JP3565110B2 - ベッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、病院や施設等で病人用ベッドの傍らに設置して利用する場合に特に好適となる簡易形のベッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
病室等で付き添い人が宿泊したり休息をとる際に、病人用ベッドの傍らに設置して付き添い人が使用する簡易ベッドとして、従来より折り畳み式のベッドやソファーベッド等が利用されている。この折り畳み式のベッドは、折り畳み可能に構成されたフレームの上面にマットレス等を配置したものであり、不使用時には、中央部で折り畳んで壁際に立て掛けたり、病人用ベッドの下に収納しているものである。
【0003】
一方、ソファーベッドは、普段はソファーとして病人用ベッドの傍らに常設して使用し、付き添い人が宿泊したり休息を取る場合に、その背もたれ部分を座と略面一になるように倒してベッドとして使用するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の折り畳み式のベッドは、フレーム及びマットレスを折り畳む際に片側のフレーム及びマットレスを持ち上げる持ち上げ動作を行わなければならないのが通例であるため、大きな操作力を要し、特に女性や老人が操作する場合に大きな負担を強いるものである。また、ソファーベッドは、座の部分が幅広であり、背もたれを倒してベッドとして使用する場合は勿論、普段ソファーとして使用するときにも、病室において大きなスペースを占有する不具合もある。
【0005】
以上の問題点を解消するために、近時、上端に固定クッション要素を設けてなる中空体状の外ケースと、この外ケースの中空部に対して相対的に出し入れ自在な内ケースとを具備し、内ケースを、引出位置でその上端に前記外ケースの固定クッション要素に略面一に連続する可動クッション要素を配設してベッド面を形成し、挿入位置でその可動クッション要素を外ケースと干渉しない位置に撤去し得るようにしたものが考えられている。
【0006】
このような構成を採用すれば、普段は内ケースを外ケースの中空部に挿入し、可動クッション要素を外ケースと干渉しない位置に退避させることによって、コンパクトなベンチとしての利用が可能となり、また、付き添い人が宿泊したり休息をとったりするときには、内ケースを外ケースから引き出し、外ケースの上部に設けられた固定クッション要素と内ケースの上部に設けられた可動クッション要素とを略面一な連続面に展開して簡易ベッドとして有効利用することが可能となる。
【0007】
ところが、このものは、外ケース及び内ケースを移動容易とするために、それらをキャスタによって床上に移動可能に接地させる構造を採用している。このため、ベッドとして使用する場合にもソファーとして使用する場合にも、不慮にベッドやソファーが動いて極めて使い勝手が悪いという問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、上記外ケース及び内ケースからなる二重構造を採用するにあたり、内ケースの出し入れ容易性を損なうことなく、ベッドとしてもベンチとしても安定した利用が可能となるベッドを提供しようとするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
そのために、本発明のベッドは、上部に固定クッション要素を設けてなる中空体状の外ケースと、この外ケースの中空部に対して相対的に出し入れ自在な内ケースとを具備してなり、内ケースを、引出位置でその上部に前記外ケースの固定クッション要素に略面一に連続する可動クッション要素を配置してベッド面を形成し、挿入位置でその可動クッション要素を外ケースと干渉しない位置に撤去して外ケース側をベンチとして利用し得るように構成するに際して、前記外ケースを第1の支持部材を介して床上に移動し得ないように接地させ、前記内ケースを第2の支持部材を介して床上に移動し得るように接地させるとともに、内ケースを引出位置に保持する保持手段を設け、固定クッション要素と可動クッション要素の間をヒンジ要素を介して連結し、内ケースの挿入位置で可動クッション要素を反転させて固定クッション要素の上面に重合させ得るように構成し、ヒンジ要素を、ベッド面を形成した状態で固定クッション要素及び可動クッション要素の相隣接する端面の上縁間に位置する部位に設け、可動クッション要素に、一端側を前記ヒンジ要素を設けた端面と逆側の端部近傍かつ側縁近傍の上面に固定され、他端側を、ベッド面を形成する位置で内ケースの側壁の対応位置に設けた取付部に固定でき、固定クッション要素に重合する位置で外ケースの側壁の対応位置に設けた取付部に固定できるバンド要素を設け、このバンド要素を保持手段の一つとして機能させるようにしていることを特徴とする。
