JP3569405B2 - 粘性ダンパー機構 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性ダンパー機構、特に、トルクを伝達するとともに捩じり振動を減衰するための粘性ダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば車輌においてエンジン側の部材とトランスミッション側の部材との間にはエンジンのトルク変動を吸収するためのダンパー機構が設けられている。ダンパー機構は、クラッチディスク組立体やフライホイール組立体に組み込まれている。ダンパー機構は、相対回転可能な第1回転部材及び第2回転部材と、両部材が相対回転するときにその回転を制限するように配置されたコイルスプリングと、両部材が相対回転するときに摩擦または粘性抵抗によりヒステリシストルクを発生するヒステリシストルク発生機構とを含んでいる。
【0003】
このようなダンパー機構では、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動を吸収するために、広捩じり角・低剛性・小ヒステリシストルクの特性を必要とする。そのために、従来よりコイルスプリングや板ばねを円周方向に長く延ばしたばね部材が用いられている。
特開平6−174011号公報に開示されたダンパー機構では、コイルスプリングに代えて曲がり板ばねを用いている。曲がり板ばねは、一定の幅を有する細長い板部材を波状に折り曲げて複数の直列ばね要素を形成してなる。曲がり板ばねは、第1回転部材と第2回転部材とが形成する環状流体室内に配置され、第1回転部材から第2回転部材にトルクを伝達する。捩じり振動が入力され両部材が相対回転すると、曲がり板ばねは円周方向に圧縮される。このとき、曲がり板ばねと環状流体室の壁面との間の空間が圧縮され、流体が両部材の間の隙間を通過することで粘性抵抗が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の粘性ダンパー機構では、曲がり板ばねと環状流体室の壁面との間で発生する粘性抵抗はあまり大きくない。しかし、一方でフライホイール組立体に用いられる粘性ダンパー機構は、捩じり角度の大きな範囲で大粘性抵抗を必要とする。その理由は、エンジンの低回転数領域(始動又は停止時)における共振点を通過する際に、大きなトルク変動が粘性ダンパー機構に伝達されるからである。このときに、低剛性の曲がり板ばねのたわみ角度は大きく、第1回転部材と第2回転部材の相対回転角度は大きくなる。このときは、大きな粘性抵抗を発生させて捩じり振動を速やかに減衰するのが好ましい。
【0005】
そこで、曲がり板ばねの円周方向両端をシート部材により支持及びシールし、曲がり板ばねが円周方向に圧縮されるときに、曲がり板ばねが配置された空間全体に大きな圧が発生させることが考えられる。ただし、その場合は微小振動伝達時にも大きな粘性抵抗が発生し、振動がそのままトランスミッション側に伝達されやすい。
【0006】
本発明の目的は、粘性ダンパー機構において捩じり振動の種類に応じて適切な大きさの粘性抵抗を発生させて振動を出力しにくくすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の粘性ダンパー機構は、第1及び第2回転部材と弾性部材と複数のシート部材と複数のスライダーとを備えている。第1及び第2回転部材は互いに相対回転可能に配置され、流体が充填された環状チャンバーを形成する。第1及び第2回転部材は、環状チャンバー内において円周方向に対応する第1係合部及び第2係合部をそれぞれ有している。第1係合部及び第2係合部の対は環状チャンバー内に円周方向等間隔で複数設けられている。弾性部材は第1及び第2係合部の対間に各々配置され、第1及び第2回転部材が相対回転すると円周方向に圧縮される。複数のシート部材は、弾性部材の円周方向両側に配置されて弾性部材を支持するとともに、弾性部材の円周方向両側をシールして粘性抵抗発生空間を形成するための部材であり、円周方向両側に連通する連通部を有する。スライダーは、シート部材の連通部に円周方向に相対移動可能に配置され、連通部を開閉可能である。
【0008】
請求項1に記載の粘性ダンパー機構では、たとえば第1回転部材が回転すると、第1回転部材の第1係合部がシート部材を介して弾性部材を押し、第2係合部すなわち第2回転部材にトルクを伝達する。粘性ダンパー機構に捩じり振動が伝達されると、第1回転部材と第2回転部材とが相対回転し、第1係合部と第2係合部との間で弾性部材が円周方向に圧縮される。このとき、1対のシート部材は円周方向に互いに接近する。このときスライダーは連通部を閉鎖する。この結果、1対のシート部材により粘性抵抗発生空間が圧縮されるときに、粘性抵抗発生空間内に大きな圧が発生する。この結果大きな粘性抵抗が発生し、共振点通過時におきる大きなトルク変動を速やかに減衰できる。
【0009】
一方、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動が伝達されると、スライダーは連通部を閉鎖しない範囲で円周方向への相対移動を繰り返す。このとき、1対のシート部材により形成される粘性抵抗発生空間と第1及び第2係合部の円周方向両側に配置された1対のシート部材により形成された空間との間で流体は連通部を通って流れる。その結果、環状チャンバー内で大きな粘性抵抗は発生しない。これにより微小捩じり振動を効果的に吸収できる。
【0010】
請求項2に記載の粘性ダンパー機構では、請求項1において、スライダーは、円周方向に延び一端が第2係合部に円周方向に対向する流路を有している。流路はスライダーが第2係合部に当接すると閉鎖される。
請求項3に記載の粘性ダンパー機構では、請求項2において、スライダーは第2係合部に円周方向に所定角度でのみ相対移動可能に係合している。
【0011】
請求項4に記載の粘性ダンパー機構では、請求項3において、スライダーは、第2係合部が挿入される孔部が形成された本体と、本体から円周方向両側に延びシート部材の連通部に挿入される挿入部とを有している。挿入部から孔部内に向かって流路が形成されている。
請求項5に記載の粘性ダンパー機構では、請求項1〜4のいずれかにおいて、弾性部材は交互に折り曲げられた形状で円周方向に延び環状チャンバーの壁面との間に複数の閉空間を形成している曲がり板ばねである。粘性抵抗発生空間が圧縮されるときに、曲がり板ばねが変形し、複数の閉空間を縮小する。この結果、大きな粘性抵抗が発生する。
【0012】
請求項6に記載のダンパー機構では、請求項1〜4のいずれかにおいて、シート部材の弾性部材側に設けられ、環状チャンバー内の圧の変化に応じてシート部材の連通部を開閉可能なシール部材をさらに備えている。粘性抵抗発生空間が縮小されて大きな圧が発生すると、シート部材が連通部を閉じる。この結果、粘性抵抗発生空間において大きな粘性抵抗が生じる。
【0013】
請求項7に記載の粘性ダンパー機構では、請求項6において、シール部材は連通部の弾性部材側の開口から離れた状態で配置され、粘性抵抗発生空間が縮小されるときに発生する圧により連通部を閉じる。
請求項8に記載の粘性ダンパー機構では、請求項7において、シール部材はシート部材の弾性部材側に配置された板形状部材である。
【0014】
請求項9に記載の粘性ダンパー機構では、請求項8においてシート部材の惰性部材側には連通部に対応して凹部が形成されており、シール部材は凹部内で開口から離れた位置に配置されている。シール部材はシート部材の凹部内に配置されているため、弾性部材により押されることはない。
