JP3570132B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネル等に用いられるカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネル等のカラーフィルタを製造する方法として、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法などがある。
【0003】
染色法は、染色用材料である水溶性高分子材料に感光剤を添加して感光化し、これをリソグラフィ工程でパターニングした後、染色液に浸漬し着色パターンを得る方法である。
【0004】
例えば、まず、ガラス基板の上に遮光性部位(一般に黒色でブラックマトリクスと称され、以下、BMという)を形成する。そして、水溶性高分子材料に感光剤を添加して光が当たれば溶媒に溶解しにくくなるようにした染色用材料を、BMの形成された基板に塗布する。次に、マスクを通して染色用材料の一部のみを露光し現像することで、第1のカラー領域のみ染色用材料が残るようパターニングする。そして、この染色用材料を染色液に浸漬して染色し、固着させることで第1の着色層が形成される。この工程を3回繰り返すことで3色のカラーフィルタが形成される。
【0005】
この染色法で製造されたカラーフィルタは、透過率が高くて色が鮮やかな反面、耐光性、耐熱性及び吸湿性において劣るという特性がある。
【0006】
次に、顔料分散法は、顔料を分散した感光性樹脂を基板に塗布し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る、という工程を繰り返す方法である。上記染色法が、染色用材料をパターニングしてから染色する方法であったのに対して、顔料分散法は、予め着色された感光性樹脂を基板に塗布するものでる。そして、顔料分散法にて製造されたカラーフィルタは、耐性が高いものの透過率が多少低いというとう特性をもっている。
【0007】
さらに、上記感光性樹脂層は、少なくとも塗布された70%以上が除去・廃棄され材料の利用効率で大きな課題を有する。
【0008】
印刷法は、熱硬化性樹脂に顔料を分散させた塗料を繰り返し印刷によって3色を塗り分け、樹脂を熱硬化させて着色層を形成する方法である。この印刷法は、工程が簡易であるものの、平坦性に劣るものである。
【0009】
電着法は、パターニングされた透明電極を基板に設けておき、これを顔料・樹脂・電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第1色を電着させる。そして、この工程を3回繰り返して最後に焼成する方法である。この電着法は平坦性に優れており、ストライプパターンのカラー配列であれば有効であるが、モザイクパターンのようなカラー配列を形成することは困難である。
【0010】
以上の製造方法のうち、印刷法は精度の点で欠点があり、電着法はパターンが限定されるという欠点があったので、従来、染色法及び顔料分散法が主として用いられてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の染色法及び顔料分散法は、第1色、第2色、第3色の各画素領域を形成する際に毎回リソグラフィの工程が必要であり、カラーフィルターの量産性向上の大きな妨げとなってきた。このように1色毎にリソグラフィ工程を繰り返すことなく画素を形成する方法として、特開昭59−75205号公報、特開昭61−245106号公報等を初めとした、インクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法が多数開示されている。インクジェット方式により画素を形成することで、材料の使用効率の向上や工程の短縮を図り、さらには、高精彩のカラーフィルタを得ようとするものである。
【0012】
このようなインクジェット方式を用いたカラーフィルタの製造方法の一つとして、原盤上に形成された所定配列の複数のインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成し、次いで、この着色パターン層が形成された原盤上に
光透過性を有する樹脂層を形成した後、着色パターン層と樹脂層を一体的に原盤から剥離することによりカラーフィルタを製造する方法が発案されている。
【0013】
このカラーフィルタの製造方法は、要するに、原盤を型として着色パターン層を形成することで着色パターン層の形状を制御し、高精彩のカラーフィルタを得ようとするものである。
【0014】
しかしながら、このカラーフィルタの製造方法によれば、3色の着色パターン層および樹脂層の計4種類の異なる物質が原盤から剥離されることになり、各物質の原盤との密着生が異なると、剥離の際に原盤から均一に離型せず、着色パターンの欠落やクラックの発生といった転写不良の問題を有する。
【0015】
そこで本発明はこのような問題点を解決するもので、その目的とするところは、転写不良のないカラーフィルタの製造方法を提供するところにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、所定配列の複数のインク充填用凹部を有する原盤を製造する第1工程と、それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第2工程と、前述の着色パターン層が形成された原盤上に樹脂を塗布し、光透過性を有する樹脂層を形成する第3工程と、前述の樹脂層を固化後に、前述の着色パターン層と一体的に前述の原盤から剥離する第4工程と、を含むカラーフィルタの製造方法であって、前述の第2工程において、前述の原盤上に下地層を形成してから前述のインク充填用凹部にインクを充填して着色パターンを形成し、前述の第4工程において、前述の下地層を前述の着色パターン層および樹脂層と一体的に前述の原盤から剥離することを特徴とする。
