JP3564465B2 - パチンコ遊技機の釘調整状態管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機の盤面に設けられた障害釘の間隔などを調整する作業(釘調整作業)を行った結果を記憶する機能を備えたパチンコ遊技機の釘調整状態管理システムに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
パチンコホールに設置されるパチンコ遊技機の盤面には、種々の入賞口が設けられているが、それらの入賞口に対する入賞確率は、一般的に、入賞口の上方に設けられた2本ずつの障害釘により構成される所謂命釘の調整状態によって大きく左右されるものである。このため、従来では、釘師と呼ばれる熟練作業者が、ゲージ球を先端に取り付けたゲージ棒とハンマーとを利用して命釘の調整作業を日常的に行い、これによりパチンコ遊技機のベース(パチンコ遊技機が特賞状態にない通常期間におけるパチンコ玉の出玉率)やスタート回数(所謂メインデジタルの動作回数)などの調整を図るようにしている。この場合、従来では、パチンコホールの管理責任者が、各パチンコ遊技機についての釘調整目標値を当該パチンコ遊技機の稼働データ(所謂アウト数:これはパチンコ遊技機の稼働時間に対応する、ベース、スタート回数など)を参照して決定すると共に、その釘調整目標値を釘調整の指針値として釘師に与え、釘師側では、このように与えられた釘調整目標値に従って釘調整作業を行うというルーチンが採用されている。また、近年では、釘間隔や釘の盤面に対する角度を測定した結果をデジタル表示する測定装置が登場しており、これを用いることによって熟練度が低い作業者でも釘調整目標値通りの釘調整を可能にすることも図られている。
【0003】
しかしながら、従来では、パチンコ遊技機に対する釘調整作業が釘調整目標値通りに行われたか否かを確認する手段が存在しないため、以下のような問題点があった。即ち、釘調整が行われたパチンコ遊技機の稼働データ(ベースやスタート回数など)がパチンコホール管理責任者の目論見通りに変化しなかった場合、その原因が、釘調整目標値が適切でなかったことにあるのか、或いは釘調整作業自体に問題があるのか判然とせず、このため、釘調整作業の信頼性を確保することが困難になるという問題点があった。また、釘調整後においては、パチンコ遊技機の稼働データがどのように変化したかを追跡することが必要になるが、指示された釘調整目標値通りに釘調整が行われたパチンコ遊技機と、そうでないパチンコ遊技機とが混在する場合に、指示通りに釘調整が行われたパチンコ遊技機の稼働データの解析、つまり釘調整結果の解析が不可能になるという問題点もあった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パチンコ遊技機に対する釘調整作業が釘調整目標値通りに行われたか否かを正確且つ容易に把握できると共に、釘調整結果の解析を的確に行い得るようになるパチンコ遊技機の釘調整状態管理システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のパチンコ遊技機の釘調整状態管理システムは、上記目的を達成するために、パチンコ遊技機の盤面から突出された任意の2本の障害釘の間隔を示す釘間隔及び/またはパチンコ遊技機の盤面から突出された任意の障害釘の傾斜角についての調整状態をパチンコ遊技機毎に区分して管理するための釘調整状態管理システムにおいて、
各パチンコ遊技機における前記釘間隔及び/または傾斜角についての釘調整目標値を設定する目標値指示手段と、前記釘間隔及び/または傾斜角を測定する測定手段と、この測定手段による最終的な測定値と前記釘調整目標値との差を演算した結果を誤差値として出力する演算手段と、前記測定手段による最終的な測定値及び/または前記演算手段から出力される誤差値と、前記目標値指示手段から出力される釘調整目標値と、前記パチンコ遊技機の稼動データとを対応付け、パチンコ遊技機毎に区分した状態の釘調整結果データとして記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された釘調整結果データのうち、前記演算手段から出力される誤差値が予め設定された許容範囲内にあるデータのみを異常値排除データとして出力する出力手段とを備えた構成としたものである。