【0010】
このような構成のものであれば、外ケースは第1の支持部材を介して床上に安定接地されるのに対して、内ケースは第2の支持部材を介して床上を容易に移動可能な状態で接地するので、外ケースに対して挿入位置にある内ケースを、引出位置にまで平易に引き出すことができる。そして、この位置で内ケースを保持手段により保持した状態下に可動クッション要素を配置すると、可動クッション要素はその引出位置にて安定的に支持されることとなる。一方、この位置から保持手段の保持状態を解除すると、内ケースの拘束が解除されるので、内ケースは第2の支持部材の移動性を利用して容易に挿入位置へと移動することができる。そして、この状態で外ケース側をベンチとして利用する際は、荷重は外ケースを介して第1の支持部材に掛かり、第2の支持部材には直接掛からないので、床上に安定接地した状態を維持することができる。
また、固定クッション要素と可動クッション要素の間をヒンジ要素を介して連結し、内ケースの挿入位置で可動クッション要素を反転させて固定クッション要素の上面に重合させ得るように構成しているので、可動クッション要素の撤去を好適に行うことができる。
さらに、ヒンジ要素を、ベッド面を形成した状態で固定クッション要素及び可動クッション要素の相隣接する端面の上縁間に位置する部位に設けているので、ベッドとしての使用状態をより安定したものにすることができる。
加えて、可動クッション要素に、ベッド面を形成する位置で内ケースに固定でき、固定クッション要素に重合する位置で外ケースに固定できるバンド要素を設け、このバンド要素を保持手段の一つとして機能させるようにしているので、可動クッション要素が所定位置で不安定な状態となることを簡単に防止することができる。
【0011】
保持手段の好ましい態様としては、それが可動クッション要素を利用して構成されているもの、具体的には、内ケースの引出端側に設けられる起立部と、内ケースの引出位置で固定クッション要素と前記起立部の間に介在させて配置される可動クッション要素とから構成されているものが挙げられる。
起立部の好適な具体例としては、この起立部が内ケースの端部を化粧する壁部であるものが挙げられる。
【0012】
ベンチとしての座面高さを調節できるようにするためには、ヒンジ要素が、固定クッション要素と可動クッション要素の間を分離可能に連結するスライドファスナであることが望ましい。
【0013】
このベッドの機能をより充実したものにするためには、内ケースが、上方に開口する収納部を有するものであり、この収納部を蓋体により閉止した状態で外ケース内に挿入し、或いはその蓋体上に可動クッション要素を配置するようにしていることが望ましい。
このベッド全体を容易に移動させ得るようにするためには、内ケースの挿入位置で、第2の支持部材が第1の支持部材よりも引出端側に位置するように設定し、この第2の支持部材を支点に内ケースを外ケースと共に傾倒させることによって、第1の支持部材を浮上させ、それら外ケース及び内ケースを第2の支持部材を介して移動させ得るように構成していることが好ましい。
【0014】
このベッド全体を容易に移動させ得るようにするために望ましい本発明の他の実施態様の一例として、上部に固定クッション要素を設けてなる中空体状の外ケースと、この外ケースの中空部に対して相対的に出し入れ自在な内ケースとを具備してなり、内ケースを、引出位置でその上部に前記外ケースの固定クッション要素に略面一に連続する可動クッション要素を配置してベッド面を形成し、挿入位置でその可動クッション要素を外ケースと干渉しない位置に撤去して外ケース側をベンチとして利用し得るようにしたものであって、前記外ケースを第1の支持部材を介して床上に移動し得ないように接地させ、前記内ケースを第2の支持部材を介して床上に移動し得るように接地させるとともに、内ケースを引出位置に保持する保持手段を設け、外ケースが、上壁、底壁、左右の側壁及び後壁から構成され、内側に反後壁側に開口する中空部を有し、さらに前記後壁に移動時に手を掛けることのできる開口を設け、内ケースの挿入位置で、第2の支持部材が第1の支持部材よりも引出端側に位置するように設定し、前記外ケースの開口に手を掛けて前記後壁を持ち上げこの第2の支持部材を支点に内ケースを外ケースと共に傾倒させることによって、第1の支持部材を浮上させ、それら外ケース及び内ケースを第2の支持部材を介して移動させ得るように構成していることを特徴とするものが挙げられる。
