JP3563700B2 - コンタクトレンズ保存用密封パック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンタクトレンズ保存用密封パックに関する。さらに詳しくは、流通性、携帯性などにすぐれたコンタクトレンズ保存用密封パックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンタクトレンズの保存には、ガラス製容器または硬質プラスチック容器が用いられている。
【0003】
しかしながら、該硬質プラスチック容器は、嵩高いため、持ち運びに不便であるうえ、その容積が大きいため、該容器内に充填するコンタクトレンズ保存液およびガスなどを必要以上に多く用いなければならないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、軽量で流通性、携帯性にすぐれ、しかもコンタクトレンズ保存液および充填ガスの量をできるだけ少なくすることができるコンタクトレンズ保存用パックを開発するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、1枚または2枚の樹脂フィルムを重ね合わせ、その周縁部を融着させて得られた、あらかじめ開口部が設けられた袋状のコンタクトレンズ保存用樹脂フィルムパックに、コンタクトレンズと、空気もしくは不活性ガスおよび(または)コンタクトレンズ保存液とを充填し、密封したコンタクトレンズ保存用密封パックに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するコンタクトレンズ保存用樹脂フィルムパック(以下、樹脂フィルムパックという)は、前記したように、1枚または2枚の樹脂フィルムを重ね合わせ、その周縁部を融着させて得られた、あらかじめ開口部が設けられた袋状のものである。
【0007】
このように、本発明に使用する樹脂フィルムパックは、樹脂フィルムを重ね合わせ、融着させたものであるため、軽量化が図られ、またその容積がきわめて小さいため、流通性、携帯性にすぐれ、しかも保存液および充填ガスの量がごく少量でよいといった利点がある。
【0008】
さらに、前記樹脂フィルムに耐熱性を有する樹脂を用いたばあいには、得られた樹脂フィルムパックに、そのままの状態で、たとえばオートクレーブなどを用いて滅菌処理などを施すことができる。
【0009】
本発明に使用する樹脂フィルムパックを構成する樹脂としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6などのポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデンなどがあげられ、これらの樹脂は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なお、これらの樹脂のなかでは、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリ塩化ビニリデンは、耐熱性、耐溶性の面から好ましいものである。
【0010】
樹脂フィルムパックの樹脂フィルムの厚さは、通常10μm〜0.5mm程度であることが好ましい。
【0011】
なお、本発明に使用する樹脂フィルムパックを構成する樹脂が前記ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステルおよびポリ塩化ビニリデンから選ばれた少なくとも1種であり、これらの樹脂からなる樹脂フィルムの厚さが前記10μm〜0.5mm程度である場合、かかる樹脂フィルムはその素材および厚さの点から透明であり、本発明に使用する樹脂フィルムパックは透明性および可撓性を有するといった利点がある。このような全体が透明で可撓性を有する樹脂フィルムパックにコンタクトレンズを保存した際には、得られたコンタクトレンズ保存用密封パック(以下、密封パックという)を開封しなくとも、そのままの状態で密封パック内のコンタクトレンズの外観検査を行なったり、レンズ表面のマークを確認することが可能である。とくに、コンタクトレンズとして後述する酸素透過性ハードコンタクトレンズを本発明の密封パックにて保存した場合には、その直径、ベースカーブ、中心厚さなども確認することが可能である。
【0012】
