JP3574267B2 - 可逆性感熱記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可逆性感熱記録媒体およびその製造方法に関し、特に、印字コントラストおよび印字・消去の繰り返し耐久性の良好な可逆性感熱記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IDカード、プリペイドカード等の各種カードにおいては、可逆性感熱記録層が設けられている。このような可逆性感熱記録層として、染料と顕減色剤と樹脂の3成分によって構成され、可逆的に繰り返し記録を行うことのできるものが知られている。このような感熱記録材料において、染料は通常ロイコ系の染料が用いられる。顕減色剤は染料を発色または消色させるためのものである。樹脂は染料および顕減色剤の支持体であり、水系または溶剤系の樹脂が用いられる。
【0003】
このような感熱記録材料において、水系樹脂を硬化させずに使用する場合には地肌の白さは良好であるが、耐熱性や機械的強度が低いために可逆性感熱記録層の印字・消去の繰り返し耐久性があまり良くない。一方、水系樹脂を硬化させて使用する場合には、印字・消去の繰り返し耐久性は良好となるが、塗料を乾燥・硬化させる際に高温にすると顕減色剤が分解してしまい地肌かぶりが発生したり、発色機能が喪失してしまい発色コントラストが著しく低下する。
【0004】
これに対して溶剤系樹脂を使用する場合は、溶剤として染料を溶解するものを用いると染料と樹脂が溶け合ってしまうので、印字・消去の繰り返し耐久性を向上させるために硬化剤または紫外線により塗膜を硬化させようとすると、硬化の過程で染料と硬化剤あるいはUVモノマーが反応して地肌かぶりが発生してしまい、これを再加熱・徐冷しても消色しなくなることが多いために、使用できる溶剤が限られてしまい、結果として樹脂の選択範囲が極めて制限されてしまうという問題がある。
【0005】
また、ロイコ染料と顕減色剤を同時に分散させて塗料を作製し乾燥・硬化させて得た可逆性感熱記録層は印字/消去の繰り返し耐久性は良好だが、染料と顕減色剤の発色反応が耐熱性の高い樹脂分に遮られて発色が薄くなったり、充分に消去が行えなくなる。特に、印字した画像を消去する手段を熱ロールや熱スタンプではなくサーマルヘッドにすると、所望の消色濃度が得られる印加エネルギーの範囲(以下、消去エネルギー範囲という)が極端に狭くなったり、消去エネルギー範囲が経時的に変化し、サーマルヘッドの制御が非常に難しくなって消去が良好に行えないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解消し、印字コントラストおよび印字・消去の繰り返し耐久性の良好な可逆性感熱記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
さらに本発明は消去エネルギー範囲が広く、消去エネルギー範囲の経時変化のない可逆性感熱記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、基材と、可逆性感熱記録層とを有する可逆性感熱記録媒体において、
前記可逆性感熱記録層は、染料と顕減色剤とを混合し加熱溶融させ、冷却後微粉砕し、これを放射線硬化型水系樹脂エマルジョン中に分散させた塗料を前記基材に塗布後硬化させたものであることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明によれば、可逆性感熱記録媒体の製造方法は、染料と顕減色剤とを混合し加熱溶融する工程と、前記加熱溶融された混合物を冷却後、微粉砕する工程と、
前記微粉砕された混合物を放射線硬化型水系樹脂エマルジョン中に分散させて可逆性感熱記録層塗料とする工程と、該塗料を基材に塗布して硬化させることにより可逆性感熱記録層を形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0010】
さらに、本発明によれば、基材と、可逆性感熱記録層とを有する可逆性感熱記録媒体において、前記可逆性感熱記録層は、染料と顕減色剤とを混合し加熱溶融させ、冷却後微粉砕し、これを水系熱可塑性樹脂エマルジョン中に分散させ、樹脂エマルジョン中に放射線硬化型水系樹脂エマルジョンを添加した塗料を前記基材に塗布後硬化させたものであることを特徴とするものである。
【0011】
