JP3572258B2 - インジゴイド型化合物を含有する化粧品用組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、インジゴイド型の化合物の化粧品への、特に化粧品用組成物に色を付与するための用途に関する。
【0002】
化粧品用組成物、特にメークアップ用組成物、例えばルース又はコンパクトパウダー、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウ、口紅又はネイルラッカーは、皮膚、粘膜及び/又は体表面成長部、例えば爪、睫毛又は毛髪に適用される前及び/又は後に、所定の色調を該組成物に付与することを意図した種々の着色剤及び適当なビヒクルからなる。
【0003】
今日、色彩をつくり出すために使用されている着色剤の範囲はかなり限定されており、その中で水性及び有機溶媒に一般的に不溶の化合物、例えば有機レーキ、無機顔料又は真珠光沢顔料を挙げることができる。
メークアップの分野で使用される顔料類及びレーキ類は、由来と化学的性質がかなり多様である。よって、それらの物理化学的特性、特に粒子径、比表面積、相対密度等はかなり異なっている。これらの違いは、挙動の変化:使用の容易性又は媒体への分散性、光又は温度に対する安定性、及びそれらの機械的性質における変化に反映される。
【0004】
しかして、無機顔料、特に例えば酸化鉄のような無機酸化物は光及びpHに対して非常に安定しているが、活気がなく、鈍くかつ淡い色調しか付与しない。よって、十分に飽和した特徴を得るためには、化粧品調製物にこれらを多量に導入する必要がある。しかし、無機粒子のパーセンテージが高くなると、組成物の光沢に影響が出てくるおそれがある。
【0005】
また、着色効果を得るために、多様ではあるが決して強くはない色調の真珠光沢顔料を使用すると、真珠光沢を得ることができるが、それはかなり弱い効果である。
【0006】
既に得られた色調を補正し又は美しくし、1回のシャンプーから他のシャンプーまで持続する、毛髪の天然の色調をわずかに変化させる一時的又は一過性の毛髪の着色の分野では、毛髪に一時的なハイライトを付与するために、通常の無機顔料で着色することは既に行われているが、この着色により得られた色調はあまり活気がなく、あまりに均一で、あまり遊び心のあるものではなかった。
メークアップの分野においては、今日まで、有機レーキ類によってのみ、鮮やかで強い色を得ることができていた。しかしながら、ほとんどの有機レーキ類は光に対する保持力が非常に乏しく、その結果、経時的にそれらの色は非常に顕著に弱まっていた。またそれらは温度及び/又はpHに対しても不安定でありうる。さらにレーキ類の中には過度にしみ出るものもあり、すなわち、それらが適用された支持体を汚す欠点を示すものもあった。従って、アイライナー又はマスカラの場合は眼鏡レンズを汚し、又は口紅又はネイルラッカーの場合は、メークアップの除去後に皮膚又は爪に色素を残す結果になるおそれがあった。最後に、レーキ類の不安定さは、それらが光反応性顔料、例えば二酸化チタンと組合せて使用される場合、さらに悪化する。実際、これらの顔料は、メークアップにおいて、特にUV線に対する保護用として非常に幅広く使用されている。従って、化粧品に有機レーキ類を使用することはかなり制限され、その結果、達成できるティント効果が限られていた。
【0007】
よって、化粧品に使用することができ、組成物と得られたメークアップ皮膜の適切な着色を得ることを可能にする着色剤を利用可能とすることがなおも必要とされており、該着色剤は、該組成物が付与された支持体にしみ出ないことが必須である。
【0008】
鋭意研究を行ったところ、本出願人会社は、非常に特定のファミリーの有機化合物を使用することにより、このような結果が得られることを実証した。
よって、本発明の主題事項は、化粧品的に許容可能な媒体中に、次の式(I):
[上式中、
*R1及びR’1は互いに独立して、飽和又は不飽和で、直鎖状、分枝状又は環状であり、一又は複数のハロゲン及び/又は一又は複数のヒドロキシル基により置換されていてもよく、及び/又は一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよい、1〜18の炭素原子を有するアルキル基であり;