【0006】
この構成によれば、パチンコ遊技機の釘調整を行う場合には、その遊技機の盤面から突出された任意の2本の障害釘の間隔を示す釘間隔及び/またはパチンコ遊技機の盤面から突出された任意の障害釘の傾斜角についての釘調整目標値を目標値指示手段において設定する。釘調整作業者は、釘調整対象となる障害釘についての前記釘間隔及び/または傾斜角を、目標値指示手段から出力された前記釘調整目標値と一致するように調整するという釘調整作業を行う。この釘調整作業は、上記障害釘の釘間隔及び/または傾斜角を測定手段により測定しながら行うことができるから、熟練度が低い作業者でも釘調整目標値通りの釘調整が可能になる。
【0007】
この場合、演算手段が、上記測定手段による最終的な測定値と釘調整目標値との差を演算した結果を誤差値として出力するようになる。また、記憶手段が、上記測定手段による最終的な測定値(つまり、釘調整作業の結果を示す測定値)及び/または前記演算手段から出力される誤差値と、目標値指示手段から出力される釘調整目標値と、釘調整対象のパチンコ遊技機の稼働データとを、パチンコ遊技機毎に区分した状態の釘調整結果データとして記憶するようになる。さらに、出力手段が、記憶手段に記憶された釘調整結果データのうち、上記誤差値が予め設定された許容範囲内にある測定値を含むデータのみを異常値排除データとして出力するようになる。
【0008】
従って、パチンコ遊技機毎に区分された釘調整結果データを確認することによって、パチンコ遊技機に対する釘調整作業が釘調整目標値通りに行われたか否かを正確且つ容易に把握できるようになり、釘調整作業の信頼性確保を実現できるようになる。また、出力手段から出力される異常値排除データは、釘調整結果に対応した測定値と釘調整目標値との誤差が許容範囲内にある釘調整結果データのみを含んだ状態となっている。このため、釘調整後において、パチンコ遊技機の稼働データがどのように変化したかを追跡する際に、指示された釘調整目標値通りに釘調整が行われたパチンコ遊技機と、そうでないパチンコ遊技機とが混在する場合であっても、指示通りに釘調整が行われたパチンコ遊技機の稼働データの解析、つまり釘調整結果の解析を的確に行い得るようになる。
【0009】
請求項2記載の釘調整状態管理システムのように、前記出力手段は、前記記憶手段に記憶された釘調整結果データのうち、これに含まれる稼働データが予め設定された許容範囲外にあるデータを除外した状態の異常値排除データを出力する構成であっても良い。
この構成によれば、パチンコ遊技機の稼働データが異常な値を示す状態時に、その稼働データを含む釘調整結果データを除外した状態の異常値排除データが出力されることになる。このように稼働データが異常な値を示す状態は、測定手段による最終的な測定値と釘調整目標値との誤差値が許容範囲内にある場合であっても、釘調整とは関係ない種々の要因により起こり得るものであり、従って、このような異常状態を示した稼働データを含む釘調整結果データを除外した状態の異常値排除データは、釘調整結果の解析を的確に行う上で極めて有益になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1にはシステム全体の概略的構成が示されている。この図1において、パチンコ遊技機1の盤面2には、多数本の障害釘が突出状に設けられているが、この実施例では、説明の便宜上、周知のスタート入賞口3の入口に設けられた2本の障害釘4のみを図示している。このスタート入賞口3にパチンコ玉が入賞したときには、所定の抽選動作が行われると共に、盤面2に設置された図柄表示用ルーレット5(所謂メインデジタル)が動作開始される。そして、その抽選結果が大当たりであった場合には、ルーレット5が所定の当たり図柄で停止されると共に、盤面2に設置された図示しない大当たり入賞口が所定期間だけ開放されるものであり、これに応じて入賞率が極端に高められた特賞状態を呈する構成となっている。従って、上記障害釘4は、パチンコ遊技機1の入賞率を大きく左右する所謂命釘となるものであり、盤面2には、この障害釘4以外にも多数組の命釘が存在する。