請求項10に記載の粘性ダンパー機構では、請求項6〜9のいずれかにおいて、弾性部材は交互に折り曲げられた形状で円周方向に延び環状チャンバーの壁面との間に複数の閉空間を形成している曲がり板ばねである。曲がり板ばねには、円周方向に連通する複数の流体通路が形成されている。曲がり板ばねは円周方向に連通する複数の流体通路が形成されているため、複数の閉空間においては大きな粘性抵抗は発生しない。しかし、シール部材により粘性抵抗発生空間の両側が確実にシールされるため、粘性抵抗発生空間全体で大きな粘性抵抗が生じる。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
構造
図1〜図3に示すフライホイール組立体1は、エンジン側のクランクシャフト2からトランスミッション側のメインドライブシャフト(図示せず)にトルクを伝達するための装置である。このフライホイール組立体1には、クラッチカバー組立体3及びクラッチディスク組立体14が取り付けられる。以下の説明では、図2の左側をエンジン側とし、右側をトランスミッション側とする。また、図1の矢印R1 がフライホイール組立体1の回転方向前方であり、矢印R2 が回転方向後方である。
【0016】
フライホイール組立体1は、主に、第1フライホイール4と第2フライホイール5と粘性ダンパー機構6とから構成されている。第1フライホイール4は円板状の肉厚の鋳鉄又は鋼材からなる部材である。第1フライホイール4の内周部は、円周方向に配置された複数のクランクボルト12によりクランクシャフト2の端面に固定可能である。第1フライホイール4の内周面には、図示しないトランスミッションのメインドライブシャフト先端を回転自在に支持するための軸受13が設けられている。また、第1フライホイール4の外周面には、リングギア11が固定されている。さらに、第1フライホイール4の外周部には、トランスミッション側に突出する環状の突出部4aが形成されている。
【0017】
粘性ダンパー機構6は、主に、ドライブプレート15とシールプレート16とドリブンプレート17と1対の曲がり板ばね19と複数のシート部材20とから構成されている。ドライブプレート15は、フライホイール4のトランスミッション側に近接して配置された円板状の板金製部材である。ドライブプレート15の内周部は、トランスミッション側に延びる内周突出部15aとなっている。ドライブプレート15の半径方向中間部は、図2から明らかなようにエンジン側に凹む環状凹部となっている。シールプレート16は、ドライブプレート15のトランスミッション側に配置された円板状の板金製部材である。ドライブプレート15の外周部とシールプレート16の外周部は互いに当接しており、複数のボルト41により互いに固定されている。このようにして、ドライブプレート15とシールプレート16は第1回転部材として機能する。また、プレート15,16の外周部は、複数のボルト42により、第1フライホイール4の突出部4aに固定されている。なお、ドライブプレート15とシールプレート16の外周部間には、Oリング28が配置されている。シールプレート16の内径はドライブプレート15の内径よりも大きく、シールプレート16の内周縁とドライブプレート15の内周部との間には環状の隙間が形成されている。ドライブプレート15の環状凹部とシールプレート16との間には環状流体チャンバ17が形成されている。この環状流体チャンバ17内にはたとえばグリス等の流体が充填されている。
【0018】
ドリブンプレート18は、プレート15,16に相対回転可能な第2回転部材として機能するものであり、環状部18aと、環状部18aから半径方向に対向する2か所で半径方向外方に延びる係合部18b(第2係合部)とからなる。環状部18aはドライブプレート15とシールプレート16の内周縁との間に一部が配置されており、係合部18bは環状流体チャンバ17内に挿入されている。環状部18aの内周部には、複数のボルト43を介して第2フライホイール5の内周部が固定されている。環状部18aと第2フライホイール5の内周部は、ともに軸受44を介してドライブプレート15の内周側突出部15aに相対回転自在に支持されている。図6に示すように係合部18bは環状流体チャンバ17より半径方向長さが短く、チャンバ17の外周側内壁面(後述)と係合部18bとの間に大きな隙間が形成されている。また、係合部18bは円周方向両端において軸方向に曲げられた折り曲げ部18cを有している。さらに、係合部18bから半径方向外方に延びる係合突起18dが形成されている。係合突起18dは、係合部18bより半径方向幅が短い。係合突起18dは、図2から明らかなように、折り曲げられて環状流体チャンバ17の軸方向中間に配置されている。
【0019】
第2フライホイール5は、トランスミッション側にクラッチディスク組立体14のフリクションディスクが押圧される摩擦面5aを有している。
次に、環状流体チャンバ17全体のシール構造について説明する。環状流体チャンバ17の両側壁は、プレート15,16すなわち1対の円板状部により形成されている。環状流体チャンバの外周側には、筒状の環状シール27が配置されている。この環状シール27は、ドライブプレート15とシールプレート16との継ぎ目部分を覆い、環状流体チャンバ17の外周側内壁面となっている。ドライブプレート18の環状部18aの外周面には、筒状の環状シール22が配置されている。環状シール22の軸方向両端はそれぞれドライブプレート15及びシールプレート16の内周側に形成された環状溝内に相対回転自在に配置されている。環状シール22は、環状流体チャンバ17の内周側壁面となっている。ドリブンプレート18の突出部18bは、環状シール22に形成されたスリットを通って半径方向外方に延びている。環状シール22はドリブンプレート18と一体回転する。
【0020】
軸受44は潤滑剤密封型であり、その内部に潤滑剤を密封するとともに、ドリブンプレート18の内周部とドライブプレート15の内周突出部15aとの間をシールしている。さらに、シールプレート16と第2フライホイール5との間には、環状のシール部材29が配置されている。
以上に述べた環状流体チャンバ17内において、ドリブンプレート18の係合部18bに対応した位置において、ドライブプレート15及びシールプレート16には、係合プレート25(第1係合部)がそれぞれリベット26により固定されている。係合プレート25は、係合部18bより円周方向長さが短く、環状流体チャンバ17内で内周側に配置されている。係合部18b及び係合プレート25は複数の対を形成しており、各対は環状チャンバー17内において円周方向等間隔で複数設けられている。これらの係合部18b及び係合プレート25により、環状流体チャンバ17内は2つの弧状空間に区画されている。各弧状空間内には、弧状に延びる曲がり板ばね19及び1対のシート部材20が配置されている。
【0021】
曲がり板ばね19は、図3〜5に詳細に示すように、所定の幅の板部材を波状に折り曲げた形状のものであり、弧状に長く延びている。曲がり板ばね19は、軸方向幅が環状流体チャンバ17とほぼ同じであり、軸方向端が両側壁面(ドライブプレート15,シールプレート16)に当接または近接している。曲がり板ばね19は、リング部51,52とレバー部53とからなる直列ばね要素を複数形成している。外周側リング部51と内周側リング部52は円周方向に交互に配置されている。両リング部51,52は両端から中央部に向かって徐々に厚みが小さくなる変断面を有している。なお、外周側リング部51は内周側リング部52より径が大きい。外周側リング部51と内周側リング部52はレバー部53により接続されている。レバー部53は各リング部51,52から見ると外方に向かうにしたがって隙間が広くなるように開いている。図4に示すように、レバー部53は、リング部51の開環部付近において円周方向に隙間のあいた外周レバー支点55を有しており、内周側リング部52の開環部付近において円周方向に隙間のあいた内周レバー支点56を有している。
