JP3567255B2 - 複素粘性係数及び複素係数の測定装置及び方法 - Google Patents
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Description
本発明は粘性係数の測定に関するものであり、特に少量の流体の複素粘性係数及び複素係数(complex modulus)を測定する方法及び装置に関する。
発明の背景
流体の粘性係数とは、該流体が剪断応力のもとで流動しようとする抵抗のことである。距離dxの間隔で隔てられた、面積Aをもつ2枚のプレート間に挟まれた微小容積の流体において、各プレートがその表面と平行な平面上において速度差dvで、それぞれ移動している状態で、これらプレート上において該流体によって作用する応力fは下記のようになる。
ここでこの流体の粘性係数であるηは、与えられた温度において基本的に一定であり、剪断速度の影響を受けない。この関係を満足させる流体はニュートン流体と呼ばれているが、これは存在し得る流体のほんの一部に過ぎない。特に、多くの流体は、剪断速度の影響を受け得るような粘性だけでなく、弾性をも呈している。また、複素粘性係数(complex viscosity)を、2枚のプレートをこれらプレートの表面に対して平行に相対的な振動速度の差をもって動かす装置で測定することは従来から行われていた。なお、複素粘性係数とは、絶対値と位相成分との両方を含んだものとして定義される。
流体の粘性係数を測定するための従来の装置(即ち、粘度計)には、パイプを通過する際の流速に関するポアズイユの公式を、流体の粘性係数に関係づけたオストバルト粘度計や、流体を通過して落下する球の終端速度に関するストークスの法則を、流体の粘性係数に関係づけた落球粘度計がある。
これら従来型の粘度計はともに、流体の粘性係数は与えられた温度において基本的に一定であるという仮定のもとで有効となる。これらは非ニュートン流体の粘性係数の測定用には使用できない。更に、これらの粘度計では、粘性係数を正確に測定するためには、流体の多量のサンプルが必要となる。しかし、複素粘性係数の測定には時間がかかることが多く、測定に使用できる流体の量がほんの少ししかないことも多い。
このように、非ニュートン流体に対する複素粘性係数の迅速な測定が可能な粘度計が望まれており、ほんの少しの量の流体を用いるだけで済む粘度計が望まれている。
発明の概要
本発明は、流体の複素粘性係数の測定を行う粘度計であり、この粘度計は振動手段を有し、前記振動手段は、流体表面に、該表面に実質的に垂直な方向において交互運動を伝達することにより、前記流体に対応した交互流動を起こさせ得るようになっている。また、該流動により、前記流体が、該流体の粘性係数に関係づけられた反作用としての交互的作用力を、前記振動手段上に作用させ得るようになっている。また、粘度計は前記反作用としての交互作用力に関係づけられた作用力信号を発する作用力測定手段を有し、更に、前記流体表面の交互運動に関係づけられた運動信号を発する変位測定手段を有し、また前記作用力信号と前記運動信号に基づいて前記流体の複素粘性係数を演算する処理手段を有している。
また好ましくは、前記振動手段は電気機械式振動装置からなっており、更に好ましくは、この電気機械式振動装置は、制御信号に反応するものとなっている。
また好ましくは、前記変位測定手段は、前記流体の表面の運動に応じて変化する静電容量を示す装置からなっている。
また好ましくは、前記作用力測定手段はロードセルからなっている。
また好ましくは、前記処理手段は、前記作用力信号のフーリエ変換F(ω)及び、前記運動信号のフーリエ変換H(ω)を行い、前記作用力信号のフーリエ変換の、前記運動信号のフーリエ変換に対する比F(ω)/H(ω)を算出するものである。
また好ましくは、前記振動手段は、一方が半径aをもつ、実質的に平行な2枚のプレートから構成されており、これらプレートは平均間隔hにより開離されており、前記流体は前記2枚のプレートの間に保持されるようになっており、この状態で前記処理手段は、前記流体の複素係数G*(ω)を、下記の公式によって演算する。
また別の形として、前記振動手段は、同軸シリンダの組み合わせから構成されてもよい。
