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JP3570862B2 - 画像における物体の検出方法及び装置並びに記録媒体 - Google Patents
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JP3570862B2 - 画像における物体の検出方法及び装置並びに記録媒体 - Google Patents

画像における物体の検出方法及び装置並びに記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像における物体の検出方法及び装置並びに記録媒体に関し、特に、形状に変化のある物体の検出のための画像処理に適用される。
【0002】
カメラで撮影された画像からその中に映っている物体を検出することは、画像処理における基本的な技術であり、様々な応用を持つ。例えば、人間の顔を撮影して得られた画像から、その中に映っている目、口、鼻などの形状又は位置を確認することができれば、人間の表情又は姿勢を機械が認識することが可能となり、人間と機械のコミュニケーションにとって極めて有用である。
【0003】
このような状況から、形状に変化のある物体の検出を精度よく短時間で実行する方法が望まれている。
【0004】
【従来の技術】
従来より、画像の中から対象となる物体を検出する方法として、物体を表すテンプレートを画像上で走査し、両者の一致度の高い位置を探すことにより物体を検出するテンプレートマッチングが用いられている。
【0005】
例えば図19に示すように、画像FGの左上端から右下端まで、物体BJを表すテンプレートTPを横方向に移動させ且つ縦方向に順次ずらせていき、その間に一致度の最も高い物体bjの位置を検出する。
【0006】
この場合において、物体bjが、例えばボルト、ナット、ドリルの穴などのように、固定した形状のものである場合には、物体BJを表すテンプレートTPも固定した形状のものでよい。
【0007】
しかし、物体bjが、例えば目、口、鼻などのように、同じ人物であっても表情によってそれらの形状が変化するものである場合には、物体BJを表すテンプレートTPも可変形状のものを用いる必要がある。また、形状自体は固定している物体であっても、その物体の撮影方向が変化する場合にはそれに応じて見かけの形状が変化するので、同様に可変形状のテンプレートTPを用いる必要がある。
【0008】
可変形状のテンプレートTPを用いた場合には、画像FG上でテンプレートTPを走査する際に、それぞれの位置においてテンプレートTPの形状を変化させ、一致度の最も高い物体BJの位置及びテンプレートTPの形状を検出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の可変形状のテンプレートTPを用いるテンプレートマッチングの技術において、物体bjの形状の変化を予想してテンプレートTPを作成する必要がある。そのようなテンプレートTPには、従来は人為的に作成されたものが用いられていた。そのため、テンプレートTPを対象となる物体bjの形状変化に必ずしも追従させることができず、検出精度の低下を招いていた。
【0010】
また、画像FG上でテンプレートTPを走査しながら、変化する物体BJの形状の総てについて照合を行い、一致度の最も高い位置及び形状を検出することとした場合には、情報処理の量が膨大となって検出に多大の時間を要し実用的でないという問題がある。
【0011】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、画像の中から形状の変化する物体を精度よく且つ短時間で検出することのできる方法及び装置並びにそのような処理を実行させるための記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る方法は、画像の中から形状に変化のある物体を検出する方法であって、前記物体が含まれる複数の画像から物体形状を表す数値化された特徴量である物体特徴量を抽出する第1のステップと、前記物体特徴量を主成分分析の手法を用いて分析する第2のステップと、与えられた画像から所定の方法により画像特徴量を抽出する第3のステップと、前記分析された物体特徴量から物体の形状を少数の主成分の値で表現し、前記画像特徴量と可変形状のテンプレートマッチングで照合を行なう第4のステップと、照合結果に応じて前記物体の形状及び位置を出力する第5のステップと、を有してなる方法である。
【0013】
請求項2の発明に係る方法は、前記画像特徴量として、複数の特徴点の座標値を用い、前記第1のステップにおいて、前記物体についての形状の類似する複数のそれぞれの画像に対し複数の特徴点を指定し、その指定された特徴点の座標値を求める。
【0014】
