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JP3564085B2 - 防曇性評価装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鏡やガラスが有する防曇性能を評価するための装置に関する発明である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、鏡やガラスなどが有する防曇性の評価は、表面温度を露点温度以下にさせた上記鏡やガラスである対象物をある雰囲気内に配置させ、上記対象物の表面で生じた結露の結露量や結露面積を測ることで行われていた。しかし、上記の方法による防曇性の評価にあっては、ある雰囲気内に配置させた対象物の表面温度が雰囲気温度に経時的に移行してしまうため、結露の結露量の正確な測定を困難にさせるものであった。特に、対象物の熱容量が小さいものであると、対象物の表面温度の雰囲気温度への経時的な移行がより早く生じてしまい、結露の結露量の正確な測定は特に困難なものである。また、上記の方法による防曇性の評価を結露面積の大小の測定により行う場合には目視のイメージに頼る評価方法を採用しがちであり、これによると測定員による評価のばらつき等の弊害が生じるものである。
【0003】
そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、鏡やガラスなどの対象物の種類に左右されずに対象物の防曇性の評価を安定的に行い得るようにした防曇性評価装置を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る防曇性評価装置は、評価室1内に配置した鏡やガラス等の対象物2を露点温度以下に保つ温度維持手段と、評価室1内の雰囲気の条件を変える条件設定手段と、上記対象物2が評価室1内の雰囲気により結露するか否かの状態を評価する評価手段とを備え、上記評価手段として、評価室1の周壁に設けた窓4から評価室1内の対象物2を見たときに対象物2の表面に被写体物3が反射して映るような評価室1の内部の位置に被写体物3を配置し、評価室1の窓4から評価室1の内部を覗いた際に対象物2の表面に映った被写体物3の投射像を基準にして防曇性の評価をする手段を用いたことを特徴とする
これにより、上記温度維持手段が鏡やガラス等の対象物2を露点温度以下に保つ、すなわち対象物2の表面温度を露点温度以下に維持できるものであり、対象物2の表面温度が評価室1の雰囲気温度に経時的に移行することを防止できるものであり、対象物2の種類に左右されずに対象物2の防曇性の評価を安定的に行い得るようにしているものである。また、対象物2の表面に映った被写体物3の投射像を基準にして対象物2の防曇性の評価ができ、対象物2の防曇性の評価の安定性を向上させることができる。また、対象物2がガラスの場合には対象物2の裏手に薄膜板状の鏡17を配置すれば、評価室1の窓4から対象物2を見た際には被写体物3の投射影を対象物2に重ねて見えるようにできることから、対象物2が鏡の場合と何ら変わりなく対象物2の防曇性の評価を行い得る。
【0006】
また、請求項2に係る防曇性評価装置は、請求項1において、被写体物3として、複数本の列線と行線とを直交させるように描いた桝目を用いたことを特徴とする。これによると、対象物の防曇性の評価を結露面積の大小で評価する際には、上記桝目により結露面積の大小の判断を数量的に判断できるものであり、対象物2の防曇性の評価の安定性を向上させることができる。
【0007】
また、請求項3に係る防曇性評価装置は、請求項1において、条件設定手段として、評価室1内に加湿用スプレー9を備えたことを特徴とする。これによると、評価室1内に加湿用スプレー9を備えると、評価室1の雰囲気を浴室に近い湿度の高い雰囲気にすることができ、浴室に設置される対象物2の使用形態に則した対象物2の防曇性の評価を行うことができるものである。
【0008】
また、請求項4に係る防曇性評価装置は、請求項1において、上記窓4を曇り止めガラスで構成したことを特徴とする。これによると、評価室1が高温多湿になっても曇り止めガラスで構成した窓4には結露が生じないため、評価室1の内部を上記窓4を介して外側から確実に観察することができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1乃至図7に本発明の実施の形態の例を示す。防曇性評価装置は、図1に示すように、内部を閉空間にした部屋状の評価室1を有し、上記評価室1内に配置した鏡やガラス等の対象物2を露点温度以下に保つ温度維持手段と、評価室1内の雰囲気の条件を変える条件設定手段と、上記対象物2が評価室1内の雰囲気により結露するか否かの状態を評価する評価手段とを備えて構成されるものであり、条件設定手段で評価室1内の雰囲気を高温多湿に変化させ、評価室1内に配置した鏡やガラス等の対象物2の表面に上記評価室1の雰囲気により結露を生じさせ、上記対象物2の表面の結露状態を観察して評価するための装置、つまり対象物2が有する防曇性能を評価するような装置である。
