JP3566466B2 - 定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真複写機の、プリンター、FAX等の画像形成装置に用いられるトナー像の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙やフィルムなどの記録体の上に形成したトナー画像を定着する方法としては、一般に熱によりトナーを溶融して、定着する加熱定着方式が用いられている。加熱定着方式の中でも、熱効率が高く、安全であるなどの理由で、熱ローラ方式が最も広く使われている。これは例えば、2つのローラを互いに圧接し、そのうちの少なくとも一方のローラを加熱し、この定着ローラ対の圧接部分であるニップ部で未定着トナーを加熱し、記録体に定着させる方式である。
【0003】
2つのローラのうち一方を加熱する場合、加熱する方のローラを加熱ローラとよび、他方のローラを加圧ローラと呼ぶ。加熱ローラの内部には、ハロゲンランプの熱源が、加熱ローラの軸方向に内装されている。熱源としては他にセラミックスヒータ等によるものが知られている。加熱ローラの外側表面には温度センサーが取り付けられており、ニップ部の温度が定着に適した温度に維持されるように、熱源への電力供給が制御されている。
【0004】
従来、このような加熱定着装置においては、定着すべき記録体のサイズが大小異なる場合、定着ローラ対の軸方向の温度分布を均一にすることが困難であった。すなわち小サイズの記録体が通過する領域(以下通過部という)では、記録体及び記録体上の未定着トナーの加熱のために熱が消費されるが、小サイズの記録体が通過しない領域(以下非通過部という)では記録体により熱が奪われないので、加熱ローラの熱は蓄熱し、この非通過部の温度が、所定温度に維持管理される通過部のニップ部の温度よりも高くなってしまう、いわゆる非通過部温度上昇が発生する。
【0005】
そのため小サイズ記録体を連続通紙した後、大サイズ記録体を通紙した場合、例えばB5サイズ用紙を連続通紙した後、A4サイズの用紙を通紙する場合、大サイズの記録体に定着ムラやしわが発生したり、未定着トナー像の非通過部に対応した部分のトナーが溶けすぎて加熱ローラに付着し記録体の表面を汚す、いわゆるホットオフセット等の問題が生じていた。また、非通過部Bの温度が高くなりすぎると、非通過部と通過部で加熱ローラに大きな温度差が生じ、高温部と低温部での熱膨張の違いから、加熱ローラに歪みが生じ、劣化するという問題点もある。
【0006】
特に、加熱ローラの中でも、ガラスやセラミックスのパイプ表面に発熱抵抗体を形成した表面発熱ローラは、定着ローラの表面を直接加熱するため、可熱効率が良い点、加熱ローラの低熱容量化ができ、昇温時間の短縮化が可能で、そのため未使用時には加熱ローラへの通電をオフにでき、省エネルギーであるという点で優れた定着方式であるが、この表面発熱ローラの場合には、非通過部温度上昇による熱膨張の違いから、通過部と非通過部で加熱ローラ及び加圧ローラの径が互いに異なってしまい、加熱ローラが破損してしまうという不具合も生じる。
【0007】
定着ローラ対の軸方向の温度分布を均一にして、これら問題点や不具合を解決する手段としては、特開平4−51799公報、特開平6−11983号公報、特開平5−281877号公報、特開平6−250540号公報、特開平3−139682号公報、特開平5−181382号公報などがあり、しかしそれぞれに問題点や不具合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以下、上記各公報とその不具合、問題点について概説する。
【0009】
特開平4−51799号公報
定着装置の非通過部を選択的に冷却する冷却手段を設け、定着装置の温度分布を冷却手段により均一にするものである。具体的には、ファンとダクトにより、通紙中にのみ非通過部に選択的に風を送り、非通過部の温度上昇を防止する。しかしながら、これはトナー画像が形成されている側にある加熱ローラに送風しているため、送風によってトナーが飛ばされ、画像品質が劣化してしまう虞れが多々ある。加熱ローラを直接冷却しているので、端部のみを冷却しようとしても、定着を行なう中央部の温度まで低下させてしまい易い。そのため加熱した熱が、有効に用いられず、熱効率が低下し、消費電力が増大するという不具合もある。
【0010】
特開平6−11983号公報
紙サイズに応じて放熱部材を加熱ローラの端部に当接し、放熱により非通過部温度上昇を防止するものである。具体的には、ローラ状の放熱部材を、小サイズ紙通紙時の非通過部に配置し、非通過部の温度が上昇したときに、放熱部材を加熱ローラに当接して、上昇した熱を放熱することにより、加熱ローラの軸方向の温度分布を均一にする。しかしながら、放熱部材を加熱ローラに圧接、離脱するための可動部が必要となり、長時間の使用に対して故障、破損が生じやすいという不具合がある。また、加熱ローラ表面と直接接触するため、表面に傷が付きやすい。特に、この構成において加熱ローラとしてガラスや、セラミックスなどの割れやすい材料を用いた場合には、長期的な接触時の衝撃により加熱ローラそのものが破損してしまうという問題点がある。
