JP3567487B2 - 水なし平版印刷版原版 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は水なし平版印刷版原版に関するものであり、さらに詳しくは感光層にキノンジアジド基を有する感光性化合物を含有する水なし平版印刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レジスト材料や印刷材料等のパターン形成に用いるキノンジアジド基を有する感光性化合物が種々提案されている。
【0003】
これらの中でも、フェノールノボラック樹脂の水酸基にキノンジアジド化合物を反応させた感光性化合物、およびこれらを用いた感光性組成物が特に知られており、広く利用されている。
【0004】
しかしながら、フェノールノボラック樹脂を用いた感光性化合物は該して固くてもろく、曲げやねじれの力が加わった場合にひび割れを起こすという欠点を有していた。そのため、曲面構造やねじれ構造にパターン形成を行う場合、ひび割れによる欠落が起こる問題があった。特に印刷材料に用いる場合、印刷版は筒状の版取り付け胴に巻き付けて使用する場合がほとんどであるため、ある程度以上の柔軟性が要求される。この点でフェノールノボラック樹脂を用いた感光性化合物を感光層に含有する水なし平版印刷版原版から得られる印刷版は要求される柔軟性を有していなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記の問題点の解決を図るもので、印刷版のひび割れによる欠落等が起こらない柔軟な感光性化合物を感光層に用いた水なし平版印刷版原版を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる発明の目的は、以下の水なし平版印刷版原版によって達成することができる。
【0007】
基板上に少なくとも感光層およびシリコーンゴム層をこの順に積層してなる水なし平版印刷版原版において、該感光層が下記一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物を1種以上含有することを特徴とする水なし平版印刷版原版。
【0008】
【化4】
(式中、R1は骨格の炭素数の20%以上が芳香環以外で形成されている炭素数1〜100の置換もしくは非置換の炭化水素基であり、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよい。Mはキノンジアジド基を示す。)
【0012】
すなわち、一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物を感光層に含有する水なし平版印刷版原版から得られる印刷版はフェノールノボラック樹脂を用いた印刷版よりも柔軟であり、曲面構造やねじれ構造等の多用なパターン形成に優れている。
【0013】
一般式(I)で示される構造において、R1は、骨格の炭素数の20%以上が芳香環以外で形成されている炭素数1〜100の置換もしくは非置換の炭化水素基であり、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよい。具体例としては、置換もしくは非置換のエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよいアルキル基、置換もしくは非置換のエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよいアルケニル基、置換もしくは非置換のエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよいアリール基などが挙げられるがこれらに限定されない。感光性化合物全体として柔軟である方が有利なので、R1骨格の炭素数の20%以上が芳香環以外で形成される。
【0014】
また、キノンジアジド基としては一般に知られているものであればどのようなものでもよいが、特に一般式(V)、一般式(VI)で示される構造を有するものが好ましい。これらの構造を有する化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されず、他のものでもよい。
【0015】
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニル基,1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニル基,1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホニル基,1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−7−スルホニル基など。
【0016】
一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物の合成方法としては、以下の手順に示されるような方法が挙げられるが、これらに限定されず、他の方法で合成してもよい。
【0017】
(1)一価アルコールや多価アルコールにエピハロヒドリンを反応させてエポキシ基含有化合物を得、この化合物にヒドロキシ安息香酸を反応させてフェノール構造含有化合物を得、この化合物のフェノール性水酸基の部分にキノンジアジド化合物を反応させて得られるもの。
【0018】
ここで一価アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、1−デカノール、2−デカノールなどが挙げられるが、これらに限定されず、他のものでもよい。これらの中ではエタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、1−オクタノール、1−デカノール、2−デカノールが好ましい。
【0019】
また多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2−メチルペンタン−1,5−ジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2,3−ジメチルブタン−1,4−ジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコールなどが挙げられるが、これらに限定されず、他のものでもよい。これらの中ではエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコールが特に好ましい。
【0020】
これらの一価アルコールあるいは多価アルコールの少なくとも一つの水酸基にエピハロヒドリンを反応させることにより、エポリシ基含有化合物を得ることができる。ここでエピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンが挙げられる。
【0021】
ヒドロキシ安息香酸としては、置換あるいは非置換の2−ヒドロキシ安息香酸、置換あるいは非置換の3−ヒドロキシ安息香酸、置換あるいは非置換の4−ヒドロキシ安息香酸が挙げられる。
【0023】
キノンジアジド化合物としては、一般に知られているものであればどのようなものでもよいが、特に一般式(V)、一般式(VI)で示される構造を有するものが好ましい。これらの構造を有する化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されず、他のものでもよい。
【0024】
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸ブロミド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸ナトリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸カリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ブロミド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸カリウムなど。
【0025】
(1)で示したような合成方法、あるいはこれ以外の方法により、一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物を得ることができる。
【0026】
一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物は樹脂等と混合し適当な感光性組成物とすることにより、印刷版材用感光性組成物として用いることができる。
