JP3563882B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波処置具を処置具チャンネルに挿通して金属製の先端部本体から突出させて患者の体腔内組織の処置を行う内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部と、この挿入部の基端側に位置して術者が把持・操作する操作部と、この操作部の側部から延出して光源装置や画像処理装置に着脱自在に接続されるコネクターを端部に設けたコネクタコードで主に構成されている。
【0003】
前記挿入部の先端には、体腔内を観察する対物レンズ、体腔内を照明する照明ガイド及び鉗子などの処置具を体腔内に挿入するための鉗子チャンネルなどを設けた金属部材で形成した先端部本体が設けられている。
【0004】
前記先端部本体が金属部材で形成されていると、電気メス等の高周波処置具を鉗子チャンネルを通して体腔内に挿入して高周波処置を行うとき、高周波処置具の電極に体液などが接触していると、前記高周波処置具に流れている高周波電流が内視鏡に漏洩して、高周波処置具の処置部を構成する焼灼部位に充分な高周波電流が流れなくなって処置が行えなくなることがあった。
【0005】
そこで、このような漏電を防ぐために、先端部本体の金属の露出箇所を絶縁部材で覆う必要があり、特公平3−26964号公報にはチャンネルチューブの先端を、先端部本体を被覆する絶縁カバーに接合した内視鏡が開示されている。
【0006】
また、高周波処置が可能な内視鏡では、内部金属を高周波電流の患者プレート側に電気的に接続し、内部金属に漏れた電流を高周波電源に帰還させるようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特公平3−26964号公報の内視鏡では、チャンネルチューブの先端と絶縁カバーとを接合するために接着層を設ける必要があり、このことにより絶縁カバーの肉厚が厚くなって、挿入部の先端硬質部長が長くなり、内視鏡の挿入性が低下するという問題があった。
【0008】
また、チャンネルチューブの先端を絶縁カバーに突き当てる構成になっているため、組立時に、絶縁カバーが先端部本体より外れることによって組み立て性が悪いという問題があった。
【0009】
さらに、細径の内視鏡では先端部本体と節輪とを接着剤によって固定するようになっており、本出願人が特願平7−114935号で開示した先端部本体と節輪とを接着固定した高周波処置用の内視鏡の構造では先端部本体と節輪の間に接着剤による接着層が介存するため、先端部本体と節輪との確実な電気的導通を図ることが難しく、先端部本体に漏れた電流が固体撮像素子を経由して高周波電源に帰還することにより、固体撮像素子の破損や画像の乱れを引き起こすおそれがあった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡の組立性や挿入性を損なわず、鉗子チャンネルから内視鏡の内部金属に漏れ電流が流れることなく、効率よく高周波処置の行える内視鏡を提供することを目的にしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡は、挿入部の先端側に設けられた金属製の先端部本体と、この先端部本体の外周面を覆う絶縁カバーと、前記先端部本体と前記絶縁カバーとに貫通してこの絶縁カバーの外表面に開口を有する電気絶縁性のチャンネルチューブが内挿される貫通孔と、この貫通孔の中心軸方向に突出して絶縁カバー側に形成した前記チャンネルチューブの透孔の直径寸法より大径で、このチャンネルチューブの外径寸法より小径の凸部とを設けた内視鏡であって、
前記チャンネルチューブの先端面を、前記凸部に当接させて固定すると共に、このチャンネルチューブ先端面から絶縁カバーまでの凸部内周面を絶縁部材で覆っている。
【0012】
この構成によれば、内視鏡の組立性や挿入性を損なうことなく、高周波処置具に流れている高周波電流が内視鏡に漏洩することを防止する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡の概略構成を示す説明図、図2は挿入部の先端部を説明する斜視図、図3は先端部の構成を説明する断面図、図4は図3のA−A断面図、図5は内視鏡の湾曲機構の概略構成を示す説明図、図6は外皮チューブを被せる前の湾曲部の構成を示す説明図、図7は操作レバーの概略構成を説明する断面図である。
【0015】
図1に示すように内視鏡1は、体腔内に挿入される挿入部2と、この挿入部2の基端側に配設された把持部を兼ねる操作部3と、この操作部3の側部から延出するコネクタコード4とで主に構成されている。
【0016】
前記挿入部2は、先端側より硬質の金属部材で形成した後述する先端部本体を備える先端部5と、複数の湾曲駒を例えば上下、左右方向に湾曲自在に連接した湾曲部6と、柔軟で可撓性を有する軟性管部7とで構成されている。
【0017】
前記操作部3には前記湾曲部6を所望の方向に湾曲させるための操作レバー3aが設けられており、この操作レバー3aを操作することによって、湾曲部6の先端に配置されている第1の湾曲駒に連結されている操作ワイヤを牽引して湾曲部6を上下、左右方向に湾曲させて、先端部5の先端面を所望の方向に向けることができるようになっている。また、前記操作部3の先端側には処置具を挿通するための鉗子挿入口3bが設けられている。
【0018】
前記コネクタコード4の手元側端部には外部装置である光源装置に着脱自在に接続可能な光源接続部8aと電気ケーブルを介して外部装置である画像処理装置に着脱自在な画像処理装置接続部8bとを備えたコネクタ8が設けられている。このコネクタ8には内視鏡1の内部に設けられている金属に対して電気的に導通する高周波端子9が設けられており、この高周波端子9には高周波電源に帰還するコードが接続されるようになっている。
【0019】
図2に示すように前記挿入部2の先端部5の先端面5aには被検部位を観察する観察光学系11を構成する対物レンズ11aや被検部位を照らす照明光学系12を構成するレンズカバー12aや前記鉗子挿入口3bに連通する鉗子チャンネル13の開口部13aが設けられている。なお、符号14は先端部本体の先端面及び先端面側外周部を覆う樹脂製の絶縁カバーである。
【0020】
図3に示すように先端部5には金属製の円柱状部材で形成された先端部本体15が設けられている。前記先端部本体15の内部には観察光学系11を構成する複数のレンズを保持するレンズ枠16や、前記照明光学系12を構成する照明用ライトガイド(不図示)や、前記鉗子チャンネル13を構成する可撓性を有する柔軟なチャンネルチューブ17を配置するためのそれぞれに対応する複数の貫通孔として光学系用透孔18やチャンネル用透孔19などが設けられている。
【0021】
前記レンズ枠16の先端面は、前記絶縁カバー14の表面より凹んだ状態で配設されており、このレンズ枠16と絶縁カバー14との間に形成される隙間に絶縁性接着剤20を充填して前記レンズ枠16の先端面を絶縁している。
【0022】
前記先端部本体15に形成されているチャンネル用透孔19の絶縁カバー14側端部にはチャンネル用透孔19の中心軸方向に向かって突出し、このチャンネル用透孔19に内挿されるチャンネルチューブ17の内孔の内径寸法φd1 より大きく、前記チャンネルチューブ17の外径寸法φd2 より小さく形成した凸部19aが設けられている。
【0023】
前記チャンネル用透孔19に配設されるチャンネルチューブ17の先端面は、前記凸部19aの立上り面に当接しており、前記凸部19aの内周側面が位置する絶縁カバー14とチャンネルチューブ17先端部との間の凹部に絶縁性接着剤20を塗布して前記チャンネル用透孔19の凸部19aの内周面側の金属面を絶縁している。
【0024】
また、前記チャンネルチューブ17の先端側の一部を除いて、チャンネルチューブ17のチューブ外周には金属部材よりなる螺旋状のチャンネルコイル21が外嵌されている。このとき、前記チャンネルコイル21が外嵌されていない先端部側チャンネルチューブ22の中心軸22aと、前記チャンネルコイル21が外嵌されている湾曲部側チャンネルチューブ23の中心軸23aとの位置関係は、前記先端部側チャンネルチューブ22の中心軸22aが湾曲部側チャンネルチューブ23の中心軸23aより内視鏡の中心側に距離dだけ近づくように位置ずれさせて先端部5の細径化を図っている。なお、前記先端部側チャンネルチューブ22と湾曲部側チャンネルチューブ23とは滑らかに位置ずれしている。
