及び排他的論理和回路 (以下EXOR回路という) 31の一入力端子へ入力される。Dフリップフロップ回路29の出力はDフリップフロップ回路30へ入力され、その出力はEXOR回路31の他入力端子へ入力される。n分周器28の出力クロックはインバータ回路33を介して、Dフリップフロップ回路29,30 の各クロック端子へ入力される。そして、6n分周器27、n分周器28、Dフリップフロップ回路29,30 、インバータ回路33及びEXOR回路31により3分周器34が構成される。
【0044】
次にこのクロック発生回路の動作を、各部信号のタイミングチャートを示す図3とともに説明する。
図1に示した基準クロック発生回路41により発生させた24.576MHz(48k×512 MHz ) の図3(a) に示す基準クロック40は、2n分周器26により2分周 (n=1) されて、図3(b) に示すサンプリング周波数fS =48kHz に対するマスタークロック(マスタークロック信号) 256fS (48k× 256MHz ) を発生させることができる。また、この基準クロック40は、6n分周器27により6分周 (n=1) されて、6n分周器27の出力クロック(出力クロック信号)Aは図3(c) に示すようになる。そしてこの出力クロックAがDフリップフロップ回路29及びEXOR回路31へ入力される。
【0045】
一方基準クロック40をn分周器28によりn分周した出力クロックをインバータ回路33で反転させた反転クロックがDフリップフロップ29,30 のクロック端子へ入力され、Dフリップフロップ29から、反転クロックの立上りに同期してn分周したクロックの0.5 クロック分(周期分)遅延した図3(d) に示すクロックBが出力される。このクロックBがDフリップフロップ回路30へ入力され、Dフリップフロップ回路30によってn分周したクロックの1クロック分(周期分)遅延して、Dフリップフロップ回路30から図3(e) に示すように、Dフリップフロップ回路29に入力したクロックより、このクロックの1/4 クロック分( 周期分 )遅延したクロックCが出力される。このクロックCがEXOR回路31へ入力され、クロックAとクロックCとの排他的論理和が成立するとEXOR回路31から図3(f) に示す32k×256Hz であり、デューティ50%であるマスタークロックを発生することができる。
【0046】
なお、n=1の場合においては、n分周器28の出力クロックは入力クロックと同様であることから、特に分周器を設ける必要がなく、基準クロックをそのまま通過させても同様のマスタークロック、つまりクロック 256fS を発生させ得る。
またn≧2の場合においても、n分周器28、2n分周器26、6n分周器27及び3n分周器34の各分周比はnの変化に対応することから、前述したと同様に32k×256Hz 、デューティ50%のマスタークロックを発生させることができる。この実施例ではインバータ回路33及びDフリップフロップ回路29,30 により、6n分周したクロックを、そのクロックの1/4 クロック分遅延させたが、それに代えて1/4 クロック分遅延させ得る遅延回路を用いても同様の効果が得られる。
【0047】
なお、前述した水晶発振子22の代わりに図4に示すようにインダクタンスを有するコイル50を用いて、コイル50とコンデンサ25,25 とを使用しても前述したと同様に基準クロック40を発生することができる。
【0048】
図5は本発明に係るクロック発生回路の第2実施例のブロック図である。
n=1であり、24.576×nMHz(48k× 512nHz) の基準クロックから、32k×256Hz のクロックを同期クロックで実現する場合である。48k× 512nHzの基準クロック40は2n分周器26及びn分周器28へ入力される。n分周器28の出力クロックは3進カウンタ32へ入力される。3進カウンタ32の出力の上位ビット COUNTa [1]はインバータ回路33へ入力される。
【0049】
次にこのクロック発生回路の動作を、各部クロックのタイミングチャートを示す図6とともに説明する。
前述した基準クロック発生回路41により発生した24.576MHz(48k×512Hz)の図6(a) に示す基準クロック40は2n分周器26により2n分周され、12.288MHz のクロックが出力される。また基準クロック40はn分周器28により1分周 (n=1) 、即ち、特に分周処理を行わないまま2ビットの出力を得る3進カウンタ32へ入力され、図6(b) に示す3進カウンタ32の出力の上位ビット、下位ビット COUNTa [1:0]を発生する。この上位ビット COUNTa [1]をインバータ回路33により反転することによって、基準クロック40に同期した図6(d) に示す32k×256Hz の同期クロックを発生できる。
【0050】
なお、n≧2の場合も、n分周器28の出力クロックはnの変化に係わらず一定周期のクロックであることから、n=1の場合と同様32k×256Hz の同期クロックを発生できる。
また、前述したと同様、水晶発振子22の代わりにコイル50を用いて、コイル50とコンデンサ25とにより基準クロック40を発生させることができる。
