JP3569726B2 - 試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置およびその測定方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は試料の幾何学的厚さと屈折率を求める試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置およびその測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から薄膜や光ガラス等の透明試料の光学的厚さを測定するため、低コヒーレンス干渉法が用いられている。低コヒーレンス干渉法は、干渉計において白色光や発光ダイオードのような可干渉性の低い光源を用いることにより、干渉計の両腕の光路差が0近傍のみに干渉縞が現れることを利用して、その時の参照鏡の位置から測定物体の絶対的な位置を知る方法である。これはブロックゲージの絶対測長や基線の校正、表面形状測定等に応用されている。さらに、近年では、これを拡張した手法が、眼科学や生体科学の分野で盛んに研究されている。
【0003】
他方、レーザー光を試料にスポット照射し、そこからの反射光または蛍光等を点検出器に再結像させる方式の共焦点レーザー顕微鏡が知られている。
【0004】
この共焦点顕微鏡は従来の光学顕微鏡と比べて高コントラスト画像が得られるだけでなく、光軸方向にも高い分解能をもち3次元像の構築ができるために表面形状測定や生体試料観測の手法として定着している。
【0005】
またこの共焦点顕微鏡の光軸方向の分解能を利用することにより透明な試料の光学的厚さの測定を行なうことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、共焦点原理により直接に求まる量は光学的厚さであり、幾何学的厚さを求めるためには、各層の屈折率を別の手法により求めなければならない。このような問題点は上述した低コヒーレンス干渉法における厚さ測定でも同様に生じる。ところが、成形された試料の屈折率を迅速かつ確実に測定する方法は未だ開発されていないのが実情である。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、迅速かつ確実に試料の幾何学的厚さおよび屈折率を求めることができる試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置およびその測定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料に対して周波数可変光を投光する光源と、光源からの光を偏光の相違により一対の分離光に分けるとともに、各分離光の周波数を予め定められたシフト量だけ変化させる周波数シフタと、周波数シフタと試料との間の光路中に配置された偏光ビームスプリッタと、周波数シフタと試料との間の光路と交差するとともに偏光ビームスプリッタを通る直線上において、偏光ビームスプリッタの一側に配置された参照鏡と、ビームスプリッタの他側に配置され偏光ビームスプリッタを通り参照鏡から反射する一方の分離光と、偏光ビームスプリッタを通り試料から反射する他方の分離光との干渉により生じる干渉信号を検出する検出器と、検出器からの干渉信号に基づいて振幅を求める振幅検出部と、検出器からの干渉信号に基づいて位相変調率信号を求める位相変調率信号検出部と、振幅検出部からの振幅に基づいて、他方の分離光の焦点が試料の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求めるとともに、各分離光の周波数のシフト量と、位相変調信号検出部からの位相変調率信号に基づいて焦点が試料の一面から他面へ移る際の他方の分離光の光路長の増加分を求め、この移動距離および光路長の増加分に基づいて試料の幾何学的厚さおよび屈折率を求める演算部と、を備えたことを特徴とする試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置である。
上記記載の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置を用いた測定方法において、試料を周波数シフタに対して相対的に移動させる工程と、光源からの光のうち周波数シフタで分離された一方の分離光を偏光ビームスプリッタを経て参照鏡に反射させるとともに、周波数シフタで分離された他方の分離光を偏光ビームスプリッタを経て試料に反射させ、これら一対の分離光を干渉させて干渉信号として検出器により検出する工程と、検出器からの干渉信号に基づいて振幅検出部により振幅を求める工程と、検出器からの干渉信号に基づいて位相変調率信号検出部により位相変調率信号を求める工程と、演算部において、振幅検出部からの振幅に基づいて、他方の分離光の焦点が試料の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求めるとともに、各分離光の周波数のシフト量と、位相変調率検出部からの位相変調率信号に基づいて焦点が試料の一面から他面へ移る際の他方の分離光の光路長の増加分を求め、この移動距離および光路長の増加分に基づいて試料の幾何学的厚さおよび屈折率を求める工程と、を備えたことを特徴とする測定方法である。
【0009】
本発明によれば、振幅検出部において、検出器からの干渉信号に基づいて振幅を求めるとともに、位相変調率信号検出部において検出器からの干渉信号に基づいて位相変調率信号を求める。演算部において、振幅検出部からの振幅に基づいて他方の分離光の焦点が試料の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求めるとともに、各分離光の周波数のシフト量と、位相変調率信号検出部からの位相変調率信号に基づいて焦点が試料の一面から他面へ移る際の他方の分離光の光路の増加分を求める。この移動距離と光路の増加分とに基づいて、試料の幾何学的厚さおよび屈折率が求められる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
まず本発明の基本的原理について説明する。
測定原理
(屈折率・厚さの分離測定)
図1に屈折率・厚さの分離測定原理を示す。ここでは、簡単のため単層試料で説明するが、多層への適用は容易である。平行光が対物レンズ19を通して試料20に照射される。試料20を対物レンズ19に近づけていくと、まず試料20の一面(対物レンズ19に近い面)に焦点が合う(図1(a))。さらに、近づけると対物レンズ19から焦点位置までの光路長は増加していき(図1(d))、今度は、試料20の他面に焦点が合う(図1(b))。ここで、焦点位置を試料20の一面から他面へと移すのに必要な試料20の移動距離をΔz とし、またそのときの光路長の増加分をΔl とすると、試料20の屈折率nおよび幾何学的厚さdは(1)(2)式を用いて算出される。
【数1】
ここで、NAは対物レンズの開口数を表す。
【0012】
この原理では、試料20の移動距離Δz と、光路長の増加Δl の2量を測定する必要がある。試料20の移動距離Δz の測定を行うためには、焦点の検出を行う必要がある。これには次に述べる波長走査型ヘテロダイン干渉法を用いる。
【0013】
(共焦点顕微鏡の原理)
共焦点顕微鏡は、図13に示すように点光源11から発した光を対物レンズ19を通して試料20に照射し、試料20から反射した光を偏光ビームスプリッタ17によって反射させ、レンズ23によってピンホール24上に集光し、その透過光を検出する。ここで、焦点位置が試料表面に一致したときには、ピンホールを通して検出される信号は極大値をとる(図1(c))。逆に、信号がピークをとる位置が、試料表面に焦点があっているときである。
【0014】
(波長走査型ヘテロダイン干渉法の原理)