請求項の発明に係る方法は、前記第4のステップにおいて、前記分析された物体特徴量の各主成分の値を変化させ、前記分析された物体特徴量と前記画像特徴量とがよく一致するときの各主成分の値の組を照合結果とする。
【0015】
請求項の発明に係る方法は、前記第4のステップにおいて、前記分析された物体特徴量の一部と前記画像特徴量の一部とが一致するように各主成分の値を調整し、調整された各主成分の値の複数の組のうち、前記分析された物体特徴量と前記画像特徴量とがよく一致するときの各主成分の値の組を照合結果とする。
【0016】
請求項の発明に係る方法は、前記第4のステップにおいて、最もよく一致する各主成分の値の組が複数存在する場合に、各主成分の値の絶対値の最も小さい組を照合結果とする。
【0017】
請求項の発明に係る方法は、前記第4のステップにおいて、前記分析された物体特徴量と前記画像特徴量との不一致度及び各主成分の値の絶対値をそれぞれ変数とする評価関数に最小値を与える各主成分の値の組を照合結果とする。
【0018】
請求項の発明に係る方法は、前記第5のステップにおいて、前記照合結果である各主成分の値によって定まる物体の形状を出力する。
請求項の発明に係る装置は、画像の中から形状に変化のある物体を検出する装置であって、前記物体が含まれる複数の画像から物体形状を表す数値化された特徴量である物体特徴量を抽出する第1の手段と、前記物体特徴量を主成分分析の手法を用いて分析する第2の手段と、与えられた画像から所定の方法により画像特徴量を抽出する第3の手段と、前記分析された物体特徴量から物体の形状を少数の主成分の値で表現し、前記画像特徴量と可変形状のテンプレートマッチングで照合を行なう第4の手段と、照合結果に応じて前記物体の形状及び位置を出力する第5の手段と、を有して構成される。
【0019】
請求項の発明に係る記録媒体は、画像の中から形状に変化のある物体を検出するために、前記物体が含まれる複数の画像から物体形状を表す数値化された特徴量である物体特徴量を抽出する第1のステップと、前記物体特徴量を主成分分析の手法を用いて分析する第2のステップと、与えられた画像から所定の方法により画像特徴量を抽出する第3のステップと、前記分析された物体特徴量から物体の形状を少数の主成分の値で表現し、前記画像特徴量と可変形状のテンプレートマッチングで照合を行なう第4のステップと、照合結果に応じて前記物体の形状及び位置を出力する第5のステップと、をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【0020】
本発明の検出方法においては、形状の変化する物体の形状データが統計学で用いられる主成分分析の手法で分析される。その分析結果に基づいて可変形状のテンプレートを設計することにより、画像中の物体の形状変化に追従した検出が行なわれる。
【0021】
本発明の検出装置は、例えばパーソナルコンピュータ又はワークステーションを用いて実現される。本発明に係る方法を実行するためのプログラムは、半導体メモリ、ハードディスク、CD−ROM、フロッピーディスク、又は光磁気ディスクなどの記録媒体に格納される。記録媒体に格納されたプログラムは、主メモリ上に適時ローディングされ、処理装置によって実行される。その際に、CD−ROMドライブ、フロッピーディスクドライブ、又は光磁気ディスクドライブなどのドライブ装置が必要に応じて用いられる。記録媒体がネットワークなどの通信回線で結ばれたサーバに設けられている場合には、通信回線を介してサーバからプログラムが読み取られ又はダウンロードされる。また、プログラムが通信回線を介して処理装置に転送される場合には、通信回線自体も記録媒体に相当する。プログラムは、種々のOS、プラットホーム、システム環境、又はネットワーク環境の下で動作するように供給可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る検出方法の処理の流れを示すフローチャートである。
図1において、物体特徴量を抽出し(#1)、抽出した物体特徴量を分析し(#2)、画像特徴量を抽出し(#3)、照合処理を行い(#4)、その結果を出力する(#5)。物体特徴量の抽出及び分析、画像特徴量の抽出は、照合処理よりも前であればそれらの順序及びタイミングは任意である。
【0023】
以下において、最初に、物体BJの形状の表現方法について説明し、これによってステップ#1及び2の物体特徴量の抽出と分析の処理内容の例を示す。次いで画像FGSの特徴量の算出方法の例について説明し、これによってステップ#3の画像特徴量の抽出の処理内容の例を示す。その次に、ステップ#4の照合処理について説明する。
【0024】
まず、物体BJの表現方法について説明する。
本発明において、形状の変化する物体BJについて、その形状データをいくつかの特徴量で表す。特徴量として、例えば特徴点の座標値を用いる。以下の説明においては、特徴量として特徴点の座標値を用いるが、本発明は物体の形状を何らかの数値で表現すれば適用可能であるので、それ以外の特徴量を用いることも可能である。
