JP3568709B2 - 超純水の純化方法及び純化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エッチングや洗浄あるいは電解イオン水を生成する際の溶媒などに使用される純水あるいは超純水を純化する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から電解イオン水生成装置により生成された電解イオン水は、各分野に利用され、とくに半導体装置の製造や液晶の製造などに多く用いられている。
従来半導体装置の製造において半導体基板の洗浄などには、フロンなどの弗素系溶剤が用いられていたが、生活環境に悪影響を及ぼすので敬遠され始め、代わりに純水や超純水などの水が最も安全な溶剤として利用されるようになった。純水は、イオン、微粒子、微生物、有機物などの不純物をほとんど除去した抵抗率が5〜18MΩcm程度の高純度の水である。超純水は、超純水製造装置により水中の懸濁物質、溶解物質及び高効率に取り除いた純水よりさらに純度の高い極めて高純度の水である。これらの水を電気分解することによって酸化性の強い陽極イオン水(酸性水)や還元性の強い陰極イオン水(アルカリ性水)などの電解イオン水が生成される。
半導体装置や液晶などの製造においては、これら純水や超純水から生成された陽極イオン水や陰極イオン水などの電解イオン水を用いて半導体基板の表面を洗浄したり、ポリシングすることが検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来から純水や超純水は、イオン交換樹脂により高純度化されている。しかしこの方法では、すべての元素が完全に取り除かれているわけではない。とくにNa、K、Ca、Znなどの陽イオンは、イオン交換樹脂でも除去しにくい。
超純水が半導体ウェーハ洗浄に用いられた場合、このような可動イオンがウェーハに吸着し、容量の変動、ウェーハ上の絶縁膜の信頼性低下などを引き起こし、半導体装置の製造に支障を来す。
本発明は、このような事情によりなされたものであり、金属イオンの濃度を著しく減少させて、ウェーハ洗浄や電解イオン水の原料、洗浄水の希釈などに用いて有効な純水もしくは超純水の純化方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、少なくとも1対の炭素片の欠落することの少ない炭素電極を純水もしくは超純水が収納された超純水貯蔵タンク内もしくは、超純水貯蔵タンクから導出されたラインの途中に設けられた純化槽内に配置し、この1対の炭素電極間に直流電圧を加えることを特徴とする。電流を流す場合は、時間設定または水位センサとの連動などにより自動化できるものとする。炭素電極材料としては比表面積の大きいものを選択し、炭素片の欠落することの少ない電極構造を用いる。例えば、結晶性の炭素成型体の表面にアモルファスの炭素層を被覆する構造は炭素片の欠落が少ない。また、本発明は、炭素電極をフィルタで覆うことに特徴がある。
【0005】
焼成などにより成形したグラファイトなどの結晶性炭素電極は、多くの細孔があり、表面には凹凸面が形成されている。炭素電極は、表面積が広いので金属イオンの析出効率が上がる点で望ましい材料である。そこで電極の成形体を形成後にアモルファスなどの炭素層を表面に形成する。成形体表面の細孔内部にまで炭素層が堆積しているので炭素元素同志の結合を強めて炭素片を欠落し難くしている。また、電極表面などにフィルタで覆うことにより炭素片が欠落したとしても、フィルタに捕獲して超純水中へのパーティクル混入を防ぐようにすることもできる。電極間を隔離する隔膜は無くても良い。