波長走査型干渉法は光路差を持たせた干渉計において、光源の波長を一定量だけ連続的に変化させたときに生ずる干渉信号の位相変化を測定し、それより干渉計の光路差を可動部なしで測定する手法である。光源に半導体レーザー(あるいはレーザーダイオード,LD)を用いた場合、連続的に波長を掃引できる幅が小さいため、位相の変化は小さい。そこで、高分解能で光路差測定を行うためには、位相の測定精度を高くする必要がある。そのため、光ヘテロダイン干渉法を併用した手法(波長走査型ヘテロダイン干渉法と呼ぶ)を用いる。この波長走査型ヘテロダイン干渉法を図2をもとに説明する。
【0015】
まず、はじめに注入電流変調をかけたLD11の出射光の電場は、LD11からの距離をz、時刻をtとすると次式で表される。
【数2】
ここで、cは光速、E0 (t)およびV(t)は時刻tにおけるLD端での電場と光周波数であり、正弦変調の場合には次式を用いて表される。
【0016】
E0 (t)=A ……(4)
V(t)=V0 +ΔVcos(2πfm t+φ) ……(5)
ここで、Aは電場の振幅で簡単のために一定としておく。V0 は変調をかけないときの光周波数、ΔVは周波数変調幅、φは注入電流の変調信号を基準としたときのV(t)の初期位相である。
【0017】
図2を参照すると、LD11から出た光は、光周波数シフタ12によって、たがいに周波数がVb だけ異なる2つの直交直線偏光となる。このうち一方の分離光を参照鏡15へ向ける参照光として用い、もう一方の分離光を試料20へ向ける物体光として用いる。検出器25における参照光および物体光の電場Eref ,Eobj は次のように表される。
【数3】
ここで、α、βは偏光ビームスプリッタ17の振幅分割比、Zref 、Zobj は参照光および物体光の光路長、Vref 、Vobj は参照光および物体光の周波数で、
Vref (t)=V(t)+V1 ……(8)
Vobj (t)=V(t)+V1 +Vb ……(9)
で表される。V1 およびV1+Vbは光周波数シフタ12による光周波数シフト量をあらわし、その差Vb が観測されるビート周波数に相当する。
【0018】
これより、検出器25で得られるビート信号は、
【数4】
となる。
【0019】
ここで両光の光路差をL=2(Zref−Zobj)としている。これよりビート信号の位相が変調周波数fm で変調され、その振幅を測定することにより光路差Lが求められる。
【0020】
(共焦点信号と光路差の同時測定)
屈折率・厚さの分離測定では、これら共焦点顕微鏡および波長走査型ヘテロダイン干渉法を用いて、焦点検出と光路長測定を行う。従来の測定手法では、これら2つの光学系が1つの光学系に組み込まれており、それぞれを切り替えて測定していた。すなわち、参照光路に入れたシャッターを閉じることによって、まず、光学系を共焦点系にし、試料を光軸方向に移動させ、その共焦点系の信号からピーク位置、すなわち界面に焦点が合う位置を計算する。次に、そのピーク位置に試料を移動させ、シャッターを開放することにより光学系を波長走査型ヘテロダイン干渉計に切り替えて、光路長測定を行う。これをそれぞれのピーク位置に対して順に行っていた。
【0021】
この方法では、一度取得した共焦点信号ピーク位置に試料を再移動させた後、それぞれの位置で光路差を測定するため時間がかかる。さらに、機械的なステージを用いるので、バックラッシュの影響がさけられず、その影響を低減するために、一度、ステージを機械原点に戻してからピーク位置に移動させていた。これにより、さらに時間がかかることになる。
【0022】
本発明は試料20の光軸方向の移動時に、共焦点系の情報と、波長走査型ヘテロダイン干渉計による光路長情報とを同時に取得するものである。これにより、試料の光軸方向の走査は1回で済むので測定時間の短縮につながり、またバックラッシュの問題も解決される。
【0023】
本発明においては、検出器25で検出されるビート信号から共焦点プロファイルに相当する強度情報と、波長走査型ヘテロダイン干渉計に相当する位相変調率とを分離することが必要となる。
共焦点信号および光路差信号の分離
(検出される干渉信号の解析式)
まず、はじめに検出されるビート信号を解析的に求め、次に分離手法を検討する。解析のモデルは図2に示す光学系である。
【0024】
図2の説明中、簡単のために光強度は一定であるとしたが、実際には周波数変調とともに強度変調もかかる。そこでLDの強度変調を表現するには、(4)式の電場E0 (t)を
【数5】
で置き換える。ただし、mは強度の変調率である。さらに、試料20の反射率はその位置によらずつねに一定としたが、実際には共焦点原理により、試料位置によって検出光の強度が変化する。そこで、この効果を取り入れるために、等価的に試料の反射率p(z)が位置によって変化するとする。すなわち、βをβp(z)で置き換えればよい。これらを考慮すると検出されるビート信号は、
【数6】
となる。
【0025】
図3にこのビート信号の周波数成分を図示する。図3において、それぞれの振幅は試料位置の関数になっている。これより、ビート信号は周波数がゼロの成分、変調周波数と同じ周波数成分、ビート周波数の成分、およびその両側帯波成分からなっている。ただし、位相変調もかかっているのでこの側帯波は広がる(図には示していない)。ここで、全ての信号成分の振幅がピークとなる試料位置Z0 が、試料の表面に焦点があっているときに相当する。これらの信号から位相変調率と振幅を独立に抽出する。
【0026】
(位相変調率(光路差信号)の測定法)
まず、位相計(Stanford Research.SR850)28(図9参照)に振幅変調がかかった信号を入力したときの影響を調べる。任意波形発生器(Hewlett−Packard,HP8904A)から2つの疑似信号を発生させる。1つは周波数100kHz、振幅1Vp−p の正弦波でこれを参照信号として用いる。また、もう1つは周波数100kHz、振幅1Vp−p の正弦波に振幅変調(変調周波数0.1Hz)をかける。これらの信号を位相計28に入力し、出力信号のうち変調周波数と同じ周波数で変化する信号の振幅をオシロスコープで読み取る。振幅変調率を0から100%まで10%ずつ変化させたときの結果を図4に示す。
【0027】
図4において、縦軸の10Vが位相の180°に対応する。これより、振幅変調率が大きくなるにつれて位相計の出力も大きくなるが線形な関係にはない。したがって、位相計において正確な位相変調率の測定を行うためには、振幅変調がかかっていない波形を用いる必要である。
【0028】
そこで、振幅変調および位相変調がかかった信号から、振幅変調を除去するために、ゼロクロスコンパレータ27(図9参照)を用いて波形を方形波に整形する。
【0029】
図5(a)(b)に振幅変調(周波数100kHz、振幅1Vp−p 、振幅変調率30%、変調周波数80Hz)がかかった信号をゼロクロスコンパレータに通した前後の波形を示す。これより、ゼロクロスコンパレータにより振幅変調が除去され、振幅が一定の方形波に整形されていることがわかる。同様に位相変調(周波数100kHz、振幅1Vp−p 、位相変調率30°、変調周波数80Hz)の信号の様子も図5(c)(d)に示す。これより、整形後の波形は、振幅が一定の方形波でかつ位相変調が保存されていることがわかる。
【0030】
ここで図5(a)−(d)において参照信号を各々の上部に示す。また図5(a)の下部は振幅変調がかかった信号を示し、図5(b)の下部はこれを整形した信号を示す。また図5(c)の下部は位相変調がかかった信号を示し、図5(d)の下部はこれを整形した信号を示す。
【0031】
位相変調率を変え、ゼロクロスコンパレータ通過後の位相変調の幅をオシロスコープから直接読み取った測定結果を図6に示す。これより、ゼロクロスコンパレータ前後で位相変調率は比例関係にあることがわかる。
【0032】
(振幅(共焦点信号)の測定法)
