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JP3564013B2 - 複合化木材用樹脂組成物 - Google Patents
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JP3564013B2 - 複合化木材用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物を木材に含浸、硬化させることによって得られる複合化木材、いわゆるWPC(Wood−Plastic−Composites)に用いられる複合化木材用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材は、その外観の美しさや使用感から、建材を始めとする種々の分野に利用れている。しかしながら、木材は耐久性に劣り、熱や水等の影響によりクラックが発生しやすいという問題を有している。このため、木材の耐久性を向上させるための試みとして、樹脂組成物を木材に含浸、硬化させることによって木材を強化させた複合化木材が注目されている。
【0003】
従来、複合化木材としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂やメチルメタクリレートモノマー等を用いて得られるものが知られているが、これら従来の複合化木材の耐久性は必ずしも十分とは言いがたく、熱や水等の影響による木材のクラックをより完全に防止しうる優れた耐久性が求められている。
ところで、一般に、複合化木材の耐クラック性を向上させるには、樹脂組成物としてポリアルキレン鎖を有する樹脂を使用し、樹脂硬化物を軟らかくすることが考えられるが、該ポリアルキレン鎖を有する樹脂は木材との密着性が低い傾向があり、木材空隙部に充填された場合、樹脂硬化物と木材との間に隙間が発生するために、得られた複合化木材は木目がボケた感じとなり、化粧性を損なうといった問題を起こしやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、木目の際立った、いわゆるぬれ感が大きく高級感のある化粧外観を備えるとともに、熱や水等の影響によりクラックが発生しない、耐久性に優れた複合化木材を得ることができる複合化木材用樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、二重結合1つ当たりの分子量が特定以上である不飽和ポリエステルを必須成分とすることによって、樹脂硬化物を軟らかくし、得られる複合化木材の耐クラック性を向上させることができ、しかも、酸基を有する(メタ)アクリレートを樹脂組成物に含有させることによって、樹脂組成物と木材との密着性を向上させ、木目の際立った、ぬれ感が大きく高級感のある化粧外観を備えた複合化木材とすることができることを見いだし、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明にかかる複合化木材用樹脂組成物は、二重結合力価が600以上である不飽和ポリエステルと、酸基を有する(メタ)アクリレートと、を必須成分とし、前記酸基を有する(メタ)アクリレートが、1分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物と、多塩基酸、多塩基酸無水物、リン酸、無水リン酸、スルホン酸からなる群から選ばれる化合物との反応により得られるものであり、前記不飽和ポリエステルを30〜90重量%と、前記酸基を有する(メタ)アクリレートを1〜20重量%とを含有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の一形態について詳しく説明する。
本発明の複合化木材用樹脂組成物は、二重結合力価が600以上である不飽和ポリエステルを必須成分として含有する。
本発明において、二重結合力価とは、例えば、不飽和ポリエステルの原料である酸成分およびアルコール成分の各々の(分子量×モル数)の理論合計量から、酸成分とアルコール成分との脱水縮合反応における理論脱水量を引いた値を、酸成分に含まれる不飽和二塩基酸および/またはその無水物のモル数で割ることにより計算することができる。すなわち、二重結合力価は、二重結合1つ当たりの分子量であり、この値が大きいほど、単位重量当たりの不飽和ポリエステルにおける二重結合数が少なくなり、硬化物の架橋密度が低くなる結果、柔軟な硬化物が得られる。
【0008】
本発明における不飽和ポリエステルは、二重結合力価が600以上であるので、該不飽和ポリエステルを含む樹脂組成物を複合化木材用に用いた場合に優れた耐クラック性を発揮することができる。二重結合力価は、1000〜3000の範囲内が好ましく、1500〜2500の範囲内がさらに好ましい。不飽和ポリエステルの二重結合力価が600未満であると、不飽和ポリエステルを含有する樹脂組成物を用いてなる複合化木材に十分に優れた耐クラック性を付与できないこととなる。
【0009】
本発明における不飽和ポリエステルは、酸成分とアルコール成分との脱水縮合反応によって得られるものである。
不飽和ポリエステルを得るための酸成分は、不飽和二塩基酸および/またはその無水物を必須成分とするものである。不飽和二塩基酸および/またはその無水物としては、特に限定されないが、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0010】