【0028】
印刷版材用感光性組成物として用いる場合は、該感光性化合物をポリウレタン、ポリアミドなどと混合すればよい。適宜の支持体上に印刷版材用感光性組成物からなる塗膜(感光層)を形成することにより印刷版材が得られ、該印刷版材を紫外線などで選択的に露光してパターン化することにより、印刷版が得られる。
【0029】
一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物は、水なし平版印刷版の感光層として用いられる。
【0030】
以下に水なし平版印刷版原版の構成を説明する。
【0031】
水なし平版印刷版原版は、基板上に少なくとも感光層およびシリコーンゴム層をこの順に積層してなるものであり、シリコーンゴム層のインキ反撥性を利用して湿し水を使用せずに印刷を行うことができる。
【0032】
基板としては、通常の水なし平版印刷版で用いられるもの、あるいは提案されているものであればいずれでもよく、例えばアルミニウム、銅、亜鉛、鋼などの金属板、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムあるいはシート、クロロプレンゴム、NBRのようなゴム弾性を有する基板、もしくはコート紙などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの基板の表面に適当な加工を施し、上層との接着性を向上させることは任意である。これらの内では金属板が好ましく、とりわけ表面をプレーンあるいは凹凸処理したアルミニウム板が好ましい。
【0033】
これらの基板上にはハレーション防止その他の目的でさらにプライマ層をコーティングして基板として用いることも可能である。プライマ層の構成成分としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アミド樹脂、メナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ジアゾ樹脂、ミルクカゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、アルブミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの樹脂は単独、あるいは二種以上混合して用いることができる。これらの樹脂に多官能イソシアネートやシランカップリング剤などの架橋剤を加えることにより、基板あるいは感光層との接着性を向上させることも可能である。また、検版性の向上その他の目的で必要に応じて染料、顔料、光増感剤、光発色剤などの添加剤を加えることは任意である。また、公知の触媒を添加することも任意である。
【0034】
プライマー層中の各成分の配合割合については特に限定されないが、好ましくは上記の樹脂の一種もしくは二種以上を100重量部、必要に応じて架橋剤を0〜100重量部、染料あるいは顔料などの添加剤を0〜100重量部、公知の触媒を0〜10重量部加え、膜厚0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μmで設けることにより得られるものがよい。
【0035】
また感光層としては、本発明の感光性化合物を含有する感光層が挙げられる。このような感光層においては、架橋や変性を行わない場合には、現像により露光部感光層およびその上のシリコーンゴム層が除去される。架橋あるいは変性を行った場合には、現像により露光部感光層が除去されることなく、その上のシリコーンゴム層のみが除去される。
【0036】
感光層に架橋剤を用いる場合の架橋剤としては、多官能性イソシアネート類、例えば、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートもしくはこれらのアダクト体など、あるいは多官能エポキシ化合物、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどがあげられるが、これらに限定されない。これらの熱硬化は感光性化合物の感光性を失わせない範囲、通常130℃以下で行うことが好ましく、このため通常触媒などが併用される。
【0037】
また感光層に単官能化合物を反応させて変性して現像液に難溶もしくは不溶にする場合の方法としては、同様に該感光性化合物の活発な基を例えばエステル化、アミド化、ウレタン化することなどが挙げられる。感光性化合物の活発な基と反応させる化合物としては、低分子であっても比較的高分子であってもよいし、感光性化合物にモノマをグラフト重合させてもよい。
【0038】
また、このような水なし平版印刷版に本発明の感光性化合物を用いる場合、光に対する感度効率を挙げるため、他の感光性化合物を添加することも可能である。
【0039】
他の感光性化合物としては、フェノールホルムアルデヒド樹脂(フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、カルダノール、クレゾール、キシレノール、カテコールおよびピロガロールなどのフェノール類とホルムアルデヒド類とを酸性触媒下に縮合させて得られる樹脂)にキノンジアジド基を付加した物、レゾール樹脂(例えば、上記フェノール類とホルムアルデヒド類とをアルカリ触媒下に縮合させて得られる樹脂)にキノンジアジド基を付加した物、レゾルシンベンズアルデヒド縮合樹脂にキノンジアジド基を付加した物、ピロガロールアセトン樹脂にキノンジアジド基を付加した物などが挙げられる。ここでキノンジアジド基としては、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルフォニル基、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルフォニル基、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルフォニル基などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
さらに必要であれば、これらの化合物と混合しえる有機高分子化合物を感光層中に添加することも可能である。このような有機高分子化合物としては、例えば次の▲1▼〜▲8▼に示す重合体、共重合体を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0041】
▲1▼アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルの重合体、例えばポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチルなど、およびそれらの共重合体。
【0042】
▲2▼未加流ゴム、例えばポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、スチレンブタジエンゴムなど。
【0043】
▲3▼ビニル重合体、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリブチルブチラールなど、およびそれらの共重合体。
【0044】
▲4▼ポリエーテル、例えばポリエチレンオキシドなど。
【0045】
▲5▼ポリエステル、例えばフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、アジピン酸などとエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの反応物。
【0046】
▲6▼ポリウレタン、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどと1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、▲4▼のポリエーテルポリオール、▲5▼で得られるポリエステルポリオールなどとの反応生成物。
【0047】
▲7▼エポキシ樹脂
▲8▼ポリアミド
これらの有機高分子化合物を単独、あるいは二種以上用いることにより、感光層の膜の形態保持性その他を向上させることが可能である。これらの有機高分子化合物の中では▲1▼、▲2▼、▲6▼、▲7▼が特に好ましい。
【0048】