図3のいずれかの周波数の信号から、試料20の各位置に対する振幅の大きさを求める必要がある。そこで、まずバイアスおよび変調周波数の信号から振幅を得ることを考える。これらはローパスフィルタあるいはバンドパスフィルタを用いることにより抽出することができる。また、この信号には位相変調がかかっていないという利点もある。しかし、試料を動かしたときの振幅の変化は大きくない。これと比較して、ビート周波数およびその側帯波の信号は、変化が大きくより効率的に検出できるものと考えられる。そこで、ビート周波数のみを抽出することを考えられる。しかし、実際の変調周波数は80Hzで、ビート周波数は100kHzであるので、側帯波は100kHzに対して80Hzしか離れていない。さらに、位相変調もかかっているので、周波数差はより小さくなるものと考えられる。したがって、側帯波からキャリア周波数成分を抽出するのは非常に難しくなる。したがって、側帯波を含めた信号から、振幅変調および位相変調の影響を受けずに、干渉信号の振幅のみを抽出することが必要である。
【0033】
(RMS−DC変換器による振幅の抽出)
干渉信号の振幅情報の抽出には、変調周期より十分長い時間で信号を積分すれば、振幅変調および位相変調は、ともに平均化され、その影響は抑圧されると考え、信号の積分にRMS−DC変換器32(図9参照)を用いる。
【0034】
まず、RMS−DC変換器(AD736、アナログ・デバイセズ)32に振幅変調および位相変調がかかった信号を入力し、その特性を調べる。周波数100kHz、振幅1.0Vp−p の正弦波をRMS−DC変換器に入力し、出力電圧を20dBに増幅して測定する。入力信号は、振幅を0.1Vp−p から0.5Vp−p まで0.1Vp−p ずつ変化させる。また、振幅変調率は、0%から100%まで5%ずつ変化させ、さらに、位相変調率は0°から180°まで5°ずつ変化させる。測定例として振幅が0.1Vp−p の時の結果を図7に示す。これより、RMS−DC変換器32の出力電圧は入力信号の位相変調率には依存しないことがわかる。しかし、振幅変調率を大きくすると、出力電圧も若干大きくなっていくことがわかる。
【0035】
そこで、入力信号の振幅の大きさに対するRMS−DC変換器32の出力特性を詳しく調べるために、振幅を10mVp−p から500mVp−p まで、10mVp−p ずつ変化させて同様な測定を行なう。ここで位相変調はかけていないことにする。
【0036】
図8に測定結果を示す。図8において振幅は50mVp−p おきに示す。図8に示すように、振幅が400mVp−p までは、振幅変調率の増加にともなって、出力電圧も増加していくが、振幅が400mVp−p を過ぎると、この傾向は逆転する。しかし、同じ振幅変調率に関して、振幅が大きいほど出力も大きく、この関係が崩れることはないことがわかる。したがって、RMS−DC変換器32を用いて、干渉信号の振幅を抽出する場合、同じ振幅でも、得られる値は振幅変調率によって異なる。しかし、実際の測定では振幅変調率は一定であり、また、共焦点信号のピーク位置が特定できればよいので、RMS−DC変換器32を干渉信号の振幅の抽出に用いることができる。
具体的実施の形態
次に図9により上記基本原理を用いた具体的実施の形態について説明する。
【0037】
図9に示すように、本発明による測定装置は試料20に対して周波数可変光を投光する光源としての半導体レーザダイオード(LD)11と、LD11からの光を偏光の相違により一対の分離光に分けるとともに各分離光の周波数を変化させる周波数シフタ12と、周波数シフタ12と試料20との間に配置された偏光ビームスプリッタ17とを備えている。また、偏光ビームスプリッタ17の試料20側には1/4波長板(quater−wave plate)18と対物レンズ19が設けられている。
【0038】
また周波数シフタ12と試料20との間の光路と交差するとともに偏光ビームスプリッタ17を通る直線上において、偏光ビームスプリッタ17の一側に1/4波長板(quarter−wave plate)16および参照鏡15が順次配置され、偏光ビームスプリッタ17の他側に偏光子22およびレンズ23を介してピンホール24と光電子増倍管(検出器)25が順次配置されている。
【0039】
さらにこの光電子増倍管25には、ハイパスフィルタ26、ゼロクロスコンパレータ27および位相計28が順次接続され、また位相計28にはロックインアンプ29が接続されている。またハイパスフィルタ26にはアンプ31、RMS−DC変換器(平方自乗平均−直流変換器)32、およびアンプ33が順次接続され、このアンプ33とロックインアンプ29は演算部35に接続されている。
【0040】
また演算部35はステージ制御部36に接続され、このステージ制御部36は試料20を保持する移動ステージ21を駆動制御するようになっている。
【0041】
なお、上記構成部分のうち、RMS−DC変換器32により振幅検出部が構成され、ゼロクロスコンパレータ27、位相計28およびロックインアンプ29により位相変調率信号検出部が構成される。
【0042】
また位相計28と周波数シフタ12との間には、ローパスフィルタ40、二重平衡変調器41および高周波信号発生器42a,42bが配設されている。さらに周波数シフタ12は、偏光ビームスプリッタ12a,12bと、音響光学素子12c,12dとを有している。
【0043】
またロックインアンプ29には、ファンクションジェネレータ37が接続され、このファンクションジェネレータ37はLD駆動部38を介してLD11を駆動制御するようになっている。
【0044】
次に図9により本発明による測定方法について説明する。
【0045】
図9に示すように、半導体レーザー11(TOSHIBA,TOLD−9140,λ=688nm@40mA、10mW)は、ファンクションジェネレータ38からの信号により変調周波数fm =80Hzの正弦波で注入電流変調される。これによりLD11の発振周波数v(t)および電場E(t)は、それぞれ式(5)(11)で示すように変調される。LD素子の温度はペルチェ素子により18.00±0.01℃に安定化されている。
【0046】
LD11からの出射光はレンズ50,51により平行光(ビーム径1mm)にされ、直交偏波型光周波数シフタ(HOYA、S−210−633)12に入射する。周波数シフタ12内で入射光は偏光の違いによって2つに分けられ、異なる周波数(80MHzと80.1MHz)により駆動される2つの音響光学素子12c,12dにより、各分離光は周波数シフト(周波数の変化)を受け、再び合波される。これにより出射光は互いに偏光方向が直交し、かつ周波数差Vb が100kHzの同軸の一対の分離光となる。この光をレンズ13,14により光束を拡大し偏光ビームスプリッタ17に導入する。
【0047】
偏光ビームスプリッタ17で直交する直線偏光に二分された光のうち、一方は対物レンズ19を通して試料20を照明し、他方は参照鏡15を照明する参照光として用いる。
【0048】
ここで、もし他方の光の焦点が試料20内のある界面に合っているとすると、試料20の界面および参照鏡15からの反射光は1/4波長板16,18を往復して通過することによりそれぞれ偏光方向は90°回転し、偏光偏光ビームスプリッタ17で再び合波され、偏光子22により偏光干渉される。さらにレンズ23でピンホール24上に集光し、光電子増倍管25(浜松ホトニクス、光センサモジュールH5783−01)により検出される。
【0049】
ところで、光周波数シフタ12を駆動する高周波信号発生器42a,42bからの信号が分波され、この信号により2重平衡変調器41およびローパスフィルタ40を用いて、周波数100kHzの信号を発生させている。これを位相計28の基準ビート信号として用いることにより、従来必要となっていたLD光およびHe−Ne光とを混合・分離するための光学素子が不要となり、光学系の簡素化とともにLD光の利用効率も向上する。
【0050】
光電子増倍管25により検出したビート信号は、ハイパスフィルタ26により、バイアス成分が取り除かれ、位相変調率測定用の回路と振幅測定用の回路とに分岐される。
【0051】