【0025】
前記先端部本体15にはパイプ部材で形成された接続部材24が外嵌しており、この接続部材24に湾曲部6の最先端部を構成する第1の節輪61が外嵌している。
【0026】
前記湾曲部6は、先端側から第1の節輪61,第2の節輪62,第3の節輪63...を連接して形成されており、前記第1の節輪61と第2の節輪62とをリベット25により第2の節輪63に対して回動自在に連結し、前記第2の節輪62より後方においても隣り合う節輪同士をリベット25で同様に隣合う節輪どうしを回動自在に連結している。
【0027】
前記接続部材24及び複数の節輪61,62,63...の外周には網状管26が被覆されており、この網状管26のさらに外周には絶縁性を有する外皮チューブ27が被覆されている。そして、前記外皮チューブ27の先端部にテグス28を巻回して、この外皮チューブ27を接続部材24に締め付け固定している。
【0028】
前記第1の節輪61にはリング状のワイヤ受け30が操作ワイヤ31に対応するように複数内設されており、少なくとも2本の操作ワイヤ31の先端部がワイヤ受け30に固着されている。この操作ワイヤ31は、複数本の細い金属線を撚って形成したものである。
【0029】
なお、符号32は撮像部本体であり、前記対物光学系11の後方に配設されたカバーガラス33及び前記対物光学系11の結像位置に配設した固体撮像素子34が金属製の素子枠35に支持固定されて所定の位置に配設されている。この固体撮像素子34からは同軸線からなる信号ケーブル36が画像処理装置接続部8bに向かって延出している。
【0030】
図4に示すように湾曲自在なように複数の節輪61,62,63...を連接して形成された湾曲部6の第1の節輪61には節輪用貫通孔61aが形成されており、前記接続部材24には前記第1の節輪61が所定位置に外嵌固定されたときに、前記節輪用貫通孔61aに対して連通する接続部材用貫通孔24aが形成されている。
【0031】
また、前記先端部本体15には、前記接続部材24及び第1の節輪61がこの先端部本体15に対して所定の状態で外嵌固定されたとき、前記節輪用貫通孔61aと前記接続部材用貫通孔24aとに対して一直線に連通する円孔15aが形成されている。
【0032】
即ち、前記先端部本体15の所定位置に接続部材24が外嵌され、前記接続部材24の所定位置に第1の節輪61が外嵌されることによって、前記節輪用貫通孔61aと、前記接続部材用貫通孔24aと、前記円孔15aとが同軸上に配置されて凹部40を形成する。そして、この凹部40に金属粉を混入した電気導通手段としての導電性接着剤41を充填することにより、前記先端部本体15、接続部材24、第1の節輪61、操作ワイヤ31、とが電気的に接続される。なお、前記凹部40内に例えば絶縁性の接着剤20などが付着している場合には、この接着剤20を予め除去してから導電性接着剤41を充填する。なお、符号12bは照明用ライトガイドである。
【0033】
図5に示すように内視鏡1の湾曲部6を形成する複数の節輪の1つである第1の節輪61には操作ワイヤ31の一端が固着されている。一方、前記操作ワイヤ31の他端は、操作部3内に設けられているプーリー41に軸対称に固着されている。前記プーリー41と操作レバー3aとは一体になっており、フレーム43から突出する回転軸43を中心に回動自在に連結されている。
【0034】
前記フレーム43は、前記操作部3内に固定されており、前記操作レバー3aが回動操作されることにより、この操作レバー3aに一体なプーリー41が回動して、操作ワイヤ31を牽引する。この操作ワイヤ31が牽引されることによって、湾曲部2が2点鎖線で示すような直線状態から所望の方向に湾曲した状態になる。なお、図に示すように前記コネクターコード4内を挿通しているリード線44は、一端を操作ワイヤ31が固着されているプーリー41に軸42を介して固定されているフレーム43に接続し、他端を高周波端子9に電気的に接続している。このことにより、先端部本体15、接続部材24、第1の節輪61、操作ワイヤ31、プーリー41、フレーム43、リード線44、高周波端子9及び高周波電源(不図示)を電気的に接続して、極めてインピーダンスの低い帰還回路が形成される。
【0035】
図6に示すように外皮チューブ27を被せる前の状態の湾曲部2では、絶縁カバー14の後方側縁部の全周に渡ってシール剤46が塗布されている。このため、前記網状管26及び第1の節輪61の外周を被覆する外皮チューブ27の先端部を、前記絶縁カバー14の後方側縁部に当接して組み付けた内視鏡完成状態において、前記絶縁カバー14と前記外皮チューブ27との当接部分の水密はシール剤46によって確保される。
【0036】
図7に示すように操作レバー3aのツマミ部47は、樹脂製のツマミ本体47aと、このツマミ本体47aの内部に内挿された金属製のレバーフレーム47bとで形成されている。
【0037】
即ち、前記ツマミ部47は、樹脂製のツマミ本体47aと樹脂部材に内挿されるレバーフレーム47bとをインサート成形法によって、一体成形して形成したものである。
【0038】
なお、符号48は、樹脂製のレバーカバーであり、前記ツマミ部47と共に、レバーフレーム47bの裏面を除く外表面を覆っている。
【0039】
また、前記レバーカバー48の裏面に配設される突起片49は、前記レバーフレーム47bに設けられている貫通孔47cに嵌合されており、この突起片49の先端を熱で変形させることによって、レバーカバー48をレバーフレーム47bに嵌着固定している。
【0040】
さらに、前記レバーフレーム47bは金属製の固定ネジ51により回転軸42に固定されている。この固定ネジ51にはフランジ51aが設けられている。
【0041】
又、前記レバーカバー48に設けた軸穴48aは、前記操作レバー3aを回転軸42に組み付けた状態で、前記回転軸42及び固定ネジ51に対して同軸上に位置し、前記固定ネジ51のフランジ51aの外径よりやや大きな内径で形成されており、樹脂製のカバー52の底面が固定ネジ51に当接する一方、このカバー52の側面が軸穴48aに嵌合している。
【0042】
このように、先端部本体に形成されている貫通穴であるチャンネル用透孔の絶縁カバー側内周面に、チャンネルチューブの内径寸法より大きく、このチャンネルチューブの外径寸法より小さく突出した凸部を設け、この凸部の立上り面に前記チャンネルチューブの先端面が当接する挿入し固定する際、前記凸部の内周面側を絶縁性接着剤で覆うことによって、絶縁カバーの肉厚を増やすことなく且つ、絶縁カバーと先端部本体との接着強度を低下させることなく、鉗子チャンネル内周面を絶縁することができる。このことにより、挿入部の先端硬質部長を長くすることなく絶縁して、内視鏡の鉗子チャンネルに挿入された高周波処置具に流れている高周波電流が内視鏡の内部金属に漏洩することを防止する。また、組立時に、絶縁カバーが先端部本体より外れることを防止しているので、組立性が大幅に向上する。
【0043】
また、先端部本体に外嵌する接続部材と、この接続部材に外嵌する第1の節輪とを所定の状態で組み付けたとき形成される凹部に導電性接着剤を充填することにより、先端部本体、接続部材、第1の節輪、操作ワイヤ、プーリー、フレーム、リード線、高周波端子及び高周波電源とを電気的に接続して、極めてインピーダンスの低い帰還回路を形成することができる。このことにより、鉗子チャンネルより内視鏡の内部金属に過大な漏れ電流が流れることを無くして、効率良く高周波処置を行うことができる。また、微少な漏れ電流が内視鏡の内部金属に、流れた場合でも漏れ電流は固体撮像素子を通過することなく、高周波電源に帰還するので、固体撮像素子の破損や画像の乱れが発生しない。
【0044】
図8及び図9は本発明の第2実施形態に係り、図8は先端部の他の構成を説明する断面図、図9は先端部本体に接続部材及び第1の節輪を順次外嵌する行程を示す説明図である。なお、前記第1実施形態と構成を同じにする部材には同符号を付して説明を省略する。
【0045】