【0015】
第1の支持部材にはアジャスタを採用することが好適であり、第2の支持部材にはキャスタを採用することが好適である。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示す本実施例のベッドは、主に病室等で付き添い人の利用に供するために病人用ベッドの傍らに設置して利用されるもので、上部に固定クッション要素3を設けてなる外ケース1と、この外ケース1に対して相対的に出し入れ自在な内ケース2とを具備している。そして、内ケース2を、図1に示す引出位置Pでその上部に前記外ケース1の固定クッション要素3に略面一に連続する可動クッション要素4を配置してベッド面を形成し、図2に示す挿入位置Qで可動クッション要素4を外ケース1と干渉しない位置に撤去して外ケース1側をベンチとして利用し得るようにしている。
【0017】
具体的に説明すると、外ケース1は、図1〜図6に示すように、上壁10、底壁11、左右の側壁12及び後壁13から構成され、内側に反後壁側に開口する中空部1aを有するもので、側壁12及び後壁13の上端に固定クッション要素3を固定している。後壁13の上端には、ベッドとして使用するときにヘッドレストとして使用可能なクッション材14を備え、また後壁13の面板部の下縁近傍に後述する移動時に手を掛けることのできる長円状の開口13aを設けている。なお、この外ケース1は、四隅下面を第1の支持部材であるアジャスタ5を介して床F上に移動し得ないように接地されている。
【0018】
一方、内ケース2は、底壁21、左右の側壁22、後壁23及び前壁24から構成され、内部に上方に開口する収納部2aを形成したものであり、前壁24以外の部分を前記外ケース1の中空部1aに挿入し、その挿入位置で前壁24を外ケース1の上壁10、底壁11及び左右の側壁12の対応する端面に突き当たる位置に配置できるようにしていると共に、前壁24の下縁に設けた切欠24aに手を掛けて引き出すことにより、完全に外ケース1から抜ける手前の所定引出位置Pで適宜のストッパ機構によって停止させられるようにしている。このストッパ機構も、内ケース2を所定の引出位置Pに保持するための本発明の保持手段を構成するものである。そして、この内ケース2の収納部2aに、着脱可能に蓋体20を設けている。蓋体20は、前記側壁22の内側に一段低い上面25aを形成する内板25を配置してその上面25aに支持させるように取り付けられるもので、取付位置で蓋体20の上面が側壁22、後壁23及び前壁24の各々の上面と略面一となるように設定されている。この蓋体20の面板部において中央から長手方向へ変位した位置には、図7に示すように閉止状態にある蓋体20を引き出すための取手として利用可能な開口20aが設けてある。なお、この内ケース2は、引出し端側に設けた第2の支持部材である一対のキャスタ6を介して床F上に移動し得るように支持されている。このキャスタ6は、図3に示す内ケース2の挿入位置でアジャスタ5よりも引出端側に位置するように設定してあり、前記外ケース1の開口13に手を掛けてこのキャスタ6を支点に内ケース2を外ケース1と共に図7に示すように傾倒させることによって、アジャスタ5を浮上させ、それら外ケース1及び内ケース2をキャスタ6を介して移動させ得るようにしている。
【0019】
そして、この内ケース2の上部に、可動クッション要素4を配置している。可動クッション要素4は、固定クッション要素3よりも若干厚肉且つ固定クッション要素3の略半分程度の広さを有する分割部4aを2つ連ねて構成され、ベッド面を形成した状態で内ケース2の蓋体20上に設置されるもので、この可動クッション要素4と前記固定クッション要素1の相隣接する端面41、31の上縁41a、31a間をヒンジ要素であるスライドファスナ8を介して連結している。可動クッション要素4を構成する分割部4a同士も、ベッド面を形成する状態でその相隣接する端面の上縁間をファスナや縫製等による適宜のヒンジ要素4bによって連結してある。そして、内ケース2の引出端側に設けてある化粧用の前壁24を本発明の起立部として利用して、内ケース2の引出位置Pで、この可動クッション要素4をその前壁24と固定クッション要素3との間に差し込むように介在させて取り付けることによって、固定クッション要素13と共にその上面に略連続したベッド面を形成し得るようにしている。また、この位置から前記スライドファスナ8を支点に可動クッション要素4を回転させれば、反転状態で前記固定クッション要素3の上面に重合配置することが可能である。