【0022】
曲がり板ばね19は、環状チャンバー17の外周壁面及び側壁との間に複数の閉空間49を形成している。閉空間49は、曲がり板ばね19が円周方向に圧縮される際に縮小され、粘性抵抗が生じる。
曲がり板ばね19の円周方向両端には、シート部材20が配置されている。このシート部材20は、曲がり板ばね19の円周方向両端を支持するとともにシールして、1対のシート部材20間で第1空間47(粘性抵抗発生空間)を形成するための部材でもある。シート部材20は、環状流体チャンバ17内で曲がり板ばね19の円周方向両側で流体が流れないように、環状流体チャンバ17内を遮断している。すなわち、シート部材20は、軸方向長さ及び半径方向長さが環状流体チャンバ17とほぼ同じであり、内外周面及び軸方向端面が環状流体チャンバ17の各内壁面に当接している。シート部材20は、突出部18b側には平坦面を有しており、曲がり板ばね19側には曲がり板ばね19の端部の形状に合った湾曲面となっている。シート部材20の曲がり板ばね19側には、円周方向両端の外周側リング部51と内周側リング部52とが当接している。さらに、シート部材20には、最も円周方向外側の外周側リング部51から延びるレバー部53も当接している。
【0023】
シート部材20半径方向外側端には、連通部20aが形成されている。連通部20aはシート部材20の外周面に形成された切欠きであり、シート部材20の円周方向両側を連通させている。
スライダー21は、係合突起18dに所定角度内で相対回転可能に係合している。スライダー21は円周方向に延び、本体21aと挿入部21bからなる。本体21aは環状流体チャンバ17とほぼ同一の軸方向長さを有しており、円周方向両端はシート部材20から離れて配置されている。本体21aには、半径方向に貫通する孔部21dが形成されている。係合突起18dは孔部21d内に挿入されている。図7から明らかなように、孔部21dは係合突起18dより円周方向に長く、スライダー21は係合突起18dに所定角度内で相対移動可能である。挿入部21bは本体21aから円周方向両側に延び、連通部20a内に挿入されている。挿入部21bは連通部20aの壁面に相対移動可能に当接している。スライダー21には、各挿入部21bの円周方向端部から孔部21dに延びる流路21cが形成されている。流路21bの孔部21d側の開口は18dに対向しており、その開口は18dに当接すると閉鎖される。スライダー21の外周面は、27に沿った湾曲面となっている。
【0024】
スライダー20は、第1空間47を形成するとともに、係合部18b側に第2空間48を形成している。すなわち環状流体チャンバ17、複数のシート部材20により分割された第1空間47と第2空間48が円周方向に交互に形成されていることになる。この配置は、環状チャンバー17の模式図である図10から明らかである。この構造により、プレート15,16とドリブンプレート18が相対回転するときに第1空間47及び第2空間48の容積が変化し、大きな粘性抵抗が発生する。
【0025】
以上の構造において、前述のスライダー21の流路21cは、第1空間47と第2空間48を連絡する通路として機能している。スライダー21が係合突起18dに当接すると、流路21cは閉鎖される。つまり、スライダー21、シート部材20の連通部20a及びドリブンプレート18の係合突起18dは、微小捩じり振動に対しては第1及び第2空間47,48を連絡して大粘性抵抗の発生を抑えるための機構を構成している。この機構は、スライダー21及びシート部材20をドリブンプレート18の係合部18bに係合させるだけで簡単に実現できる。また、スライダー21及びシート部材20の構造は簡単であり、ドリブンプレート18の係合部18b及び係合突起ディスク18dの加工は容易である。
【0026】
動作
クランクシャフト2が回転すると、第1フライホイール4にトルクが伝達され、そのトルクは、さらに粘性ダンパー機構6を介して第2フライホイール5に伝達される。さらに、トルクはクラッチ連結状態でクラッチディスク組立体14に伝達され、最後にトランスミッションのメインドライブシャフトに出力される。
【0027】
粘性ダンパー機構6において、トルク伝達は以下のように行われる。ドライブプレート15及びシールプレート16が回転すると、係合プレート25がシート部材20を押し、曲がり板ばね19を介してドリブンプレート18の係合部18bが押される。このようにして、プレート15,16からドリブンプレート18にトルクが伝達される。
【0028】
粘性ダンパー機構6に捩じり振動(トルク変動)が入力されると、プレート15,16とドリブンプレート18とが周期的な相対回転を行い、曲がり板ばね19が円周方向に圧縮される。
捩じり振動に対する粘性ダンパー機構6の動作及び特性について詳細に説明する。たとえば図1に示す中立状態(プレート15,16とドリブンプレート18が捩じれていない状態)でエンジンの実用回転数領域で生じる微小捩じり振動が粘性ダンパー機構6に入力されたとする。このとき、曲がり板ばね19は、各レバー部53がリング部51,52の中央部を支点としてたわむため、低い捩じり剛性が得られる。さらに、スライダー21はドリブンプレート18の係合突起18dに対して当接しない範囲で相対移動を円周方向両側に繰り返す。このとき、流体は第1空間47と第2空間48との間で、スライダー21の流路21cを通って交互に流れる。このように微小捩じり振動伝達時には、第1空間47と第2空間48との間で比較的大きな流路21cが確保されているため、あまり大きな圧は発生しない。そのため、大きな粘性抵抗が発生せず、微小捩じり振動が効果的に形成される。なお、プレート15,16とドリブンプレート18が所定角度捩じれた状態で、微小捩じり振動が伝達された場合にも、前述と同様の動作及び効果が得られる。
【0029】
次に、エンジンの回転数が共振点を通過する際に生じる大トルク変動(大捩じり振動)伝達時における粘性ダンパー機構6の動作及び特性について説明する。なおここではプレート15,16が固定されておりそれに対してドリブンプレート18が相対回転する動作として説明する。大捩じり振動か伝達されると、たとえば図6の状態から図8の状態に以降し、さらに図8の状態からドリブンプレート18がR2 方向に回転する。すると、係合部18bと係合プレート25との間でシート部材20を介して曲がり板ばね19が円周方向に圧縮される。すなわち、第1空間47が縮小され、第2空間48が拡大されていく。なお、この動作は図11にも開示されている。
【0030】
捩じり角度が大きくなると、曲がり板ばね19は、各外周レバー支点55と内周レバー支点56とがそれぞれ密着した状態になり(図9)、以後は各支点55,56を支点としてレバー部53が変形する。このときには捩じり角度の小さな領域に比べて剛性が高くなる。
図8及び図11に示す状態では、係合突起18dがスライダー21の孔部21d壁面に当接し、R2 側の流路21cの開口を閉じている。この結果、各第1空間47においてR1 側のシート部材20において流体の移動が制限されている。この結果、第1空間47において大きな圧が発生する。そのため、各第1空間47内の複数の閉空間49が縮小される際に大きな粘性抵抗が発生する。このように、大捩じり振動伝達時において、剛性が高くなりしかも大きな粘性抵抗が得られる。これにより、共振点通過時の大捩じり振動を効果的に減衰できる。
第2実施形態