また、樹脂フィルムパックの形状としては、たとえば正方形、長方形などの四角形、三角形、円形、楕円形、その他の多角形などの、いわゆる袋状のものがあげられるが、取扱いやすさの点で四角形が好ましい。また、大きさについては、コンタクトレンズを該樹脂フィルムパック内に挿入することができればとくに限定がないが、取扱いやすさの点から、最大幅が100mm程度以下、なかんづく50mm程度以下、また最小幅がコンタクトレンズの直径よりも大きい大きさ、たとえば15mm以上、なかんづく20mm以上であることが好ましい。
【0013】
本発明に使用する樹脂フィルムパックは、1枚または2枚の樹脂フィルムを重ね合わせ、その周縁部をたとえばヒートシーラー、高周波ウェルダーなどを用いて融着させることによってえられ、コンタクトレンズ、コンタクトレンズ保存液および充填ガスを入れるための開口部をあらかじめ設けておく。
【0014】
前記コンタクトレンズとしては、本発明においてはとくに限定がなく、たとえば含水性ソフトコンタクトレンズなどの含水性コンタクトレンズや、酸素透過性ハードコンタクトレンズ、非含水性ソフトコンタクトレンズなどの非含水性コンタクトレンズなどがあげられる。
【0015】
なお、樹脂フィルムパック内に含水性コンタクトレンズを入れるばあいには、該樹脂フィルムパック内に、コンタクトレンズ保存液を入れ、該含水性ソフトコンタクトレンズの品質の低下を防ぐことが好ましい。
【0016】
前記コンタクトレンズ保存液としては、とくに限定がなく、その代表例として、たとえば生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)、(株)メニコン製「メニソーク」(商品名)などがあげられる。前記樹脂フィルムパックへの該コンタクトレンズ保存液の注入量は、とくに限定がなく、通常含水性コンタクトレンズ全体に常に該コンタクトレンズの保存液が付着されるように調整することが好ましい。また、このように含水性コンタクトレンズ全体に常にコンタクトレンズ保存液が付着するような状態であれば、該密封パック内には空気が存在していてもよい。なお、密封パック内に空気が存在するばあいには、かかる空気にはあらかじめ除菌、滅菌などが施され、該密封パック内で菌が繁殖しないようにしておくことが好ましい。
【0017】
また、樹脂フィルムパック内に非含水性ソフトコンタクトレンズや酸素透過性ハードコンタクトレンズなどの非含水性コンタクトレンズを入れるばあいには、該樹脂フィルムパック内に、あらかじめ滅菌や除菌などが施された空気、チッ素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスなどを充填し、これらの気体によってコンタクトレンズに緩衝作用を付与せしめるようにしてもよい。
【0018】
樹脂フィルムパック内に入れるコンタクトレンズの枚数にはとくに限定がなく、たとえば1枚であってもよく、また2枚以上の複数枚であってもよいが、該コンタクトレンズの規格の管理のしやすさ、コンタクトレンズ同士の接触の防止などの点から、1枚だけを入れることが好ましい。
【0019】
かくして、本発明に使用する樹脂フィルムパック内にコンタクトレンズおよびコンタクトレンズ保存液および(または)ガスを入れたのち、該樹脂フィルムパックを密封するが、かかる密封の方法についてはとくに限定がなく、たとえばヒートシーラー、高周波ウェルダーなどを用いて樹脂フィルム同士を融着させる方法などがあげられる。
【0020】
本発明に使用する樹脂フィルムパックにコンタクトレンズならびにコンタクトレンズ保存液および(または)ガスを入れ、密封したのち、得られた密封パックは、そのままの状態で、流通、保存、保管をすることができ、通常は、コンタクトレンズの規格ごとに紙箱やハードケースにつめられ、流通される。またたとえば前記四角形、三角形、円形、楕円形、その他の多角形などの、いわゆる袋状の樹脂フィルムパックの場合、2個以上のパックを適宜連結させた状態で、流通、保存、保管をすることもできる。このように本発明の密封パックを用いてコンタクトレンズの保管などを行なう際には、従来よりも省スペース化を図ることができる。
【0021】
また、前記コンタクトレンズが入れられ、密封された密封パックを長期間保存したばあいであっても、該コンタクトレンズの表面形状、含水率、外径、重量などに変化がないので、該密封パックは保存安定性にすぐれたものである。
【0022】
【実施例】
つぎに本発明の密封パックを実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0023】
実施例1
ジメチルアクリルアミドを主成分とする含水率が約70%の含水性ソフトコンタクトレンズの表面状態、外径、重量および含水率を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0024】
