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JP3566243B2 - 一方向クラッチ - Google Patents
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JP3566243B2 JP2001289406A JP2001289406A JP3566243B2 JP 3566243 B2 JP3566243 B2 JP 3566243B2 JP 2001289406 A JP2001289406 A JP 2001289406A JP 2001289406 A JP2001289406 A JP 2001289406A JP 3566243 B2 JP3566243 B2 JP 3566243B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動車のスタータや自動車変速機等に用いられる一方向クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一方向クラッチとしては図5に示すものがある。この一方向クラッチは、複数のスプラグ51,51…と、上記スプラグ51の内側部51aを保持する金属製の内保持器52と、上記スプラグ51の外側部51bを保持する金属製の外保持器53と、上記スプラグ51を、図5(A)中時計回りの方向に付勢する環状のリボンスプリング55を備えている。上記外保持器53および内保持器52は、軸方向の一端に鍔部53bおよび52bを有している。上記一方向クラッチは、図示しない内輪と外輪の間に装着される。
【0003】
上記一方向クラッチは、上記内輪が図5(A)中時計回りに回転すると、スプラグ51の内側部51aと上記内輪との摩擦接触により、スプラグ51は、内側部51aを中心に反時計回りに空転側に傾動するので、上記内輪の回転トルクが上記外輪に伝わらず、上記内輪は空転する。
【0004】
また、上記内輪が図5(A)中反時計回りに回転すると、スプラグ51の内側部51aと上記内輪との摩擦接触により、スプラグ51が、内側部51aを中心に時計回りに起き上がり、スプラグ51のくさび作用で上記内輪と外輪がロックされ、上記内輪の回転トルクが外輪に伝達される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の一方向クラッチは、内保持器52と外保持器53の両方が金属で作られているので、重く、かつ高価であるという問題がある。
【0006】
そこで、最近、一方向クラッチを軽量化し、かつコストダウンする目的で、スプラグの揺動中心部を保持する内保持器に比べて必要強度が小さい外保持器をプラスチックで作製した一方向クラッチが提案されている(特開昭63−303232参照)。
【0007】
しかしながら、上記外保持器をプラスチックで作製した一方向クラッチにおいても、内保持器が金属製のままであるので、軽量化およびコストダウンが不十分であるという欠点がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、トルク伝達能力を損うことなく、十分な軽量化とコストダウンを実現できる一方向クラッチを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、内輪と外輪との間に、周方向に所定の間隔をあけて配置される複数のスプラグと、上記スプラグの内側部を保持する内保持器と、上記スプラグの外側部を保持する外保持器と、上記スプラグを一方向に付勢するスプリングを備えた一方向クラッチにおいて、
上記内保持器はプラスチックで作製される一体の環状部材であり、かつ、中実の部材であるとともに周方向に一定間隔をあけてスプラグ保持用窓が設けられており
さらに、上記内保持器の軸方向一端から径方向内側に延びる鍔部を形成すると共に上記鍔部の内周面に上記内輪と摩擦接触する弦部を上記内保持器と一体に、かつ、上記内保持器と上記内輪との締め代を許容する範囲で変形可能で、かつ、上記内保持器の径方向厚さを増やす中実の増肉部として設けたことを特徴としている。
また、一実施例では、内輪と外輪との間に、周方向に所定の間隔をあけて配置される複数のスプラグと、上記スプラグの内側部を保持する内保持器と、上記スプラグの外側部を保持する外保持器と、上記スプラグを一方向に付勢するスプリングを備えた一方向クラッチにおいて、上記外保持器および内保持器はプラスチックで作製され、上記内保持器の作製に用いるプラスチックの強度を上記外保持器の作製に用いるプラスチックの強度よりも大きくした。
【0010】
また、上記内保持器は繊維強化プラスチックで作製されていることが望ましい。
【0011】
また、上記内保持器の内周面に上記内輪と摩擦接触する突起もしくは弦部を設けたことが望ましい。
【0012】
【作用】
上記一実施例の構成によれば、外保持器と内保持器の両方がプラスチックで作製されているので、上記外保持器または内保持器の少なくとも一方が金属製である場合に比べて、十分な軽量化とコストダウンが実現される。
【0013】
また、上記内保持器の作製に用いるプラスチックの強度を上記外保持器の作製に用いるプラスチックの強度よりも大きくしたので、上記スプラグの揺動中心部となる内側部は、上記内保持器によって、上記外保持器によって保持される上記スプラグの外側部よりもしっかりと保持される。したがって、スプラグの揺動動作が確実,安定になる。したがって、内輪に対する外輪のロックとリリースを確実にでき、十分なトルク伝達能力を維持できる。