【0011】
特開平5−281877号公報
加熱ローラ内部に2つ以上の発熱体を設け、紙幅に応じてこれら発熱体を制御するものである。詳しくは、加熱ローラの軸方向に発熱分布が異なる2つの発熱体を、加熱ローラ内部に設け、定着手段の表面温度や記録材の幅に応じて、発熱体を適宜選択して、駆動することによって、非通過部温度上昇を防止する。しかし、加熱ローラ内部に2つ以上の発熱体を入れた場合、加熱ローラを小径化することが困難であるという問題が生じる。特に、使用する紙サイズが多種である場合、例えば、A3用機でA4、B4、B5サイズの記録紙やさらには、ハガキ等にトナー像を定着する場合は、何れの記録紙でも非通過部温度上昇を解決し、加熱ローラの表面温度を精度良く均一化するには、その分の発熱分布が異なる発熱体を用いる必要があり、加熱ローラ内部に設けた場合、加熱ローラを大径化しないと配置できないので、装置が大型化してしまう、その構造が複雑になってしまい、コストが高くなるという不具合もある。
【0012】
特開平6−250540号公報
加熱体と無端ベルト上のフィルムを介して圧接する加圧ローラの一部に、加圧ローラと接して設けられた熱伝達部材、あるいは非接触で設けられた熱伝達手段を設け、加圧ローラに蓄熱する熱を均一にして、温度ムラをなくし、通過部と非通過部との温度差をなくすものである。一般に加圧ローラは冷えた状態より、温まった状態の方が記録紙が温まって、溶融したトナーが浸透しやすく、定着性が上がる。しかしながら、ただ単に、熱伝導部材を当接したのでは、非通過部ばかりでなく、通過部の熱も奪うことになり、定着性の低下が生じる。また、加熱ローラ昇温時、加熱した熱は、加圧ローラへも伝熱する。そのため単に加圧ローラの伝熱部材を設けただけでは、加圧ローラから、伝熱部材に放熱され、加熱ローラの温度上昇が遅くなるという問題点がある。
【0013】
特開平3−139682号公報
加熱ローラの周囲を覆うカバーの外側に、空気流を生じさせる空冷手段を設け、加熱ローラへの送風を可変にしたものである。一般に未定着のトナー画像が形成された記録紙は、加熱ローラ側がトナー画像面となるように搬送され、表面温度が一定に管理されている加熱ローラの熱で、定着されるよう構成されている。本公報記載の技術では、熱ローラ(加熱ローラ)側に送風しているために、その空気流によって、未定着の画像が、吹き飛ばされ、画像品質が劣化してしまうという不具合が生じる。
【0014】
特開平5−181382号公報
送風手段及び放熱窓によって、加熱ローラに送風する空気量を可変可能としたものである。しかしながら、その送風量が変えられるとはいっても、加熱ローラに送風を行なっているため、画像の乱れの発生は否めない。
【0015】
本発明は、これら従来技術の不具合、問題点を鑑みてなされたものであり、小サイズの記録体を多数枚通過することによって生じる非通過部温度上昇を改善し、ホットオフセットの発生、加熱ローラの劣化等が生じない定着装置を提供する。ガラスやセラミックス等の表面に発熱抵抗体を設けた加熱ローラの場合に生じる非通過部温度上昇による加熱ローラの破損が発生しない定着装置を提供する。非通過部温度上昇が起ることにより、加熱ローラの通過部と非通過部の径に違いが生じて、小サイズでない通常のサイズあるいは最大通紙幅の記録体をニップ部に通過したときに、通過部と非通過部との紙搬送速度の差によって、記録体にしわが発生して劣悪な画像となるのを防いだ、高品質の記録画像が得られる定着装置を提供する。昇温時間に影響を与えにくい非通過部温度上昇改善手段を有し、非通過部温度上昇改善のために稼働部を有することがなく、また、特別な装置を必要としない低コストの定着装置を提供する。
【0016】
請求項1記載の発明は、加熱ローラと、該加熱ローラに圧接する加圧ローラとを有し、前記加熱ローラと前記加圧ローラとの間に記録体を通過させることにより、前記記録体上の未定着トナー像を加熱定着する定着装置において、前記加圧ローラの小サイズの記録体が通過しない非通過部を冷却する加圧ローラ冷却手段を有し、前記加圧ローラ冷却手段が、前記加圧ローラに対向し前記加圧ローラの小サイズの記録紙が通過する通過部よりも前記非通過部において前記加圧ローラに近接する吸熱手段を有することを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の定着装置において、前記吸熱手段は、前記非通過部に対向する部分の厚さが他の部分の厚さよりも厚く設定されていることを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の定着装置において、前記吸熱手段は、前記加熱ローラと前記加圧ローラとを覆うように設置されたカバーであることを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1つに記載の定着装置において、前記加圧ローラ冷却手段が、前記吸熱手段と、前記非通過部への送風量を前記通過部への送風量よりも多くした送風装置とからなることを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の定着装置において、前記加圧ローラ冷却手段の作動タイミングを制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の定着装置において、前記制御手段は、前記記録体の大きさを検知する記録体検知手段を含むことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の定着装置において、前記制御手段は、前記非通過部の温度を検知する温度検知手段を含むことを特徴とする。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7の何れか1つに記載の定着装置において、前記加熱ローラは、その表層、あるいは表面近傍の内層に熱源を有することを特徴とする。