さらに、前記酸成分としては、不飽和ポリエステルの二重結合力価が600以上となるように、前記不飽和二塩基酸および/またはその無水物のほかに、飽和多塩基酸および/またはその無水物を、酸成分の一部として併用することが好ましい。飽和多塩基酸および/またはその無水物としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族飽和多塩基酸;テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、ダイマー酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドカンニ酸等の脂肪族飽和多塩基酸;等が挙げられる。これらの中でも特に、ダイマー酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドカン二酸が、優れた耐クラック性を備えた複合化木材を与えうる樹脂組成物となることから好ましい。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0011】
不飽和ポリエステルを得るための全酸成分における前記不飽和二塩基酸および/またはその無水物の割合は、併用する飽和多塩基酸および/またはその無水物とアルコール成分との種類および使用量を考慮して、不飽和ポリエステルの二重結合力価が600以上となるように設定すれば、特に限定されないが、0を超えて70モル%以下の範囲内が好ましく、5〜50モル%の範囲内がさらに好ましく、5〜30モル%の範囲内が最も好ましい。
【0012】
不飽和ポリエステルを得るためのアルコール成分としては、特に限定されないが、オキシアルキレングリコールを主成分として使用することが、木材への含浸性に優れ、かつ、良好な耐クラック性を備えた複合化木材を与えうる樹脂組成物となることから、好ましい。オキシアルキレングリコールとしては、具体的には、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0013】
不飽和ポリエステルを得るためのアルコール成分としては、前記オキシアルキレングリコールのほかに、必要に応じて、その他のアルコール成分も使用することができる。その他のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ビスフェノールAとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加物、トリメチロールプロパン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0014】
不飽和ポリエステルを得るための前記酸成分と前記アルコール成分との使用割合は、特に限定されないが、酸成分1.0当量に対して、アルコール成分が0.90〜1.10当量であることが好ましい。
不飽和ポリエステルを得るための縮合反応においては、前記酸成分および前記アルコール成分に加えて、必要に応じ、その他の成分が含まれていても良い。その他の成分としては、例えば、反応促進触媒、消泡剤、ゲル化を防止するための重合禁止剤等が挙げられる。これらその他の成分の使用割合は、その目的等に応じて適宜設定すればよい。
【0015】
酸成分とアルコール成分とを縮合反応させて不飽和ポリエステルを得る際の反応条件については、特に限定されるものではなく、例えば、反応温度、反応時間等については、該反応が完結するように適宜設定すればよい。また、縮合反応は、窒素やヘリウム等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましく、該不活性ガスは、例えば、いわゆるバブリングすることにより反応系中に供給すればよい。
【0016】
本発明の複合化木材用樹脂組成物における、不飽和ポリエステルの配合量は、特に限定されないが、20〜90重量%の範囲内が好ましく、30〜70重量%の範囲内がさらに好ましい。不飽和ポリエステルの配合量が20重量%未満であると、樹脂組成物を用いてなる複合化木材の耐クラック性が低下するおそれがあり、一方、90重量%を超えると、該不飽和ポリエステルを含有する樹脂組成物の粘度が高くなり、木材への含浸性が低下するおそれがあるので、好ましくない。
【0017】
本発明における不飽和ポリエステルの数平均分子量は、特に限定されないが、1,000〜6,000の範囲内が好ましく、1,500〜4,000の範囲内がさらに好ましい。不飽和ポリエステルの数平均分子量が1,000未満であると、該不飽和ポリエステルを含有する樹脂組成物を用いてなる複合化木材の耐水性が低下するおそれがあり、一方、6,000を超えると、該不飽和ポリエステルを含有する樹脂組成物の粘度が高くなり、木材に対する含浸性が低下するおそれがある。
【0018】
本発明の複合化木材用樹脂組成物は、酸基を有する(メタ)アクリレートを必須成分として含有する。該酸基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。酸基を有する(メタ)アクリレートを含有させることにより、該樹脂組成物と木材との密着性を向上させ、木目の際立った、ぬれ感の大きい高級感のある外観を備えた複合化木材を得ることができる。
【0019】