更に、キノンジアジド化合物の光反応性向上その他の目的で、公知の光開始剤あるいは光増感剤を添加することも可能である。添加する光開始剤あるいは光増感剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α、α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンなどのベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、フルオレノン、キサントン、チオキサントン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、4,4´−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中ではベンゾフェノン類が特に有効である。
【0049】
上記の諸成分に加え、必要に応じて染料、顔料、光発色剤などの添加剤や公知の触媒を加えることは任意である。
【0050】
感光層中の各成分の配合割合については特に限定されないが、好ましくは本発明の感光性化合物を1〜100重量部、他の感光性化合物を0〜100重量部、架橋剤あるいは感光性化合物の活発な基と反応させる化合物を0〜10000重量部、有機高分子化合物を0〜10000重量部、光開始剤あるいは光増感剤を0〜100重量部、必要に応じて添加剤や公知の触媒などを各々0〜100重量部加え、膜厚0.1〜100μm、好ましくは0.5〜10μmで設けることによって得られるのがよい。薄すぎると感光層中にハジキを生じやすくなり、厚すぎると経済的に不利であるので上記の範囲が好ましい。
【0051】
シリコーンゴム層は、次の▲1▼〜▲2▼に示されるシリコーンゴムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
▲1▼下記一般式(VIII)で示される分子量100〜100万、好ましくは1000〜50万の有機ポリシロキサンを架橋することにより得られるもの。
【0053】
【化5】
(式中、mは2以上の整数、R5、R6は炭素数1〜50の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換もしくは非置換のアルケニル基、炭素数5〜50の置換もしくは非置換のアリール基の群から選ばれるすくなくとも一種であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、特にメチル基が60%以上のものが好ましい。)
このような有機ポリシロキサンは有機過酸化物を添加して熱処理を施すことにより、さらに架橋したシリコーンゴムとすることもできる。
【0054】
有機ポリシロキサンを架橋する一般的な方法としては、ケイ素原子に直接結合した加水分解性官能基含有ケイ素化合物により有機ポリシロキサンを架橋する方法が挙げられ、特に末端がシラノール構造を持つ有機ポリシロキサンとケイ素原子に直接結合したアルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基アミド基、アミノオキシ基、アミノ基、アルケニルオキシ基、水素などの官能基を二個以上有するケイ素化合物との反応により硬化し、ゴムとすることが通常用いられる方法である。また、ラジカル開始剤により、有機ポリシロキサンを硬化させてゴムとすることも可能である。これらの硬化において、公知の触媒を加えることは任意である。
【0055】
▲2▼下記一般式(IX)で示される基を有する有機ポリシロキサンと下記一般式(X)で示される基を有するポリシロキサン化合物との付加反応により架橋を行ったもの。
【0056】
【化6】
【化7】
(式中、R7、R8は炭素数1〜50の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換もしくは非置換のアルケニル基、炭素数5〜50の置換もしくは非置換のアリール基の群から選ばれるすくなくとも一種であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
このようなシリコーンゴムは、多価ハイドロジェン有機ポリシロキサンと、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物との反応によって得られる。ここで、一般式(IX)の基は分子鎖末端、中間のいずれにあってもよい。また、一般式(X)の基も分子鎖末端、中間のいずれにあってもよい。一般式(IX)の基および一般式(X)の基以外の有機基としては、炭素数1〜50の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換もしくは非置換のアルケニル基、炭素数5〜50の置換もしくは非置換のアリール基などが挙げられるが、特にメチル基が60%以上のものが好ましい。一般式(IX)で示される基を有する有機ポリシロキサンおよび一般式(X)で示される基を有するポリシロキサン化合物の分子量はそれぞれ独立して100〜100万のものが好ましく、1000〜50万のものがより好ましい。この付加反応において、公知の触媒を加えることは任意である。
【0057】
シリコーンゴム層中の各成分の配合割合については特に限定されないが、▲1▼のシリコーンゴム層の場合は一般式(VIII)で示される有機ポリシロキサンを100重量部、ケイ素原子に直接結合した加水分解性官能基含有ケイ素化合物を0.1〜100重量部、必要に応じて公知の触媒を0〜50重量部加えた組成で、膜厚0.1〜100μm、好ましくは0.5〜30μmで設けることによって得られるのがよい。また、▲2▼のシリコーンゴム層の場合は一般式(IX)で示される基を有する有機ポリシロキサンを100重量部、一般式(X)で示される基を有するポリシロキサン化合物0.1〜1000重量部、必要に応じて公知の触媒を0〜50重量部加えた組成で膜厚0.1〜100μm、好ましくは0.5〜30μmで設けることによって得られるのがよい。
【0058】
上記のような水なし平版印刷版において、基板と感光層、感光層とシリコーンゴム層との接着は、画像再現性、耐刷力などの基本的な版性能にとって非常に重要であるので、必要に応じて各層間の接着剤層を設けたり、各層に接着性改良成分を添加したりすることが可能である。特に感光層とシリコーンゴム層間の接着のために、層間に公知のシリコーンプライマやシランカップリンク剤を設けたり、シリコーンゴム層あるいは感光層にシリコーンプライマやシランカップリング剤を添加すると効果的である。このような接着剤層を設ける場合、接着剤層の膜厚については特に限定されないが、0.05〜100μm、好ましくは0.5〜30μmで設けることによって得られるのがよい。
【0059】
以上説明したようにして構成された水なし平版印刷版の表面を形成するシリコーンゴム層を保護するなどの目的で、シリコーンゴム層の表面にプレーンまたは凹凸処理した保護フィルムをラミネートまたはプラスチックシート状物を塗布または転写して保護層とすることも可能である。このような保護フィルムあるいは保護層の膜厚については特に限定されないが、0.05〜1000μm、好ましくは0.5〜100μmで設けることによって得られるのがよい。
【0060】
以上説明した水なし平版印刷版は、例えば次のようにして製造されるが、これらに限定されない。まず基板上に、リバースロールコータ、エアナイフコータ、メーヤバーコータなどの通常のコータ、あるいはホエラのような回転塗布装置、その他の塗布装置を用い、必要な場合プライマー層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュア後、この上に感光層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュアし、その後必要ならば該感光層上に接着剤層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュアし、この上にシリコーンゴム層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュアし、最後に必要ならば保護フィルムをラミネータなどを用いてかける。
【0061】
このようにして製造された水なし平版印刷用原版は、例えば光透過性保護フィルムの場合はそのまま、あるいは剥いで、光透過性の劣るフィルムの場合は剥いでから真空密着されたネガフィルムを通して活性光線で露光される。この露光工程で用いられる光源は、紫外線を豊富に発生するものであり、水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、蛍光灯などを用いることができるが、これらに限定されない。
【0062】
次いで、保護フィルムがある時は剥いでから版面を現像液を含んだ現像用パットでこすると露光部のシリコーンゴム層が除去され、場合によってはその下の感光層も除去され、インキ受容部となる。