*R2、R’2、R3、R’3、R4、R’4、R5及びR’5は互いに独立して、水素原子、ハロゲン化基、ヒドロキシル基、又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状であり、1〜6の炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アシル又はアシルオキシ基から選択される]
の少なくとも1つの化合物を含有してなる化粧品用組成物にある。
【0009】
本発明の他の主題事項は、基体粒子を少なくとも部分的に被覆するための、少なくとも1つの式(I)の化合物の用途にある。
【0010】
また本発明の他の主題事項は、少なくとも1つの化合物(I)で少なくとも部分的に被覆された基体粒子からなる微粉状物質にある。
【0011】
さらに本発明の他の主題事項は、特に化粧品用組成物における着色剤としての、式(I)の少なくとも1つの化合物及び/又は上述した少なくとも1つの微粉状物質の用途にある。
【0012】
またさらに本発明の他の主題事項は、化粧品的に許容可能な媒体中に、上述した少なくとも1つの微粉状物質を含有してなる化粧品用組成物にある。
【0013】
いくつかの場合において、本発明において使用される化合物は、文献で公知の化合物である。いくつかは、Goeltnerらにより、出版物「2,2’−ビナフチリデン−1,1’−ジオン、色と構造」、Liebigs Ann. Chem., 1991, 1085−1089頁に特に開示されている。この出版物には、淡青色から暗青色の範囲のモーブ色又は青色を有する結晶形態でこれらの化合物のいくつかを得ることができる調製方法が開示されている。
しかしながら、この出版物では、これらの化合物が化粧品用組成物において首尾よく使用できること、すなわち皮膚に適用可能な化粧品的に許容可能な組成物の調製に使用可能であり、該組成物がしみ出ないものであるといったことを予見することはできない。
本出願人会社が、このような用途が可能であることを見出したことは賞賛に値する。
【0014】
また、分子上に存在する種々のR置換基の種類及び/又は位置を変えることにより、色(I)の化合物の色を調節できることも見出された。
よって、モーブから青と緑を経て赤まで変化しうる色を有する化合物を得ることができる。
【0015】
さらに、本発明において使用される化合物は、温度、pH及び光に対して良好な安定性を示す。
また、工業的規模であっても、化学合成により容易に入手することができる。
【0016】
よって、本発明で使用される化合物は、次の式(I):
[上式中、
*R1及びR’1は互いに独立して、飽和又は不飽和で、直鎖状、分枝状又は環状であり、一又は複数のハロゲン及び/又は一又は複数のヒドロキシル基により置換されていてもよく、及び/又は一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよい、1〜18の炭素原子を有するアルキル基であり;
*R2、R’2、R3、R’3、R4、R’4、R5及びR’5は互いに独立して、水素原子、ハロゲン化基、ヒドロキシル基、又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状であり、1〜6の炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アシル又はアシルオキシ基から選択される]
のものである。
【0017】
ヘテロ原子としては、酸素、ケイ素、窒素又は硫黄原子(O、Si、N又はS)を挙げることができる。
R1及び/又はR’1は、好ましくは1〜8の炭素原子を有するアルキル基、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル基である。R1及びR’1は好ましくは同じ基を表す。
R2ないしR5及びR’2ないしR’5は、好ましくは水素原子を表す。
【0018】
特に、本発明で使用可能な化合物として、特に:
− 4,4’−ジメチルオキシ−[2,2’−ビナフチリデン]−1,1’−ジオン、
− 4,4’−ジエチルオキシ−[2,2’−ビナフチリデン]−1,1’−ジオン、
− 4,4’−ジイソプロピルオキシ−[2,2’−ビナフチリデン]−1,1’−ジオン、及び
− 4,4’−ジ(n−ヘキシルオキシ)−[2,2’−ビナフチリデン]−1,1’−ジオン、を挙げることができる。
【0019】
式(I)の化合物は固体形態で提供される。それらは置換基の種類に応じて、鮮やかで多様な色を生じる。