まず、位相変調率測定用の回路では、光電子増倍管25により検出した信号はゼロクロスコンパレータ27によって方形波に変換され、振幅変調成分が取り除かれる。この信号は位相計(Stanford Research Systems,Digital Lock−In Amplifier,SR850)28に入力される。位相計28では二重平衡変換器41を用いて発生した基準ビート信号と、ゼロクロスコンパレータ27からの信号の位相を比較して、その差に比例した電圧を出力する。さらにこの出力信号は、後続のロックインアンプ(エヌエフ回路設計ブロック、Lock−In Voltmeter、5560)29に入力される。ロックインアンプ29の参照信号にはファンクションジェネレーター37からの信号を用いているので、位相計28の出力のうちLD11の変調周波数と同一の周波数成分の信号の振幅と位相とを測定することができる。ロックインアンプ29からの測定値は演算部35に取り込まれる。
【0052】
次に、振幅測定用の回路では、光電子増倍管25により検出した信号はアンプ31によって適当に減衰され、RMS−DC変換器32に入力される。次にこの直流出力信号はアンプ33で増幅され、演算部35に取り込まれる。
【0053】
試料20を載せたステージ21は演算部35およびステージ制御部36によって制御されており、各試料20の位置において位相変調率と振幅を記録していく。さらに取得したデータの解析はオフラインで行なわれる。
【0054】
次に演算部35における演算方法について述べる。波長走査型ヘテロダイン干渉法による光路長差測定では、可変波長幅が既知でなければならない。しかし、波長計を用いて動作状態の波長を測定は困難であるため、ここでは予め実際に既知の光路長を測定し、それより位相変調率と光路差との関係を求める。
【0055】
すなわち予めマイケルソン干渉計で手動ステージにのせた基準となる鏡を光軸方向に移動させ位相変調率を測定しておく。測定結果を図10に示す。図10に示すように鏡の移動に伴って、測定値(○印)は線形に変化している。この傾きを求めると、0.589mV/mmとなる。これは、16.01°/mmに相当する。また、ゼロ光路差(4.3mm)の前後で位相(□印)が反転することにより光路差の符号の判定を行なう。そして図10に示す光路差と位相変調率との関係に基づいて、位相変調率から光路長の増加分を求めることができる。
【0056】
ところで平面鏡を、光軸方向に走査することによって検出器の深度応答を測定する。まず図11(a)(b)により、本発明による干渉信号の振幅から求めた結果(図11(a))と、比較例としての参照光を遮ることによって強度から求めた結果(図11(b))をそれぞれに示す。図11(a)に示す本発明のほうが、幅が広がっているが、この原因は、(12)式から予想されるとおり、干渉信号の振幅から求めた深度応答は、強度から求めた深度応答の平方根を取った形となるからであり、また、RMS−DC変換器32の入力信号の振幅に対する非線形性の影響も含まれていると考えられる。これらの結果から半値半幅を求めると、それぞれ17μm、13μmとなり、また、双方のピーク位置の違いは1μm程度である。
【0057】
次に、演算部35において、屈折率・厚さの分離測定を行なう。試料20として例えば平行平面基板(BK7ガラス、厚さ1084μm、屈折率1.513)を用いた場合におけるRMS−DC変換器32で測定した干渉信号の振幅を図12(a)に示し、また位相計28の出力信号を図12(b)に示す。
【0058】
図12(a)に示すピークは試料20の表面・裏面に焦点が合ったときに相当している。また、図12(b)では、図12(a)のピーク位置の付近しか値が求まっていない。これは、検出された干渉信号がゼロクロスコンパレータ27のしきい値より下回るので、入力波形が正確に方形波に整形されず、位相計28での測定が不能となるためである。
【0059】
図12(a)から、まずピーク間隔に基づいて光の焦点が試料20の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求める。次に位相計28およびロックインアンプ29により得られた図12(b)に示す位相変調率に基づいて、図10に示す光路長と位相変調率との関係により光路の増加分を求める。
【0060】
その後、式(1)−(2)を用いて試料20の屈折率と幾何学的厚さを算出すると1.52±0.02、1170±13μmとなる。
【0061】
ところで位相計28で測定できる範囲は−180°から180°までの範囲である。位相変調率(位相変調の位相の振幅)がこの範囲に収まっているときは、測定は問題ない。しかし、位相変調率が±180°の外に出ると測定は不能となる。これが位相変調率(すなわち光路差)の最大測定レンジとなる。ただし、位相変調率がこれより小さくても位相のバイアス分(初期位相)の値によっては、途中で、180°を上回り、あるいは、−180°を下回ってしまうことも考えられる。これを回避するためにこの初期位相を例えば0、90、180、270°と4回位相をシフトさせ、位相変調率の測定を行なうことにより測定不能状態を回避することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、試料の幾何学厚さおよび屈折率を迅速かつ確実に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定原理を示す図。
【図2】波長走査型ヘテロダイン干渉法の測定原理を示す基本構成図。
【図3】ビート信号の周波数成分を示す図。
【図4】振幅変調率と位相計出力との関係を示す図。
【図5】ゼロクロスコンパレータを通過前後の信号波形を示す図。
【図6】ゼロクロスコンパレータ通過後の位相変調の幅を示す図。
【図7】RMS−DC変換器の出力電圧を示す図。
【図8】RMS−DC変換器の出力電圧を示す図。
【図9】本発明による試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置を示す概略図。
【図10】鏡の変位と位相変調率の関係を示す図。
【図11】試料の変位と検出器の出力の関係を示す図。
【図12】RMS−DC変換器と位相計の出力を示す図。
【図13】共焦点顕微鏡の基本原理を示す図。
【符号の説明】
11 LD
12 周波数シフタ
15 参照鏡
17 偏光ビームスプリッタ
19 対物レンズ
20 試料
21 ステージ
24 ピンホール
25 検出器
27 ゼロクロスコンパレータ
28 位相計
29 ロックインアンプ
32 RMC−DC変換器
35 演算部
36 ステージ制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は試料の幾何学的厚さと屈折率を求める試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置およびその測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から薄膜や光ガラス等の透明試料の光学的厚さを測定するため、低コヒーレンス干渉法が用いられている。低コヒーレンス干渉法は、干渉計において白色光や発光ダイオードのような可干渉性の低い光源を用いることにより、干渉計の両腕の光路差が0近傍のみに干渉縞が現れることを利用して、その時の参照鏡の位置から測定物体の絶対的な位置を知る方法である。これはブロックゲージの絶対測長や基線の校正、表面形状測定等に応用されている。さらに、近年では、これを拡張した手法が、眼科学や生体科学の分野で盛んに研究されている。
【0003】
他方、レーザー光を試料にスポット照射し、そこからの反射光または蛍光等を点検出器に再結像させる方式の共焦点レーザー顕微鏡が知られている。
【0004】
この共焦点顕微鏡は従来の光学顕微鏡と比べて高コントラスト画像が得られるだけでなく、光軸方向にも高い分解能をもち3次元像の構築ができるために表面形状測定や生体試料観測の手法として定着している。
【0005】