この実施形態は、フライホイール組立体及び粘性ダンパー機構全体の構成については第1実施形態と同様である。ここでは、特に前記実施形態と異なる点のみを詳細に説明する。
【0031】
図12及び図13において、シート部材20の曲がり板ばね19側には、凹部20bが形成されている。凹部20bはシート部材20の形成され、半径方向に長く延びている。凹部20bの半径方向外側は連通部20aに対応しており、連通部20aより円周方向幅が広い。凹部20b内には、リード弁30が配置されている。リード弁30は、半径方向に長い板状シール部材であり、軸方向幅が凹部20bよりわずかに狭くて連通部20aより広く設定されている。リード弁30は半径方向外側端が環状シール20近傍に配置されている。リード弁30の半径方向内側には、シート部材20の半径方向内側端に係合する折曲げ部30aが形成されている。リード弁30は半径方向内側端はシート部材20の凹部20bに当接している。リード弁30は半径方向内側から徐々に凹部20bから円周方向外側に離れるように反り返った形状になっている。リード弁30の半径方向外側端は凹部20bすなち連通部20aの開口から大きく円周方向に離れている。すなわち、図12に示す状態で、リード弁30の半径方向外側及び軸方向両側において流体は円周方向に通過可能である。リード弁30は、半径方向外側端が弾性変形により連通部20a開口側に移動すると、連通部20aを閉鎖可能である。リード弁30は、材料や形状を選定することにより、剛性を様々に変化させることができる。
【0032】
この実施形態では、曲がり板ばね19は、図14に示すように、レバー部53において切欠き54(流体通過部)が形成されている。そのため、各第1空間47において複数の閉空間49ではあまり大きな粘性抵抗は発生しない構造になっている。
微小捩じり振動伝達時におけるスライダー21の動作は前記実施形態と同様である。このとき、リード弁30はほとんど変形せずあるいは僅かに変形するのみであり、流体がスライダー21の流路21cを通過するのを妨げない。
【0033】
大捩じり振動伝達時には、図15及び図17に示すように、係合部18bがR2 方向に移動し、シート部材20を押していく。すると、各第1空間47においてR1 方向に大きな圧が発生し、回転方向R2 に向かって徐々に小さな圧が発生していく。その結果、各第1空間47において回転方向R2 側端ではほとんど圧が発生しないまたは僅かな圧が発生する。この結果、各第1空間47内の流体はR2 側のリード弁30とその周囲の隙間を通ってシート部材20の連通部20aから第2空間48内に流れる。R2 側のリード弁30はシート部材20の凹部20b内に配置されているため、曲がり板ばね19の端部に押されて変形することはない。ここでは、第1空間47の円周方向端部をシールするリード弁30により第1空間47内に大きな圧を発生することができる。そのため、曲がり板ばね19に切欠き54が形成されていても、全体で大きな粘性抵抗を確保できる。
【0034】
たとえば図15の状態からドリブンプレート18が回転方向R1 側に捩じれたとする。すると、第2空間48内に大きな圧が発生し、図における回転方向R2 側のリード弁30が図18に示すように元の状態に戻る。すなわち、各第1空間47内のR1 側のリード弁30が変形し、シート部材20の連通部20a開口を開く。その結果、第2空間48からスライダー21の流路21c及びシート部材20の連通部20aを通って第1空間47に流体が戻される。このように、リード弁30は第1空間47への流体を戻す機能を有している。この結果、確実に第1空間47に流体が戻され、流体が不足しにくい。
【0035】
〔他の変形例〕
粘性ダンパー機構6は、フライホイール組立体以外の装置にも用いることが可能である。たとえば、クラッチディスク組立体やトルクコンバータのロックアップ装置にも採用できる。
さらに、フライホイール組立体においても、第1フライホイール4とプレート15,16とを一体の部材として形成してもよいし、ドリブンプレート18と第2フライホイール5とを一体の部材として形成してもよい。さらに、環状流体チャンバを構成する構造は、実施形態のプレート15,16及びドリブンプレート18の形状に限定されない。
【0036】
弧状空間及びばね部材は3つ以上でもよい。
曲がり板ばねの構造は前記実施形態に限定されない。また、曲がり板ばねの代わりに他の種類のばねを用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る粘性ダンパー機構では、環状チャンバー内で曲がり板ばねの両側にシート部材を配置して粘性抵抗発生空間を形成し、それにより大粘性抵抗を得ている。また、シート部材の連通部を開閉可能なスライダーを設けることで、微小捩じり振動発生時の大粘性抵抗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態が採用されたフライホイール組立体の平面図。
【図2】フライホイール組立体の縦断面概略図。
【図3】曲がり板ばねの平面図。
【図4】図5のIV−IV断面図。
【図5】図3の部分拡大図。
【図6】図1の部分拡大図。
【図7】図6のVII 矢視図。
【図8】粘性ダンパー機構の動作を示す、図6に対応する図。
【図9】曲がり板ばねの動作を示す図4に対応する図。
【図10】粘性ダンパー機構の構成を示す模式平面図。
【図11】粘性ダンパー機構の動作を示す、図10に対応する図。
【図12】第2実施形態における、図5に対応する図。
【図13】図12のXIII矢視図。
【図14】曲がり板ばねの断面図。
【図15】粘性ダンパー機構の動作を示す、図12に対応する図。
【図16】粘性ダンパー機構の模式平面図。
【図17】粘性ダンパー機構の動作を示す、図16に対応する図。
【図18】粘性ダンパー機構の動作を示す、図12に対応する図。
【符号の説明】
1 フライホイール組立体
2 クランクシャフト
3 クラッチカバー組立体
4 第1フライホイール
5 第2フライホイール
6 粘性ダンパー機構
15 ドライブプレート
16 シールプレート
17 環状チャンバー
18 ドリブンプレート
19 曲がり板ばね
20 シート部材
21 スライダー
30 リード弁
47 第1空間(粘性抵抗発生空間)
48 第2空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性ダンパー機構、特に、トルクを伝達するとともに捩じり振動を減衰するための粘性ダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば車輌においてエンジン側の部材とトランスミッション側の部材との間にはエンジンのトルク変動を吸収するためのダンパー機構が設けられている。ダンパー機構は、クラッチディスク組立体やフライホイール組立体に組み込まれている。ダンパー機構は、相対回転可能な第1回転部材及び第2回転部材と、両部材が相対回転するときにその回転を制限するように配置されたコイルスプリングと、両部材が相対回転するときに摩擦または粘性抵抗によりヒステリシストルクを発生するヒステリシストルク発生機構とを含んでいる。
【0003】
このようなダンパー機構では、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動を吸収するために、広捩じり角・低剛性・小ヒステリシストルクの特性を必要とする。そのために、従来よりコイルスプリングや板ばねを円周方向に長く延ばしたばね部材が用いられている。