それらは一般的に水に不溶で、様々な種類及び/又は極性の油に対し、非常にわずかな溶解度しか有さない。従って、これらの化合物は、脂肪物質を含有する組成物に使用された場合でも、ほとんどしみ出さないという利点を示す。
【0020】
本発明の化合物は、当業者が自身の一般的な技術知識と従来技術に基づき容易に調製することができる。
式(I)の化合物は、当業者が自身の一般的な技術知識に基づき容易に決定できる量、特に組成物の全重量に対して0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜70重量%の量、さらに好ましくは1〜50重量%の量、例えば2〜20重量%の量で、組成物、特に化粧品用組成物中に導入することができる。
【0021】
前記化合物は、遊離の形態、又はそれらが被覆する基体粒子と組合せた形態で組成物中に存在し得る。
これは、式(I)の化合物が、少なくとも部分的に、実際には完全にさえ基体粒子、例えば通常の顔料又はフィラーを被覆することのできるという顕著な特徴を示すことが見出されたからである。
【0022】
式(I)の化合物により被覆され得る粒子としては、特に、金属酸化物の顔料又はナノ顔料、例えばチタン、亜鉛、鉄、マンガン、セリウム及び/又はジルコニウムの酸化物;白色のフィラー、例えばタルク、マイカ、シリカ、カオリン、又はナイロン及びポリエチレンパウダー;又はミクロスフィア、例えば塩化ビニリデン/アクリロニトリルのコポリマーから形成される中空のミクロスフィアを挙げることができる。
被覆される基体粒子として、タルクが好ましく選択される。
【0023】
被覆された基体粒子からなる、このようにして得られた微粉状物質は、組成物、特に化粧品用組成物において着色剤としてそれ自身使用され得る。
前記微粉状物質は、電子顕微鏡下で、非常に均質な構造をしていることが観察された。
また、前記微粉状物質は、各出発物質の特性及び利点を示し得ることが見出された;特に柔軟性に寄与することが知られているタルクが被覆された場合は、その柔軟性を保持した被覆タルクが得られる。
【0024】
さらに、従来のフィラーを被覆するために非常に少量の式(I)の化合物を使用しても、少量で使用した場合でさえ高い色強度を有し、適切な被覆性、並びに光に対する良好な耐性を有する色彩を付与する着色剤を得ることができる。
【0025】
式(I)の化合物は、被覆される基体粒子100重量部に対し、0.1〜100重量部の量で使用するのが好ましい。
被覆された微粉状物質は、好ましくは1〜20重量%の式(I)の化合物と、80〜99重量%の基体粒子からなる。しかしながら、50%の式(I)の化合物と50重量%の基体粒子からなる被覆された微粉状物質を考えることもできる。
【0026】
式(I)の化合物で少なくとも部分的に被覆された基体粒子からなる微粉状物質は、一般的に次の方法で調製される:
− 第1工程において、式(I)の化合物を適切な溶媒、例えばDMFに溶解し、
− ついで、例えば該粒子の水性分散液又は懸濁液に、該化合物の溶液を添加することにより、該化合物を基体粒子上に沈殿させて被覆する。
続いて、常法に従い、微粉状物質を濾過、洗浄及び乾燥する。
【0027】
前記式(I)の化合物及び/又は前記微粉状の化合物は、特に、粘膜、半粘膜及び/又はケラチン物質、例えば皮膚及び体表面の成長部(爪、睫毛、眉毛、及び体毛を含む毛髪)に適用される製品の形態で提供され得る化粧品用組成物における着色剤として使用することができる。よって、前記組成物は、化粧品的に許容可能な媒体、すなわち全てのケラチン物質、例えば皮膚、爪、毛髪、睫毛及び眉毛、粘膜及び半粘膜、及び身体及び顔の任意の他の皮膚領域と融和性のある媒体を含有する。前記媒体は、特に、増粘化、実際にはゲル化さえされていてもよい溶媒又は水性/アルコール媒体の溶液、分散液又は懸濁液;水中油型、油中水型又は多相エマルション;ゲル又はフォーム;乳化ゲル;小胞体、特に脂質小胞体の分散液;2相又は多相ローション;スプレー;ルース、コンパクト又は成形パウダー;又は無水ペーストの形態で提供されるか、もしくはこれらを含有することができる。当業者であれば、適切な製薬的投与形態並びにその調製方法を、一般的知識に基づき、一方では使用される成分の性質、特にビヒクルに対する溶解度を、他方では、組成物の予想される用途を考慮に入れて、選択することができる。
【0028】
