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JP3561735B2 - マルチビーム式光ディスク再生装置 - Google Patents
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JP3561735B2 - マルチビーム式光ディスク再生装置 - Google Patents

マルチビーム式光ディスク再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマルチビーム式光ディスク再生装置に係り、とくに、CD−ROM、CD−WO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、MO、LDなどの光ディスクを対象にして、光ディスクの複数本のトラックに各々、別個の光ビームを同時に照射し、各戻りビームの検出出力から記録データ再生系で各光ビームの照射されたトラックに記録された記録データを読み取るようにしたマルチビーム式光ディスク再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−ROMから記録データを高速に読み取る方法の1つとして、マルチビーム方式が有る。これは、螺線状にトラックの形成された光ディスクの隣接する複数本のトラックに各々、別個の光ビームを同時に照射し、各戻りビームの検出出力から記録データ再生系で各光ビームの照射されたトラックに記録された記録データを読み取り、該読み取ったデータを重複及び抜けが生じないようにしながら記録順に出力するようにしたものである。
【0003】
マルチビーム式CD−ROM再生装置の構成を図5を参照にして説明する。
図5において、1はCD−ROMであり、データの記録されたトラックが螺線状に形成されている(図5の左側が内周側、右側が外周側)。CD−ROM1は図示しないスピンドルモータにより線速度一定で回転される。2は5個の光ビームを照射できるマルチビーム方式の光ピックアップであり、CD−ROM1に対し相対的に回転しながら、かつ、記録データの読み取りの進行に伴って内周側から外周側に移動する。この光ピックアップ2は、CD−ROM1の隣接するn=5本のトラックに対し、各々、別個に光ビーム3〜3を同時に照射し、各戻りビームを別個のフォトディテクタPD〜PDで検出(受光)し、検出信号としての光電流を出力する。
【0004】
光ピックアップ2の内、4〜4はレーザダイオードであり、レーザビーム3〜3を発光する。6は2つの直角プリズムを貼り合わせたビームスプリッタ、7は各ビームを拡散光から平行光にするコリメータレンズ、8はビームスプリッタ6及びコリメータレンズ7を通過した光ビーム3〜3をCD−ROM1の信号面1Aに合焦させる対物レンズであり、該対物レンズ8の光軸は信号面1Aに垂直に交わる。9はCD−ROM1の面振れに追従して対物レンズ8をCD−ROM1の垂直方向に移動し、光ビーム3〜3の信号面1Aに対する合焦状態を維持させるためのフォーカスアクチュエータ、10はCD−ROM1の芯振れに追従して対物レンズ8をCD−ROM1の半径方向に移動し、各ビーム3〜3にトラックを正しくトレースさせるためのトラッキングアクチュエータである。フォーカスアクチュエータ9とトラッキングアクチュエータ10は後述するサーボ回路により個別に駆動される。
【0005】
PD〜PDは各々、光ビーム3〜3に対応して個別に設けられたフォトディテクタであり、受光量に比例した光電流を出力する。光ビーム3〜3がCD−ROM1の信号面1Aで反射した各戻りビームは、対物レンズ8、コリメータレンズ7を通ったあとビームスプリッタ6で反射し、シリンドリカルレンズ、ディテクタレンズ等の光学系(図示せず)を通ったあと、個別にフォトディテクタPD〜PDに入射する。フォトディテクタPD、PD、PD、PDは受光量に比例した光電流I、I、I、Iを、光ビーム3〜 3の各戻りビームの検出信号として出力する。フォトディテクタPDは、通常の1ビーム方式の光ピックアップに用いられているのと同様の4分割フォトダイオードであり、A,B,C,Dの各分割ダイオード毎に受光量に比例した光電流I−A、I−B、I−C、I−Dを出力する。
【0006】
11は再生時やサーチ時に光ピックアップ2をCD−ROM1の半径方向に移動するためのスレッドモータであり、サーボ回路により駆動されて、サーチ時に光ピックアップ2をフォワード方向またはリバース方向に所望位置まで移動したり、再生時に、CD−ROM1の再生の進行に従い、光ピックアップ2を次第にフォワード方向へ移動する。
【0007】
20は記録データ再生系であり、光ピックアップ2の各フォトディテクタPD〜PDの受光出力から各光ビーム3〜3の照射されたトラックに記録された記録データを読み取り、かつ、重複及び抜けが無いようにしながら、CD−ROM1での記録順にシリアルに出力する。この記録データ再生系20の内、21、21、21、21は各々、フォトディテクタPD、PD、PD、PDから出力された光電流I、I、I、 Iを電流/電圧変換し、光ビーム3、3、3、3に対応したRF信号RF、RF、RF、RFを出力する電流/電圧変換器(I/V)、21−A、21−B、21−C、21−Dは各々、フォトディテクタPDから出力された光電流I−A、I−B、I−C、I−Dを電流/電圧変換し、電圧値V、V、V、Vを出力する電流/電圧変換器(I/V)である。
【0008】
22は演算部であり、(V+V+V+V)の演算を行って光ビーム 3に対応したRF信号RFを形成したり、(V+V)−(V+V)の演算を行ってフォーカスエラー信号を形成したり、(V+V)−(V+V)の演算を行ってトラッキングエラー信号を形成する。図6に演算部22の具体的な構成を示す。演算部22の内、22は(V+V+V+V)の演算を行って光ビーム3に対応したRF信号RFを出力する加算器、22は(V+V)−(V+V)の演算を行ってフォーカスエラー信号を出力する加減算器、22は(V+V)−(V+V)の演算を行ってトラッキングエラー信号TEを出力する加減算器である。
【0009】
23はフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御、スレッドサーボ制御を行うサーボ回路であり、演算部22から入力したフォーカスエラー信号FEに基づき、該フォーカスエラー信号FEが零となるようにフォーカスアクチュエータ9を駆動して光ビーム3〜3を信号面1Aに合焦させ、演算部22から入力したトラッキングエラー信号TEに基づき、該トラッキングエラー信号TEが零となるようにトラッキングアクチュエータ10を駆動して光ビーム3〜3を各々、対応するトラックに追従(オントラック)させる。
【0010】
なお、光ピックアップ2の光学系のバラキツや、フォトディテクタPD、電流/電圧変換器21−A〜21−D、加減算器22などの電気的特性のバラツキにより、加減算器22の出力するフォーカスエラー信号は、光ビーム 3がCD−ROM1の信号面1Aに対し完全な合焦状態となっても零とならず、セット毎に異なった或るオフセット分を持つ。フォーカスサーボ系はサーボ回路23に入力されるフォーカスエラー信号FEが零となるように制御を行うから、加減算器22の出力するフォーカスエラー信号をそのままサーボ回路23に入力すると、オフセット分の存在により光ビーム3が信号面1Aに対し合焦状態とならず、CD−ROM1から読み取ったデータのエラーレートが大きくなり過ぎてデータ再生が出来なくなってしまうことがある。
【0011】
このため、フォーカスサーボ系には従来より、オフセット調整機能が付加されている。すなわち、演算部22には、後述するシステムコントローラの制御に従い可変のフォーカスバイアス電圧Vを発生するフォーカスバイアス電圧発生回路22と、加減算器22の出力するフォーカスエラー信号にフォーカスバイアス電圧Vを加算してフォーカスエラー信号FEを作成する加算器22が設けられており、セット毎に適切なフォーカスバイアス電圧Vをフォーカスバイアス系に印加することで、光学系や回路系のオフセット誤差を打ち消し、光ビーム3を信号面1Aに合焦できるようになっている。
【0012】
図5に戻って、24〜24は各々、光ビーム3〜3の空間伝達周波数特性(MTF)に依る高域減衰を補償するためにRF信号RF〜RFの高域成分を持ち上げ、符号間干渉の発生を抑える波形等化回路である。なお、波形等化回路24に入力されるRF信号RFまたは波形等化回路24から出力されるRF信号RFはサーボ回路23に入力される。サーボ回路23はフォーカスサーボをオンさせる際、フォーカスサーチ動作をさせながらフォーカスエラー信号FEの値がフォーカスサーボの負帰還領域に入っているタイミングを判定してサーボをオンさせる。また、トラッキングサーボをオンさせる際、RF信号RFを用いて光ビーム3がトラッキングサーボの負帰還領域に入っているタイミングを判定してサーボをオンさせる。
【0013】