【0024】
請求項9記載の発明は、一連の画像形成プロセスによって形成された画像を記録体に記録する画像形成装置であって、請求項1乃至7の何れか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする。
【0025】
【作用】
本発明によれば、加圧ローラを冷却するための冷却手段を設けたので、加圧ローラの非通過部温度が大きく上昇するのを押さえ、加圧ローラと接触する加熱ローラの非通過部部温度上昇を低減する。加圧ローラの非通過部を中心に冷却することによって、加圧ローラ中央部の温度低下がなくなり、通紙中に加熱ローラの中央部温度が大きく低下することがない。加圧ローラと加圧ローラを覆う吸熱手段としてのカバーとの距離を加圧ローラの通過部と非通過部とで変えることにより、加圧ローラの加圧ローラからの放熱量が変わり、加熱ローラの非通過部温度上昇によって生じる加圧ローラの非通過部の温度上昇が押さえられる。
【0026】
【実施例】
図1、図2に示すように本発明の第1の実施例は、内部に熱源1を有する加熱ローラ2と、加熱ローラ2に圧接され、加熱ローラ2と加圧ローラ4との接触部であるニップ部3を形成する加圧ローラ4と、トナー像Tを転写された記録体としての転写紙Pをニップ部3に案内するための案内部材5を支持し、両ローラ2、4を覆うように設置され、加圧ローラを冷却するための空気を取り入れる取入口と取り入れた空気を排出する排出口とを有するカバー6と、加熱ローラ2の表面温度を設定された温度に保つため加熱ローラ2表面の温度を検知する、加熱ローラ2に接するように設けられた第1のセンサ7と、加圧ローラ4に接するように設けられた温度検知手段としての第2のセンサ8と、上記取入口に設けられ、加圧ローラ4を冷却するための加圧ローラ冷却手段としての送風装置9とを有している。
【0027】
定着ローラ対をなす両ローラ2、4は、定着ローラ対の長さに対し比較的小さいサイズの記録体(以下、小サイズ紙という)を通紙した場合、これが通過する領域である通過部A、通過しない領域である非通過部Bとを有することとなる。非通過部Bは、転写紙Pが中央基準でニップ部3を通過するとき(図2(a))はローラの両端部に、転写紙Pが端部基準でニップ部3を通過するとき(図2(b))は基準となる端部とは逆の端部に位置することとなる。第1のセンサ7は加熱ローラ2の通過部Aの上部に接するように、非通過部Bの温度を検知する温度検知手段としての第2のセンサ8は加圧ローラ4の非通過部Bの下部に接するようにそれぞれ設けられ、それらの接した部分の温度を検知する。第1のセンサ7の数は1つに限られず、様々なサイズの転写紙による通過部Aの温度を確実に検知するため、複数設けられてもよい。第2のセンサ8の数も同様、1つに限られず、様々なサイズの転写紙による非通過部Bの温度を確実に検知するため、複数設けられてもよい。
【0028】
熱源1は、ハロゲンランプからなり、加熱ローラ2の軸方向に加熱ローラ2の全長とほぼ等しい長さで配設されており、第1のセンサ7の検知値に応じて、加熱ローラ2を均一に加熱する。加圧ローラ4は、図示しない圧接機構によって、加熱ローラ2に対し接離自在に構成されている。
【0029】
加熱ローラ2は、本実施例ではAlを基材として採用しているが、他にSUSなどの金属を基材とすることもできる。基材の表面にはこれにトナーが密着するのを防止するのを目的として、離型層が設けられている。離型層の材料としては、テフロンが用いられているが他にもPFAチューブ等を用いることができる。
【0030】
離型層の形成方法には、加熱ローラに直接コートする方法や、チューブ状になったものを高温加熱して、加熱ローラに収縮、密着させる方法などがある。加熱ローラの厚さは、薄いほど熱容量が小さくなり、その分、昇温時間が速くなり好ましいが、薄すぎると加圧ローラとの圧接力によって、たわみが生じ、転写紙のしわの発生、定着性のばらつきなどの不具合が生じるため、最適な厚さを選択する必要がある。
【0031】
加圧ローラ4は、本実施例ではSUSを芯棒として採用としているが、他に鉄、Al、真鍮などの金属を芯棒とすることもできる。芯棒にはシリコンゴムの弾性体層を形成している。弾性体層としては定着に必要なニップ幅を確保するための加圧力を低減するため、発砲シリコンゴムなどの比較的柔らかい材料を用いてもよい。弾性体層の表面には、離型性を持たせるための離型層、あるいは絶縁材料であるシリコンゴムが摩擦などによって帯電し、その静電気力や、放電の発生などによって未定着のトナー画像が乱れるのを防ぐための導電層として、カーボンなどの導電性材料を含量したテフロン層を設けても良い。