またこの共焦点顕微鏡の光軸方向の分解能を利用することにより透明な試料の光学的厚さの測定を行なうことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、共焦点原理により直接に求まる量は光学的厚さであり、幾何学的厚さを求めるためには、各層の屈折率を別の手法により求めなければならない。このような問題点は上述した低コヒーレンス干渉法における厚さ測定でも同様に生じる。ところが、成形された試料の屈折率を迅速かつ確実に測定する方法は未だ開発されていないのが実情である。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、迅速かつ確実に試料の幾何学的厚さおよび屈折率を求めることができる試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置およびその測定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料に対して周波数可変光を投光する光源と、光源からの光を偏光の相違により一対の分離光に分けるとともに、各分離光の周波数を予め定められたシフト量だけ変化させる周波数シフタと、周波数シフタと試料との間の光路中に配置された偏光ビームスプリッタと、周波数シフタと試料との間の光路と交差するとともに偏光ビームスプリッタを通る直線上において、偏光ビームスプリッタの一側に配置された参照鏡と、ビームスプリッタの他側に配置され偏光ビームスプリッタを通り参照鏡から反射する一方の分離光と、偏光ビームスプリッタを通り試料から反射する他方の分離光との干渉により生じる干渉信号を検出する検出器と、検出器からの干渉信号に基づいて振幅を求める振幅検出部と、検出器からの干渉信号に基づいて位相変調率信号を求める位相変調率信号検出部と、振幅検出部からの振幅に基づいて、他方の分離光の焦点が試料の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求めるとともに、各分離光の周波数のシフト量と、位相変調信号検出部からの位相変調率信号に基づいて焦点が試料の一面から他面へ移る際の他方の分離光の光路長の増加分を求め、この移動距離および光路長の増加分に基づいて試料の幾何学的厚さおよび屈折率を求める演算部と、を備えたことを特徴とする試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置である。
上記記載の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置を用いた測定方法において、試料を周波数シフタに対して相対的に移動させる工程と、光源からの光のうち周波数シフタで分離された一方の分離光を偏光ビームスプリッタを経て参照鏡に反射させるとともに、周波数シフタで分離された他方の分離光を偏光ビームスプリッタを経て試料に反射させ、これら一対の分離光を干渉させて干渉信号として検出器により検出する工程と、検出器からの干渉信号に基づいて振幅検出部により振幅を求める工程と、検出器からの干渉信号に基づいて位相変調率信号検出部により位相変調率信号を求める工程と、演算部において、振幅検出部からの振幅に基づいて、他方の分離光の焦点が試料の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求めるとともに、各分離光の周波数のシフト量と、位相変調率検出部からの位相変調率信号に基づいて焦点が試料の一面から他面へ移る際の他方の分離光の光路長の増加分を求め、この移動距離および光路長の増加分に基づいて試料の幾何学的厚さおよび屈折率を求める工程と、を備えたことを特徴とする測定方法である。
【0009】
本発明によれば、振幅検出部において、検出器からの干渉信号に基づいて振幅を求めるとともに、位相変調率信号検出部において検出器からの干渉信号に基づいて位相変調率信号を求める。演算部において、振幅検出部からの振幅に基づいて他方の分離光の焦点が試料の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求めるとともに、各分離光の周波数のシフト量と、位相変調率信号検出部からの位相変調率信号に基づいて焦点が試料の一面から他面へ移る際の他方の分離光の光路の増加分を求める。この移動距離と光路の増加分とに基づいて、試料の幾何学的厚さおよび屈折率が求められる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
まず本発明の基本的原理について説明する。
測定原理
(屈折率・厚さの分離測定)
図1に屈折率・厚さの分離測定原理を示す。ここでは、簡単のため単層試料で説明するが、多層への適用は容易である。平行光が対物レンズ19を通して試料20に照射される。試料20を対物レンズ19に近づけていくと、まず試料20の一面(対物レンズ19に近い面)に焦点が合う(図1(a))。さらに、近づけると対物レンズ19から焦点位置までの光路長は増加していき(図1(d))、今度は、試料20の他面に焦点が合う(図1(b))。ここで、焦点位置を試料20の一面から他面へと移すのに必要な試料20の移動距離をΔz とし、またそのときの光路長の増加分をΔl とすると、試料20の屈折率nおよび幾何学的厚さdは(1)(2)式を用いて算出される。
【数1】
ここで、NAは対物レンズの開口数を表す。
【0012】
この原理では、試料20の移動距離Δz と、光路長の増加Δl の2量を測定する必要がある。試料20の移動距離Δz の測定を行うためには、焦点の検出を行う必要がある。これには次に述べる波長走査型ヘテロダイン干渉法を用いる。
【0013】
(共焦点顕微鏡の原理)
共焦点顕微鏡は、図13に示すように点光源11から発した光を対物レンズ19を通して試料20に照射し、試料20から反射した光を偏光ビームスプリッタ17によって反射させ、レンズ23によってピンホール24上に集光し、その透過光を検出する。ここで、焦点位置が試料表面に一致したときには、ピンホールを通して検出される信号は極大値をとる(図1(c))。逆に、信号がピークをとる位置が、試料表面に焦点があっているときである。
【0014】
(波長走査型ヘテロダイン干渉法の原理)
波長走査型干渉法は光路差を持たせた干渉計において、光源の波長を一定量だけ連続的に変化させたときに生ずる干渉信号の位相変化を測定し、それより干渉計の光路差を可動部なしで測定する手法である。光源に半導体レーザー(あるいはレーザーダイオード,LD)を用いた場合、連続的に波長を掃引できる幅が小さいため、位相の変化は小さい。そこで、高分解能で光路差測定を行うためには、位相の測定精度を高くする必要がある。そのため、光ヘテロダイン干渉法を併用した手法(波長走査型ヘテロダイン干渉法と呼ぶ)を用いる。この波長走査型ヘテロダイン干渉法を図2をもとに説明する。
【0015】
まず、はじめに注入電流変調をかけたLD11の出射光の電場は、LD11からの距離をz、時刻をtとすると次式で表される。
【数2】
ここで、cは光速、E0 (t)およびV(t)は時刻tにおけるLD端での電場と光周波数であり、正弦変調の場合には次式を用いて表される。
【0016】
E0 (t)=A ……(4)
V(t)=V0 +ΔVcos(2πfm t+φ) ……(5)
ここで、Aは電場の振幅で簡単のために一定としておく。V0 は変調をかけないときの光周波数、ΔVは周波数変調幅、φは注入電流の変調信号を基準としたときのV(t)の初期位相である。
【0017】
図2を参照すると、LD11から出た光は、光周波数シフタ12によって、たがいに周波数がVb だけ異なる2つの直交直線偏光となる。このうち一方の分離光を参照鏡15へ向ける参照光として用い、もう一方の分離光を試料20へ向ける物体光として用いる。検出器25における参照光および物体光の電場Eref ,Eobj は次のように表される。
【数3】
ここで、α、βは偏光ビームスプリッタ17の振幅分割比、Zref 、Zobj は参照光および物体光の光路長、Vref 、Vobj は参照光および物体光の周波数で、
Vref (t)=V(t)+V1 ……(8)
Vobj (t)=V(t)+V1 +Vb ……(9)
で表される。V1 およびV1+Vbは光周波数シフタ12による光周波数シフト量をあらわし、その差Vb が観測されるビート周波数に相当する。