【0012】
各パチンコ遊技機1の上方には、入出力インタフェースを内蔵した呼出ランプユニット6が設けられており、パチンコ遊技機1は、パチンコホール用管理装置7(本発明でいう目標値指示手段、記憶手段、演算手段、出力手段に相当)との間のデータ授受を上記入出力インタフェースを通じて行う構成となっている。この場合、パチンコ遊技機1から管理装置7へ送信されるデータは、アウト玉数(打込パチンコ玉数)、セーフ玉数(賞球として放出されたパチンコ玉数)、特賞状態の発生を示す特賞信号、ルーレット5が動作したことを示すスタート信号などである。尚、パチンコ遊技機1の隣には周知のCRカードユニット8が設置されており、このCRカードユニット8も管理装置7との間のデータ授受を上記入出力インタフェースを通じて行う構成となっている。
【0013】
測定ユニット9(測定手段に相当)は、パチンコ遊技機1の釘調整を行うパチンコホール従業員(以下、釘調整作業者と呼ぶ)が携帯するものであり、例えば、特許第3010543号公報に見られる遊技機用釘間隔測定装置のように、2本の障害釘の内法寸法を測定する構成となっており、その測定結果(この実施例では、2本の障害釘4の釘間隔(内法寸法)を示す測定した結果)をデジタル値の測定値として出力できる構成となっている。
【0014】
この測定ユニット9と信号線10aを介して接続された携帯端末10は、当該測定ユニット9と共に釘調整作業者が携帯するものであり、測定ユニット9から出力される測定値を該当するパチンコ遊技機1の台番号データと共に記憶する構成となっている。尚、台番号データの記憶は、釘調整作業者の手入力(後述するテンキースイッチを使用した入力操作)で行うことができるが、この他の手段(例えば、パチンコ遊技機1に設けられた2次元コード、バーコード、ICタグなどに記録された台番号データを読取手段で読み取る手段、パチンコ遊技機1との無線通信により台番号データを取得する手段など)を利用して記憶する構成も可能である。
【0015】
上記携帯端末10は、管理装置7との間で信号線11を介した通信動作を行う構成となっている。この場合、管理装置7は、各パチンコ遊技機1の釘調整時における釘間隔の調整指針となる釘調整目標値及び釘調整後の許容範囲(釘調整目標値と測定ユニット9による実際の測定値との差の許容範囲)を、当該パチンコ遊技機1の台番号データと対応付けた釘調整指示値として携帯端末10へ送信する構成となっている。
【0016】
携帯端末10はパチンコホール内に複数台用意されるものであり、管理装置7は、各携帯端末10へ釘調整指示値(釘調整目標値、許容範囲、台番号)を送信する前の段階で、携帯端末10毎に釘調整対象となるパチンコ遊技機1の台番号の範囲を設定するものである。具体的には、次表(1)に一例を示すように、第1番目の携帯端末10に対しては、釘調整対象のパチンコ遊技機1の台番号の範囲として「0001(開始台番1)」〜「0020(終了台番1)」、「0081(開始台番2)〜0100(終了台番2)」、「0181(開始台番3)〜0200(終了台番3)」を設定し、第2番目の携帯端末10に対しては、釘調整対象のパチンコ遊技機1の台番号の範囲として「0021〜0040」、「0101」〜「0120」、「0201」〜「0220」を設定し、他の携帯端末10に対しても同様に台番号の範囲を設定する。
【0017】
【表1】
【0018】
また、管理装置7は、前記障害釘4を含む例えば3箇所の命釘についての釘調整目標値及び許容範囲を、各パチンコ遊技機1の台番号データと対応付けた釘調整指示値として携帯端末10へ送信する構成となっている。具体的には、3箇所の命釘の釘間隔についての釘調整目標値として、次表(2)に一例を示す値を設定し、各釘調整目標値の許容範囲の上限値及び下限値として、次表(3)に一例を示す値を設定する。
【0019】
【表2】
【表3】
【0020】
そして、携帯端末10は、上記のような釘調整指示値(釘調整目標値、釘調整後の許容範囲、台番号データ)を受信したときに、これを内部のメモリ部(図3に符号12を付して示す)に記憶する。