1対の炭素電極間に5〜30V程度の直流電圧を印加するか、もしくは弱い電流を流すと水中の金属陽イオンが陰極に集まり析出する。この陰極に集まった金属イオンを排除すれば、純水もしくは超純水の金属イオン濃度を著しく小さくすることができる。また、電圧をかけず、また電流を流さないときでも、活性炭に代表されるように炭素は、吸着力が強いのである程度の金属イオンは吸着除去できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の超純水の純化方法に用いる超純水貯蔵タンクの概略断面図であり、超純水など純化する電極構造の本発明を比較説明する参考例である。超純水貯蔵タンク71には、超純水製造装置(図示せず)で製造された純水もしくは超純水が1次純水供給ライン72から供給される。純水もしくは超純水は、超純水貯蔵タンク71内において蓄えられ、2次純水供給ライン73から他の設備、例えば、電解イオン水を生成する電解イオン水生成装置(図示せず)、ウェーハなどを洗浄する洗浄装置(図示せず)などに純水もしくは超純水が供給される。この実施例では、この超純水貯蔵タンク71内の純水もしくは超純水が純化される。そのため、超純水貯蔵タンク71内には少なくとも1対の電極(陽極74及び陰極75)を備えている。電極は、外部の直流電源76に接続されている。陽極74は、直流電源76の正極に接続され、陰極75は、負極に接続されている。この電極に5〜30Vの電圧、例えば、10Vを印加する。純水もしくは超純水に含まれた金属イオンは、陰極75に付着され、純水もしくは超純水の金属イオン濃度は、著しく減少する。この様に純化された純水もしくは超純水は、超純水貯蔵タンク71から供給ライン73を介して他のシステムに供給される。超純水貯蔵タンク71の容量は、例えば、50リットルである。電極は、例えば、厚さ1cm、縦横15×30cm程度の板状体である。
【0007】
以上のように炭素を電極に用いた場合、炭素片が電極成型体から欠落することが多い。欠落した炭素片は、純水もしくは超純水に混入し、その品質を低下させる。この炭素片を純水もしくは超純水から取り除くために本発明では、フィルタを用いる。図1に示す参考例では、このフィルタ77は、超純水貯蔵タンク71で純化された純水もしくは超純水を他のシステムに送る2次純水供給ライン73の途中に配置されているが、本発明では、フィルタで炭素電極を覆うようにしている。
図2は、電極(陽極)の斜視図及び部分側面図である。本発明や参考例における陽極74は、図示のように板状である。本発明で用いられる形状は様々である。板状はもとより、丸棒状、多角柱などを用いることができる。この陽極74は、グラファイトなどの結晶性炭素を成型し、1000℃〜1200℃程度の熱で数時間から数100時間焼成して得られる。焼成した成型体41は、多孔性であり、その表面には凹凸が生じている。成型体41は、アモルファス炭素材料に浸漬され焼成されて、細孔の中にまで炭素層42が形成されている。炭素層42は、成型体41表面の凹凸に沿って密着しているので、炭素元素同志の結合を強め、炭素片を欠落し難くしている。炭素層42を形成する手段としては、この他に、減圧CVD法や真空蒸着法などが用いられる。陰極75も陽極と同じ構成を有している。
【0008】
図3は、図1のA−A′線に沿う部分の断面図である。図に示す様に陽極74及び陰極75からなる電極は、複数個の成型体から構成されている。フィルタ77は、超純水供給ライン73の途中に設けられている。陽極74と陰極75を隔離するイオン交換膜などの隔壁は、この図の実施例では配置していないがイオン交換膜などを間に配置しても良い。
フィルタの材料としては、例えば、ドライフィルタに用いられる石英を焼き固めたセラミックフィルタ77がある。セラミックフィルタは、例えば、粒径の異なる3層の成型体からなり、不純物を十分取り除くことができる。図4は、フィルタ77の斜視図である。