26〜26は第1信号処理回路であり、各々、RF信号RF〜RFを入力して、2値化、PLL回路を用いたクロック再生、ビット復調、フレーム同期検出、EFM復調、サブコード復調を行い、EFM復調後のデータ(但し、P,Qパリティを含む)DATA〜DATAを1ブロック単位(1サブコードフレームが完結する98フレーム分の単位)で対応するサブコードQチャンネルのA−time(Absolute−time;絶対時間)データAT〜ATとともに出力する。第1信号処理回路26〜26は復調後のデータDATA〜DATAを1シンボル(8ビット)ずつシリアルに出力する。第1信号処理回路26から出力されたA−timeデータATは後述するシステムコントローラ50に入力される。RF信号RFの系統の第1信号処理回路26にはフレーム同期信号が一定の時間間隔で検出されるようにするためのCLV制御回路(図示せず)が内蔵されており、図示しないスピンドルモータ駆動回路に対しCLV制御を行ってCD−ROM1を線速度一定で回転させる。
【0014】
第1信号処理回路26〜26はフレーム同期を検出すると、システムコントローラへHレベルのフレーム同期検出信号FS〜FSを出力する。このフレーム同期検出信号FS〜FSは、例えば、トラックジャンプが完了したか否かの判断に用いられる。また、第3信号処理回路26は2値化したRF信号のジッタ量を計測するジッタ量計測回路(図示せず)を内蔵しており、計測したジッタ量データJDをシテムコントローラへ出力する機能も有している。第1信号処理回路26から入力したジッタ量データJDはフォーカスバイアス調整に用いられる。
【0015】
30は各第1信号処理回路26〜26から出力された1ブロック単位ずつでのデータを並列に入力するとともに、重複及び抜けが無いようにして記録順にシリアルに出力するパラレル/シリアル変換部(P/S)である。このパラレル/シリアル変換部30の具体的な構成を図7に示す。図7において、32〜 32は各々、第1領域と第2領域の2つの記憶領域を有し、第1信号処理回路26〜26に対応して設けられたメモリであり、第1信号処理回路26〜26から出力されたデータDATA〜DATAがいずれか一方の記憶領域に記憶される。第1領域及び第2領域は十分なブロック単位数のデータDATA〜DATAを記憶できる容量を有する。33〜33は各々、第1領域と第2領域の2つの記憶領域を有し、第1信号処理回路26〜26に対応して設けられたメモリであり、第1信号処理回路26〜26から出力されたA−timeデータ AT〜ATが、各々、対応するデータDATA〜DATAのメモリ32〜32に格納された位置を示す先頭アドレスA1S〜A5s(またはa1s〜a5s)と最後尾アドレスA1e〜A5e(またはa1e〜a5e)とともに、いずれか一方の記憶領域に記憶される。第1領域及び第2領域は十分な数のA−timeデータAT〜ATを記憶できる容量を有する。
【0016】
31〜31は各々、第1信号処理回路26〜26に対応して設けられた書き込みコントローラであり、第1信号処理回路26〜26から出力されたデータDATA〜DATAをメモリ32〜32の第1領域または第2領域に書き込み、A−timeデータAT〜ATを対応するデータDATA〜DATAのメモリ32〜32に格納された位置を示す先頭アドレスA1s〜A5S(またはa1s〜a5s)と最後尾アドレスA1e〜A5e(またはa1e〜a5e)とともにメモリ33〜33の第1領域または第2領域に書き込む。
【0017】
例えば、書き込みコントローラ31(f=1〜5)がメモリ32の第1領域に15ブロック分のデータDATA(1)〜DATA(15)を書き込み、第2領域に15ブロック分のデータDATA(16)〜DATA(30)を書き込んだときのメモリ32と33の記憶内容を図8に示す。メモリ33の第1領域には、データDATA(1)〜DATA(15)の各ブロックに係るA−timeデータが例えば、23分40秒60フレーム〜23分40秒74フレームの如く書き込まれ、メモリ32の第1領域でのデータDATA(1)〜DATA(15)の格納位置を示す先頭アドレスAfS(1)と最後尾アドレスAfe(1)〜先頭アドレスAfS(15)と最後尾アドレスAfe(15)が書き込まれた状態となる。メモリ33の第2領域には、データDATA(16)〜DATA(30)の各ブロックに係るA−timeデータが例えば、23分41秒48フレーム〜23分41秒62フレームの如く書き込まれ、メモリ32の第2領域でのデータDATA(16)〜DATA(30)の格納位置を示す先頭アドレスafS(1)と最後尾アドレスafe(1)〜先頭アドレスafS(15)と最後尾アドレスafe(15)が書き込まれた状態となる。
【0018】
34は読み出しコントローラであり、メモリ33〜33に記憶されたA−timeデータAT〜AT及び先頭アドレスA1s〜A5s(またはa1s〜a5s)と最後尾アドレスA1e〜A5e(またはa1e〜a5e)を参照して、メモリ32〜32に記憶されたデータDATA〜DATAを、重複及び抜けが生じないようにしながら、CD−ROM1上の記録順(A−time順)に読み出し、シリアルに1シンボルずつ出力する。書き込みコントローラ31〜31と読み出しコントローラ34の具体的な動作については後述する。
【0019】
図5に戻って、40は第2信号処理回路であり、パラレル/シリアル変換部30からシリアル出力されたデータを入力し、1ブロックずつ、まず、ディスクランブルをしたあと、CIRC符号に基づく誤り検出/訂正(Pパリティによる誤り検出/訂正、ディインタリーブ、Qパリティによる誤り検出/訂正)をしてCD−DA規格に従うLchデータ、Rchデータを復調し、更に、これらLchデータ、RchデータからCD−ROM規格に基づき、同期検出、ディスクランブル、ヘッダ検出、EDC及びECC符号による誤り検出/訂正をすることでCD−ROMデータの復調をし、外部のホストコンピュータに出力する。
【0020】
50はマイコン構成のシステムコントローラであり、サーボ回路23に対し、サーチ時には、サーボ回路23にサーチ指令を与え、スレッドモータ11をサーチ駆動させて光ピックアップ2をCD−ROM1のフォワード方向またはリバース方向に所望位置まで移動させ、再生時は、サーボ回路23に各種サーボオン指令を与え、光ビーム3〜3をCD−ROM1の信号面1Aに合焦させながら、かつ、互いに隣接する5つのトラックにオントラック状態とさせる。そして、CD−ROM1のほぼ1回転分だけ各トラックから記録データを読み取る毎に、フォワード方向へ3トラック分のトラックジャンプ指令を与え、トラックジャンプさせる。
【0021】
また、システムコントローラ50はCD−ROM1の再生開始時、第1信号処理回路26から入力したジッタ量データJDを監視しながら、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御して、フォーカスバイアス電圧Vを可変し、ジッタ量データJDが最小となった所でVの値を固定させてフォーカスバイアス調整をする。
【0022】
次に、図9〜図11を参照して上記したCD−ROM再生装置の動作を説明する。図9はデータ再生動作の説明図であり、CD−ROM1の信号面1Aの側から見たCD−ROM1と光ピックアップ2の相対的な位置関係を示す。図10はメモリ33〜33に格納されるデータの説明図、図11はシステムコントローラ50によるフォーカスバイアス調整処理を示すフローチャートである。
なお、予め、CD−ROM1はCLV制御により線速度一定で回転しているものとし、フォーカスサーボもオンしているものとする。また、光ビームの個数nを5とする。
【0023】
(1)フォーカスバイアス調整
システムコントローラ50は、図示しないホストコンピュータによりCD−ROM1に対する再生開始点のA−timeが例えば、23分41秒00フレームの如く指定されると、CD−ROM1の上で該再生開始点のA−timeを含むトラックの位置を定めてxとする(図9参照)。そして、まず、サーボ回路23にサーチ指令を与え、光ビーム3がトラック(x−6)の位置に来るように光ピックアップ2を移動させ、しかるのち、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御してV=0Vに初期化したあと、サーボ回路23にトラッキングサーボオン指令、スレッドサーボオン指令を与えてトラッキングサーボとスレッドサーボをオンさせる。この結果、光ピックアップ2から発射された光ビーム3〜3はトラック(x−6)〜(x−1)に合焦及びオントラックする(図9のI参照)。但し、まだ、フォーカスバイアス調整がなされていないので、光ビーム3〜3のいずれも最適な合焦状態とはなっていない。
【0024】
各光ビーム3〜3がCD−ROM1の信号面1Aで反射したときの戻りビーム光はフォトディテクタPD〜PDが受光し、光電流I〜Iを出力し、この内、フォトディテクタPD、PD、PD、PDからの光電流I、I、I、Iは電流/電圧変換器21、21、21、21により電流/電圧変換されてRF信号RF、RF、RF、RFが形成され、更に、波形等化回路24、24、24、24で波形等化されたのち、第1信号処理回路26、26、26、26に入力される。また、フォトディテクタPDからの光電流I−A〜I−Dは電流/電圧変換器21−A〜21−Dにより電圧値V〜Vに変換され、演算部22の加算器22で加算されてRF信号RFが形成される。そして、波形等化回路24で波形等化されたのち、第1信号処理回路26に入力される。
【0025】