さらに、本発明によれば、可逆性感熱記録媒体の製造方法は、染料と顕減色剤とを混合し加熱溶融する工程と、前記加熱溶融された混合物を冷却後微粉砕する工程と、前記微粉砕された混合物を水系熱可塑性樹脂エマルジョン中に分散させる工程と、樹脂エマルジョン中に放射線硬化型水系樹脂エマルジョンを添加して可逆性感熱記録層塗料とする工程と、該塗料を基材に塗布後硬化させることにより可逆性感熱記録層を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明による可逆性感熱記録媒体およびその製造方法の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1には、本発明による可逆性感熱記録媒体が示されている。この可逆性感熱記録媒体は、基材12上に可逆性感熱記録層14、保護層16が積層されている。
【0014】
基材12は、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセテート、ポリスチレン(PS)、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリカーボネート(PC)等の合成樹脂シートまたは合成紙等であり、基材12の厚さは通常、100〜300μm程度である。
【0015】
可逆性感熱記録層14は、染料と顕減色剤を混合して加熱溶融させ、冷却後微粉砕し、これを放射線硬化型水系樹脂エマルジョン中に分散させて可逆性感熱記録層形成用の塗料を得て、この塗料を基材12上に塗布し紫外線や電子線等の放射線の照射により硬化させることにより形成される。
【0016】
感熱発色性材料である染料としては、トリフェニルメタン系、フルオラン系、スピロピラン系、オーラミン系およびフェノチアジン系のような従来から使用されているロイコ染料を使用することができる。これらのロイコ染料は、通常の状態では無色乃至淡色である。
【0017】
顕減色剤としては、長鎖アルキル基をもつアスコルビン酸系化合物、フェノール系化合物、ホスホン酸系化合物等の長鎖アルキル基をもつ酸性化合物、またはフェノールカルボン酸と有機アミンとの塩、フェノール化合物と有機アミンとの錯塩、有機両性化合物等の酸性基と塩基性基をもつ化合物を使用することができる。このロイコ染料と顕減色剤とを組み合わせて使用することにより、可逆性感熱記録層に熱を加えると、両者が可逆的に反応して発色と消色を可逆的に繰り返すことができる。
【0018】
放射線硬化型水系樹脂としては、紫外線または電子線の照射により硬化するアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂等が使用できる。耐久性を向上させるためには耐熱性が必要であることから、ガラス転移点が80℃〜150℃であることが好ましく、そのような樹脂としては平均分子量10万以上、好ましくは20万〜50万で、主鎖の炭索数に対する側鎖の二重結合の数の割合が80%以下、好ましくは50%以下であるものを使用することができる。
【0019】
上記の染料と顕減色剤を混合して加熱溶融させ、冷却後微粉砕し、これを紫外線硬化型水系樹脂エマルジョン中に分散させて可逆性感熱記録層形成用の塗料を得て、この塗料を基材12上に塗布し紫外線照射により硬化させることにより可逆性感熱記録層14が形成される。前記加熱溶融後の冷却は急冷とする方が好ましく、具体的には加熱溶融物を冷却した金属板上へあける。冷水上の金属容器へあける等の操作を行うのがよい。
【0020】
保護層16は、可逆性感熱記録層14表面の耐熱性、耐傷性、耐薬品性などを向上させるために設けられる。保護層18の厚さは1〜5μm、望ましくは1〜3μm程度である。
【0021】
上記のような可逆性感熱記録媒体によれば、顕減色剤として長鎖アルキル基をもつ酸性化合物を使用した場合には、溶融状態では染料と顕減色剤とは互いにある割合で溶け合い発色状態となるが、発色している溶融状態の混合物をゆっくり冷却すると、温度の低下に従い、相分離しながら固化するために消色する。一方、急速な冷却を行うと、相分離が起こる前、すなわち発色状態を保持したままで固化する。したがって、加熱後の冷却速度の差によって染料と顕減色剤との相溶状態および相分離状態を作り出し、発色状態および消色状態を発現させることができる。
【0022】
また顕減色剤として、酸性基と塩基性基をもつ化合物を使用した場合には、顕減色剤の酸性基がロイコ染料を発色させる反応速度は、塩基性基がロイコ染料を消色させる反応速度より速いため、発色反応が優先して生じ、次に消色反応が生じる。このため加熱溶融すると、まず発色反応が起こって発色状態となり、その状態から急冷するとそのまま固化して発色状態を保持し、一方、加熱溶融した状態から徐冷すると、発色反応に続いて消色反応が起こり、消色する。したがって、この場合にも加熱後の冷却速度の差によって発色状態および消色状態を発現させることができる。
【0023】