組成物が水性形態、特に水性分散液、エマルション又は溶液の形態で提供される場合、それは、水、花の水及び/又は鉱水を含み得る水相を含有可能である。 前記水相は、C2−C6低級モノアルコール及び/又はポリオール、例えばグリセロール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールを水相の全重量に対して0〜14重量%含有することができる。
【0029】
本発明の組成物がエマルションの形態で提供される場合、それは、界面活性剤を、組成物の全重量に対して好ましくは0.01〜30重量%の量でさらに含有していてもよい。また本発明の組成物は、エマルションの全重量に対して0〜5重量%の、オキシエチレン化モノステアリン酸ソルビタン、脂肪アルコール、例えばステアリルアルコール又はセチルアルコール、又はポリオールの脂肪酸エステル、例えばステアリン酸グリセリルから選択される、少なくとも1つの共乳化剤をさらに含有することができる。
【0030】
さらに、本発明の組成物は、好ましくは組成物の全重量に対して0〜6重量%の範囲の濃度で、一又は複数の増粘剤をさらに含有してもよく、この増粘剤は:
− 多糖類のバイオポリマー、例えばキサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アルギナート、変性セルロース、デンプン誘導体、第4級アンモニウム基を有するセルロースエーテル誘導体、又はカチオン性多糖類;
− 合成ポリマー、例えばポリ(アクリル酸)、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)又はポリアクリルアミド系ポリマー;
−ケイ酸アルミニウムマグネシウム、
から選択される。
【0031】
考慮される用途に応じて、組成物は、皮膜形成ポリマーをさらに含有してもよい。ネイルラッカー、マスカラ、又はアイライナー型の組成物、又はラッカー型の毛髪用組成物用の調製が望まれている場合は、特にしかりである。ポリマーは、化粧品的に許容可能な媒体に溶解又は分散することができる。特に、ポリマーは有機溶媒に溶解した形態、又は皮膜形成ポリマー粒子の水性分散液の形態で存在し得る。前記ポリマーは、ニトロセルロース、セルロースアセトブチラート、ポリ(ビニルブチラール)、アルキド樹脂、ポリエステル、アクリル、ビニル及び/又はポリウレタンから選択され得る。
【0032】
組成物は、組成物の全重量に対して1〜40重量%の範囲の含有量で存在し得る、少なくとも1つの可塑剤をさらに含有することができる。
【0033】
また本発明の組成物は、特に、25℃で液状の脂肪物質、例えば、動物、植物、鉱物又は合成由来の油;25℃で固体状の脂肪物質、例えば、動物、植物、鉱物又は合成由来のロウ;ペースト状の脂肪物質;ガム類;又はそれらの混合物からなる脂肪相を含有することができる。
【0034】
よって、本発明の組成物は、皮膚に接触して蒸発するが、皮膚に適用する場合に、組成物の展伸性を容易にするために、化粧品用組成物中に使用する揮発性の油を含有することができる。ここで「揮発性油」として知られているこのような展伸剤は、一般的に、25℃で少なくとも0.5ミリバール(すなわち50Pa)の飽和蒸気圧を有する油である。
【0035】
揮発性シリコーン油としては、例えば:
− 3〜8、好ましくは4〜6のケイ素原子を有する環状揮発性シリコーン類、
− ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロコポリマー類、
− 2〜9のケイ素原子を有する直鎖状揮発性シリコーン類、
を挙げることができる。
また、揮発性の炭化水素系油、例えばイソパラフィン類、特にイソドデカン及びフッ化油を挙げることもできる。
【0036】
さらに、非揮発性油を使用することもでき、このようなものとしては:
− ポリ(C1−C20)アルキルシロキサン類、特にトリメチルシリル末端基を有するもの、好ましくは粘度が0.06m2/s未満のもので、直鎖状のポリジメチルシロキサン類及びアルキルメチルポリシロキサン類、例えばセチルジメチコーン(CTFA名)、
− フッ化されていてもよい脂肪族及び/又は芳香族基、又は官能基、例えばヒドロキシル、チオール及び/又はアミン基で変性されたシリコーン類、
− フェニル化されたシリコーン油、特に次の式:
[上式中、RはC1−C30アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、合計が1〜100であるという条件下で、nが0〜100の整数でmが0〜100の整数である]
で示されるもの、