本実施形態においては図8に示すように絶縁カバー14に設けたチャンネル開口部55と、先端部本体15に設けた凸部19aとが同軸上にあり、前記チャンネル開口部55の内径寸法と凸部19aの内径寸法とを略同寸法に形成している。そして、このチャンネル開口部55に樹脂製で管状の絶縁管56を嵌入している。このとき、前記絶縁管56の手元側端面がチャンネルチューブ17の先端面に当接するように配置して凸部19aの内周面の絶縁を行っている。なお、前記絶縁管56は、外径寸法が前記凸部19aの内径寸法に略一致し、内径寸法が前記チャンネルチューブ17の内径寸法に略一致している。
【0046】
また、図9に示すように本実施形態においては、先端部本体15、接続部材24、第1の節輪61にそれぞれ電気導通手段となる突起57,58,59を設けている。
【0047】
即ち、前記先端部本体15にはこの先端部本体15の外周面より突出する、先端部本体15に対して一体または細いピンを嵌入した第1の突起57が設けられている。また、接続部材24にはこの接続部材24の縁部を切り欠き、中心軸方向にわずかに折り曲げて形成した第2の突起58が設けられている。さらに、第1の節輪61にはこの第1の節輪61の縁部を切り欠き、中心軸方向にわずかに折り曲げて形成した第3の突起59が設けられている。
【0048】
上述のように前記先端部本体15、接続部材24、第1の節輪61にそれぞれ突起57,58,59を設けたことによって、前記先端部本体15に接続部材24及び第1の節輪61を外嵌するために、絶縁カバー14が外嵌して接着固定されている先端部本体15の基端部に接続部材24を外嵌させて接着固定する際及びこの接続部材24の基端部に第1の節輪61を外嵌させて接着固定する際に、前記先端部本体15に設けた第1の突起57、接続部材24に設けた第2の突起58及び第1の節輪61に設けた第3の突起59によって、先端部本体15,接続部材24,第1の節輪61の面に塗布されている接着剤層が削り落とされて、先端部本体15と接続部材24と第1の節輪61とが電気的に導通する。
【0049】
このように、絶縁カバーのチャンネル開口部に絶縁管を内挿して、この絶縁管の手元側端部をチャンネルチューブの先端面に当接させて配設することにより、絶縁カバーの肉厚を増やすことなく且つ、絶縁カバーと先端部本体の接着強度を低下させることなく、鉗子チャンネル内周面の絶縁を確実に行うことができる。このことにより、絶縁管を絶縁カバーに内挿するという比較的容易な作業を行うだけで、鉗子チャンネル内周面の絶縁を行えるので作業性が大幅に向上する。
【0050】
また、先端部本体、接続部材及び第1の節輪にそれぞれ突起を設けたことにより、先端部本体に接続部材を外嵌させる際及び接続部材に第1の節輪を外嵌させる際に、それぞれの突起が先端部本体、接続部材、第1の節輪の接着剤層を削り落としていくことにより、接着剤層の除去作業を行うことなく先端部本体と接続部材と第1の節輪とを電気的に導通させることができる。このことにより、接着剤の除去作業が不要になって作業性が向上する。その他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様である。
【0051】
なお、第1の突起57及び第2の突起58に関しては少なくともどちらか一方の突起を設ければよく、設けた突起に対応する面に接着層を設ける。
【0052】
図10及び図11は本発明の第3実施形態に係り、図10は湾曲部の第1の節輪部分での断面図、図11は先端部本体と接続部材と第1の節輪との別の導通方法を示す説明図である。なお、上述の実施形態と構成を同じにする部材には同符号を付して説明を省略する。
【0053】
本実施形態においては図10に示すように先端部本体15に外嵌する接続部材24及びこの接続部材24に外嵌する第1の節輪61が所定位置に配設されることによって、節輪用貫通孔61aと接続部材用貫通孔24aと、円孔15aとが同軸上に配置されて形成される凹部40に、導電性接着剤を充填する代わりに図11で示す電気導通手段となる金属製のピン60を圧入している。このピン60は、多角柱形状をしており、このピン60の外接円の直径寸法を凹部40の内径寸法よりやや大きく形成している。
【0054】
上述のように構成したことにより、先端部本体15、接続部材24及び第1の節輪61を所定位置に配設して形成された凹部40に、多角柱形状のピン60を圧入していくことにより、このピン60の稜線60aによって凹部40内の内周面に付着している接着剤層を削り落として電気的に導通する。
【0055】
このように、多角柱形状のピンを凹部に圧入するとき、このピンの稜線が凹部内の内周面に付着している接着剤を除去して、先端部本体と接続部材と第1の節輪とを電気的に導通させることができる。このことにより、接着剤の除去作業が不要になって作業性が向上する。その他の作用及び効果は上述の実施形態と同様である。
【0056】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0057】
ところで、従来より内視鏡などの管路内を洗滌する際、洗滌用ブラシが用いられていた。例えば、特公平2−239853号公報に開示されている洗滌用ブラシは、毛状部材をブラシ形成用ワイヤに保持して成るブラシ部の基端部に、可撓性を有する芯材を内部に挿通して成るコイルシースの先端疎巻き部を接続固定して形成されていた。
【0058】
上述のように形成した内視鏡の洗滌用ブラシの一例としては図12に示すようなものがある。
同図(a)に示すように洗滌用ブラシ70のブラシ部71は、例えば軟質線材を捩り合わせて形成したブラシ形成用ワイヤ72と、このブラシ形成用ワイヤ72の間に捩り込まれた毛状部材73とで構成されている。このブラシ部71の場合、上記ブラシ形成用ワイヤ72の先端にはほつれを防止すると共に先端部の挿入性を向上させるために略球状の先端チップ74が半田付けなどで固定されている。そして、このブラシ部71の手元側端部をコイルで形成したコイルシース75に接続している。
【0059】
前記コイルシース75は、先端側部分の疎巻き部75aと、後端側部分の密巻部75bとで形成されており、前記密巻部75bには同図(B)に示すようにコイルシャフト76が内挿されている。このコイルシャフト76は、ワイヤ状の芯材76aと、この芯材76aの外周に巻き付けた弾性線材で形成した密巻のコイル76bとで構成されている。そして、このコイルシャフト76の手元側部分を、上記コイルシース75の後端から突出させてループ部77を形成している。
【0060】
前記コイルシャフト76のループ部77は、操作部78に形成されている内孔78aに、前記コイルシース75と共に内挿され、接着剤などによって一体的に固定されている。
【0061】
上記ブラシ形成用ワイヤ72の基端部72aは、前記コイルシース75の疎巻き部75aの先端部分に挿入されて半田79などの固定部材によって一体的に固定されている。また、前記コイルシース75の密巻部75b内に挿入されているコイルシャフト76の先端部分は、コイルシース75の疎巻き部75aの後端部に半田79などによって一体的に固定されている。
【0062】
上述のように構成した洗滌用ブラシ70は、内視鏡の管路に挿入され、ブラシ部71を進退させることによって管路内の清掃を行うことができるようになっているが、前記コイルシャフト76の先端側部分を、コイルシース75の疎巻き部75aの後端部に半田79で固定していたため、この洗滌用ブラシ70を内視鏡の管路に挿入した状態で、進退操作して清掃するとき、このコイルシャフト76に引張力や圧縮力或いは曲げ応力が繰り返し強くかかる。
【0063】
特に、コイルシース75とコイルシャフト76とを固定している疎巻き部75a後端部には、コイルシース75の可撓性が変化する部分が湾曲した管路を通過する際、この管路に追随して疎巻き部75aが大きく曲がることによって発生する曲げ応力が集中的にかかるので破壊に至るおそれがあった。このため、使用時にコイルシース75とコイルシャフト76との固定部に応力が集中し難く、コイルシース75の耐久性が優れたシース構造体が望まれていた。
【0064】