したがって、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消色状態を発現させることができる。
【0024】
また、上記の可逆性感熱記録媒体によれば、前述のように染料と顕減色剤を混合して加熱溶融させ、冷却後微粉砕し、これを紫外線硬化型水系樹脂中に分散させた塗料によって可逆性感熱記録層14を形成している。したがって、染料と顕減色剤が混合溶融した微粒子の状態で放射線硬化型樹脂エマルジョン中に分散しているから地肌かぶりの発生や印字濃度の低下がなく、良好なコントラストが得られる。しかも紫外線硬化型水系樹脂エマルジョンを硬化させているから、可逆性感熱記録層の耐熱性に優れ、印字・消去の繰り返し耐久性も良い。
【0025】
本発明の他の実施形態として、上記の染料と顕減色剤とを混合して加熱溶融させ、冷却後微粉砕したものを、水系熱可塑性樹脂の樹脂エマルジョン中に分散させ、この樹脂エマルジョンに放射線硬化型水系樹脂を添加して可逆性感熱記録層形成用の塗料を得るようにしてもよい。この塗料を基材12上に塗布し紫外線や電子線等の放射線の照射により硬化させることにより可逆性感熱記録層14が形成される。
【0026】
したがって、この実施形態の場合には水系熱可塑性樹脂エマルジョンへの第1の分散と、樹脂母材である放射線硬化型水系樹脂エマルジョンへの第2の分散との2段階の分散が行われて可逆性感熱記録層形成用の塗料を得るようにしている。
【0027】
このように染料と顕減色剤とを混合して加熱溶融させ、冷却後微粉砕したものを、水系熱可塑性樹脂の樹脂エマルジョン中に分散させた後、放射線硬化型水系樹脂エマルジョンを添加して分散させているから、サーマルヘッドによる消去エネルギー範囲が広くなり消去エネルギー範囲の経時変化がない。前記水系熱可塑性樹脂エマルジョンは、ガラス転移点が低いものの方が消去エネルギー範囲が広がるため好ましく、好適にはガラス転移点が60℃以下のものがよい。
【0028】
本発明による可逆性感熱記録媒体は上記の実施例に限られず、たとえば基材12上に、磁気記録層、印刷層、印刷保護層等が設けられた可逆性感熱記録媒体にも適用できる。
【0029】
次に本発明による可逆性感熱記録媒体およびその製造方法の具体的な実施例について、その組成および物性評価につき比較例と比較して説明する。
【0030】
まず、本発明の第1の実施形態の具体的な実施例について説明する。
【0031】
(実施例1)
基材12として厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、次のような可逆性感熱記録層14、保護層16を形成した。
【0032】
【0033】
実験用ホットプレート上にるつぼを載せ、その中で上記の染料および顕減色剤を溶融温度180〜185℃で溶融させる。これを冷却した金属板上にあけて急冷した後、メノウ乳鉢で粉砕する。
【0034】
【0035】
上記の粉砕された染料および顕減色剤をボールミルで上記の樹脂、光重合開始剤、蒸留水に24時間分散して可逆性感熱記録層形成用の塗料を得た。この塗料をワイヤーバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥し、高圧水銀灯160W/cm、コンベアースピード30m/分、1回通過により紫外線照射を行って、膜厚6μmの可逆性感熱記録層を形成した。
【0036】
〔保護層〕
塗料 大日本インキ(株)製紫外線硬化型アクリル樹脂 (商品名C3−374)
上記塗料をワイヤーバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥し、高圧水銀灯160W/cm、コンベアースピード30m/分、1回通過により紫外線照射を行って、膜厚2μmの保護層を形成した。
【0037】
〔初期化〕
上記のようにして得られた可逆性感熱記録媒体を120℃オーブン中に1分間放置し、可逆性感熱記録層を消色させた。
【0038】
(実施例2)
実施例1において顕減色剤の量を3重量部とし、その他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を得た。
【0039】
(実施例3)
実施例1において可逆性感熱記録層の樹脂を下記のものと置き換えた。その他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を得た。
【0040】
(実施例4)
実施例1において可逆性感熱記録層の樹脂を下記のものと置き換えた。その他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を得た。
【0041】
(比較例1)