【0063】
現像液としては、水なし平版印刷版の現像液として提案されているものであればどのようなものでもよく、例えば、水、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、エステル類およびこれらの二種以上を混合したものなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
現像方法としては、手による現像でも公知の現像装置による現像でもよいが、好ましくは前処理部と現像部、および後処理部がこの順に設けられている現像装置を用いるのがよい。
【0065】
【実施例】
以下、具体的な合成例および実施例を示すが、本発明はこれらに限定されず、他の合成方法を用いてもよく、また他の分野の実施に応用してもよい。
【0066】
合成例1
【化8】
エチレングリコール30.0g、エピクロロヒドリン95g、水酸化ナトリウム40.0g、水200.0gを混合し、攪拌しながら10時間加熱環流により反応させた。反応後、減圧乾燥により水を除去し、濾過により生成物を副生成物の塩化ナトリウムとを分離した。
【0067】
この生成物85.0gと4−ヒドロキシ安息香酸140.0g、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド2.5g,ジオキサン200gを混合し、攪拌しながら70℃で8時間反応させた。反応後、水とジエチルエーテルを加え、分液ロ−トヲ用いて分液し、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した。濾過により硫酸ナトリウムを除去し、減圧乾燥にて溶媒を除去し、生成物を得た。
【0068】
この生成物20.0gと1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド20.0gとをジオキサン200.0gに溶解させた。次に、炭酸ナトリウム6.0gを水54.0gに溶解させ、この炭酸ナトリウム10重量%水溶液を前述のジオキサン溶液中に10分間かけて滴下した。(この際、ジオキサン溶液は攪拌を行い、40℃に液温度を保った。)滴下終了後、40℃に液温度を保ったまま、4時間攪拌しながら反応させた。反応後、水1000.0g中に反応溶液を注ぎ、生成物を析出させ、10時間放置することにより生成物を沈降させた。デカンテーションにより上澄液を除去し、減圧乾燥を行い、目的とする感光性化合物Aを得た。
【0069】
合成例2
合成例1において、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド20.0gを1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド20.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Bを得た。
【0070】
合成例3
合成例1において、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド20.0gを1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド15.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Cを得た。
【0071】
合成例4
合成例1において、4−ヒドロキシ安息香酸140.0gを2−ヒドロキシ安息香酸140.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Dを得た。
【0072】
【0074】
合成例5
合成例1において、エチレングリコール30.0gをグリセリン30.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Gを得た。
【0075】
合成例6
合成例1において、エチレングルコール30.0gをトリメチロールプロパン25.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Hを得た。
【0076】
【0085】
実施例1
厚さ0.3mmの脱脂したアルミ板に下記プライマー組成物を塗布し、100℃、5分間加熱処理して、乾燥後の膜厚15μmのプライマー層を形成した。
【0086】
その後、3kW超高圧水銀灯を用いて、0.6J/cm2 の全面露光を20秒間、窒素下で行って硬化させた。
【0087】
この上に、下記の感光液を塗布し、110℃、30秒間加熱処理し、乾燥後の膜厚1.5μmの感光層を形成した。
【0088】
(a)合成例1で合成した感光性化合物A 74重量部
(b)1,6−ヘキサンジイソシアネート 17重量部
(c)2−ヒドロキシエチルメタクリレート/N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドのモル比30/70の共重合樹脂 31重量部
(d)N−メチルアクリドン 3.2重量部
(e)2,4−ジエチルチオキサントン 3.2重量部
(f)乳酸 1重量部
(g)ジメチル錫ジラウレート 0.6重量部
(h)ジオキサン 770重量部
この感光層の上に、下記のシリコーンゴム組成物を塗布し、95℃、10分間加熱処理し、乾燥後の膜厚2μmのシリコーンゴム層を形成した。
【0089】
このようにして設けたシリコーンゴム層の表面に厚さ6μmの片面マット化二軸延伸ポリプロピレンフィルムをマット化されていない面がシリコーンゴム層と接するようにラミネートし、水なし平版印刷用原版を得た。
【0090】
この水なし平版印刷用原版にメタルハライドランプ(岩崎電気(株)製“アイドルフィン”2000)を用い、UVメーター(オーク製作所製“ライトメジャータイプUV−402A”)で25mJ/cm2 の露光を行った。上記のようにして得られた印刷用原版に150線/インチの網点画像を持つネガフィルムを真空密着し、上記のメタルハライドランプを用い、240mJ/cm2 の露光を行った。
【0091】
露光後、保護フィルムを剥離し、室温28℃、湿度60%の条件で、TWL−860K(東レ(株)製水なし平版印刷用原版の現像装置)を用いて現像を行った。ここで、前処理液としては、以下の組成を有する液を用いた。
【0092】
現像液としては、水を用いた。染色液としては、以下の組成を有する液を用いた。
【0093】
(a)“ソルフィット”(クラレイソプレン化学(株A)製) 20重量部
(b)“レオドール TW−0120”(花王(株)製;界面活性剤)0.5重量部
(c)ベンジルアルコール 5重量部
(d)ビクトリアピュアブルーBOH(保土ケ谷化学(株)製;染料)1.0重量部
(e)水 100重量部
この印刷版を商業オフ輪印刷機(“LITHOPIA”三菱重工(株)製)に取り付け、大日本インキ化学工業(株)製“ドライオカラー”墨、藍、紅、黄インキを用いて、650r.p.m..のスピードで上質紙に印刷を行い、耐刷テストを行った。結果は表2の通りであり、印刷終了後に印刷版を検査したが、印刷版の損傷は軽度であり、引き続き印刷を行うことが可能であった。
【0094】
実施例2〜6
実施例1において、感光層に用いた感光性化合物AをB〜D、G、Hに変更した以外は全て実施例1と同様にして水なし平版印刷版を作製し、実施例1と同様の耐刷テストを行った。結果は表1の通りであり、印刷終了後に印刷版を検査したが、印刷版の損傷は軽度であり、引き続き印刷を行うことが可能であった。
【0095】
比較例1
実施例1において、感光層に用いた感光性化合物Aを以下の化合物に変更した以外は全て実施例1と同様にして水なし平版印刷版を作製し、実施例1と同様の耐刷テストを行った。
【0096】
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸とフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂(住友デュレズ製“スミライトレジン”PR50622)の部分エステル(元素分析法によるエステル化度30%)
結果は表1の通りであり、印刷終了後に印刷版を検査したところ、印刷版の損傷が激しく、引き続き印刷を行うことは不可能であった。
【0097】
【表1】
【0098】
【発明の効果】
本発明の水なし平版印刷版原版は上記のような特徴を有しているので、感光層のひび割れによる欠落がなく、優れた耐刷性を有する印刷版を得ることができる。
【産業上の利用分野】
