JP3562945B2 - 油圧ショベルの作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルなどの建設機械のフロント部にブーム、アーム、作業工具等の作業機構成部材を順次回動可能に連結して構成されている作業機の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、特開平4−5341号公報に記載されている一実施例ブーム16の平面図である。図14は、図13におけるブーム16の左右の側面板27L,27Rを示す斜視図である。図13及び図14に示す一実施例ブーム16では、左右一対の側面板27L,27Rを、その長手方向と直角方向の断面形状がコ字形なる鋼板にて形成し、その一対の側面板27L,27Rの上横板部29,29’のそれぞれ側端トと側端チを、間隔Lをおいて対向させ、前記一対の側面板27L,27Rを基端ボス20と先端ブラケット22を介し、溶着して構成している。それにより、図示していない従来より行われているブームの上面板と下面板を不要にすることができるので、ブーム16の重量を軽くすることができる。また前記側面板27L,27Rをプレス曲げ加工によりコ字形に形成するようにしたので、溶接加工を減少させて、ブームの製造コストを安価にすることができる。またブーム16の内部に油圧配管(図13,図14には図示していない)を通すようにしているので、ブーム16の外観上の見映えを良くするばかりでなく、前記油圧配管が他の障害物と接触して破損する事故を防止することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来より油圧ショベルなど建設機械,作業車両のフロント部に装着されている作業機におけるブーム,アームは、母材(未溶接部材である鋼板,棒鋼などをいう)を箱形に溶接して形成している。前記ブーム,アームの溶接部の疲労強度は、前記母材に比べてかなり小さい。そのために前記溶接部に対しては、応力集中に起因するクラックなどの発生を防止する必要があった。すなわち前記溶接部を低応力にするために、前記溶接部の断面係数を前記部母材に比べて大きくしなければならなかった。したがって前記溶接部の溶接加工には大なる工数を要するので、強度上の点及びコストの面で非常に具合が悪かった。また特開平4−5341号公報に記載されているブームでは油圧配管をブーム内部に通すようにしているが、アームの外周面側には油圧配管が露出して取付けられている。本発明はブーム,アームを未溶接部材である母材で形成し、前記ブーム及びアームのそれぞれ内部を通して油圧配管を配置することのできる作業機の構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
車体のフロント部に接続されたブーム、アーム等の建設機械の作業機構成部材において、前記作業機構成部材は、左右一対の側板と、前記左右一対の側板を所定の間隔を開けて保持する間隔保持部材と、前記左右一対の側板を前記間隔保持部材に当接させて固定する固定部材とを有し、前記固定部材は、左右一対の側板と前記間隔保持部材を溶接することなく固定した。これにより母材で形成される左右一対の側板を溶接等の手段を用いることなく固定できるため、溶接部に生じる応力集中に起因するクラックなどの発生を防止することができ、また溶接加工にかかる工数を削除或いは削減することができ、製造工程を簡略化することができ、生産性を向上できる。
【0005】
更に、前記間隔保持部材は前記左右一対の側板の間に介装されたスペーサボスであり、前記固定部材は前記側板に開穿されたピン穴と前記スペーサボスを挿通可能なピンであり、前記ピンにより前記左右一対の側板と前記スペーサボスを挿通するようにした。これにより、特別な構成を要さず、一般的なボスとピンにより側板間隔を保持して固定し作業機構成部材であるブームやアームを形成できるため、構造が簡略である。
【0006】
更に、前記ピンは、前記複数の作業機構成部材を連結する連結ピン、及び、前記作業機構成部材を回動させるアクチュエータを前記左右一対の側板間で軸支するアクチュエータ支持ピンであり、前記ピンの内少なくとも複数個のピンにより前記左右一対の側板を移動不能に固定できるようにした。これにより、通常の作業機の構成要素である、これらのピン及びボス等により作業機構成部材が構成できるため、不要な重量の増加を招くことなく、またより構成が簡略化できる。
【0007】