第1信号処理回路26〜26は各々、入力したRF信号RF〜RFに対し、2値化、PLL回路を用いたクロック再生、ビット復調、フレーム同期検出、EFM復調、サブコード復調を行い、EFM復調後のデータ(但し、P,Qパリティを含む)DATA〜DATAを1ブロック単位で対応するサブコードQチャンネルのA−timeデータAT〜ATとともに出力する。第1信号処理回路26〜26は復調後のデータDATA〜DATAを1シンボル(8ビット)ずつシリアルに出力する。また、第1信号処理回路26〜26はフレーム同期信号を検出すると、Hレベルのフレーム同期検出信号FS〜FSを出力し、第1信号処理回路26は2値化RF信号のジッタ量を計測し、ジッタ量データJDをシステムコントローラ50に出力する。また、第1信号処理回路26はA−timeデータATをシステムコントローラ50に出力する。
【0026】
システムコントローラ50はサーチ動作により光ピックアップ2の各光ビーム3〜3がトラック(x−6)〜(x−2)にオントラックしたあと、図11に従い、フォーカスバイアス調整処理をする。まず、V=0Vのときに第1信号処理回路26で計測されたジッタ量データJDを読み取り、jd(0)として内蔵メモリ(図示せず)に記憶する(ステップS10)。次に、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを0Vからプラス側にΔV(ΔVは正の値)だけ増大させ、このときのジッタ量データJDを読み取り、jd(+1)として内蔵メモリ(図示せず)に記憶する。更に、Vを0Vからマイナス側にΔVだけ減少させ、このときのジッタ量データJDを読み取り、jd(−1)として内蔵メモリ(図示せず)に記憶する(ステップS11)。
【0027】
そして、jd(+1)、jd(0)、jd(−1)の大きさを比較し、jd(+1)>jd(0)<jd(−1)であれば(ステップS12でYES)、Vが0Vのときにジッタ量が最低であり、フォーカスオフセットが元々ほぼ0であったと考えられるので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを0Vに設定させて調整を終える(ステップS13)。
jd(+1)<jd(0)<jd(−1)であれば(ステップS14でYES)、k=2とし(ステップS15)、V=(+2)・ΔVとさせ、このときのジッタ量データJDを読み取ってjd(+2)とする(ステップS16)。そして、jd(+2)>jd(+1)<jd(0)であれば(ステップS17でYES)、Vが(+1)・ΔVのときにジッタ量が最低であり、加減算器22の出力点で見たフォーカスオフセットが元々ほぼ(+1)・(−ΔV)であったと考えられるので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを(+1)・ΔVに設定させて調整を終える(ステップS18)。
【0028】
jd(+2)>jd(+1)<jd(0)でなければ(ステップS17でNO)、kをインクリメントして3とし(ステップS19)、ステップS16に戻って同様の処理を繰り返し、或るkの値で、jd(+k)>jd{+(k−1)}<jd{+(k−2)}となれば(ステップS17でYES)、Vが{+(k−1)}・ΔVのときにジッタ量が最低であり、フォーカスオフセットが元々ほぼ{+(k−1)}・(−ΔV)であったと考えられるので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを{+(k−1)}・ΔVに設定させて調整を終える(ステップS18)。
【0029】
若し、ステップS14において、jd(+1)<jd(0)<jd(−1)でなければ、k=2とし(ステップS20)、V=(−2)・ΔVとさせ、このときのジッタ量データJDを読み取ってjd(−2)とする(ステップS21)。そして、jd(−2)>jd(−1)<jd(0)であれば(ステップS22でYES)、Vが(−1)・ΔVのときにジッタ量が最低であり、加減算器22の出力点で見たフォーカスオフセットが元々ほぼ(−1)・(−ΔV)であったと考えられるので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、 Vを(−1)・ΔVに設定させて調整を終える(ステップS23)。
【0030】
jd(−2)>jd(−1)<jd(0)でなければ(ステップS22でNO)、kをインクリメントして3とし(ステップS24)、同様の処理を繰り返し、或るkの値で、jd(−k)>jd{−(k−1)}<jd{−(k−2)}となれば(ステップS22でYES)、Vが{−(k−1)}・ΔVのときにジッタ量が最低であり、加減算器22の出力点で見たフォーカスオフセットが元々ほぼ{−(k−1)}・(−ΔV)であったと考えられるので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを{−(k−1)}・ΔVに設定させて調整を終える(ステップS23)。
このようにして、フォーカスバイアス調整が終われば、光ビーム3は信号面1Aに対し完全な合焦状態となり(図5において、光ビーム3の合焦点Pが信号面1Aと一致)、他の光ビーム3、3、3、3も完全な合焦状態に近い状態となる(図5において、光ビーム3、3、3、3の合焦点P、P、P、Pが信号面1Aの近傍に来る)。
【0031】
(2)データ再生動作(図9、図10参照)
上記の如くして、フォーカスバイアス調整が終わったならば、第1信号処理回路26から入力した最新のA−timeデータATの示すA−timeデータと、ホストコンピュータにより指定された再生開始点のA−timeとから、最内周側の光ビーム3を再生開始点のA−timeを含むトラックxの1つ内周側のトラック(x−1)にオントラックさせるためのトラックジャンプ方向と、ジャンプするトラック数を定めてトラックジャンプさせる。
フォーカスバイアス調整が終了した時点で光ピックアップ2が図9のIIの位置に来ていたならば、光ピックアップ2をフォワード方向へ4トラック分だけトラックジャンプさせ、光ビーム3〜3を各々、トラック(x−1)〜(x+3)にオントラックさせ(図9のIII参照)、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26の5系統により、トラック(x−1)〜(x+3)の記録データの同時読み取りを開始させ、また、各第1信号処理回路26〜26からHレベルのフレーム同期検出信号FS〜FSが入力された所で、書き込み・読み出し指令をパラレル/シリアル変換部30に与える。
【0032】
読み出しコントローラ34を介して書き込み・読み出し指令を受けた書き込みコントローラ31〜31は、各々、第1信号処理回路26〜26から出力されたデータDATA〜DATAを1ブロック分ずつメモリ32〜32の第1領域に順に書き込み、かつ、メモリ33〜33の第1領域に、データDATA〜DATAに対応するA−timeデータAT〜ATとメモリ32〜32での先頭アドレスA1S〜A5S、最後尾アドレスA1e〜A5eを対にして書き込む(図8参照)。図9の場合、メモリ33〜33の第1領域には各々、A−timeデータとして23分40秒60フレーム、23分41秒00フレーム、23分41秒15フレーム、23分41秒30フレーム、23分41秒45フレーム以降が書き込まれていく(図10参照)。
【0033】
一方、書き込み・読み出し指令を受けた読み出しコントローラ34は、メモリ33〜33の内、今回書き込みがなされている第1領域の内容を参照して、メモリ33の第1領域の先頭のA−timeデータの1つ前のA−timeがメモリ33の第1領域に含まれており、メモリ33の第1領域の先頭のA−timeデータの1つ前のA−timeがメモリ33の第1領域に含まれており、メモリ33の第1領域の先頭のA−timeデータの1つ前のA−timeがメモリ33の第1領域に含まれており、メモリ33の第1領域の先頭のA−timeデータの1つ前のA−timeがメモリ33の第1領域に含まれた状態なって、読み取り用の各系統で読み出されたデータに抜けがなくなったかチェックする。
【0034】
光ピックアップ2による読み取りがほぼ1回転分(実際には1回転強)行われて図9のIVの位置まで進むと、メモリ33〜33の第1領域の内容が図10の如くなり、各光ビーム3〜3の各系統で読み出されたデータに抜けがなくなるので、読み取り用コントローラ34は書き込みコントローラ31〜31に対し中断指令を与え、書き込み動作を中断させ、システムコントローラ50にトラックジャンプ指令を与え、自身は、メモリ33〜33の内、今回、A−timeデータの書き込まれた第1領域に格納されたA−timeデータと先頭アドレス及び最後尾アドレスを参照して、メモリ32〜32の内、今回データDATA〜DATAの書き込まれた第1領域を対象に、一番若いA−timeに対応するデータから、A−time順にデータを読み出して第2信号処理回路40に出力する。ここでは、23分40秒60フレームから23分41秒59フレームまでが出力される。元々、ホストコンピュータで指定された再生開始点のA−timeは23分41秒00フレームなので、再生開始点の直前から出力されることになる。
【0035】
第2信号処理回路40はパラレル/シリアル変換部30からシリアル出力されたデータを入力し、1ブロックずつ、まず、ディスクランブルをしたあと、CIRC符号に基づく誤り検出/訂正(Pパリティによる誤り検出/訂正、ディインタリーブ、Qパリティによる誤り検出/訂正)をしてCD−DA規格に従うLchデータ、Rchデータを復調し、更に、これらLchデータ、RchデータからCD−ROM規格に基づき、同期検出、ディスクランブル、ヘッダ検出、EDC及びECC符号による誤り検出/訂正をすることでCD−ROMデータの復調をし、外部のホストコンピュータに出力する。