本発明は水なし平版印刷版原版に関するものであり、さらに詳しくは感光層にキノンジアジド基を有する感光性化合物を含有する水なし平版印刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レジスト材料や印刷材料等のパターン形成に用いるキノンジアジド基を有する感光性化合物が種々提案されている。
【0003】
これらの中でも、フェノールノボラック樹脂の水酸基にキノンジアジド化合物を反応させた感光性化合物、およびこれらを用いた感光性組成物が特に知られており、広く利用されている。
【0004】
しかしながら、フェノールノボラック樹脂を用いた感光性化合物は該して固くてもろく、曲げやねじれの力が加わった場合にひび割れを起こすという欠点を有していた。そのため、曲面構造やねじれ構造にパターン形成を行う場合、ひび割れによる欠落が起こる問題があった。特に印刷材料に用いる場合、印刷版は筒状の版取り付け胴に巻き付けて使用する場合がほとんどであるため、ある程度以上の柔軟性が要求される。この点でフェノールノボラック樹脂を用いた感光性化合物を感光層に含有する水なし平版印刷版原版から得られる印刷版は要求される柔軟性を有していなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記の問題点の解決を図るもので、印刷版のひび割れによる欠落等が起こらない柔軟な感光性化合物を感光層に用いた水なし平版印刷版原版を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる発明の目的は、以下の水なし平版印刷版原版によって達成することができる。
【0007】
基板上に少なくとも感光層およびシリコーンゴム層をこの順に積層してなる水なし平版印刷版原版において、該感光層が下記一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物を1種以上含有することを特徴とする水なし平版印刷版原版。
【0008】
【化4】
(式中、R1は骨格の炭素数の20%以上が芳香環以外で形成されている炭素数1〜100の置換もしくは非置換の炭化水素基であり、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよい。Mはキノンジアジド基を示す。)
【0012】
すなわち、一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物を感光層に含有する水なし平版印刷版原版から得られる印刷版はフェノールノボラック樹脂を用いた印刷版よりも柔軟であり、曲面構造やねじれ構造等の多用なパターン形成に優れている。
【0013】
一般式(I)で示される構造において、R1は、骨格の炭素数の20%以上が芳香環以外で形成されている炭素数1〜100の置換もしくは非置換の炭化水素基であり、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよい。具体例としては、置換もしくは非置換のエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよいアルキル基、置換もしくは非置換のエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよいアルケニル基、置換もしくは非置換のエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ケイ素原子、窒素原子を含んでいてもよいアリール基などが挙げられるがこれらに限定されない。感光性化合物全体として柔軟である方が有利なので、R1骨格の炭素数の20%以上が芳香環以外で形成される。
【0014】
また、キノンジアジド基としては一般に知られているものであればどのようなものでもよいが、特に一般式(V)、一般式(VI)で示される構造を有するものが好ましい。これらの構造を有する化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されず、他のものでもよい。
【0015】
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニル基,1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニル基,1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホニル基,1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−7−スルホニル基など。
【0016】
一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物の合成方法としては、以下の手順に示されるような方法が挙げられるが、これらに限定されず、他の方法で合成してもよい。
【0017】
(1)一価アルコールや多価アルコールにエピハロヒドリンを反応させてエポキシ基含有化合物を得、この化合物にヒドロキシ安息香酸を反応させてフェノール構造含有化合物を得、この化合物のフェノール性水酸基の部分にキノンジアジド化合物を反応させて得られるもの。
【0018】
ここで一価アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、1−デカノール、2−デカノールなどが挙げられるが、これらに限定されず、他のものでもよい。これらの中ではエタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、1−オクタノール、1−デカノール、2−デカノールが好ましい。
【0019】
また多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2−メチルペンタン−1,5−ジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2,3−ジメチルブタン−1,4−ジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコールなどが挙げられるが、これらに限定されず、他のものでもよい。これらの中ではエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコールが特に好ましい。
【0020】
これらの一価アルコールあるいは多価アルコールの少なくとも一つの水酸基にエピハロヒドリンを反応させることにより、エポリシ基含有化合物を得ることができる。ここでエピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンが挙げられる。
【0021】
ヒドロキシ安息香酸としては、置換あるいは非置換の2−ヒドロキシ安息香酸、置換あるいは非置換の3−ヒドロキシ安息香酸、置換あるいは非置換の4−ヒドロキシ安息香酸が挙げられる。
【0023】
キノンジアジド化合物としては、一般に知られているものであればどのようなものでもよいが、特に一般式(V)、一般式(VI)で示される構造を有するものが好ましい。これらの構造を有する化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されず、他のものでもよい。
【0024】
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸ブロミド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸ナトリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸カリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ブロミド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸カリウムなど。
【0025】
(1)で示したような合成方法、あるいはこれ以外の方法により、一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物を得ることができる。
【0026】
一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物は樹脂等と混合し適当な感光性組成物とすることにより、印刷版材用感光性組成物として用いることができる。
【0028】
印刷版材用感光性組成物として用いる場合は、該感光性化合物をポリウレタン、ポリアミドなどと混合すればよい。適宜の支持体上に印刷版材用感光性組成物からなる塗膜(感光層)を形成することにより印刷版材が得られ、該印刷版材を紫外線などで選択的に露光してパターン化することにより、印刷版が得られる。
