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JP3561567B2 - プランジャ型圧縮機のシール装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プランジャ型圧縮機の摺動部のシール装置に関する。更に詳しくは、摺動部に断面矩形のパッキンを用いたプランジャ型圧縮機のシール装置、特に、2種類のパッキン組み合わせによるシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プランジャポンプ即ちプランジャ型圧縮機は、シリンダの中で丸棒状のプランジャを往復動させて、シリンダ内の容積を変えることによって流体を吸い込み、送り出しを行う往復動ポンプである。通常プランジャ型圧縮機は、高圧用として用いられている。従って、プランジャとシリンダとの間は、高圧の気密性が要求される。
【0003】
このようなプランジャ型圧縮機には、シリンダとプランジャとの間の摺動部にパッキンが介装されている。被圧縮流体が摺動部から漏洩するのを阻止するパッキンは、圧縮機の圧縮率を保持する。被圧縮流体が摺動部から漏洩するのを防止するためのパッキンとして、高圧下での気密性を確保するために、断面がくの字状のパッキン即ちVパッキンが慣用されている。
【0004】
Vパッキンは、グランドにより軸方向に押さえられ、磨耗の程度にあわせて軸方向に締め直される。吐出能力を上げるためにプランジャの往復動の周期を短くすると、Vパッキンの寿命は急激に短くなる。吐出量を多くしたポンプには、Vパッキンに代えられ断面が矩形状のグランドパッキンが用いられている。
【0005】
このような矩形パッキンを用いるポンプであっても、ある程度に圧縮率が低下する状態になると、微粒子が入り込み急にパッキンのシール面の痛みが進むとともにプランジャが磨耗し、急激に漏洩防止効果を喪失する。増し締め効果が小さいので、一度圧縮率が低下すると、ただちにシリンダ部分を分解してパッキンの交換をしなければならない。プランジャの一部が磨耗されると急激に全体にプランジャの磨耗が開始するので、パッキンの個数の増加はパッキン交換までの時間、即ち、パッキン寿命を延長させる延長効果をそれほどにはもたらさない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような技術的背景に基づいてなされたものであり、下記目的を達成するものである。
【0007】
本発明の目的は、矩形パッキンを用いた小型のプランジャ型圧縮機のシール装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、Uパッキンとの併用により矩形パッキンの寿命を延長するプランジャ型圧縮機のシール装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、シール空間を長くしないで矩形パッキンのシール性能の保持時間を延長するプランジャ型圧縮機のシール装置を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、コストをそれほどかけないで矩形パッキンのシール性能の保持時間を延長するプランジャ型圧縮機のシール装置を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、コストを低廉にするプランジャ型圧縮機のシール装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために次のような手段を採る。
【0013】
本発明1のプランジャ型圧縮機のシール装置は、
シリンダブロックに形成されているシリンダと、
前記シリンダの内面側で摺動して往復運動するプランジャと
前記プランジャと前記シリンダとの間の空間に挿入され径方向の耐圧縮力が大きい低圧側パッキンと、
前記プランジャと前記シリンダとの間の空間に挿入され径方向の耐圧縮性が小さく前記低圧側パッキンの高圧側に配置されたUパッキンと、
前記低圧側パッキンを軸方向に締め付けるための締付手段と
からなるプランジャ型圧縮機のシール装置において、
前記低圧側パッキンは、断面が矩形で前記低圧側パッキンは少なくとも2体が用いられ、前記Uパッキンは1体のみであり、かつ前記低圧側パッキンの間に弾性材で形成されるスペーサが介設されていることを特徴とする。
【0017】
本発明2のプランジャ型圧縮機のシール装置は、本発明1において、