【0036】
中断指令を受けた書き込みコントローラ31〜31はメモリ32〜32と33〜33に対する書き込みを中断する。また、トラックジャンプ指令を受けたシステムコントローラ50は、サーボ回路23に対しフォワード方向へのトラック本数J=3のトラックジャンプ指令を与え、光ピックアップ2を図9のIVの位置からVの位置までトラックジャンプさせ、光ビーム3〜3を各々、トラック(x+3)〜(x+7)にオントラックさせて、記録データの読み取りを再開させる。そして、第1信号処理回路26〜26の全てからHレベルのフレーム同期検出信号FS〜FSが出力された時点で、トラックジャンプ完了通知を読み出しコントローラ34に与える。
【0037】
トラックジャンプ完了通知を受けた読み出しコントローラ34は、書き込みコントローラ31〜31に再開指令を与え、該再開指令を受けた書き込みコントローラ31〜31は第1信号処理回路26〜26から出力されるトラックジャンプ後のデータDATA〜DATAを今度はメモリ32〜32の第2領域に書き込み、かつ、メモリ33〜33の第2領域に、データDATA〜DATAに対応するA−timeデータAT〜ATとメモリ32〜32での先頭アドレスa1S〜a5S、最後尾アドレスa1e〜a5eを対にして書き込む(図8参照)。図9の場合、メモリ33〜33の第2領域には各々、A−timeデータとして23分41秒48フレーム、23分41秒63フレーム、23分42秒03フレーム、23分42秒18フレーム、23分42秒33フレーム以降が書き込まれていく(図10参照)。
【0038】
再開指令を与えたあと、読み出しコントローラ34は、メモリ33〜33の内、今回書き込みがなされている第2領域の内容を参照して、メモリ33の第2領域の先頭のA−timeデータの1つ前のA−timeがメモリ33の第2領域に含まれており、メモリ33の第2領域の先頭のA−timeデータの1つ前のA−timeがメモリ33の第2領域に含まれており、メモリ33の第2領域の先頭のA−timeデータの1つ前のA−timeがメモリ33の第2領域に含まれており、メモリ33の第2領域の先頭のA−timeデータの1つ前のA−timeがメモリ33の第2領域に含まれた状態なって、各光ビーム3〜3の各系統で読み出されたデータに抜けがなくなったかチェックする。
【0039】
光ピックアップ2による読み取りがほぼ1回転分(実際には1回転強)行われて図9のVIの位置まで進むと、メモリ33〜33の第2領域の内容が図10の如くなり、読み取り用の各系統で読み出されたデータに抜けがなくなるので、読み取り用コントローラ34は書き込みコントローラ31〜31に対し中断指令を与えて、書き込み動作を中断させ、システムコントローラ50にトラックジャンプ指令を与え、自身は、メモリ33〜33の内、今回、A−timeデータの書き込まれた第2領域に格納されたA−timeデータと先頭アドレス及び最後尾アドレスを参照して、メモリ32〜32の内、今回データDATA〜DATAの書き込まれた第2領域を対象に、前回最後に第2信号処理回路40に出力した1ブロック分のデータに対応するA−timeの次のA−timeに対応するデータから、A−time順にデータを読み出して第2信号処理回路40に出力する。ここでは、23分41秒60フレームから23分42秒47フレームまでが出力される。
【0040】
中断指令を受けた書き込みコントローラ31〜31はメモリ32〜32と33〜33に対する書き込みを中断し、トラックジャンプ指令を受けたシステムコントローラ50は、光ピックアップ2を図9のVIの位置からVIIの位置までトラックジャンプさせ、光ビーム3〜3を各々、トラック(x+7)〜(x+11)にオントラックさせて、記録データの読み取りを再開させ、第1信号処理回路26〜26の全てからHレベルのフレーム同期検出信号FS〜FSが出力された時点で、トラックジャンプ完了通知を読み出しコントローラ34に与える。
【0041】
読み出しコントローラ34を介してトラックジャンプ完了通知を受けた書き込みコントローラ31〜31は第1信号処理回路26〜26から出力されるトラックジャンプ後のデータDATA〜DATAを今度はメモリ32〜32の第1領域に書き込み、かつ、メモリ33〜33の第1領域に、データDATA〜DATAに対応するA−timeデータAT〜ATとメモリ32〜32での先頭アドレスA1S〜A5S、最後尾アドレスA1e〜A5eを対にして書き込む。一方、読み出しコントローラ34は、メモリ33〜33の第1領域に格納されていくA−timeに抜けたものがなくなり、全て連続する状態となったとき、メモリ32〜32の第1領域を対象に、前回、第2信号処理回路40に最後に出力した1ブロック分のデータに対応するA−timeの次のA−timeに対応するデータから、A−time順にデータを読み出して出力する。以下、同様の動作を繰り返すことで、CD−ROM1から所望の記録データを、重複及び抜けを生じることなく記録順に高速に読み出していく。
【0042】
なお、図9のIVの位置からトラックジャンプする際、ジャンプするトラック本数を4にはせず、直前に光ビーム3によりデータの読み取りがなされたトラック(x+3)に光ビーム3を照射させるため、ジャンプするトラック本数を3とする。理由は、ジャンプするトラック本数を4にしてしまうと、トラックジャンプ前に光ビーム3によりまだ読み取られていなかったA−time=23分41秒60フレーム、23分41秒61フレームなどのデータが抜けてしまうからである。
一般に、光ビームの個数がn(但し、nは3以上の整数)であれば、各光ビームによりほぼ1回転分の読み取りをし、次いで、(n−2)本分だけフォワード方向にトラックジャンプし、しかるのち、再び記録データのほぼ1回転分の読み取りをするという動作を繰り返すことで、CD−ROM1の高速再生をする。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光ビーム3〜3は各々、別個のレーザダイオード4〜4から発射されるとともに互いに独立して光ピックアップ2の光学系を通過していくので、CD−ROM1の信号面1Aに当たったときのビーム断面積は個々バラバラである。CD−ROM1の信号面1Aに当たったときのビーム断面積は光ビームの空間伝達周波数特性(MTF)を定めるので、各波形等化回路24〜24に設定すべき高域補償特性も個々バラバラとなり、設計上の負担が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は上記した従来技術の問題に鑑み、設計上の負担を軽減できるマルチビーム式光ディスク再生装置を提供することを、その目的とする。
また、光ディスクの再生を確実に行えるマルチビーム式光ディスク再生装置を提供することを、その目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のマルチビーム式光ディスク再生装置では、光ディスクの信号面の異なるn(但し、nは3以上の奇数)のトラックに異なるn個の光ビームを同時に照射し、各戻りビームを別個に検出した検出出力から各光ビーム別にRF信号を形成し、該各光ビームのRF信号に対し、個別に設けた波形等化手段で波形等化して高域のゲインを持ち上げる高域補償を行ったあと、信号処理手段で各RF信号を2値化、復調して各光ビームの照射されたトラックに記録された記録データを読み取るようにしたマルチビーム式光ディスク再生装置において、レーザビーム発生手段で発生させた1本のレーザビームを回折格子に垂直に入射させて、0次回折光、±1次回折光、・・±m次回折光(但し、mは(n−1)/2)からなる(2m+1)本の光ビームを形成させ、これら(2m+1)本の光ビームを、対物レンズを含む光学系により光ディスクの信号面近傍に合焦させ、この際、0次回折光の光ビームが光ディスクに垂直に照射されるように光学系を配置し、波形等化手段の内、+i次回折光の光ビームと−i次回折光の光ビーム(但し、iは1、2、・・、m)に対応して設けられた一対の波形等化手段は、互いに波形等化特性を同一に設定し、対物レンズの光軸方向に見て、光ディスクの信号面が0次回折光の光ビームの合焦位置と±m次回折光の光ビームの合焦位置の間の所定箇所に来るようにしたこと、を特徴としている。
【0045】
これにより、(2m+1)本の光ビームの内、一対の+i次回折光の光ビームと−i次回折光の光ビーム(但し、i=1、2、・・、m)とを、0次回折光の光ビームを中心にして完全に線対称に形成し、かつ、光ディスクの信号面に対して、該信号面に垂直に照射される0次回折光の光ビームを中心にして完全に線対称に照射させることができるので、これら一対の光ビームが光ディスクの信号面に当たったときのビーム断面積を同一とでき、もってこれら一対の光ビームの空間伝達周波数特性を同一とできる。よって、これら一対の光ビームに対応して設けられた一対の波形等化手段は、互いに波形等化特性を同一に設定できるので、全部で(2m+1)本の光ビームが有る場合、(m+1)個の波形等化手段についてだけ波形等化特性を設計すれば済む。
また、0次、±1次、・・、±m次回折光の光ビームを信号面に対して合焦状態に近い状態とすることができ、信号面に対する合焦状態の悪い光ビームが出来なくなるので、光ディスクからのデータの読み取りを確実に実行することができる。
【0047】