図13(a)(b)に示すように本実施形態の洗滌用ブラシ70Aのコイルシャフト76は、ワイヤ状の芯材76aの外周に弾性部材からなるコイル76bを密に巻き付けて構成したものであり、この芯材76aは、コイルシャフト76全体に適度な腰の強さをもたせるために設けている。このため、芯材76aを設けることなくコイル状に密巻きにしたコイル76bのみでコイルシャフト76を構成した場合に比べて、この洗滌用ブラシ70Aの操作時に受ける圧縮力、引張力、曲げ応力などの外力に適した腰の強さをコイルシース75にもたせることができるようになっている。
【0065】
また、このコイルシャフト76の先端部76cは、コイルシース75の疎巻き部75aの中程まで突出しており、使用時に芯材76aと密巻きコイル76bとのほつれをぼうしするために先端部を半田79などで固定している。
【0066】
さらに、コイルシャフト76は、疎巻き部75aの後端部でコイルシース75に半田79によって一体的に固定されている。
【0067】
上述のようにコイルシャフト76の先端部76cをコイルシース75の疎巻き部75aの中程まで突出させ、疎巻き部75aの後端部でコイルシャフト76とコイルシース75とを固定して洗浄用ブラシ70Aを構成することにより、内視鏡の湾曲した管路内に前記洗滌用ブラシ70Aを挿通して疎巻き部75aが曲がった管路に追随して大きく曲がって発生する曲げ応力は、コイルシース75とコイルシャフト76とを固定している疎巻き部75aの後端部と、コイルシャフト76が挿通しているか否かによってコイルシース75の可撓性が変化する境界部とに分散する。その他の構成は図12に示した形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0068】
このように、コイルシースとコイルシャフトとの固定部と、コイルシャフトが挿通されているか否かによって可撓性の変化するコイルシースの境界部とを位置ずれさせたことにより、疎巻き部が曲がった管路に追随して大きく曲がった際に発生する曲げ応力がコイルシースとコイルシャフトとの固定部に集中することを防止することができる。このことによって、コイルシースの耐久性が大幅に向上して、使用時に、コイルシースと芯材との固定部に応力が集中しにくく、コイルシースの耐久性の向上したシース構造体を提供することができる。
【0069】
なお、前記芯材76aを図14(a)(b)に示すように撚り線ワイヤー80で構成するようにしてもよい。
即ち、撚り線ワイヤー80の先端部80aを、コイルシース75の疎巻き部75aの中程まで突出しており、使用時に撚り線ワイヤー80がほつれないように先端部80aを半田79で固定するしている。一方、この撚り線ワイヤー80は、疎巻き部75aの後端でコイルシース75に半田79で一体的に固定されている。その他の構成は図13に示した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0070】
このように、芯材を撚り線ワイヤで構成した洗滌用ブラシを内視鏡の曲がった管路に挿通した場合、疎巻き部が曲がった管路に追随して大きく曲がった時に発生する曲げ応力は、コイルシースと撚り線ワイヤーとを固定している疎巻き部の後端部と、撚り線ワイヤーの有無によってコイルシースの可撓性が変化する境界部とが異なるため、コイルシースと撚り線ワイヤーとの固定部に曲げ応力が集中しなくなり、コイルシースの耐久性が大幅に向上する。
【0071】
なお、本発明は洗滌用ブラシに限定されるものではなく、可撓性を有する芯材を内部に挿通してなるコイルシースからなるシース構造体を備えた内視鏡用各種処置具や、医療用以外の管路内洗滌ブラシ等にも適用されることはいうまでもない。
【0072】
また、芯材とコイルシースとの固定は半田による固定に限定されるものではなく、ろう付けによる固定や、接着剤による固定、さらには溶接などの固定部材であってもよい。
【0073】
さらに、芯材としては、撚り線ワイヤー以外の密巻きコイルや多条コイル、さらにその他の材料であってもよい。
【0074】
[付記]
以上詳述したような本発明の実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0075】
(1)挿入部の先端側に設けられた金属製の先端部本体と、この先端部本体の外周面を覆う絶縁カバーと、前記先端部本体と前記絶縁カバーとに貫通してこの絶縁カバーの外表面に開口を有する電気絶縁性のチャンネルチューブが内挿される貫通孔と、この貫通孔の中心軸方向に突出して絶縁カバー側に形成した前記チャンネルチューブの透孔の直径寸法より大径で、このチャンネルチューブの外径寸法より小径の凸部とを設けた内視鏡において、
前記チャンネルチューブの先端面を、前記凸部に当接させて固定すると共に、このチャンネルチューブ先端面から絶縁カバーまでの凸部内周面を絶縁部材で覆った内視鏡。
【0076】
(2)前記絶縁部材は、絶縁性の接着剤である付記1記載の内視鏡。
【0077】
(3)前記絶縁部材は、樹脂製の管状部材である付記1記載の内視鏡。
【0078】
(4)挿入部の先端部に設けられる金属製の先端部本体と、前記先端部本体の手元側端部に外嵌してこの先端部本体に接着固定させる金属製の節輪を有する内視鏡において、
前記先端部本体と前記節輪とを電気的に導通させる電気導通手段を設けた内視鏡。
【0079】
(5)前記電気導通手段は、導電性接着剤である付記4記載の内視鏡。
【0080】
(6)前記電気導通手段は、先端部本体または節輪の少なくともどちらか一方に設けた突起である付記4記載の内視鏡。
【0081】
(7)前記電気導通手段は、金属製のピンである付記4記載の内視鏡。
【0082】
(8)可撓性を有する芯材を内部に挿通して成るコイルシャフトをコイルシースに接続したシース構造体において、
前記コイルシースの先端に疎巻き部を設け、この疎巻き部内にコイルシャフトを突出させる一方、疎巻き部の後端部でコイルシャフトを固定するシース構造体。
【0083】
(9)前記芯材が撚り線ワイヤーである付記8記載のシース構造体。
【0084】
(10)前記芯材が密巻きコイルである付記8記載のシース構造体。
【0085】
(11)前記芯材が多条コイルである付記8記載のシース構造体。
【0086】
(12)前記芯材とコイルシースとの固定が半田付けである付記8記載のシース構造体。
【0087】
(13)前記芯材とコイルシースとをろう付けで固定した付記8記載のシース構造体。
【0088】
(14)前記芯材とコイルシースとを溶接で固定した付記8記載のシース構造体。
【0089】
(15)前記芯材とコイルシースとを接着剤で固定した付記8記載のシース構造体。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、内視鏡の組立性や挿入性を損なわず、鉗子チャンネルから内視鏡の内部金属に漏れ電流が流れることなく、効率よく高周波処置の行える内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は
内視鏡の概略構成を示す説明図
【図2】挿入部の先端部を説明する斜視図
【図3】先端部の構成を説明する断面図
【図4】図3のA−A断面図
【図5】内視鏡の湾曲機構の概略構成を示す説明図
【図6】外皮チューブを被せる前の湾曲部の構成を示す説明図
【図7】操作レバーの概略構成を説明する断面図
【図8】図8及び図9は本発明の第2実施形態に係り、図8は
先端部の他の構成を説明する断面図
【図9】先端部本体に接続部材及び第1の節輪を順次外嵌する行程を示す説明図
【図10】図10及び図11は本発明の第3実施形態に係り、図10は
湾曲部の第1の節輪部分での断面図
【図11】先端部本体と接続部材と第1の節輪との別の導通方法を示す説明図
【図12】洗滌用ブラシの従来の構成を説明する図
【図13】洗滌用ブラシの構成を示す説明図
【図14】洗滌用ブラシの他の構成を示す説明図
【符号の説明】
15…先端部本体
17…チャンネルチューブ
19a…凸部
20…絶縁性接着剤
代理人 弁理士 伊藤 進
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波処置具を処置具チャンネルに挿通して金属製の先端部本体から突出させて患者の体腔内組織の処置を行う内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部と、この挿入部の基端側に位置して術者が把持・操作する操作部と、この操作部の側部から延出して光源装置や画像処理装置に着脱自在に接続されるコネクターを端部に設けたコネクタコードで主に構成されている。