【0032】
加圧ローラ4の加熱ローラ2への圧接力としては、必要なニップ幅が確保できる加圧力があれば良く、モノクロPPC、レーザープリンタ、PPFの場合、通常1Kgf〜20Kgf程度である。
【0033】
加圧ローラ4とカバー6の底部との間には、加圧ローラ4を冷却するための通風路が形成されている。通風路に風を送る冷却手段としての送風装置9は、加圧ローラ4と平行に設けられた軸を中心に回転する複数の羽根を有する、加圧ローラ4と軸方向にほぼ同じ長さのファンからなる。送風装置9は、小サイズ紙を連続通紙したときに高温となる非通過部Bに対する空気流量が通過部Aよりも多くなるように、加圧ローラ4の軸方向にわたって送風量を可変にすべく、羽根の大きさが軸方向で変化している。軸方向にわたる送風量を変化させる構成としては、他に、空気流を遮蔽したり、その方向を変更させたりする風量制御板を設けたもの、空気取入口や排出口の大きさを変化させた構成、軸方向に複数の送風装置を設けた構成などが挙げられる。複数の送風装置を設けた構成では、非通過部Bのみを選択的に冷却することができる。
【0034】
送風装置9の作動タイミングは、定着装置に送られるべき転写紙Pの枚数及び大きさを検知する記録体検知手段と第2のセンサ8とを有する制御手段により決定される。記録体検知手段は、操作者からの指令や、転写紙へトナー像を転写する際の転写紙の大きさを検知し、選択する制御部(図示せず)がこれを兼ねているが、転写紙の大きさを検知するには定着装置にセンサなどを設置してもよい。制御手段は記録体検知手段、第2のセンサ8の何れか一方を備えるものでもよい。このような構成により、通過部の加圧ローラの温度低下を少なくして、非通過部温度上昇を効果的に低減することが出来る。
【0035】
加圧ローラ4の通過部Aを選択的に冷却出来るという点で、加圧ローラ4の転写紙搬送方向に空気流を発生することが好ましいが、流路の工夫を行なうなどによって、軸方向に流すことも出来る。冷却手段として本実施例では送風装置9を用いているが、加圧ローラ4を積極的に冷却するものであれば、他にペルチェ素子などを用いてもよい。コスト面では送風装置による冷却が好ましい。送風装置9は空気の取入側に限らず、排出側に設けてもよい。送風による冷却では、空気の取入口及び排出口の大きさ、形状を適宜設定し、空気をスムーズに流すことによって空気流による異音の発生を低減することが出来る。
【0036】
PPC、レーザープリンタやPPF等に用いられている画像形成装置では、周知の帯電、露光、現像、転写という電子写真プロセスにより、転写紙Pの表面にトナー像Tが形成される。トナー像Tが形成された転写紙Pは図1中矢印C方向に搬送され、案内部材5によって定着部すなわちニップ部3に案内され、そこで加熱ローラ2の熱によって、トナー像Tが加熱定着される。その後トナー像Tが加熱定着された転写紙Pは、定着装置から排出される。定着工程では、転写紙Pによって加熱ローラ2の熱エネルギが奪われ、それによって、加熱ローラ2の温度が低下するため、第1のセンサ7がこれを検知し、熱源1が駆動され加熱ローラ2の温度は設定温度にまで加熱される。
【0037】
小サイズ紙を連続印字した場合、通過部Bのみ加熱ローラ2の熱エネルギが奪われる。加熱ローラ2の温度検知は、加熱ローラの通過部Aで行なうため、温度が低下すると、熱源1を駆動して加熱ローラ2の温度を設定温度まで上昇させる。非通過部Bでも同様に加熱されるため、非通過部Bでは温度低下がないにもかかわらず、加熱することによって、非通過部Bの温度は設定温度より上がってしまう。このとき、本発明者らの実験から、加圧ローラ4でも非通過部Bの温度が通過部Aより高くなることがわかった。
【0038】
加熱ローラ2の熱容量は小さいため、しばらく時間をおけば比較的早く非通過部温度上昇は解消されるが、加圧ローラ4の熱容量は大きく、弾性体層の材料であるシリコンゴムの熱伝導率は低いため、加圧ローラ4側の非通過部Bの温度はなかなか下がらない。従って、その後再度加熱ローラ2を回転させると、加熱ローラ2の非通過部Bは高温の加圧ローラ4と接触するため、またすぐに熱くなってしまう。
【0039】
本実施例では、小サイズ紙の連続通紙と判断された時点及び非通過部Bの温度を検知して所定温度以上であると判断された時点で、送風装置9を駆動することによって、加圧ローラ4の少なくとも非通過部Bが冷却される。そのため、加圧ローラ4の非通過部Bが通過部Aより非常に熱くなるという現象がなくなり、この加圧ローラ4と接する加熱ローラ2の非通過部温度上昇が押さえられる。
【0040】
実験例1
本実施例の構成で、以下に示すようなA3記録紙用の定着装置を作成し、それにB5幅の転写紙を連続通紙したときの非通過部Bの温度上昇を測定した。
比較例1として、送風装置9を設けない場合での測定も行なった。
【0041】
加熱ローラのサイズ:幅335mm、径30mm、熱さ0.6mm
加熱ローラ材料 :アルミニウム
熱源 :ハロゲンランプ
熱源供給電力 :1000W
