JP3573566B2 - 作業車の基礎内への乗り入れ建築工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、施工現場の出入口に面した一般道路が狭くてトラック、クレーン、バックホー等の作業車を駐停車するのに困難な場合や、或いは、敷地内一杯に建物の基礎が配設されて施工現場内に作業車を搬入出、駐停車できないような場合に、容易に施工現場内へ作業車を搬入出、駐停車させて通常の建築作業を行えるようにする作業車の基礎内への乗り入れ建築工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、建物を構築する際には、先ず、敷地内に基礎工事を施した上で躯体工事、仕上げ工事と順次になされるが、それらの作業は種々の建築材を運搬し、吊り揚げ作業等を行うトラック、クレーン、バックホー等の作業車を施工現場内や、或いは、施工現場の出入口に面した比較的に広い道路幅をもつ一般道路上に駐停車させて行われている。しかし、近年においては、土地面積を有効利用して敷地一杯に建物を構築する傾向にあって、特に、奥行きの長い建物は市街地等において増加しているのが現状であり、そのために、前記作業車を施工現場内に搬入出、駐停車させることが不可能となり、また、施工現場の出入口に面した一般道路の道路幅が狭いような場合には、歩行者や走行車等の邪魔になることからそこに駐停車させることができず建築作業を行えないという問題が増加している。
【0003】
そこで、従来においては、人手に頼って種々の建築材を運搬して建築作業を行うという非能率的な手段が用いられ、或いは、建築現場の出入り口に対して奥側に位置する基礎を先ず最初に配設させるようにし、そして、建築現場の手前側に作業車を搬入させて駐停車させた状態で建築作業を行い、最後に作業車を駐停車させた建築現場の手前側に基礎を配設させて建築作業を行い建物全体を構築するといった2分割方式が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術においては、どちらも共に作業能率が悪く、工期が長期化すると共にコスト高になるという問題点がある。また、人手に頼る場合には、身体の疲労度が高くなるばかりか、作業面での安全性においても問題となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、請求項1の手段においては、建築物の基盤の一部を包囲する基礎の外部の基盤上に、アウトリガー部を具備した作業車を前記基礎と相対向するように配置し、前記アウトリガー部を短縮させることによって生じたこのアウトリガー部の下端と基盤との隙間に合成樹脂発泡体を挿入して新たな基盤を構築してから、前記アウトリガー部を伸張させることによって生じた前記作業車の走行部の下端と基盤との隙間に合成樹脂発泡体を挿入して新たな基盤をその上面が前記アウトリガー部の下方の新たな基盤の上面とほぼ同じ高さとなるように構築する作業を、前記アウトリガー部の下方の新たな基盤の上面及び前記走行部の下方の新たな基盤の上面が前記基礎の天端より高くなるまで繰り返し行った後、前記基礎の内部の基盤上に上面が、前記走行部の下方の新たな基盤を構成する合成樹脂発泡体の上面とほぼ同じ高さとなるように載置した合成樹脂発泡体の上方へと前記アウトリガー部を短縮させた状態で前記作業車を移動させてから所定場所で駐停車し、前記作業車の種類に対応した内容の建築作業を行うところにある。
【0006】
請求項2の手段においては、前記作業車が通過した後の前記アウトリガー部及び/又は走行部の新たな基盤として使用した合成樹脂発泡体を、作業車の進行方向の基盤として再使用するところにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を以下図に基づいて説明する。
敷地1は、図1及び図2に示すように、幅が狭い一方通行の道路2に短い方の一辺が面し、長い方の他辺が奥行き方向に入り込んだ細長な長方形の敷地1である。そして、この敷地1内にはすでに建築物の基礎3がほぼ一杯に敷設されているので、作業車4を駐停車させることができない。又、道路2が狭いのでここにも作業車4を駐停車することができない。そこで、この敷地1の基礎3内に作業車4を入れるには、図1に示すように一方通行の道路2を進行してくる作業車4を、図2及び図3に示すように、この敷地1の道路2に面する一辺に直角となるようにハンドル操作と前後進による切り換えによって向きを変えて相対向させる。
【0008】
このような態勢が整ってから、図3に示すように、作業車4のアウトリガー部5を十分に持ち上げて地表面である基盤6の表面との間に隙間(X1)を形成し、次いで、図4に示すように、この隙間(X1)を詰めるようにして、最上段に踏板7を載せた合成樹脂発泡体8を挿入する。
【0009】
踏板7は、4本のアウトリガー部5を介して伝達される作業車4の荷重を合成樹脂発泡体8の上面へ分散させる目的に使用するものであるから、硬質の板、例えば合板などが好ましい。又、合成樹脂発泡体8としては、圧縮強さが大きいものが好ましく、その一例として押出発泡ポリスチレン板が挙げられる。この合成樹脂発泡体8の形状、大きさはとくに限定されるものではなく、例えば、厚さ・横巾・縦巾が、100mm×910mm×1820mm等の一般に市販されているものを用いることで十分に対応できる。このような合成樹脂発泡体8を使用する場合には複数枚重ねて前記間隔(X1)を埋めるようにする。合成樹脂発泡体8の厚さが大きい場合には、重ね合わせる枚数が少なくてよいが、微妙な隙間調節ができにくく、逆に、厚さが小さい場合には重ね合わせる枚数が多い反面、隙間調節ができ易い利点がある。