本発明の請求項記載のマルチビーム式光ディスク再生装置では、光ディスクの面振れに追従して対物レンズを移動し、(2m+1)本の光ビームを常に光ディスクの信号面近傍に合焦させるフォーカスサーボ手段を備え、該フォーカスサーボ手段は、対物レンズの光軸方向に見て、光ディスクの信号面が0次回折光の光ビームの合焦位置と±m次回折光の光ビームの合焦位置の間の所定箇所に来るようにフォーカスバイアス調整を行うようにしたこと、を特徴としている。
これにより、光ディスクの面振れに関わらず常に0次、±1次、・・、±m次回折光の光ビームを信号面に対して完全合焦状態に近い状態に維持することができ、信号面に対する合焦状態の悪い光ビームが生じるのが回避されるので、光ディスクからのデータの読み取りを確実に実行することができる。
【0048】
本発明の請求項記載のマルチビーム式光ディスク再生装置では、n個の光ビームの内、所定の2個以上の光ビームの系統別に、2値化RF信号のジッタ量またはエラーレートを計測する計測手段とを備え、前記フォーカスサーボ手段は、計測手段で計測されたジッタ量またはエラーレートの平均値が最小となるようにフォーカスバイアス調整を行うようにしたこと、を特徴としている。
これにより、面振れが大きくても常に0次、±1次、・・、±m次回折光の光ビームを信号面に対して完全合焦状態に近い状態に維持することができ、信号面に対する合焦状態の悪い光ビームが生じるのが回避されるので、光ディスクからのデータの読み取りを確実に実行することができる。
なお、計測手段が、n個全ての光ビームの系統別に、2値化RF信号のジッタ量またはエラーレートを計測するようにすれば、光ディスクの信号面に対する各光ビームの合焦状態を簡単に最適化でき、光ディスクの大きな面振れに関わらず、最適な合焦状態が維持されるので、光ディスクからのデータの読み取りをより確実に実行することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
次に、図1を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係るCD−ROM再生装置のブロック図であり、図5と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
図1において、1はCD−ROMであり、データの記録されたトラックが螺線状に形成されている(図1の左側が内周側、右側が外周側)。CD−ROM1は図示しないスピンドルモータにより線速度一定で回転される。2Aはマルチビーム方式の光ピックアップであり、CD−ROM1の隣接するn=5本のトラックに対し、各々、別個に光ビーム3〜3を同時に照射し、各戻りビームを別個のフォトディテクタPD〜PDで検出(受光)し、検出信号としての光電流を出力する。
【0050】
光ピックアップ2Aの内、4はレーザダイオードであり、レーザビーム3を発光する。5はレーザダイオード4の光軸に対し垂直に配置され、レーザビーム3を回折し、−2次回折光である光ビーム3、−1次回折光である光ビーム3、0次回折光である光ビーム3、+1次回折光である光ビーム3、+2次回折光である光ビーム3を形成させるグレーティング(回折格子)、6は2つの直角プリズムを貼り合わせたビームスプリッタ、7は各ビームを拡散光から平行光にするコリメータレンズ、8はビームスプリッタ6及びコリメータレンズ7を通過した光ビーム3〜3をCD−ROM1の信号面1Aに合焦させる対物レンズであり、該対物レンズ8の光軸は信号面1Aに垂直に交わる。
【0051】
9はCD−ROM1の面振れに追従して対物レンズ8をCD−ROM1の垂直方向に移動し、光ビーム3〜3の信号面1Aに対する合焦状態を維持させるためのフォーカスアクチュエータ、10はCD−ROM1の芯振れに追従して対物レンズ8をCD−ROM1の半径方向に移動し、各ビーム3〜3にトラックを正しくトレースさせるためのトラッキングアクチュエータである。フォーカスアクチュエータ9とトラッキングアクチュエータ10は後述するサーボ回路により個別に駆動される。
【0052】
PD〜PDは各々、光ビーム3〜3に対応して個別に設けられたフォトディテクタであり、受光量に比例した光電流を出力する。光ビーム3〜3がCD−ROM1の信号面1Aで反射した各戻りビームは、対物レンズ8、コリメータレンズ7を通ったあとビームスプリッタ6で反射し、シリンドリカルレンズ、ディテクタレンズ等の光学系(図示せず)を通ったあと、個別にフォトディテクタPD〜PDに入射する。
【0053】
ここで、ビームスプリッタ6、コリメータレンズ7、対物レンズ8、シリンドリカルレンズ、ディテクタレンズ等で構成された光学系の光軸と0次回折光に係る光ビーム3の光軸が一致するようになっており、光ビーム3はCD−ROM1の信号面1Aに垂直に照射される。光ビーム3が信号面1Aに対し完全な合焦状態となったとき、他の光ビーム3、3、3、3の合焦点は信号面1Aの近傍に来るものの完全な合焦状態とはならず、信号面1Aに当たったビーム断面積は光ビーム3より大きくなる。
但し、光ビーム3と3(3と3)は、レーザビーム3をグレーティング5に垂直に入射させたときの+1次回折光と−1次回折光(+2次回折光と−2次回折光)であり、0次回折光である光ビーム3を中心にして完全に線対称に形成され、かつ、信号面1Aに垂直に入射する0次回折光の光ビーム3を中心にして完全に線対称にCD−ROM1の信号面1Aに照射されるので、これら一対の光ビーム3と3(3と3)は、信号面1Aに当たったときのビーム断面積が同一となり、もって、これら一対の光ビーム3と3(3と3)は空間伝達周波数特性も同一となる。
【0054】
フォトディテクタPD、PD、PD、PDは受光量に比例した光電流I、I、I、Iを、光ビーム3、3、3、3の各戻りビームの検出信号として出力する。フォトディテクタPDは、通常の1ビーム方式の光ピックアップに用いられているのと同様の4分割フォトダイオードであり、A,B,C,Dの各分割ダイオード毎に受光量に比例した光電流I−A、I−B、I−C、I−Dを出力する。
【0055】
11は再生時やサーチ時に光ピックアップ2AをCD−ROM1の半径方向に移動するためのスレッドモータであり、サーボ回路により駆動されて、サーチ時に光ピックアップ2Aをフォワード方向またはリバース方向に所望位置まで移動したり、再生時に、CD−ROM1の再生の進行に従い、光ピックアップ2Aを次第にフォワード方向へ移動する。
【0056】
20Aは記録データ再生系であり、光ピックアップ2Aの各フォトディテクタPD〜PDの受光出力から、各光ビーム3〜3の照射されたトラックに記録された記録データを同時に読み取り、かつ、重複及び抜けが無いようにして記録順にシリアルに出力する。この記録データ再生系20Aの内、21、21、21、21は各々、フォトディテクタPD、PD、PD、PDから出力された光電流I、I、I、Iを電流/電圧変換し、光ビーム3、 3、3、3に対応したRF信号RF、RF、RF、RFを出力する電流/電圧変換器(I/V)、21−A、21−B、21−C、21−Dは各々、フォトディテクタPDから出力された光電流I−A、I−B、I−C、I−Dを電流/電圧変換し、電圧値V、V、V、Vを出力する電流/電圧変換器(I/V)である。
【0057】
22は演算部であり、図6に示す如く、(V+V+V+V)の演算を行って光ビーム3に対応したRF信号RFを出力したり、(V+V)−(V+V)の演算を行ったあと、フォーカスバイアス電圧Vを加算したフォーカスエラー信号FEを出力したり、(V+V)−(V+V)の演算を行ってトラッキングエラー信号TEを出力する。23はフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御、スレッドサーボ制御を行うサーボ回路であり、フォーカスエラー信号FEに基づき、該フォーカスエラー信号FEが零となるようにフォーカスアクチュエータ9を駆動して光ビーム3〜3を信号面1Aに合焦させ、トラッキングエラー信号TEに基づき、該トラッキングエラー信号TEが零となるようにトラッキングアクチュエータ10を駆動して光ビーム3〜3を各々、対応するトラックに追従(オントラック)させる。
【0058】
24A〜24Aは各々、光ビーム3〜3の空間伝達周波数特性(MTF)に依る高域減衰を補償するためにRF信号RF〜RFの高域成分を持ち上げ、符号間干渉の発生を抑える波形等化回路である。前述したように、光ビーム3と3の空間伝達周波数特性(MTF)が互いに同一なので、波形等化回路24Aと24Aは互いに同一の波形等化特性に設定されている。同様に、光ビーム3と3の空間伝達周波数特性(MTF)が互いに同一なので、波形等化回路24Aと24Aは互いに同一の波形等化特性に設定されている。よって、5つの波形等化回路24A〜24Aについて3種類の波形等化特性を設計すれば済む。
記録データ再生系20Aの他の構成部分は図5と全く同様に構成されている。
【0059】
次に、図2、図11を参照して上記した実施の形態の動作を説明する。図2はデータ再生動作を示す説明図であり、CD−ROM1を信号面1Aの側から見たときのCD−ROM1と光ピックアップ2Aの相対的な位置関係を示す。なお、予め、CD−ROM1はCLV制御により線速度一定で回転しているものとし、また、フォーカスサーボもオンしているものとする。また、光ビームの個数n=5とする。
図1のマルチビーム式CD−ROM再生装置によるデータ再生動作は、図5の装置の場合と全く同様なので、簡単に説明する。
【0060】
(1)フォーカスバイアス調整(図2、図10、図11参照)