前記低圧側パッキンは、フッ化カーボン、ポリ四ふっ化エチレン、ガラス繊維の群から選ばれる少なくとも1種が用いられていることを特徴とする。
【0018】
本発明のプランジャ型圧縮機のシール装置は、プランジャと前記シリンダとの間の空間に挿入され径方向の圧縮力が大きい適当個数の低圧側パッキン及びプランジャとシリンダとの間の空間に挿入され径方向の圧縮力が小さく低圧側パッキンの高圧側に配置され低圧側パッキンの適当個数に対応する適当個数のUパッキンが用いられている。径方向の圧縮力が大きい低圧側パッキンである主パッキンとしては、断面が矩形の矩形パッキンが用いることができる。径方向の圧縮力が小さいパッキンとしては、Uパッキンを用いることができる。
【0019】
径方向の圧縮力が小さいためプランジャに対して密着性が良くかつ回復しやすいUパッキンは、低圧側即ち矩形パッキン側に対して圧力降下効果も大きい。このため、矩形パッキンとプランジャとの間に入り込む流体圧は、Uパッキンの高圧側に対し水頭降下効果を受けて低くなっている。径方向内方に高圧の圧縮流体の圧力を受けるUパッキンは、復元性がよく低圧パッキンに対して寿命が比較的に長い。また、Uパッキンは、構造上磨耗しにくい。即ち、Uパッキンは、径方向の圧縮ひずみが大きいために磨耗を受けやすいが流体圧が低圧化されるため矩形パッキンの摺動面に、ゴミ、微粒子等が入り込みにくく、圧力降下により振動が少なくせん断破壊が起こり難くなっているので、結果として摩耗しにくい。
【0020】
このため、固形物がプランジャと低圧側パッキンの間の摺動面に入りにくいので、プランジャの磨耗が軽減される。高圧側と低圧側のパッキンの寿命を同期させることにより、全体の寿命を延長することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のプランジャ型圧縮機のシール装置の実施形態について説明する。図1は、本発明のプランジャ型圧縮機のシール装置の実施形態を示す正面断面図である。図2に示すように、圧縮機1は内部に適宜の原動機(図示せず)に連結されるクランク軸2を有している。クランク軸2には、クランク3、ピン4、スライダ5、連接棒6、カップリング7などを介してプランジャ8が連結されている。
【0022】
プランジャ8は、シリンダブロック9に形成されるシリンダ10にはめられている。プランジャ8はシリンダ10の中でほぼ同軸に往復運動自在に設けられている。プランジャ8は、後述するように、圧縮空気、圧縮液体などの圧縮流体を圧縮するためのピストンとして用いられる。吸入口11は、流体を吸い込むための吸込口である。
【0023】
吸入弁機構12は、吸入口11から吸入した流体を吸入して圧縮時には閉鎖するためのバルブ機構である。吐出口13は、圧縮流体を吐出する吐き出し口である。吐出弁機構14は、このための吐き出し弁の機構である。吸入口11と吐出口13との間の圧縮部15は、圧縮室16を備えている。圧縮室16にプランジャ8の先頭部が突入し進退動する。
【0024】
プランジャ8とシリンダ10との間には、図1に詳しく示すように、主パッキン20とUパッキン21とが、プランジャ8の往復運動方向(軸方向)に間隔を置いて配置されている。各主パッキン20は、プランジャ8の外周面22との間の摺動面積が大きく径方向に圧縮力が付加されたときの圧縮ひずみが小さく、径方向にも軸方向にも圧縮変形性に乏しい。Uパッキンは、摺動面積が大きく径方向の圧縮力が小さくても径方向の圧縮変形性が豊かである。
【0025】
研磨された円筒外周面22を持つプランジャ8と研磨された円筒内周面23を持つシリンダ10との間に4個の主パッキン20,20,20,20が運動方向即ち軸方向に間隔をおいて配置されている。摺動方向に隣り合う2体の主パッキン20,20の間には、弾性材で形成されるスペーサ24が介設されている。スペーサ24の弾性材としてはポリ四ふっ化エチレンが用いられている。ポリ四ふっ化エチレンに代えて、ポリイミドカーボン、各種エラストマ等を用いることができる。各主パッキン20の断面は、正方形、長方形であり矩形である。この矩形は、概ね矩形であればよく、周縁は面取りされている。
【0026】
1群の主パッキン群20Gの高圧側端部には、低圧側が軸直角面に形成されたパッキン押さえ26が設けられている。パッキン押さえ26は、シリンダ10とプランジャ8との間にはめ込まれている。高圧側の主パッキン20の高圧側面がパッキン押さえ26の前記軸直角面に密着している。パッキン押さえ26はシリンダ10の1部の小径部10aに圧接している。低圧側パッキン押さえ25の低圧側端面は、増締用摺動管27の高圧側端面で受け止められている。