【0011】
評価室1内に配置する対象物2は、少なくとも対象物2の一部(表面)を評価室1内に位置させるものである。例えば、図3に示すように評価室1内の空間に対象物2の全体を配置したものでも、また、図4に示すように対象物2の一部(表面)のみを評価室1内に位置させるように評価室1の壁面に臨ませて対象物2を配置したものでもよいものであり、いずれの場合でも対象物2は対象物取付基台5に対して取り替え自在に取り付けられている。対象物取付基台5に取り付けた対象物2は上記対象物2の裏面を上記対象物取付基台5の前面に対して全面接触させて配置される。この対象物取付基台5にあっては内部が空洞6であるハウジング体で構成されたものであり、対象物取付基台5には上記空洞6に連続する冷却水入口7と冷却水出口8とが設けられている。つまり、対象物取付基台5は冷却水が冷却水入口7から空洞6に流入すると共に上記空洞6から冷却水出口8を介して冷却水が流出する構造になっている。なお、図2中13は冷却水入口7に連結する冷却水管であり、図2中14は冷却水出口8が連結する冷却水管である。上記空洞6は流入した冷却水が滞留するように冷却水入口7及び冷却水出口8に比べて断面積を大きく形成してあり、これは、上記空洞6を形成する部分の対象物取付基台5に全面接触させた対象物2に対して偏りのない冷却を行わせ得るように図られたものである。このように、対象物2を取付けた対象物取付基台5内に冷却水を流し、上記冷却水により対象物2を常に冷却させるようにしたので、評価室1に配置した対象物2の表面温度を常に露点温度以下に保つことができるものであり、従って、対象物2の表面温度が評価室1内の雰囲気温度に経時的に移行してしまうことを防止できるものであり、対象物2として用いる物の違いに左右されずに対象物2の防曇性の評価を安定的に行い得るようにしているのである。なお、内部に冷却水を流した対象物取付基台5は対象物2のみならずその周囲に対しても多少の熱的影響を与えるものであるが、図4の例のように対象物取付基台5を評価室1外に位置させた場合では、図3の例のように対象物取付基台5を評価室1内に位置させた場合に比べて、対象物取付基台5の評価室1内の雰囲気への熱的影響を少なくすることができるものであってより好ましいものである。
【0012】
また、図2には図1で示した防曇性評価装置の詳細を示すものであるが、評価室1内には評価室1内の雰囲気の条件(温度・湿度)を変える条件設定手段が備えられている。この条件設定手段としては、加湿用スプレー9、加熱ヒータ10、換気扇11がある。加湿用スプレー9は評価室1外で温水管12に連結しており、評価室1内に温水を噴射させ、評価室1内の雰囲気の湿度の変化を図るものである。また、加熱ヒータ10は評価室1の壁面から評価室1内に突設され、評価室1内の雰囲気の温度の上昇を図るものである。また、換気扇11は評価室1内での雰囲気の温度・湿度の偏りを無くするようにして評価室1内の雰囲気を整えるものである。本例では、上記加湿用スプレー9は湿度計24と連動した制御盤15によって制御されるものであり、また、加熱ヒータ10は温度計25と連動した制御盤15によって制御されるものであり、従って、上記制御盤15の制御により評価室1内での雰囲気を所定の条件の雰囲気にできるようにしているものである。また、上記評価室1の周壁のうち対象物2の表面に対向する壁には、曇り止めガラスで形成された窓4が配置されており、評価室1の内部を外側から観察できるようにしている。上記曇り止めガラスとしては、ヒータを埋め込んだ複層ガラスや、ガラスそのものを電気抵抗体とさせてガラスに電気を流した際にガラスそのものが発熱するような導電性ガラスを採用している。なお、図中16は評価室1内を照らす照明装置である。この照明装置16は、白熱灯や水銀灯で構成させたものを用い、評価室1内に配置する被写体物3及び対象物2を照らすことができる位置、本例では天井部分に配置されている。
【0013】
上記構成を有する防曇性評価装置は、評価室1内に配置した対象物2の防曇性を測定・評価するものであるが、これは、評価室1内にボードの表面に模様等を描いた被写体物3を配置し、評価室1の窓4から評価室1の内部を覗いた際に対象物2の表面に映った被写体物3の投射像を基準にして評価手段にて防曇性の評価をするものである。つまり、対象物2の表面が結露した際には対象物2の表面に付着した微細な水滴により対象物2の表面が白く曇るものであり、この白く曇った部分の対象物2の表面では被写体物3の投射像が映りにくくなり、対象物2の表面に映る被写体物3の投射像の見え易さの程度で対象物2の表面の結露の有無が確認されるのである。ここで、評価室1内に配置する被写体物3は、評価室1の窓4から対象物2を見たときに対象物2の表面に被写体物3が反射して映るような評価室1の内部の位置に配置するものである。なお、対象物2がガラスの場合には、図5に示すように対象物2の裏手、つまり対象物2と対象物取付基台5との間に薄膜板状の鏡17を配置するものであり、この鏡17により評価室1の窓4から対象物2を見た際には被写体物3の投射影を対象物2に重ねて見えさせるようにできることから、対象物2が鏡の場合と何ら変わりなく対象物2の防曇性の評価を行い得るものである。