【0029】
一般式(I)で示される構造を少なくとも1つ含有する感光性化合物は、水なし平版印刷版の感光層として用いられる。
【0030】
以下に水なし平版印刷版原版の構成を説明する。
【0031】
水なし平版印刷版原版は、基板上に少なくとも感光層およびシリコーンゴム層をこの順に積層してなるものであり、シリコーンゴム層のインキ反撥性を利用して湿し水を使用せずに印刷を行うことができる。
【0032】
基板としては、通常の水なし平版印刷版で用いられるもの、あるいは提案されているものであればいずれでもよく、例えばアルミニウム、銅、亜鉛、鋼などの金属板、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムあるいはシート、クロロプレンゴム、NBRのようなゴム弾性を有する基板、もしくはコート紙などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの基板の表面に適当な加工を施し、上層との接着性を向上させることは任意である。これらの内では金属板が好ましく、とりわけ表面をプレーンあるいは凹凸処理したアルミニウム板が好ましい。
【0033】
これらの基板上にはハレーション防止その他の目的でさらにプライマ層をコーティングして基板として用いることも可能である。プライマ層の構成成分としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アミド樹脂、メナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ジアゾ樹脂、ミルクカゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、アルブミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの樹脂は単独、あるいは二種以上混合して用いることができる。これらの樹脂に多官能イソシアネートやシランカップリング剤などの架橋剤を加えることにより、基板あるいは感光層との接着性を向上させることも可能である。また、検版性の向上その他の目的で必要に応じて染料、顔料、光増感剤、光発色剤などの添加剤を加えることは任意である。また、公知の触媒を添加することも任意である。
【0034】
プライマー層中の各成分の配合割合については特に限定されないが、好ましくは上記の樹脂の一種もしくは二種以上を100重量部、必要に応じて架橋剤を0〜100重量部、染料あるいは顔料などの添加剤を0〜100重量部、公知の触媒を0〜10重量部加え、膜厚0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μmで設けることにより得られるものがよい。
【0035】
また感光層としては、本発明の感光性化合物を含有する感光層が挙げられる。このような感光層においては、架橋や変性を行わない場合には、現像により露光部感光層およびその上のシリコーンゴム層が除去される。架橋あるいは変性を行った場合には、現像により露光部感光層が除去されることなく、その上のシリコーンゴム層のみが除去される。
【0036】
感光層に架橋剤を用いる場合の架橋剤としては、多官能性イソシアネート類、例えば、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートもしくはこれらのアダクト体など、あるいは多官能エポキシ化合物、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどがあげられるが、これらに限定されない。これらの熱硬化は感光性化合物の感光性を失わせない範囲、通常130℃以下で行うことが好ましく、このため通常触媒などが併用される。
【0037】
また感光層に単官能化合物を反応させて変性して現像液に難溶もしくは不溶にする場合の方法としては、同様に該感光性化合物の活発な基を例えばエステル化、アミド化、ウレタン化することなどが挙げられる。感光性化合物の活発な基と反応させる化合物としては、低分子であっても比較的高分子であってもよいし、感光性化合物にモノマをグラフト重合させてもよい。
【0038】
また、このような水なし平版印刷版に本発明の感光性化合物を用いる場合、光に対する感度効率を挙げるため、他の感光性化合物を添加することも可能である。
【0039】
他の感光性化合物としては、フェノールホルムアルデヒド樹脂(フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、カルダノール、クレゾール、キシレノール、カテコールおよびピロガロールなどのフェノール類とホルムアルデヒド類とを酸性触媒下に縮合させて得られる樹脂)にキノンジアジド基を付加した物、レゾール樹脂(例えば、上記フェノール類とホルムアルデヒド類とをアルカリ触媒下に縮合させて得られる樹脂)にキノンジアジド基を付加した物、レゾルシンベンズアルデヒド縮合樹脂にキノンジアジド基を付加した物、ピロガロールアセトン樹脂にキノンジアジド基を付加した物などが挙げられる。ここでキノンジアジド基としては、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルフォニル基、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルフォニル基、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルフォニル基などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
さらに必要であれば、これらの化合物と混合しえる有機高分子化合物を感光層中に添加することも可能である。このような有機高分子化合物としては、例えば次の▲1▼〜▲8▼に示す重合体、共重合体を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0041】
▲1▼アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルの重合体、例えばポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチルなど、およびそれらの共重合体。
【0042】
▲2▼未加流ゴム、例えばポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、スチレンブタジエンゴムなど。
【0043】
▲3▼ビニル重合体、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリブチルブチラールなど、およびそれらの共重合体。
【0044】
▲4▼ポリエーテル、例えばポリエチレンオキシドなど。
【0045】
▲5▼ポリエステル、例えばフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、アジピン酸などとエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの反応物。
【0046】
▲6▼ポリウレタン、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどと1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、▲4▼のポリエーテルポリオール、▲5▼で得られるポリエステルポリオールなどとの反応生成物。
【0047】
▲7▼エポキシ樹脂
▲8▼ポリアミド
これらの有機高分子化合物を単独、あるいは二種以上用いることにより、感光層の膜の形態保持性その他を向上させることが可能である。これらの有機高分子化合物の中では▲1▼、▲2▼、▲6▼、▲7▼が特に好ましい。
【0048】
更に、キノンジアジド化合物の光反応性向上その他の目的で、公知の光開始剤あるいは光増感剤を添加することも可能である。添加する光開始剤あるいは光増感剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α、α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンなどのベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、フルオレノン、キサントン、チオキサントン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、4,4´−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中ではベンゾフェノン類が特に有効である。