【0027】
外周面に雄ねじが切られた増締用摺動管27は、シリンダ10の内周面に切られた雌ねじに螺合している。回転する増締用摺動管27は、プランジャ8の往復運動方向に前進後退する。パッキン押さえ26の高圧側に1個のUパッキン21が配置されている。Uパッキン21は、パッキン押さえ26の内周面とプランジャの円筒外周面22との間に挟まれている。Uパッキン21は、180度異なる位置に現れる2つの断面の内の1つの断面の形状がUの字状である。Uの字の凹部面が高圧側に面している。即ち、Uの字は軸方向に向き、Uの字の上側が高圧側である。
【0028】
シリンダ10には、潤滑用空気と混合されたオイルミスト又はオイルをプランジャ8の周面に導入するための潤滑油注入用穿孔29が開けられている。増締用摺動管27の外周面と内周面に輪溝30,31が設けられ、両輪溝は接続穴32により接続されている。増締用摺動管27とプランジャ本体8との間にシールリング33が介設されている。
【0029】
主パッキン20の材料は、フッ化カーボン、ポリ四ふっ化エチレン、ガラス繊維の群から少なくとも1種が選択される。
【0030】
次に、実施例1の作用を説明する。プランジャ8の1部は、弾性的な主パッキン20、Uパッキン21に支持されている。クランク軸2の回転運動に連動して往復運動する連接棒6にカップリング7を介して往復運動力の伝達を受けるプランジャ8は、わずかな角度であるが方向無限定な揺動角を持って径方向に振動する。高圧流体が、Uパッキン21の凹部面に作用しUパッキン21の内周面である摺動面をプランジャ8の外周面22に押しつける。
【0031】
Uパッキン21は、主パッキン20に較べてもともとシール性能がよい。Uパッキン21のプランジャ8に対して摺動する摺動面の面積は、各主パッキン20の摺動面の面積と同程度かこれより大きい。Uパッキン21は、高圧流体によるこのような大きい圧縮力による押しつけ力を考慮して、初期圧縮力が適正に定められている。Uパッキン21は、多少とも余裕がある空間28の中で軸方向及び径方向に膨張しやすいように設けられているので、プランジャ8の往復運動により無理な圧縮力を受けにくい。
【0032】
Uパッキン21のシール性能は元来すぐれているが、高圧流体の漏洩を完全に防止することはできない。Uパッキン21の摺動面に高圧で浸透して主パッキン20の所に達した圧力流体は、Uパッキン21の漏洩面で受ける抵抗分だけ低圧化されている。比較的に低圧の圧力流体は、主パッキン20の軸直角面及び摺動面に作用する。主パッキン20が圧力流体から受ける径方向の圧縮力は、比較的に小さい。主パッキン20は、締め付け手段である増締め摺動管27により軸方向に初期的に圧縮されている。この圧縮力により、主パッキン20の摺動面とプランジャ8の円筒状外周面との間の応力が初期的に調整されている。主パッキン20の内周面とプランジャ8の外周面との間の密着力は大きい。こような摺動面に漏洩してくる圧力流体は、Uパッキン21により圧力降下を受けているために漏洩速度は遅い。
【0033】
流体建設現場における泥水、セメントミルクである場合がある。一般に、圧力流体中の塵埃・固形分が摺動面に入り込むと主パッキン群の摩耗が激しく起こるが、Uパッキンにより圧力低下している主パッキン群の所の漏洩流体中の塵埃による摩耗は、大幅に軽減される。
【0034】
Uパッキン21よりも各主パッキン20の摩耗が激しい。主パッキン群20Gの内周面側の劣化が起こりシール性能が低下したときは、増締用摺動管27を右回転させる。1/4回転で、増締用摺動管27は0.5mm前進する。増締用摺動管27の前進により各主パッキン20は、圧縮を受け径方向に膨張し主パッキン20とプランジャ8との圧接力が復帰する。主パッキン20を交換しなければならない時期とUパッキン21の性能劣化時期が一致することにより、全体の寿命が大幅に延びる。
実験結果
吐出量が1m/sを越えると寿命が極端に短くなるVパッキンのみ使用つポンプと同型のポンプでVパッキンを1つ減らしてその代わりにUパッキンを1つ高圧側に用いた実験では、2m/sに吐出能力を高めた場合でも寿命の急激な短縮は起きなかった。従来、2m/sに吐出能力を高める場合はVパッキンを用いないで矩形状のパッキンすなわちグランドパッキンを用いて寿命の急激な短縮を防止していた。しかし、泥水中の固形分が摺動面に入り込むとプランジャの磨耗が起きる。高圧側にUパッキンが設けられている本発明のポンプでは、Uパッキンにより泥水のグランドパッキン側への移動が阻止されるために、プランジャの磨耗が少ない。Uパッキンの使用により、寿命を2倍に延長することができた。