【0014】
また、本例では、評価室1の窓4の外にCCDカメラ18のような撮像手段を配置しており、図7に示すように、上記CCDカメラ18で得られた画像はデーター蓄積部19に予め蓄積されたサンプルデータと比較・分析され、データー蓄積部19と共に評価手段を構成する判定部20において対象物2の表面の結露状態が判断されるようになっている。そして上記評価手段の判断結果はコンピュータの表示部21やプリント出力部22等の出力手段により出力されるようになっている。
【0015】
対象物2の防曇性の評価方法には、対象物2の表面の結露面積の大小を測定する方法があるが、この場合の被写体物3には、例えば、図6(a)に示すようにボードの表面に文字を縦横方向に等間隔にして複数個並べたものや、図6(b)に示すようにボードの表面に縦線を等間隔に位置させて縦ストライプ柄を描いたものや、図6(c)に示すようにボードの表面に図形や文字をランダムに描いたものや、図6(d)に示すようにボードの表面に複数本の列線と行線とを直交させるようにして桝目を描いたものや、図6(e)に示すように上記桝目の上段及び縦段に数字を記入してそれぞれの桝目に番号を付したものを用いるのが好ましい。特に図6(d),(e)のボードに桝目を描いたものを被写体物3として用いた場合では、対象物2の表面の結露状態の結露が生じた範囲やその結露面積の大小を数量的に容易に判断できるものであり、対象物2の防曇性の評価の安定性を向上させることができるものである。つまり、この桝目を描いたものを被写体物3として用いた場合には、CCDカメラ18で得られた画像を画像解析によって数値データに変換させることを行い易くするもので、評価手段で比較するサンプルデータも数値化されたものを用いることができ、しかして、データー蓄積部19の容量の小型化をも図り得るものである。
【0016】
また、被写体物3に図6(f)に示すように表面が黒いボードを用いることも好ましく、これによると、対象物2の表面に被写体物3の黒い投射影を映し出すことができ、対象物2の表面の結露による白い曇りの濃淡をも顕著に現すことができるものである。一般的に、対象物2の表面の親水性が大きいほど強い防曇性を有するものである。つまり、対象物2の表面の親水性が非常に大きい場合では、対象物2の表面が露点以下であっても結露水が対象物2の表面に薄く広がるために結露水は水滴とはならず、対象物2の表面に結露による曇りが生じないのであり、一方、対象物2の表面の親水性が小さいほど、結露により微細な水滴が対象物2の表面に密集して付着し易く、対象物2の表面に白色の曇りを明瞭に形成させるのである。従って、上記表面が黒いボードである被写体物3を用いて対象物2の表面の結露による白さの濃淡を測定することは、対象物2の防曇性のみならず、対象物2の表面の親水性の程度をも評価できるのである。
【0017】
なお、本例における評価手段としてはCCDカメラ18を用いて行わせているが、CCDカメラ18の代わりに測定員を配置して上記測定員の目視で対象物2の表面の結露状態を確認させてもよいものであり、この場合も、測定員の目視で得られた対象物の表面の画像(視認状態)と評価手段を構成する予め蓄積されたサンプルデータとを比較・分析し、対象物2の防曇性の評価が為されるものである。
【0018】
以下には、本発明の実施の形態の他例を列挙する。これらは、先に述べた実施の形態の例の一部を変更したものであることから、重複する部分は説明を省き、変更点のみを説明するものとする。
【0019】
図8に示す実施の形態の他例は、評価室に備える条件設定手段として更にシャワー26を付加し、上記シャワー26をシャワー26から噴射される温水が評価室1内に配置した対象物2の表面にあてることができる位置に配置した例である。一般的に、浴室内に配置した鏡やガラスの表面は曇り易いものであり、鏡やガラスの表面に曇りが生じた場合には温水シャワーの湯を鏡やガラスにかけて一時的に鏡やガラスの表面に生じた曇りを除去することが行われるが、本例でも上記シャワー26から噴射させた温水を鏡やガラスの対象物2の表面に当てて対象物2の表面から曇りを除去できるものであり、上記対象物2の表面にシャワー26から温水をかけて対象物2の表面から曇りを一度除去した後に、対象物2の防曇性の評価を行い得るようにしたものである。つまり、評価室を更に浴室に近い状態にすることができ、浴室に設置される対象物2の使用形態に則した対象物2の防曇性の評価を行うことができるものである。