【0051】
図7は本発明に係るクロック発生回路の第3実施例のブロック図であり、n=1であり、基準クロック40を12.288×nMHz(48k× 256nHz) としている場合のブロック図である。基準クロック40はn分周器28及び3n分周器35へ入力され、n分周器28から12.288MHz のクロックが出力される。3n分周器35の出力クロックはDフリップフロップ回路42及びEXOR回路36の一入力端子へ入力される。Dフリップフロップ回路42の出力はEXOR回路36の他入力端子へ入力される。
【0052】
次にこのクロック発生回路の動作を、各部信号のタイミングチャートを示す図8とともに説明する。図1に示した基準クロック発生回路41により発生した図8(a) に示す12.288MHz の基準クロック40は3n分周器35に入力されて3分周 (n=1) され、3n分周器35の出力クロックは図8(b) に示すクロックDとなる。このクロックDはDフリップフロップ42及びEXOR回路36へ入力され、Dフリップフロップ42から基準クロック40に対し1クロック遅延した図8(c) に示すクロックEを出力する。このクロックEがEXOR回路36へ入力され、EXOR回路36からクロックDとEとの排他的論理和による図8(d) に示す8.192 MHz(32k×256Hz)のクロックを発生できる。
【0053】
なお、n≧2の場合も3n分周器35はnの変化に対応して、所定の信号Dを発生することにより、n=1の場合と同様、8.192 MHz(32k×256Hz)のクロックを発生させることができる。
また、水晶発振子22の代わりにコイル50を用いて、コイル50とコンデンサ25とにより、水晶発振子22の場合と同様の基準クロック40を発生させることができる。
【0054】
図9は本発明に係るクロック発生回路の第4実施例のブロック図であり、n=1であり、基準クロック40を12.288MHz ×nMHz(48k× 256nHz) としている場合のブロック図である。基準クロック40はn分周器28a 及びn分周器28b へ入力され、n分周器28a から12.288MHz のクロックが出力される。n分周器28b の出力クロックは3進カウンタ32及びAND 回路45の一入力端子へ入力される。3進カウンタ32の出力の上位ビット COUNTb [1]及び下位ビット COUNTb [0]のうち、上位ビット COUNTb [1]はインバータ回路33を介してAND 回路45の他入力端子へ入力される。
【0055】
次にこのクロック発生回路の動作を、各部信号のタイミングチャートを示す図10とともに説明する。図1に示した基準クロック発生回路41によって発生した12.288MHz(48k× 256nHz) の基準クロック40がn分周器28a に入力され1分周 (n=1) されて12.288MHz のクロックを出力する。またn分周器28b によりn分周され、即ち分周を行わないまま図10(a) に示すクロックFが3進カウンタ32及びAND 回路45へ入力される。3進カウンタ32は図10(b) に示すように3進カウンタの出力の上位ビット及び下位ビット COUNTb [1, 0]を発生させる。そして上位ビット COUNTb [1]の信号Gがインバータ回路44によって反転され、反転した図10(d) に示す信号HがAND 回路45へ入力される。そしてAND 回路45によりクロックF及び信号Hの論理積により、図10(e) に示す8.192 MHz(32k×256Hz)のクロックを発生させることができる。
【0056】
なお、n≧2の場合、12.288×nMHz のクロックは、n分周器52によりn分周されることから、前述したn=1の場合と同様、8.192 MHz(32k×256Hz)のクロックを発生させることができる。
また、水晶発振子22の代わりにコイル50を用いて、コイル50とコンデンサ25とにより、水晶発振子22を用いた場合と同様の基準クロック40を発生することができる。
【0057】
図11は本発明に係るクロック発生回路の第5実施例のブロック図であって、n=1であり、基準クロック40を12.288MHz ×n (48k×256 ×nHz) として、ディジタル音声の再生時に使用するPLL 回路を使用して、記録時の基準クロックを発生するためのブロック図である。
【0058】
図1に示した基準クロック発生回路41によって発生した12.288×nMHz の基準クロック40は、122880 (48×256 ×10n) 分周器37により100Hz のクロックJに分周される。サンプリング周波数fS が44.1kHz の場合に“1”に、32kHz の場合に“0”になるモード信号39がVCO 3及びプログラマブル分周器38に入力される。モード信号39が“1”の場合VCO 3の出力周波数は44.1k×256Hz に、プログラマブル分周器38の分周比は112896 (44.1×256 ×10n) に設定される。これによりプログラマブル分周器38から出力されるクロックPは、122880n分周器37の出力クロックJと同様、100Hz のクロックPに分周される。図12はクロックJ, クロックPのタイミングチャートである。