【0017】
本発明は、要するに、着色パターン層および樹脂層と原盤との間に下地層を設けて、原盤との剥離界面を下地層のみで形成し、この下地層と原盤との密着性を制御することで、着色パターン層の原盤からの剥離を容易にしようとするものである。したがって、剥離の際の転写不良による不良品の発生を防止することが容易となる。そして、各色インク材料への要求性能として原盤からの離型性に関する制約がなくなり、各色インク材料の設計、選定の自由度が増す。
【0018】
また、本発明の製造方法により得られたカラーフィルタでは、前述の下地層が着色パターン層のオーバーコート層(保護膜)として兼用できるため、オーバーコート層を形成する工程が不要となる。
【0019】
次に、前述の下地層を形成する物質は、エネルギーの付与により硬化可能な物質であることが好ましい。こうすることで、下地層は強固なものとなり、第4工程での剥離の際の下地層の欠落やクラックの発生の防止に効果がある。エネルギーの具体的な例としては、光、熱あるいは光および熱の双方のいずれかであることが好ましい。この場合、様々な市販の樹脂や感光剤、硬化剤を配合した物質を利用することができ、また、汎用の露光装置やホットプレート、ベイク炉等を生産設備として利用できる。樹脂としては、具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂が好適に用いられる。
【0020】
また、前述の下地層を形成する物質は、離型剤が添加されていることが好ましい。こうすることで、原盤からの剥離を良好に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照にして説明する。
【0022】
図2は、本発明の実施形態における原盤を製造する工程の一例を示す図である。
【0023】
具体的には、以下の方法により行う。
【0024】
まず、図2(a)に示すように、基板18上にレジスト層19を形成する。
【0025】
基板18は、表面をエッチングして原盤とするとするためのもので、ここではシリコンウェーハが用いられる。シリコンウェーハをエッチングする技術は、半導体デバイスの製造技術において確立されており、高精度なエッチングが可能である。なお、基板18は、エッチング可能な材料であれば、シリコンウェーハに限定されるものではなく、例えば、ガラス、石英、樹脂、金属、セラミックなどの基板あるいはフィルム等が利用できる。
【0026】
レジスト19を形成する物質としては、例えば、半導体デバイス製造において一般的に用いられている、クレゾールノボラック系樹脂に感光剤としてジアゾナフトキノン誘導体を配合した市販のポジ型のレジストをそのまま利用できる。ここで、ポジ型のレジストとは、所定のパターンに応じて放射線に暴露することにより、放射線によって暴露された領域が現像液により選択的に除去可能となる物質のことである。
【0027】
レジスト層19を形成する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法等の方法を用いることが可能である。
【0028】
次に、図2(b)に示したように、マスク20をレジスト層19の上に配置し、マスク20を介してレジスト層19の所定領域のみを放射線21によって暴露する。マスク20は、図2(e)に示すインク充填用凹部12の形成領域に対応した領域においてのみ、放射線21が透過するようにパターン形成されたものである。また、インク充填用凹部12は、製造しようとするカラーフィルタ各色の形状および配列に応じて形成されるもので、例えば、10型のVGA仕様の液晶パネルでは、約100μmピッチで、640×480×3(色)で90万画素、つまり約90万個のインク充填用凹部12が形成される。
【0029】
そして、レジスト層19を放射線21によって暴露した後に現像処理を行うと、図2(c)に示すように、インク充填用凹部12の形成領域に対応したレジスト層19、すなわち、放射線の暴露領域22のレジスト層19のみが選択的に除去されて基板18が露出し、それ以外の領域はレジスト層19により覆われたままの状態となる。
【0030】
こうしてレジスト層19がパターン化されると、図2(d)に示すように、このレジスト層19をマスクとして基板18を所定の深さエッチングする。
【0031】
エッチングの方法としてはウエット方式またはドライ方式があるが、基板18の材質に合わせて、エッチング断面形状、エッチングレート等の観点から最適な方式および条件を選べばよい。制御性の点からいうとドライ方式の方が優れており、例えば、平行平板型リアクティブエッチング(RIE)方式、誘導結合型(ICP)方式、エレクトロンサイクロトロン共鳴(ECR)方式、ヘリコン波励起方式、マグネトロン方式、プラズマエッチング方式、イオンビームエッチング方式等の装置が利用でき、エッチングガス種、ガス流量、ガス圧、バイアス電圧等の条件を変更することにより、インク充填用凹部13を矩形に加工したり、テーパーを付けたり、面を粗らしたりと、所望の形状にエッチングすることができる。
【0032】