【0021】
図2には、携帯端末10の正面外観(a)、上面外観(b)、右側面外観(c)が示されており、以下これについて説明する。
図2において、携帯端末10は、矩形状の本体ケース13の前面に、表示器14、操作部15及びテンキースイッチ部16を設けた構成となっている。また、本体ケース13の上面に、前記信号線11の先端に備えられたモジュラージャック(図示せず)が接続されるモジュラーロゼット17が設けられ、本体ケース13の右側面に、スライドスイッチより成る電源スイッチ18及び前記信号線10aの先端に備えられたコネクタ(図示せず)が接続される入力端子部19が設けられている。
【0022】
上記表示器14には、メインメニュー画面、釘調整指示値ダウンロード画面、台番号入力画面、釘調整指示値及び測定値表示画面などが表示される。
メインメニュー画面には、釘調整指示値ダウンロード画面や他の画面を選択するためのメニューが例えばメニュー番号と共に表示されるものであり、表示されたメニューの選択はテンキースイッチ部16による該当メニュー番号の入力及び当該テンキースイッチ部16に設けられた「確定」スイッチ16aの操作により行われる。
【0023】
また、釘調整指示値ダウンロード画面には、管理装置7から釘調整指示値をダウンロードするためのダウンロードスタンバイ状態に切り替えるか否かを選択するためのメニューがメニュー番号と共に表示されるものであり、表示されたメニューの選択はテンキースイッチ部16による該当メニュー番号の入力及び前記「確定」スイッチ16aの操作により行われる。この場合、ダウンロードスタンバイ状態に切り替えられた状態では、管理装置7から、携帯端末10毎に範囲指定された台番号データに対応した釘調整指示値(釘調整目標位置、許容範囲、台番号)をダウンロードできるようになっている。尚、このようなダウンロードを行うためには、携帯端末10が信号線11により管理装置7と接続されていることが前提になることは勿論である。
【0024】
台番号入力画面は、所望のパチンコ遊技機1の台番号をテンキースイッチ部16により入力するためのもので、ここで台番号が入力されたときには、釘調整指示値及び測定値表示画面が表示される。従って、このような表示によって、釘調整目標値を含む釘調整指示値が釘調整作業者に報知されることになる。尚、この釘調整指示値及び測定値表示画面には、指定された台番号のパチンコ遊技機1についての釘調整指示値(釘間隔目標値(表(2)参照)及び許容範囲(表(3)参照))と、そのパチンコ遊技機1についての測定ユニット9による測定値とが台番号と関連付けて表示される。また、測定ユニット9から測定結果が入力されていない状態では、測定結果の表示欄は空欄である。
【0025】
一方、前記操作部15には、表示器14に台番号入力画面を表示させるための「台番」スイッチ15a、表示器14にメインメニュー画面を表示させるための「メイン」スイッチ15b、表示器14に表示された前記釘調整指示値及び測定値表示画面中の測定値を取り消してその測定値の表示欄を初期化するための「取消」スイッチ15c、表示器14に表示された釘調整指示値及び測定値表示画面を次の台番号に対応したものに変更するための「送る」スイッチ15d、表示器14に表示された釘調整指示値及び測定値表示画面を前の台番号に対応したものに変更するための「戻る」スイッチ15eを備えた構成となっている。
【0026】
図3には、携帯端末10及び関連部分の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより示されており、以下これについて説明する。