【0025】
図2は対象となる物体BJ1を5つの特徴点CP1〜5で表現した物体画像FGA1の例を示す図である。
図2(A)において、物体BJ1は、形状についての5つの特徴点CP1〜5によって代表されている。この場合には、物体BJ1は各特徴点CP1〜5を頂点とする多角形として表現される。各特徴点CP1〜5は、図2(B)に示すように、物体画像FGA1の座標系における座標値により表される。物体画像FGA1の左上端が原点(0,0)であり、原点から右方へ正のX座標が、原点から下方へ正のY座標が、それぞれ延びる。各特徴点CP1〜5の座標値はメモリに格納される。
【0026】
特徴点CP1〜5は、物体画像FGA1をディスプレイ装置の画面に表示した状態で、オペレータがそれぞれの特徴点CP1〜5をマウスなどのポインティングデバイスで指定することによって決定される。特徴点CP1〜5の指定によってそれらの座標値が取得され、メモリに格納される。特徴点CP1〜5の指定に当たって、オペレータは自身の判断基準に基づいて特徴点CP1〜5と思われる点を選択すればよいが、物体BJ1の外観形状の変曲点を選択することが多い。なお、画面に表示された物体画像FGA1の中から特徴点CP1〜5を指定するのではなく、オペレータが特徴点CP1〜5の座標値をキーボードなどから入力するようにしてもよい。
【0027】
上述のような操作及び処理を、同じ物体BJ1に対し、図3に示すような形状の異なる多数の物体画像FGA2〜4について行う。例えば物体BJ1が「口」又は「唇」である場合に、同一人物の口又は唇について撮影した多数のバリエーション画像について、それぞれの特徴点CP1〜5を選択して座標値を取得する。また、異なる人物のそれぞれの口を撮影した画像について、それぞれの特徴点CP1〜5を選択して座標値を取得する。つまり、この処理によって、同一の物体BJ1について、形状の異なる物体画像FGA2〜4の各特徴点CP1〜5の座標値がメモリに格納される。なお、同一人物についての画像であるか又は異なる人物についての画像であるかなど、どのような画像を用いるかは、物体検出の目的に依って決めればよい。
【0028】
このようにして得られた総ての物体画像FGA1〜4をテンプレートとしてテンプレートマッチングを行なえば、原理的には物体の形状変化に追従した物体検出が可能であるが、そうした場合には情報処理の量が膨大となって多大の処理時間が必要となり実用的でない。そこで、本実施形態においては、特徴量の変化を分析してそれら多数の物体画像FGA1〜4を整理することを考える。なお、本実施形態において、物体画像FGA1と物体画像FGA3とは同一であるので、物体画像FGA2〜4のみについて考える。
【0029】
図3に示される物体画像FGA2〜4の場合には、3つの物体画像FGA2〜4における特徴点CP1〜5の変化は、図4の矢印に示すように、右上方の特徴点CP4の位置が直線的に移動しているだけであり、他の特徴点CP1〜3,5は変化していないものと分析できる。
【0030】
そこで、統計学の主成分分析の手法を用い、このような分析を機械的に行なう。主成分分析とは、多数のデータについて、それらの各特徴量を平均値及び平均値からの代表的なずれの和の形で表現する手法である。具体的には、特徴量を確率変数と見なしたときの共分散行列の固有ベクトルを求める操作又は処理となる。特徴量として特徴点の座標値を用いる場合には、各特徴点の座標値を平均位置とその平均位置からの代表的なずれの和とで表現したものとなる。最も代表的なずれを第1主成分、2番目に代表的なずれを第2主成分と呼称し、以下同様に第3主成分、第4主成分…と呼称する。図4の特徴点列に対して主成分分析を適用すると、第1主成分として右上の特徴点CP4のみが移動するものが得られ、第2主成分以下は0(移動しない)となる。
【0031】
主成分分析について実例を上げて説明する。
図5及び図6は主成分分析の手法を説明するための図であり、図5は2枚の物体画像FGB1,2が入力された場合を示す図、図6は図5における平均値及び主成分ベクトルを数値で示す図である。なお、これらの例において、各物体画像FGBはそれぞれ2つの特徴点CP1,2の座標値によって表現されている。
【0032】
図5において、物体画像FGB1と物体画像FGB2とにおいて、各特徴点CP1,2のX座標は変化がなく、Y座標のみが変化している。各特徴点CP1,2の平均値(平均位置)は、各特徴点CP1,2のX座標又はY座標のそれぞれの平均値である。主成分ベクトルは、第1主成分についてのみ存在し、特徴点CP1についてはY軸に沿って負の方向(上方向)に向かう大きさ「50」のベクトルであり、特徴点CP2についてはY軸に沿って正の方向(下方向)に向かう大きさ「50」のベクトルである。つまり、各特徴点CP1,2の平均値及び主成分ベクトルは、全部の物体画像FGB1,2に対して共通である。これに対して、各主成分ベクトルに係る倍率(主成分の値)は、入力される物体画像FGB1,2毎に変化する。図5及び図6に示す例では、各物体画像FGB1,2の第1主成分の値は、それぞれ「1.0」「−1.0」となっている。