なお、この可動クッション要素4のうち、引出端側に位置する分割部4aには、バンド要素40が設けてある。このバンド要素40は、一端側を分割部4aの側縁近傍の上面に固定され、他端側の表裏にそれぞれボダンを設けたもので、このバンド要素40のボタンをベッド面を形成する位置で内ケース2の側壁22の対応位置に設けた取付部22aに固定でき、固定クッション要素3に重合する位置で外ケース1の側壁12の対応位置に設けた取付部12aに固定できるようにして、両位置における可動クッション要素4の固定のための手段として共用している。このバンド要素40も、本発明の保持手段を構成するものである。
【0020】
以上のように、本実施例のベッドは、外ケース1に内ケース2を出し入れ自在にして選択的にベッド又はベンチとして利用できるように構成するに際して、外ケース1を第1の支持部材であるアジャスタ5を介して床F上に移動し得ないように接地させ、内ケース2を第2の支持部材であるキャスタ6を介して床F上に移動し得るように接地させるととともに、内ケース2を引出位置Pに保持する保持手段を構成するようにしたものである。
【0021】
このため、外ケース1は第1の支持部材であるアジャスタ5を介して床F上に安定接地されるのに対して、内ケース2は第2の支持部材であるキャスタ6を介して床F上を容易に移動可能な状態で接地して、外ケース1に対して挿入位置にある内ケース2を、引出位置にまで平易に引き出すことができる。そして、この位置で可動クッション要素4を配置すると、内ケース2は再び外ケース1内に挿入される方向へ挙動する事が禁止されるので、結果的に内ケース2はその引出位置Pに安定設置されることとなる。一方、この位置から可動クッション要素4を撤去すると、内ケース2の拘束が解除されるので、内ケース2は第2の支持部材であるキャスタ6の移動性によって容易に挿入位置へと移動することができる。そして、この状態で外ケース1側をベンチとして利用する際には、荷重は外ケース1を介して第1の支持部材であるアジャスタ5に掛かり、第2の支持部材であるキャスタ6には直接掛からないので、このベンチが床F上に安定接地した状態を有効に維持することができる。
【0022】
このようにして、本実施例のベッドは、内ケース2をキャスタ6を介して床F上を円滑に移動させながら外ケース1に対して容易に出し入れすることができ、付き添い人に軽快な操作性を付与することができると同時に、このような良好な操作性を取り入れても、ベットとしての利用時にはアジャスタ5の接地機能及び可動クッション要素4を利用した保持手段の戻り防止機能によって安定した設置状態を確保することができ、またベンチとしての利用時にはアジャスタ5に上載荷重を支持させることによってやはり安定した使用状態を確保することが可能となる。
【0023】
また、この実施例の保持手段は、可動クッション要素4を利用して構成されているため、別段のロック機構等を不要にすることができる。特に、保持手段を、内ケース2の引出端側に設けられる起立部たる前壁24と、内ケース2の引出位置Pで固定クッション要素3と前記前壁24の間に介在させて配置される可動クッション要素4とから構成しているため、可動クッション要素4を配置するだけで直ちにそのような保持手段を構成することができる。したがって、部品点数の増加を防ぐだけでなく、煩雑な操作も一切不要にすることができる。加えて、起立部が内ケース2の端部を化粧する前壁24であるため、更に構造の簡素化を促進することができる。
【0024】
特に、この実施例のものは、固定クッション要素3と可動クッション要素4の間をヒンジ要素であるスライドファスナ8を介して連結し、内ケース2の挿入位置で可動クッション要素4を反転させて固定クッション要素3の上面に重合させ得るように構成しているため、可動クッション要素4をベンチの座面として有効利用することができ、且つ撤去した可動クッション要素4を収納しておくための収納スペースを別途に確保することを不要にすることができる。特に、ベンチとして使用する際は荷重が一か所に集中作用するため、より良好なクッション性が要求されることとなるが、本実施例によれば両クッション要素3、4を重合させることによって好適なクッション性を確保することができる。
【0025】