【0018】
これより、検出器25で得られるビート信号は、
【数4】
となる。
【0019】
ここで両光の光路差をL=2(Zref−Zobj)としている。これよりビート信号の位相が変調周波数fm で変調され、その振幅を測定することにより光路差Lが求められる。
【0020】
(共焦点信号と光路差の同時測定)
屈折率・厚さの分離測定では、これら共焦点顕微鏡および波長走査型ヘテロダイン干渉法を用いて、焦点検出と光路長測定を行う。従来の測定手法では、これら2つの光学系が1つの光学系に組み込まれており、それぞれを切り替えて測定していた。すなわち、参照光路に入れたシャッターを閉じることによって、まず、光学系を共焦点系にし、試料を光軸方向に移動させ、その共焦点系の信号からピーク位置、すなわち界面に焦点が合う位置を計算する。次に、そのピーク位置に試料を移動させ、シャッターを開放することにより光学系を波長走査型ヘテロダイン干渉計に切り替えて、光路長測定を行う。これをそれぞれのピーク位置に対して順に行っていた。
【0021】
この方法では、一度取得した共焦点信号ピーク位置に試料を再移動させた後、それぞれの位置で光路差を測定するため時間がかかる。さらに、機械的なステージを用いるので、バックラッシュの影響がさけられず、その影響を低減するために、一度、ステージを機械原点に戻してからピーク位置に移動させていた。これにより、さらに時間がかかることになる。
【0022】
本発明は試料20の光軸方向の移動時に、共焦点系の情報と、波長走査型ヘテロダイン干渉計による光路長情報とを同時に取得するものである。これにより、試料の光軸方向の走査は1回で済むので測定時間の短縮につながり、またバックラッシュの問題も解決される。
【0023】
本発明においては、検出器25で検出されるビート信号から共焦点プロファイルに相当する強度情報と、波長走査型ヘテロダイン干渉計に相当する位相変調率とを分離することが必要となる。
共焦点信号および光路差信号の分離
(検出される干渉信号の解析式)
まず、はじめに検出されるビート信号を解析的に求め、次に分離手法を検討する。解析のモデルは図2に示す光学系である。
【0024】
図2の説明中、簡単のために光強度は一定であるとしたが、実際には周波数変調とともに強度変調もかかる。そこでLDの強度変調を表現するには、(4)式の電場E0 (t)を
【数5】
で置き換える。ただし、mは強度の変調率である。さらに、試料20の反射率はその位置によらずつねに一定としたが、実際には共焦点原理により、試料位置によって検出光の強度が変化する。そこで、この効果を取り入れるために、等価的に試料の反射率p(z)が位置によって変化するとする。すなわち、βをβp(z)で置き換えればよい。これらを考慮すると検出されるビート信号は、
【数6】
となる。
【0025】
図3にこのビート信号の周波数成分を図示する。図3において、それぞれの振幅は試料位置の関数になっている。これより、ビート信号は周波数がゼロの成分、変調周波数と同じ周波数成分、ビート周波数の成分、およびその両側帯波成分からなっている。ただし、位相変調もかかっているのでこの側帯波は広がる(図には示していない)。ここで、全ての信号成分の振幅がピークとなる試料位置Z0 が、試料の表面に焦点があっているときに相当する。これらの信号から位相変調率と振幅を独立に抽出する。
【0026】
(位相変調率(光路差信号)の測定法)
まず、位相計(Stanford Research.SR850)28(図9参照)に振幅変調がかかった信号を入力したときの影響を調べる。任意波形発生器(Hewlett−Packard,HP8904A)から2つの疑似信号を発生させる。1つは周波数100kHz、振幅1Vp−p の正弦波でこれを参照信号として用いる。また、もう1つは周波数100kHz、振幅1Vp−p の正弦波に振幅変調(変調周波数0.1Hz)をかける。これらの信号を位相計28に入力し、出力信号のうち変調周波数と同じ周波数で変化する信号の振幅をオシロスコープで読み取る。振幅変調率を0から100%まで10%ずつ変化させたときの結果を図4に示す。
【0027】
図4において、縦軸の10Vが位相の180°に対応する。これより、振幅変調率が大きくなるにつれて位相計の出力も大きくなるが線形な関係にはない。したがって、位相計において正確な位相変調率の測定を行うためには、振幅変調がかかっていない波形を用いる必要である。
【0028】
そこで、振幅変調および位相変調がかかった信号から、振幅変調を除去するために、ゼロクロスコンパレータ27(図9参照)を用いて波形を方形波に整形する。
【0029】
図5(a)(b)に振幅変調(周波数100kHz、振幅1Vp−p 、振幅変調率30%、変調周波数80Hz)がかかった信号をゼロクロスコンパレータに通した前後の波形を示す。これより、ゼロクロスコンパレータにより振幅変調が除去され、振幅が一定の方形波に整形されていることがわかる。同様に位相変調(周波数100kHz、振幅1Vp−p 、位相変調率30°、変調周波数80Hz)の信号の様子も図5(c)(d)に示す。これより、整形後の波形は、振幅が一定の方形波でかつ位相変調が保存されていることがわかる。
【0030】
ここで図5(a)−(d)において参照信号を各々の上部に示す。また図5(a)の下部は振幅変調がかかった信号を示し、図5(b)の下部はこれを整形した信号を示す。また図5(c)の下部は位相変調がかかった信号を示し、図5(d)の下部はこれを整形した信号を示す。
【0031】
位相変調率を変え、ゼロクロスコンパレータ通過後の位相変調の幅をオシロスコープから直接読み取った測定結果を図6に示す。これより、ゼロクロスコンパレータ前後で位相変調率は比例関係にあることがわかる。
【0032】
(振幅(共焦点信号)の測定法)
図3のいずれかの周波数の信号から、試料20の各位置に対する振幅の大きさを求める必要がある。そこで、まずバイアスおよび変調周波数の信号から振幅を得ることを考える。これらはローパスフィルタあるいはバンドパスフィルタを用いることにより抽出することができる。また、この信号には位相変調がかかっていないという利点もある。しかし、試料を動かしたときの振幅の変化は大きくない。これと比較して、ビート周波数およびその側帯波の信号は、変化が大きくより効率的に検出できるものと考えられる。そこで、ビート周波数のみを抽出することを考えられる。しかし、実際の変調周波数は80Hzで、ビート周波数は100kHzであるので、側帯波は100kHzに対して80Hzしか離れていない。さらに、位相変調もかかっているので、周波数差はより小さくなるものと考えられる。したがって、側帯波からキャリア周波数成分を抽出するのは非常に難しくなる。したがって、側帯波を含めた信号から、振幅変調および位相変調の影響を受けずに、干渉信号の振幅のみを抽出することが必要である。
【0033】
(RMS−DC変換器による振幅の抽出)
干渉信号の振幅情報の抽出には、変調周期より十分長い時間で信号を積分すれば、振幅変調および位相変調は、ともに平均化され、その影響は抑圧されると考え、信号の積分にRMS−DC変換器32(図9参照)を用いる。
【0034】
まず、RMS−DC変換器(AD736、アナログ・デバイセズ)32に振幅変調および位相変調がかかった信号を入力し、その特性を調べる。周波数100kHz、振幅1.0Vp−p の正弦波をRMS−DC変換器に入力し、出力電圧を20dBに増幅して測定する。入力信号は、振幅を0.1Vp−p から0.5Vp−p まで0.1Vp−p ずつ変化させる。また、振幅変調率は、0%から100%まで5%ずつ変化させ、さらに、位相変調率は0°から180°まで5°ずつ変化させる。測定例として振幅が0.1Vp−p の時の結果を図7に示す。これより、RMS−DC変換器32の出力電圧は入力信号の位相変調率には依存しないことがわかる。しかし、振幅変調率を大きくすると、出力電圧も若干大きくなっていくことがわかる。
【0035】