【0014】
また、上記内保持器を繊維強化プラスチックで作製した場合には、上記内保持器の軽量化が特に促進させられると共に、強度が特に向上させられる。
【0015】
また、上記内保持器の内周面に上記内輪と摩擦接触する突起もしくは弦部を設けた場合には、上記内輪の回転に上記内保持器が追随させられ、上記内輪の動きが上記内保持器を介して確実にスプラグに伝達される。
【0016】
このため、上記内輪のトルク伝達方向の回転に追随する内保持器によって、上記スプラグが確実に起立方向に揺動するので、上記内輪と外輪が確実にロックされ、内輪から外輪へのトルク伝達効率が向上する。また、上記内輪の空転方向の回転に追随する内保持器によって、上記スプラグが確実に傾斜方向に揺動させられるので、上記内輪から外輪が確実にリリースされ、内輪の空転時にスプラグと内輪との接触面圧が低下して、スプラグと内輪との摩擦が低減する。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の一方向クラッチを図示の実施例により詳細に説明する。
【0018】
図1に、第1参考例を示す。この参考例の一方向クラッチは、複数のスプラグ1と内保持器2と外保持器3および環状のリボンスプリング5を備え、図示しない内輪と外輪の間に装着される。
【0019】
上記内保持器2と外保持器3およびリボンスプリング5は、夫々周方向に一定間隔をあけて設けた窓2aと窓3aおよび5aを有している。そして、内保持器2は、上記窓2aに嵌めたスプラグ1の内側部1aを保持し、外保持器3は、上記窓3aに嵌めたスプラグ1の外側部1bを保持する。また、リボンスプリング5は上記窓5aに嵌めたスプラグ1を上記内輪および外輪との噛み合う方向(図1(A)中時計回りの方向)に付勢する。
【0020】
上記外保持器3は、軸方向の一端から径方向外側に延びる鍔部3bを有している。また、内保持器2は、軸方向の一端から径方向内側に延びる鍔部2bを有している。
【0021】
上記外保持器3はプラスチックで作られている。また、上記内保持器2は、上記外保持器3の作製に用いるプラスチックの強度よりも大きな強度を有する繊維強化プラスチックで作られている。
【0022】
上記構成の一方向クラッチは、上記内輪が図1(A)中時計回りに回転すると、スプラグ1の内側部1aと上記内輪との摩擦接触により、スプラグ1は、内側部1aを中心に反時計回りに空転側に傾動するので、上記内輪の回転トルクが上記外輪に伝わらず、上記内輪は空転する。
【0023】
また、上記内輪が図1(A)中反時計回りに回転すると、スプラグ1の内側部1aと上記内輪との摩擦接触により、スプラグ1が、内側部1aを中心に時計回りに起き上がり、スプラグ1のくさび作用で上記内輪と外輪がロックされ、上記内輪の回転トルクが外輪に伝達される。
【0024】
この参考例は、外保持器3と内保持器2の両方がプラスチックで作製されているので、上記外保持器または内保持器の少なくとも一方が金属製である従来例に比べて、十分な軽量化とコストダウンを実現できる。
【0025】
また、内保持器2の作製に用いるプラスチックの強度を外保持器3の作製に用いるプラスチックの強度よりも大きくしたので、スプラグ1の内側部1aは、内保持器2によって、外保持器3によって保持されるスプラグ1の外側部1bよりもしっかりと保持される。
【0026】
つまり、スプラグ1の揺動中心部となる内側部1aは、揺動中心部とならない外側部1bよりもしっかりと保持され、スプラグ1の揺動動作が確実,安定になり、内輪に対する外輪のロックとリリースを確実にでき、十分なトルク伝達能力を維持できる。
【0027】
また、内保持器2を繊維強化プラスチックで作製したので、内保持器2の軽量化を促進できると共に、強度を特に向上できる。
【0028】
また、外保持器3および内保持器2がプラスチック製であるので、上記鍔部3bおよび2bを容易に一体形成でき、鍔部3bおよび2bによって、外保持器3および内保持器2を容易に強度アップできる。
【0029】
次に、第2参考例を図2に示す。この参考例は、鍔部3bおよび2bを外保持器3および内保持器2の軸方向の両端に設けた点のみが第1参考例と異なる。この第2参考例によれば、第1参考例よりも、外保持器3および内保持器2の強度を向上させることができる。
【0030】
また、上記第1,第2参考例では、内保持器2の鍔部2bの内周面を円形にしたが、図3(A)に示すように、鍔部2bの内周面に内輪と摩擦接触する弦部20を設けて、内周面を多角形にしてもよい。また、図3(B)に示すように、鍔部2bの内周面に内輪と摩擦接触する複数の突起21を設けてもよい。さらに、図3(C)に示すように、内保持器2の内周面の軸方向中央に内輪と摩擦接触する複数の突起22を設けてもよい。図3(A)〜(C)に示すように、内保持器2の内周面に内輪と摩擦接触する弦部20や突起21,22を設けた場合には、上記内輪の回転に内保持器2が追随させられ、上記内輪の動きが内保持器2を介して確実にスプラグ1に伝達される。このため、上記内輪のトルク伝達方向の回転によって、スプラグ1が確実に起立方向に揺動するので、スプラグ1のくさび作用によって上記内輪と外輪が確実にロックされ、内輪から外輪へのトルク伝達効率が向上する。一方、上記内輪の空転方向の回転によって、スプラグ1が確実に傾斜方向に揺動させられるので、上記内輪から外輪が確実にリリースされ、内輪の空転時にスプラグ1と内輪との接触面圧が低下する。したがって、空転時のスプラグ1と内輪の摩耗を低減できる。