【0033】
図5に示す例では2枚の物体画像FGB1,2が入力されたが、例えば3枚の物体画像FGB1〜3が入力された場合には、第2主成分ベクトル及び第2主成分の値が存在する。一般に、複数枚の物体画像FGBが入力された場合において、各特徴点1,2,…の座標位置は、各特徴点の平均値、各主成分の値、及び各主成分ベクトルを用いて次のように表される。
【0034】
特徴点1のX座標=特徴点1のX座標の平均値+(第1主成分の値×第1主成分ベクトルの特徴点1のX座標成分)+(第2主成分の値×第2主成分ベクトルの特徴点1のX座標成分)+……
特徴点1のY座標=特徴点1のY座標の平均値+(第1主成分の値×第1主成分ベクトルの特徴点1のY座標成分)+(第2主成分の値×第2主成分ベクトルの特徴点1のY座標成分)+……
特徴点2のX座標=特徴点2のX座標の平均値+(第1主成分の値×第1主成分ベクトルの特徴点2のX座標成分)+(第2主成分の値×第2主成分ベクトルの特徴点2のX座標成分)+……
特徴点2のY座標=特徴点2のY座標の平均値+(第1主成分の値×第1主成分ベクトルの特徴点2のY座標成分)+(第2主成分の値×第2主成分ベクトルの特徴点2のY座標成分)+……
平均値及び主成分ベクトルは、計算機の内部ではこれらの式の数字を並べた図6に示すような配列として表現される。
【0035】
主成分分析の結果得られる物体BJの各特徴点CPの座標の平均値、主成分ベクトル、及び主成分の値が、物体BJについての分析された特徴量である。これらの各特徴点CPの座標の平均値及び主成分ベクトルを用いると、各主成分の値を変化させることによって物体BJの様々な形状を表現することができる。主成分ベクトルは平均値からの代表的なずれを表しているので、主要な少数の主成分ベクトルを考慮するだけで、物体BJの形状を精度良く表現することが可能である。したがって、主成分分析を行った特徴量を用いて物体検出を行うことにより、処理量が少なくなって短時間で精度の良い検出を行うことができる。なお、主成分分析の詳細に関しては、例えば「画像解析ハンドブック 第4版 第40〜44頁 東京大学出版会 1992年7月15日」を参照することができる。
【0036】
次に、画像FGSの特徴量の算出方法の例について説明する。
画像FGSは、一般的には、カメラなどにより撮影された濃淡画像である。濃淡画像である画像FGSは、負でない整数によって画素毎に明るさが表された2次元配列として表現される。
【0037】
図7は画像FGS1の例を示す図である。
図7において、各枡目は画素を示し、各枡目内の数値はその画素の濃度値を示す。この画像FGS1から特徴量を算出する。以下において、特徴量として特徴点の座標値を用いる場合の処理について説明する。
【0038】
画像FGSから特徴点を算出する方法の1つに、画像FGSを微分し、予め定めた設定値よりも大きな微分値を有する点(画素)を特徴点とする方法がある。これは、明るさの変化が激しい物体境界上の総ての点を特徴点と見なすものである。この方法を用いた特徴点算出の手順を以下に説明する。
(1)初期化
注目画素を、画像FGSの左上端から右下方に一画素分離れた位置に設定する。
(2)X微分値の計算
図8(A)に示すX微分ウインドウの中央の枡目を画像FGSの注目画素の位置に置き、ウインドウの各枡目に記述された数値とその位置の画素値とをそれぞれ掛け合わせ、9個の画素についてのそれぞれの結果を加算し、それを注目画素についてのX微分値とする。
(3)Y微分値の計算
図8(B)に示すY微分ウインドウの中央の枡目を画像FGSの注目画素の位置に置き、ウインドウの各枡目に記述された数値とその位置の画素値とをそれぞれ掛け合わせ、9個の画素についてのそれぞれの結果を加算し、それを注目画素についてのY微分値とする。
(4)微分値の計算
注目画素について、X微分値とY微分値との絶対値の和を求める。
(5)特徴点の出力
注目画素について、求められた微分値を予め定めたしきい値と比較し、微分値が設定値以上であるならば、注目画素の座標値を特徴点座標として出力する。
(6)画素の移動
注目画素を一画素分右に移動する。注目画素が画像FGSの右端の1つの手前まで来ている場合には、1画素分下へ移動させ且つ左端から一画素分右の画素に移動させる。それより下に移動できないときは終了する。
(7)繰り返し
X微分値の計算のステップに戻ってそれ以降を繰り返す。
【0039】
図9は図7に示す画像FGS1を図8に示すX微分ウインドウ及びY微分ウインドウによって微分した結果を示す図である。但し、最も外側の1行1列は除かれている。図9に示す微分結果に対して、しきい値が例えば「12」である場合には、中央の画素を除いた枠状に繋がる8個の画素の座標値が、画像FGS1の特徴点CQとして出力される。