特開平6−174011号公報に開示されたダンパー機構では、コイルスプリングに代えて曲がり板ばねを用いている。曲がり板ばねは、一定の幅を有する細長い板部材を波状に折り曲げて複数の直列ばね要素を形成してなる。曲がり板ばねは、第1回転部材と第2回転部材とが形成する環状流体室内に配置され、第1回転部材から第2回転部材にトルクを伝達する。捩じり振動が入力され両部材が相対回転すると、曲がり板ばねは円周方向に圧縮される。このとき、曲がり板ばねと環状流体室の壁面との間の空間が圧縮され、流体が両部材の間の隙間を通過することで粘性抵抗が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の粘性ダンパー機構では、曲がり板ばねと環状流体室の壁面との間で発生する粘性抵抗はあまり大きくない。しかし、一方でフライホイール組立体に用いられる粘性ダンパー機構は、捩じり角度の大きな範囲で大粘性抵抗を必要とする。その理由は、エンジンの低回転数領域(始動又は停止時)における共振点を通過する際に、大きなトルク変動が粘性ダンパー機構に伝達されるからである。このときに、低剛性の曲がり板ばねのたわみ角度は大きく、第1回転部材と第2回転部材の相対回転角度は大きくなる。このときは、大きな粘性抵抗を発生させて捩じり振動を速やかに減衰するのが好ましい。
【0005】
そこで、曲がり板ばねの円周方向両端をシート部材により支持及びシールし、曲がり板ばねが円周方向に圧縮されるときに、曲がり板ばねが配置された空間全体に大きな圧が発生させることが考えられる。ただし、その場合は微小振動伝達時にも大きな粘性抵抗が発生し、振動がそのままトランスミッション側に伝達されやすい。
【0006】
本発明の目的は、粘性ダンパー機構において捩じり振動の種類に応じて適切な大きさの粘性抵抗を発生させて振動を出力しにくくすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の粘性ダンパー機構は、第1及び第2回転部材と弾性部材と複数のシート部材と複数のスライダーとを備えている。第1及び第2回転部材は互いに相対回転可能に配置され、流体が充填された環状チャンバーを形成する。第1及び第2回転部材は、環状チャンバー内において円周方向に対応する第1係合部及び第2係合部をそれぞれ有している。第1係合部及び第2係合部の対は環状チャンバー内に円周方向等間隔で複数設けられている。弾性部材は第1及び第2係合部の対間に各々配置され、第1及び第2回転部材が相対回転すると円周方向に圧縮される。複数のシート部材は、弾性部材の円周方向両側に配置されて弾性部材を支持するとともに、弾性部材の円周方向両側をシールして粘性抵抗発生空間を形成するための部材であり、円周方向両側に連通する連通部を有する。スライダーは、シート部材の連通部に円周方向に相対移動可能に配置され、連通部を開閉可能である。
【0008】
請求項1に記載の粘性ダンパー機構では、たとえば第1回転部材が回転すると、第1回転部材の第1係合部がシート部材を介して弾性部材を押し、第2係合部すなわち第2回転部材にトルクを伝達する。粘性ダンパー機構に捩じり振動が伝達されると、第1回転部材と第2回転部材とが相対回転し、第1係合部と第2係合部との間で弾性部材が円周方向に圧縮される。このとき、1対のシート部材は円周方向に互いに接近する。このときスライダーは連通部を閉鎖する。この結果、1対のシート部材により粘性抵抗発生空間が圧縮されるときに、粘性抵抗発生空間内に大きな圧が発生する。この結果大きな粘性抵抗が発生し、共振点通過時におきる大きなトルク変動を速やかに減衰できる。
【0009】
一方、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動が伝達されると、スライダーは連通部を閉鎖しない範囲で円周方向への相対移動を繰り返す。このとき、1対のシート部材により形成される粘性抵抗発生空間と第1及び第2係合部の円周方向両側に配置された1対のシート部材により形成された空間との間で流体は連通部を通って流れる。その結果、環状チャンバー内で大きな粘性抵抗は発生しない。これにより微小捩じり振動を効果的に吸収できる。
【0010】
請求項2に記載の粘性ダンパー機構では、請求項1において、スライダーは、円周方向に延び一端が第2係合部に円周方向に対向する流路を有している。流路はスライダーが第2係合部に当接すると閉鎖される。
請求項3に記載の粘性ダンパー機構では、請求項2において、スライダーは第2係合部に円周方向に所定角度でのみ相対移動可能に係合している。
【0011】
請求項4に記載の粘性ダンパー機構では、請求項3において、スライダーは、第2係合部が挿入される孔部が形成された本体と、本体から円周方向両側に延びシート部材の連通部に挿入される挿入部とを有している。挿入部から孔部内に向かって流路が形成されている。
請求項5に記載の粘性ダンパー機構では、請求項1〜4のいずれかにおいて、弾性部材は交互に折り曲げられた形状で円周方向に延び環状チャンバーの壁面との間に複数の閉空間を形成している曲がり板ばねである。粘性抵抗発生空間が圧縮されるときに、曲がり板ばねが変形し、複数の閉空間を縮小する。この結果、大きな粘性抵抗が発生する。
【0012】
請求項6に記載のダンパー機構では、請求項1〜4のいずれかにおいて、シート部材の弾性部材側に設けられ、環状チャンバー内の圧の変化に応じてシート部材の連通部を開閉可能なシール部材をさらに備えている。粘性抵抗発生空間が縮小されて大きな圧が発生すると、シート部材が連通部を閉じる。この結果、粘性抵抗発生空間において大きな粘性抵抗が生じる。
【0013】
請求項7に記載の粘性ダンパー機構では、請求項6において、シール部材は連通部の弾性部材側の開口から離れた状態で配置され、粘性抵抗発生空間が縮小されるときに発生する圧により連通部を閉じる。
請求項8に記載の粘性ダンパー機構では、請求項7において、シール部材はシート部材の弾性部材側に配置された板形状部材である。
【0014】
請求項9に記載の粘性ダンパー機構では、請求項8においてシート部材の惰性部材側には連通部に対応して凹部が形成されており、シール部材は凹部内で開口から離れた位置に配置されている。シール部材はシート部材の凹部内に配置されているため、弾性部材により押されることはない。
請求項10に記載の粘性ダンパー機構では、請求項6〜9のいずれかにおいて、弾性部材は交互に折り曲げられた形状で円周方向に延び環状チャンバーの壁面との間に複数の閉空間を形成している曲がり板ばねである。曲がり板ばねには、円周方向に連通する複数の流体通路が形成されている。曲がり板ばねは円周方向に連通する複数の流体通路が形成されているため、複数の閉空間においては大きな粘性抵抗は発生しない。しかし、シール部材により粘性抵抗発生空間の両側が確実にシールされるため、粘性抵抗発生空間全体で大きな粘性抵抗が生じる。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
構造
図1〜図3に示すフライホイール組立体1は、エンジン側のクランクシャフト2からトランスミッション側のメインドライブシャフト(図示せず)にトルクを伝達するための装置である。このフライホイール組立体1には、クラッチカバー組立体3及びクラッチディスク組立体14が取り付けられる。以下の説明では、図2の左側をエンジン側とし、右側をトランスミッション側とする。また、図1の矢印R1 がフライホイール組立体1の回転方向前方であり、矢印R2 が回転方向後方である。
【0016】