図3において、携帯端末10は、CPUなどを含んで成る制御回路20を中心に構成されており、全体の電源(+Vcc)が、内蔵電池より成る電源部21から電源スイッチ18を通じて供給されるようになっている。尚、制御回路20は、前述したメモリ部12にアクセス可能となっている。本体ケース13内にはスピーカ22が設けられており、制御回路20は、このスピーカ22をドライバ23を通じて駆動する構成となっている。また、制御回路20は、表示器14の表示内容の制御を表示制御部24を通じて行うと共に、操作部15及びテンキースイッチ部16からの操作入力を入力インタフェース25を通じて受けるようになっている。さらに、制御回路20は、測定ユニット9から出力される測定値(釘間隔を示すデータ)を入力インタフェース26を通じて受けると共に、管理装置7との間の通信動作を通信インタフェース27を通じて行うようになっている。尚、本体ケース13には、スピーカ22と対応した位置に音声用貫通孔群(図示せず)が設けられている。
【0027】
図4のフローチャートには、制御回路20による制御内容のうち、本発明の要旨に関係した測定値判定処理ルーチンが示されており、以下これについて説明する。尚、この測定値判定処理ルーチンは、3箇所の釘調整対象箇所について順次行われるものである。
【0028】
上記測定値判定処理ルーチンは、表示器14に前述した釘調整指示値及び測定値表示画面を表示した状態で行われるもので、まず、測定ユニット9から出力される測定値(2本の障害釘の釘間隔)が入力されたか否かを判断し(ステップA1)、非入力状態ではメインプログラムへリターンする。測定ユニット9から測定値が入力された場合には、対応する釘調整目標値(表(2)参照、これは釘調整指示値及び測定値表示画面に表示されている)を読み込み(ステップA2)、その釘調整目標値と測定値とを比較する(ステップA3)。
【0029】
そして、釘調整目標値及び測定値の差をとった値が釘調整指示値に含まれる許容範囲内(表(3)参照)か否かを判断し(ステップA4)、許容範囲外であった場合には、釘調整を継続すべき旨を報知するためのNG音をスピーカ22から出力し(ステップA5)、許容範囲内であった場合には、釘調整を終了すべき旨を報知するためのOK音をスピーカ22から出力する(ステップA6)。
【0030】
上記NG音及びOK音の何れかを出力した後には、入力された測定値をメモリ部12に記憶し(ステップA7)、この後にリターンする。尚。リターン後には、釘調整指示値及び測定値表示画面中に測定値を表示するための測定値表示処理ルーチンなどを行う。
【0031】
一方、上記のような釘調整作業が、割り当てられたパチンコ遊技機1の全てについて完了したときには、制御回路20は、上記のようにメモリ部12に記憶された測定値を、信号線11を通じて管理装置7へ送信するものである。尚、本実施例においては、1台のパチンコ遊技機1について3箇所の釘調整を行う構成となっているから、携帯端末10から管理装置7へ送信される測定値の総数は、「携帯端末10に割り当てられたパチンコ遊技機1の台数×3」になる。
【0032】
上記測定値を受信した管理装置7においては、釘調整目標値、測定値及びそれら釘調整目標値及び測定値の誤差値を、パチンコ遊技機1の台番号毎に区分した状態の釘調整結果データとして記憶する。この釘調整結果データは、具体的には、図5に示すようなフォーマットで作成される。但し、図5では、説明を簡略化するために、台番号が「1」から「10」までのパチンコ遊技機1についての釘調整結果データのフォーマット例を示しているが、実際には、パチンコホール内の全部のパチンコ遊技機1についての釘調整結果データが作成されるものである。
【0033】
即ち、図5において、釘調整結果データは、パチンコ遊技機1の台番号データに対応させた状態で、3箇所(命釘No.1、命釘No.2、命釘No.3)分の釘調整目標値(目標値1、目標値2、目標値3)、当該3箇所分の測定値(測定値1、測定値2、測定値3)、各釘調整目標値と測定値との誤差値(誤差値1、誤差値2、誤差値3)、アウト数、ベース、スタート回数(但し、アウト数1000個当たりの平均値)を記憶し、また、アウト数、ベース、スタート回数については、全パチンコ遊技機1の平均値も記憶することにより作成される。
【0034】
管理装置7は、上記釘調整結果データを帳票データとして出力可能に構成されるものであるが、その帳票データには、釘調整目標値、測定値、誤差値及び稼動データの全てを含ませる必要はなく、例えば、測定値、誤差値、稼動データのみをパチンコ遊技機1の台番号と対応付けた帳票データや、誤差値、稼動データのみをパチンコ遊技機1の台番号と対応付けた帳票データとして出力することも可能である。