前記酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、1分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物と、多塩基酸、多塩基酸無水物、リン酸、無水リン酸、スルホン酸等との反応により得られるものが挙げられる。特に、(メタ)アクリロイル基の二重結合と酸基とができるだけ離れた位置に存在する化合物が、木材との親和性の向上効果に優れるため、好ましい。
【0020】
前記1分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物としては、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0021】
前記多塩基酸または多塩基酸無水物としては、具体的には、例えば、無水マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,6−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0022】
本発明の複合化木材用樹脂組成物における、酸基を有する(メタ)アクリレートの配合量は、特に限定されないが、1〜30重量%の範囲内が好ましく、5〜20重量%の範囲内がさらに好ましい。酸基を有する(メタ)アクリレートの配合量が1重量%未満であると、樹脂組成物と木材との密着性が十分でなく、該樹脂組成物を用いてなる複合化木材の外観が悪くなるおそれがあり、一方、30重量%を超えると、該樹脂組成物を用いてなる複合化木材の耐水性が悪くなるおそれがあるので、好ましくない。
【0023】
本発明の複合化木材用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステルおよび酸基を有する(メタ)アクリレートとともに、ビニルエステルを必須成分としてさらに含有することが好ましい。ビニルエステルを含有させることにより、該樹脂組成物と木材との密着性をさらに高めるとともに、該樹脂組成物を用いてなる複合化木材の耐クラック性をより向上させることができる。
【0024】
前記ビニルエステルとしては、例えば、多官能エポキシ化合物と、不飽和一塩基酸と、必要に応じて多塩基酸とを、エステル化触媒の存在下、エステル化反応させて得られるものが挙げられる。
前記多官能エポキシ化合物とは、分子内に2つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有する化合物であり、具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、これらの水素化ビスフェノール型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物;フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、これらの水素化ノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物;上記ビスフェノール型エポキシ化合物やノボラック型エポキシ化合物の有する水素原子の一部をハロゲン原子(例えば臭素、塩素等)で置換してなるハロゲン化エポキシ化合物;等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0025】
前記多官能エポキシ化合物の平均エポキシ当量は、170〜700の範囲内が好ましく、300〜700の範囲内であることがさらに好ましい。平均エポキシ当量が700より大きければ、樹脂組成物の粘度が高くなり木材への含浸性が低下するおそれがあるので、好ましくない。
前記不飽和一塩基酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、ソルビン酸等が挙げられる。また、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート等の不飽和二塩基酸ハーフエステル類も用いることができる。これらの不飽和一塩基酸のなかでも特に、入手の容易性の点から、アクリル酸やメタクリル酸が好ましい。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0026】
前記多塩基酸としては、例えば、無水マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,6−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0027】
前記多官能エポキシ化合物と前記不飽和一塩基酸および必要により用いられる多塩基酸との使用割合は、特に限定されないが、多官能エポキシ化合物が有するエポキシ基1.0当量に対して、不飽和一塩基酸および必要により用いられる多塩基酸が有するカルボキシル基の合計量が0.9〜1.1当量の範囲内とすることが好ましい。
【0028】
ビニルエステルを得る際のエステル化触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン等のアミン類、アミン類の酸付加物、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、アミド類、イミダゾール類、ピリジン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩、スルホニウム塩、スルホン酸類、オクチル酸亜鉛等の有機金属塩等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0029】