フライホイール組立体1は、主に、第1フライホイール4と第2フライホイール5と粘性ダンパー機構6とから構成されている。第1フライホイール4は円板状の肉厚の鋳鉄又は鋼材からなる部材である。第1フライホイール4の内周部は、円周方向に配置された複数のクランクボルト12によりクランクシャフト2の端面に固定可能である。第1フライホイール4の内周面には、図示しないトランスミッションのメインドライブシャフト先端を回転自在に支持するための軸受13が設けられている。また、第1フライホイール4の外周面には、リングギア11が固定されている。さらに、第1フライホイール4の外周部には、トランスミッション側に突出する環状の突出部4aが形成されている。
【0017】
粘性ダンパー機構6は、主に、ドライブプレート15とシールプレート16とドリブンプレート17と1対の曲がり板ばね19と複数のシート部材20とから構成されている。ドライブプレート15は、フライホイール4のトランスミッション側に近接して配置された円板状の板金製部材である。ドライブプレート15の内周部は、トランスミッション側に延びる内周突出部15aとなっている。ドライブプレート15の半径方向中間部は、図2から明らかなようにエンジン側に凹む環状凹部となっている。シールプレート16は、ドライブプレート15のトランスミッション側に配置された円板状の板金製部材である。ドライブプレート15の外周部とシールプレート16の外周部は互いに当接しており、複数のボルト41により互いに固定されている。このようにして、ドライブプレート15とシールプレート16は第1回転部材として機能する。また、プレート15,16の外周部は、複数のボルト42により、第1フライホイール4の突出部4aに固定されている。なお、ドライブプレート15とシールプレート16の外周部間には、Oリング28が配置されている。シールプレート16の内径はドライブプレート15の内径よりも大きく、シールプレート16の内周縁とドライブプレート15の内周部との間には環状の隙間が形成されている。ドライブプレート15の環状凹部とシールプレート16との間には環状流体チャンバ17が形成されている。この環状流体チャンバ17内にはたとえばグリス等の流体が充填されている。
【0018】
ドリブンプレート18は、プレート15,16に相対回転可能な第2回転部材として機能するものであり、環状部18aと、環状部18aから半径方向に対向する2か所で半径方向外方に延びる係合部18b(第2係合部)とからなる。環状部18aはドライブプレート15とシールプレート16の内周縁との間に一部が配置されており、係合部18bは環状流体チャンバ17内に挿入されている。環状部18aの内周部には、複数のボルト43を介して第2フライホイール5の内周部が固定されている。環状部18aと第2フライホイール5の内周部は、ともに軸受44を介してドライブプレート15の内周側突出部15aに相対回転自在に支持されている。図6に示すように係合部18bは環状流体チャンバ17より半径方向長さが短く、チャンバ17の外周側内壁面(後述)と係合部18bとの間に大きな隙間が形成されている。また、係合部18bは円周方向両端において軸方向に曲げられた折り曲げ部18cを有している。さらに、係合部18bから半径方向外方に延びる係合突起18dが形成されている。係合突起18dは、係合部18bより半径方向幅が短い。係合突起18dは、図2から明らかなように、折り曲げられて環状流体チャンバ17の軸方向中間に配置されている。
【0019】
第2フライホイール5は、トランスミッション側にクラッチディスク組立体14のフリクションディスクが押圧される摩擦面5aを有している。
次に、環状流体チャンバ17全体のシール構造について説明する。環状流体チャンバ17の両側壁は、プレート15,16すなわち1対の円板状部により形成されている。環状流体チャンバの外周側には、筒状の環状シール27が配置されている。この環状シール27は、ドライブプレート15とシールプレート16との継ぎ目部分を覆い、環状流体チャンバ17の外周側内壁面となっている。ドライブプレート18の環状部18aの外周面には、筒状の環状シール22が配置されている。環状シール22の軸方向両端はそれぞれドライブプレート15及びシールプレート16の内周側に形成された環状溝内に相対回転自在に配置されている。環状シール22は、環状流体チャンバ17の内周側壁面となっている。ドリブンプレート18の突出部18bは、環状シール22に形成されたスリットを通って半径方向外方に延びている。環状シール22はドリブンプレート18と一体回転する。
【0020】
軸受44は潤滑剤密封型であり、その内部に潤滑剤を密封するとともに、ドリブンプレート18の内周部とドライブプレート15の内周突出部15aとの間をシールしている。さらに、シールプレート16と第2フライホイール5との間には、環状のシール部材29が配置されている。
以上に述べた環状流体チャンバ17内において、ドリブンプレート18の係合部18bに対応した位置において、ドライブプレート15及びシールプレート16には、係合プレート25(第1係合部)がそれぞれリベット26により固定されている。係合プレート25は、係合部18bより円周方向長さが短く、環状流体チャンバ17内で内周側に配置されている。係合部18b及び係合プレート25は複数の対を形成しており、各対は環状チャンバー17内において円周方向等間隔で複数設けられている。これらの係合部18b及び係合プレート25により、環状流体チャンバ17内は2つの弧状空間に区画されている。各弧状空間内には、弧状に延びる曲がり板ばね19及び1対のシート部材20が配置されている。
【0021】
曲がり板ばね19は、図3〜5に詳細に示すように、所定の幅の板部材を波状に折り曲げた形状のものであり、弧状に長く延びている。曲がり板ばね19は、軸方向幅が環状流体チャンバ17とほぼ同じであり、軸方向端が両側壁面(ドライブプレート15,シールプレート16)に当接または近接している。曲がり板ばね19は、リング部51,52とレバー部53とからなる直列ばね要素を複数形成している。外周側リング部51と内周側リング部52は円周方向に交互に配置されている。両リング部51,52は両端から中央部に向かって徐々に厚みが小さくなる変断面を有している。なお、外周側リング部51は内周側リング部52より径が大きい。外周側リング部51と内周側リング部52はレバー部53により接続されている。レバー部53は各リング部51,52から見ると外方に向かうにしたがって隙間が広くなるように開いている。図4に示すように、レバー部53は、リング部51の開環部付近において円周方向に隙間のあいた外周レバー支点55を有しており、内周側リング部52の開環部付近において円周方向に隙間のあいた内周レバー支点56を有している。
【0022】
曲がり板ばね19は、環状チャンバー17の外周壁面及び側壁との間に複数の閉空間49を形成している。閉空間49は、曲がり板ばね19が円周方向に圧縮される際に縮小され、粘性抵抗が生じる。
曲がり板ばね19の円周方向両端には、シート部材20が配置されている。このシート部材20は、曲がり板ばね19の円周方向両端を支持するとともにシールして、1対のシート部材20間で第1空間47(粘性抵抗発生空間)を形成するための部材でもある。シート部材20は、環状流体チャンバ17内で曲がり板ばね19の円周方向両側で流体が流れないように、環状流体チャンバ17内を遮断している。すなわち、シート部材20は、軸方向長さ及び半径方向長さが環状流体チャンバ17とほぼ同じであり、内外周面及び軸方向端面が環状流体チャンバ17の各内壁面に当接している。シート部材20は、突出部18b側には平坦面を有しており、曲がり板ばね19側には曲がり板ばね19の端部の形状に合った湾曲面となっている。シート部材20の曲がり板ばね19側には、円周方向両端の外周側リング部51と内周側リング部52とが当接している。さらに、シート部材20には、最も円周方向外側の外周側リング部51から延びるレバー部53も当接している。