更に、本発明は、流体の粘性を測定する方法であり、この方法は、ランダム又は疑似ランダムな交互運動を流体表面に、該表面に実質的に垂直な方向において伝達することにより、前記流体に対応した交互流動を起こさせると共に、該流動により、前記流体に、該流体の複素粘性係数に関係づけられた反作用としての交互的作用力を発生させ、前記反作用としての交互的作用力に関係づけられた作用力信号を発生させ、前記流体表面の交互運動に関係づけられた運動信号を発生させ、そして前記作用力信号と前記運動信号に基づいて前記流体の複素粘性係数を演算するようにする、各ステップから構成されている。
【図面の簡単な説明】
本発明の説明は添付された以下の図面を参照に行うことにする。
図1は、本発明による粘度計を示した概要図、
図2は、図1で示す装置の理論的特性を発展させた形で使用されるプレートのパラメータの関係を示した図、
図3は、理論的に予想された値と比較した、2つの上側プレートの直径に対するLog TFとLog gapの間の関係をグラフに示した図、
図4は、本発明において使用される、流体サンプルホルダの別の実施例を示した図、
図5は、本発明において使用される、流体サンプルホルダの更に別の実施例を示した図、
図6乃至図8は、鉱油、ボガー流体、ヒアルロン酸溶液に対して個々に測定された動的粘性係数とストレージ係数(storage modulus)をグラフに示した図である。
発明の詳細な説明
剪断応力の変化の割合に応じて生じる剪断歪を呈する流体は複素粘性係数を有すると言われている。
平行な2枚の円形プレート間に液体を保持させ、これらのプレートにそれらプレートのいずれ一方の面に垂直な方向に振動を与えると、これらプレート間の間隔が、これらプレートの間で保持されている流体に対応した対応速度で変化するということが、当該技術者の間において知られている。この与えられた力f(t)と対応速度h'(t)=dh(t)/dtの間の関係は、以下の式により与えられる。
ここで、aは円形プレートの半径であり、hはこれらプレート間の平均間隔(図2参照)であり、η*は流体の複素粘性係数である。この式のフーリエ変換をとると次のようになる。
ここで、F(ω)とH(ω)は、それぞれf(t)とh(t)のフーリエ変換であり、
である。このフーリエ変換から、値が、G*(ω)=(iω)η*となっている前記流体の複素係数G*(ω)は次のように書くことができる。
こうして、この複素係数は、入力信号H(ω)に対して、F(ω)に正比例した出力信号を発する形で応答する動的システムの伝達関数と見做される。この解釈を用いることにより、前記流体の複素係数は、前記流体に対して振動変位h(t)を与え、その結果発生する力f(t)を測定し、対応するフーリエ変換F(ω)とH(ω)を演算し、等式(1)を用いて前記複素係数を演算することにより決定され得る。
図1は、本発明による粘度計100の好ましい実施例を示した概要図となっている。粘度計100は、振動装置120に制御信号を供給する信号発生器111により作動される差動増幅器110を有している。この振動装置は、運動を行わせ得る装置であればどのようなものでもよい。例えばこの振動装置は、電磁動振動装置であってもよいし、或いは圧電式、磁歪式、機械式の振動装置であってもよい。この振動装置は、所望の形で制御基準電圧により要求されるような歪を発生させるのに十分なだけの力があるものでなければならない。
好ましい実施例では、この振動装置は0.1〜1000Hzの範囲の周波数をもつものである。
振動装置又はリニアモータ120はシャフト125を作動させるようになっており、該シャフト125は、振動装置120に隣接した基端部が振動装置に接続され、該シャフト125は実質的に軸方向の運動のみ可能となる形で、拘束部材126、127を貫通し伸延している。振動装置120により前記シャフト125は、制御信号に反応する形で、その軸方向に沿って振動し、その振動はフレーム165に対して相対的な動きとなる。
上部プレート130はシャフト125の先端部に接合されている。下部プレート140は、上部プレート130に対して隣接し、かつ実質的に平行に配置されており、これらにより、流体サンプル150が充填され得る空間が形成されるようになっている。好ましくは、プレート130、140が円形であり、プレート140はプレート130よりも大きな直径をもっているほうがよい。