作用の推定
このように著しく耐久時間を延長しポンプ性能を向上させたU主両パッキンの併用の作用を次の通り推定する。Uパッキンはプランジャに対して密着性がよい。径方向内方に弾力性が豊かなUパッキンは、高圧側にあって泥水中の固形分により磨耗されやすいが、その弾性変形により密着性が急速に悪くなることはない。このため、泥水中の固形分がUパッキンにより低圧側への移動を有効に阻止される時間が長い。
【0035】
Uパッキンとプランジャとの間の摺動面に浸透して主パッキン側に漏洩した流体の圧力は、Uパッキンとプランジャの間の摺動面を液体が浸透する際の浸透圧力分だけ低下している。このような水頭圧降下は、Uパッキンの特性である。隣り合う2体の主パッキン間に浸透する圧力はこのように低減しているので、締付手段27により軸方向に強く圧着している隣り合う2個の主パッキン間及び主パッキンとプランジャ間の摺動面に隙間が生じない。もし、隣り合う2個の主パッキン間に浸透する圧力Pが高い場合は、摺動面の隙間がそれだけ大きくなり、また、主パッキンの歪みが大きく主パッキンに振動的変形が増幅されますます摺動面の隙間が大きくなる。このような複数個の主パッキンは剛体化されていないので、プランジャの1往復により1回の強烈な振動力を受ける。ゴムはこのような振動には脆弱であるので、段々に部分が欠落する。これに対して締め付け手段により締め付けられている隣り合う2個の主パッキンの境界面に浸透する低圧化された流体によっては、隙間が振動的に生じない。即ち、パッキン群は剛体化されているので、各主パッキンはプランジャからの摺動摩擦を受けて摺動摩擦理論による摩耗作用を受けるが、強い振動力による脆弱化作用を受けないので、摩耗が抑えられる。
【0036】
このため、主パッキンとプランジャの摺動面に入り込む固形分が少なくなり、プランジャの磨耗が低減化され、プランジャの寿命が延長される。
【0037】
【その他の実施の形態】
本発明のプランジャ型圧縮機のシール装置の実施例は、U主両パッキンの個数の組み合わせは自由である。パッキン材質、耐圧限界、圧力流体の種類により変更が行われる。
【0038】
【発明の効果】
本発明のプランジャ型圧縮機のシール装置は、U主両パッキンの個数の組み合わせにより、圧縮流体の種類及び圧縮率(高圧化の程度)に対応できる。また、U主両パッキンの個数の組み合わせにより材質を任意に選ぶことができる。このような対応を可能にしながらU主両パッキンの寿命を同期させることにより、シール性能の保持時間を大幅に延長できる。シール空間の長さを増大させない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のプランジャ型圧縮機のシール装置の実施例1を示す正面断面図である。
【図2】図2は、本発明に係わるプランジャ型圧縮機の全体構成を示す正面断面図である。
【符号の説明】
8…プランジャ
9…シリンダブロック
10…シリンダ
20…主パッキン
21…Uパッキン
27…増締用摺動管(締付手段)

Claims (2)

  1. シリンダブロックに形成されているシリンダと、
    前記シリンダの内面側で摺動して往復運動するプランジャと
    前記プランジャと前記シリンダとの間の空間に挿入され径方向の耐圧縮力が大きい低圧側パッキンと、
    前記プランジャと前記シリンダとの間の空間に挿入され径方向の耐圧縮性が小さく前記低圧側パッキンの高圧側に配置されたUパッキンと、
    前記低圧側パッキンを軸方向に締め付けるための締付手段と
    からなるプランジャ型圧縮機のシール装置において、
    前記低圧側パッキンは、断面が矩形で前記低圧側パッキンは少なくとも2体が用いられ、前記Uパッキンは1体のみであり、かつ前記低圧側パッキンの間に弾性材で形成されるスペーサが介設されている
    ことを特徴とするプランジャ型圧縮機のシール装置。
  2. 請求項において、
    前記低圧側パッキンは、フッ化カーボン、ポリ四ふっ化エチレン、ガラス繊維の群から選ばれる少なくとも1種が用いられていることを特徴とするプランジャ型圧縮機のシール装置。
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