更に、前記左右一対の側板間に前記アクチュエータへの圧油を給排する油圧配管を配置したので、外観上の見映えを良くできるばかりでなく、油圧配管の他の障害物との接触が防止でき、また側板間の上下方向が開放されているため、油圧配管に対するメンテナンス性も良好である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の作業機1を示す側面図である。図において、2は油圧ショベルの上部旋回体(全体図を図示していない)のメインフレーム、3,4,5はそれぞれメインフレーム2に装着した作業機1を構成する作業機構成部材であるブーム,アーム,バケット、6はアイドラリンク、7はバケットリンク、8,9,10はそれぞれアクチュエータであるブームシリンダ,アームシリンダ,バケットシリンダ、11は上部旋回体側よりアームシリンダ9に通じる油圧配管、12は上部旋回体側よりバケットシリンダ10に通じる油圧配管、13はブーム3基礎部用のピン結合部、14はブームシリンダ8ロッド先端部用のピン結合部、15はブーム3先端部用(すなわちアーム4基部用でもある)のピン結合部、17はアームシリンダ9基端部用のピン結合部、18はアームシリンダ9ロッド先端部用のピン結合部、19はアーム4先端部用のピン結合部、21はバケットシリンダ10基端部用のピン結合部、23はアイドラリンク6基端部用のピン結合部である。図2は、図1における作業機1を示す平面図である。図において、24L,24Rはブーム3を形成する左右一対の側板、25L,25Rはアーム4を形成する左右一対の側板である。図3は、図1及び図2におけるブーム3の斜視図である。図において、26,26’は一対の側板24Lと24Rを貫通して開穿されたピン結合部13用のそれぞれピン穴、28,28’はピン結合部14用のそれぞれピン穴、30,30’はピン結合部15用のそれぞれピン穴、31,31’はピン結合部17用のそれぞれピン穴である。図4は、図1及び図2におけるアーム4の斜視図である。図において、32,32’は一対の側板25Lと25Rを貫通して開穿されたピン結合部15用のそれぞれピン穴、33,33’はピン結合部18用のそれぞれピン穴、34,34’はピン結合部19用のそれぞれピン穴、35,35’はピン結合部21用のそれぞれピン穴、36,36’はピン結合部23のそれぞれピン穴である。
【0007】
次に図5は、図1におけるピン結合部13のA−A矢視要部断面図である。図において、37はメインフレーム2のブーム3取付用ブラケット、37Pはブーム3取付用ブラケット37に対して溶着した補強パイプ、38はピン結合部13のピンである。図6は、図1におけるピン結合部14のB−B矢視要部断面図である。図において、39はピン結合14のピン、40はピン穴41を有し一対の側板24Lと24Rの相対応する内面側の間隙部に介挿されているスペーサボス、42,42’は左右のブームシリンダ8ロッド先端部の左右取付位置を設定する座板カラーである。図7は、図1におけるピン結合部15のC−C矢視要部断面図である。図において、43はピン結合部15のピン、44はピン穴45を有し側板25Lと25Rの内面側の間隙部に介挿されているスペーサボスである。図8は、図1におけるピン結合部17のD−D矢視要部断面図である。図において、46はピン結合部17のピン、47,47’はそれぞれピン穴48,48’を有し側板24L,24R内側面とアームシリンダ9基端部側面との互いに相対する対面間の間隙部にそれぞれ介挿したスペーサボスである。
【0008】
次に図9は、図1におけるピン結合部18のE−E矢視要部断面図である。図において、49はピン結合部18のピン、50,50’はそれぞれピン穴51,51’を有し側板25L,25R内側面とアームシリンダ9ロッド先端部側面との互いに相対する対面間の間隙部にそれぞれ介挿したスペーサボスである。図10は、図1におけるピン結合部19のF−F矢視要部断面図である。図において、52はピン結合部19のピン、53はピン穴54を有し側板25Lと25Rの内面側の間隙部に介挿されているスペーサボスである。図11は、図1におけるピン結合部21のG−G矢視要部断面図である。図において、55はピン結合部21のピン、56,56’はそれぞれピン穴57,57’を有し側板25L,25R内側面とバケットシリンダ10基端部側面との互いに相対する対面間の間隙部にそれぞれ介挿したスペーサボスである。図12は、図1におけるピン結合部23のH−H矢視要部断面図である。図において、58はピン結合部23のピン、59はピン穴60を有し一対の側板25Lと25Rの相対応する内面側の間隙部に介挿されているスペーサボス、61,61’は左右のアイドラリンク6,6の左右取付位置を設定する座板カラーである。