【0049】
上記の諸成分に加え、必要に応じて染料、顔料、光発色剤などの添加剤や公知の触媒を加えることは任意である。
【0050】
感光層中の各成分の配合割合については特に限定されないが、好ましくは本発明の感光性化合物を1〜100重量部、他の感光性化合物を0〜100重量部、架橋剤あるいは感光性化合物の活発な基と反応させる化合物を0〜10000重量部、有機高分子化合物を0〜10000重量部、光開始剤あるいは光増感剤を0〜100重量部、必要に応じて添加剤や公知の触媒などを各々0〜100重量部加え、膜厚0.1〜100μm、好ましくは0.5〜10μmで設けることによって得られるのがよい。薄すぎると感光層中にハジキを生じやすくなり、厚すぎると経済的に不利であるので上記の範囲が好ましい。
【0051】
シリコーンゴム層は、次の▲1▼〜▲2▼に示されるシリコーンゴムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
▲1▼下記一般式(VIII)で示される分子量100〜100万、好ましくは1000〜50万の有機ポリシロキサンを架橋することにより得られるもの。
【0053】
【化5】
(式中、mは2以上の整数、R5、R6は炭素数1〜50の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換もしくは非置換のアルケニル基、炭素数5〜50の置換もしくは非置換のアリール基の群から選ばれるすくなくとも一種であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、特にメチル基が60%以上のものが好ましい。)
このような有機ポリシロキサンは有機過酸化物を添加して熱処理を施すことにより、さらに架橋したシリコーンゴムとすることもできる。
【0054】
有機ポリシロキサンを架橋する一般的な方法としては、ケイ素原子に直接結合した加水分解性官能基含有ケイ素化合物により有機ポリシロキサンを架橋する方法が挙げられ、特に末端がシラノール構造を持つ有機ポリシロキサンとケイ素原子に直接結合したアルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基アミド基、アミノオキシ基、アミノ基、アルケニルオキシ基、水素などの官能基を二個以上有するケイ素化合物との反応により硬化し、ゴムとすることが通常用いられる方法である。また、ラジカル開始剤により、有機ポリシロキサンを硬化させてゴムとすることも可能である。これらの硬化において、公知の触媒を加えることは任意である。
【0055】
▲2▼下記一般式(IX)で示される基を有する有機ポリシロキサンと下記一般式(X)で示される基を有するポリシロキサン化合物との付加反応により架橋を行ったもの。
【0056】
【化6】
【化7】
(式中、R7、R8は炭素数1〜50の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換もしくは非置換のアルケニル基、炭素数5〜50の置換もしくは非置換のアリール基の群から選ばれるすくなくとも一種であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
このようなシリコーンゴムは、多価ハイドロジェン有機ポリシロキサンと、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物との反応によって得られる。ここで、一般式(IX)の基は分子鎖末端、中間のいずれにあってもよい。また、一般式(X)の基も分子鎖末端、中間のいずれにあってもよい。一般式(IX)の基および一般式(X)の基以外の有機基としては、炭素数1〜50の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換もしくは非置換のアルケニル基、炭素数5〜50の置換もしくは非置換のアリール基などが挙げられるが、特にメチル基が60%以上のものが好ましい。一般式(IX)で示される基を有する有機ポリシロキサンおよび一般式(X)で示される基を有するポリシロキサン化合物の分子量はそれぞれ独立して100〜100万のものが好ましく、1000〜50万のものがより好ましい。この付加反応において、公知の触媒を加えることは任意である。
【0057】
シリコーンゴム層中の各成分の配合割合については特に限定されないが、▲1▼のシリコーンゴム層の場合は一般式(VIII)で示される有機ポリシロキサンを100重量部、ケイ素原子に直接結合した加水分解性官能基含有ケイ素化合物を0.1〜100重量部、必要に応じて公知の触媒を0〜50重量部加えた組成で、膜厚0.1〜100μm、好ましくは0.5〜30μmで設けることによって得られるのがよい。また、▲2▼のシリコーンゴム層の場合は一般式(IX)で示される基を有する有機ポリシロキサンを100重量部、一般式(X)で示される基を有するポリシロキサン化合物0.1〜1000重量部、必要に応じて公知の触媒を0〜50重量部加えた組成で膜厚0.1〜100μm、好ましくは0.5〜30μmで設けることによって得られるのがよい。
【0058】
上記のような水なし平版印刷版において、基板と感光層、感光層とシリコーンゴム層との接着は、画像再現性、耐刷力などの基本的な版性能にとって非常に重要であるので、必要に応じて各層間の接着剤層を設けたり、各層に接着性改良成分を添加したりすることが可能である。特に感光層とシリコーンゴム層間の接着のために、層間に公知のシリコーンプライマやシランカップリンク剤を設けたり、シリコーンゴム層あるいは感光層にシリコーンプライマやシランカップリング剤を添加すると効果的である。このような接着剤層を設ける場合、接着剤層の膜厚については特に限定されないが、0.05〜100μm、好ましくは0.5〜30μmで設けることによって得られるのがよい。
【0059】
以上説明したようにして構成された水なし平版印刷版の表面を形成するシリコーンゴム層を保護するなどの目的で、シリコーンゴム層の表面にプレーンまたは凹凸処理した保護フィルムをラミネートまたはプラスチックシート状物を塗布または転写して保護層とすることも可能である。このような保護フィルムあるいは保護層の膜厚については特に限定されないが、0.05〜1000μm、好ましくは0.5〜100μmで設けることによって得られるのがよい。
【0060】
以上説明した水なし平版印刷版は、例えば次のようにして製造されるが、これらに限定されない。まず基板上に、リバースロールコータ、エアナイフコータ、メーヤバーコータなどの通常のコータ、あるいはホエラのような回転塗布装置、その他の塗布装置を用い、必要な場合プライマー層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュア後、この上に感光層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュアし、その後必要ならば該感光層上に接着剤層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュアし、この上にシリコーンゴム層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュアし、最後に必要ならば保護フィルムをラミネータなどを用いてかける。
【0061】
このようにして製造された水なし平版印刷用原版は、例えば光透過性保護フィルムの場合はそのまま、あるいは剥いで、光透過性の劣るフィルムの場合は剥いでから真空密着されたネガフィルムを通して活性光線で露光される。この露光工程で用いられる光源は、紫外線を豊富に発生するものであり、水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、蛍光灯などを用いることができるが、これらに限定されない。
【0062】
次いで、保護フィルムがある時は剥いでから版面を現像液を含んだ現像用パットでこすると露光部のシリコーンゴム層が除去され、場合によってはその下の感光層も除去され、インキ受容部となる。
【0063】
現像液としては、水なし平版印刷版の現像液として提案されているものであればどのようなものでもよく、例えば、水、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、エステル類およびこれらの二種以上を混合したものなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