【0010】
次いで、図5に示すように、アウトリガー部5を伸張して下方へ十分に下げることによって作業車4の荷重を合成樹脂発泡体8で受け止め作業車4の4本のタイヤ9を地表面たる基盤6から浮かせ、これによって生じた4本のタイヤ9と基盤6の表面との隙間(X2)に、図6に示すように、最上段に踏板7を載せた合成樹脂発泡体8を前記と同様に挿入して新たな基盤6を形成する。そして、図7に示すように、再びアウトリガー部5を短縮して持ち上げて、踏板7を外してからこのアウトリガー部5と最上段の合成樹脂発泡体8の間に形成された隙間(X3)に、図8に示すように、合成樹脂発泡体8を挿入してその最上段に踏板7を載せて新たな基盤6を形成して隙間(X3)を埋める。そして再びアウトリガー部4を伸張して下方へ十分に下げて、図9に示すように、作業車4の荷重を合成樹脂発泡体8で受け止め、作業車4のタイヤ9を新たな基盤6である合成樹脂発泡体8上方から浮かせ、その間隙(X4)に、図10に示すように、最上段に踏板7を載せた合成樹脂発泡体8を挿入し、再度新たな基盤6を形成する。
【0011】
この段階でまだタイヤ9の下端が基礎3の天端よりも低い場合には前記図7乃至図10の作業を繰り返して基礎3の天端より少し高い位置まで持ち上げる。尚、基礎3の高さが低い時には、図3乃至図6の作業で終了することもあるが、基礎3の高さが一般的には480mm位で、アウトリガー部5の伸張による持ち上げ高さが300乃至400mmの範囲であることから、通常は図3乃至図10の作業を2回繰り返すことによってタイヤ9の持ち上げ作業が完了する。
【0012】
タイヤ9の下端が基礎3よりやや高い位置に達した時点で、アウトリガー部5を短縮して全て持ち上げて、図11に示すように、このアウトリガー部5の下方に位置している合成樹脂発泡体8を基礎3の内部に積み上げて最上段に踏板7を載せてタイヤ9の下端の高さとほぼ同一高さとしてから、作業車4を基礎3の内部側へ移動させる。そして、図12に示すように、前方のタイヤ9が基礎3内の合成樹脂発泡体8の上方まで移動し、後方のタイヤ9が前方のタイヤ9の位置まで進行すると、もともと後方のタイヤ9の下方に位置して基盤6としていた合成樹脂発泡体8を基礎3の内側へ移動させて積層すれば、合成樹脂発泡体8を有効に活用できることになるが、合成樹脂発泡体8が多数存在している時には、このような移動作業をすることなく、基礎3内の作業車4の進行方向へあらかじめ敷設しておけばよい。
【0013】
そして更に作業車4が進行する場合には、図13に示すように、通過した後方の合成樹脂発泡体8を進行方行の前方へと移動させる。このように、作業車4が通過することによって不要となった合成樹脂発泡体8及び踏板7を順次作業車4の進行方向へと移動させる作業と共に作業車4を敷地1内の所定位置まで基礎3を越えて移動し終えると、必要に応じてアウトリガー部5の下方にも合成樹脂発泡体8及び踏板7を積層した後にアウトリガー部5を伸長させて下して作業車4を安定させ、その後、作業車4の目的に応じた仕事を開始する。
【0014】
尚、長時間に亘って作業をする場合には、アウトリガー部5の下端は踏板7との接触面積が小さいことから、例えば、図14に示すように、輪木10を縦横方向に段積みした上にアウトリガー部5の下端を載せるようにすれば、作業車4の荷重を踏板7の広範囲に分散させることができ、合成樹脂発泡体8の耐久性を向上させることができる。
【0015】
仕事内容によって途中で作業車4を移動させる場合には、前記したと同様の作業手順によって、作業車4の進行方向に合成樹脂発泡体8と踏板7によって基礎3よりやや高い位置に路面を形成して移動させる。
【0016】
そして、全ての作業車4による仕事が完了した時には、前記した図1乃至図13の作業の逆の作業を行うことによって、一方通行の道路2上に作業車4を下すことが出来る。
【0017】
尚、以上の実施形態においては、タイヤ9を使用した作業車4について説明したが、タイヤに代えてクローラなど他の走行部を有する作業車4であっても同様である。更に、作業車4としては、前記従来の技術の項で述べたトラック、クレーン、バックホー等の建築工事に必要な走行部及びアウトリガー部を具備した全ての作業車を含むものである。
【0018】
上記のようにして、合成樹脂発泡体8を何度も繰り返し使用すると、圧縮強度の強い性質のものであっても痛み等で耐久性に限度が生じるが、この場合には、古くなった合成樹脂発泡体8を廃棄するこなく、例えば、適当な大きさにカットするなどして建築物の深基礎や擁壁の背面に埋めたり、基礎内部の土間コンクリートの下に断熱、断湿用として用いたり、さらには、土留め、埋め殺しとして利用するなど、土の代替として埋め戻し土等に有効に活用することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、請求項1のこの発明によると、作業車のアウトリガー部を有効に利用する基礎内部へ作業車を乗り入れて作業車の種類に応じた作業を行うことができる。又、アウトリガー部及び合成樹脂発泡体を利用して、作業車を基礎に近接して垂直方向に基礎の高さ以上に持ち上げることができるので、敷地や基礎に近接した空地等がない場合でも乗り上げスペースを取らない。更に又、合成樹脂発泡体は軽量であることから、持ち運びが容易であり、アウトリガー部や走行部の下方への挿入や取出し作業が容易に行える。更に又、何回かの作業の繰り返しによって合成樹脂発泡体が傷んだ場合には、土の代替として埋め戻し土などとして有効に活用できる。