この場合、ヒンジ要素であるスライドファスナ8を、ベッド面を形成した状態で固定クッション要素3及び可動クッション要素4の相隣接する端面31、41の上縁31a、41a間に位置する部位に設けているため、万一内ケース2に挿入位置に向かう外力が作用し、両クッション要素3、4がスライドファスナ8を支点にして山折り状態に折れ曲がろうとしても、それらクッション要素3、4の相隣接する端面31、41間が突き当たってそれを阻止することとなる。このため、ベッドとしての利用時における安定性をより有効に高めることができる。このような作用効果は、可動クッション要素4の分割部4a間を連結するヒンジ要素4bが同様の位置にあることによっても同様に奏されるものである。特に、両分割部4a間がこの位置で連結されていると、ベンチとして使用する際にヒンジ要素4bが逆に両分割部4aの隣接端面の下縁間に位置することとなるため、各々の分割部4aに人が着座した際に、ヒンジ要素4bに引っ張り力が作用して破断することを有効に防止することができる。
【0026】
また、上記のように、ヒンジ要素に固定クッション要素3と可動クッション要素4の間を分離可能に連結するスライドファスナ8を採用しているため、ベンチとして利用する際に座面が高すぎるような場合には、スライドファスナ8を外して可動クッション要素4を分離させることで、固定クッション要素3に直接着座して使用することもできるので、ベンチとしての座面高さに有効な選択性を持たせることができる。
【0027】
さらに、可動クッション要素4に、ベッド面を形成する位置で内ケース2に固定でき、固定クッション要素3に重合する位置で外ケース1に固定できるバンド要素40を設けているので、可動クッション要素4が所定位置で不安定な状態となることを簡単な構成で有効に防止することができる。
更にまた、内ケース2を、収納部2aを備えたものにし、この収納部2aを蓋体20で閉止して外ケース1内に挿入し、或いは蓋体20上に可動クッション要素4を配置するようにしているため、ベッドの支持強度を損なうことなしに有効な収納機能を付与することができ、狭い病室等における空間利用効率をより効果的に高めることができる。
【0028】
加えて、内ケース2の挿入位置で、第2の支持部材であるキャスタ6を第1の支持部材であるアジャスタ5よりも引出端側に位置させ、そのキャスタ6を支点に内ケース2を外ケース1と共に傾倒させて、外ケース1及び内ケース2をキャスタ6のみで支持するようにしているため、開口に手を掛けてベッド全体を容易に移動させることができ、しかも床Fからキャスタ6に掛かる反力は、内ケース2を外ケース1内に押し込む方向に作用するので、内ケース2と外ケース1の間を別段の機構を用いてロックせずとも、内ケース2が外ケース1から飛び出す事を有効に防止することができる。
【0029】
さらに、本実施例は上記のように、第1の支持部材にアジャスタ5を採用し、第2の支持部材にキャスタ6を採用しているため、簡素な構成で上記の効果を的確に奏させることができる。
なお、各部の具体的な構成は、図示実施例のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば、上記実施例では、撤去した可動クッション要素を反転させて固定クッション要素に重合させるようにしているが、可動クッション要素を固定クッション要素とは全く分離して構成して、ベンチとして使用する際にこの可動クッション要素を固定クッション要素の後端側に背もたれ的に立て掛けておくようにすること等もできる。また、可動クッション要素は、必要がなければバンド要素で固定しなくともよい。さらに、保持手段は、可動クッション要素を用いたもの以外に、ラッチ機構等を用いて構成したものであってもよい。あるいは、単に内ケース上に可動クッション要素を配置するだけであっても、使用時の荷重による内ケースと可動クッション要素の間の摩擦を保持手段として利用する事もできる。また、保持手段による保持位置は、必ずしも内ケースが外ケースから抜け出る手前の位置である必要はなく、内ケースに自立性があれば、完全に抜けた位置を引出位置として設定することもできる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載される効果を奏する。
すなわち、本発明のベッドは、外ケースに内ケースを出し入れ自在にして選択的にベッド又はベンチとして利用できるように構成するに際して、外ケースを第1の支持部材を介して床上に移動し得ないように接地させ、内ケースを第2の支持部材を介して床上に移動し得るように接地させるととともに、内ケースを保持手段によって選択的に引出位置に保持するようにしたものである。
【0031】