【0023】
シート部材20半径方向外側端には、連通部20aが形成されている。連通部20aはシート部材20の外周面に形成された切欠きであり、シート部材20の円周方向両側を連通させている。
スライダー21は、係合突起18dに所定角度内で相対回転可能に係合している。スライダー21は円周方向に延び、本体21aと挿入部21bからなる。本体21aは環状流体チャンバ17とほぼ同一の軸方向長さを有しており、円周方向両端はシート部材20から離れて配置されている。本体21aには、半径方向に貫通する孔部21dが形成されている。係合突起18dは孔部21d内に挿入されている。図7から明らかなように、孔部21dは係合突起18dより円周方向に長く、スライダー21は係合突起18dに所定角度内で相対移動可能である。挿入部21bは本体21aから円周方向両側に延び、連通部20a内に挿入されている。挿入部21bは連通部20aの壁面に相対移動可能に当接している。スライダー21には、各挿入部21bの円周方向端部から孔部21dに延びる流路21cが形成されている。流路21bの孔部21d側の開口は18dに対向しており、その開口は18dに当接すると閉鎖される。スライダー21の外周面は、27に沿った湾曲面となっている。
【0024】
スライダー20は、第1空間47を形成するとともに、係合部18b側に第2空間48を形成している。すなわち環状流体チャンバ17、複数のシート部材20により分割された第1空間47と第2空間48が円周方向に交互に形成されていることになる。この配置は、環状チャンバー17の模式図である図10から明らかである。この構造により、プレート15,16とドリブンプレート18が相対回転するときに第1空間47及び第2空間48の容積が変化し、大きな粘性抵抗が発生する。
【0025】
以上の構造において、前述のスライダー21の流路21cは、第1空間47と第2空間48を連絡する通路として機能している。スライダー21が係合突起18dに当接すると、流路21cは閉鎖される。つまり、スライダー21、シート部材20の連通部20a及びドリブンプレート18の係合突起18dは、微小捩じり振動に対しては第1及び第2空間47,48を連絡して大粘性抵抗の発生を抑えるための機構を構成している。この機構は、スライダー21及びシート部材20をドリブンプレート18の係合部18bに係合させるだけで簡単に実現できる。また、スライダー21及びシート部材20の構造は簡単であり、ドリブンプレート18の係合部18b及び係合突起ディスク18dの加工は容易である。
【0026】
動作
クランクシャフト2が回転すると、第1フライホイール4にトルクが伝達され、そのトルクは、さらに粘性ダンパー機構6を介して第2フライホイール5に伝達される。さらに、トルクはクラッチ連結状態でクラッチディスク組立体14に伝達され、最後にトランスミッションのメインドライブシャフトに出力される。
【0027】
粘性ダンパー機構6において、トルク伝達は以下のように行われる。ドライブプレート15及びシールプレート16が回転すると、係合プレート25がシート部材20を押し、曲がり板ばね19を介してドリブンプレート18の係合部18bが押される。このようにして、プレート15,16からドリブンプレート18にトルクが伝達される。
【0028】
粘性ダンパー機構6に捩じり振動(トルク変動)が入力されると、プレート15,16とドリブンプレート18とが周期的な相対回転を行い、曲がり板ばね19が円周方向に圧縮される。
捩じり振動に対する粘性ダンパー機構6の動作及び特性について詳細に説明する。たとえば図1に示す中立状態(プレート15,16とドリブンプレート18が捩じれていない状態)でエンジンの実用回転数領域で生じる微小捩じり振動が粘性ダンパー機構6に入力されたとする。このとき、曲がり板ばね19は、各レバー部53がリング部51,52の中央部を支点としてたわむため、低い捩じり剛性が得られる。さらに、スライダー21はドリブンプレート18の係合突起18dに対して当接しない範囲で相対移動を円周方向両側に繰り返す。このとき、流体は第1空間47と第2空間48との間で、スライダー21の流路21cを通って交互に流れる。このように微小捩じり振動伝達時には、第1空間47と第2空間48との間で比較的大きな流路21cが確保されているため、あまり大きな圧は発生しない。そのため、大きな粘性抵抗が発生せず、微小捩じり振動が効果的に形成される。なお、プレート15,16とドリブンプレート18が所定角度捩じれた状態で、微小捩じり振動が伝達された場合にも、前述と同様の動作及び効果が得られる。
【0029】
次に、エンジンの回転数が共振点を通過する際に生じる大トルク変動(大捩じり振動)伝達時における粘性ダンパー機構6の動作及び特性について説明する。なおここではプレート15,16が固定されておりそれに対してドリブンプレート18が相対回転する動作として説明する。大捩じり振動か伝達されると、たとえば図6の状態から図8の状態に以降し、さらに図8の状態からドリブンプレート18がR2 方向に回転する。すると、係合部18bと係合プレート25との間でシート部材20を介して曲がり板ばね19が円周方向に圧縮される。すなわち、第1空間47が縮小され、第2空間48が拡大されていく。なお、この動作は図11にも開示されている。
【0030】
捩じり角度が大きくなると、曲がり板ばね19は、各外周レバー支点55と内周レバー支点56とがそれぞれ密着した状態になり(図9)、以後は各支点55,56を支点としてレバー部53が変形する。このときには捩じり角度の小さな領域に比べて剛性が高くなる。
図8及び図11に示す状態では、係合突起18dがスライダー21の孔部21d壁面に当接し、R2 側の流路21cの開口を閉じている。この結果、各第1空間47においてR1 側のシート部材20において流体の移動が制限されている。この結果、第1空間47において大きな圧が発生する。そのため、各第1空間47内の複数の閉空間49が縮小される際に大きな粘性抵抗が発生する。このように、大捩じり振動伝達時において、剛性が高くなりしかも大きな粘性抵抗が得られる。これにより、共振点通過時の大捩じり振動を効果的に減衰できる。
第2実施形態
この実施形態は、フライホイール組立体及び粘性ダンパー機構全体の構成については第1実施形態と同様である。ここでは、特に前記実施形態と異なる点のみを詳細に説明する。
【0031】
図12及び図13において、シート部材20の曲がり板ばね19側には、凹部20bが形成されている。凹部20bはシート部材20の形成され、半径方向に長く延びている。凹部20bの半径方向外側は連通部20aに対応しており、連通部20aより円周方向幅が広い。凹部20b内には、リード弁30が配置されている。リード弁30は、半径方向に長い板状シール部材であり、軸方向幅が凹部20bよりわずかに狭くて連通部20aより広く設定されている。リード弁30は半径方向外側端が環状シール20近傍に配置されている。リード弁30の半径方向内側には、シート部材20の半径方向内側端に係合する折曲げ部30aが形成されている。リード弁30は半径方向内側端はシート部材20の凹部20bに当接している。リード弁30は半径方向内側から徐々に凹部20bから円周方向外側に離れるように反り返った形状になっている。リード弁30の半径方向外側端は凹部20bすなち連通部20aの開口から大きく円周方向に離れている。すなわち、図12に示す状態で、リード弁30の半径方向外側及び軸方向両側において流体は円周方向に通過可能である。リード弁30は、半径方向外側端が弾性変形により連通部20a開口側に移動すると、連通部20aを閉鎖可能である。リード弁30は、材料や形状を選定することにより、剛性を様々に変化させることができる。