【0009】
次に、本発明の一実施形態の作業機1の構造を図1〜図12について述べる。本実施形態では、油圧ショベルの上部旋回体(図示していない)のメインフレーム2(図1に示す)のフロント部に順次回動自在に連結したブーム3、アーム4を、それぞれ左右一対の側板24L,24R、25L,25Rにて形成した。すなわちブーム3は図3に示すように一対の側板24Lと24Rで形成し、前記一対の側板24Lと24Rに、ピン38,39,43,46(図3では各ピンの中心線のみを図示している)をそれぞれ貫通する複数のピン穴26−26’、28−28’、30−30’、31−31’を開穿し、前記各ピン穴(符号を省略する)に対して前記各ピンをそれぞれ枢着することにより前記一対の側板24Lと24Rを位置決め固定するようにした。そして前記の場合に、図5に示すようにピン38を枢着するピン結合部13では、側板24Lと24Rの基端部をメインフレーム2のブラケット37に取付けている。また図6に示すようにピン39を枢着するピン結合部14では、側板24Lと24Rの相対応する内面側の間隙部に、ピン穴41にピン39を通したスペーサボス40を介挿している。また図7に示すようにピン43を枢着するピン結合部15では、アーム4の側板25Lと25Rの内面側の間隙部に、ピン穴45にピン43を通したスペーサボス44を介挿し、ブーム3の側板24L,24R先端部と、アーム4の側板25L,25R基部とを連結している。また図8に示すようにピン46を枢着するピン結合部17では、側板24L,24R内側面とアームシリンダ9基端部側面との互いに相対する対面間の間隙部に、ピン穴48,48’にピン46を通したスペーサボス48,48’をそれぞれ介挿し、前記アームシリンダ9基端部を取付けている。
【0010】
また図9に示すようにピン49を枢着するピン結合部18では、側板25L,25R内側面とアームシリンダ9ロッド先端部側面との互いに相対する対面間の間隙部に、ピン穴51,51’にピン49を通したスペーサボス50,50’をそれぞれ介挿し、前アームシリンダ9ロッド先端部を取付けている。また図10に示すようにピン52を枢着するピン結合部19では、側板25Lと25Rの内面側の間隙部に、ピン穴54にピン52を通したスペーサボス53を介挿し、アーム4の側板25L,25R先端部にバケット5を連結している。また図11に示すようにピン55を枢着するピン結合部21では、側板25L,25R内側面とバケットシリンダ10基端部側面との互いに相対する対面間の間隙部に、ピン穴57,57’にピン55を通したスペーサボス56,56’をそれぞれ介挿し、前記バケットシリンダ10基端部を取付けている。また図12に示すようにピン58を枢着するピン結合部23では、側板25Lと25Rの相対応する内面側の間隙部に、ピン穴60にピン58を通したスペーサボス59を介挿し、アイドラリンク6を取付けている。
【0011】
前記のようにブーム3及びアーム4をそれぞれ一対の側板24L,24R、25L,25Rで形成し、溶接加工,プレス曲げ加工を不要にしているので、前記ブーム3及びアーム4には、断面係数及び疲労強度の小さい溶接部と、曲げ角度が存在しない。したがってブーム3,アーム4の母材(鋼板をいう)の大なる強度を発揮できるとともに、クラック発生などのトラブルを防止することができる。そして、前記ブーム3,アーム4の構造が簡単であるので、作業機1の製作コストを大巾に低減することができる。
【0012】
また本実施形態では、ブーム3の側板24L,24Rの上面側周縁部(図3における符号イ,イ’で示す部分)と下面側周縁部(図3における符号ロ,ロ’で示す部分)、アーム4の側板25L,25Rの上面側周縁部(図4における符号ハ,ハ’で示す部分)と下面側周縁部(図4における符号ニ,ニ’で示す部分)のそれぞれ側面視形状を、直線と湾曲線とで連なる滑らかな曲線に形成し、前記ブームシリンダ8ロッド先端部のピン結合部14(ブームシリンダが単数の場合を含むが図示はしていない)、アームシリンダ9基端部のピン結合部17が前記側板24L,24Rの上面側周縁部イ,イ’、下面側周縁部ロ,ロ’より突出しないようにし、またバケットシリンダ10基端部のピン結合部21が前記側板25L,25Rの上面側周縁部ハ,ハ’下面側周縁部ニ,ニ’より突出しないようにした。それにより、前記アームシリンダ9,バケットシリンダ10の本体部分の一部分を前記側板24Lと24Rとの間,側板25Lと25Rとの間にそれぞれ収納された状態にすることができる。