− 動物、植物又は鉱物由来の油、特に、ポリオールの脂肪酸エステル類から形成される動物性又は植物性油、特に、流動トリグリセリド類、例えばヒマワリ油、コーン油、大豆油、キュウリ油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、アルモンド油又はアボカド油;魚油、カプリン/カプリル酸トリグリセリド、又はR1が7〜19の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を表し、R2が3〜20の炭素原子を有する分枝状の炭化水素性鎖を表す式R1COOR2の植物性又は動物性油、例えばプルセリン(Purcellin)油;流動パラフィン、流動ペトロラタム、ペルヒドロスクワレン、又は小麦胚芽油、カロフィラム油、ゴマ油、マカダミア油、グレープシード油、菜種油、ヤシ油、グランドナッツ油、パーム油、ヒマシ油、ホホバ油、オリブ油又は穀物胚芽油;脂肪酸エステル類;アルコール類;アセチルグリセリド類;アルコール又は多価アルコールのオクタノアート類、デカノアート類又はリシノレアート類;脂肪酸トリグリセリド類;又はグリセリド類;
−フッ化油及び過フッ化油、
を挙げることができる。
【0037】
またさらに、本発明の組成物は、最終組成物に所望の特性、例えばコンシステンシー及び/又はテクスチャーを付与するために、当業者がその一般的な知識に基づき選択し得る他の脂肪物質を含有することができる。これらの付加的な脂肪物質は、動物、植物、鉱物又は合成由来のペースト状の脂肪物質、ガム類及び/又はロウ類、並びにそれらの混合物であってよい。
【0038】
特に:
−シリコーンガム類、
−動物、植物、鉱物又は合成由来のロウ類、例えばマイクロクリスタリンワックス、パラフィンロウ、ペトロラタムロウ、オゾケライト又はモンタンロウ;ミツロウ又はラノリン及びその誘導体;キャンデリラロウ、オーリクリーロウ、カルナウバロウ又はモクロウ、ココアバター又はコルク繊維ロウ又はサトウキビロウ;25℃で固体状の硬化油、25℃で固体状のグリセリド類及び脂肪エステル類又はオゾケライト;ポリエチレンロウ及びフィッシャー−トロプシュ合成法により得られるロウ;25℃で固体状の硬化油;ラノリン;25℃で固体状の脂肪エステル類;シリコーンロウ;又はフッ化ロウ、
を挙げることができる。
【0039】
また、本発明の組成物は、一又は複数の化粧品的に許容可能な(耐性、毒学的、及び感覚的に許容可能であること)有機溶媒をさらに含有してもよい。これらの有機溶媒は、組成物の全重量に対して0%〜98%とすることができ、親水性の有機溶媒、親油性の有機溶媒、両親媒性の有機溶媒、又はそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0040】
さらに、組成物は、化粧品用組成物に通常使用されているフィラー及び/又は真珠光沢剤及び/又は顔料を含有する粒子相を有するものであってもよい。「顔料」という用語は、組成物を量感及び/又は不透明にすることを意図した、白色又は有色で、無機又は有機の粒子を意味すると理解されるものである。「フィラー」という用語は、組成物に濃度又は硬さ及び/又はメークアップに柔軟性、艶消し効果及び均質性を付与することを意図した、無色又は白色、無機又は合成、ラメラ状もしくは非ラメラ状の粒子を意味すると理解されるものである。「真珠光沢剤」という用語は、光を反射する真珠光沢粒子を意味すると理解されるものである。
【0041】
顔料は、最終組成物の重量に対して0〜15重量%、好ましくは8〜10重量%の割合で、組成物中に存在し得る。それらは、白色又は有色の無機物及び/又は有機物で、通常のサイズ又はナノメートルサイズのものであってよい。チタン、ジルコニウム又はセリウムの二酸化物、並びに亜鉛、鉄又はクロムの酸化物、フェリックブルー、クロム水和物、カーブンブラック、ウルトラマリン(アルミノシリカート−ポリスルフィド)、ピロリン酸マンガン、及びある種の金属パウダー、例えば銀又はアルミニウムパウダーを挙げることができる。また、唇及び皮膚に、メークアップ効果を付与するために通常使用されるレーキ類で、カルシウム、バリウム、アルミニウム、又はジルコニウム塩のレーキ類、又は酸染料を挙げることもできる。
【0042】
真珠光沢剤は、0〜20重量%の割合、好ましくは8〜15重量%のオーダーの割合で組成物中に存在し得る。考慮される真珠光沢剤としては、天然の真珠母、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、並びに有色の酸化チタン被覆マイカを挙げることができる。