図5は、超純水貯蔵タンクの概略断面図であり、超純水など純化する電極構造の第1の実施例である。この電極構造が前記参考例と異なるところは、電極がフィルタ78で囲まれていることにある。電極(陽極74及び陰極75)は、例えば、図4に示すシリカ性の清浄度の高いフィルタ78で覆われている。覆われている度合いは、一部でも全体でも構わない図では、一部覆われているものを示す。電極とフィルタの間には3〜10mm程度の間隔が開いている。フィルタ78と超純水貯蔵タンク71本体とは、例えば、間にパッキンを挟み、ネジで止めることによって接合されている。
【0009】
陽極74や陰極75から炭素片の欠落が予想されるが、欠落した炭素片は、フィルタ78に捕獲され、純水もしくは超純水中には含まれない。
電極にフィルタ78を施すので、この実施例では、超純水供給ライン73にはフィルタを取り付けない。しかし電極をフィルタ78で被覆するとともに超純水供給ライン73にフィルタ77を取り付けるようにしても良い。この構造では炭素片を含むパーティクルの除去効率が一層良くなる。
図6は、超純水貯蔵タンクと純化槽が設けられた超純水供給ラインの概略断面図であり、本発明を比較説明する参考例である。超純水貯蔵タンク71には、超純水製造装置で製造された純水もしくは超純水が超純水供給ライン72を介して送られてくる。この超純水貯蔵タンク71は、純水もしくは超純水を蓄えるのみであり、純化装置は付いていない。蓄えられた純水もしくは超純水は、必要に応じて超純水供給ライン73から必要なシステムへ供給される。このとき、純化槽79が超純水供給ライン73間に配置される。純化装置79内には少なくとも1対の電極(陽極74及び陰極75)が配置されている。電極は、外部の直流電源76に接続されている。陽極74は、直流電源76の正極に接続され、陰極75は、負極に接続されている。
【0010】
この電極に5〜30Vの電圧、例えば、10Vを印加する。純水もしくは超純水に含まれた金属イオンは、陰極75に付着され、純水もしくは超純水の金属イオン濃度は、著しく減少する。
この様に、工業的に価値の高い純水もしくは超純水は、所定のシステムに供給される前に純化され、良質な製品となる。
純水もしくは超純水は、そのまま半導体装置や液晶などに、例えば、洗浄水として用いられる。又、やはり半導体装置や液晶の洗浄工程やエッチング工程に利用される電解イオン水の原材料に用いられる。さらに電解イオン水を洗浄剤に用いる際の希釈剤に用いることもできる。
以下、本発明の方法で純化された純水もしくは超純水を用いて電解イオン水を生成する方法を説明する。
図7は、本発明の方法で純化された水を用いる金属電極を備えた電解イオン水生成装置の概略断面図である。電解槽50は、陰極室52と陽極室53とを備え、陰極室52には陰極541が配置され、陽極室53には陽極542が配置されている。そして、これら電極54(陰極541、陽極542)は共に白金又はチタンなどから構成されている。
【0011】
陰極室52で形成される陰極イオン水58及び陽極室53で形成される陽極イオン水59とを効率よく分離するために陰極室と陽極室とはセラミックや高分子などの多孔質の隔膜56で仕切られている。電解槽50の陰極541は、直流電源66の負極67に接続され、陽極542は、その正極68に接続されている。電解槽50では電源66からの電源電圧を印加して電解槽50の超純水供給ライン61から供給された純水に、例えば、塩化アンモニウムなどの支持電解質を添加した希釈電解質溶液51を電気分解する。この電気分解の結果陰極541側で生成される陰極イオン水はアルカリ性水であり、陽極542側で生成される陽極イオン水は酸性水である。
陰極室52で生成された陰極イオン水58は、陰極イオン水供給ライン62から外部に供給され、陽極室53で生成された陽極イオン水59は、陽極イオン水供給ライン63から外部に供給される。通常は陰極室52でアルカリ性水が生成されるので、例えば、半導体装置の製造に用いられるポリッシング装置を使用する場合、アルカリ性水を用いてポリッシングを行うには、電解槽50に接続された陰極イオン水供給ライン62をイオン水供給ラインとしてアルカリ性水をポリッシング装置の研磨布に供給する。