【0035】
管理装置7は、図5に示すような釘調整結果データの他に、図6及び図7に示すような異常値排除データも作成する。
即ち、管理装置7は、図5のような釘調整結果データのうち、誤差値が予め設定された許容範囲(表(3)参照)内にあるデータのみを図6に示すような第1の異常値排除データとして出力する。具体的には、表(3)に示されているように、命釘No.1に対応した釘調整箇所についての釘調整結果の許容範囲は±0.01mm、命釘No.2及び命釘No.3に対応した釘調整箇所についての釘調整結果の許容範囲は±0.02mmである。このため、釘調整結果データが図5の例のようになっている場合には、台番号「3」のデータ中の「誤差値2」が許容範囲を外れ、台番号「6」のデータ中の「誤差値1」が許容範囲を外れていることになり、図6に示す第1の異常値排除データは、これら台番号「3」及び「6」に対応した釘調整結果データを排除した状態、つまり、誤差値が予め設定された許容範囲内にあるデータのみを集めた状態とされる。尚、釘調整結果データの全部について、その誤差値が予め設定された許容範囲(表(3)参照)内にある場合は、第1の異常値排除データは釘調整結果データと同じ内容になる。
【0036】
一方、管理装置7には、釘調整結果データに含まれる稼働データ(アウト数、ベース、スタート回数)についての許容範囲の上限値及び下限値として、次表(4)に一例を示す値が設定されている。
【0037】
【表4】
【0038】
管理装置7は、釘調整結果データのうち、これに含まれる稼働データが上記表(4)のような許容範囲を外れているデータを、前記第1の異常値排除データ(但し、この第1の異常値排除データは釘調整結果データと同等の場合もある)からさらに除外した状態の図7に示すような第2の異常値排除データを出力する構成となっている。具体的には、釘調整結果データが図5の例のようになっている場合(第1の異常値排除データが図6の例のようになっている場合)には、台番号「2」に対応した釘調整結果データ中の「スタート回数」が表(4)の許容範囲を外れ、且つ台番号「10」に対応した釘調整結果データ中の「ベース」が表(4)の許容範囲を外れていることになり、図7に示す第2の異常値排除データは、これら台番号「2」及び「10」に対応した釘調整結果データを、図6に示す第1の異常値排除データから排除した状態とされる。
そして、上記図5〜図7のような釘調整結果データ及び第1、第2の異常値排除データは、モニタやプリンタを通じて帳票データとして出力可能になっている。尚、上記第1の異常値排除データ及び第2の異常値排除データにおいても、前述した帳票データと同様に、釘調整目標値、測定値、誤差値及び稼動データの全てを含ませる必要はなく、例えば、測定値、誤差値、稼動データのみを含んだ状態、或いは誤差値、稼動データのみを含んだ状態のデータとして出力することも可能である。
【0039】
要するに、上記した本実施例においては、パチンコ遊技機1の釘調整を行う場合には以下の操作を行うものである。まず、携帯端末10を管理装置7に信号線11を介して接続した状態で、その携帯端末10を操作することにより、管理装置7から釘調整対象のパチンコ遊技機1についての釘調整指示値(釘調整目標値、許容範囲、台番号データ)を携帯端末10に予めダウンロードしておく。このようにダウンロードされた釘調整指示値は、携帯端末10の表示器14に表示されるものであり、以てその釘調整目標値が釘調整作業者に報知されるから、その釘調整目標値に基づいて対象となる命釘(障害釘4など)をハンマーにより叩いて釘調整を行う。
【0040】