【0040】
このように、画像FGS1を微分することによって検出された物体BJの輪郭(エッジ)を特徴量とすることができる。これによって、画像FGSが例えば人間の顔である場合に、その画像FGSに含まれる目、口、鼻などの輪郭を特徴量とすることができる。なお、例えば目が二重瞼の場合には、その輪郭が2画素分以上の幅を有することがある。そのような場合には、例えば最も外側の輪郭のみを特徴量とすればよい。
【0041】
なお、画像FGSの特徴量を抽出するために、例えばオペレータが画像FGSに含まれる輪郭をなぞって指定するなど、他の種々の方法を用いることが可能である。
【0042】
次に、画像FGSの特徴量と分析された物体BJの特徴量との照合処理を行って画像FGSから物体BJを検出する方法について説明する。
上述したように、主成分分析によって物体BJの形状を少数の変換(主成分の値)で表現することが可能となったので、それを可変形状のテンプレートマッチングによる画像FGSからの物体検出に適用する。
【0043】
図10は照合処理の例を示すフローチャート、図11は照合処理における座標系を説明する図である。
図11に示すように、主成分分析が行われた物体画像FGAの座標系を「テンプレート座標系」又は「物体座標系」、検出の対象となる画像FGSの座標系を「画像座標系」と言うことがある。
【0044】
図10において、位置の初期化を行い、テンプレート座標系の原点を画像座標系の原点に合わせる(#11)。ここでは各画像の左上端を原点とする。
形状検出処理を行う(#12)。形状検出処理では、その時点における座標系の位置対応で、画像FGSの特徴点CQと物体画像FGAの特徴点CPとが最も良く一致するように、各主成分の値を調節する。一致度が十分高い場合には、例えば一致度がしきい値Shを越える場合には(#13でイエス)、物体BJがその位置に存在すると判断し、調整された各主成分の値で定まる形状を出力する(#5)。
【0045】
一致度が十分高くない場合には(#13でノー)、物体画像を1画素分移動する(#14)。それより右へ移動できないときは1画素分下の左端へ移動させる。そしてステップ#12以降を繰り返す。それより右にも下にも移動できないときは終了する(#15でイエス)。
【0046】
上述の照合処理において、ステップ#11及びステップ#14,15は、従来からのテンプレートマッチングで用いられている処理である。上述の例では、画像FGS上で物体画像を1画素分ずつ移動させながら形状検出を行ったが、テンプレート座標系と画像座標系との位置対応が予め分かっている場合、又はそれらの位置対応が別の手段で定められる場合には、形状検出処理のみを行なえばよい。
【0047】
ステップ#12の形状検出処理において、画像FGSから抽出された(又は算出された)特徴点CQは一般には多数個存在するので、物体形状を表す特徴点CPと一致するか否かを照合してその一致の度合いを判断することは容易ではなく、処理に時間を要する。
【0048】
なお、特徴点CQと特徴点CPとが一致するとは、それぞれの点の画素が互いに完全に一致する場合、つまりそれぞれの点の画素の座標値が互いに等しい場合を含むことは当然であるが、それぞれの点の画素間の距離がX方向又はY方向に定められた画素数以内であるときを含めることができる。例えば、特徴点CQの1つの点と特徴点CPの1つの点とがX方向又はY方向にn画素以内であれば一致するものとし、nを例えば1、2、3、4、5、6…などの数値から選択して定めておけばよい。
【0049】
次に、形状検出処理における2つの検出照合方法について説明する。
図12は第1の検出照合方法を示すフローチャート、図13は第1の検出照合方法を説明する図、図14は第2の検出照合方法を示すフローチャート、図15は第2の検出照合方法を説明する図である。なお、これらのフローチャートは、図10のステップ#12と完全に対応している訳ではない。
【0050】
第1の検出照合方法では、図13に示すように、物体BJの特徴点CPにおける主成分の値を調節し、その特徴点CPを画像FGSの特徴点CQと最も良く一致するようにする。
【0051】
図12において、各主成分の値を「0」とする(#21)。各主成分の値を「0」とすることによって、物体BJの特徴点CPの平均値から検出照合を開始することとなる。
【0052】
その時点における主成分の値で定まる物体BJの特徴点CPの座標を算出し、画像FGSの特徴点CQとの一致度を算出する(#22)。一致度の算出に当たっては、例えば、物体BJの特徴点CPの個数のうち、画像FGSの特徴点CQと一致する点の割合を一致度とする。図2〜4に示す物体BJ1においては、特徴点CPが5個であるから、そのうちの3個が画像FGSの特徴点CQと一致した場合には、一致度は3/5となる。算出した一致度が前回までよりも大きいときには、今回の一致度及び主成分の値をメモリに記憶しておく。メモリには一致度を保持するための変数が設けられている。