そこで、入力信号の振幅の大きさに対するRMS−DC変換器32の出力特性を詳しく調べるために、振幅を10mVp−p から500mVp−p まで、10mVp−p ずつ変化させて同様な測定を行なう。ここで位相変調はかけていないことにする。
【0036】
図8に測定結果を示す。図8において振幅は50mVp−p おきに示す。図8に示すように、振幅が400mVp−p までは、振幅変調率の増加にともなって、出力電圧も増加していくが、振幅が400mVp−p を過ぎると、この傾向は逆転する。しかし、同じ振幅変調率に関して、振幅が大きいほど出力も大きく、この関係が崩れることはないことがわかる。したがって、RMS−DC変換器32を用いて、干渉信号の振幅を抽出する場合、同じ振幅でも、得られる値は振幅変調率によって異なる。しかし、実際の測定では振幅変調率は一定であり、また、共焦点信号のピーク位置が特定できればよいので、RMS−DC変換器32を干渉信号の振幅の抽出に用いることができる。
具体的実施の形態
次に図9により上記基本原理を用いた具体的実施の形態について説明する。
【0037】
図9に示すように、本発明による測定装置は試料20に対して周波数可変光を投光する光源としての半導体レーザダイオード(LD)11と、LD11からの光を偏光の相違により一対の分離光に分けるとともに各分離光の周波数を変化させる周波数シフタ12と、周波数シフタ12と試料20との間に配置された偏光ビームスプリッタ17とを備えている。また、偏光ビームスプリッタ17の試料20側には1/4波長板(quater−wave plate)18と対物レンズ19が設けられている。
【0038】
また周波数シフタ12と試料20との間の光路と交差するとともに偏光ビームスプリッタ17を通る直線上において、偏光ビームスプリッタ17の一側に1/4波長板(quarter−wave plate)16および参照鏡15が順次配置され、偏光ビームスプリッタ17の他側に偏光子22およびレンズ23を介してピンホール24と光電子増倍管(検出器)25が順次配置されている。
【0039】
さらにこの光電子増倍管25には、ハイパスフィルタ26、ゼロクロスコンパレータ27および位相計28が順次接続され、また位相計28にはロックインアンプ29が接続されている。またハイパスフィルタ26にはアンプ31、RMS−DC変換器(平方自乗平均−直流変換器)32、およびアンプ33が順次接続され、このアンプ33とロックインアンプ29は演算部35に接続されている。
【0040】
また演算部35はステージ制御部36に接続され、このステージ制御部36は試料20を保持する移動ステージ21を駆動制御するようになっている。
【0041】
なお、上記構成部分のうち、RMS−DC変換器32により振幅検出部が構成され、ゼロクロスコンパレータ27、位相計28およびロックインアンプ29により位相変調率信号検出部が構成される。
【0042】
また位相計28と周波数シフタ12との間には、ローパスフィルタ40、二重平衡変調器41および高周波信号発生器42a,42bが配設されている。さらに周波数シフタ12は、偏光ビームスプリッタ12a,12bと、音響光学素子12c,12dとを有している。
【0043】
またロックインアンプ29には、ファンクションジェネレータ37が接続され、このファンクションジェネレータ37はLD駆動部38を介してLD11を駆動制御するようになっている。
【0044】
次に図9により本発明による測定方法について説明する。
【0045】
図9に示すように、半導体レーザー11(TOSHIBA,TOLD−9140,λ=688nm@40mA、10mW)は、ファンクションジェネレータ38からの信号により変調周波数fm =80Hzの正弦波で注入電流変調される。これによりLD11の発振周波数v(t)および電場E(t)は、それぞれ式(5)(11)で示すように変調される。LD素子の温度はペルチェ素子により18.00±0.01℃に安定化されている。
【0046】
LD11からの出射光はレンズ50,51により平行光(ビーム径1mm)にされ、直交偏波型光周波数シフタ(HOYA、S−210−633)12に入射する。周波数シフタ12内で入射光は偏光の違いによって2つに分けられ、異なる周波数(80MHzと80.1MHz)により駆動される2つの音響光学素子12c,12dにより、各分離光は周波数シフト(周波数の変化)を受け、再び合波される。これにより出射光は互いに偏光方向が直交し、かつ周波数差Vb が100kHzの同軸の一対の分離光となる。この光をレンズ13,14により光束を拡大し偏光ビームスプリッタ17に導入する。
【0047】
偏光ビームスプリッタ17で直交する直線偏光に二分された光のうち、一方は対物レンズ19を通して試料20を照明し、他方は参照鏡15を照明する参照光として用いる。
【0048】
ここで、もし他方の光の焦点が試料20内のある界面に合っているとすると、試料20の界面および参照鏡15からの反射光は1/4波長板16,18を往復して通過することによりそれぞれ偏光方向は90°回転し、偏光偏光ビームスプリッタ17で再び合波され、偏光子22により偏光干渉される。さらにレンズ23でピンホール24上に集光し、光電子増倍管25(浜松ホトニクス、光センサモジュールH5783−01)により検出される。
【0049】
ところで、光周波数シフタ12を駆動する高周波信号発生器42a,42bからの信号が分波され、この信号により2重平衡変調器41およびローパスフィルタ40を用いて、周波数100kHzの信号を発生させている。これを位相計28の基準ビート信号として用いることにより、従来必要となっていたLD光およびHe−Ne光とを混合・分離するための光学素子が不要となり、光学系の簡素化とともにLD光の利用効率も向上する。
【0050】
光電子増倍管25により検出したビート信号は、ハイパスフィルタ26により、バイアス成分が取り除かれ、位相変調率測定用の回路と振幅測定用の回路とに分岐される。
【0051】
まず、位相変調率測定用の回路では、光電子増倍管25により検出した信号はゼロクロスコンパレータ27によって方形波に変換され、振幅変調成分が取り除かれる。この信号は位相計(Stanford Research Systems,Digital Lock−In Amplifier,SR850)28に入力される。位相計28では二重平衡変換器41を用いて発生した基準ビート信号と、ゼロクロスコンパレータ27からの信号の位相を比較して、その差に比例した電圧を出力する。さらにこの出力信号は、後続のロックインアンプ(エヌエフ回路設計ブロック、Lock−In Voltmeter、5560)29に入力される。ロックインアンプ29の参照信号にはファンクションジェネレーター37からの信号を用いているので、位相計28の出力のうちLD11の変調周波数と同一の周波数成分の信号の振幅と位相とを測定することができる。ロックインアンプ29からの測定値は演算部35に取り込まれる。
【0052】
次に、振幅測定用の回路では、光電子増倍管25により検出した信号はアンプ31によって適当に減衰され、RMS−DC変換器32に入力される。次にこの直流出力信号はアンプ33で増幅され、演算部35に取り込まれる。
【0053】
試料20を載せたステージ21は演算部35およびステージ制御部36によって制御されており、各試料20の位置において位相変調率と振幅を記録していく。さらに取得したデータの解析はオフラインで行なわれる。
【0054】
次に演算部35における演算方法について述べる。波長走査型ヘテロダイン干渉法による光路長差測定では、可変波長幅が既知でなければならない。しかし、波長計を用いて動作状態の波長を測定は困難であるため、ここでは予め実際に既知の光路長を測定し、それより位相変調率と光路差との関係を求める。
【0055】
すなわち予めマイケルソン干渉計で手動ステージにのせた基準となる鏡を光軸方向に移動させ位相変調率を測定しておく。測定結果を図10に示す。図10に示すように鏡の移動に伴って、測定値(○印)は線形に変化している。この傾きを求めると、0.589mV/mmとなる。これは、16.01°/mmに相当する。また、ゼロ光路差(4.3mm)の前後で位相(□印)が反転することにより光路差の符号の判定を行なう。そして図10に示す光路差と位相変調率との関係に基づいて、位相変調率から光路長の増加分を求めることができる。