【0003】
前記挿入部の先端には、体腔内を観察する対物レンズ、体腔内を照明する照明ガイド及び鉗子などの処置具を体腔内に挿入するための鉗子チャンネルなどを設けた金属部材で形成した先端部本体が設けられている。
【0004】
前記先端部本体が金属部材で形成されていると、電気メス等の高周波処置具を鉗子チャンネルを通して体腔内に挿入して高周波処置を行うとき、高周波処置具の電極に体液などが接触していると、前記高周波処置具に流れている高周波電流が内視鏡に漏洩して、高周波処置具の処置部を構成する焼灼部位に充分な高周波電流が流れなくなって処置が行えなくなることがあった。
【0005】
そこで、このような漏電を防ぐために、先端部本体の金属の露出箇所を絶縁部材で覆う必要があり、特公平3−26964号公報にはチャンネルチューブの先端を、先端部本体を被覆する絶縁カバーに接合した内視鏡が開示されている。
【0006】
また、高周波処置が可能な内視鏡では、内部金属を高周波電流の患者プレート側に電気的に接続し、内部金属に漏れた電流を高周波電源に帰還させるようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特公平3−26964号公報の内視鏡では、チャンネルチューブの先端と絶縁カバーとを接合するために接着層を設ける必要があり、このことにより絶縁カバーの肉厚が厚くなって、挿入部の先端硬質部長が長くなり、内視鏡の挿入性が低下するという問題があった。
【0008】
また、チャンネルチューブの先端を絶縁カバーに突き当てる構成になっているため、組立時に、絶縁カバーが先端部本体より外れることによって組み立て性が悪いという問題があった。
【0009】
さらに、細径の内視鏡では先端部本体と節輪とを接着剤によって固定するようになっており、本出願人が特願平7−114935号で開示した先端部本体と節輪とを接着固定した高周波処置用の内視鏡の構造では先端部本体と節輪の間に接着剤による接着層が介存するため、先端部本体と節輪との確実な電気的導通を図ることが難しく、先端部本体に漏れた電流が固体撮像素子を経由して高周波電源に帰還することにより、固体撮像素子の破損や画像の乱れを引き起こすおそれがあった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡の組立性や挿入性を損なわず、鉗子チャンネルから内視鏡の内部金属に漏れ電流が流れることなく、効率よく高周波処置の行える内視鏡を提供することを目的にしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡は、挿入部の先端側に設けられた金属製の先端部本体と、この先端部本体の外周面を覆う絶縁カバーと、前記先端部本体と前記絶縁カバーとに貫通してこの絶縁カバーの外表面に開口を有する電気絶縁性のチャンネルチューブが内挿される貫通孔と、この貫通孔の中心軸方向に突出して絶縁カバー側に形成した前記チャンネルチューブの透孔の直径寸法より大径で、このチャンネルチューブの外径寸法より小径の凸部とを設けた内視鏡であって、
前記チャンネルチューブの先端面を、前記凸部に当接させて固定すると共に、このチャンネルチューブ先端面から絶縁カバーまでの凸部内周面を絶縁部材で覆っている。
【0012】
この構成によれば、内視鏡の組立性や挿入性を損なうことなく、高周波処置具に流れている高周波電流が内視鏡に漏洩することを防止する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡の概略構成を示す説明図、図2は挿入部の先端部を説明する斜視図、図3は先端部の構成を説明する断面図、図4は図3のA−A断面図、図5は内視鏡の湾曲機構の概略構成を示す説明図、図6は外皮チューブを被せる前の湾曲部の構成を示す説明図、図7は操作レバーの概略構成を説明する断面図である。
【0015】
図1に示すように内視鏡1は、体腔内に挿入される挿入部2と、この挿入部2の基端側に配設された把持部を兼ねる操作部3と、この操作部3の側部から延出するコネクタコード4とで主に構成されている。
【0016】
前記挿入部2は、先端側より硬質の金属部材で形成した後述する先端部本体を備える先端部5と、複数の湾曲駒を例えば上下、左右方向に湾曲自在に連接した湾曲部6と、柔軟で可撓性を有する軟性管部7とで構成されている。
【0017】
前記操作部3には前記湾曲部6を所望の方向に湾曲させるための操作レバー3aが設けられており、この操作レバー3aを操作することによって、湾曲部6の先端に配置されている第1の湾曲駒に連結されている操作ワイヤを牽引して湾曲部6を上下、左右方向に湾曲させて、先端部5の先端面を所望の方向に向けることができるようになっている。また、前記操作部3の先端側には処置具を挿通するための鉗子挿入口3bが設けられている。
【0018】
前記コネクタコード4の手元側端部には外部装置である光源装置に着脱自在に接続可能な光源接続部8aと電気ケーブルを介して外部装置である画像処理装置に着脱自在な画像処理装置接続部8bとを備えたコネクタ8が設けられている。このコネクタ8には内視鏡1の内部に設けられている金属に対して電気的に導通する高周波端子9が設けられており、この高周波端子9には高周波電源に帰還するコードが接続されるようになっている。
【0019】
図2に示すように前記挿入部2の先端部5の先端面5aには被検部位を観察する観察光学系11を構成する対物レンズ11aや被検部位を照らす照明光学系12を構成するレンズカバー12aや前記鉗子挿入口3bに連通する鉗子チャンネル13の開口部13aが設けられている。なお、符号14は先端部本体の先端面及び先端面側外周部を覆う樹脂製の絶縁カバーである。
【0020】
図3に示すように先端部5には金属製の円柱状部材で形成された先端部本体15が設けられている。前記先端部本体15の内部には観察光学系11を構成する複数のレンズを保持するレンズ枠16や、前記照明光学系12を構成する照明用ライトガイド(不図示)や、前記鉗子チャンネル13を構成する可撓性を有する柔軟なチャンネルチューブ17を配置するためのそれぞれに対応する複数の貫通孔として光学系用透孔18やチャンネル用透孔19などが設けられている。
【0021】
前記レンズ枠16の先端面は、前記絶縁カバー14の表面より凹んだ状態で配設されており、このレンズ枠16と絶縁カバー14との間に形成される隙間に絶縁性接着剤20を充填して前記レンズ枠16の先端面を絶縁している。
【0022】
前記先端部本体15に形成されているチャンネル用透孔19の絶縁カバー14側端部にはチャンネル用透孔19の中心軸方向に向かって突出し、このチャンネル用透孔19に内挿されるチャンネルチューブ17の内孔の内径寸法φd1 より大きく、前記チャンネルチューブ17の外径寸法φd2 より小さく形成した凸部19aが設けられている。
【0023】
前記チャンネル用透孔19に配設されるチャンネルチューブ17の先端面は、前記凸部19aの立上り面に当接しており、前記凸部19aの内周側面が位置する絶縁カバー14とチャンネルチューブ17先端部との間の凹部に絶縁性接着剤20を塗布して前記チャンネル用透孔19の凸部19aの内周面側の金属面を絶縁している。
【0024】
また、前記チャンネルチューブ17の先端側の一部を除いて、チャンネルチューブ17のチューブ外周には金属部材よりなる螺旋状のチャンネルコイル21が外嵌されている。このとき、前記チャンネルコイル21が外嵌されていない先端部側チャンネルチューブ22の中心軸22aと、前記チャンネルコイル21が外嵌されている湾曲部側チャンネルチューブ23の中心軸23aとの位置関係は、前記先端部側チャンネルチューブ22の中心軸22aが湾曲部側チャンネルチューブ23の中心軸23aより内視鏡の中心側に距離dだけ近づくように位置ずれさせて先端部5の細径化を図っている。なお、前記先端部側チャンネルチューブ22と湾曲部側チャンネルチューブ23とは滑らかに位置ずれしている。
【0025】
前記先端部本体15にはパイプ部材で形成された接続部材24が外嵌しており、この接続部材24に湾曲部6の最先端部を構成する第1の節輪61が外嵌している。