加圧ローラ :径30mm、芯材=鉄、弾性体層=シリコンゴム
冷却手段 :ファンによる吸い出し
記録紙 :リコータイプ6200紙
記録紙送り速度 :90mm/s
加熱ローラ設定温度:180℃
加熱ローラ2側の本実施例における非通過部温度上昇と、比較例1の送風装置を設けない場合における非通過部温度上昇とを比較する。図3において、aは第1のセンサ7で測定した通過部Aの温度を示す。b、cは第2のセンサ8で測定した加圧ローラ4の非通過部Bの温度上昇特性を示しており、bは送風装置を有する場合の、cは送風装置を有していない場合の特性である。図3に示したように、本実施例により、小サイズ紙を連続通紙した場合の非通過部温度上昇は軽減され、通過部Aの温度との差が小さくなることがわかる。
【0042】
また、この本実施例の定着装置を用いて、B5サイズ紙を50枚連続通紙した直後に、トナー画像を形成したA4サイズ紙を通紙して、その定着画像を評価した結果、本実施例の場合には、良好な定着画像が得られたのに対して、比較例1では、非通過部Bでオフセットが生じ、また転写紙Pにしわの発生が確認され、劣悪な画像となった。また、室温から加熱ローラ設定温度までの昇温時間を比較したところ、送風装置9を連続通紙中にだけ動作させることにより、比較例1と同じ時間で昇温することが出来た。
【0043】
また、空気流量を通過部Aでは少なく、非通過部Bでは多くする、すなわち冷却能力を非通過部Bでは大きく、通過部Aでは小さくする、あるいは、非通過部Bのみを選択的に冷却することによって、通過部Aの温度が大きく低下することがないため、第1のセンサ7により温度検知を行ない、温度をコントロールしている通過部Aの温度は、送風装置9を用いない場合と同じになり、連続通紙中の消費電力に影響はない。
【0044】
図4に加熱ローラ自体が蓄熱層を持つ加熱ローラ10の3つの例を示す。
図4(a)に示す加熱ローラ10は、基材10aの表面に発熱抵抗体10bを形成し、その上に、トナーとの離型性を向上するとともに、他の部材と発熱体との接触で発熱体が損傷するのを防ぎ、また発熱抵抗体を電気的に絶縁する目的で、テフロンの耐熱樹脂層10cが形成されたものであり、図4(b)に示す加熱ローラ10は、パイプ状の基材10aの内面に、発熱抵抗体10bを形成し、基材10aの表面には、前述の耐熱樹脂層10cを形成して構成したものである。そして、図4(c)に示す加熱ローラ10は、それ自体が発熱する材料からなるローラ10dの表面に、耐熱樹脂層10cを形成して構成したものである。
【0045】
ローラ21dは導電性繊維で形成されるが、カーボン分散したセラミックス、いわゆる自己発熱セラミックスで形成してもよい。基材10aの材料としては、ガラスが用いられているが、これに限らず、セラミックス、あるいはAl、SUSなどの金属を用いてもよい。ただし、金属を用いる場合には、発熱抵抗体との電気的絶縁のためにSiO2、ポリイミドなどの樹脂材料等による絶縁層を表層に設ける必要がある。
【0046】
加熱ローラ10としては、図示していないが、その他に、基材10aそのものが発熱体となっているものがある。この発熱体としては、例えば、セラミックス中に導電性材料を分散したもの、導電性繊維を筒状に形成したものなどがあげられる。これら加熱ローラ10は、ハロゲンランプ等を用いた加熱ローラ2に比べ、熱源と加熱ローラ10とが一体となっているので、加熱ローラ10の加熱効率が良く、さらに熱源が定着が行なわれる加熱ローラ10表面近傍を直接加熱するため、加熱効率が良く、消費電力の低減が図れるという点、基材10aを薄くすることで、熱容量が小さくなり昇温時間が短くなり、PPC、レーザープリンタ、PPF等の印字までのいわゆるウェイトタイムが短くなるという点できわめて優れた定着方式である。
【0047】
基材10aにガラスを用いた場合には、ガラス自体のコストが安いという長所もある。待機時には、加熱ローラ10への電力供給を停止、あるいはわずかに供給して低い温度を維持することができる。再印字時のユーザーの待ち時間は、定着温度までの加熱立ち上がり時間を通常30秒以内、好ましくは15秒以内に短くするのが望ましい。そのためには、加熱ローラの熱さをAl、SUS、ガラスを基材とした場合には、1mm以下、セラミックスの場合にはその加工限界ぎりぎり(通常1〜2mm)まで薄くする必要がある。
【0048】
しかし一方では、これら熱容量を小さくした加熱ローラの場合には、高速機に用いた場合、その厚さが薄いために、横方向の熱の移動が起こりにくく、非通過部温度上昇が発生しやすいという不具合も有している。中でもガラスやセラミックスを基材として用いた場合には、熱伝導率が悪いため、さらに非通過部温度上昇が大きくなりやすいという不具合もある。加熱ローラ10として、これら表面又は表面近傍に熱源を有する発熱ローラを用いた場合に、特に効果的に上述した不具合を解消することが出来る。
【0049】
実験例2
加熱ローラ10を用いた構成で以下に示すようなA3用定着装置を作成し、それにA4幅の転写紙Pを連続通紙したときの非通過部の温度上昇を測定した。
比較例2として、加熱ローラ10を用い、送風装置9を有しない場合での測定も行なった。
【0050】
加熱ローラ構成 :図4(a)