【0012】
この場合、陽極室53で生成される酸性水は不要なので廃棄される。したがって、陽極イオン水供給ライン63はイオン水を排出するイオン水排出ラインに接続される。また、酸性水を用いてポリッシングを行うには、電解槽50に接続された陽極イオン水供給ライン63がイオン水供給ラインとなって酸性水を研磨布に供給する。この場合、陰極室52で生成されるアルカリ性水は不要なので廃棄される。従って陰極イオン水供給ライン62がイオン水を排出するイオン水排出ラインに接続される。
以上のように、電解槽50は、隔膜56により2槽に分離され、各電極は分離されたそれぞれの槽に配置されるので、それぞれの槽からアルカリ性水又は酸性水を目的に応じて取り出すことができる。
しかし、この方法では、電解質溶液に含まれる金属イオンや電極から発生する金属イオンも電極で発生する電界に引かれ、電解槽、特にアルカリ槽(陰極室)内に多く入り込み、電解イオン水の純度を低下させていた。
最近電解イオン水を半導体装置の製造におけるウェーハなどの洗浄用として使用する要求が強くなってきた。このような現状において半導体装置では微量な金属不純物がデバイス特性に大きな影響を与えるために電解イオン水の高純度化及びが必要となっている。
【0013】
半導体基板の洗浄に電解イオン水を使用する際、パーティクル、金属汚染などのないことが不可欠である。金属電極を用いた場合、電極は通常一般室で製造されており、様々な金属元素が電極中に含有されている。耐酸化性の高いPt等の貴金属でコーティングされているような電極を使用しても、陽極側では微量ながらPtを含めて多種の金属元素が溶出してきて、生成される電解イオン水中に含まれてしまう。このような現象は、金属酸化物から構成された電極を用いても同様である。また、電極に炭素を用いることも知られているが、炭素電極を電解槽に用いると、水の電気分解によって酸素が発生し、とくに陽極側では次式(1)示すように炭素が発生した酸素と反応して電極が著しく消耗する。
C+O2 →CO2 ↑ ・・・(1)
その結果電極表面が侵されて炭素片が電極からこぼれ落ちる。この炭素片がパーティクルの原因となってしまう。
そこで、電解イオン水生成装置に金属イオンの発生の少ない炭素電極を用いるにあったってつぎのような電極構成にすることを発明者らは先に提案した。
【0014】
すなわち、陽極及び陰極からなる電極は、結晶性炭素の成形体及びその表面に形成されたアモルファス炭素層から構成されている炭素片欠落の少ないものを選ぶこと。電極は、少なくとも一部が所定の間隔をおいてフィルタに覆われているようにすること。及び電気分解される電解質溶液は、塩酸を支持電解質としその濃度は、1000〜100000ppmの範囲の高濃度であること。このような電極構成によって、炭素電極を用いても高純度な電解イオン水が得られる。これは、次のような理由によるものと考えられる。
【0015】
支持電解質である塩酸を高濃度で添加することにより、電極反応において前記(1)式の反応が著しく少なくなり、酸素発生主体の反応から塩素発生主体の反応となるのでとくに陽極側で問題となる炭素欠落を十分抑制できる。
また陽極では、酸素が発生する((2)式)他に支持電解質である塩酸中の塩素イオンが陽極で反応して塩素が発生する((3)式)。
2H2 O→4H++O2 ↑+2e−・・・(2)
2Cl−→Cl2 ↑+2e− ・・・(3)
上記表面に炭素層を形成した本願発明の炭素電極を用い、1000ppm以上の高濃度塩酸を含む電解質溶液を電気分解すると前記のように塩素発生が支配的になり酸素発生が少なくなって酸素による悪影響が著しく少なくなる。その結果電極から欠落してくるパ−ティクルが含まれない高純度の電解イオン水を生成することができる。