次に、エッチングが完了後に、図2(e)に示すように、レジスト層19を除去すると、インク充填用凹部12を有する基板18が得られ、これを原盤10とする。
【0033】
上述の実施形態では、基板18上にインク充填用凹部12を形成するに際し、ポジ型のレジストを用いたが、放射線に暴露された領域が現像液に対して不溶化し、放射線に暴露されていない領域が現像液により選択的に除去可能となるネガ型のレジストを用いても良く、この場合には、上述のマスクとはパターンが反転したマスクが用いられる。あるいは、マスクを使用せずに、レーザ光あるいは電子線によって直接レジストを暴露しても良い。
【0034】
こうして、インク充填用凹部12を有する原盤10が得られた後の工程を図1に示す。
【0035】
まず、図1(a)に示すように、原盤10上に下地層11を形成する。
【0036】
下地層11を形成する物質としては、この後の工程で形成される着色パターン層15および樹脂層16との密着性が良好であり、かつ、着色パターン層15の色特性を損なわない程度の光透過性を有するものであれば特に限定されるものではなく、種々の樹脂、シリコン系、ガラス系、金属系、セラミック系の材料が利用できるが、エネルギーの付与により硬化可能な物質であることが好ましい。エネルギーの具体的な例としては、光、熱あるいは光および熱の双方のいずれかであることが好ましい。この場合、光、熱あるいは光および熱の双方により硬化可能な成分を含有することが必須であり、様々な市販の樹脂や感光剤、硬化剤を利用することができる。具体的には、紫外線硬化型のアクリル系樹脂や熱硬化型のエポキシ系樹脂等が好適に用いられる。
【0037】
紫外線硬化型のアクリル系樹脂の基本組成の一例としては、プレポリマーまたはオリゴマー、モノマー、光重合開始剤があげられる。
【0038】
プレポリマーまたはオリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアクリレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のアクリレート類、エポキシメタアクリレート類、ウレタンメタアクリレート類、ポリエステルメタアクリレート類、ポリエーテルメタアクリレート類等のメタアクリレート類等が利用できる。
【0039】
モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが利用できる。
【0040】
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン等のブチルフェノン類、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、α,α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシム類、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のキサントン類、ベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル等のベンゾインエーテル類、ミヒラーケトン、ベンジルメチルケタール等のラジカル発生化合物が利用できる。
【0041】
なお、必要に応じて、酸素による硬化阻害を防止する目的でアミン類等の化合物を添加したり、溶剤成分を添加してもよい。溶剤成分としては、特に限定されるものではなく、水あるいは種々の有機溶剤、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、エチルラクテート、エチルピルビネート、メチルアミルケトン等が利用可能である。
【0042】
上述した紫外線硬化型のアクリル系樹脂を用いて下地層11を形成する方法としては、例えば、スピンコート法を用いることが可能である。
【0043】
まず、スピナーにより下地層11の形成用材料を原盤10上に塗布する。下地層11の形成用材料に溶剤が含まれる場合は、下地層11の形成用材料を塗布後にオーブンあるいはベイク炉等により熱処理を行って溶剤を揮発させる。この場合、下地層11は溶剤を除去すると収縮するため、収縮後の厚みで必要な厚みが確保できだけの量を塗布することが必要である。
【0044】
下地層11の厚みは、薄いと、図1(d)に示す原盤10からの剥離の際に、下地層11にクラックや部分的な欠落が発生しやすくなるため厚い方が好ましい。一方、下地層11の膜厚が厚いと、その分だけインク充填用凹部12を深くしなければならなかったり、インク充填用凹部12、すなわち、着色パターン層15の形状の劣化の原因となるため、薄い方が好ましい。下地層11の厚みの範囲としては、例えば、着色パターン層15の厚みが1μm必要で、インク充填層の深さを3μmとした場合、好ましくは0.01〜1μmである。
【0045】
そして、原盤10上に塗布された下地層11の形成用材料に紫外線を照射して硬化させると、下地層11が形成される。
【0046】
なお、下地層11の形成用材料の成分によっては、熱処理を併用することにより硬化が促進され、強度の向上や硬化処理時間の短縮の効果が見込まれる場合は、熱処理を併用することが好ましい。
【0047】
また、下地層11の形成用材料として熱硬化型のエポキシ系樹脂も好適に用いられる。熱硬化型のエポキシ系樹脂の基本組成の一例としては、主剤と硬化剤があげられる。
【0048】