【0026】
前記湾曲部6は、先端側から第1の節輪61,第2の節輪62,第3の節輪63...を連接して形成されており、前記第1の節輪61と第2の節輪62とをリベット25により第2の節輪63に対して回動自在に連結し、前記第2の節輪62より後方においても隣り合う節輪同士をリベット25で同様に隣合う節輪どうしを回動自在に連結している。
【0027】
前記接続部材24及び複数の節輪61,62,63...の外周には網状管26が被覆されており、この網状管26のさらに外周には絶縁性を有する外皮チューブ27が被覆されている。そして、前記外皮チューブ27の先端部にテグス28を巻回して、この外皮チューブ27を接続部材24に締め付け固定している。
【0028】
前記第1の節輪61にはリング状のワイヤ受け30が操作ワイヤ31に対応するように複数内設されており、少なくとも2本の操作ワイヤ31の先端部がワイヤ受け30に固着されている。この操作ワイヤ31は、複数本の細い金属線を撚って形成したものである。
【0029】
なお、符号32は撮像部本体であり、前記対物光学系11の後方に配設されたカバーガラス33及び前記対物光学系11の結像位置に配設した固体撮像素子34が金属製の素子枠35に支持固定されて所定の位置に配設されている。この固体撮像素子34からは同軸線からなる信号ケーブル36が画像処理装置接続部8bに向かって延出している。
【0030】
図4に示すように湾曲自在なように複数の節輪61,62,63...を連接して形成された湾曲部6の第1の節輪61には節輪用貫通孔61aが形成されており、前記接続部材24には前記第1の節輪61が所定位置に外嵌固定されたときに、前記節輪用貫通孔61aに対して連通する接続部材用貫通孔24aが形成されている。
【0031】
また、前記先端部本体15には、前記接続部材24及び第1の節輪61がこの先端部本体15に対して所定の状態で外嵌固定されたとき、前記節輪用貫通孔61aと前記接続部材用貫通孔24aとに対して一直線に連通する円孔15aが形成されている。
【0032】
即ち、前記先端部本体15の所定位置に接続部材24が外嵌され、前記接続部材24の所定位置に第1の節輪61が外嵌されることによって、前記節輪用貫通孔61aと、前記接続部材用貫通孔24aと、前記円孔15aとが同軸上に配置されて凹部40を形成する。そして、この凹部40に金属粉を混入した電気導通手段としての導電性接着剤41を充填することにより、前記先端部本体15、接続部材24、第1の節輪61、操作ワイヤ31、とが電気的に接続される。なお、前記凹部40内に例えば絶縁性の接着剤20などが付着している場合には、この接着剤20を予め除去してから導電性接着剤41を充填する。なお、符号12bは照明用ライトガイドである。
【0033】
図5に示すように内視鏡1の湾曲部6を形成する複数の節輪の1つである第1の節輪61には操作ワイヤ31の一端が固着されている。一方、前記操作ワイヤ31の他端は、操作部3内に設けられているプーリー41に軸対称に固着されている。前記プーリー41と操作レバー3aとは一体になっており、フレーム43から突出する回転軸43を中心に回動自在に連結されている。
【0034】
前記フレーム43は、前記操作部3内に固定されており、前記操作レバー3aが回動操作されることにより、この操作レバー3aに一体なプーリー41が回動して、操作ワイヤ31を牽引する。この操作ワイヤ31が牽引されることによって、湾曲部2が2点鎖線で示すような直線状態から所望の方向に湾曲した状態になる。なお、図に示すように前記コネクターコード4内を挿通しているリード線44は、一端を操作ワイヤ31が固着されているプーリー41に軸42を介して固定されているフレーム43に接続し、他端を高周波端子9に電気的に接続している。このことにより、先端部本体15、接続部材24、第1の節輪61、操作ワイヤ31、プーリー41、フレーム43、リード線44、高周波端子9及び高周波電源(不図示)を電気的に接続して、極めてインピーダンスの低い帰還回路が形成される。
【0035】
図6に示すように外皮チューブ27を被せる前の状態の湾曲部2では、絶縁カバー14の後方側縁部の全周に渡ってシール剤46が塗布されている。このため、前記網状管26及び第1の節輪61の外周を被覆する外皮チューブ27の先端部を、前記絶縁カバー14の後方側縁部に当接して組み付けた内視鏡完成状態において、前記絶縁カバー14と前記外皮チューブ27との当接部分の水密はシール剤46によって確保される。
【0036】
図7に示すように操作レバー3aのツマミ部47は、樹脂製のツマミ本体47aと、このツマミ本体47aの内部に内挿された金属製のレバーフレーム47bとで形成されている。
【0037】
即ち、前記ツマミ部47は、樹脂製のツマミ本体47aと樹脂部材に内挿されるレバーフレーム47bとをインサート成形法によって、一体成形して形成したものである。
【0038】
なお、符号48は、樹脂製のレバーカバーであり、前記ツマミ部47と共に、レバーフレーム47bの裏面を除く外表面を覆っている。
【0039】
また、前記レバーカバー48の裏面に配設される突起片49は、前記レバーフレーム47bに設けられている貫通孔47cに嵌合されており、この突起片49の先端を熱で変形させることによって、レバーカバー48をレバーフレーム47bに嵌着固定している。
【0040】
さらに、前記レバーフレーム47bは金属製の固定ネジ51により回転軸42に固定されている。この固定ネジ51にはフランジ51aが設けられている。
【0041】
又、前記レバーカバー48に設けた軸穴48aは、前記操作レバー3aを回転軸42に組み付けた状態で、前記回転軸42及び固定ネジ51に対して同軸上に位置し、前記固定ネジ51のフランジ51aの外径よりやや大きな内径で形成されており、樹脂製のカバー52の底面が固定ネジ51に当接する一方、このカバー52の側面が軸穴48aに嵌合している。
【0042】
このように、先端部本体に形成されている貫通穴であるチャンネル用透孔の絶縁カバー側内周面に、チャンネルチューブの内径寸法より大きく、このチャンネルチューブの外径寸法より小さく突出した凸部を設け、この凸部の立上り面に前記チャンネルチューブの先端面が当接する挿入し固定する際、前記凸部の内周面側を絶縁性接着剤で覆うことによって、絶縁カバーの肉厚を増やすことなく且つ、絶縁カバーと先端部本体との接着強度を低下させることなく、鉗子チャンネル内周面を絶縁することができる。このことにより、挿入部の先端硬質部長を長くすることなく絶縁して、内視鏡の鉗子チャンネルに挿入された高周波処置具に流れている高周波電流が内視鏡の内部金属に漏洩することを防止する。また、組立時に、絶縁カバーが先端部本体より外れることを防止しているので、組立性が大幅に向上する。
【0043】
また、先端部本体に外嵌する接続部材と、この接続部材に外嵌する第1の節輪とを所定の状態で組み付けたとき形成される凹部に導電性接着剤を充填することにより、先端部本体、接続部材、第1の節輪、操作ワイヤ、プーリー、フレーム、リード線、高周波端子及び高周波電源とを電気的に接続して、極めてインピーダンスの低い帰還回路を形成することができる。このことにより、鉗子チャンネルより内視鏡の内部金属に過大な漏れ電流が流れることを無くして、効率良く高周波処置を行うことができる。また、微少な漏れ電流が内視鏡の内部金属に、流れた場合でも漏れ電流は固体撮像素子を通過することなく、高周波電源に帰還するので、固体撮像素子の破損や画像の乱れが発生しない。
【0044】
図8及び図9は本発明の第2実施形態に係り、図8は先端部の他の構成を説明する断面図、図9は先端部本体に接続部材及び第1の節輪を順次外嵌する行程を示す説明図である。なお、前記第1実施形態と構成を同じにする部材には同符号を付して説明を省略する。
【0045】
本実施形態においては図8に示すように絶縁カバー14に設けたチャンネル開口部55と、先端部本体15に設けた凸部19aとが同軸上にあり、前記チャンネル開口部55の内径寸法と凸部19aの内径寸法とを略同寸法に形成している。そして、このチャンネル開口部55に樹脂製で管状の絶縁管56を嵌入している。このとき、前記絶縁管56の手元側端面がチャンネルチューブ17の先端面に当接するように配置して凸部19aの内周面の絶縁を行っている。なお、前記絶縁管56は、外径寸法が前記凸部19aの内径寸法に略一致し、内径寸法が前記チャンネルチューブ17の内径寸法に略一致している。
