JP3573405B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは生産性に優れ、事務機器用プロセスカートリッジ等との導通性能等が改良された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体は、通常、支持体上に蒸着や塗布等の方法により感光層、下引層、導電層及び保護層等の各種層を形成した円筒型支持体内面に、接触帯電方式による帯電音あるいはブレード等のびびり音を低減させるための金属やプラスチック、ゴム類等の詰め物を接着剤により固定し、更に支持体の両端に、感光体を回転させるための駆動及び従動部材を接着や圧入、カシメ等の方法で結合させていた(特開平5−197321号公報等)。
【0003】
詰め物の接着方法としては、支持体内面の挿入部分に接着剤を適量塗布し、アルミニウム等からなる詰め物を所定の位置まで挿入させ、駆動及び従動部材を結合した後、接着剤が完全に硬化するまで常温で絶対湿度40%以上の環境に保存させていた。詰め物の接着に使用している接着剤としては、シアノアクリレート系の瞬間接着剤が主であった。
【0004】
また、一般に駆動または従動部材の端部には、感光体表面に帯電した電荷を逃がすための銅等からなるアース板を超音波溶着させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子写真感光体には、下記に示すいくつかの問題点があった。
【0006】
(1)詰め物を固定する瞬間接着剤は、完全に硬化するまで72時間以上の長い時間を必要とするため、保管スペースを確保したり、また、保管環境の温度や湿度をコントロールするための設備等が必要となり、コストや管理、生産性において不具合があった。
【0007】
(2)瞬間接着剤が完全に硬化する前に感光体をカートリッジ等に装着すると、蒸発した未硬化モノマーが他の部材に付着し、白化と呼ばれる部材を白く汚す現象が発生し、外観不良や機能低下が問題となっていた。
【0008】
(3)瞬間接着剤を完全に硬化させている間、駆動または従動部材に装着してあるアース板上に白化現象が発生し、プロセスカートリッジとアース板先端との導通不良が問題となっていた。
【0009】
本発明の目的は、上述したような問題点を解決し、生産性に優れ、プロセスカートリッジ等との導通性能に優れた円筒の電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、支持体上に感光層を有する円筒状の電子写真感光体であって、該支持体は内面に金属、プラスチック及びゴムの1種からなる詰め物がシアノアクリレート系接着剤で固定された後に両端に駆動部材及び従動部材が結合された支持体であり、該駆動部材及び従動部材の一方はアース板を有している部材である電子写真感光体において、
該支持体は、内面に金属、プラスチック及びゴムの1種からなる詰め物が該シアノアクリレート系接着剤で固定された後、両端に駆動部材及び従動部材が結合される前に、内面に純水またはフィルターを通した水道水が噴霧されており、
該純水またはフィルターを通した水道水の噴霧量は重量基準で該シアノアクリレート系接着剤の塗布量以上で該シアノアクリレート系接着剤の塗布量の10倍以下である
ことを特徴とする電子写真感光体である。
【0012】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。
【0014】
本発明における電子写真感光体は、感光層が電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型、また電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生物質を含有する電荷発生層に機能分離した積層型に大別される。
【0015】
使用する支持体は、導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレス等の金属、あるいは導電層を設けた金属、紙及びプラスチック等が挙げられる。
【0016】
レーザービームプリンタ(LBP)等画像入力がレーザー光の場合は、散乱による干渉縞防止、また支持体の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これは、カーボンブラックや金属粒子等の導電性粉体をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μmである。
【0017】
その上に接着機能を有する中間層を設ける。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン及びポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは、適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.3〜1μmである。
【0018】
中間層の上には電荷発生層が形成される。電荷発生層に用いられる電荷発生物質としてはセレン−テルル、ピリリウム及びチアピリリウム系染料等、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン及び非対称キノシアニン系顔料等が挙げられる。機能分離型の場合、電荷発生層は、前記電荷発生物質を重量基準でで0.3〜4倍量のバインダー樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル及び液衝突型高速分散機等の方法でよく分散し、分散液を塗布し、乾燥して形成する。電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.1〜2μmである。
【0019】
電荷輸送層は主として電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗布し、乾燥して形成する。用いられる電荷輸送物質としてはトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物等が挙げられる。これらは、重量で0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ塗工し、乾燥して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜40μm、より好ましくは15〜30μmである。
【0020】
図1は、本発明の電子写真感光体の断面図である。図1において、1は電子写真感光体、2はアース板、3は駆動または従動部材、4は詰め物である。
【0021】
感光層を有する電子写真感光体1の内面に、金属等の詰め物4を瞬間接着剤により固定した後、内面に純水またはフィルターを通した水道水を噴霧し、更に感光体1の両端に、感光体1を回転させるためのいずれか一方にアース板2を有した駆動及び従動部材3を接着や圧入、カシメ等の方法で結合する。
【0022】
純水またはフィルターを通した水道水の噴霧量としては、詰め物の接着剤の塗布量以上、かつ接着剤の塗布量の10倍以下の範囲である。
【0023】
図2に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0024】
図において、11はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸12を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体11は、回転過程において、一次帯電手段13によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)からの露光光14を受ける。こうして感光体11の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0025】
形成された静電潜像は、次いで現像手段15によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体11と転写手段16との間に感光体11の回転と同期取り出されて給紙された転写材17に、転写手段16により順次転写されていく。
【0026】
像転写を受けた転写材17は、感光体面から分離されて像定着手段18へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0027】
像転写後の感光体11の表面は、クリーニング手段19によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光20により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段13が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0028】
本発明においては、上述の電子写真感光体11、一次帯電手段13、現像手段15及びクリーニング手段19等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、一次帯電手段13、現像手段15及びクリーニング手段19の少なくとも1つを感光体11と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール22等の案内手段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ21とすることができる。
【0029】
また、露光光14は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0030】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例に従って説明する。