熱源供給電力 :700W
加熱ローラのサイズ:幅335mm、径30mm、厚さ0.6mm、加熱部の長さ305mm
加熱ローラ材料 :ガラス
加圧ローラ :径30mm、芯材=鉄、弾性体層=シリコンゴム
冷却手段 :ファンによる吸い出し
記録紙 :リコータイプ6200紙
記録紙送り速度 :90mm/s
加熱ローラ設定温度:180℃
加熱ローラ10側の本実施例における非通過部温度上昇と、比較例2の送風装置を有しない場合における非通過部温度上昇とを比較する。図5において、aは第1のセンサ7で測定した通過部Aの温度を示す。b、cは第2のセンサ8で測定した加圧ローラ4の非通過部Bの温度上昇特性を示しており、bは送風装置を有する場合の、cは送風装置を有していない場合の特性である。図5に示すように、本発明により小サイズ紙を連続通紙した場合の非通過部温度上昇は軽減し、通過部Aの温度との差が飛躍的に小さくなり、大きく改善されていることがわかる。
【0051】
また、この本実施例の定着装置を用いて、B5サイズ紙を50枚連続通紙した直後に、トナー画像を形成したA4サイズ紙を通紙して、その定着画像を評価した結果、本実施例の場合には、良好な定着画像が得られたのに対して、比較例2では、非通過部でオフセットが生じ、また記録紙にしわの発生が確認され、劣悪な画像となった。
【0052】
室温から加熱ローラ設定温度までの昇温時間を比較したところ、送風装置9を連続通紙中にだけ動作させることにより、比較例2と同じ時間で昇温することが出来た。また、空気流の量を通過部Aでは少なく、非通過部Bでは多くする、すなわち冷却能力を非通過部Bでは大きく、通過部Aでは小さくする、あるいは、非通過部Bのみを選択的に冷却することによって、通過部Aの温度が大きく低下することがないため、第1のセンサ7により温度検知を行ない、温度をコントロールしている通過部Aは、送風装置9を用いない場合と同じになり、連続通紙中の消費電力に影響はない。
【0053】
図6(a)、(b)に、本発明の第2の実施例を示す。この実施例は、カバー11が吸熱手段を兼ねている。第1の実施例におけるカバー6の空気取入口と排出口、及び送風装置を有しておらず、加圧ローラ冷却手段が、加圧ローラ4に対向し非通過部Bにおいて加圧ローラ4に近接する吸熱手段であること、すなわち、カバー11が冷却手段としての吸熱手段を兼ねている点で第1の実施例と相違している。図6(a)、図6(b)はそれぞれ、給紙装置が、中央基準の場合、端部基準の場合を示している。加熱ローラは図4(a)に示すものを採用している。他の構成は第1の実施例と重複しているので符号を附すに留めて説明を省略する。
【0054】
加圧ローラ4とカバー11との距離は、加圧ローラ4の通過部Aと非通過部Bとに対応する部分で異なる。非通過部Bでは近接しており、通過部Aではそれより大きな間隔を有している。非通過部Bでは加圧ローラ4の熱がカバー11に放熱されやすく、通過部Aでは放熱されにくい。
【0055】
一般に、加圧ローラが冷えた状態で定着されるより、温まった状態で定着される方が、定着性、加熱ローラの定着時消費電力の点では優れている。これは、加圧ローラが温まっていることで、記録紙は加熱ローラばかりでなく、加圧ローラからも熱が供給され、記録紙自体が温まりやすくなるために、溶融したトナーが、より記録紙に浸透し、定着性が向上すること、加熱ローラの温度低下が少なくなり、再加熱のための電力が低減できることによる。
【0056】
本実施例では、通過部Aの加圧ローラ4の温度低下を少なくし、トナー像定着性の確保、加熱ローラ10の消費電力の低減をはかり、非通過部Bでは非通過部温度上昇により生じた余分な熱を奪って、加圧ローラ4の非通過部温度上昇を低減したので、それと接する加熱ローラ10の非通過部温度上昇を低減することができる。
【0057】
通過部Aと非通過部Bにおける加圧ローラ4とカバー11との距離は、それぞれ10mm、5mmに設定されているが、それぞれ、10mm以上、1mm以上10mm未満で設定することができる。非通過部Bではあまり近すぎると、加圧ローラ4と接触して加圧ローラ4を傷つけてしまうおそれがある。
【0058】
カバー11内部の温度を均一化するために、カバー11内面にAl膜などの高熱伝導性の層を設けてもよい。これにより、非通過部Bに対応する位置のカバーが高温となって吸熱効果が低下するのが防げると共に、異常に高温となって、ユーザの安全性が損なわれることを防ぐことができる。
加圧ローラ4の温度が特に高いところでは、より近接させ、やや低いところでは比較的距離を離すというというように、加圧ローラ4の微妙な温度上昇の傾向に応じてその距離を変えることも考えられる。
【0059】
実験例3
カバー11を用いた本実施例の構成で以下に示すようなA3用定着装置を作成し、それにA4幅の記録紙を連続通紙したときの非通過部Bの温度上昇を測定した。
比較例3として、距離を12mmで一定にした場合、すなわち吸熱手段を有しない場合での測定も行なった。
【0060】
加熱ローラ構成 :図4(a)
熱源供給電力 :700W
加熱ローラのサイズ :幅335mm、径30mm、厚さ0.6mm、加熱部の長さ305mm
加熱ローラ材料 :ガラス