前記エステル化触媒の添加量は、特に限定されないが、多官能エポキシ化合物と不飽和一塩基酸と、必要により用いられる多塩基酸との合計重量に対して、該触媒が0.005〜3.0重量%の範囲内となるように設定することが好ましい。
ビニルエステルを得る際のエステル化反応に際しては、重合によるゲル化を防止するために重合禁止剤や分子状酸素を添加することが好ましい。
【0030】
前記重合禁止剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知の化合物を用いることができる。具体的には、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルハイドロキノン、トルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、メトキシハイドロキノン、フェノチアジン、メチルベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン、4−ヒドロキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、ナフテン酸銅等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0031】
前記分子状酸素としては、例えば、空気や空気と窒素等の不活性ガスとの混合ガスを用いることができる。この場合、いわゆるバブリングすることにより反応系中に供給すればよい。なお、反応におけるゲル化を十分に防止するためには、重合禁止剤と分子状酸素とを併用することが好ましい。
ビニルエステルを得る際のエステル化反応においては、必要に応じて、反応系に重合性不飽和単量体や溶剤等を共存させてもよい。また、エステル化反応の反応温度や反応時間は、特に限定されるものではなく、反応が完結するように適宜設定すればよい。
【0032】
前記ビニルエステルの配合割合は、前記不飽和ポリエステルに対して、重量比で、ビニルエステル/不飽和ポリエステル=1/9〜6/4の範囲内が好ましく、2/8〜4/6の範囲内がさらに好ましい。不飽和ポリエステルに対するビニルエステルの配合割合が1/9より小さければ、該樹脂組成物と木材との密着性を十分に向上させることができない場合があり、一方、6/4より大きければ、該樹脂組成物を用いてなる複合化木材の耐クラック性が低下するおそれがあるため、好ましくない。
【0033】
前記ビニルエステルの数平均分子量は、500〜3,000の範囲内であることが好ましく、700〜2,000の範囲内であることがさらに好ましい。ビニルエステルの数平均分子量が500未満であると、該樹脂組成物を用いてなる複合化木材の耐クラック性が低下するおそれがあり、一方、3,000を越えると、樹脂組成物の粘度が高くなるため木材への含浸性が低下するおそれがあるので、好ましくない。
【0034】
本発明の複合化木材用樹脂組成物は、前述のように、重合性不飽和単量体として、酸基を有する(メタ)アクリレートを必須成分として含有するのであるが、本発明においては、その他の重合性不飽和単量体として、さらに、酸基を有さない芳香族系重合性不飽和単量体を必須成分として含有することが好ましい。そして、該酸基を有さない芳香族系重合性不飽和単量体を前記不飽和ポリエステルや前記ビニルエステルと混合して、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂として用いることが、作業性の点から好ましい。
【0035】
前記酸基を有さない芳香族系重合性不飽和単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジアリルフタレート等が挙げられる。
本発明においては、複合化木材用樹脂組成物としての効果が妨げられない範囲内で、前記その他の重合性不飽和単量体として、前記酸基を有さない芳香族系重合性不飽和単量体以外の重合性不飽和単量体を用いることもできる。
【0036】
酸基を有さない芳香族系重合性不飽和単量体以外の重合性不飽和単量体としては、具体的には、例えば、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0037】
前記酸基を有さない芳香族系重合性不飽和単量体を混合して不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂とする際の、不飽和ポリエステルまたはビニルエステルと該重合性不飽和単量体との配合割合は、重量比で、不飽和ポリエステルまたはビニルエステル/該重合性不飽和単量体=2/8〜9/1の範囲内であることが好ましく、3/7〜8/2の範囲内であることがさらに好ましい。2/8以下の割合では、該樹脂組成物を用いてなる複合化木材の耐クラック性が低下するおそれがあり、一方、9/1以上の割合では、樹脂組成物の粘度が高くなり、該樹脂組成物の木材への含浸性が低下するおそれがあるので、好ましくない。
【0038】
本発明においては、樹脂組成物に水を添加しないことが好ましい。樹脂組成物中に、例えば20重量%以上の多量の水分を含有する場合、該樹脂組成物を木材に含浸させた後に水分を除去する必要があり、製造工程が煩雑となる。また、木材が薄い場合には、水分を除去する際に、木材がウェービングして反ってしまうおそれがある。