【0021】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の防曇性評価装置にあっては、評価室内に配置した鏡やガラス等の対象物を露点温度以下に保つ温度維持手段と、評価室内の雰囲気の条件を変える条件設定手段と、上記対象物が評価室内の雰囲気により結露するか否かの状態を評価する評価手段とを備えたので、温度維持手段が鏡やガラス等の対象物を露点温度以下に保つ、すなわち対象物の表面温度を露点温度以下に維持できるものであり、対象物の表面温度が評価室の雰囲気温度に経時的に移行することを防止できるものであり、対象物の種類に左右されずに対象物の防曇性の評価を安定的に行い得るようにしているものである。また、上記評価手段として、評価室の周壁に設けた窓から評価室内の対象物を見たときに対象物の表面に被写体物が反射して映るような評価室の内部の位置に被写体物を配置し、評価室の窓から評価室の内部を覗いた際に対象物の表面に映った被写体物の投射像を基準にして防曇性の評価をする手段を用いたので、被写体物によって対象物の防曇性の評価の安定性を向上させることができると共に、対象物がガラスの場合には対象物の裏手に薄膜板状の鏡を配置すれば、評価室の窓から対象物を見た際には被写体物の投射影を対象物に重ねて見えるようにできることから、対象物が鏡の場合と何ら変わりなく対象物の防曇性の評価を行い得るようにできる。
【0023】
また、請求項2記載の防曇性評価装置にあっては、請求項1の効果に加えて、被写体物として、複数本の列線と行線とを直交させるように描いた桝目を用いたので、対象物の防曇性の評価を結露面積の大小で評価する際には、上記桝目により結露面積の大小の判断を数量的に判断できるものであり、対象物の防曇性の評価の安定性を向上させることができる。
【0024】
また、請求項3記載の防曇性評価装置にあっては、請求項1の効果に加えて、条件設定手段として、評価室内に加湿用スプレーを備えたので、評価室の雰囲気を浴室に近い湿度の高い雰囲気にすることができ、浴室に設置される対象物の使用形態に則した対象物の防曇性の評価を行うことができるものである。
【0025】
また、請求項4記載の防曇性評価装置にあっては、請求項1の効果に加えて、上記窓を曇り止めガラスで構成したので、評価室が高温多湿になっても曇り止めガラスで構成した窓には結露が生じないため、評価室の内部を上記窓を介して外側から確実に観察することができるものである
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例の概略側面図である。
【図2】同上の側面図である。
【図3】同上の対象物全体を評価室内に配置した状態を示す概略側面図である。
【図4】同上の対象物の一部(表面)を評価室内に配置した状態を示す概略側面図である。
【図5】同上のガラスを対象物として対象物取付基台に装着した状態を示す側面概略図である。
【図6】(a)〜(f)は同上の被写体物の例を示す平面図である。
【図7】同上の評価手段を示す制御ブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態の他例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 評価室
2 対象物
3 被写体物
4 窓
5 対象物取付基台
6 空洞
7 冷却水入口
8 冷却水出口
9 加湿用スプレー
10 加熱ヒータ

Claims (4)

  1. 評価室内に配置した鏡やガラス等の対象物を露点温度以下に保つ温度維持手段と、評価室内の雰囲気の条件を変える条件設定手段と、上記対象物が評価室内の雰囲気により結露するか否かの状態を評価する評価手段とを備え、上記評価手段として、評価室の周壁に設けた窓から評価室内の対象物を見たときに対象物の表面に被写体物が反射して映るような評価室の内部の位置に被写体物を配置し、評価室の窓から評価室の内部を覗いた際に対象物の表面に映った被写体物の投射像を基準にして防曇性の評価をする手段を用いたことを特徴とする防曇性評価装置。
  2. 被写体物として、複数本の列線と行線とを直交させるように描いた桝目を用いたことを特徴とする請求項1に記載の防曇性評価装置。
  3. 条件設定手段として、評価室内に加湿用スプレーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の防曇性評価装置。
  4. 上記窓を曇り止めガラスで構成したことを特徴とする請求項1に記載の防曇性評価装置。
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