【0059】
なお、クロックJ, Pの周波数を100Hz としているが、実際には 100±αHzの周波数となることから、2つのクロックJ, Pの位相差θを検出するため、両クロックJ, Pは位相比較器1へ入力され位相が比較される。図13は位相比較器1の理想的な入出力特性と、VCO 3の出力周波数との関係を示す特性図であり、縦軸を位相比較器1の出力電圧Vとし、横軸をクロックJに対するクロックPの位相差θとしている。
【0060】
図12に示すクロックタイミングチャートにおいて、クロックJに対するクロックP1 の位相差をθa2、クロックJに対するクロックP2 の位相差をθb2、クロックJに対するクロックP3 の位相差をθa1、クロックJに対するクロックP4 の位相差をθb1とする (θa1, θa2>0、θa1<θa2、θb1, θb2<0、θb1<θb2<0) 。そして図13から明らかなように、位相差θa1, θa2、θb1, θb2に対する位相比較器1の出力電圧は夫々Va1, Va2 (Va1, Va2>0) 、Vb1, Vb2 (Vb1, Vb2<0) となり、位相差θに対して出力電圧Vはリニアな特性を示す。そして、位相比較器1の出力電圧はローパスフィルタ2を介してVCO 3に入力され、位相差θを0に近付ける方向へ発振周波数を制御する。
【0061】
なお、PLL 回路の動作としては、位相比較器1へ入力されるクロックJ, Pの位相差θが所定範囲内、例えば図13の位相差θb1からθa1内にある場合に、位相比較器1の出力電圧は略一定値となる。この出力電圧がローパスフィルタ2を介してVCO 3の図示しない電圧制御端子へ入力されることから、VCO 3の出力周波数は所定値となり、クロックJ, Pは同期関係を保持する。
【0062】
このときのVCO 3の出力周波数は、周波数f2 からf3 の周波数範囲で安定し、周波数が安定したクロック (44.1k×256Hz)を得ることができる。なお、位相差がθ>θa1、θ<θb1の場合は同期状態が崩れて、VCO 3の出力電圧は、安定した状態を保持する方向へ出力周波数を変化させる。
なお、前述したようにモード信号39を“1”としている場合は、VCO 3は周波数が44.1k×256Hz のクロックを発生するが、モード信号39を“0”とすることによって、VCO 3は周波数が32k×256Hz のクロックを発生することになり、モード信号39が“1”の場合と同様に周波数が安定したクロックを出力する。
【0063】
また、n≧2の場合も122880n分周器37及びプログラマブル分周器38の分周比はnの変化に対応していることから、位相比較器1に入力されるクロックJ, Pの周波数はいずれも100Hz となり、n=1の場合と同様、安定した44.1k×256Hz 、又は32k×256Hz のクロックを得ることができる。
【0064】
本実施例では、発振する基準クロック40が48k× 256nHzである発振子を用いており、VCO 3による電圧、周波数制御を行って、32k×256Hz 又は44.1k×256Hz のクロックを得るようにしたが、これらの周波数に限るものではなく、基準クロックが32基準× 256nHz(8.192×nMHz ) 又は44.1k× 256nHz(11.2896×nMHz ) なる発振回路を用いて構成しても同様の効果が得られる。
【0065】
またPLL 回路の構成自体は、ディジタル音声の再生時に使用するものを兼用しているため何ら回路を追加することなく容易に実施できる。
更に基準クロック発生回路41における水晶発振子22の代わりにコイル50を用いて、コイル50とコンデンサ25とにより、水晶発振子22を用いた場合と同様の基準クロック40を発生することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば必要とするサンプリング周波数に対応した基準クロックを発生させるための発振素子又はコイルの数を削減することができ、クロック発生回路の回路面積を減少させ得るとともに、クロック発生回路の製造コストを低減できる。また、必要とするサンプリング周波数に対応した基準クロックを発生させるための発振素子又はコイルの数を削減できることから、クロック発生回路を実装する製品に実装する他の回路の実装面積を拡大できるとともに、クロック発生回路を実装した製品の小型、軽量化が図れる。
【0067】
また、ディジタル音声の再生信号処理用PLL 回路を用いて、記録時のサンプリングクロックを作成するように構成したから、回路の増加がなく、少数の発振素子又はコイルを用いることにより、複数種類の周波数のサンプリングクロックを安定に発生させることができる。
また、分周器自体は通常のバイナリカウンタを用いることが容易であり、LSI 作成の場合には回路の増幅も僅かであって実現が容易である。そのため、本発明のクロック発生回路において分周器を付加する必要があるものについては、発振素子等の回路部品の削減効果がより大である等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】水晶発振子を用いた基準クロック発振回路のブロック図である。