このため、内ケースを第2の支持部材を介して床上を円滑に移動させながら外ケースに対して容易に出し入れすることができ、付き添い人に軽快な操作性を付与することができると同時に、このような良好な操作性を取り入れても、ベットとしての利用時は第1の支持部材の接地機能及び保持手段による戻り防止機能によって、またベンチとしての利用時は第1の支持部材の接地機能によって、それぞれ安定した使用状態を確保することが可能となる。
【0032】
また、固定クッション要素と可動クッション要素の間をヒンジ要素を介して連結し、内ケースの挿入位置で可動クッション要素を反転させて固定クッション要素の上面に重合させ得るように構成しているので、可動クッション要素をベンチの座面として有効利用することができ、撤去した可動クッション要素を収納しておくための収納スペースを別途に確保することも不要にすることができる。
【0033】
さらに、ヒンジ要素を、ベッド面を形成した状態で固定クッション要素及び可動クッション要素の相隣接する端面の上縁間に位置する部位に設けているので、万一内ケースに挿入位置に向かう外力が作用し、両クッション要素がヒンジ要素を支点にして山折り状態に折れ曲がろうとしても、それらクッション要素の相隣接する端面間が突き当たってそれを阻止することとなる。このため、ベッドとしての利用時における安定性をより有効に高めることができる。
【0034】
加えて、可動クッション要素に、一端側を前記ヒンジ要素を設けた端面と逆側の端部近傍かつ側縁近傍の上面に固定され、他端側を、ベッド面を形成する位置で内ケースの側壁の対応位置に設けた取付部に固定でき、固定クッション要素に重合する位置で外ケースの側壁の対応位置に設けた取付部に固定できるバンド要素を設けているので、可動クッション要素が所定位置で不安定な状態となることを簡単な構成で有効に防止することができる。
【0035】
保持手段を、可動クッション要素を利用して構成すれば、別段のロック機構等を不要にすることができる。特に、保持手段を、内ケースの引出端側に設けられる起立部と、内ケースの引出位置で固定クッション要素と前記起立部の間に介在させて配置される可動クッション要素とから構成すれば、可動クッション要素を配置するだけで直ちにそのような保持手段を構成することができる。この起立部に、内ケースの端部を化粧する壁部を用いれば、更に構造の簡素化を促進することができる。
【0036】
ヒンジ要素に、固定クッション要素と可動クッション要素の間を分離可能に連結するスライドファスナを採用しておけば、ベンチとして利用する際に座面が高すぎる場合には、スライドファスナを外して可動クッション要素を分離させることにより、固定クッション要素に着座して使用することもできるので、ベンチとしての座面高さに有効な選択性を持たせることができる。
内ケースを、収納部を備えたものにし、この収納部を蓋体で閉止して外ケース内に挿入し、或いは蓋体上に可動クッション要素を配置するようにすれば、ベッドの支持強度を損なうことなしに有効な収納機能を付与することができ、狭い病室等における空間利用効率をより効果的に高めることができる。
【0037】
内ケースの挿入位置で、第2の支持部材を第1の支持部材よりも引出端側に位置させ、この第2の支持部材を支点に内ケースを外ケースと共に傾倒させて、外ケース及び内ケースを第2の支持部材のみで支持させるようにすれば、ベッド全体を容易に移動させることができ、しかも床から第2の支持部材に掛かる反力は内ケースを外ケース内に押し込む方向に作用するので、内ケースと外ケースの間を別段ロックせずとも、内ケースが外ケースから飛び出す事を有効に防止することができる。
【0038】
第1の支持部材にアジャスタを採用したり、第2の支持部材にキャスタを採用した場合には、簡素な構成で上記の効果を的確に奏させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例をベッドに展開した状態で示す斜視図。
【図2】同実施例を折り畳んでベンチにした状態で示す斜視図。
【図3】図2に対応した側面図。
【図4】同前面図。
【図5】図3におけるV−V線断面図。
【図6】同実施例の分解斜視図。
【図7】同実施例における内ケースの内部を示す斜視図。
【図8】同実施例の移動時の取扱方法を説明するための図。
【符号の説明】
1…外ケース
1a…中空部
2…内ケース
2a…収納部
3…固定クッション要素
4…可動クッション要素
5…第1の支持部材(アジャスタ)
6…第2の支持部材(キャスタ)
8…ヒンジ要素(スライドファスナ)
20…蓋体
24…起立部(前壁)
31、41…端面
31a、41a…上縁
40…バンド要素
F…床
P…引出位置
Q…挿入位置
Claims (10)