【0046】
また、図9に示すように本実施形態においては、先端部本体15、接続部材24、第1の節輪61にそれぞれ電気導通手段となる突起57,58,59を設けている。
【0047】
即ち、前記先端部本体15にはこの先端部本体15の外周面より突出する、先端部本体15に対して一体または細いピンを嵌入した第1の突起57が設けられている。また、接続部材24にはこの接続部材24の縁部を切り欠き、中心軸方向にわずかに折り曲げて形成した第2の突起58が設けられている。さらに、第1の節輪61にはこの第1の節輪61の縁部を切り欠き、中心軸方向にわずかに折り曲げて形成した第3の突起59が設けられている。
【0048】
上述のように前記先端部本体15、接続部材24、第1の節輪61にそれぞれ突起57,58,59を設けたことによって、前記先端部本体15に接続部材24及び第1の節輪61を外嵌するために、絶縁カバー14が外嵌して接着固定されている先端部本体15の基端部に接続部材24を外嵌させて接着固定する際及びこの接続部材24の基端部に第1の節輪61を外嵌させて接着固定する際に、前記先端部本体15に設けた第1の突起57、接続部材24に設けた第2の突起58及び第1の節輪61に設けた第3の突起59によって、先端部本体15,接続部材24,第1の節輪61の面に塗布されている接着剤層が削り落とされて、先端部本体15と接続部材24と第1の節輪61とが電気的に導通する。
【0049】
このように、絶縁カバーのチャンネル開口部に絶縁管を内挿して、この絶縁管の手元側端部をチャンネルチューブの先端面に当接させて配設することにより、絶縁カバーの肉厚を増やすことなく且つ、絶縁カバーと先端部本体の接着強度を低下させることなく、鉗子チャンネル内周面の絶縁を確実に行うことができる。このことにより、絶縁管を絶縁カバーに内挿するという比較的容易な作業を行うだけで、鉗子チャンネル内周面の絶縁を行えるので作業性が大幅に向上する。
【0050】
また、先端部本体、接続部材及び第1の節輪にそれぞれ突起を設けたことにより、先端部本体に接続部材を外嵌させる際及び接続部材に第1の節輪を外嵌させる際に、それぞれの突起が先端部本体、接続部材、第1の節輪の接着剤層を削り落としていくことにより、接着剤層の除去作業を行うことなく先端部本体と接続部材と第1の節輪とを電気的に導通させることができる。このことにより、接着剤の除去作業が不要になって作業性が向上する。その他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様である。
【0051】
なお、第1の突起57及び第2の突起58に関しては少なくともどちらか一方の突起を設ければよく、設けた突起に対応する面に接着層を設ける。
【0052】
図10及び図11は本発明の第3実施形態に係り、図10は湾曲部の第1の節輪部分での断面図、図11は先端部本体と接続部材と第1の節輪との別の導通方法を示す説明図である。なお、上述の実施形態と構成を同じにする部材には同符号を付して説明を省略する。
【0053】
本実施形態においては図10に示すように先端部本体15に外嵌する接続部材24及びこの接続部材24に外嵌する第1の節輪61が所定位置に配設されることによって、節輪用貫通孔61aと接続部材用貫通孔24aと、円孔15aとが同軸上に配置されて形成される凹部40に、導電性接着剤を充填する代わりに図11で示す電気導通手段となる金属製のピン60を圧入している。このピン60は、多角柱形状をしており、このピン60の外接円の直径寸法を凹部40の内径寸法よりやや大きく形成している。
【0054】
上述のように構成したことにより、先端部本体15、接続部材24及び第1の節輪61を所定位置に配設して形成された凹部40に、多角柱形状のピン60を圧入していくことにより、このピン60の稜線60aによって凹部40内の内周面に付着している接着剤層を削り落として電気的に導通する。
【0055】
このように、多角柱形状のピンを凹部に圧入するとき、このピンの稜線が凹部内の内周面に付着している接着剤を除去して、先端部本体と接続部材と第1の節輪とを電気的に導通させることができる。このことにより、接着剤の除去作業が不要になって作業性が向上する。その他の作用及び効果は上述の実施形態と同様である。
【0056】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0057】
ところで、従来より内視鏡などの管路内を洗滌する際、洗滌用ブラシが用いられていた。例えば、特公平2−239853号公報に開示されている洗滌用ブラシは、毛状部材をブラシ形成用ワイヤに保持して成るブラシ部の基端部に、可撓性を有する芯材を内部に挿通して成るコイルシースの先端疎巻き部を接続固定して形成されていた。
【0058】
上述のように形成した内視鏡の洗滌用ブラシの一例としては図12に示すようなものがある。
同図(a)に示すように洗滌用ブラシ70のブラシ部71は、例えば軟質線材を捩り合わせて形成したブラシ形成用ワイヤ72と、このブラシ形成用ワイヤ72の間に捩り込まれた毛状部材73とで構成されている。このブラシ部71の場合、上記ブラシ形成用ワイヤ72の先端にはほつれを防止すると共に先端部の挿入性を向上させるために略球状の先端チップ74が半田付けなどで固定されている。そして、このブラシ部71の手元側端部をコイルで形成したコイルシース75に接続している。
【0059】
前記コイルシース75は、先端側部分の疎巻き部75aと、後端側部分の密巻部75bとで形成されており、前記密巻部75bには同図(B)に示すようにコイルシャフト76が内挿されている。このコイルシャフト76は、ワイヤ状の芯材76aと、この芯材76aの外周に巻き付けた弾性線材で形成した密巻のコイル76bとで構成されている。そして、このコイルシャフト76の手元側部分を、上記コイルシース75の後端から突出させてループ部77を形成している。
【0060】
前記コイルシャフト76のループ部77は、操作部78に形成されている内孔78aに、前記コイルシース75と共に内挿され、接着剤などによって一体的に固定されている。
【0061】
上記ブラシ形成用ワイヤ72の基端部72aは、前記コイルシース75の疎巻き部75aの先端部分に挿入されて半田79などの固定部材によって一体的に固定されている。また、前記コイルシース75の密巻部75b内に挿入されているコイルシャフト76の先端部分は、コイルシース75の疎巻き部75aの後端部に半田79などによって一体的に固定されている。
【0062】
上述のように構成した洗滌用ブラシ70は、内視鏡の管路に挿入され、ブラシ部71を進退させることによって管路内の清掃を行うことができるようになっているが、前記コイルシャフト76の先端側部分を、コイルシース75の疎巻き部75aの後端部に半田79で固定していたため、この洗滌用ブラシ70を内視鏡の管路に挿入した状態で、進退操作して清掃するとき、このコイルシャフト76に引張力や圧縮力或いは曲げ応力が繰り返し強くかかる。
【0063】
特に、コイルシース75とコイルシャフト76とを固定している疎巻き部75a後端部には、コイルシース75の可撓性が変化する部分が湾曲した管路を通過する際、この管路に追随して疎巻き部75aが大きく曲がることによって発生する曲げ応力が集中的にかかるので破壊に至るおそれがあった。このため、使用時にコイルシース75とコイルシャフト76との固定部に応力が集中し難く、コイルシース75の耐久性が優れたシース構造体が望まれていた。
【0064】
図13(a)(b)に示すように本実施形態の洗滌用ブラシ70Aのコイルシャフト76は、ワイヤ状の芯材76aの外周に弾性部材からなるコイル76bを密に巻き付けて構成したものであり、この芯材76aは、コイルシャフト76全体に適度な腰の強さをもたせるために設けている。このため、芯材76aを設けることなくコイル状に密巻きにしたコイル76bのみでコイルシャフト76を構成した場合に比べて、この洗滌用ブラシ70Aの操作時に受ける圧縮力、引張力、曲げ応力などの外力に適した腰の強さをコイルシース75にもたせることができるようになっている。