【0053】
一致度が予め設定されたしきい値Shよりも大きくなった場合には終了する(#23でイエス)。一致度が小さいときには、主成分の値を微少変化させ(#24)、再度一致度を算出する(#22)。
【0054】
なお、主成分の値を微少変化させるに当たっては、例えば、一致度が良くなっている場合には、前回に微少変化させた方向と同じ方向に微少変化させ、一致度が悪くなっている場合には、前回に微少変化させた方向と逆の方向に微少変化させる。
【0055】
第2の検出照合方法では、図15に示すように、画像FGSの多数の特徴点CQのうちから選択された特徴点CQが物体BJの特徴点CPと一致するように主成分の値を計算し、一致度の良いものを探す。特徴点CQの選択に当たっては、例えば、主成分ベクトルが第n次まである場合に、n/2個の特徴点CQを選択する。つまり主成分ベクトルが第2次まである場合には、1個の特徴点CQを選択する。
【0056】
図14において、まず初期化を行う(#31)。初期化では、例えば画像FGSから抽出された特徴点CQを一列に並べる。また、算出された一致度及び主成分の値を保持するための変数をメモリ内に設ける。
【0057】
そして、特徴点CQのうちのいくつかをランダムに選択し、選択された特徴点CQと物体BJの特徴点CPとが一致するような主成分の値を計算する(#32)。つまり、特徴点CQ及び特徴点CPについて、主成分の値を未知数とし、X座標同士及びY座標同士をそれぞれ等しいと置いた連立方程式を解くことによって、主成分の値を計算する。この計算は、多元連立1次方程式を解くことに帰着されるので、簡単に実行することができる。
【0058】
その主成分の値によって定まる物体BJの特徴点CPの座標を算出し、それらの中で画像FGSから抽出された特徴点CQと一致するものの割合を一致度とする(#33)。
【0059】
一致度が予め設定されたしきい値Shよりも大きくなった場合には終了する(#34でイエス)。一致度が小さいときには、特徴点CQを変えて再度ステップ#32以降を繰り返す。
【0060】
さて、主成分の値を変化させたとき、画像FGSと物体画像FGAとの一致度が最大になるような主成分の値の組は1つとは限らない。上述した第1及び第2の検出照合方法においては、それまで算出した範囲で最大の一致度を与える主成分の値の組を求めるものであり、最大の一致度を与える主成分の値の組が複数存在する場合には、最初に見つかった組が選択されて出力される。
【0061】
そこで、次に説明するように、第1又は第2の検出照合方法のそれぞれに対し、付加的な評価基準を考慮することにより、最大の一致度を与える主成分の値のいずれかを優先させて出力することが可能となる。なお、その場合には、上述した検出照合方法の終了条件(ステップ#23,34)を変更し、例えば、繰り返し処理を一定回数行った場合に終了させればよい。
【0062】
まず第1の方法は、それまで算出した範囲での最大の一致度と、その一致度を与えた主成分の値をメモリなどに保持しておき、最大の一致度を与えた主成分の値の組が複数現れた時点で、それらのいずれかを優先させるものである。優先の評価基準は、例えば主成分の値の絶対値の総和、つまり(第1主成分の値の絶対値+第2主成分の絶対値+…)が小さい方を優先させる。この評価基準によると、特徴点CPが平均値に近い方を優先させることになり、物体BJの形状として無難なものを選択することを意味する。
【0063】
第2の方法は、画像FGSと物体画像FGAとの不一致度及び平均値からの遠さの重み付きの和を評価基準とし、この評価基準を最小値とする主成分の値を求める方法である。換言すれば、画像FGSと物体画像FGA,FGBとの不一致度及び各主成分の値の絶対値をそれぞれ変数とする評価関数に最小値を与える各主成分の値の組を求めて出力する方法である。
【0064】
ここで言う不一致度は、例えば一致度の正負の符号を逆にしたものである。平均値からの遠さとしては、例えば主成分の値の絶対値の総和、つまり(第1主成分の値の絶対値+第2主成分の絶対値+…)を用いる。この第2の方法を用いる場合には、第1及び第2の検出照合方法において、「一致度」の代わりに「評価基準」を使用し、「最大の一致度」とするところを「最小の評価基準値」と置き換えればよい。この評価基準も、平均値に近いものを優先させる効果がある。
【0065】
次に、上述した検出方法を実施するための検出装置1の例を説明する。
図16は本発明に係る検出装置1の構成の例を示すブロック図である。
図16において、検出装置1は、処理装置11、カメラ12、前処理部13、磁気ディスク装置14、CD−ROM装置15、フロッピィディスク装置16、ディスプレイ装置17、プリンタ18、キーボード19、マウス20、通信回線21などから構成されている。