実施例1において可逆性感熱記録層の樹脂をポリビニルアルコールと置き換えた。その他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を得た。
【0042】
(比較例2)
実施例1において染料と顕減色剤を加熱溶融および冷却、粉砕を行うことなく分散させて用いた。その他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を得た。
【0043】
上記の実施例および比較例につき、印字消去を1回および50回行った場合の印字濃度および消去濃度の結果は次の通りであった。
【0044】
【表1】
【0045】
上記の表において、印字条件は 8dot/mmサーマルヘッド、0.35mJ/dot、消去条件は 8dot/mmサーマルヘッド、0.12mJ/dotである。また、濃度の測定はマクベスRD918 により行った。
【0046】
上記の表からわかるように、実施例1、2、4においては、印字濃度と消去濃度のコントラストが印字消去を1回行ったときにも50回繰り返した後にも非常に良好であった。実施例3の場合には印字濃度と消去濃度は1回の印字消去後も50回の印字消去繰り返し後もほぼ同様の値を示したが、印字濃度がわずかに低かった。
【0047】
比較例1の場合には1回の印字消去後には印字濃度と消去濃度が良好であったが、50回の印字消去繰り返し後には印字濃度が低下し、良好なコントラストは得られなかった。すなわち、50回の印字消去繰り返しによって発色性が低下した。比較例2の場合には1回目の印字消去から印字濃度が低く、良好なコントラストが得られなかった。
【0048】
次に、本発明の第2の実施形態の具体的な実施例について説明する。
【0049】
(実施例5)
基材12として厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、次のような可逆性感熱記録層14、保護層16を形成した。
【0050】
【0051】
実験用ホットプレート上にるつぼを載せ、その中で上記の染料および顕減色剤を溶融温度180〜185℃で溶融させる。これを冷却した金属板上にあけて急冷した後、メノウ乳鉢で粉砕する。
【0052】
水系熱可塑性樹脂 アクリルエマルジョン
(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製、商品名プライマルN−580、固形分55%、Tg=−40℃) 4重量部
上記の粉砕された染料および顕減色剤をボールミルで上記の水系熱可塑性樹脂液中に24時間分散させた。
【0053】
【0054】
上記の水系熱可塑性樹脂液中に分散された、粉砕された染料および顕減色剤をボールミルで上記の樹脂、光重合開始剤、蒸留水に24時間分散して可逆性感熱記録層形成用の塗料を得た。この塗料をワイヤーバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥し、高圧水銀灯160W/cm、コンベアースピード30m/分、1回通過により紫外線照射を行って、膜厚6μmの可逆性感熱記録層を形成した。
【0055】
〔保護層〕
塗料 大日本インキ(株)製紫外線硬化型アクリル樹脂 (商品名C3−374)
上記塗料をワイヤーバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥し、高圧水銀灯160W/cm、コンベアースピード30m/分、1回通過により紫外線照射を行って、膜厚2μmの保護層を形成した。
【0056】
〔初期化〕
上記のようにして得られた可逆性感熱記録媒体を120℃オーブン中に1分間放置し、可逆性感熱記録層を消色させた。
【0057】
(実施例6)
実施例5において水系熱可塑性樹脂を下記のものと置き換えた。その他は実施例5と同様にして可逆性感熱記録媒体を得た。
【0058】
(実施例7)
実施例5において水系熱可塑性樹脂を下記のものと置き換えた。その他は実施例5と同様にして可逆性感熱記録媒体を得た。
【0059】
(実施例8)
実施例5において水系熱可塑性樹脂を下記のものと置き換えた。その他は実施例5と同様にして可逆性感熱記録媒体を得た。
【0060】
(比較例3)
前記比較例2と同一のものを作成し、比較例3とした。
【0061】
(比較例4)
前記比較例1と同一のものを作成し、比較例4とした。
上記の実施例および比較例につき、印字消去を1回および50回行った場合の印字濃度、消去濃度、および消去エネルギー幅の結果は次の通りであった。
【0062】
【表2】
【0063】
上記の表において、印字条件は 8dot/mmサーマルヘッドを使用し、飽和濃度となるエネルギー(0.33〜0.36mJ/dot)で印字する。消去条件は 8dot/mmサーマルヘッドを使用し、最小濃度となるエネルギー(0.10〜0.13mJ/dot)で消去する。消去エネルギー幅は最小濃度+0.1 までを消去マージンとした時のエネルギー幅である。また、濃度の測定はマクベスRD918 により行った。