プレート140は作用力測定手段160上に搭載されており、この作用力測定手段160は下部プレート140を、フレーム165に対して実質的に静止した形で保持している。即ち、前記作用力測定手段は、サンプル150を介してプレート140上で作用する力のもとでコンプライアンスをとるようになっている。なお、このコンプライアンスは、プレート140に対するプレート130の動きよりも実質的に小さいものとなっている。作用力測定手段160は出力信号、即ち作用力信号を供給する。即ち、この信号f(t)は、上部プレート130の動きに対して反応する形で流体サンプル150がプレート130、140に作用させる力を示すものである。この作用力は等式(1)により流体サンプル150の粘性係数に関連付けられている。なお、前記等式(1)において、aはプレート130の半径であり、hはプレート130、140の間の平均間隔である。作用力測定手段160は出力信号を供給し得るようになっており、この出力信号は、供給された力に対して微小の位相のずれを伴った形で、略0の周波数から少なくとも所定の周波数上限までの作用力に正比例している。好ましくは、作用力測定装置160は圧電式ロードセルからなっており、また、作用力信号f(t)を供給するための歪ブリッジ増幅器175に接続されていてもよい。
前記シャフト125は、好ましくは、制御信号に反応して軸方向に振動する形のシリンダ170を形成する形で段状に形成されている。管180がシリンダ170と同軸状に搭載されている。但し、この管180はフレーム165に対して実質的に静止した形で保持されており、これにより、シリンダ170と管180の重なり具合が上部プレート130の運動に応じて変化するようになっている。シリンダ170及び管180は導電的であるが、これら相互間は電気的に絶縁されている。これにより、互いの重なり具合を示す、従って上部プレート130の運動を示す静電容量をもった電気コンデンサが形成される。静電容量測定装置190はシリンダ170及び管180に電気的に接続されており、出力信号、即ち運動信号h(t)を出力する。この信号は、上部プレート130の運動を示すものである。
好ましくは、静電容量測定装置190は電気容量比アームトランスフォーマブリッジ(a capacitance ratio arm transformer bridge)である。しかし、上部プレート130の動きを測定し、運動信号を供給できれば、その他どのような手段が採用されてもよい。例えばこのような手段は、上部プレート130の位置に応じた光の反射又は透過に基づいた光学手段であってもよい。上部プレート130の位置を測定する手段は、該上部プレートの、その中央位置に対する変位に対し、該動きに対して微小の位相のずれを伴った形で、略0の周波数から所定の周波数上限までの範囲で正比例した信号を発し得るようになっていなければならない。
差動増幅器110はサーボループを構成していてもよく、このサーボループは、ネガティブフィードバックを採用し、運動信号を入力信号と比較し、上部プレート130の動きを入力信号に正確に従うようにする必要が生じれば制御信号を修正するようになっている。
前記運動及び作用力信号、即ちh(t)及びf(t)はプロセッサ200に供給され、該プロセッサ200は、対応するフーリエ変換、即ちH(ω)及びF(ω)を演算する。これらの信号及びパラメータa、hの情報により、前記プロセッサは、等式(1)により複素係数G*(ω)を、周波数ωの各値に対して演算することができる。好ましくは、プロセッサ200は、作用力及び運動信号(これらは通常アナログ信号である)を同内容のデジタル信号にコンバートするアナログ・デジタルコンバータ176、191を有したデジタルプロセッサである。
G*(ω)が決定されると、(iω)により分割されて、複素粘性係数η*が生成されるようになっている。G*(ω)とη*の両者は実数と虚数の形で、或いはその他、所望の如何なる形でも示されるようになっている。
本発明の一実施例では、流体サンプル150は2つの平坦な円形プレートの間に保持されており、これらプレートはそれぞれ5mmの接触半径をもち、0.75mmで隔離されている。そして、粘性係数を測定するのに要求される流体の量は約0.059μLである。なお、使用される流体の量は、場合に応じて、これより多くなったり又は少なくなったりしてもよい。