【0013】
また本実施形態では、油圧ショベルの車体(図示していない上部旋回体をいう)より前記アームシリンダ9に通じる油圧配管11(図1に示す)をブーム3の側板24Lと24Rの内側に配管し、また前記車体よりバケットシリンダ10に通じる油圧配管12をブーム3の側板24Lと24Rの内側、アーム4の側板25Lと25Rの内側を通して配管した。それにより、ブーム3にアーム4を連接した作業機1全体の外観上の見映えを良くするばかりでなく、前記油圧配管11,12が他の障害物と接触して破損する事故を防止することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明では車体のフロント部に連結した作業機の作業機構成部材であるブーム,アームをそれぞれ左右一対の側板にて形成し、溶接加工,プレス曲げ加工を不要にしているので、前記ブーム,アームには、断面係数及び疲労強度の小さい溶接部と、曲げ角度が存在しない。したがってブーム,アームの母材(鋼板をいう)の大なる強度(耐疲労強度を含む)を発揮できるとともに、クラック発生などのトラブルを防止することができる。そして、前記ブーム,アームの構造が簡単であるので、作業機を軽量化できると共に、その生産性を大巾に向上することができる。また前記車体より前記油圧アクチュエータに通じる油圧配管を前記一対の側板の内側に配管したので、ブーム,アームを連接した作業機全体の外観上の見映えを良くするばかりでなく、前記複数の油圧配管が他の障害物と接触を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の作業機を示す側面図である。
【図2】図1における作業機を示す平面図である。
【図3】図1及び図2におけるブームの斜視図である。
【図4】図1及び図2におけるアームの斜視図である。
【図5】図1におけるピン結合部のA−A矢視要部断面図である。
【図6】図1におけるピン結合部のB−B矢視要部断面図である。
【図7】図1におけるピン結合部のC−C矢視要部断面図である。
【図8】図1におけるピン結合部のD−D矢視要部断面図である。
【図9】図1におけるピン結合部のE−E矢視要部断面図である。
【図10】図1におけるピン結合部のF−F矢視要部断面図である。
【図11】図1におけるピン結合部のG−G矢視要部断面図である。
【図12】図1におけるピン結合部のH−H矢視要部断面図である。
【図13】従来技術の一実施例ブームの平面図である。
【図14】図13におけるブームの左右の側面板を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 作業機
3,16 ブーム
4 アーム
8 ブームシリンダ
9 アームシリンダ
10 バケットシリンダ
11,12 油圧配管
13,〜,19,21,23 ピン結合部
24L,24R,25L,25R 側板
38,39,43,46,49,52,55,58 ピン
40,44,47,47’,50,50’,53,56,56’,59 スペーサボス
Claims (3)
- 車体のフロント部に接続されたブーム、アーム等の油圧ショベルの作業機において、
前記作業機は、
左右一対の側板と、
前記左右一対の側板を所定の間隔を開けて保持する間隔保持部材と、
前記左右一対の側板を前記間隔保持部材に当接させて固定する固定部材とを含んだ作業機 構成部材により構成され、
前記左右一対の側板間は上下方向が開放されるとともに、前記左右一対の側板間に油圧配 管を配置し、
前記固定部材は前記左右一対の側板と前記間隔保持部材とを溶接することなく固定することを特徴とする油圧ショベルの作業機。 - 前記間隔保持部材は前記左右一対の側板の間に介装されたスペーサボスであり、前記固定部材は前記側板に開穿されたピン穴と前記スペーサボスを挿通可能なピンであり、前記ピンにより前記左右一対の側板と前記スペーサボスを挿通するようにしたことを特徴する請求項1記載の油圧ショベルの作業機。
- 前記ピンは、前記複数の作業機構成部材を連結するピン、及び、前記作業機構成部材を回動させるアクチュエータを前記左右一対の側板間で軸支するピンであり、前記ピンの内少なくとも複数個のピンにより前記左右一対の側板のそれぞれが相対的 に移動不能に固定できるようにしたことを特徴とする請求項2記載の油圧ショベルの作業機。
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