【0039】
本発明の樹脂組成物には、硬化を効果的に促進させることができることから、硬化剤を配合することが好ましい。硬化剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルヒドロパーオキシド等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0040】
本発明の樹脂組成物に前記硬化剤を配合する場合の配合量は、特に限定されるものではないが、前記不飽和ポリエステル、酸基を有する(メタ)アクリレート、および、ビニルエステル、酸基を有さない芳香族系重合性不飽和単量体の合計量100重量部に対して、0.1〜3.0重量部の範囲内であることが好ましい。硬化剤の配合量が前記範囲内であれば、該樹脂組成物の硬化をより効果的に促進することができる。
【0041】
本発明の複合化木材用樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、ブロッキング防止剤、流動調整剤、帯電制御剤、着色顔料、染料、充填剤、硬化促進剤、可塑剤、低収縮剤、エラストマー等の、通常用いられる各種添加剤を含んでいてもよい。
本発明の複合化木材用樹脂組成物は、木材に含浸させた後、硬化させることにより、木材と一体化し、複合化木材とすることができる。木材に樹脂組成物を含浸させる方法としては、例えば、浸漬法、減圧注入法、加圧注入法、減圧・加圧注入法、塗布含浸法(静置、加圧)等を、木材の形状や用途に応じて採用すればよい。また、硬化方法としては、例えば、加圧加熱、常圧加熱等の加熱による方法や、紫外線、電子線、放射線等のエネルギー線の照射による方法等が挙げられる。
【0042】
本発明の複合化木材用樹脂組成物を用いて得られる複合化木材は、木目の際立った、ぬれ感の大きい高級感のある化粧性を備えるとともに、熱や水等の影響によりクラックが発生しない、優れた耐久性を有するので、例えば、縁甲板やフローリング等の建材に好適に用いられる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明にかかる実施例および比較例について説明するが、本発明は該実施例により何ら制限されるものではない。
なお、実施例および比較例に記載の「部」は、「重量部」を示す。
まず、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂の合成例について述べる。
【0044】
〔合成例1〕
温度計、ガス吹込管、還流冷却器および攪拌機を備えた四つ口フラスコを反応器とし、これにジエチレングリコール1081部、イソフタル酸747部、アジピン酸365部、無水マレイン酸294部を仕込んだ。次いで、この混合物を窒素ガス気流中で攪拌しながら、215℃に昇温し、15時間脱水縮合反応させて、不飽和ポリエステル(1)を得た。該不飽和ポリエステル(1)の二重結合力価は727、酸価は25mgKOH/g、数平均分子量は2010であった。
【0045】
そして、得られた不飽和ポリエステル(1)に、ハイロドキノン0.16部、スチレン935部を混合して、不飽和ポリエステル樹脂(1)を得た。
〔合成例2〕
合成例1と同様の反応器に、トリエチレングリコール1530部、無水フタル酸740部、アジピン酸438部、無水マレイン酸196部を仕込んだ。次いで、この混合物を窒素ガス気流中で攪拌しながら、215℃に昇温し、10時間脱水縮合反応させて、不飽和ポリエステル(2)を得た。該不飽和ポリエステル(1)の二重結合力価は1335、酸価は22mgKOH/g、数平均分子量は2070であった。
【0046】
そして、得られた不飽和ポリエステル(2)に、ハイロドキノン0.19部、スチレン1144部を混合して、不飽和ポリエステル樹脂(2)を得た。
〔合成例3〕
合成例1と同様の反応器に、ジエチレングリコール1081部、無水フタル酸740部、アジピン酸555部、無水マレイン酸118部を仕込んだ。次いで、この混合物を窒素ガス気流中で攪拌しながら、215℃に昇温し、10時間脱水縮合反応させて、不飽和ポリエステル(3)を得た。該不飽和ポリエステル(3)の二重結合力価は1871、酸価は23mgKOH/g、数平均分子量は1950であった。
【0047】
そして、得られた不飽和ポリエステル(3)に、ハイロドキノン0.16部、スチレン963部を混合して、不飽和ポリエステル樹脂(3)を得た。
〔合成例4〕
合成例1と同様の反応器に、ビスフェノールA型エポキシ化合物 (商品名「エポトートYD−901」東都化成(株)製、平均エポキシ当量456)456部、メタクリル酸86部、エステル化触媒としてトリエチルアミン2.32部、および、重合禁止剤としてハイドロキノン0.11部を仕込んだ。次いで、この混合物を空気気流中で攪拌しながら、115℃に昇温し、6時間反応させ、ビニルエステル(1)を得た。該ビニルエステルの酸価は7.0mgKOH/g、数平均分子量は990であった。
【0048】
そして、得られたビニルエステルに、スチレン232部を混合して、ビニルエステル樹脂を得た。
〔比較合成例1〕
合成例1と同様の反応器に、ジエチレングリコール1081部、無水フタル酸592部、無水マレイン酸588部を仕込んだ。次いで、この混合物を窒素ガス気流中で攪拌しながら、215℃に昇温し、10時間脱水縮合反応させて、比較の不飽和ポリエステル(比較1)を得た。該比較の不飽和ポリエステル(比較1)の二重結合力価は347、酸価は20mgKOH/g、数平均分子量は1890であった。