しかし、流体/空気間の境界の形状の調整は、図1に示すように下部プレートが上部プレートよりも大きいほうが容易であるようだ。流体が上部プレートの円筒表面にまで少し盛り上がる程度に十分な量であれば、このプレートの下面全体が、該流体と十分かつ効果的な接触をなせるようになるものと確信される。これは下部プレートの中央に、前記平均間隔の容積により約10%ほど大なる正確な量の流体を搭載することにより達成される。また、上部プレートの縁端部が鋭利になっていることも重要である。
境界の状態は、粘度の高い流体においては調整するには更に困難である。なお、これらの流体に対しては、底の浅い容器が便利であるようだ。この容器は、下部プレートに対して1.5mmの深さをもつリング(図4を参照、但し、ノットスケールである)を取り付けることによって形成する。こうして、このように形成された容器の壁が上部プレートの周辺部から、前記平均間隔の少なくとも5倍の大きさで離れた状態になるようにする。流体は、前記平均間隔よりも約10%大きい深さで容器を満たすように十分に供給される。
圧電式及び歪ゲージ式のどちらのロードセルを使用しても良好な結果が得られる。圧電式タイプのものは、高い耐久性、高いスチフネス、良好な感度をもっているが、低い周波数においては出力がやや速く消えてしまう。歪ゲージ式タイプのものは、周波数0まで均一な反応をなすが、一般的にこわれやすくコンプライアンスがかなり大きい。ロードセルにおけるコンプライアンスは、運動及び作用力の両方の測定に付加的な動的反応の影響を与えることから好ましくない。
プロトタイプの装置における上部プレートの動きのスペクトルは、125Hzでのドライブシステムにおいて、機械的共振により完全には均一ではない。この共振は伝達関数の計算には影響しないが、周波数の上限を100Hzまでにすることにより、本作業において共振は防止された。現在の装置における周波数の範囲は、最高の周波数が可変的であるが、分析装置のノイズベースにより略2桁までに制限されている。低い周波数では、生じた作用力は小さいが、高い周波数では、いくつかの流体に関しては、生じた作用力は高く、ドライバに過負荷を与えることにより変位を減少させる必要ある程である。どちらの場合でも、信号の1つのノイズ含有量は増加し、信号間の相関関係は弱くなる。作用力は、上部プレートの直径、又は平均間隔、又はこれら両方を変化させることにより、増大したり、減少したりする。例えば、上部プレートの直径を50%増加させ、平均間隔を半分にすることにより、前記作用力が40倍増加される。
相関関係は通常、相関係数r2により測定され、この相関係数r2は、2つの信号が完全に相関した際に1となり、2つの信号が相関しない際に0となる。r2は結果の質を測定するのに便利なものであり、今回の作業で使用された。一般的にr2が0.95よりも大きい場合には、結果は信頼性があると思われる。しかしながら、こ伝達関数がそのままにモニタスクリーンに表示された場合、弱い相関関係は雑音の多い伝達関数に見なされやすい。
好ましくは、上部プレートと下部プレートとの間の平均間隔は、流体フィルムの厚さを変化させることができるように、調整可能になっている。また好ましくは、2枚のプレートの相対的位置を示す装置を有しており、これらプレートの平均間隔が望みどうりに設定できるようになっている。
振動手段は、図1に図示する実質的に平行な円形のプレート、或いは図4に示す皿状態を採用することに限定されない。有効な別の実施例では、図5に示すように、同軸状のシリンダ125、130からなる流体サンプルホルダをもつ振動装置を有している。図5に示す実施例では、外部シリンダ230は、その下端において閉塞され、但し中空となっており、容器を形成している。