加圧ローラ :径30mm、芯材=鉄、弾性体層=シリコンゴム
加圧ローラとカバー間距離:中央部=12mm、端部(加圧ローラ両端からそれぞれ30mmの間)=2mm
記録紙 :リコータイプ6200紙
記録紙送り速度 :90mm/s
加熱ローラ設定温度 :180℃
加熱ローラ10側の本実施例における非通過部温度上昇と、比較例3の加圧ローラ4とカバー6との距離を12mmで一定にした時の非通過部温度上昇とを比較する。図7において、aは第1のセンサ7で測定した通過部Aの温度を示す。b、cは第2のセンサ8で測定した加圧ローラ4の非通過部Bの温度上昇特性を示しており、bは吸熱手段としてのカバーを有する場合の、cは吸熱手段としてのカバーを有していない場合の特性である。図7に示すように、本実施例により、小サイズ紙を連続通紙した場合の非通過部温度上昇は軽減し、通過部Aの温度との差が飛躍的に小さくなり、大きく改善されていることがわかる。また、加圧ローラ4とカバー6との距離を2mmで一定にしたものとも比較すると、非通過部温度上昇に関しては、ほぼ同じ効果が得られるものの、昇温時間を比較すると本実施例の方が、早いことがわかった。小サイズ紙連続通紙中の消費電力も、本実施例の方が少なかった。
【0061】
また、この本実施例の定着装置を用いて、A4サイズ紙を50枚連続通紙した直後に、トナー画像を形成したA3サイズ紙を通紙して、その定着画像を評価した結果、本実施例の場合には、良好な定着画像が得られたのに対して、比較例3では、非通過部Bでオフセットが生じ、また記録紙にしわの発生が確認され、劣悪な画像となった。
【0062】
図8(a)、(b)に示す吸熱手段としてのカバー12は加圧ローラ軸方向に肉厚が異なっている。図8(a)、図8(b)はそれぞれ、給紙位置が中央基準の場合、端部基準の場合を示している。カバー12の非通過部Bに対向する部分の厚さを厚く、その他の部分の厚さを薄くすることによって、通過部Aと非通過部Bとに対向するそれぞれの部分でカバー12の有する熱容量が異なっている。これは加圧ローラ4の軸方向の温度を一定温度にするためには、非通過部Bの方がより大きな熱量を必要とすることに適っている。
【0063】
カバー12を用いることにより、非通過部Bで加圧ローラ4の熱が、通過部Aより多くカバーに放熱されても、非通過部Bの熱容量が大きいため非通過部Bに対向する部分のカバー12の部分は温まりにくく、カバー12と加圧ローラ4との温度差が大きい状態を長く保つことが出来るため、加圧ローラ4の非通過部Bの放熱効果が長く持続することが出来、それによって、加熱ローラ2の非通過部温度上昇を長く低下しておくことが出来る。
【0064】
従って、小サイズ紙を多数枚印字したときでも、非通過部Bの加圧ローラ4の温度低下を少なくし、定着性の確保、加熱ローラ2の消費電力の低減をはかり、非通過部Bでは非通過部温度上昇により生じた余分な熱を奪って、加圧ローラ4の非通過部温度上昇を低減することによって、それと接する加熱ローラ2の非通過部温度上昇を低減することが出来る。
【0065】
カバー12の非通過部Bに対向する部分の厚さは、10mmに設定されている。この厚さは出来るだけ厚い方がより温まりにくく、好ましいが、あまり厚すぎると、定着装置全体が大きくなってしまうため、7〜20mmの範囲で形成される。
【0066】
実験例4
カバー12を用いた構成で以下に示すようなA3用定着装置を作成し、それにA4幅の記録紙を連続通紙したときの非通過部の温度上昇を測定した。
【0067】
加熱ローラ構成 :図4(a)
熱源供給電力 :700W
加熱ローラのサイズ :幅335mm、径30mm、厚さ0.6mm、加熱部の長さ305mm
加熱ローラ材料 :ガラス
加圧ローラ :径30mm、芯材=鉄、弾性体層=シリコンゴム
加圧ローラとカバー間距離:中央部=12mm、端部(加圧ローラ両端からそれぞれ30mmの間)=2mm
記録紙 :リコータイプ6200紙
記録紙送り速度 :90mm/s
加熱ローラ設定温度 :180℃
この構成で、A4サイズの紙を連続100枚通紙しても、加熱ローラ2の非通過部温度上昇は、20℃以下に保持することが出来、また、この直後に、トナー画像を形成したA3サイズ紙を通紙して、その定着画像を評価した結果、オフセットや記録紙のしわもなく、良好な定着画像が得られた。
【0068】
加圧ローラ冷却手段は、説明の都合上、実施例1では送風装置のみ、実施例2では吸熱手段のみとしているが、非通過部温度上昇をより効果的に抑制するため、加圧ローラ冷却手段として両者を同時に用いることは可能であるし、記録体検知手段や温度検知手段の具体的な配置位置も含め、これらの組合わせは適宜選択可能である。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、加圧ローラを冷却するための冷却手段を設けたので、加圧ローラの非通過部温度が大きく上昇するのが押さえられ、加圧ローラと接触する加熱ローラの非通過部部温度上昇が低減できた。これにより、小サイズ紙を連続通紙した後に、それより大きな記録体を通紙しても、ホットオフセットが生じず、また、記録体にしわが発生することもなく、高画質の記録画像を得ることができた。
【0070】