【0049】
そして、得られた比較の不飽和ポリエステル(比較1)に、ハイロドキノン0.15部、スチレン892部を混合して、比較の不飽和ポリエステル樹脂(比較1)を得た。
〔実施例1〜12〕
合成例1〜4で得られた不飽和ポリエステル樹脂(1)〜(3)、ビニルエステル樹脂、酸基を有する(メタ)アクリレートとして、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸(商品名「ライトエステルHO−MS」共栄社化学(株)製)、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸(商品名「ライトエステルHO−HH」共栄社化学(株)製)、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸(商品名「ライトエステルHO−ML」共栄社化学(株)製)および2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート(商品名「ライトエステルP−1M」共栄社化学(株)製)を表1または表2に記載した配合量で均一に混合して、複合化木材用樹脂組成物を得た。
【0050】
各実施例で得られた樹脂組成物を用いて、以下の方法により試験片を作製し、諸性能を評価した。その結果を表1および表2に示す。
(試験片の作製) 樹脂組成物100部に、硬化剤(商品名「パーキュアーO」日本油脂(株)製)1部を添加して、硬化剤添加樹脂組成物とした。
次に、厚さ0.3mmのナラ単板を80℃で3時間乾燥させた後、減圧容器に入れ、15トールの減圧下で30分間脱気させた。さらに、このナラ単板に前記硬化剤添加樹脂組成物を吸入させ、常圧に戻して6時間静置した。その後、樹脂含浸後の単板を液きりを行ってから、あらかじめウレタン系接着剤を塗布した15mm厚の合板に載置し、さらにその上にPETフイルムを載せて、ホットプレスで125℃、10kgf/cmで5分間硬化させることによりWPC化粧板を得、15cm×15cmにカットして試験片とした。
【0051】
(外観) 試験片の外観を目視で観察し、以下のように評価した。
◎:ぬれ感があり、木目の際立った深みのある木質外観
×:ぬれ感がなく、木目のボケた深みのない外観
(耐熱試験) 試験片を80℃±3℃の恒温器中に放置し、24時間毎に取り出して、試験片表面のクラックの発生状態を目視で確認し、以下のように評価した。
◎:クラックの発生なし
○:目視では確認しにくい微少なクラックが発生
△:小さなクラックが発生
×:大きなクラックが発生
(耐候性試験) サンシャインウエザーメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、250時間後、500時間後の試験片表面のクラックの発生状態および外観を目視で観察し、以下のように評価した。
◎:クラックの発生なし
○:目視では確認しにくい微少なクラックが発生
△:小さなクラックが発生
×:大きなクラックが発生
【0052】
【表1】
Figure 0003564013
【0053】
【表2】
Figure 0003564013
【0054】
〔比較例1〜5〕
合成例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(1)、合成例4で得られたビニルエステル樹脂、比較合成例1で得られた比較の不飽和ポリエステル樹脂(比較1)、実施例と同様の酸基を有する(メタ)アクリレートを表3に記載した配合量で均一に混合して、比較の樹脂組成物を得た。
【0055】
得られた比較の樹脂組成物を用いて、実施例と同様にして試験片を作製し、諸性能の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
Figure 0003564013
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、木目の際立った、ぬれ感の大きい高級感のある化粧性を備えるとともに、熱や水等の影響によりクラックが発生しない、優れた耐久性を有する複合化木材を得ることができる複合化木材用樹脂組成物を提供することができる。

Claims (3)

  1. 二重結合力価が600以上である不飽和ポリエステルと、酸基を有する(メタ)アクリレートと、を必須成分とし
    前記酸基を有する(メタ)アクリレートが、1分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物と、多塩基酸、多塩基酸無水物、リン酸、無水リン酸、スルホン酸からなる群から選ばれる化合物との反応により得られるものであり、
    前記不飽和ポリエステルを30〜90重量%と、前記酸基を有する(メタ)アクリレートを1〜20重量%とを含有する、
    複合化木材用樹脂組成物。
  2. ビニルエステルを必須成分としてさらに含有する、請求項1に記載の複合化木材用樹脂組成物。
  3. 酸基を有さない芳香族系重合性不飽和単量体を必須成分としてさらに含有する、請求項1または2に記載の複合化木材用樹脂組成物。
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