【0065】
また、このコイルシャフト76の先端部76cは、コイルシース75の疎巻き部75aの中程まで突出しており、使用時に芯材76aと密巻きコイル76bとのほつれをぼうしするために先端部を半田79などで固定している。
【0066】
さらに、コイルシャフト76は、疎巻き部75aの後端部でコイルシース75に半田79によって一体的に固定されている。
【0067】
上述のようにコイルシャフト76の先端部76cをコイルシース75の疎巻き部75aの中程まで突出させ、疎巻き部75aの後端部でコイルシャフト76とコイルシース75とを固定して洗浄用ブラシ70Aを構成することにより、内視鏡の湾曲した管路内に前記洗滌用ブラシ70Aを挿通して疎巻き部75aが曲がった管路に追随して大きく曲がって発生する曲げ応力は、コイルシース75とコイルシャフト76とを固定している疎巻き部75aの後端部と、コイルシャフト76が挿通しているか否かによってコイルシース75の可撓性が変化する境界部とに分散する。その他の構成は図12に示した形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0068】
このように、コイルシースとコイルシャフトとの固定部と、コイルシャフトが挿通されているか否かによって可撓性の変化するコイルシースの境界部とを位置ずれさせたことにより、疎巻き部が曲がった管路に追随して大きく曲がった際に発生する曲げ応力がコイルシースとコイルシャフトとの固定部に集中することを防止することができる。このことによって、コイルシースの耐久性が大幅に向上して、使用時に、コイルシースと芯材との固定部に応力が集中しにくく、コイルシースの耐久性の向上したシース構造体を提供することができる。
【0069】
なお、前記芯材76aを図14(a)(b)に示すように撚り線ワイヤー80で構成するようにしてもよい。
即ち、撚り線ワイヤー80の先端部80aを、コイルシース75の疎巻き部75aの中程まで突出しており、使用時に撚り線ワイヤー80がほつれないように先端部80aを半田79で固定するしている。一方、この撚り線ワイヤー80は、疎巻き部75aの後端でコイルシース75に半田79で一体的に固定されている。その他の構成は図13に示した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0070】
このように、芯材を撚り線ワイヤで構成した洗滌用ブラシを内視鏡の曲がった管路に挿通した場合、疎巻き部が曲がった管路に追随して大きく曲がった時に発生する曲げ応力は、コイルシースと撚り線ワイヤーとを固定している疎巻き部の後端部と、撚り線ワイヤーの有無によってコイルシースの可撓性が変化する境界部とが異なるため、コイルシースと撚り線ワイヤーとの固定部に曲げ応力が集中しなくなり、コイルシースの耐久性が大幅に向上する。
【0071】
なお、本発明は洗滌用ブラシに限定されるものではなく、可撓性を有する芯材を内部に挿通してなるコイルシースからなるシース構造体を備えた内視鏡用各種処置具や、医療用以外の管路内洗滌ブラシ等にも適用されることはいうまでもない。
【0072】
また、芯材とコイルシースとの固定は半田による固定に限定されるものではなく、ろう付けによる固定や、接着剤による固定、さらには溶接などの固定部材であってもよい。
【0073】
さらに、芯材としては、撚り線ワイヤー以外の密巻きコイルや多条コイル、さらにその他の材料であってもよい。
【0074】
[付記]
以上詳述したような本発明の実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0075】
(1)挿入部の先端側に設けられた金属製の先端部本体と、この先端部本体の外周面を覆う絶縁カバーと、前記先端部本体と前記絶縁カバーとに貫通してこの絶縁カバーの外表面に開口を有する電気絶縁性のチャンネルチューブが内挿される貫通孔と、この貫通孔の中心軸方向に突出して絶縁カバー側に形成した前記チャンネルチューブの透孔の直径寸法より大径で、このチャンネルチューブの外径寸法より小径の凸部とを設けた内視鏡において、
前記チャンネルチューブの先端面を、前記凸部に当接させて固定すると共に、このチャンネルチューブ先端面から絶縁カバーまでの凸部内周面を絶縁部材で覆った内視鏡。
【0076】
(2)前記絶縁部材は、絶縁性の接着剤である付記1記載の内視鏡。
【0077】
(3)前記絶縁部材は、樹脂製の管状部材である付記1記載の内視鏡。
【0078】
(4)挿入部の先端部に設けられる金属製の先端部本体と、前記先端部本体の手元側端部に外嵌してこの先端部本体に接着固定させる金属製の節輪を有する内視鏡において、
前記先端部本体と前記節輪とを電気的に導通させる電気導通手段を設けた内視鏡。
【0079】
(5)前記電気導通手段は、導電性接着剤である付記4記載の内視鏡。
【0080】
(6)前記電気導通手段は、先端部本体または節輪の少なくともどちらか一方に設けた突起である付記4記載の内視鏡。
【0081】
(7)前記電気導通手段は、金属製のピンである付記4記載の内視鏡。
【0082】
(8)可撓性を有する芯材を内部に挿通して成るコイルシャフトをコイルシースに接続したシース構造体において、
前記コイルシースの先端に疎巻き部を設け、この疎巻き部内にコイルシャフトを突出させる一方、疎巻き部の後端部でコイルシャフトを固定するシース構造体。
【0083】
(9)前記芯材が撚り線ワイヤーである付記8記載のシース構造体。
【0084】
(10)前記芯材が密巻きコイルである付記8記載のシース構造体。
【0085】
(11)前記芯材が多条コイルである付記8記載のシース構造体。
【0086】
(12)前記芯材とコイルシースとの固定が半田付けである付記8記載のシース構造体。
【0087】
(13)前記芯材とコイルシースとをろう付けで固定した付記8記載のシース構造体。
【0088】
(14)前記芯材とコイルシースとを溶接で固定した付記8記載のシース構造体。
【0089】
(15)前記芯材とコイルシースとを接着剤で固定した付記8記載のシース構造体。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、内視鏡の組立性や挿入性を損なわず、鉗子チャンネルから内視鏡の内部金属に漏れ電流が流れることなく、効率よく高周波処置の行える内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は
内視鏡の概略構成を示す説明図
【図2】挿入部の先端部を説明する斜視図
【図3】先端部の構成を説明する断面図
【図4】図3のA−A断面図
【図5】内視鏡の湾曲機構の概略構成を示す説明図
【図6】外皮チューブを被せる前の湾曲部の構成を示す説明図
【図7】操作レバーの概略構成を説明する断面図
【図8】図8及び図9は本発明の第2実施形態に係り、図8は
先端部の他の構成を説明する断面図
【図9】先端部本体に接続部材及び第1の節輪を順次外嵌する行程を示す説明図
【図10】図10及び図11は本発明の第3実施形態に係り、図10は
湾曲部の第1の節輪部分での断面図
【図11】先端部本体と接続部材と第1の節輪との別の導通方法を示す説明図
【図12】洗滌用ブラシの従来の構成を説明する図
【図13】洗滌用ブラシの構成を示す説明図
【図14】洗滌用ブラシの他の構成を示す説明図
【符号の説明】
15…先端部本体
17…チャンネルチューブ
19a…凸部
20…絶縁性接着剤
代理人 弁理士 伊藤 進
Claims (1)
- 挿入部の先端側に設けられた金属製の先端部本体と、この先端部本体の外周面を覆う絶縁カバーと、前記先端部本体と前記絶縁カバーとに貫通してこの絶縁カバーの外表面に開口を有する電気絶縁性のチャンネルチューブが内挿される貫通孔と、この貫通孔の中心軸方向に突出して絶縁カバー側に形成した前記チャンネルチューブの透孔の直径寸法より大径で、このチャンネルチューブの外径寸法より小径の凸部とを設けた内視鏡において、
前記チャンネルチューブの先端面を、前記凸部に当接させて固定すると共に、このチャンネルチューブ先端面から絶縁カバーまでの凸部内周面を絶縁部材で覆ったことを特徴とする内視鏡。
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