加圧ローラの非通過部部を中心に冷却することによって、加圧ローラ中央部の温度低下がなくなり、通紙中に加熱ローラの中央部温度が大きく低下することがなく、設定温度を維持するための消費電力が低減できた。また、非通過部温度上昇が生じるときだけ、冷却手段を作動させることが出来るため、昇温時間に影響を与えず、昇温時間の短縮化がはかれた。
【0071】
加圧ローラと加圧ローラを覆う吸熱手段としてのカバーとの距離を加圧ローラの通過部と非通過部とで変えることにより、加圧ローラの加圧ローラからの放熱量が変わり、加熱ローラの非通過部温度上昇によって生じる加圧ローラの非通過部の温度上昇が押さえられ、しかも、非通過部温度上昇によるホットオフセットの発生や、記録体のしわの発生がなく高画質の記録画像を得ることができたばかりでなく、通過部が冷却されることがなく、適度に温まっており、加熱ローラの温度検知は、加熱ローラの通過部である中央部近傍で行なわれるため、定着時の加熱ローラへの供給電力を少なくすることが出来る。
【0072】
加圧ローラとカバーとの距離を一定にしたときに比べ、加熱ローラから加圧ローラへ移動する熱量が少なくなるため、昇温時間が長くなることなく、非通過部温度上昇の解決と、昇温時間の短縮の両方を達成することができる。非通過部に対向する部分の吸熱手段手段をの厚さを厚くしたので、加圧ローラの非通過部の温度を奪う能力が大きくなり、小サイズ紙を連続通紙する枚数を多くしても、非通過部温度上昇を低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、加圧ローラ冷却手段として送風装置を用いた場合の第1の実施例を示す定着装置の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施例における通過部、非通過部を示すための概略図である。
【図3】本発明の、送風装置を有する第1の実施例を用いた転写装置と、送風装置を有していない転写装置との、加熱ローラ各部の温度上昇のようすを比較するための図である。
【図4】本発明の第1の実施例において、図1に示した加熱ローラとは異なる構成の加熱ローラの構造を示す断面図である。
【図5】本発明の、第1の実施例において加熱ローラが図4に示すものである場合の転写装置と、送風装置を有していない転写装置との、加熱ローラ各部の温度上昇のようすを比較するための図である。
【図6】本発明の、加圧ローラ冷却手段として吸熱手段を用いた場合の第2の実施例を示す定着装置の概略図である。
【図7】図6に示した加圧ローラ冷却手段を有する定着装置と、この加圧ローラ冷却手段を有していない定着装置との、加熱ローラ各部の温度上昇のようすを比較するための図である。
【図8】本発明の、加圧ローラ冷却手段として加圧ローラの非通過部に対向する部分の吸熱手段の厚さが他の部分よりも厚いものを用いた場合の第2の実施例を示す定着装置の概略図である。
【符号の説明】
1 熱源
2、10 加熱ローラ
4 加圧ローラ
8 温度検知手段
9 送風装置
11、12 吸熱装置
A 通過部
B 非通過部
P 記録体
T トナー像
Claims (9)
- 加熱ローラと、該加熱ローラに圧接する加圧ローラとを有し、前記加熱ローラと前記加圧ローラとの間に記録体を通過させることにより、前記記録体上の未定着トナー像を加熱定着する定着装置において、前記加圧ローラの小サイズの記録体が通過しない非通過部を冷却する加圧ローラ冷却手段を有し、前記加圧ローラ冷却手段が、前記加圧ローラに対向し前記加圧ローラの小サイズの記録紙が通過する通過部よりも前記非通過部において前記加圧ローラに近接する吸熱手段を有することを特徴とする定着装置。
- 請求項1記載の定着装置において、前記吸熱手段は、前記非通過部に対向する部分の厚さが他の部分の厚さよりも厚く設定されていることを特徴とする定着装置。
- 請求項1又は2記載の定着装置において、前記吸熱手段は、前記加熱ローラと前記加圧ローラとを覆うように設置されたカバーであることを特徴とする定着装置。
- 請求項1乃至3の何れか1つに記載の定着装置において、前記加圧ローラ冷却手段が、前記吸熱手段と、前記非通過部への送風量を前記通過部への送風量よりも多くした送風装置とからなることを特徴とする定着装置。
- 請求項4記載の定着装置において、前記加圧ローラ冷却手段の作動タイミングを制御する制御手段を有することを特徴とする定着装置。
- 請求項5記載の定着装置において、前記制御手段は、前記記録体の大きさを検知する記録体検知手段を含むことを特徴とする定着装置。
- 請求項5又は6記載の定着装置において、前記制御手段は、前記非通過部の温度を検知する温度検知手段を含むことを特徴とする定着装置。
- 請求項1乃至7の何れか1つに記載の定着装置において、前記加熱ローラは、その表層、あるいは表面近傍の内層に熱源を有することを特徴とする定着装置。
- 一連の画像形成プロセスによって形成された画像を記録体に記録する画像形成装置であって、請求項1乃至7の何れか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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