このような釘調整を行った後には、携帯端末10に信号線10aを介して接続した測定ユニット9により、釘調整対象の命釘に係る釘間隔を測定し、その測定値を携帯端末10に取り込む。すると、携帯端末10においては、制御回路20が、上記釘調整目標値と測定値とを比較し、両差の差をとった値が所定の許容範囲にあるか否かを判定すると共に、その判定結果をスピーカ22を通じて報知する動作を行う。このような報知動作は、釘調整目標値と測定値との差が許容範囲外であった場合に、釘調整を継続すべき旨の報知音(NG音)を出力し、許容範囲内であった場合に釘調整を終了すべき旨の報知音(OK音)を出力することにより行われるから、釘調整を継続すべきか、或いは釘調整を完了すべきかが正確に報知されることになる。このため、釘調整作業者側においては、実際に釘調整作業を行う際に、その釘調整が完了したことを確実に知ることができるようになり、結果的に、熟練度が低い作業者でも釘調整目標値通りの釘調整が可能になるなど、実用上において極めて有益になる。
【0041】
特に、本実施例によれば、管理装置7側に、パチンコ遊技機1における3箇所(命釘No.1、命釘No.2、命釘No.3)分の釘調整目標値、当該3箇所分の測定値、各釘調整目標値と測定値との誤差値と、当該パチンコ遊技機1の稼働データであるアウト数、ベース、スタート回数とを、パチンコ遊技機1の台番号毎に区分した状態の釘調整結果データ(図5参照)として記憶すると共に、その釘調整結果データをモニタやプリンタを通じて出力可能な構成となっている。従って、この釘調整結果データを確認することにより、パチンコ遊技機1に対する釘調整作業が釘調整目標値通りに行われたか否かを正確且つ容易に把握できるようになる。また、上記釘調整結果データには、パチンコ遊技機1毎の稼働データ(アウト数、ベース、スタート回数)も含まれているから、釘調整作業が釘調整目標値通りに行われるのに伴って稼働データがどのように推移したかを容易に把握・分析できるようになる。
【0042】
しかも、本実施例によれば、管理装置7は、上記のような釘調整結果データのうち、誤差値が予め設定された許容範囲(表(3)参照)を外れた状態にあるデータを除外し、その誤差値が予め設定された許容範囲内にある測定値を含むデータのみを第1の異常値排除データ(図6参照)として出力する構成となっている。従って、釘調整後において、パチンコ遊技機1の稼働データがどのように変化したかを追跡する際に、指示された釘調整目標値通りに釘調整が行われたパチンコ遊技機1と、そうでないパチンコ遊技機1とが混在する場合であっても、指示通りに釘調整が行われたパチンコ遊技機の稼働データの解析、つまり釘調整結果の解析を上記第1の異常値排除データに基いて的確に行い得るようになる。
【0043】
また、本実施例によれば、管理装置7は、釘調整結果データのうち、これに含まれる稼働データが予め設定された許容範囲(表(4)参照)外にあるデータを、前記第1の異常値排除データからさらに除外した状態の第2の異常値排除データ(図7参照)を出力する構成となっている。つまり、本実施例によれば、パチンコ遊技機1の稼働データが異常な値を示す状態時に、その稼働データを含む釘調整結果データを第1の異常値排除データからさらに除外した状態の第2の異常値排除データが出力されることになる。このように稼働データが異常な値を示す状態は、測定ユニット9による最終的な測定値と釘調整目標値との誤差値が許容範囲内にある場合であっても、釘調整とは関係ない種々の要因により起こり得るものであり、従って、このような異常状態を示した稼働データを含む釘調整結果データを除外した状態の第2の異常値排除データは、釘調整結果の解析を的確に行う上で極めて有益になる
また、本実施例においては、管理装置7から出力された釘調整目標値が、携帯端末10を通じて釘調整作業者に報知されるから、釘調整作業者は、釘調整作業を行う際の指針となる釘調整目標値を確実に認識できるようになり、システムを実際に運用する上で便利になる。
【0044】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、以下に述べるような変形または拡大が可能である。
上記した実施例では、3箇所の障害釘4について釘調整を行う例で説明したが、さらに多くの箇所の障害釘について釘調整を行うことも可能である。また、測定ユニット9は、障害釘の間隔のみを測定できる構成としたが、障害釘の盤面2に対する傾斜角も測定できる構成とすると共に、管理装置7からダウンロードする釘調整指示値に、釘の傾斜角についての釘調整目標値を含ませる構成としても良い。