好ましくは、振動装置におけるプレートは、別の形の流体サンプルホルダを使用し得るように取外し自在になっている。所定の範囲のすべての周波数において十分なエネルギーを含むならば、プレートの相対的な運動により流体上に加わる振動の波形はどのような特性のものであってもよい。このような波形は、次に示す形のどれかであってもよい。即ち、異なった周波数のいくつかの正弦波の合成、単一又は逆向きのランプ(ramps)、段階関数又は衝撃関数、或いは時間のランダム関数である。好ましくは、ランダム信号は、歪がランダムに連続的に変化し続ける形で、中央変位を中心とした対向した2枚のプレートの垂直移動を提供するように使用される。時間のランダム関数は、所定の二乗平均平方根振幅及び、周波数0から所定の上限周波数に亙って実質的に一定なパワースペクトルを有しており、当該技術者間においてよく知られた、デジタル電気擬似ランダムノイズ発生回路によって発生される。
好ましくは、2枚のプレートの平均間隔及び、時間のランダム関数の二乗平均平方根振幅及び、上限周波数がすべて可変になっている。
実験結果
a4/h3と等式(1)により示された作用力との間の関係は良好に構築されるが、小さな振幅振動歪の条件下ではまだテストされていない。本件におけるその適用可能性は、ライトシリコンオイルを用いた実験において試験された。プレートの平均間隔は最も変更しやすいパラメータとなっているので、本実験は、プレートの平均間隔と伝達関数との間の関係を試験するように設定された。2つの相違する上部プレートが使用され、これらは14.4及び9.1mmの直径をもっていた。1mmの最大間隔で、縦横比2a/hは14.4及び9.1の最小値となり、最小の間隔で28.8及び18.2に増加した。励磁振幅は間隙の5%から10%の範囲で一定であった。下部プレートは23mmの直径であった。上部プレートの半径と伝達関数の間の関係の有効性は、測定された伝達関数と、平均間隔と上部プレートの直径の各組合せについて計算された理論的な伝達関数とを比較することによって推論された。
平均間隔は0.05mmづつ、1mmから0.5mmまで小さくされ、各ステップにおいて等しい伝達関数が得られた。これらは、100Hzの最大周波数を用いた各セッティングにおける32の励磁シーケンスから求められた。これらはきわめて規則的であり、典型的なニュートン流体の様を呈した。その結果、単一の典型的な値でこれらを十分特徴づけることができ、90Hzの周波数での値が得られた。
Log hとLog TF(mag.)の間の関数は、図3に示すように、すべての場合において−3に非常に近い傾きをもった直線状であることが判明した。図3上の連続した直線は、前記流体について規定された1Pa sの公称粘性係数を用いて、2つの上部プレートの直径に対して計算された。計算された値に対するデータの類似性は、本発明による方法及び機器構造を用いたテストにおいて得られたデータ分析に対する等式(1)の適合性を示すのに用いられた。
本発明により構成されたフーリエ・マイクロレオメータにより得られた結果の例を、特性のよく知られた3つの流体について以下のように説明する。
流体1:軽鉱物潤滑油(シェル・タルパ50)。この流体はフーリエ・マイクロレオメータにより、該オイルを下部プラテンの上に配置し、15mmの直径の上部プラテンと1mmにセットされた平均間隔を使用することにより測定された。動的粘性係数とストレージ係数(storage modulus)に対する結果は、0から750ラジアン毎秒の範囲に亙って図6に図示されている。これにより、前記オイルは、0に近いストレージ係数と、調査された周波数範囲に亙った一定な動的粘性係数をもつ実質的にニュートン流体であると判明される。
流体2:灯油(6.98%)に溶かされ、小さな分子量のポリブテン(「Hyvis 3」という商品名のもの)(93%)で希釈された大きな分子量(400万から600万)のポリイソブチレン(0.244%)からなる軽ボガー(Boger)流体。ボガー流体は、非ニュートン流体の様を呈しており、D.B.ボガーとM.E.マッケイの論文、即ちJ.非ニュートン流体構造41(1991)の136−150における「理想的弾性流体の連続及び分子判定」において詳しく述べられている。器具の設定は、上部プラテンを直径10mmとし、平均間隔を1mmとする。フーリエ・マイクロレオメータによる判定において測定された態様は図7に図示されており、前記流体は殆ど一定な動的粘性係数を有しているが、周波数の増大によりスネフネス又はストレージ係数を増加させることがわかる。