システムコントローラ50は、図示しないホストコンピュータによりCD−ROM1に対する再生開始点のA−timeが例えば、23分41秒00フレームの如く指定されると、CD−ROM1の上で該再生開始点のA−timeを含むトラックの位置を定めてxとする(図2参照)。そして、まず、サーボ回路23にサーチ指令を与え、光ビーム3がトラック(x−6)の位置に来るように光ピックアップ2Aを移動させ、しかるのち、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御してV=0Vに初期化したあと、サーボ回路23にトラッキングサーボオン指令、スレッドサーボオン指令を与えてトラッキングサーボとスレッドサーボをオンさせる。この結果、光ピックアップ2Aから発射された光ビーム 3〜3はトラック(x−6)〜(x−2)に合焦及びオントラックする(図2のI参照)。但し、まだ、フォーカスバイアス調整がなされていないので、光ビーム3〜3のいずれも最適な合焦状態とはなっていない。
【0061】
各光ビーム3〜3がCD−ROM1の信号面1Aで反射したときの戻りビーム光はフォトディテクタPD〜PDが受光し、光電流I〜Iを出力し、この内、フォトディテクタPD、PD、PD、PDからの光電流I、I、I、Iは電流/電圧変換器21、21、21、21により電流/電圧変換されてRF信号RF、RF、RF、RFが形成され、更に、波形等化回路24A、24A、24A、24Aで波形等化されたのち、第1信号処理回路26、26、26、26に入力される。また、フォトディテクタPDからの光電流I−A〜I−Dは電流/電圧変換器21−A〜21−Dにより電圧値V〜Vに変換され、演算部22の加算器22で加算されてRF信号RFが形成される。そして、波形等化回路24Aで波形等化されたのち、第1信号処理回路26に入力される。
【0062】
第1信号処理回路26〜26は各々、入力したRF信号RF〜RFに対し、2値化、PLL回路を用いたクロック再生、ビット復調、フレーム同期検出、EFM復調、サブコード復調を行い、EFM復調後のデータ(但し、P,Qパリティを含む)DATA〜DATAを1ブロック単位で対応するサブコードQチャンネルのA−timeデータAT〜ATとともに出力する。第1信号処理回路26〜26は復調後のデータDATA〜DATAを1シンボル(8ビット)ずつシリアルに出力する。また、第1信号処理回路26〜26はフレーム同期信号を検出すると、Hレベルのフレーム同期検出信号FS〜FSを出力し、第1信号処理回路26は2値化RF信号のジッタ量を計測し、ジッタ量データJDをシステムコントローラ50に出力する。また、第1信号処理回路26はA−timeデータATをシステムコントローラ50に出力する。
【0063】
システムコントローラ50はサーチ動作により光ピックアップ2Aの各光ビーム3〜3がトラック(x−6)〜(x−2)にオントラックしたあと、図11に従い、フォーカスバイアス調整処理を実行し、第1信号処理回路26から出力されるジッタ量データJDが最小となるフォーカスバイアス電圧Vをフォーカスバイアス電圧発生回路22に発生させ、光ピックアップ2Aの光学系やフォーカスサーボ系のバラツキに伴うオフセット分をキャンセルさせ、光ビーム3が信号面1Aに対し完全な合焦状態となるようにする(図1において、光ビーム3の合焦点Pが信号面1Aと一致)。このとき、他の光ビーム3、3、3、3も信号面1Aに対し完全な合焦状態に近い状態となる(図1において、光ビーム3、3、3、3の合焦点P、P、P、Pが信号面1Aの近傍に来る)。
【0064】
このときの各光ビーム3〜3の空間伝達周波数特性による高域減衰を補償できる波形等化特性が波形等化回路24A〜24Aに設定してあり、各々、最適な特性で波形等化がされる。但し、光ビーム3と3が同一の空間伝達周波数特性を有することに対応して、波形等化回路24Aと24Aにより同一の特性で波形等化がなされ、光ビーム3と3が同一の空間伝達周波数特性を有することに対応して、波形等化回路24Aと24Aにより同一の特性で波形等化がなされる。
【0065】
(2)データ再生動作(図2参照)
上記の如くして、フォーカスバイアス調整が終わったならば、第1信号処理回路26から入力した最新のA−timeデータATの示すA−timeデータと、ホストコンピュータにより指定された再生開始点のA−timeとから、最内周側の光ビーム3を再生開始点のA−timeを含むトラックxの1つ内周側のトラック(x−1)にオントラックさせるためのトラックジャンプ方向と、ジャンプするトラック数を定めてトラックジャンプさせる。
フォーカスバイアス調整が終了した時点で光ピックアップ2Aが図2のIIの位置に来ていたならば、光ピックアップ2Aをフォワード方向へ4トラック分だけトラックジャンプさせ、光ビーム3〜3を各々、トラック(x−1)〜(x+3)にオントラックさせ(図2のIII参照)、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26、フォトディテクタPD〜第1信号処理回路26の5系統により、トラック(x−1)〜(x+3)の記録データの同時読み取りを開始させ、また、各第1信号処理回路26〜26からHレベルのフレーム同期検出信号FS〜FSが入力された所で、書き込み・読み出し指令をパラレル/シリアル変換部30に与える。
【0066】
書き込み・読み出し指令を受けたパラレル/シリアル変換部30は、第1信号処理回路26〜26から出力されたデータDATA〜DATAを、各々、メモリ32〜32に書き込んで行く。そして、CD−ROM1がほぼ1回転分(実際は1回転強)し、各光ビーム3〜3の系統で読み取られたデータに抜けがなくなったところで(図2のIV参照)、メモリ32〜32への書き込みを中断し、A−time順でかつ重複及び抜けがないようにメモリ32〜32からシリアルに読み出して第2信号処理回路40へ出力し、システムコントローラ50にはトラックジャンプ指令を与える。トラックジャンプ指令を受けたシステムコントローラ50はサーボ回路23を制御して光ピックアップ2Aの各光ビーム3〜3をフォワード方向へトラック本数3だけトラックジャンプさせ、光ビーム3〜3をトラック(x+3)〜(x+7)に合焦及びオントラックさせる(図2のV参照)。
【0067】
そして、各第1信号処理回路26〜26からHレベルのフレーム同期検出信号FS〜FSが入力された所で、トラックジャンプ完了通知をパラレル/シリアル変換部30に出力する。トラックジャンプ完了通知を受けたパラレル/シリアル変換部30は、第1信号処理回路26〜26から出力されたトラックジャンプ後のデータDATA〜DATAを、再び、メモリ32〜32に書き込んで行く。そして、CD−ROM1がほぼ1回転(実際は1回転強)し、各光ビーム3〜3の系統で読み取られたデータに抜けがなくなったところで(図2のVI参照)、メモリ32〜32への書き込みを中断し、前回、最後に第2信号処理回路40へ出力したデータに対応するA−timeの次のA−timeに対応するデータから、A−time順でかつ重複及び抜けがないようにメモリ32〜32からシリアルに読み出して第2信号処理回路40へ出力し、システムコントローラ50にはトラックジャンプ指令を与える。
【0068】
トラックジャンプ指令を受けたシステムコントローラ50はサーボ回路23を制御して光ピックアップ2Aの各光ビーム3〜3をフォワード方向へトラック本数3だけトラックジャンプさせ、光ビーム3〜3をトラック(x+7)〜(x+11)に合焦及びオントラックさせ(図2のVII参照)、以下、パラレル/シリアル変換部30とシステムコントローラ50は同様の動作を繰り返す。
【0069】
第2信号処理回路40はパラレル/シリアル変換部30からシリアル出力されたデータを入力し、1ブロックずつ、まず、ディスクランブルをしたあと、CIRC符号に基づく誤り検出/訂正(Pパリティによる誤り検出/訂正、ディインタリーブ、Qパリティによる誤り検出/訂正)をしてCD−DA規格に従うLchデータ、Rchデータを復調し、更に、これらLchデータ、RchデータからCD−ROM規格に基づき、同期検出、ディスクランブル、ヘッダ検出、EDC及びECC符号による誤り検出/訂正をすることでCD−ROMデータの復調をし、外部のホストコンピュータに出力する。
【0070】
この実施の形態によれば、5本の光ビーム3〜3の内、一対の+1次回折光の光ビーム3と−1次回折光の光ビーム3(一対の+2次回折光の光ビーム3と−2次回折光の光ビーム3)とを、0次回折光の光ビーム3を中心にして完全に線対称に形成し、かつ、信号面1Aに垂直に入射する0次回折光の光ビーム3を中心にして完全に線対称にCD−ROM1の信号面1Aに照射されるので、これら一対の光ビーム3と3(3と3)がCD−ROM1の信号面1Aに当たったときのビーム断面積を同一にでき、もってこれら一対の光ビーム3と3(3と3)の空間伝達周波数特性を同一とできる。よって、これら一対の光ビーム3と3(3と3)に対応して設けられた一対の波形等化回路24Aと24A(24Aと24A)は、互いに波形等化特性を同一に設定できるので、全部で5本の光ビーム3〜3が有る場合、3個の波形等化回路についてだけ波形等化特性を設計すれば済む。
【0071】