図10は、本発明の純化方法を適用したときの純化効果を説明する特性図である。縦軸は、純水又は超純水の金属不純物濃度(ppt)を示し、横軸は、金属不純物の種類を示している。図のように電解処理を施さない従来の純水又は超純水に比較して本発明の電解処理を行って純化した純水又は超純水は、Na、K、Ca、Znなどの不純物の濃度が著しく低くなっている。
【0016】
図8は、本発明の前記炭素電極を用いた電解電解イオン水生成装置の概略断面図である。電解槽1は、陽極室2と陰極室3とに分かれており、両者は、その境界に配置されたイオン交換膜6で分離されている。炭素電極は、陽極4と陰極5とからなり、陽極4は陽極室2、陰極5は陰極室3に配置されている。陽極4及び陰極5の一端はいずれも電解槽1の上蓋に固定されている。図示はしないが、陽極4は、電源の正極に接続され、陰極5は、電源の負極に接続されている。電解槽1の下部から支持電解質の添加された超純水もしくは純水が電解質添加超純水供給ライン8、9を介して供給される。陽極室2には第1の電解質添加超純水供給ライン8が接続されており、陰極室3には第2の電解質添加超純水供給ライン9が接続されている。電極4、5間に通電して供給ライン8、9から供給される支持電解質の添加された超純水、すなわち、電解質溶液を電気分解することによって電解イオン水を生成する。陽極4のある陽極室2では酸性水が生成され、陰極5のある陰極室3ではアルカリ性水が生成される。陽極室2及び陰極室3にはそれぞれ電解イオン水排水ライン10、11(すなわち、酸性水排水ライン10及びアルカリ性水排水ライン11)が形成され、そこから電解イオン水が排出される。電解質溶液の電解質濃度は、陽極室側の電解質溶液が塩酸1000〜100000ppm(0.1〜10wt%)程度、陰極室側の電解質溶液がアンモニア10〜500ppm程度にするのが適当である。
【0017】
導電性を上げるには陰極室側へ供給される電解質溶液にさらに塩酸を10〜500ppm程度アンモニアの量に合わせて添加すると良い。電解質溶液のpHは、8〜9程度になるようにする。電解イオン水排水ライン10、11は、ウェーハ洗浄装置などの他の装置へ電解イオン水を供給する電解イオン水供給ラインでもある。電気分解を行っている間は、電解イオン水排出ライン10、11の開閉バルブ18、19は開き、電解イオン水排出ライン10、11の分岐ラインである酸性水分岐ライン27及びアルカリ性水分岐ライン28の開閉バルブ20、21は閉じておく。電解槽1内の電極(陽極4及び陰極5)は、例えば、シリカ性の清浄度の高いフィルタ7で覆われている。覆われている度合いは、一部でも全体でも構わない。図では、一部覆われているものを示す。電極とフィルタの間には3〜10mm程度の間隔が開いている。フィルタ7と電解槽1本体とは、例えば、間にパッキン24、25を挟み、ネジ26で止めることによって接合されている。電気分解により陽極4や陰極5から炭素片の欠落が予想されるが、欠落した炭素片は、フィルタ7に捕獲され、電解イオン水中には含まれない。
【0018】
このような電極構造の改良により電極からの炭素片の欠落は著しく減少するが、電気分解を長時間続けるとフィルタ7内の炭素片は多少とも残っている。これを排除するため、電解槽1に洗浄用超純水供給ライン及び排水ラインを取り付ける。陽極室4上部には、第1の洗浄用超純水供給ライン12を接続し、下部には第1の洗浄用超純水排水ライン14を接続する。陰極室5上部には、第2の洗浄用超純水供給ライン13を接続し、下部には第2の洗浄用超純水排水ライン15を接続する。フィルタ内を洗浄する時には電気分解処理を止め、電解イオン水排出ライン10、11の開閉バルブ18、19を閉める。そして洗浄用超純水供給ライン12、13の開閉バルブ16、17を開き、酸性水分岐ライン27及びアルカリ性水分岐ライン28の開閉バルブ20、21及び洗浄用超純水供給ライン14、15の開閉バルブ22、23を開く。フィルタ内の炭素片を洗い流した後は、前記開閉バルブ16、17及び20〜23を閉め、前記電解イオン水排出ライン10、11の開閉バルブ18、19を開いて電気分解を行う。さらに万一のために電解イオン水排水ライン10、11にパーティクルフィルタ29、30を設置する。