流体3:蒸留水に溶かされた、高い分子量のヒアルロン酸(分子量250万)からなる希釈溶液(10%)。ヒアルロン酸はムコ多糖透析物であり、また、滑液流体の本質的な要素である。この流動学的、化学的構造は次の論文で述べられている。即ち、レオジカルアクタ10(1977)の1−7におれる、P.C.セラー、D.ドーソン、V.ライトによる「滑液流体の流動学」である。フーリエ・マイクロレオメータによる、流動学的特性の測定に対する機器の設定は、上部プラテンの直径を15mmとし、平均間隔を0.5mmに設定した。測定された周波数を伴った動的粘性係数とストレージ係数は図8に示されている。この結果により、ストレージ係数又はスチフネスは周波数とともに増加する反面、動的粘性係数は周波数とともに減少すること(通常、シアシニング(shear thinning)と呼ばれる)が示されている。
このように、少量の流体についての複素粘性係数を測定する粘度計が説明された。当該技術分野における技術者であれば、広範囲に述べられた本発明の範囲から離れること無く、クレームの範囲内で、本発明に対して様々な変形が可能なことは明白である。それ故、本説明は例示的なものであって、これに限定されるものとして解釈されてはならない。
Claims (15)
- 流体の複素粘性係数の測定を行う粘度計であり、該粘度計は振動手段を有し、前記振動手段は、流体表面に、該表面に対して実質的に垂直な方向において交互運動を伝達することにより、前記流体に対応した交互流動を起こさせ得るようになっていると共に、該流動により、前記流体が、該流体の粘性係数に関係づけられた反作用としての交互的作用力を、前記振動手段上に作用させ得るようになっており、前記反作用としての交互的作用力に関係づけられた作用力信号を発する作用力測定手段を設け、前記流体表面の交互運動に関係づけられた運動信号を発する変位測定手段を設け、前記作用力信号と前記運動信号に基づいて前記流体の複素粘性係数を演算する処理手段を設けた粘度計であり、前記交互運動は、ランダム又は擬似ランダムな運動であることを特徴とする粘度計。
- 前記振動手段は電気機械式振動装置である請求項1記載の粘度計。
- 前記振動装置は、生成された制御信号に反応するようになっている請求項2記載の粘度計。
- 前記変位測定手段は、前記流体の表面の運動に応じて変化する静電容量を示す装置を有する請求項1記載の粘度計。
- 前記作用力測定手段はロードセルである請求項1記載の粘度計。
- 前記処理手段は、前記作用力信号のフーリエ変換F(ω)及び、前記運動信号のフーリエ変換H(ω)を行い、前記作用力信号のフーリエ変換の、前記運動信号のフーリエ変換に対する比F(ω)/H(ω)を算出するようになっている請求項1記載の粘度計。
- 前記振動手段は、同軸シリンダの組み合わせを含んでいる請求項1記載の粘度計。
- 流体の粘性係数を測定する方法であり、この方法は、
ランダム又は擬似ランダムな交互運動を流体表面に、該表面に対して実質的に垂直な方向において伝達することにより、前記流体に対応した交互流動を起こさせると共に、該流動により、前記流体に、該流体の複素粘性係数に関係づけられた反作用としての交互的作用力を発生させ、
前記反作用としての交互的作用力に関係づけられた作用力信号を発し、
前記流体表面の交互運動に関係づけられた運動信号を発し、
前記作用力信号と前記運動信号を処理して前記流体の粘性係数を演算する、
これらステップから構成されている。 - 前記交互運動は電気機械式振動装置によって伝達される請求項9記載の方法。
- 変位が、前記流体表面の運動に応じて変化する静電容量を示す装置により測定されるようになっている請求項9記載の方法。
- 作用力が、ロードセルにより測定されるようになっている請求項9記載の方法。
- 前記複素粘性係数は、前記作用力信号のフーリエ変換F(ω)及び、前記運動信号のフーリエ変換H(ω)及び、前記作用力信号のフーリエ変換の、前記運動信号のフーリエ変換に対する比F(ω)/H(ω)を得ることにより演算されるようになっている請求項9記載の方法。
- 前記交互運動は、前記流体を同軸シリンダの組み合わせの間に配置することにより伝達されるようになっている請求項9記載の方法。
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