【0043】
フィラーは0〜30重量%、好ましくは5〜15重量%の割合で組成物中に存在することができ、無機又は合成、ラメラ状又は非ラメラ状であってもよい。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロン及びポリエチレンパウダー、テフロン、デンプン、窒化ホウ素、ポリマーのミクロスフィア、例えばエクスパンセル(Expancel)[ノーベル・インダストリー(Nobel Industrie)]、ポリトラップ(polytrap)[ダウコーニング(Dow Corning)]、及びシリコーン樹脂のマイクロビーズ[例えば、東芝社のトスパール(Tospearls)]、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム又は水和炭酸マグネシウム、又は8〜22の炭素原子を有する有機カルボン酸から誘導された金属石鹸を挙げることができる。
【0044】
処方物の種類に応じて、微粉相は、組成物の重量に対して0.01〜99重量%とすることができる。
【0045】
また、組成物は、特に、天然の有機染料、例えばコチニールカルミン、及び/又は合成染料、例えばハロアシッド、アゾ又はアントラキノン染料を含有してもよい。さらに、無機染料、例えば硫酸銅を挙げることもできる。
【0046】
またさらに、組成物は、化粧品の分野で通常使用されている任意の添加剤、例えば酸化防止剤、香料、精油、防腐剤、親油性又は親水性の化粧品用活性剤、保湿剤、ビタミン類、必須脂肪酸、スフィンゴ脂質、自己サンタン剤、例えばDHA、サンスクリーン剤、消泡剤又は金属イオン封鎖剤をさらに含有してもよい。
【0047】
もちろん、当業者であれば、考慮される添加により、本発明の組成物の有利な特性が悪影響を受けないか、実質的に受けないように留意して、任意の付加的な化合物、及び/又はその量を選択するであろう。
【0048】
本発明の化粧品用組成物は、皮膚の手入れ及び/又はメークアップ用製品、抗日光又は自己サンタン用製品、又は毛髪用製品の形態で提供することができる。
メークアップの分野で、特に口紅、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウ、ルース又はコンパクトパウダー、アイライナー、マスカラ又はネイルラッカーとしての用途が特に見出される。
【0049】
以下の実施例により、本発明をより詳細に例証する。
実施例1:4 , 4 ’− ジメチルオキシ −[ 2 , 2 ’− ビナフチリデン ]− 1 , 1 ’− ジオンの調製
10gの4−メトキシ−1−ナフトールを、1リットルのジメチルアセトアミド、250mlのメタノール及び150mlの水の混合物に、室温で溶解させる。
31g(2当量)の塩化鉄六水和物を攪拌しつつ添加する。
混合物を5分間攪拌したままにし、ついで青色の沈殿物を焼結ガラスで濾過する。
化合物を通常の方法で洗浄し乾燥させる。
5.2g(収率:52%)の所望の顔料が、青/紫の非晶質パウダーの形態で得られる。
融点:274℃
HPTLC(CH2Cl2):単一スポットのプロフィール、Rf=0.7
HPLC:単一ピークのプロフィール
質量、NMR及びUVスペクトル:予想された構造と一致
元素分析
【0050】
この化合物の安定度をテストしたところ、次の結果が得られる:
− 90℃での安定度:少なくとも16時間
− 45℃での安定度:少なくとも1ヶ月
− pH4での安定度:少なくとも1ヶ月
− pH10での安定度:少なくとも1ヶ月
− 光に対する安定度(サンテスト):少なくとも36時間
【0051】
実施例2:4 , 4 ’− ジエチルオキシ −[ 2 , 2 ’− ビナフチリデン ]− 1 , 1 ’− ジオンの調製
20gの4−エトキシ−1−ナフトールを、500mlのクロロホルムに室温で溶解させる。
攪拌しつつ、19gの酸化銀を添加し、反応混合物を1時間攪拌する。沈殿物を焼結ガラスで濾過し、溶媒に色が付かなくなるまで、還流ジクロロメタンで洗浄し、有機相を濃縮し、暗紫色を有する結晶を得、この結晶を乾燥させる。
10g(収率:50%)の所望の顔料が結晶の形態で得られる。
融点:244℃
HPTLC(CH2Cl2):単一スポットのプロフィール、Rf=0.8
NMRスペクトル:予想された構造と一致