【0032】
この実施形態では、曲がり板ばね19は、図14に示すように、レバー部53において切欠き54(流体通過部)が形成されている。そのため、各第1空間47において複数の閉空間49ではあまり大きな粘性抵抗は発生しない構造になっている。
微小捩じり振動伝達時におけるスライダー21の動作は前記実施形態と同様である。このとき、リード弁30はほとんど変形せずあるいは僅かに変形するのみであり、流体がスライダー21の流路21cを通過するのを妨げない。
【0033】
大捩じり振動伝達時には、図15及び図17に示すように、係合部18bがR2 方向に移動し、シート部材20を押していく。すると、各第1空間47においてR1 方向に大きな圧が発生し、回転方向R2 に向かって徐々に小さな圧が発生していく。その結果、各第1空間47において回転方向R2 側端ではほとんど圧が発生しないまたは僅かな圧が発生する。この結果、各第1空間47内の流体はR2 側のリード弁30とその周囲の隙間を通ってシート部材20の連通部20aから第2空間48内に流れる。R2 側のリード弁30はシート部材20の凹部20b内に配置されているため、曲がり板ばね19の端部に押されて変形することはない。ここでは、第1空間47の円周方向端部をシールするリード弁30により第1空間47内に大きな圧を発生することができる。そのため、曲がり板ばね19に切欠き54が形成されていても、全体で大きな粘性抵抗を確保できる。
【0034】
たとえば図15の状態からドリブンプレート18が回転方向R1 側に捩じれたとする。すると、第2空間48内に大きな圧が発生し、図における回転方向R2 側のリード弁30が図18に示すように元の状態に戻る。すなわち、各第1空間47内のR1 側のリード弁30が変形し、シート部材20の連通部20a開口を開く。その結果、第2空間48からスライダー21の流路21c及びシート部材20の連通部20aを通って第1空間47に流体が戻される。このように、リード弁30は第1空間47への流体を戻す機能を有している。この結果、確実に第1空間47に流体が戻され、流体が不足しにくい。
【0035】
〔他の変形例〕
粘性ダンパー機構6は、フライホイール組立体以外の装置にも用いることが可能である。たとえば、クラッチディスク組立体やトルクコンバータのロックアップ装置にも採用できる。
さらに、フライホイール組立体においても、第1フライホイール4とプレート15,16とを一体の部材として形成してもよいし、ドリブンプレート18と第2フライホイール5とを一体の部材として形成してもよい。さらに、環状流体チャンバを構成する構造は、実施形態のプレート15,16及びドリブンプレート18の形状に限定されない。
【0036】
弧状空間及びばね部材は3つ以上でもよい。
曲がり板ばねの構造は前記実施形態に限定されない。また、曲がり板ばねの代わりに他の種類のばねを用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る粘性ダンパー機構では、環状チャンバー内で曲がり板ばねの両側にシート部材を配置して粘性抵抗発生空間を形成し、それにより大粘性抵抗を得ている。また、シート部材の連通部を開閉可能なスライダーを設けることで、微小捩じり振動発生時の大粘性抵抗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態が採用されたフライホイール組立体の平面図。
【図2】フライホイール組立体の縦断面概略図。
【図3】曲がり板ばねの平面図。
【図4】図5のIV−IV断面図。
【図5】図3の部分拡大図。
【図6】図1の部分拡大図。
【図7】図6のVII 矢視図。
【図8】粘性ダンパー機構の動作を示す、図6に対応する図。
【図9】曲がり板ばねの動作を示す図4に対応する図。
【図10】粘性ダンパー機構の構成を示す模式平面図。
【図11】粘性ダンパー機構の動作を示す、図10に対応する図。
【図12】第2実施形態における、図5に対応する図。
【図13】図12のXIII矢視図。
【図14】曲がり板ばねの断面図。
【図15】粘性ダンパー機構の動作を示す、図12に対応する図。
【図16】粘性ダンパー機構の模式平面図。
【図17】粘性ダンパー機構の動作を示す、図16に対応する図。
【図18】粘性ダンパー機構の動作を示す、図12に対応する図。
【符号の説明】
1 フライホイール組立体
2 クランクシャフト
3 クラッチカバー組立体
4 第1フライホイール
5 第2フライホイール
6 粘性ダンパー機構
15 ドライブプレート
16 シールプレート
17 環状チャンバー
18 ドリブンプレート
19 曲がり板ばね
20 シート部材
21 スライダー
30 リード弁
47 第1空間(粘性抵抗発生空間)
48 第2空間
Claims (10)
- 互いに相対回転可能に配置され、流体が充填された環状チャンバーを形成し、前記環状チャンバー内において円周方向に対応する第1係合部及び第2係合部をそれぞれ有し、前記第1係合部及び前記第2係合部の対は前記環状チャンバー内に円周方向等間隔で複数設けられている、第1及び第2回転部材と、
前記第1及び第2係合部の前記対間に各々配置され、前記第1及び第2回転部材が相対回転すると円周方向に圧縮される弾性部材と、
前記弾性部材の円周方向両側に配置されて前記弾性部材を支持するとともに、前記弾性部材の円周方向両側をシールして粘性抵抗発生空間を形成するための部材であり、円周方向両側に連通する連通部を有する複数のシート部材と、
前記シート部材の前記連通部内に円周方向に相対移動可能に配置され、前記連通部を開閉可能なスライダーと、
を備えた粘性ダンパー機構。 - 前記スライダーは、円周方向に延び一端が前記第2係合部に円周方向に対向する流路を有し、前記流路は前記スライダーが前記第2係合部に当接すると閉鎖される、請求項1に記載の粘性ダンパー機構。
- 前記スライダーは前記第2係合部に円周方向に所定角度内でのみ相対移動可能に係合している、請求項2に記載の粘性ダンパー機構。
- 前記スライダーは、第2係合部が挿入される孔部が形成された本体と、本体から円周方向両側に延び前記シート部材の前記連通部に挿入される挿入部とを有し、前記挿入部から前記孔部内に向かって前記流路が形成されている、請求項3に記載の粘性ダンパー機構。
- 前記弾性部材は交互に折り曲げられた形状で円周方向に延び前記環状チャンバーの壁面との間に複数の閉空間を形成している曲がり板ばねである、請求項1〜4のいずれかに記載の粘性ダンパー機構。
- 前記シート部材の前記弾性部材側に設けられ、前記環状チャンバー内の圧の変化に応じて前記シート部材の前記連通部を開閉可能なシール部材をさらに備えている、請求項1〜4のいずれかに記載の粘性ダンパー機構。
- 前記シール部材は、前記連通部の前記弾性部材側の開口から離れた状態で配置され、前記粘性抵抗発生空間が縮小されるときに発生する圧により前記連通部を閉じる、請求項6に記載の粘性ダンパー機構。
- 前記シール部材は、前記シート部材の前記弾性部材側に配置された板形状部材である、請求項7に記載の粘性ダンパー機構。
- 前記シート部材の前記弾性部材側には前記連通部に対応して凹部が形成されており、前記シール部材は前記凹部内で前記開口から離れた位置に配置されている、請求項8に記載の粘性ダンパー機構。
- 前記弾性部材は、交互に折り曲げられた形状で円周方向に延び前記環状チャンバーの壁面との間に複数の閉空間を形成し、円周方向に連通する複数の流体通路が形成されている曲がり板ばねである、請求項6〜9のいずれかに記載の粘性ダンパー機構。
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