主剤としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族環状エポキシ樹脂等が利用できる。
【0049】
硬化剤としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル4(5)−メチルイミダゾール、メンタンジアミン、N−アミノメチルピペラジン、N−メチルモルホリン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が利用できる。
【0050】
こうして、原盤10上に下地層11が形成されると、次に、インク充填用凹部12に着色インクを充填して着色パターン層15を形成する。インク充填用凹部12への着色インクの充填方法としては、特に限定されるものではないが、インクジェット方式が好適である。インクジェット方式によれば、インクジェットプリンタ用に実用化された技術を応用することで、高速かつ経済的にインクを充填することが可能である。
【0051】
図1(b)に示すように、下地層11が形成された原盤10上のインク充填用凹部12に対向させてインクジェットヘッド13を配置し、このヘッド13により着色インク14を各インク充填用凹部12に充填する。
【0052】
ヘッド13は、例えばインクジェットプリンタ用に実用化されたもので、圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ、あるいはエネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積および着色パターンは任意に設定することが可能である。
【0053】
例えば、このヘッド13を、駆動周波数14.4kHz(1秒間に14400回の吐出)で、インクを吐出する吐出口を赤インクR、緑インクG、青インクB用に各色20個ずつ配列し、一つのインク充填用凹部12にインクを3滴ずつ吐出するとすれば、約90万画素の10型VGA仕様のカラーフィルター用のインク充填用凹部12にインクを充填するのに要する時間は、
90万×3滴/(14400回×20個×3色)=約3秒
となる。ここで、ヘッド13がインク充填用凹部12間を移動する時間を考慮しても、2〜3分程度で基板にインクを充填することができる。
【0054】
なお、顔料分散法によれば、フォトリソグラフィ法による1色毎の形成時間が最低でも30分はかかるため、1枚のカラーフィルター基板においてR、G、B、3色で約90分以上のの時間が最低でも必要となる。これと比較すると、本実施の形態では、インクの充填に2〜3分、その後の樹脂塗布から剥離までの工程で5〜10分程度の時間で形成可能であり、従来と比べて短時間でカラーフィルタが形成できる。
【0055】
図1(b)では、ヘッド13によって、例えば、R、G、B各色インク14をインク充填用凹部12に吐出して、着色パターン層15を形成する様子を示してある。これらに用いるインク14は、色材を含有するエネルギー付与により硬化可能な物質を含むものでもよい。
【0056】
このような成分としては、各色の色材の色特性に影響を与えず、インク中で凝固等の問題を起こすものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、光硬化あるいは熱硬化あるいは光及び熱の双方のいずれかにより硬化可能な成分を含有する樹脂があげられる。具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が、市販品で様々な感光剤、硬化剤等を利用できるため、好適に用いられる。
【0057】
そして、全てのインク充填用凹部12にインクを充填する。インクに溶剤成分を含むものは、熱処理を行ってインクの溶剤を揮発させる。この熱処理の条件は、インクに含まれる溶剤成分の沸点等を考慮して決定される。インクに用いる溶剤成分としては、特に限定されるものではなく、水あるいは種々の有機溶剤が使用可能であるが、インク使用中に溶剤が揮発することにより、ヘッド13のインク吐出口やインク流路においてインクが固化して詰まってしまう。そのため、インクに用いる溶剤は高沸点のものが好ましい。しかし、一方では、溶剤除去の際の妨げにならないよう、高沸点のものは好ましくない。溶剤の沸点の範囲としては、好ましくは80〜200℃である。この場合の熱処理条件は、50〜200℃で、ホットプレートを用いた場合は2〜10分、ベイク炉を用いた場合は20〜30分程度行うことが好ましい。
【0058】
また、着色パターン層15は、溶剤を除去すると収縮するが、収縮後の厚みで必要なカラー濃度が確保できるだけのインク量を充填しておくことが必要である。
【0059】
次に、図1(c)に示すように、着色パターン層15が形成された原盤10上に樹脂層16を形成し、さらにその上に、必要に応じて、補強のためのガラス基板17を載せる。なお、用途によっては、ガラス基板17の代わりにフィルムを基板として用いてもよい。こうすれば、カラーフィルタの強度を向上させることができる。
【0060】
樹脂層16を形成する物質としては、例えば、エネルギーを付与することによって硬化し、硬化後にその樹脂層16が光透過性を有するものであることが必要である。このような成分としては、例えば、光硬化あるいは熱硬化あるいは光及び熱の双方のいずれかにより硬化可能な成分を含有する樹脂があげられる。具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が、市販品で様々な感光剤、硬化剤等を利用できるため、好適に用いられる。