元素分析:
【0052】
実施例3:4 , 4 ’− ジイソプロピルオキシ −[ 2 , 2 ’− ビナフチリデン ]− 1 , 1 ’− ジオンの調製
20gの4−イソプロピル−1−ナフトールと20gの酸化銀から、実施例2と同様の方法で調製を行う。
16.4gの紫色結晶が得られる(収率:83%)。
融点:230℃
HPTLC(ジクロロメタン 8/ヘプタン 2):単一スポットのプロフィール、Rf=0.5
NMRスペクトル:予想された構造と一致
元素分析:
【0053】
実施例4:4 , 4 ’− ジ ( n − ヘキシルオキシ )−[ 2 , 2 ’− ビナフチリデン ]− 1 , 1 ’− ジオンの調製
7gの4−(n−ヘキシル)−1−ナフトールと14gの酸化銀から、実施例2と同様の方法で調製を行う。
6.0gの紫色結晶が得られる(収率:86%)。
融点:146℃
HPTLC(ジクロロメタン 4/ヘプタン 6):単一スポットのプロフィール、Rf=0.2
NMRスペクトル:予想された構造と一致
【0054】
実施例5:タルクの被覆
0.6gの4,4’−ジメチルオキシ−[2,2’−ビナフチリデン]−1,1’−ジオンを、温条件下で、100mlのジメチルホルムアミドに溶解する。この混合物を、激しく攪拌した200mlの水と20gのタルクの懸濁液にゆっくりと流し込む。懸濁液を室温まで冷却し、焼結ガラスで濾過し、水で洗浄して乾燥させる。 ライトブルーの均一な色調を有する顔料が得られた。この顔料はタルク上に3重量%で保持されている。
【0055】
実施例6
2.05gの4,4’−ジメチルオキシ−[2,2’−ビナフチリデン]−1,1’−ジオンを、温条件下で、410mlのジメチルホルムアミドに溶解する。この混合物を、激しく攪拌した820mlの水と20.5gのタルクの懸濁液にゆっくりと流し込む。懸濁液を室温まで冷却し、焼結ガラスで濾過し、水で洗浄して乾燥させる。
青の均一な色調を有する顔料が得られた。この顔料はタルク上に10重量%で保持されている。
【0056】
実施例7
4.1gの4,4’−ジメチルオキシ−[2,2’−ビナフチリデン]−1,1’−ジオンを、温条件下で、820mlのジメチルホルムアミドに溶解する。この混合物を、激しく攪拌した1640mlの水と20.5gのタルクの懸濁液にゆっくりと流し込む。懸濁液を室温まで冷却し、焼結ガラスで濾過し、水で洗浄して乾燥させる。
ダークブルーの均一な色調を有する顔料が得られた。この顔料はタルク上に20重量%で保持されている。
【0057】
実施例8
次の成分を含有するアイシャドウを調製する:
− タルク 38g
− マイカ 20g
− オキシ塩化ビスマス 8g
− ステアリン酸亜鉛 3g
− ナイロンパウダー 20g
− 実施例1の化合物 5g
− 脂肪性バインダー 全体を100gにする量
青色のアイシャドウが得られる。
【0058】
実施例9
次の成分を含有するマスカラを調製する:
− ステアリン酸 6g
− ステアリン酸グリセリル 3.5g
− ミツロウ 5.5g
− カルナウバロウ 2g
− パラフィンロウ 7.5g
− 防腐剤 適量
− トリエタノールアミン 3g
− アカシアゴム 6g
− 実施例1の化合物 5g
− 水 全体を100gにする量 青色のマスカラが得られる。
Claims (21)
- 化粧品的に許容可能な媒体中に、次の式(I):
[上式中、
*R1及びR'1は互いに独立して、飽和又は不飽和で、直鎖状、分枝状又は環状であり、一又は複数のハロゲン及び/又は一又は複数のヒドロキシル基により置換されていてもよく、及び/又は一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよい、1〜18の炭素原子を有するアルキル基であり;
*R2、R'2、R3、R'3、R4、R'4、R5及びR'5は互いに独立して、水素原子、ハロゲン化基、ヒドロキシル基、又は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状であり、1〜6の炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アシル又はアシルオキシ基から選択される]
の少なくとも1つの化合物を含有してなる化粧品用組成物。 - R1及び/又はR'1基が1〜8の炭素原子を有するアルキル基であり、及び/又はR2ないしR5及びR'2ないしR'5基が水素原子を表すものである請求項1に記載の組成物。