【0019】
図9に、本発明の純化装置が備えられている超純水貯蔵タンクを備えた純水もしくは超純水を供給するシステムを用いて図8に示した電解イオン水生成装置が生成する電解イオン水を半導体ウェーハの洗浄に適用する半導体製造装置のシステムを説明する。このシステムは、基本的には、超純水もしくは純水を収容している超純水貯蔵タンク71、電解槽1を含む電解イオン水生成装置及び半導体ウェーハ洗浄槽39から構成されている。電解槽1に接続されている図8に示された洗浄用超純水供給ライン及び排水ラインは、半導体ウェーハの洗浄に直接関わっていないのでこの図2では記載を省略する。超純水貯蔵タンク71からは、第1の超純水ライン31及び第2の超純水ライン32が導出されている。第1の超純水ライン31は、電解質添加超純水供給ライン(電解質溶液供給ライン)8を分岐し、酸性水排水ライン10と合流して洗浄槽39に接続されている。第2の超純水ライン32は、電解質添加超純水供給ライン(電解質溶液供給ライン)9を分岐し、アルカリ性水排水ライン11と合流して洗浄槽39に接続されている。電解質溶液供給ライン8は、電解質タンク48から供給された塩酸(HCl)と超純水とをミキサー46でミキシングされて形成された電解質溶液を電解槽1に供給する。
【0020】
電解質溶液供給ライン9は、電解質タンク43から供給された塩酸(HCl)と電解質タンク49から供給されたアンモニア(NH3 )と超純水とをミキサー47でミキシングして形成された電解質溶液を電解槽1に供給する。陽極室側で生成された酸性水は、希釈後の溶存塩素濃度が2〜20ppm程度になるように超純水ライン31で希釈され、ミキサー37でミキシングされて半導体ウェーハ40の洗浄に用いられる。陰極室側で生成されるアルカリ性水も超純水ライン32において希釈され、ミキサー38でミキシングされる。その希釈の度合いは、10〜100倍程度とする。洗浄については、パーティクルや金属コンタミの除去効果を上げるため、弗酸、硝酸、塩酸等のほかの薬液と組み合わせて使用する。アルカリ性水も界面活性剤などの薬液と組み合わせて使用する。ほか薬液の濃度は、0.1〜5%程度が適当である。これらは薬液タンク33、34からポンプ35、36により吸い上げられ混合される。
【0021】
ミキサー37、38により均一に混合された電解イオン水は、洗浄槽39へ供給され、半導体基板40の洗浄を行う。電解イオン水を半導体ウェーハの洗浄に用いる場合、金属系電極を用いればパーティクルは抑えられるものの、金属がイオンとなって陽極から溶出してくる。炭素電極単体では、陽極が酸化すること (CO2 発生)により表面が浸食され、炭素片が欠落し多量のパーティクルが発生してしまう。
このように、電気分解後に電解イオン水を本発明により純化された純水もしくは超純水で希釈すればこの電解イオン水をウェーハ洗浄などに実用化できる。希釈後の電解イオン水は、稀薄濃度で電解し生成した電解イオン水と特性は変わらない。
【0022】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、純水もしくは超純水中に電圧をかけるか弱い電流を流すことにより金属イオンが陰極に集まり、析出する。その結果純水もしくは超純水中の金属イオン濃度を著しく減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の超純水の純化方法に用いる超純水貯蔵タンクの概略断面図。
【図2】参考例の電極(陽極)の斜視図及び部分側部断面図。
【図3】図1のA−A′線に沿う部分の断面図。
【図4】本発明に用いる高純度フィルタの斜視図。
【図5】本発明に用いる超純水貯蔵タンクの概略断面図。
【図6】参考例の純化槽を備えた超純水供給ラインの概略断面図。