現像方法としては、手による現像でも公知の現像装置による現像でもよいが、好ましくは前処理部と現像部、および後処理部がこの順に設けられている現像装置を用いるのがよい。
【0065】
【実施例】
以下、具体的な合成例および実施例を示すが、本発明はこれらに限定されず、他の合成方法を用いてもよく、また他の分野の実施に応用してもよい。
【0066】
合成例1
【化8】
エチレングリコール30.0g、エピクロロヒドリン95g、水酸化ナトリウム40.0g、水200.0gを混合し、攪拌しながら10時間加熱環流により反応させた。反応後、減圧乾燥により水を除去し、濾過により生成物を副生成物の塩化ナトリウムとを分離した。
【0067】
この生成物85.0gと4−ヒドロキシ安息香酸140.0g、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド2.5g,ジオキサン200gを混合し、攪拌しながら70℃で8時間反応させた。反応後、水とジエチルエーテルを加え、分液ロ−トヲ用いて分液し、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した。濾過により硫酸ナトリウムを除去し、減圧乾燥にて溶媒を除去し、生成物を得た。
【0068】
この生成物20.0gと1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド20.0gとをジオキサン200.0gに溶解させた。次に、炭酸ナトリウム6.0gを水54.0gに溶解させ、この炭酸ナトリウム10重量%水溶液を前述のジオキサン溶液中に10分間かけて滴下した。(この際、ジオキサン溶液は攪拌を行い、40℃に液温度を保った。)滴下終了後、40℃に液温度を保ったまま、4時間攪拌しながら反応させた。反応後、水1000.0g中に反応溶液を注ぎ、生成物を析出させ、10時間放置することにより生成物を沈降させた。デカンテーションにより上澄液を除去し、減圧乾燥を行い、目的とする感光性化合物Aを得た。
【0069】
合成例2
合成例1において、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド20.0gを1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド20.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Bを得た。
【0070】
合成例3
合成例1において、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド20.0gを1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド15.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Cを得た。
【0071】
合成例4
合成例1において、4−ヒドロキシ安息香酸140.0gを2−ヒドロキシ安息香酸140.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Dを得た。
【0072】
【0074】
合成例5
合成例1において、エチレングリコール30.0gをグリセリン30.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Gを得た。
【0075】
合成例6
合成例1において、エチレングルコール30.0gをトリメチロールプロパン25.0gに変更する以外は全て合成例1と同様の方法を用いて合成し、目的とする感光性化合物Hを得た。
【0076】
【0085】
実施例1
厚さ0.3mmの脱脂したアルミ板に下記プライマー組成物を塗布し、100℃、5分間加熱処理して、乾燥後の膜厚15μmのプライマー層を形成した。
【0086】
その後、3kW超高圧水銀灯を用いて、0.6J/cm2 の全面露光を20秒間、窒素下で行って硬化させた。
【0087】
この上に、下記の感光液を塗布し、110℃、30秒間加熱処理し、乾燥後の膜厚1.5μmの感光層を形成した。
【0088】
(a)合成例1で合成した感光性化合物A 74重量部
(b)1,6−ヘキサンジイソシアネート 17重量部
(c)2−ヒドロキシエチルメタクリレート/N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドのモル比30/70の共重合樹脂 31重量部
(d)N−メチルアクリドン 3.2重量部
(e)2,4−ジエチルチオキサントン 3.2重量部
(f)乳酸 1重量部
(g)ジメチル錫ジラウレート 0.6重量部
(h)ジオキサン 770重量部
この感光層の上に、下記のシリコーンゴム組成物を塗布し、95℃、10分間加熱処理し、乾燥後の膜厚2μmのシリコーンゴム層を形成した。
【0089】
このようにして設けたシリコーンゴム層の表面に厚さ6μmの片面マット化二軸延伸ポリプロピレンフィルムをマット化されていない面がシリコーンゴム層と接するようにラミネートし、水なし平版印刷用原版を得た。
【0090】
この水なし平版印刷用原版にメタルハライドランプ(岩崎電気(株)製“アイドルフィン”2000)を用い、UVメーター(オーク製作所製“ライトメジャータイプUV−402A”)で25mJ/cm2 の露光を行った。上記のようにして得られた印刷用原版に150線/インチの網点画像を持つネガフィルムを真空密着し、上記のメタルハライドランプを用い、240mJ/cm2 の露光を行った。
【0091】
露光後、保護フィルムを剥離し、室温28℃、湿度60%の条件で、TWL−860K(東レ(株)製水なし平版印刷用原版の現像装置)を用いて現像を行った。ここで、前処理液としては、以下の組成を有する液を用いた。
【0092】
現像液としては、水を用いた。染色液としては、以下の組成を有する液を用いた。
【0093】
(a)“ソルフィット”(クラレイソプレン化学(株A)製) 20重量部
(b)“レオドール TW−0120”(花王(株)製;界面活性剤)0.5重量部
(c)ベンジルアルコール 5重量部
(d)ビクトリアピュアブルーBOH(保土ケ谷化学(株)製;染料)1.0重量部
(e)水 100重量部
この印刷版を商業オフ輪印刷機(“LITHOPIA”三菱重工(株)製)に取り付け、大日本インキ化学工業(株)製“ドライオカラー”墨、藍、紅、黄インキを用いて、650r.p.m..のスピードで上質紙に印刷を行い、耐刷テストを行った。結果は表2の通りであり、印刷終了後に印刷版を検査したが、印刷版の損傷は軽度であり、引き続き印刷を行うことが可能であった。
【0094】
実施例2〜6
実施例1において、感光層に用いた感光性化合物AをB〜D、G、Hに変更した以外は全て実施例1と同様にして水なし平版印刷版を作製し、実施例1と同様の耐刷テストを行った。結果は表1の通りであり、印刷終了後に印刷版を検査したが、印刷版の損傷は軽度であり、引き続き印刷を行うことが可能であった。
【0095】
比較例1
実施例1において、感光層に用いた感光性化合物Aを以下の化合物に変更した以外は全て実施例1と同様にして水なし平版印刷版を作製し、実施例1と同様の耐刷テストを行った。
【0096】
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸とフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂(住友デュレズ製“スミライトレジン”PR50622)の部分エステル(元素分析法によるエステル化度30%)
結果は表1の通りであり、印刷終了後に印刷版を検査したところ、印刷版の損傷が激しく、引き続き印刷を行うことは不可能であった。
【0097】
【表1】
【0098】
【発明の効果】
本発明の水なし平版印刷版原版は上記のような特徴を有しているので、感光層のひび割れによる欠落がなく、優れた耐刷性を有する印刷版を得ることができる。
Claims (3)
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| JP14327794A JP3567487B2 (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 水なし平版印刷版原版 |
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