【0056】
ところで平面鏡を、光軸方向に走査することによって検出器の深度応答を測定する。まず図11(a)(b)により、本発明による干渉信号の振幅から求めた結果(図11(a))と、比較例としての参照光を遮ることによって強度から求めた結果(図11(b))をそれぞれに示す。図11(a)に示す本発明のほうが、幅が広がっているが、この原因は、(12)式から予想されるとおり、干渉信号の振幅から求めた深度応答は、強度から求めた深度応答の平方根を取った形となるからであり、また、RMS−DC変換器32の入力信号の振幅に対する非線形性の影響も含まれていると考えられる。これらの結果から半値半幅を求めると、それぞれ17μm、13μmとなり、また、双方のピーク位置の違いは1μm程度である。
【0057】
次に、演算部35において、屈折率・厚さの分離測定を行なう。試料20として例えば平行平面基板(BK7ガラス、厚さ1084μm、屈折率1.513)を用いた場合におけるRMS−DC変換器32で測定した干渉信号の振幅を図12(a)に示し、また位相計28の出力信号を図12(b)に示す。
【0058】
図12(a)に示すピークは試料20の表面・裏面に焦点が合ったときに相当している。また、図12(b)では、図12(a)のピーク位置の付近しか値が求まっていない。これは、検出された干渉信号がゼロクロスコンパレータ27のしきい値より下回るので、入力波形が正確に方形波に整形されず、位相計28での測定が不能となるためである。
【0059】
図12(a)から、まずピーク間隔に基づいて光の焦点が試料20の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求める。次に位相計28およびロックインアンプ29により得られた図12(b)に示す位相変調率に基づいて、図10に示す光路長と位相変調率との関係により光路の増加分を求める。
【0060】
その後、式(1)−(2)を用いて試料20の屈折率と幾何学的厚さを算出すると1.52±0.02、1170±13μmとなる。
【0061】
ところで位相計28で測定できる範囲は−180°から180°までの範囲である。位相変調率(位相変調の位相の振幅)がこの範囲に収まっているときは、測定は問題ない。しかし、位相変調率が±180°の外に出ると測定は不能となる。これが位相変調率(すなわち光路差)の最大測定レンジとなる。ただし、位相変調率がこれより小さくても位相のバイアス分(初期位相)の値によっては、途中で、180°を上回り、あるいは、−180°を下回ってしまうことも考えられる。これを回避するためにこの初期位相を例えば0、90、180、270°と4回位相をシフトさせ、位相変調率の測定を行なうことにより測定不能状態を回避することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、試料の幾何学厚さおよび屈折率を迅速かつ確実に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定原理を示す図。
【図2】波長走査型ヘテロダイン干渉法の測定原理を示す基本構成図。
【図3】ビート信号の周波数成分を示す図。
【図4】振幅変調率と位相計出力との関係を示す図。
【図5】ゼロクロスコンパレータを通過前後の信号波形を示す図。
【図6】ゼロクロスコンパレータ通過後の位相変調の幅を示す図。
【図7】RMS−DC変換器の出力電圧を示す図。
【図8】RMS−DC変換器の出力電圧を示す図。
【図9】本発明による試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置を示す概略図。
【図10】鏡の変位と位相変調率の関係を示す図。
【図11】試料の変位と検出器の出力の関係を示す図。
【図12】RMS−DC変換器と位相計の出力を示す図。
【図13】共焦点顕微鏡の基本原理を示す図。
【符号の説明】
11 LD
12 周波数シフタ
15 参照鏡
17 偏光ビームスプリッタ
19 対物レンズ
20 試料
21 ステージ
24 ピンホール
25 検出器
27 ゼロクロスコンパレータ
28 位相計
29 ロックインアンプ
32 RMC−DC変換器
35 演算部
36 ステージ制御部
Claims (6)
- 試料に対して周波数可変光を投光する光源と、
光源からの光を偏光の相違により一対の分離光に分けるとともに、各分離光の周波数を予め定められたシフト量だけ変化させる周波数シフタと、
周波数シフタと試料との間の光路中に配置された偏光ビームスプリッタと、
周波数シフタと試料との間の光路と交差するとともに偏光ビームスプリッタを通る直線上において、偏光ビームスプリッタの一側に配置された参照鏡と、偏光ビームスプリッタの他側に配置され偏光ビームスプリッタを通り参照鏡から反射する一方の分離光と、偏光ビームスプリッタを通り試料から反射する他方の分離光との干渉により生じる干渉信号を検出する検出器と、
検出器からの干渉信号に基づいて振幅を求める振幅検出部と、
検出器からの干渉信号に基づいて位相変調率信号を求める位相変調率信号検出部と、
振幅検出部からの振幅に基づいて、他方の分離光の焦点が試料の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求めるとともに、各分離光の周波数のシフト量と、位相変調信号検出部からの位相変調率信号に基づいて焦点が試料の一面から他面へ移る際の他方の分離光の光路長の増加分を求め、この移動距離および光路長の増加分に基づいて試料の幾何学的厚さおよび屈折率を求める演算部と、
を備えたことを特徴とする試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置。 - 演算部は予め設定された位相変調率信号と光路長の増加分との関係式に基づいて、位相変調率信号から光路の増加分を求めることを特徴とする請求項1記載の試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置。
- 試料は周波数シフタに対して離接自在に移動するステージにより保持されていることを特徴とする請求項1記載の試料の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置。
- 請求項1記載の幾何学的厚さおよび屈折率測定装置を用いた測定方法において、
試料を周波数シフタに対して相対的に移動させる工程と、
光源からの光のうち周波数シフタで分離された一方の分離光を偏光ビームスプリッタを経て参照鏡に反射させるとともに、周波数シフタで分離された他方の分離光を偏光ビームスプリッタを経て試料に反射させ、これら一対の分離光を干渉させて干渉信号として検出器により検出する工程と、
検出器からの干渉信号に基づいて振幅検出部により振幅を求める工程と、
検出器からの干渉信号に基づいて位相変調率信号検出部により位相変調率信号を求める工程と、
演算部において、振幅検出部からの振幅に基づいて他方の分離光の焦点が試料の一面から他面へ移るのに必要な試料の移動距離を求めるとともに、各分離光の周波数のシフト量と、位相変調率検出部からの位相変調率信号に基づいて焦点が試料の一面から他面へ移る際の他方の分離光の光路長の増加分を求め、この移動距離および光路長の増加分に基づいて試料の幾何学的厚さおよび屈折率を求める工程と、
を備えたことを特徴とする測定方法。 - 位相変調率信号から光路長の増加分を、予め設定された位相変調率信号と光路の増加分の関係式に基づいて求めることを特徴とする請求項3記載の測定方法。
- 試料は周波数シフタに対して離接自在に移動するステージにより保持され、このステージにより試料が周波数シフタに対して移動することを特徴とする請求項3記載の測定方法。
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