つぎに、ポリエチレン、ナイロン−6,6およびポリ塩化ビニリデンを主成分とする樹脂組成物からなる樹脂フィルム(厚さ:40μm)を5cm×5cmの正方形に切断し、その一端を残して他の三辺を融着させて樹脂フィルムパックをえた。
【0025】
えられた樹脂フィルムパック内に前記含水性ソフトコンタクトレンズおよびコンタクトレンズ保存液として「メニソーク」((株)メニコン製、商品名)0.5mlを入れ、該樹脂フィルムパック内の空気を除去したのち、開口部を加熱により密封させて前記含水性ソフトコンタクトレンズを樹脂フィルムパック内で密閉した。
【0026】
つぎに、この密封パックを3週間室温中で保存したのち、開封し、該含水性ソフトコンタクトレンズの表面状態、外径、重量および含水率を前記と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0027】
(イ)表面状態
ナイツ(NEITZ)社製、ステレオマイクロスコープを用いてレンズ表面に傷がないかどうかを調べ、以下の判定基準にもとづいて評価した。
【0028】
(判定基準)
○:レンズ表面に傷が発見されなかった。
×:レンズ表面に傷が発見された。
【0029】
(ロ)外 径
(株)ニコン製、万能投影機6C型を用いて判定した。
【0030】
(ハ)重 量
ザルトリウム社製、直示天秤を用いて測定した。
【0031】
(ニ)含水率
(株)アタゴ製、含水率計を用いて測定した。
【0032】
実施例2
実施例1で用いた含水性ソフトコンタクトレンズのかわりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とする含水率が約40%の含水性ソフトコンタクトレンズを用いたほかは、実施例1と同様にして各種物性を調べた。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示された結果から、本発明の密封パックを用いた場合には、保存中にコンタクトレンズの表面に傷をつけることがなく、またコンタクトレンズの物性に悪影響を与えないことがわかる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の密封パックは、保存中にコンタクトレンズに何らの悪影響を及ぼすことがなく、軽量であるので、流通性、携帯性にすぐれ、従来の容器と比べて安価であるとともに多量のコンタクトレンズをよりコンパクトにかつ軽量に収容しうるので、流通コストの低減を図ることができる。また該密封パックは、その容積が小さいので、ごく少量のコンタクトレンズ保存液および(または)充填ガスでコンタクトレンズを保存することができるほか、そのままの状態で滅菌処理を施すことができ、さらにはたとえば特定の厚さで、特定の樹脂製である場合、樹脂フィルムが透明性を有するので、この密封パックを開封しなくとも、そのままの状態で密封パック内のコンタクトレンズの外観検査やマークの確認が可能であるなどといった数多くの効果を奏する。
Claims (7)
- 1枚または2枚の樹脂フィルムを重ね合わせ、その周縁部を融着させて得られた、あらかじめ開口部が設けられた袋状のコンタクトレンズ保存用樹脂フィルムパックに、コンタクトレンズと、空気もしくは不活性ガスおよび(または)コンタクトレンズ保存液とを充填し、密封したコンタクトレンズ保存用密封パック。
- 樹脂フィルムが、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステルおよびポリ塩化ビニリデンから選ばれた少なくとも1種の樹脂にて構成される請求項1記載のコンタクトレンズ保存用密封パック。
- 樹脂フィルムが、ポリエチレン、ナイロン−6,6およびポリ塩化ビニリデンを主成分とする樹脂にて構成される請求項1記載のコンタクトレンズ保存用密封パック。
- 樹脂フィルムの厚さが10μm〜0.5mmである請求項2または3記載のコンタクトレンズ保存用密封パック。
- 樹脂フィルムが透明である請求項4記載のコンタクトレンズ保存用密封パック。
- コンタクトレンズ保存用樹脂フィルムパックの形状が、三角形、四角形、円形または楕円形であり、最大幅が100mm以下の大きさのものである請求項1、2、3、4または5記載のコンタクトレンズ保存用密封パック。
- 密封が、開口部の樹脂フィルム同士の融着による密封である請求項1、2、3、4、5または6記載のコンタクトレンズ保存用密封パック。
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