なお、上記した実施の形態では、フォーカスバイアス調整により、0次回折光である光ビーム3を信号面1Aに完全合焦状態とさせるようにしたが、このとき、図1に示す如く、光ビーム3の合焦点Pは信号面1Aと一致するが、±1次回折光である光ビーム3、3の合焦点P、Pは信号面1Aの下方に少し外れた位置に来、±2次回折光である光ビーム3、3の合焦点P、 Pは信号面1Aの下方に更に少し外れた位置に来る。よって、光ビーム3、3の系統でデータの読み取りエラーが発生し易くなり、CD−ROM1の面振れが大きいとき、これら光ビーム3、3の系統でのデータ再生が出来なくなってしまうことがある。
【0072】
この対策として、例えば、図3に示す如く、光ビーム3の合焦点Pと、光ビーム3(3)の合焦点P(P)との間の対物レンズ8の光軸方向に見た距離をL(図3参照)として、図11のステップS13またはS18またはS23の処理の後、更に、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vの値を更に或る所定の一定量だけ変化させ、対物レンズ8を信号面1AからL/2だけ遠ざかる方向に移動させる。すると、対物レンズ8の光軸方向に見て光ビーム3の合焦点Pと、光ビーム3(3)の合焦点P(P)との丁度真ん中にCD−ROM1の信号面1Aが来ることになる(図3参照)。このようにすれば、その後のデータ再生中、フォーカスサーボ系の働きにより、CD−ROM1の面振れに追従して対物レンズ8が移動するので、CD−ROM1の面振れに関わらず、光ビーム3〜3のいずれも信号面1Aに対し完全合焦状態に近い状態に維持することができ、光ビーム3〜3の合焦点P〜Pが信号面1Aから大きく外れることはなく、光ビーム3〜3のいずれの系統でもCD−ROM1からのデータの読み取りを確実に実行することができる。
【0073】
なお、この際、波形等化回路24A〜24Aに設定する波形等化特性は、図3の合焦状態に合わせた特性に変えておく。図3の場合でも、一対の光ビーム3と3(3と3)の空間伝達周波数特性は同一となるので、これら一対の光ビーム3と3(3と3)に対応して設けられた一対の波形等化回路24Aと24A(24Aと24A)は、互いに波形等化特性を同一に設定できる。
【0074】
また、第1信号処理回路26、26、26、26にも2値化RF信号のジッタ量を計測し、ジッタ量データJD、JD、JD、JDを出力する計測回路を付加するとともに、図11のフォーカスバイアス調整処理を図4の如く変更するようにしても良い。
図4においては、システムコントローラ50はまず、V=0Vのときに第1信号処理回路26〜26で計測されたジッタ量データJD〜JDを読み取り、平均値をjd(0)´として内蔵メモリ(図示せず)に記憶する(ステップS110)。次に、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを0Vからプラス側にΔV(ΔVは正の値)だけ増大させ、このときのジッタ量データJD〜JDを読み取り、平均値をjd(+1)´として内蔵メモリ(図示せず)に記憶する。また、Vを0Vからマイナス側にΔVだけ減少させ、このときのジッタ量データJD〜JDを読み取り、平均値をjd(−1)´として内蔵メモリ(図示せず)に記憶する(ステップS111)。
【0075】
そして、jd(+1)´、jd(0)´、jd(−1)´の大きさを比較し、jd(+1)´>jd(0)´<jd(−1)´であれば(ステップS112でYES)、Vが0Vのときに平均ジッタ量が最低であり、図3と同様に、対物レンズ8の光軸方向に見て、光ビーム3の合焦点Pと、光ビーム3(3)の合焦点P(P)とのほぼ真ん中にCD−ROM1の信号面1Aが来ていることになる。このとき、光ビーム3〜3のいずれも信号面1Aに対し完全な合焦状態に近い状態となり、完全な合焦状態から大きく外れた光ビームがなくなっているので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを0Vに設定させて調整を終える(ステップS113)。
【0076】
jd(+1)´>jd(0)´<jd(−1)´でない代わりにjd(+1)´<jd(0)´<jd(−1)´であれば(ステップS114でYES)、k=2とし(ステップS115)、V=(+2)・ΔVとさせ、このときのジッタ量データJD〜JDを読み取って平均値をjd(+2)´とする(ステップS116)。そして、jd(+2)´>jd(+1)´<jd(0)´であれば(ステップS117でYES)、Vが(+1)・ΔVのときに平均ジッタ量が最低であり、対物レンズ8の光軸方向に見て、光ビーム3の合焦点Pと、光ビーム3(3)の合焦点P(P)とのほぼ真ん中にCD−ROM1の信号面1Aが来たと考えられるので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを(+1)・ΔVに設定させて調整を終える(ステップS118)。
【0077】
jd(+2)´>jd(+1)´<jd(0)´でなければ(ステップS117でNO)、kをインクリメントして3とし(ステップS119)、ステップS116に戻って同様の処理を繰り返し、或るkの値で、jd(+k)´>jd{+(k−1)}´<jd{+(k−2)}´となれば(ステップS117でYES)、Vが{+(k−1)}・ΔVのときに平均ジッタ量が最低であり、対物レンズ8の光軸方向に見て、光ビーム3の合焦点Pと、光ビーム3(3)の合焦点P(P)とのほぼ真ん中にCD−ROM1の信号面1Aが来たと考えられるので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを{+(k−1)}・ΔVに設定させて調整を終える(ステップS118)。
【0078】
若し、ステップS114において、jd(+1)´<jd(0)´<jd(−1)´でなければ、k=2とし(ステップS120)、V=(−2)・ΔVとさせ、このときのジッタ量データJD〜JDを読み取って平均値をjd(−2)´とする(ステップS121)。そして、jd(−2)´>jd(−1)´<jd(0)´であれば(ステップS122でYES)、Vが(−1)・ΔVのときに平均ジッタ量が最低であり、対物レンズ8の光軸方向に見て、光ビーム3の合焦点Pと、光ビーム3(3)の合焦点P(P)とのほぼ真ん中にCD−ROM1の信号面1Aが来たと考えられるので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを(−1)・ΔVに設定させて調整を終える(ステップS123)。
【0079】
ステップS122でjd(−2)´>jd(−1)´<jd(0)´でなければ、kをインクリメントして3とし(ステップS124)、ステップS121に戻って同様の処理を繰り返し、或るkの値で、jd{−(k−2)}´>jd{−(k−1)}´<jd(−k)´となれば(ステップS122でYES)、 Vが{−(k−1)}・ΔVのときに平均ジッタ量が最低であり、対物レンズ8の光軸方向に見て、光ビーム3の合焦点Pと、光ビーム3(3)の合焦点P(P)とのほぼ真ん中にCD−ROM1の信号面1Aが来たと考えられるので、フォーカスバイアス電圧発生回路22を制御し、Vを{−(k−1)}・ΔVに設定させて調整を終える(ステップS123)。
【0080】
このようにして、フォーカスバイアス調整が終われば、光ビーム3〜3のいずれも信号面1Aに対して完全な合焦状態に近い状態とでき、信号面1Aに対する光ビーム3〜3の合焦状態を簡単に最適化できる。このときの合焦状態は図3とほぼ同一である。その後のデータ再生中、フォーカスサーボ系の働きにより、CD−ROM1の面振れに追従して対物レンズ8が移動するので、CD−ROM1の面振れに関わらず、光ビーム3〜3のいずれも信号面1Aに対して最適な合焦状態に維持することができ、光ビーム3〜3の合焦点P〜 Pが信号面1Aから大きく外れることはなく、光ビーム3〜3のいずれの系統でもCD−ROM1からのデータの読み取りをより確実に実行することができる。
【0081】
図11の処理を図4の処理に変更する場合も、波形等化回路24A〜24Aに設定する波形等化特性は、図3の合焦状態に合わせた特性に変えておく。一対の光ビーム3と3(3と3)の空間伝達周波数特性は同一となるので、これら一対の光ビーム3と3(3と3)に対応して設けられた一対の波形等化回路24Aと24A(24Aと24A)は、互いに波形等化特性を同一に設定できる。
【0082】
また、上記した図11、図4の処理では、第1信号処理回路26(26〜26)で計測したジッタ量データJD(JD〜JD)を用いて、JDの値(JD〜JDの平均値)が最小となるバイアス電圧値Vを設定することでフォーカスバイアス調整を行うようにしたが、これと異なり、例えば、第1信号処理回路26(26〜26)に、EFM復調データに対し1ブロック単位でディスクランブルをしたあと、CIRC符号に基づく誤り検出/訂正(Pパリティによる誤り検出/訂正、ディインタリーブ、Qパリティによる誤り検出/訂正)をし、このときのPパリティによる誤り検出で検出されたエラーレートを計測し、エラーレートデータED(ED〜ED)を出力する誤り検出/訂正回路をを付加しておく。そして、図11、図4中にJD(JD〜JD)とあるのをED(ED〜ED)に置き換え、EDの値(ED〜EDの平均値である平均エラーレート)が最小となるバイアス電圧値Vを設定することでフォーカスバイアス調整を行うようにしても、図1(図3)の如く光ビーム3〜3の合焦点P〜Pが信号面1Aの近傍に来るようにし、光ビーム3〜3を信号面1Aに対しほぼ完全な合焦状態に近い状態とできる。
【0083】