【0061】
このようなエネルギー付与による硬化性を有する樹脂を、着色パターン層15が形成された原盤10上に塗布して樹脂層16を形成する。そして、補強のためのガラス基板17を載せてエネルギーを付与し、ガラス基板17に接着するように樹脂層16を硬化させる。
【0062】
特に、着色パターン層15および樹脂層16の双方が同一のエネルギーにより硬化可能なように設定した場合には、着色パターン層15を硬化させる前に樹脂を塗布し、双方同時にエネルギーを付与して同時に硬化させることで、強固に一体化させることが可能である。
【0063】
こうして、下地層11、着色パターン層15、樹脂層16およびガラス基板17が一体化すると、これらを原盤10から剥離して、図1(d)に示すカラーフィルタの完成品を得ることができる。
【0064】
原盤10は、その後、必要に応じて洗浄等の再生処理を施すことにより、耐久性の許す限り何度でも繰り返し使用できる。
【0065】
なお、材質によっては、原盤10と下地層11の密着力が高くなって、下地層11が原盤10から剥離しにくくなる場合があり、下地層11、さらには、着色パターン層15の欠落やクラックの発生等といった不良品発生率の増大、剥離に要する時間の延長による生産性の低下、さらには、原盤10の耐久性の低下等の問題が考えられる。
【0066】
そこで、下地層11を形成する物質に、原盤10との密着性が低下する作用を有する離型剤を添加しておくことで、原盤10からの剥離を良好に行うことができる。
【0067】
あるいは、前述の第1工程で、原盤10の表面の少なくとも下地層11を形成する領域に、予め離型剤を付けておくか、あるいは、下地層11との密着性の低い材質からなる離型層を形成しておいても同様の効果が得られる。
【0068】
離型剤を塗布する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法、ベーパー処理法等の方法を用いることが可能である。
【0069】
離型層としては、Ni、Cr、Ti、Al、Cu、Ag、Au、Ptのいずれか一種からなる金属、あるいはこれら二種以上からなる合金、あるいはこれらのうちの少なくとも一種を含む化合物であることが好ましい。これらの物質は、下地層11として光透過性に優れている点で好適に用いられるアクリル系樹脂に対する密着性が一般的に低く、スパッタリング、蒸着、CVDといった真空成膜法を用いることにより制御性良く成膜できる。なお、このような離型層の厚みは、数十〜数千Å程で良い。
【0070】
以上に述べたカラーフィルタの製造方法によれば、原盤10から剥離の際に、着色パターン層15の欠落やクラックの発生といった転写不良を防止することができる。また、下地層11をオーバーコート層とすることでオーバーコートを形成する工程が不要となる。
【0071】
さらに、必要に応じて下地層11上に透明電極及び配向膜を付けて、アレイに装着することになる。
【0072】
【発明の効果】
本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、原盤から剥離の際に、着色パターン層の欠落やクラックの発生といった転写不良を防止することができる。また、下地層をオーバーコート層とすることでオーバーコートを形成する工程が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における原盤が得られた後の工程を示す図。
【図2】本発明の実施形態における原盤を製造する工程を示す図。
【符号の説明】
10 原盤
11 下地層
12 インク充填用凹部
13 インクジェットヘッド
14 インク
15 着色パターン層
16 樹脂層
17 補強板
18 基板
19 レジスト
20 マスク
21 放射線
22 放射線暴露領域
23 エッチャント
Claims (4)
- 所定配列の複数のインク充填用凹部を有する原盤を製造する第1工程と、
それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第2工程と、
前記着色パターン層が形成された原盤上に樹脂を塗布し、光透過性を有する樹脂層を形成する第3工程と、
前記樹脂層を固化後に、前記着色パターン層と一体的に前記原盤から剥離する第4工程と、
を含むカラーフィルタの製造方法であって、
前記第2工程において、前記原盤上に下地層を形成してから前記インク充填用凹部にインクを充填して着色パターンを形成し、
前記第4工程において、前記下地層を前記着色パターン層および樹脂層と一体的に前記原盤から剥離することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法において、
前記下地層を形成する物質は、エネルギーの付与により硬化可能な物質であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記エネルギーは、光、熱あるいは光および熱の双方のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法において、
前記下地層を形成する物質は、離型剤が添加されていることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
Priority Applications (1)
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