- 上部に固定クッション要素を設けてなる中空体状の外ケースと、この外ケースの中空部に対して相対的に出し入れ自在な内ケースとを具備してなり、内ケースを、引出位置でその上部に前記外ケースの固定クッション要素に略面一に連続する可動クッション要素を配置してベッド面を形成し、挿入位置でその可動クッション要素を外ケースと干渉しない位置に撤去して外ケース側をベンチとして利用し得るようにしたものであって、
前記外ケースを第1の支持部材を介して床上に移動し得ないように接地させ、前記内ケースを第2の支持部材を介して床上に移動し得るように接地させるとともに、内ケースを引出位置に保持する保持手段を設け、
固定クッション要素と可動クッション要素の間をヒンジ要素を介して連結し、内ケースの挿入位置で可動クッション要素を反転させて固定クッション要素の上面に重合させ得るように構成し、
ヒンジ要素を、ベッド面を形成した状態で固定クッション要素及び可動クッション要素の相隣接する端面の上縁間に位置する部位に設け、
可動クッション要素に、一端側を前記ヒンジ要素を設けた端面と逆側の端部近傍かつ側縁近傍の上面に固定され、他端側を、ベッド面を形成する位置で内ケースの側壁の対応位置に設けた取付部に固定でき、固定クッション要素に重合する位置で外ケースの側壁の対応位置に設けた取付部に固定できるバンド要素を設け、このバンド要素を保持手段の一つとして機能させるようにしていることを特徴とするベッド。 - 保持手段が、可動クッション要素を利用して構成されるものであることを特徴とする請求項1記載のベッド。
- 保持手段が、内ケースの引出端側に設けられる起立部と、内ケースの引出位置で固定クッション要素と前記起立部の間に介在させて配置される可動クッション要素とからなることを特徴とする請求項2記載のベッド。
- 起立部が、内ケースの端部を化粧する壁部であることを特徴とする請求項3記載のベッド。
- ヒンジ要素が、固定クッション要素と可動クッション要素の間を分離可能に連結するスライドファスナであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のベッド。
- 内ケースが、上方に開口する収納部を有するものであり、この収納部を蓋体により閉止した状態で外ケース内に挿入し、或いはその蓋体上に可動クッション要素を配置するようにしていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のベッド。
- 内ケースの挿入位置で、第2の支持部材が第1の支持部材よりも引出端側に位置するように設定し、この第2の支持部材を支点に内ケースを外ケースと共に傾倒させることによって、第1の支持部材を浮上させ、それら外ケース及び内ケースを第2の支持部材を介して移動させ得るように構成していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のベッド。
- 上部に固定クッション要素を設けてなる中空体状の外ケースと、この外ケースの中空部に対して相対的に出し入れ自在な内ケースとを具備してなり、内ケースを、引出位置でその上部に前記外ケースの固定クッション要素に略面一に連続する可動クッション要素を配置してベッド面を形成し、挿入位置でその可動クッション要素を外ケースと干渉しない位置に撤去して外ケース側をベンチとして利用し得るようにしたものであって、
前記外ケースを第1の支持部材を介して床上に移動し得ないように接地させ、前記内ケースを第2の支持部材を介して床上に移動し得るように接地させるとともに、内ケースを引出位置に保持する保持手段を設け、
外ケースが、上壁、底壁、左右の側壁及び後壁から構成され、内側に反後壁側に開口する中空部を有し、さらに前記後壁に移動時に手を掛けることのできる開口を設け、
内ケースの挿入位置で、第2の支持部材が第1の支持部材よりも引出端側に位置するよ うに設定し、前記外ケースの開口に手を掛けて前記後壁を持ち上げこの第2の支持部材を支点に内ケースを外ケースと共に傾倒させることによって、第1の支持部材を浮上させ、それら外ケース及び内ケースを第2の支持部材を介して移動させ得るように構成していることを特徴とするベッド。 - 第1の支持部材が、アジャスタであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のベッド。
- 第2の支持部材が、キャスタであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のベッド。
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