【0020】
請求項2の発明によると、少ない数量の合成樹脂発泡体によって、効率良く作業を行える。この時も、合成樹脂発泡体は軽量であることから、移動が容易であり、作業を楽に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】作業車の敷地への接近状態の説明図。
【図2】作業車の敷地への接近状態の説明図。
【図3】作業車が基礎に接近した状態でアウトリガー部を短縮させた状態の説明図。
【図4】アウトリガー部の下端と基盤との隙間に合成樹脂発泡体を挿入した状態の説明図。
【図5】アウトリガー部を伸張させて走行部の下端と基盤との間に隙間を形成した状態の説明図。
【図6】走行部の下端と基盤との隙間に合成樹脂発泡体を挿入した状態の説明図。
【図7】走行部を合成樹脂発泡体に載せてアウトリガー部を短縮させた状態の説明図。
【図8】アウトリガー部の下端と新たな基盤との隙間に合成樹脂発泡体を挿入した状態の説明図。
【図9】アウトリガー部を伸張させて走行部の下端と新たな基盤との間に隙間を形成した状態の説明図。
【図10】走行部の下端と新たな基盤との隙間に合成樹脂発泡体を挿入した状態の説明図。
【図11】図10の状態で基礎内部の基盤上に合成樹脂発泡体を敷設した状態の説明図。
【図12】基礎内部の合成樹脂発泡体の上方へ作業車の前輪を進行させた状態の説明図。
【図13】基礎内部の合成樹脂発泡体の上方へ作業車を進行させた状態の説明図。
【図14】アウトリガー部の合成樹脂発泡体上での支持説明図。
Claims (2)
- 建築物の基盤の一部を包囲する基礎の外部の基盤上に、アウトリガー部を具備した作業車を前記基礎と相対向するように配置し、
前記アウトリガー部を短縮させることによって生じたこのアウトリガー部の下端と基盤との隙間に合成樹脂発泡体を挿入して新たな基盤を構築してから、前記アウトリガー部を伸張させることによって生じた前記作業車の走行部の下端と基盤との隙間に合成樹脂発泡体を挿入して新たな基盤をその上面が前記アウトリガー部の下方の新たな基盤の上面とほぼ同じ高さとなるように構築する作業を、前記アウトリガー部の下方の新たな基盤の上面及び前記走行部の下方の新たな基盤の上面が前記基礎の天端より高くなるまで繰り返し行った後、
前記基礎の内部の基盤上に上面が、前記走行部の下方の新たな基盤を構成する合成樹脂発泡体の上面とほぼ同じ高さとなるように載置した合成樹脂発泡体の上方へと前記アウトリガー部を短縮させた状態で前記作業車を移動させてから所定場所で駐停車し、
前記作業車の種類に対応した内容の建築作業を行うことを特徴とする作業車の基礎内への乗り入れ建築工法。 - 前記作業車が通過した後の前記アウトリガー部及び/又は走行部の新たな基盤として使用した合成樹脂発泡体を、作業車の進行方向の基盤として再使用することを特徴とする請求項1の作業車の基礎内への乗り入れ建築工法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11396496A JP3573566B2 (ja) | 1996-05-08 | 1996-05-08 | 作業車の基礎内への乗り入れ建築工法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11396496A JP3573566B2 (ja) | 1996-05-08 | 1996-05-08 | 作業車の基礎内への乗り入れ建築工法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09296605A JPH09296605A (ja) | 1997-11-18 |
| JP3573566B2 true JP3573566B2 (ja) | 2004-10-06 |
Family
ID=14625626
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11396496A Expired - Lifetime JP3573566B2 (ja) | 1996-05-08 | 1996-05-08 | 作業車の基礎内への乗り入れ建築工法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3573566B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2024011580A (ja) * | 2022-07-15 | 2024-01-25 | 株式会社大林組 | 塔状構造物の構築方法 |
-
1996
- 1996-05-08 JP JP11396496A patent/JP3573566B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09296605A (ja) | 1997-11-18 |
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