【図7】本発明の方法で純化された水を用いる金属電極を備えた電解イオン水生成装置の概略断面図。
【図8】本発明の炭素電極を用いた電解イオン水生成装置の概略断面図。
【図9】本発明の純化装置が備えられている超純水貯蔵タンクを備えた純水もしくは超純水を供給するシステムを用いた半導体製造装置のシステム図。
【図10】本発明及び従来例の特性を説明する特性図。
【符号の説明】
1、50・・・電解槽、 2、53・・・陽極室、
3、52・・・陰極室、 4、74、542・・・陽極、
5、75、541・・・陰極、 6、56・・・イオン交換膜、
7、77、78・・・高純度フィルタ、
8、9・・・電解質添加超純水(電解質溶液)供給ライン、
10・・・酸性水排水ライン、 11・・・アルカリ性水排水ライン、
12、13・・・洗浄用超純水供給ライン、
14、15・・・洗浄用超純水排水ライン、
16、17、18、19、20、21、22、23・・・開閉バルブ、
24、25・・・パッキン、 26・・固定ネジ、
27・・・酸性水分岐ライン、 28・・・アルカリ性水分岐ライン、
29、30・・・パーティクルフイルタ、
31、32・・・超純水ライン、 33、34・・・薬液タンク、
35、36、49、44、70・・・ポンプ、
37、38、46、47・・・ミキサー、
39・・・洗浄槽、 40・・・半導体ウェーハ、
41・・・成型体、 42・・・炭素層、 45・・・超純水タンク、
43、48、49・・・支持電解質タンク、
51・・・電解質溶液、 54・・・電極、 58・・・陰極イオン水、 59・・・陽極水、 61・・・電解水供給ライン、
62・・・陰極イオン水供給ライン、
63・・・陽極イオン水供給ライン、
66、76・・・直流電源、 67・・・負極、
68・・・正極、 71・・・超純水貯蔵タンク、
72・・・1次純水供給ライン、 73・・・2次純水供給ライン、
79・・・純化槽。
Claims (6)
- 純水又は超純水中に少なくとも1対の陽極及び陰極からなる炭素電極を配置する段階と、
前記炭素電極に所定の大きさの直流電圧を印加して前記陰極に前記純水又は超純水中に存在する金属イオンを吸着する段階とを備え、
前記炭素電極は、少なくとも一部が所定の間隔をおいてフィルタに覆われ、前記純水又は超純水は、前記陰極に金属イオンが吸着されてから前記フィルタによって濾過されることを特徴とする超純水の純化方法。 - 前記陽極及び陰極からなる炭素電極は、結晶性炭素の成形体及びその表面に形成されたアモルファス炭素層から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超純水の純化方法。
- 前記直流電圧は、前記陰極に金属イオンを吸着させることができる大きさであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超純水の純化方法。
- 前記直流電圧は、5〜30Vであることを特徴とする請求項3に記載の超純水の純化方法。
- 純水又は超純水が蓄えられている超純水貯蔵タンクと、
前記超純水貯蔵タンク内に配置された少なくとも1対の陽極及び陰極からなる炭素電極と、
前記炭素電極の少なくとも一部分が所定の間隔をおいて覆われているフィルタと、
前記炭素電極に接続された直流電源とを備えていることを特徴とする超純水の純化装置。 - 純水又は超純水が蓄えられている超純水貯蔵タンクと、
前記超純水貯蔵タンクから導出される超純水供給ラインと、
前記超純水供給ライン内に配置された純化槽内に設けられた少なくとも1対の陽極及び陰極からなる炭素電極と、
前記炭素電極が少なくとも一部分が所定の間隔をおいて覆われているフィルタと、
前記炭素電極に接続された直流電源とを備えていることを特徴とする超純水の純化装置。
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