【0031】
また、図4(A)に示すように、内保持器2の軸方向両端に形成した鍔部2b,2bの内周に内輪と摩擦接触する弦部20を設けた場合、および図4(B)に示すように、上記両端の鍔部2b,2bの内周に内輪と摩擦接触する突起21を設けた場合には、内保持器2の軸方向両端において内保持器2と内輪とが摩擦接触するので、内保持器2の軸方向片側だけに弦部20や突起21を設けた場合よりも、更に確実に内輪の回転に内保持器2が追随させられ、内輪の動きが内保持器2を介して確実にスプラグ1に伝達できる。したがって、上記内輪から外輪へのトルク伝達効率および空転時のスプラグ1と内輪の摩耗低減効果を特に大きくできる。
【0032】
また、内保持器2はプラスチックで作製されるので、内保持器が金属製である従来例と異なり、上記弦部20および突起21,22を容易に一体形成できる。
【0033】
また、内保持器2はプラスチックで作製されるので、内保持器2と内輪との締め代許容範囲が広く、締め代の管理が容易である。
【0034】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の一方向クラッチは、内保持器はプラスチックで作製される一体の環状部材であるとともに周方向に一定間隔をあけてスプラグ保持用窓が設けられ、さらに、上記内保持器の軸方向一端から径方向内側に延びる鍔部を形成すると共に上記鍔部の内周面に上記内輪と摩擦接触する弦部を上記内保持器と一体に設けた。
また、一実施例では、外保持器と内保持器の両方がプラスチックで作製されているので、上記外保持器または内保持器の少なくとも一方が金属製である従来例に比べて、十分な軽量化とコストダウンを実現できる。
【0035】
また、上記一実施例では、上記内保持器の作製に用いるプラスチックの強度を上記外保持器の作製に用いるプラスチックの強度よりも大きくしたので、スプラグの揺動中心部となる内側部は、内保持器によって、外保持器によって保持される上記スプラグの外側部よりもしっかりと保持される。したがって、スプラグの揺動動作を確実,安定にできる。したがって、内輪に対する外輪のロックとリリースを確実にでき、十分なトルク伝達能力を維持できる。
【0036】
また、上記内保持器を繊維強化プラスチックで作製した場合には、上記内保持器の軽量化を特に促進できると共に、強度を特に向上できる。
【0037】
また、上記内保持器の内周面に上記内輪と摩擦接触する突起もしくは弦部を設けた場合には、上記内輪の回転に上記内保持器が追随させられ、上記内輪の動きが上記内保持器を介して確実にスプラグに伝達される。このため、上記内輪のトルク伝達方向の回転に追随する内保持器によって、上記スプラグが確実に起立方向に揺動するので、上記内輪と外輪が確実にロックされ、内輪から外輪へのトルク伝達効率を向上できる。また、上記内輪の空転方向の回転に追随する内保持器によって、上記スプラグが確実に傾斜方向に揺動させられるので、上記内輪から外輪が確実にリリースされ、内輪の空転時にスプラグと内輪との接触面圧が低下して、スプラグと内輪の摩耗を低減できる。
【0038】
また、内保持器はプラスチックで作製されるので、内保持器が金属製である従来例と異なり、上記弦部および突起を容易に一体形成できる。
【0039】
また、内保持器はプラスチックで作製されているので、内保持器と内輪との締め代許容範囲が広く、締め代の管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一方向クラッチの第1参考例の平面図と断面図を含む図である。
【図2】本発明の一方向クラッチの第2参考例の平面図と断面図を含む図である。
【図3】本発明の一方向クラッチの第1実施例の内保持器を示す図3 を含み、上記第1参考例の内保持器の変形例を示す図である。
【図4】本発明の一方向クラッチの第2実施例の内保持器を示す図4 を含み、上記第2参考例の内保持器の変形例を示す図である。
【図5】従来の一方向クラッチの平面図と断面図を含む図である。
【符号の説明】
1,51 スプラグ 2,52 内保持器
3,53 外保持器 5,55 リボンスプリング
1a,51a 内側部 1b,51b 外側部
2a,3a,5a 窓 2b,3b,52b,53b 鍔部
20 弦部 21,22 突起

Claims (1)

  1. 内輪と外輪との間に、周方向に所定の間隔をあけて配置される複数のスプラグと、上記スプラグの内側部を保持する内保持器と、上記スプラグの外側部を保持する外保持器と、上記スプラグを一方向に付勢するスプリングを備えた一方向クラッチにおいて、
    上記内保持器はプラスチックで作製される一体の環状部材であり、かつ、中実の部材であるとともに周方向に一定間隔をあけてスプラグ保持用窓が設けられており
    さらに、上記内保持器の軸方向一端から径方向内側に延びる鍔部を形成すると共に上記鍔部の内周面に上記内輪と摩擦接触する弦部を上記内保持器と一体に、かつ、上記内保持器と上記内輪との締め代を許容する範囲で変形可能で、かつ、上記内保持器の径方向厚さを増やす中実の増肉部として設けたことを特徴とする一方向クラッチ。
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