- 式(I)の化合物が
− 4,4'-ジメチルオキシ-[2,2'-ビナフチリデン]-1,1'-ジオン、
− 4,4'-ジエチルオキシ-[2,2'-ビナフチリデン]-1,1'-ジオン、
− 4,4'-ジイソプロピルオキシ-[2,2'-ビナフチリデン]-1,1'-ジオン、及び
− 4,4'-ジ(n-ヘキシルオキシ)-[2,2'-ビナフチリデン]-1,1'-ジオン、
から選択される請求項1又は2に記載の組成物。 - 式(I)の化合物が、組成物の全重量に対して0.1〜80重量%の割合で存在している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
- 式(I)の化合物が遊離の形態、又はそれらが被覆する基体粒子と組合せた形態で存在している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
- 基体粒子が、塩化ビニリデン/アクリロニトリルのコポリマーから形成される中空のミクロスフィア等のミクロスフィア;ナイロン及びポリエチレンパウダー、又はタルク、マイカ、シリカ、カオリン等の白色のフィラー;金属酸化物の顔料又はナノ顔料から選択される請求項5に記載の組成物。
- 化粧品的に許容可能な媒体が、増粘化、実際にはゲル化さえもされていてもよい溶媒又は水性/アルコール媒体の溶液、分散液又は懸濁液;水中油型、油中水型又は多相エマルション;ゲル又はフォーム;乳化ゲル;脂質小胞体等の小胞体の分散液;2相又は多相ローション;スプレー;ルース、コンパクト又は成形パウダー;又は無水ペーストを含んでなるか、その形態で提供される請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
- 皮膚の手入れ及び/又はメークアップ用製品、抗日光又は自己サンタン用製品、又は毛髪用製品の形態で提供される請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
- 口紅、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウ、ルース又はコンパクトパウダー、アイライナー、マスカラ又はネイルラッカーの形態で提供される請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
- フェイスパウダー又はアイシャドウの形態で提供される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物の、基体粒子を少なくとも部分的に被覆するための使用。
- 基体粒子が、通常の顔料及びフィラーから選択される請求項11に記載の使用。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載された式(I)の少なくとも1つの化合物で少なくとも部分的に被覆された基体粒子からなる微粉状物質。
- 基体粒子が、通常の顔料及びフィラーから選択される請求項13に記載の微粉状物質。
- 式(I)の化合物が、被覆される基体粒子100重量部に対し、0.1〜100重量部の量で存在している請求項13又は14に記載の微粉状物質。
- 1〜50重量%の式(I)の化合物と、50〜99重量%の基体粒子からなる請求項13ないし15のいずれか1項に記載の微粉状物質。
- 請求項13ないし16のいずれか1項に記載の微粉状物質を少なくとも1つ化粧品的に許容可能な媒体中に含有してなる化粧品用組成物。
- 皮膚の手入れ及び/又はメークアップ用製品、抗日光又は自己サンタン用製品、又は毛髪用製品の形態で提供される請求項17に記載の組成物。
- 口紅、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウ、ルース又はコンパクトパウダー、アイライナー、マスカラ又はネイルラッカーの形態で提供される請求項17又は18に記載の組成物。
- 式(I)の少なくとも1つの化合物及び/又は請求項13ないし16のいずれか1項に記載の少なくとも1つの微粉状物質の、化粧品用組成物等における着色剤としての使用。
- − 第1工程において、式(I)の化合物を適切な溶媒に溶解し、
− ついで該化合物を基体粒子上に沈殿させる、
請求項13ないし16のいずれか1項に記載の微粉状物質の調製方法。
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