釘調整結果データを帳票データとして出力する場合、その釘調整結果データに含まれる釘調整目標値、測定値、誤差値及び稼動データの全てを同時に出力する必要はなく、少なくとも稼動データを含んでいれば良いものである。
【0045】
測定ユニット9と携帯端末10とを一つのユニットとして構成することも可能である。また、携帯端末10と管理装置7との間の通信を有線方式で行う構成としたが、無線方式で行う構成も可能である。
上記した実施例では、携帯端末10を設ける構成としたが、これは必要に応じて設ければ良いものである。また、携帯端末10の機能を、パチンコ遊技機1側、例えば呼出ランプユニット6に内蔵する構成とすることも可能である。この場合には、測定ユニット9と呼出ランプユニット6との間での通信が可能な構成(ワイヤード接続、ワイヤレス接続の何れでも可)とし、呼出ランプユニット6に設けた表示器により管理装置7からダウンロードした釘調整指示値を表示すると共に、呼出ランプユニット6内に設けた制御回路において、当該釘調整指示値中の釘調整目標値と測定ユニット9による測定値とを比較すると共に、両者の差をとった値が所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、その判定結果を呼出ランプユニット6に備えられたランプの点灯により報知する構成とすれば良い。例えば、釘調整目標値と測定値との差が許容範囲外であった場合には、釘調整を継続すべき旨の報知を赤色ランプの点灯で行い、許容範囲内であった場合に釘調整を終了すべき旨の報知を青色ランプの点灯で行う構成とすることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すシステム全体の概略的構成図
【図2】携帯端末の外観を示す正面図(a)、上面図(b)、側面図(c)
【図3】携帯端末の電気的構成を示す機能ブロック図
【図4】携帯端末内の制御回路による制御内容を示すフローチャート
【図5】釘調整結果データのフォーマット例を示す図
【図6】第1の異常値排除データのフォーマット例を示す図
【図7】第2の異常値排除データのフォーマット例を示す図
【符号の説明】
1はパチンコ遊技機、2は盤面、3はスタート入賞口、4は障害釘、7は管理装置(目標値指示手段、記憶手段、演算手段、出力手段)、9は測定ユニット(測定手段)、10は携帯端末、14は表示器、15は操作部、16はテンキースイッチ部、20は制御回路、22はスピーカを示す。
Claims (2)
- パチンコ遊技機の盤面から突出された任意の2本の障害釘の間隔を示す釘間隔及び/またはパチンコ遊技機の盤面から突出された任意の障害釘の傾斜角についての調整状態をパチンコ遊技機毎に区分して管理するための釘調整状態管理システムにおいて、
各パチンコ遊技機における前記釘間隔及び/または傾斜角についての釘調整目標値を設定する目標値指示手段と、
前記釘間隔及び/または傾斜角を測定する測定手段と、
この測定手段による最終的な測定値と前記釘調整目標値との差を演算した結果を誤差値として出力する演算手段と、
前記測定手段による最終的な測定値及び/または前記演算手段から出力される誤差値と、前記目標値指示手段により設定された釘調整目標値と、前記パチンコ遊技機の稼動データとを対応付け、パチンコ遊技機毎に区分した状態の釘調整結果データとして記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された釘調整結果データのうち、前記演算手段から出力される誤差値が予め設定された許容範囲内にあるデータのみを異常値排除データとして出力する出力手段とを備えたことを特徴とするパチンコ遊技機の釘調整状態管理システム。 - 前記出力手段は、前記記憶手段に記憶された釘調整結果データのうち、これに含まれる稼働データが予め設定された許容範囲外にあるデータを除外した状態の異常値排除データを出力することを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機の釘調整状態管理システム。
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