【0032】
[実施例1]
φ30mm、長さ254mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を浸漬塗布法で塗布し、140℃で30分熱硬化して、膜厚が15μmの導電層を形成した。
【0033】
導電性顔料:SnO2 コート処理硫酸バリウム 10重量部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2重量部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6重量部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001重量部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール 0.2/0.8 20重量部
【0034】
次に、この上にNメトキシメチル化ナイロン3重量部及び共重合ナイロン3重量部をメタノール65重量部及びnブタノール30重量部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥して、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
【0035】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角の2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するチタニウムオキシフタロシアニン(TiOPc)4重量部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学工業(株)製)2重量部及びシクロヘキサノン60重量部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテート100重量部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬塗布法で塗布し、乾燥して、膜厚が0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0036】
次に、下記式のアミン化合物7重量部、
【0037】
【化1】
下記式のアミン化合物3重量部
【0038】
【化2】
及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ200、三菱瓦斯化学(株)製)10重量部をモノクロロベンゼン30重量部及びジクロロメタン70部の混合溶媒に溶解した。この塗料を浸漬法で塗布し、120℃で2時間乾燥して、膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。
【0039】
次に、上記の感光層を塗布した電子写真感光体の内面の端部から20mmの位置に、シアノアクリレート系瞬間接着剤を0.1g周付けし、アルミニウム製円筒状詰め物(φ28.40mm、長さ65mm)を感光体中央に挿入し、固定した。
【0040】
その後、噴霧器により詰め物挿入側から純水を0.15g噴霧して、固定に必要としない瞬間接着剤や未硬化モノマーを硬化または吸着させ、更に、アース板を有した駆動部材と従動部材をカシメ結合させた。
【0041】
このようにして得られた電子写真感光体を常温常湿環境(23℃、50%RH)に24時間保管した後、レーザービームプリンタ(LBP−EX、キヤノン(株)製)のプロセスカートリッジに装着して、10台のプロセスカートリッジを作製した。
【0042】
更に、これらを24時間保管した後、評価として、プロセスカートリッジの外観検査と、レーザービームプリンタ本体への設置による10000枚の画像出しを行った。その結果、10台全てで白化の発生はなく、またアース不良による画像欠陥も認められず、非常に良好な画像が得られた。更に、耐久後、感光体を取り外し詰め物の緩みや外れを検査したが、充分な強度を維持していた。
【0043】
[実施例2]
実施例1と同様の電子写真感光体の内面の端部から20mmの位置に、シアノアクリレート系瞬間接着剤を0.15g周付けし、プラスチック製円筒状詰め物(φ28.40mm、長さ100mm)を感光体中央に挿入し、固定した。
【0044】
その後、噴霧器により詰め物挿入側から純水を0.2g噴霧した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体及びプロセスカートリッジを作製し、評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0045】
[比較例1]
詰め物挿入後の純水噴霧を行わなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体及びプロセスカートリッジを作製し、評価した。
【0046】
その結果、軽微なものを含めると10台全てのプロセスカートリッジに白化が発生した。画像出しの結果、10台中7台が初期(100枚程度)のアース不良により画像欠陥が発生した。
【0047】
[比較例2]
詰め物挿入後の純水噴霧量を0.08gとした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体及びプロセスカートリッジを作製し、評価した。
【0048】
その結果、軽微なものを含めると10台中3台のプロセスカートリッジに白化が発生した。画像出しの結果、10台中2台が初期(100枚程度)のアース不良により画像欠陥が発生した。
【0049】
[比較例3]
詰め物挿入後の純水噴霧量を2.0gとした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体及びプロセスカートリッジを作製し、評価した。
【0050】
その結果、プロセスカートリッジの白化の発生やアース不良による画像欠陥の発生は10台共なかったが、耐久後、感光体を取り外し詰め物の緩みや外れを検査したところ、10台中2台が外れていた。
【0051】
上記実施例及び比較例の結果を表1に示す。
【0052】
表1
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、瞬間接着剤による白化現象の発生がなく、プロセスカートリッジの外観及び機能面も高品位であり、アース不良のない良好な画像の得られる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が可能となった。
【0054】
また、プロセスカートリッジに装着するまでの期間を大幅に短縮できると共に保管環境の制限もなく、更に保管スペースの減少等、生産性を向上することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の概略断面を示す図である。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
Claims (3)
- 支持体上に感光層を有する円筒状の電子写真感光体であって、該支持体は内面に金属、プラスチック及びゴムの1種からなる詰め物がシアノアクリレート系接着剤で固定された後に両端に駆動部材及び従動部材が結合された支持体であり、該駆動部材及び従動部材の一方はアース板を有している部材である電子写真感光体において、
該支持体は、内面に金属、プラスチック及びゴムの1種からなる詰め物が該シアノアクリレート系接着剤で固定された後、両端に駆動部材及び従動部材が結合される前に、内面に純水またはフィルターを通した水道水が噴霧されており、
該純水またはフィルターを通した水道水の噴霧量は重量基準で該シアノアクリレート系接着剤の塗布量以上で該シアノアクリレート系接着剤の塗布量の10倍以下である
ことを特徴とする電子写真感光体。 - 請求項1に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP37019098A JP3573405B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP37019098A JP3573405B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
Publications (2)
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| JP2000194229A JP2000194229A (ja) | 2000-07-14 |
| JP3573405B2 true JP3573405B2 (ja) | 2004-10-06 |
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Family Applications (1)
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| JP37019098A Expired - Fee Related JP3573405B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
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| JP (1) | JP3573405B2 (ja) |
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1998
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