【0066】
カメラ12によって対象物を撮影し、前処理部13によって種々の画像処理又は編集処理を行った後、処理装置11に対して画像FGSとして入力する。
磁気ディスク装置14には、上述の検出方法を実行するためのプログラム、画像FGA,FGB,FGS、特徴点CQ,CPの座標、平均値、主成分ベクトル、主成分の値などが格納されている。
【0067】
処理装置11にはメモリが設けられており、上述の種々のプログラム及びデータが必要に応じてロードされ又は生成させて記憶される。処理装置11がプログラムを実行することにより、上述した検出方法が遂行される。つまり、処理装置11は、本発明における第1〜第5の手段に相当する。検出方法を実行するためのプログラムは、例えば、CD−ROM又はフロッピィディスクなどの記録媒体に記録されて供給される。又は、通信回線21を介してオンラインロードされる。
【0068】
ディスプレイ装置17には画像FGA,FGB,FGSなどが表示され、キーボード19又はマウス20を操作して特徴点CQ,CPを指定することができる。
【0069】
このような検出装置1は、例えば適当なプログラムが格納されたワークステーション又はパーソナルコンピュータなどによって実現することができる。
図17は検出装置1の検出機能のみを示すブロック図である。
【0070】
図17において、検出装置1は、画像入力部51、特徴算出部52、分析部53、照合部54、出力部55などを有している。
画像入力部は、与えられた画像FGSを読み込む。特徴算出部52は、読み込まれた画像FGSから特徴点CQを求める。分析部53は、予め人手で入力された物体の特徴点CPを主成分分析の手法を用いて分析し、分析結果をメモリに格納しておく。照合部54は、画像FGSの特徴点CQと最も合うように、分析された特徴点CPの各主成分の値を調節する。出力部55は、各主成分の値により定まる物体の形状及び位置を出力する。
【0071】
出力部55からの出力は、画像FGSにおける物体BJの位置、物体BJの形状、又は物体BJの位置と形状などである。物体BJの位置は、例えば画像FGS中における画像FGAの原点の座標位置であり、物体BJの形状は、主成分の値、又はその主成分の値による特徴点CPの座標である。
【0072】
また、検出装置1において種々の応用プログラムを実行するように構成しておき、その応用プログラムの実行のために出力部55からの出力を用いるようにしてもよい。
【0073】
図18は本発明に係る方法を実行するためのプログラムの記録媒体STの形態の例を示す図である。
図18に示すように、処理装置PSに設けられた主メモリ、RAM、ROM、若しくはハードディスクなどの記憶装置STA、CD−ROM、フロッピーディスク、若しくは光磁気ディスクなどの可搬媒体STB、ネットワーク若しくは通信回線STDで結ばれたサーバ若しくはDASDなどの回線先媒体STC、又は通信回線STDそれ自体が、記録媒体STとして利用可能である。
【0074】
上述の実施形態において、検出装置1の全体又は各部の構成、処理の内容又は順序などは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。
【0075】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項の発明によると、画像の中から形状の変化する物体を精度よく且つ短時間で検出することができる。
【0076】
請求項の発明によると、画像特徴量として複数の特徴点の座標値を用いることにより、処理がより簡単となる。
請求項及び請求項の発明によると、最大の一致度を与える主成分の値のいずれかを優先させて出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検出方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】対象となる物体を5つの特徴点で表現した物体画像の例を示す図である。
【図3】形状の異なる多数の物体画像の例を示す図である。
【図4】物体画像の特徴点の変化の様子を示す図である。
【図5】2枚の物体画像が入力された場合を示す図である。
【図6】図5に示す物体の特徴点の平均値及び主成分ベクトルのデータを示す図である。
【図7】入力された画像の例を濃度値で示す図である。
【図8】微分ウインドウの例を示す図である。
【図9】図7に示す画像を図8に示す微分ウインドウによって微分した結果を示す図である。
【図10】照合処理の例を示すフローチャートである。
【図11】照合処理における座標系を説明する図である。
【図12】第1の検出照合方法を示すフローチャートである。
【図13】第1の検出照合方法を説明する図である。
【図14】第2の検出照合方法を示すフローチャートである。