【0064】
上記の表からわかるように、実施例5〜8においては、印字濃度と消去濃度のコントラストが印字消去を1回行ったときにも50回繰り返した後にも非常に良好であった。また、消去エネルギー範囲の変化についても、初期の消去エネルギー範囲と40℃7日経過後の消去エネルギー範囲との重なり合ったエネルギー範囲はいずれもある程度の幅をもち、実際の印字消去の繰り返し使用に適している。
【0065】
比較例3の場合には印字濃度が低くコントラストが悪い上、消去エネルギー範囲が初期、経時のいずれも狭く、経時消去性がやや劣り、消去のためのサーマルヘッドの制御が難しいため、実用性が低い。
【0066】
比較例4の場合には、印字濃度と消去濃度のコントラストが印字消去を1回行ったときには良好であるが、印字消去を50回繰り返した後のコントラストが悪く、また、消去エネルギー範囲が初期、経時のいずれも狭く、かつ経時の消去エネルギー幅が初期の消去エネルギー範囲とずれるため、耐久性と経時消去性が劣り、消去のためのサーマルヘッドの制御が難しいため、比較例3と同様、実用性が低い。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、可逆性感熱記録層が、染料と顕減色剤とを混合して加熱溶融させ、冷却後微粉砕し、これを放射線硬化型水系樹脂エマルジョン中に分散させて可逆性感熱記録層形成用の塗料を得て、この塗料を基材上に塗布し紫外線や電子線等の放射線の照射により硬化させることにより形成されているから、高温をかけることがないので顕減色剤が分解して発色することがなく、また発色機能が喪失することもないから、地肌かぶりの発生や印字濃度の低下がなく、良好なコントラストが得られる。しかも放射線硬化型水系樹脂エマルジョンを硬化させているから、可逆性感熱記録層の耐久性も良い。
【0068】
また、本発明によれば、染料と顕減色剤とを混合して加熱溶融させ、冷却後微粉砕したものを、水系熱可塑性樹の樹脂エマルジョン中に分散させた後、放射線硬化型水系樹脂エマルジョンを添加して分散させているから、サーマルヘッドによる消去エネルギー範囲が広くなり消去エネルギー範囲の経時変化がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可逆性感熱記録媒体の層構成の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
12 基材
14 可逆性感熱記録層
16 保護層
Claims (4)
- 基材と、可逆性感熱記録層とを有する可逆性感熱記録媒体において、
前記可逆性感熱記録層は、染料と顕減色剤とを混合し加熱溶融させ、冷却後微粉砕し、これを放射線硬化型水系樹脂エマルジョン中に分散させた塗料を前記基材に塗布後硬化させたものであることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。 - 染料と顕減色剤とを混合し加熱溶融する工程と、
前記加熱溶融された混合物を冷却後、微粉砕する工程と、
前記微粉砕された混合物を放射線硬化型水系樹脂エマルジョン中に分散させて可逆性感熱記録層塗料とする工程と、
該塗料を基材に塗布して硬化させることにより可逆性感熱記録層を形成する工程とを有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。 - 基材と、可逆性感熱記録層とを有する可逆性感熱記録媒体において、
前記可逆性感熱記録層は、染料と顕減色剤とを混合し加熱溶融させ、冷却後微粉砕し、これを水系熱可塑性樹脂エマルジョン中に分散させ、樹脂エマルジョン中に放射線硬化型水系樹脂エマルジョンを添加した塗料を前記基材に塗布後硬化させたものであることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。 - 染料と顕減色剤とを混合し加熱溶融する工程と、
前記加熱溶融された混合物を冷却後微粉砕する工程と、
前記微粉砕された混合物を水系熱可塑性樹脂エマルジョン中に分散させる工程と、
樹脂エマルジョン中に放射線硬化型水系樹脂エマルジョンを添加して可逆性感熱記録層塗料とする工程と、
該塗料を基材に塗布後硬化させることにより可逆性感熱記録層を形成する工程とを有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。
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