なお、系統別のエラーレートの計測は第2信号処理回路40を用いて行うようにしても良い。即ち、第2信号処理回路40に、CIRC符号に基づく誤り検出/訂正(Pパリティによる誤り検出/訂正、ディインタリーブ、Qパリティによる誤り検出/訂正)をしたときのPパリティによる誤り検出で検出されたエラーレートを計測し、エラーレートデータを出力するエラーレート検出回路を付加しておく。そして、フォーカスバイアス調整時、第1信号処理回路26(26〜26)から出力されたデータDATA(データDATA〜DATA)を、パラレル/シリアル変換部30を介して系統別に順に第2信号処理回路40に入力させ、該第2信号処理回路40で系統別にエラーレートを計測し、光ビーム3の系統のエラーレートデータED(光ビーム3〜3の各系統のエラーレートデータED〜ED)を出力させ、EDの値(ED〜EDの平均値)が最小となるバイアス電圧値Vを設定するようにする。
【0084】
図11とその変形例の処理では、5つの全ての光ビーム3〜3の系統のジッタ量の平均値(エラーレートの平均値)が最小となるようにバイアス電圧値 Vを設定するようにしたが、5つの光ビーム3〜3の内、光ビーム3と3の2つの系統、或いは、光ビーム3と3の2つの系統、或いは光ビーム3と3と3の3つの系統など、n=5個の光ビームの内、所定の2個以上の光ビームの系統別に、2値化RF信号のジッタ量または読み取りデータのエラーレートを計測し、該計測したジッタ量またはエラーレートの平均値が最小となるようにフォーカスバイアス調整を行うようにしても良く、このようにしてもCD−ROM1の面振れに関わらず、信号面1Aに対する合焦状態の悪い光ビームが生じるのを回避し、CD−ROM1からのデータの読み取りを確実に実行することができる。更に、CD−ROM1から読み取ったデータシンボルのエラーレートを計測する代わりに、n=5個の光ビームの内、所定の2個以上の光ビームの系統別に、CD−ROM1から読み取ったサブコードのエラーレートを計測し、該計測したエラーレートの平均値が最小となるようにフォーカスバイアス調整を行うようにしても良い。
【0085】
また、上記した実施の形態ではCD−ROMを線速度一定で回転させるようにしたが、角速度一定(CAV)で回転させるようにしても良い。また、CD−WO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAMなど、CD−ROM以外のタイプのタイプで螺線状にトラックの形成された光ディスクを対象としても良く、或いは、同心円状にトラックの形成されたLD、MOなどの光ディスクを対象としても良い。更に、トラック別の記録データを同時に読み取る光ビームの本数は、3、7など、5以外の数としても良い。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、(2m+1)本の光ビームの内、一対の+i次回折光の光ビームと−i次回折光の光ビーム(但し、i=1、2、・・、m)とを、0次回折光の光ビームを中心にして完全に線対称に形成し、かつ、光ディスクの信号面に対して、該信号面に垂直に照射される0次回折光の光ビームを中心にして完全に線対称に照射させることができるので、これら一対の光ビームが光ディスクの信号面に当たったときのビーム断面積を同一にでき、もってこれら一対の光ビームの空間伝達周波数特性を同一とできる。よって、これら一対の光ビームに対応して設けられた一対の波形等化手段は、互いに波形等化特性を同一に設定できるので、全部で(2m+1)本の光ビームが有る場合、(m+1)個の波形等化手段についてだけ波形等化特性を設計すれば済む。
【0087】
また、対物レンズを含む光学系により、対物レンズの光軸方向に見て光ディスクの信号面が0次回折光の光ビームの合焦位置と±m次回折光の光ビームの合焦位置の間の所定箇所に来るようにしたことにより、信号面に対する合焦状態の悪い光ビームが出来なくなるので、光ディスクからのデータの読み取りを確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係るマルチビーム式CD−ROM再生装置のブロック図である。
【図2】図1の再生動作を示す説明図である。
【図3】図1の変形例に係る光ビームの合焦状態の説明図である。
【図4】図1の変形例に係るフォーカスバイアス調整処理を示すフローチャートである。
【図5】従来のマルチビーム式CD−ROM再生装置のブロック図である。
【図6】図5中の演算部の具体的構成図である。
【図7】図5中のパラレル/シリアル変換部の具体的構成図である。
【図8】図5中のメモリの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図9】図5の再生動作の一例を示す説明図である。
【図10】図5中のメモリの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図11】図5中のシステムコントローラによるフォーカスバイアス調整処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 CD−ROM 1A 信号面
2A 光ピックアップ 3 レーザビーム
4 レーザダイオード 5 グレーティング
6 ビームスプリッタ 7 コリメータレンズ
8 対物レンズ 9 フォーカスアクチュエータ
10 トラッキングアクチュエータ 11 スレッドモータ
20A 記録データ再生系
21、21、21−A、21−B、21−C、21−D、21、21 電流/電圧変換器
22 演算部 22、22 加算器
22、22 加減算器
22 フォーカスバイアス電圧発生回路
23 サーボ回路 24A〜24A 波形等化回路
26〜26 第1信号処理回路 30 パラレル/シリアル変換部
40 第2信号処理回路 50 システムコントローラ

Claims (3)

  1. 光ディスクの信号面の異なるn(但し、nは3以上の奇数)のトラックに異なるn個の光ビームを同時に照射し、各戻りビームを別個に検出した検出出力から各光ビーム別にRF信号を形成し、該各光ビームのRF信号に対し、個別に設けた波形等化手段で波形等化して高域のゲインを持ち上げる高域補償を行ったあと、信号処理手段で各RF信号を2値化、復調して各光ビームの照射されたトラックに記録された記録データを読み取るようにしたマルチビーム式光ディスク再生装置において、
    レーザビーム発生手段で発生させた1本のレーザビームを回折格子に垂直に入射させて、0次回折光、±1次回折光、・・±m次回折光(但し、mは(n−1)/2)からなる(2m+1)本の光ビームを形成させ、
    これら(2m+1)本の光ビームを、対物レンズを含む光学系により光ディスクの信号面近傍に合焦させ、この際、0次回折光の光ビームが光ディスクに垂直に照射されるように光学系を配置し、
    波形等化手段の内、+i次回折光の光ビームと−i次回折光の光ビーム(但し、iは1、2、・・、m)に対応して設けられた一対の波形等化手段は、互いに波形等化特性を同一に設定し、
    対物レンズの光軸方向に見て、光ディスクの信号面が0次回折光の光ビームの合焦位置と±m次回折光の光ビームの合焦位置の間の所定箇所に来るようにしたこと、
    を特徴とするマルチビーム式光ディスク再生装置。
  2. 光ディスクの信号面の異なるn(但し、nは3以上の奇数)のトラックに異なるn個の光ビームを同時に照射し、各戻りビームを別個に検出した検出出力から各光ビーム別にRF信号を形成し、該各光ビームのRF信号に対し、個別に設けた波形等化手段で波形等化して高域のゲインを持ち上げる高域補償を行ったあと、信号処理手段で各RF信号を2値化、復調して各光ビームの照射されたトラックに記録された記録データを読み取るようにしたマルチビーム式光ディスク再生装置において、
    レーザビーム発生手段で発生させた1本のレーザビームを回折格子に垂直に入射させて、0次回折光、±1次回折光、・・±m次回折光(但し、mは(n−1)/2)からなる(2m+1)本の光ビームを形成させ、
    これら(2m+1)本の光ビームを、対物レンズを含む光学系により光ディスクの信号面近傍に合焦させ、この際、0次回折光の光ビームが光ディスクに垂直に照射されるように光学系を配置し、
    光ディスクの面振れに追従して対物レンズを移動し、(2m+1)本の光ビームを常に光ディスクの信号面近傍に合焦させるフォーカスサーボ手段を備え、
    波形等化手段の内、+i次回折光の光ビームと−i次回折光の光ビーム(但し、iは1、2、・・、m)に対応して設けられた一対の波形等化手段は、互いに波形等化特性を同一に設定し、
    前記フォーカスサーボ手段は、対物レンズの光軸方向に見て、光ディスクの信号面が0次回折光の光ビームの合焦位置と±m次回折光の光ビームの合焦位置の間の所定箇所に来るようにフォーカスバイアス調整を行うようにしたこと、
    特徴とするマルチビーム式光ディスク再生装置。
  3. n個の光ビームの内、所定の2個以上の光ビームの系統別に、2値化RF信号のジッタ量またはエラーレートを計測する計測手段とを備え、
    前記フォーカスサーボ手段は、計測手段で計測されたジッタ量またはエラーレートの平均値が最小となるようにフォーカスバイアス調整を行うようにしたこと、
    を特徴とする請求項2記載のマルチビーム式光ディスク再生装置。
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