【図15】第2の検出照合方法を説明する図である。
【図16】本発明に係る検出装置の構成の例を示すブロック図である。
【図17】検出装置の検出機能のみを示すブロック図である。
【図18】プログラムの記録媒体の形態の例を示す図である。
【図19】従来のテンプレートマッチングの手法を説明する図である。
【符号の説明】
1 検出装置
11 処理装置(第1の手段、第2の手段、第3の手段、第4の手段、第5の手段)
12 カメラ
51 画像入力部
52 特徴算出部(第3の手段)
53 分析部(第2の手段)
54 照合部(第4の手段)
55 出力部(第5の手段)
BJ 物体
FGS 画像
FGA,FGB 物体画像
CP 特徴点(物体特徴量)
CQ 特徴点(画像特徴量)
STA,STB,STC,STD 記録媒体

Claims (9)

  1. 画像の中から形状に変化のある物体を検出する方法であって、
    前記物体が含まれる複数の画像から物体形状を表す数値化された特徴量である物体特徴量を抽出する第1のステップと、
    前記物体特徴量を主成分分析の手法を用いて分析する第2のステップと、
    与えられた画像から所定の方法により画像特徴量を抽出する第3のステップと、
    前記分析された物体特徴量から物体の形状を少数の主成分の値で表現し、前記画像特徴量と可変形状のテンプレートマッチングで照合を行なう第4のステップと、
    照合結果に応じて前記物体の形状及び位置を出力する第5のステップと、
    を有してなることを特徴とする画像における物体の検出方法。
  2. 前記画像特徴量として、複数の特徴点の座標値を用い、
    前記第1のステップにおいて、前記物体についての形状の類似する複数のそれぞれの画像に対し複数の特徴点を指定し、その指定された特徴点の座標値を求める、
    請求項1記載の画像における物体の検出方法。
  3. 前記第4のステップにおいて、前記分析された物体特徴量の各主成分の値を変化させ、前記分析された物体特徴量と前記画像特徴量とがよく一致するときの各主成分の値の組を照合結果とする、
    請求項1又は請求項に記載の画像における物体の検出方法。
  4. 前記第4のステップにおいて、前記分析された物体特徴量の一部と前記画像特徴量の一部とが一致するように各主成分の値を調整し、調整された各主成分の値の複数の組のうち、前記分析された物体特徴量と前記画像特徴量とがよく一致するときの各主成分の値の組を照合結果とする、
    請求項1又は請求項に記載の画像における物体の検出方法。
  5. 前記第4のステップにおいて、最もよく一致する各主成分の値の組が複数存在する場合に、各主成分の値の絶対値の最も小さい組を照合結果とする、
    請求項又は請求項記載の画像における物体の検出方法。
  6. 前記第4のステップにおいて、前記分析された物体特徴量と前記画像特徴量との不一致度及び各主成分の値の絶対値をそれぞれ変数とする評価関数に最小値を与える各主成分の値の組を照合結果とする、
    請求項又は請求項記載の画像における物体の検出方法。
  7. 前記第5のステップにおいて、前記照合結果である各主成分の値によって定まる物体の形状を出力する、
    請求項乃至請求項のいずれかに記載の画像における物体の検出方法。
  8. 画像の中から形状に変化のある物体を検出する装置であって、
    前記物体が含まれる複数の画像から物体形状を表す数値化された特徴量である物体特徴量を抽出する第1の手段と、
    前記物体特徴量を主成分分析の手法を用いて分析する第2の手段と、
    与えられた画像から所定の方法により画像特徴量を抽出する第3の手段と、
    前記分析された物体特徴量から物体の形状を少数の主成分の値で表現し、前記画像特徴量と可変形状のテンプレートマッチングで照合を行なう第4の手段と、
    照合結果に応じて前記物体の形状及び位置を出力する第5の手段と、
    を有してなることを特徴とする画像における物体の検出装置。
  9. 画像の中から形状に変化のある物体を検出するために、
    前記物体が含まれる複数の画像から物体形状を表す数値化された特徴量である物体特徴量を抽出する第1のステップと、
    前記物体特徴量を主成分分析の手法を用いて分析する第2のステップと、
    与えられた画像から所定の方法により画像特徴量を抽出する第3のステップと、
    前記分析された物体特徴量から物体の形状を少数の主成分の値で表現し、前記画像特徴量と可変形状のテンプレートマッチングで照合を行なう第4のステップと、
    照合結果に応じて前記物体の形状及び位置を出力する第5のステップと、
    をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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