【図2】本発明に係るクロック発生回路の第1実施例のブロック図である。
【図3】各部クロックのタイミングチャートである。
【図4】基準クロック発振回路の他の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るクロック発生回路の第2実施例のブロック図である。
【図6】各部クロックのタイミングチャートである。
【図7】本発明に係るクロック発生回路の第3実施例のブロック図である。
【図8】各部クロックのタイミングチャートである。
【図9】本発明に係るクロック発生回路の第4実施例のブロック図である。
【図10】各部クロックのタイミングチャートである。
【図11】本発明に係るクロック発生回路の第5実施例のブロック図である。
【図12】各部クロックのタイミングチャートである。
【図13】位相比較器の入出力特性、位相差、VCO の出力周波数との関係を示す特性図である。
【図14】従来のクロック発生回路におけるPLL 回路のブロック図である。
【図15】従来のDAT の信号処理回路のブロック図である。
【符号の説明】
1 位相比較器、3 VCO(電圧制御発振器) 、22 水晶発振子、25 コンデンサ、26 2n分周器、27 6n分周器、28,28a,28b n分周器、29,30 Dフリップフロップ、31 EXOR回路、32 3進カウンタ、33 インバータ回路、35 3n分周器、36 EXOR回路、37 122880n分周器、38 プログラマブル分周器、41 基準クロック発生回路、42 Dフリップフロップ、45 AND 回路、50 コイル。
Claims (6)
- 基準クロック信号を発生させる基準クロック発生回路と、該基準クロック発生回路が発生させた基準クロック信号を6n(nは正整数)分周して出力する6n分周器と、前記基準クロック信号の周期を遅延時間の単位として、前記6n分周器が出力したクロック信号を遅延させて出力する遅延回路とを備え、該遅延回路は、前記6n分周器が出力したクロック信号を該クロック信号の1/4周期分遅延させたクロック信号を出力すべくなしてあり、前記遅延回路が出力したクロック信号と前記6n分周器が出力したクロック信号との排他的論理和演算を用いて、前記基準クロック信号を3n(nは正整数)分周したクロック信号を出力すべくなしてあることを特徴とするクロック発生回路。
- 基準クロック信号を2n(nは正整数)分周する2n分周器を更に備え、該2n分周器が2n分周したクロック信号を出力すべくなしてある請求項1記載のクロック発生回路。
- 基準クロック信号を発生させる基準クロック発生回路と、該基準クロック発生回路が出力した基準クロック信号をn(nは正整数)分周して出力するn分周器と、該n分周器が出力したクロック信号をカウントする3進カウンタとを備え、該3進カウンタが出力した上位ビット信号を反転させることにより、前記基準クロック信号に同期し、該基準クロック信号を3n分周したクロック信号を出力すべくなしてあることを特徴とするクロック発生回路。
- 基準クロック信号を発生させる基準クロック発生回路と、該基準クロック発生回路が発生させた基準クロック信号を3n(nは正整数)分周して出力する3n分周器と、前記基準クロック信号の周期を遅延時間の単位として、前記3n分周器が出力したクロック信号を遅延させて出力する遅延回路とを備え、前記3n分周器が出力したクロック信号及び前記遅延回路が出力したクロック信号の排他的論理和演算を用いて、前記基準クロック信号を(3/2)n分周したクロック信号を出力すべくなしてあることを特徴とするクロック発生回路。
- n分周器が出力したクロック信号と、前記3進カウンタが出力した上位ビット信号の反転信号との論理積により、前記基準クロック信号を(3/2)n分周したクロック信号を出力すべくなしてある請求項3記載のクロック発生回路。
- 基準クロック信号を発生させる基準クロック発生回路と、該基準クロック発生回路が発生させた基準クロック信号をm(mは正整数)分周して出力するm分周器と、選択的に複数種類のクロック信号を発振させて出力する電圧制御発振器と、該電圧制御発振器が選択的に出力したクロック信号に応じて、該クロック信号を前記m分周器が出力したクロック信号の周波数に分周して出力するプログラマブル分周器と、前記m分周器が出力したクロック信号及び前記プログラマブル分周器が出力したクロック信号の位相を比較する位相比較器とを備え、該位相比較器の比較結果である位相差を0にするように、前記電圧制御発振器が出力するクロック信号の周波数を制御すべくなしてあることを特徴とするクロック発生回路。
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1995
- 1995-02-09 JP JP02207395A patent/JP3559914B2/ja not_active Expired - Fee Related
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